(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059692
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】安全カッター
(51)【国際特許分類】
B26D 1/02 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
B26D1/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167438
(22)【出願日】2020-10-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】302016026
【氏名又は名称】光廣 和三
(72)【発明者】
【氏名】光廣 和三
【テーマコード(参考)】
3C027
【Fターム(参考)】
3C027EE03
3C027EE06
3C027EE08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テーブルや机などの上に置いて、又は、冷蔵庫の側面などに取り付けて中身が入ったビニール袋などをカットし、切れなくなった刃を折って使用又は外して交換できるようにした、コンパクトでシンプル且つ扱い易い安全カッターを提供する。
【解決手段】テーブルの上に置ける平面、又は冷蔵庫の側面に取り付ける平面と、この面に垂直で二重で密着した面を持つ立設部2の二重の面の内側に、切断刃10を長手方向にスライドさせ取り出せるようにし、上下方向から少し傾斜した筒状のガイド部5を設け、ガイド部5を横断するスリット部7を設け、ガイド部5に切断刃折れ溝のピッチに合わせ複数の取り付け穴とガイド孔4を設け、切断刃10をねじと破断溝を持つナットで取り付け、ガイド部5の先端に指を保護し、切断刃10を保持するテーパー部6を設けている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦部を有するベース部と該ベース部から立設される立設部と該立設部に設けられた切断刃とで構成された安全カッターであって、前記立設部は、2枚の板材を重ね合わされて構成されるとともに、この2枚の板材の間にガイド部が構成され、このガイド部に切断刃が配置されており、更に前記立設部には上端から下方向に向けて所定距離の長さでスリット部が形成されており、このスリット部に前記切断刃の刃面が傾斜した状態で配置された安全カッター。
【請求項2】
前記立設部のガイド部の片面に、前記切断刃に形成された折れ溝の間隔に合わせた複数の取り付け穴が設けられ、前記ガイド部のもう一方の面に長孔状のガイド孔が設けられ、前記取り付け穴と前記ガイド孔に前記切断刃に形成されている保持穴をねじとナットで取り付けたことを特徴とする請求項1記載の安全カッター。
【請求項3】
前記立設部の前記ガイド部の先端には、末広がり状のテーパー部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の安全カッター。
【請求項4】
前記ナットは、前記切断刃の前記折れ溝に沿って折るための破断溝が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の安全カッター。
【請求項5】
前記ベース部の裏面側に、載置面に固定するための固定材が取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載のいずれか1項記載の安全カッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルや机などの上に置いて薬、栄養剤、栄養補助剤、菓子などの中身が入った小袋を素早く安全に切断する安全カッター及び、冷蔵庫などに取り付けて食品が入ったビニール袋、カウチパックや牛乳などが入っていた紙パックを素早く安全に切断する安全カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康に対する関心が高まっており、薬や栄養剤、栄養補助剤を毎日摂取する人が増えている中で、これらの袋は細長くギザギザがある縦方向には手でカット出来るが、中身がこぼれるので横方向にカットするためハサミを使ったり、横方向にスリットが入っていても、指の力が弱かったり、目が悪くスリットが見えなかったり、暗くてスリットが見えなかったりした時なども、ハサミを使っていた。又近年、野菜や調理済み品をビニール袋やカウチパックに入れた食品が、調理技術や冷凍技術の向上で温めるだけでおいしく食べられるし素早く調理できるので、家庭だけでなく飲食店、介護施設、病院などでも多く利用されており、これらビニール袋やカウチパックの中にはスリットが入っていて手で破れるようになっているが、スリットがないビニール袋や手が濡れて滑って破れない場合は、はさみでカットすることがしばしばであった。
【0003】
しかしながら、このところ 病院、介護施設、事務所などでは新型コロナウイルスの感染の影響で、ハサミなどの道具の使いまわしも感染の可能性があり、いちいちアルコール除菌することも求められている。この対策として、切断のための道具を持たず、テーブルや机などの上に置いて、又は冷蔵庫などに取り付けて、ベース部と立設部の間にローラーとサポートフレームと切断刃を取り付け、ローラーとカッター刃の間で袋をカットする安全カッターが提案されている。これにより直接袋を持ってカット出来、ハサミなどの道具の使い回しがないので、コロナウイルス感染のリスクも減り、手やビニール袋が濡れていたり、室内が薄暗くスリットが見えにくかったりした時でも、色々な物が入った袋を素早く容易にカットでき、カッター刃さえ交換すれば半永久的に使用でき便利ではあるが、刃の交換にペンチなどの工具が必要で、切断刃の刃先のカバーもその都度、外したりつけたりする必要あり手間がかかり、又大きくて使用しない時は邪魔で、構成部品も多く構造も複雑でコスト高になり、販売を拡大するまでには至らなかった。
【0004】
この改良品として切断刃だけを取り付けた、最もシンプルで小型の安全カッターも提案されているが、切断刃などの交換ができない使いきりの物だったので、商品としては物足りない物であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05-000761
【特許文献2】特願2018-174399
【特許文献3】特願2020-082393
【特許文献4】特願2020-098276
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、テーブルや机などの上に置いて、薬や栄養剤や栄養補助剤が入った袋を素早くカット出来る又は、冷蔵庫などに取り付けて食品が入ったビニール袋やカウチパックなどを素早くカット出来るだけでなく、切れなくなった刃をペンチなどの工具を使わず、折って又は、取り外して交換できるようにした安全カッターを、いかにしてコンパクトでシンプル且つ扱い易いものにするかである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、テーブルや机などの上に置ける平面又は、冷蔵庫の側面などに取り付ける平面のベース部に、この平面に対して垂直で重なった面を持つ立設部の内側に、切断刃を長手方向にスムーズにスライドさせベースから取り出せるようにした筒状で上下方向からやや傾斜したガイド部を設け、このガイド部の片方の面に、切断刃の折れ溝のピッチに合わせた複数の取り付け穴を設け、もう一方の面にガイド孔を設け、刃先を上向きにした切断刃をねじと破断溝を持ったナットで取り付けている。立設部には、ガイド部を上から下に横断し指が入らない程の隙間のスリット部を設け、このスリット部に薬や栄養剤などが入った袋や食品が入ったビニール袋やカウチパックなどを通し切断するようにしている。又、ガイド部の先端には、根本が切断刃の板がぎりぎり通る程の幅と、先端に指が切断刃に触れない程の出代を持った末広がり状のテーパー部を設け、切断刃を1ピッチ進めれば、テーパー部の根本に切断刃折れ溝が来て、切断刃が簡単に折れるようにし、テーパー部の先で、指が切断刃に触れないようにしてそのままでも安全に使用できるようにしており、これらが最も主要な特徴となる。
【発明の効果】
【0008】
テーブルや机の上に置いて薬や栄養剤の袋を素早く安全にカットする、及び冷蔵庫などに取り付けてビニール袋やカウチパックなどを素早く安全にカットし、切れなくなった切断刃は、ねじを緩め、ナットを外し、1ピッチ進めれば、テーパー部の根本から切断刃が1ピッチ分だけ出て、外したナットの破断溝で容易に折ることが出来、テーパーの先で指が触れないので、そのままの位置で安全に使用でき、破断溝を持つナットも切断刃と共に立設部のガイド部にねじで固定されるし、ねじの先もナットで隠れるので安全で、コンパクトでシンプル且つ扱いやすい安全カッターをわずかな部品点数にすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1の使用状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施例1のガイド部を拡大したA-A断面図である。
【
図7】本発明の実施例1のガイド部を拡大したB-B断面図である。
【
図8】本図は本発明に使用する一般的な小型の切断刃の正面図である。
【
図9】本発明の実施例1のガイド部のA―A断面図のテーパー部で、切断刃を破断する様子を示す拡大図である。
【
図10】本発明の実施例1のベース部と立設部を含むフレームの展開図である。
【
図15】本発明の実施例2のⅭ-Ⅽ断面図である。
【
図16】本発明の実施例2の使用状態を示す斜視図である。
【
図17】本発明の実施例2のベース部と立設部を含むフレームの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
テーブルや机などの上に置いて、薬や栄養剤、栄養補助剤などが入った袋を素早く安全にカットし、又は冷蔵庫などに取り付けて中身が入ったビニール袋やカウチパック、牛乳などが入っていた紙パックなど素早く安全にカットし、切れなくなった切断刃を折って又は外して交換できるようになり、安全でコンパクトで扱いやすい安全カッターを最小の部品点数にすることが出来たので、いろいろな分野の多くの人が使用しやすくなった。
【実施例0011】
ベース部と立設部にローラーとサポートフレームと切断刃を取り付け、ローラーと切断刃の間でビニール袋をカットする従来の安全カッターに対し、本発明は
図1、
図2、
図7に示すよう、テーブルや机など上に置けるような平面を持つベース部1と、この面に垂直で重なった立設部2の二重の面の間に、切断刃10を長手方向にスライドさせ、立設部2から取り出せるようにした筒状で上下方向から片側にやや傾斜したガイド部5を設けている。立設部2には、上下方向でガイド部5を横断し、指が入らない程度の隙間のスリット部7を設けており、このスリット部7に色々なビニール袋などを通して切断するようにしている。
【0012】
ガイド部5の片方の面には
図8に示すように、切断刃10の切断刃折れ溝12のピッチに合わせ、
図5に示すように複数の取り付け穴3を設け、反対側の面にはガイド孔4を設けており、刃先を上向きにした切断刃10の保持穴11をガイド部5の取り付け穴3に、破断溝14を持つナット13と共にねじ15で取り付けている。
【0013】
立設部2のガイド部5の先端には、
図6のように根本に切断刃10がぎりぎり通る程度の隙間で、先に指が切断刃10に触れない程度の出代で末広がり状のテーパー部6を設け、切断刃10の破断時に、この根本に切断刃折れ溝12が来るようにし、切断刃10が折れやすくなるようにしている。
【0014】
ナット13は、
図3のような略Ⅽ字状の断面の鋼板からなり、
図5に示すような切断刃が入る程の隙の破断溝14が設けられている。
【0015】
又ベース部1の底の面側には、本体をテーブルや机に置いたときの衝撃や衝撃音を防ぐためクッション用として滑り止めマット17を設けている。
【0016】
図1に示すように、薬や栄養剤が入った袋21をカットする場合は、立設部2のスリット部7に、栄養剤が入った袋21の端と少し内側を両手の指で摘まんで通せば、容易にカットでき、切断刃10が切れなくなった時は、ねじ15を外し、ガイド孔4から切断刃10の保持穴11をねじ15の先端で誘導させて取り付け穴3を1ピッチずらしてねじ15を差し込めば、テーパー部6から切断刃10が1ピッチ分出てきて、切断刃10の刃先を
図9のようにナット13の破断溝14に差し込み破断することが出来る。又その状態のままでナット13を取り付け穴3にセットすれば、ねじ15でガイド部5に取り付けることが出来、切断刃10を破断した後そのまま使用しても、テーパー部6の先端で指がカバーされ切断刃10に指が触れないので安全に使用できる。又、ねじ15の先端はナット13で覆われているので安全に使用できる。
【0017】
この安全カッターのベース部1と立設部2を一体にし、薄鋼板で
図10のようなベースの展開形状にし、連結部8を中心にして
図2,3のように折り曲げ、スポット溶接9等で補強するようにすれば1部品に出来、更に部品点数も少なくなる。