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特開2022-59741高誘電性液晶組成物及びそれを用いたデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059741
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】高誘電性液晶組成物及びそれを用いたデバイス
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/20 20060101AFI20220407BHJP
   C09K 19/32 20060101ALI20220407BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20220407BHJP
   H01G 4/18 20060101ALN20220407BHJP
【FI】
C09K19/20
C09K19/32
G02F1/13 500
G02F1/13 505
H01G4/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167513
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】518427074
【氏名又は名称】LG Japan Lab株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中杉 茂正
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 順次
(72)【発明者】
【氏名】姜 聲敏
(72)【発明者】
【氏名】石崎 博基
【テーマコード(参考)】
2H088
4H027
5E082
【Fターム(参考)】
2H088KA24
2H088KA28
2H088MA20
4H027BE02
4H027CH01
5E082FF05
5E082FG34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】極めて高い比誘電率及び自発分極値を有する液晶組成物、並びにそれを用いた高容量、軽量及び柔軟性を実現するデバイスを提供する。
【解決手段】屈曲構造を有する液晶化合物を含有し、比誘電率が1×10以上であり、自発分極値が100(nC/cm)以上であることを特徴とする液晶組成物による。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈曲構造を有する液晶化合物を含有し、比誘電率が1×10以上であり、自発分極値が100(nC/cm)以上であることを特徴とする液晶組成物。
【請求項2】
前記比誘電率が1×10~1×10であり、自発分極値が100~2000(nC/cm)であることを特徴とする液晶組成物。
【請求項3】
前記屈曲構造を有する液晶化合物が下記式(1)で表される化合物であり、単一又は複数の液晶化合物で構成される請求項1または2に記載の液晶組成物。
【化1】
(1)
〔式中、
Ar、Ar、Ar、及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであり、前記置換基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はカルボキシ基であり、Lはエステル又はイミンであり、Rは両方(左端及び右端)又はそれぞれ別個に、炭素数4以上20以下のアルキル基、炭素数4以上20以下のアルケニル基、炭素数4以上20以下のアルキニル基、炭素数4以上20以下のメタクリル基、炭素数4以上20以下のアクリル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルコキシ基、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端1,2-ジメトキシエタン、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端ジエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端トリエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルケニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のメタクリル基、又はエーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアクリル基であり、m及びpはそれぞれ独立して、1~3の整数であり、nは1~9から選択される何れかの奇数である。〕
【請求項4】
前記Ar、Ar、Ar及びArは、置換基を有するベンゼンであることを特徴とする、請求項3に記載の液晶組成物。
【請求項5】
電圧処理が施された、請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項6】
前記電圧処理が交流電圧であり、1~50Vpp/umの条件で行われることを特徴とする請求項5に記載の液晶組成物。
【請求項7】
前記電圧処理が直流電圧であり、0.1~20V/umの条件で行われることを特徴とする請求項5に記載の液晶組成物。
【請求項8】
屈曲構造を有する液晶化合物を含有し、比誘電率が1×10以上であり、自発分極値が100(nC/cm)以上であることを特徴とする液晶組成物を備えてなる、デバイス。
【請求項9】
前記比誘電率が1×10~1×10であり、自発分極値が100~2000(nC/cm)であることを特徴とする液晶組成物を備えてなる、デバイス。
【請求項10】
前記屈曲構造を有する液晶化合物が下記式(2)で表される化合物であり、単一又は複数の液晶化合物で構成される請求項8または9に記載のデバイス。
【化2】
(2)
〔式中、
Ar、Ar、Ar、及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであり、前記置換基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はカルボキシ基であり、Lはエステル又はイミンであり、Rは両方(左端及び右端)又はそれぞれ別個に、炭素数4以上20以下のアルキル基、炭素数4以上20以下のアルケニル基、炭素数4以上20以下のアルキニル基、炭素数4以上20以下のメタクリル基、炭素数4以上20以下のアクリル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルコキシ基、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端1,2-ジメトキシエタン、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端ジエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端トリエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルケニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のメタクリル基、又はエーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアクリル基であり、m及びpはそれぞれ独立して、1~3の整数であり、nは1~9から選択される何れかの奇数である。〕
【請求項11】
前記Ar、Ar、Ar及びArは、置換基を有するベンゼンであることを特徴とする、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスは、少なくとも二つの電極と、前記両電極に挟持される前記液晶組成物とを備えてなるものである、請求項8~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、アクチュエータ、コンデンサ、振動発電素子、又は誘電体メモリである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
電圧処理が施された、請求項8~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記電圧処理が交流電圧であり、1~50Vpp/umの条件で行われることを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記電圧処理が直流電圧であり、0.1~20V/umの条件で行われることを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高誘電性液晶組成物及びそれを用いたデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体は、誘電性が導電性より優位な物質であって、直流電圧に対して非電通であり、絶縁体としての挙動を示すものである。そして、誘電体は、例えば、アクチュエータ、コンデンサ、振動発電素子、又は誘電メモリ等のデバイスに幅広く用いられている。
【0003】
誘電体を構成する物質として、従来から、セラミック、誘電性無機物質、誘電性高分子樹脂、誘電性液晶組成物、誘電性液晶組成物等の多くのものが存在している。
【0004】
比誘電率の高い材料として、強誘電体又は反強誘電体が知られている。「強誘電体」とは、誘電体の一種で、双極子が整列しており、かつ双極子の方向が電場によって反転できる物質をいう。また、このように双極子モーメントが自発的に整列する性質を強誘電性と呼んでいる。また、「反強誘電体」は、双極子の向きがある方向に沿って交互に逆を向いているため、マクロな自発分極はゼロとなるが、強い外部電場を印加する事によって自由エネルギーを変化させ、強制的に強誘電体に相転移させることが可能である。
【0005】
強誘電体又は反強誘電体の代表例としては、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛等の無機強誘電体、並びに、有機結晶及び有機液晶等の有機強誘電体が挙げられる。
【0006】
強誘電性液晶又は反強誘電性液晶としては、例えば、非特許文献1、特許文献1では、単層スメクチック相(SmCA)を形成する短い末端アルキル鎖を持つ4OAM5AMO4と反強誘電性二重層相(SmCA)を形成する16OAM5AMO16との混合物により、強誘電性液晶を示すことが報告されている。
【0007】
また、特許文献2では、フッ素原子を含む16OAM5AMO16が100程度の比誘電率を示している。
【0008】
しかしながら、高い比誘電率を有する液晶組成物及びそれを用いたデバイスの開発及び提供には至っておらず、今尚、高誘電性を有する材料の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許5223141号公報
【特許文献2】特願2019-218479号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】「Dimeric compounds, Several Types of Bilayer Smectic Liquid Crystals with Ferroelectric and Antiferroelectric Properties in Binary Mixture of Dimeric Compounds」〔Tatsuya Izumi et, al; J. Phys. Chem. B2006, 110, 47, 23911-23919〕
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は極めて高い比誘電率を有する液晶組成物及びそれを用いた高容量、軽量及び柔軟性を実現するデバイスを提案する。
【0012】
また本発明は、屈曲構造を有する液晶化合物を含有する、極めて高い比誘電率並びに自発分極値を有する液晶組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
〔本発明の一の態様〕
本発明によれば、本発明の一の態様として以下のものを提案することができる。
〔1〕 屈曲構造を有する液晶化合物を含有し、比誘電率が1×10以上であり、自発分極値が100(nC/cm)以上であることを特徴とする液晶組成物。
〔2〕 前記比誘電率が1×10~1×10であり、自発分極値が100~2000(nC/cm)であることを特徴とする液晶組成物。
〔3〕 前記屈曲構造を有する液晶化合物が下記式(1)で表される化合物であり、単一又は複数の液晶化合物で構成される〔1〕または〔2〕に記載の液晶組成物。
【化1】
(1)
〔式中、
Ar、Ar、Ar、及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであり、前記置換基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はカルボキシ基であり、Lはエステル又はイミンであり、Rは両方(左端及び右端)又はそれぞれ別個に、炭素数4以上20以下のアルキル基、炭素数4以上20以下のアルケニル基、炭素数4以上20以下のアルキニル基、炭素数4以上20以下のメタクリル基、炭素数4以上20以下のアクリル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルコキシ基、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端1,2-ジメトキシエタン、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端ジエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端トリエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルケニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のメタクリル基、又はエーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアクリル基であり、m及びpはそれぞれ独立して、1~3の整数であり、nは1~9から選択される何れかの奇数である。〕
〔4〕 前記Ar、Ar、Ar及びArは、置換基を有するベンゼンであることを特徴とする、〔3〕に記載の液晶組成物。
〔5〕 電圧処理が施された、〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の液晶組成物。
〔6〕 前記電圧処理が交流電圧であり、1~50Vpp/umの条件で行われることを特徴とする〔5〕に記載の液晶組成物。
〔7〕 前記電圧処理が直流電圧であり、0.1~20V/umの条件で行われることを特徴とする〔5〕に記載の液晶組成物。
〔8〕 屈曲構造を有する液晶化合物を含有し、比誘電率が1×10以上であり、自発分極値が100(nC/cm)以上であることを特徴とする液晶組成物を備えてなる、デバイス。
〔9〕 前記比誘電率が1×10~1×10であり、自発分極値が100~2000(nC/cm)であることを特徴とする液晶組成物を備えてなる、デバイス。
〔10〕 前記屈曲構造を有する液晶化合物が下記式(2)で表される化合物であり、単一又は複数の液晶化合物で構成される〔8〕または〔9〕に記載のデバイス。
【化2】
(2)
〔式中、
Ar、Ar、Ar、及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであり、前記置換基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はカルボキシ基であり、Lはエステル又はイミンであり、Rは両方(左端及び右端)又はそれぞれ別個に、炭素数4以上20以下のアルキル基、炭素数4以上20以下のアルケニル基、炭素数4以上20以下のアルキニル基、炭素数4以上20以下のメタクリル基、炭素数4以上20以下のアクリル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルコキシ基、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端1,2-ジメトキシエタン、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端ジエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端トリエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルケニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のメタクリル基、又はエーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアクリル基であり、m及びpはそれぞれ独立して、1~3の整数であり、nは1~9から選択される何れかの奇数である。〕
〔11〕 前記Ar、Ar、Ar及びArは、置換基を有するベンゼンであることを特徴とする、〔10〕に記載のデバイス。
〔12〕 前記デバイスは、少なくとも二つの電極と、前記両電極に挟持される前記液晶組成物とを備えてなるものである、〔8〕から〔11〕のいずれか一項に記載のデバイス。
〔13〕 前記デバイスが、アクチュエータ、コンデンサ、振動発電素子、又は誘電体メモリである、〔12〕に記載のデバイス。
〔14〕 電圧処理が施された、〔8〕~〔13〕のいずれか一項に記載のデバイス。
〔15〕 前記電圧処理が交流電圧であり、1~50Vpp/umの条件で行われることを特徴とする〔14〕に記載のデバイス。
〔16〕 前記電圧処理が直流電圧であり、0.1~20V/umの条件で行われることを特徴とする〔14〕に記載のデバイス。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、比誘電率が1×10以上であり、自発分極値が100(nC/cm)以上である高い比誘電率および自発分極値を有する屈曲構造を有する液晶化合物を含有する液晶組成物を実現することができる。また、本発明による液晶組成物を備えたデバイスによれば、高容量、軽量及び柔軟性を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔液晶化合物〕
本発明において用いられる屈曲構造を有する液晶化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。この液晶化合物は高い比誘電率を示すものであり、誘電体として優れた性能を発揮させることが可能となる。また、本発明にあっては、この液晶化合物は二量体であることが好ましい。
【0016】
【化3】
(1)
〔式中、
Ar、Ar、Ar、及びArはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであり、前記置換基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はカルボキシ基であり、Lはエステル又はイミンであり、Rは両方(左端及び右端)又はそれぞれ別個に、炭素数4以上20以下のアルキル基、炭素数4以上20以下のアルケニル基、炭素数4以上20以下のアルキニル基、炭素数4以上20以下のメタクリル基、炭素数4以上20以下のアクリル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルコキシ基、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端1,2-ジメトキシエタン、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端ジエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端トリエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合と炭素数4以上20以下のアルキルを有する末端テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルケニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアルキニル基、エーテル結合を有する炭素数4以上20以下のメタクリル基、又はエーテル結合を有する炭素数4以上20以下のアクリル基であり、m及びpはそれぞれ独立して、1~3の整数であり、nは1~9から選択される何れかの奇数である。〕
【0017】
〔液晶組成物〕
本発明の液晶組成物は、比誘電率が1×10以上であり、自発分極値が100(nC/cm)以上であり、好ましくは上記の屈曲構造を有する液晶化合物を含有することを特徴とする。なお、比誘電率及び自発分極値については後述する。
【0018】
(比誘電率)
本発明において用いられる液晶化合物は、従来の高分子誘電体〔2~3〕と比較して、1×10~1×10オーダー程度、好ましくは1×10以上、より好ましくは1×10以上、最も好ましくは1×10以上の高い比誘電率を有する。すなわちこのような性質から、本発明の液晶組成物は、比誘電率が1×10以上という高い値を有する。比誘電率は周波数が1Hz~1kHz程度、好ましくは10Hz~100Hz程度、より具体的には10Hzで測定することができる。
【0019】
一般に、比誘電率はJIS C2138:2007の条件によって測定することができるが、市販されているインピーダンスアナライザーを用いて測定することが可能である。インピーダンスアナライザーとしてはFRA51615(エヌエフ回路設計ブロック社製)を使用して、周波数(可変)10Hz~15MHz、測定温度20℃から200℃という条件で測定することが可能である。尚、測定する試料は一例として、2cm角のインジウムスズ酸化物上に厚さ10nmから1μm程度の誘電体を積層し、その上に直径1mmから10mmの円状の電極(例えば銅、クロム、アルミニウム、金などの金属)を蒸着法により形成することにより作製することが可能である。
【0020】
(自発分極値)
一般に強誘電体は、キューリー点と呼ばれるある一定の温度で結晶形を変え、キューリー点以上で自発分極を失い常誘電体に、キューリー点以下で自発分極を生じ強誘電体となる。
【0021】
なお、キューリー点以上で比誘電率(ε)は、Curie Weissの法則と呼ばれる次の関係式を満たす。
ε=C/(T-Tr)
〔式中、Cはキューリー定数、Trはキューリー温度(℃)、Tは測定温度(℃)である。〕
【0022】
一般的に自発分極値が大きいことは、材料表面に蓄積できる電荷密度が大きいことを示し、不揮発メモリのセルの微細化に有利となるだけでなく、誘電性や焦電性、圧電性に関わる高性能化に貢献する。また、上述した比誘電率並びに自発分極値は屈曲構造を有する液晶化合物に限り、独立変数である。それは本願の屈曲構造を有する液晶化合物がスメクチック相などの特異的な配向構造を形成することで、双極子モーメントの増大に伴い、格段に比誘電率が上昇するためである。
【0023】
〔液晶化合物の製造方法〕
((1)、(2)の液晶化合物の製造例)
前記(1)、(2)で表される液晶化合物は通常の製造方法によって製造することができる。具体的には複数の中間体を製造し、これら中間体を結合させて前記液晶化合物を得ることができる。
【0024】
原料としては、前記(1)、(2)で表される液晶化合物の基本骨格を構成しうる化合物を用意する。例えば、Rとして、炭素数4以上20以下のアルキル又はアルコキシ(ハロゲンで置換されていてよい)であってよい。Ar、Ar、Ar、及びArとして、置換基を有するベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであってよい。O(CHOとしてアルキルジオールであってよい。
【0025】
撹拌器、凝縮器、加熱装置、気体導入管及び温度制御装置を取り付けた反応器を用意し、原料、試薬、溶媒、気体などを適宜導入し、反応器内の温度、圧力、原料等の導入速度等を適宜調整して、前記(1)、(2)で表される液晶化合物を得ることができる。得られた中間体はNMRを用いてその構造を解析する。
【0026】
〔液晶化合物の架橋(固定化)方法〕
前記(1)、(2)で表される液晶化合物は形成される膜の液晶配向状態を固定化するため、架橋(固定化)を行うこともできる。その方法として、波長が13.5~436nmでの露光、40~200℃での加熱により前記(1)、(2)で表される液晶化合物の架橋を行うことができる。また、架橋を促進するために、前記(1)、(2)で表される液晶化合物に架橋剤及び触媒(光酸発生剤、光塩基発生剤、光ラジカル発生剤、熱酸発生剤、熱塩基発生剤及び熱ラジカル発生剤)を添加して架橋を行うことができる。
【0027】
〔デバイス〕
本発明にあっては、本発明による液晶組成物を備えたデバイスを提案する。
【0028】
近年、アクチュエータ、コンデンサ等の電気化学素子に実装される誘電体は、電気化学素子の性能向上の一つとして、高容量化が求められている。例えば、コンデンサにおいて、「電気容量」は下記式で定義されており、「高容量化」を図るためには、下記式において、高い比誘電率が必要である。
C=εεS/d
〔上記数式中、Cは電気容量であり、εは誘電体の比誘電率であり、εは真空の誘電率であり、Sは電極面積であり、dは電極間距離を示す〕
【0029】
本発明によるデバイスは、従来の誘電体材料と比較して高い比誘電率を示す本発明の液晶組成物を備えてなることから、高い比誘電率を実現することが可能となり、その結果、本発明による液晶組成物を実装したデバイスの高容量化を実現することが可能となる。
【0030】
デバイスは使用用途に合致させて、所望の形態、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状、ロッド状、立方体状、直方体状、球状、ラグビーボール状、複合形態、複雑な形状であってもよい。本発明によるデバイスは、フィルム状、シート状、板状等の平面形態とした場合、その厚さは所望の使用態様によって自由に定めることができる。
【0031】
本発明は、本発明による液晶組成物を備えたデバイスを提案する。本発明のデバイスは好ましくは少なくとも2つの電極と前記電極間に本発明による液晶組成物を備えてなる構成であってよい。デバイスとしては、アクチュエータ、コンデンサ、振動発電素子、(強)誘電体メモリ、通信機器におけるフィルタ、アンテナ、携帯電話におけるキーデバイス等が挙げられる。本発明による液晶化合物(又は誘電体)は、特に、比誘電率が高く、高い特性と軽量性を併せ持つアクチュエータ、コンデンサ、振動発電素子、又は誘電メモリ等の実現に大きく貢献する。
【0032】
また、近年、アクチュエータ、コンデンサ、振動発電素子等のデバイスは、ウェアラブルデバイスとしても注目されている。ウェアラブルデバイスでは、柔軟性に加え、安全性の観点から低電圧駆動性であることも必要である。
【0033】
本発明によるデバイスは、従来の誘電体材料と比較して高い柔軟性(可撓性)を示す本発明の液晶組成物を備えてなることから、上記各デバイスの特性向上のみならず、柔軟化及び低電圧駆動化も併せて実現することが可能となる。
【0034】
(アクチュエータ)
本発明による液晶組成物を備えたアクチュエータ、特に、誘電アクチュエータを提案することができる。誘電アクチュエータは、エラストマーを2枚の電極で挟み込んだ構造となっており、電場下において、一方の電極にはプラスの電荷が、反対側の電極にはマイナスの電荷が蓄えられる。その結果、電極間にクーロン力が生じ、このクーロン力によってエラストマーが電極に押しつぶされ、アクチュエータとしての機能を発揮する。誘電アクチュエータの発生力は下記式により定義されており、比誘電率、電極間距離、電極面積及び電圧を変えることで制御が可能である。
F=εεSV/2d
〔上記数式中、Fは発生力であり、εは誘電体(エラストマー)の比誘電率であり、εは真空の誘電率であり、Sは電極面積であり、Vは印加電圧であり、dは電極間距離を示す〕
誘電アクチュエータとして高い特性を実現するためには、高い発生力が必要であり、上記の式において高い比誘電率を持つ必要がある。
【0035】
また、エラストマーのひずみは下記式により定義される。
σ=Fd/E
〔上記数式中、σはひずみであり、Fは発生力であり、dは電極間距離であり、Eはヤング率を示す〕
また、誘電アクチュエータとして高い特性を実現するためには、高い発生力及び大きなひずみが必要であり、上記式の式から、エラストマーの性能としては、小さいヤング率(高い柔軟性)を持つ必要がある。
【0036】
高い発生力を得るために、電圧を高くする方法も考えられるが、ウェアラブルデバイスのための誘電アクチュエータとしては、安全性の観点から低電圧駆動であることが望ましい。
【0037】
本発明による液晶組成物を備えた(誘電)アクチュエータは、従来の(誘電)アクチュエータ材料と比較して、高い発生力及び大きなひずみを実現し、かつ、柔軟性及び低電圧駆動性を実現することができる。また、誘電アクチュエータは、その素子として、液晶組成物と電極が複数層積層したものであっても良い。また、本発明の誘電アクチュエータにおいて、液晶化合物の層厚が0.1から500μm程度で、発生力(F)は10~5000Nを実現することができる。
【0038】
電極(アノード、カソード)の材料は通常の導電性材料であってよく、例えば、カーボンナノファイバー、カーボンブラック等の炭素材料;コロイド銀等の金属コロイド;テトラチアフルバレン/テトラシアノキノジメタン等の電化移動錯体、ポリピロール等の導電性高分子が挙げられ、使用する誘電体の伸縮に追従する伸縮性を有する部材が好ましい。このような電極部材としては、例えば、アクリル系、シリコン系、ウレタン系、スチレン系のエラストマー材料、シリコングリース等の高粘性材料等の樹脂に導電フィラーを分散させた複合材料などが挙げられる。
【0039】
本発明による誘電アクチュエータは電極材料に、本発明による液晶組成物を吹き付ける方法;電極材料と誘電体とを貼り合わせる方法;電極材料に誘電体を含浸又は分散含有させる方法;電極材料に誘電体を塗布又は印刷する方法等が挙げられる。
【0040】
本発明による誘電アクチュエータは様々な環境下(気体、液体、固体)、また、機器、生体等において動作可能である。本発明による誘電アクチュエータはそれを実装したロボット等の可動領域(特に、関節部)における応答容易性、迅速応答反応性を可能とし、又は生体(例えば、人間の皮膚)に装着することにより、動物(人を含む)の可動を補助するものとして使用可能である。本発明にあっては、動作補助用の誘電アクチュエータを提案することができる。
【0041】
例えば、本発明による液晶組成物は高い比誘電率を有することから、誘電エラストマーとしての機能を有する。即ち、電極間に電圧が印加されると、電極間にクーロン力が生じ、このクーロン力によって誘電エラストマーが電極に押しつぶされる。また、電圧印加を止めると、誘電体の弾性により誘電体は元に戻る。従って、電圧をON-OFFすることで収縮―膨張が可逆的に制御可能であり、誘電アクチュエータとして利用できる。
【0042】
特に、本発明においては、駆動系として本発明による誘電アクチュエータを備えた人工筋肉、ロボット、アシスト装置等に用いられ、特に、これらの高い発生力という要求に応じることができる。
【0043】
(コンデンサ)
本発明による液晶組成物を備えたコンデンサは基本として、二つ電極の間に高誘電率な液晶化合物を備えてなるものであり、液晶組成物と電極が複数層積層したものであっても良い。本発明によるコンデンサは高誘電率な液晶組成物を備えてなることから、液晶組成物の層厚が0.1~500μm程度で、その電気容量(C)は1pF~10000μFを実現することができる。
【0044】
本発明によるコンデンサは本発明による液晶組成物を使用する以外は通常のように構成されてよい。従って、二つの電極板(アノード、カソード)の材料は通常のものとして構成されてよく、上述した製造例は〔アクチュエータ〕の項で説明したのと同様であってよい。また、本発明によるコンデンサは電子回路部品として使用することが可能である。
【0045】
(振動発電素子)
本発明による液晶組成物を備えた振動発電素子は上記アクチュエータとは逆の原理により電力を得るというものであり、通常、動植物の動き、人工物の揺れ等、殆ど未使用のエネルギーを電力に変換する(発電)というものである。
【0046】
本発明による振動発電素子は基本として、少なくとも二つ電極の間に本発明による液晶組成物を備えてなるものである。従って、その構成は、上記〔アクチュエータ〕の項で説明したのと同様であってよい。本発明による振動発電素子は本発明による高誘電率な液晶組成物を備えてなることから、本発明による液晶組成物の層厚が0.1μm~1cm程度で、一伸縮当たり、その電力(E)は0.1mW~10Wを実現することができる。
【0047】
((強)誘電体メモリ)
本発明にあっては、本発明による液晶組成物又は誘導体を備えた(強)誘電体メモリを提案することができる。「(強)誘電体メモリ」とは、強誘電体のヒステリシスに因る正負の残留分極(自発分極)をデジタルデータに対応させた不揮発性メモリのことであり、Ferroelectric Random Access Memory:「FeRAM」と呼ばれるものである。
【0048】
誘電体メモリは、半導体層と、半導体層と、絶縁層と、反強誘電体と、強誘電体と、電極と、前記半導体層に形成されたソース領域と及びドレイン領域とにより構成されてなるものである。本発明にあっては、反強誘電体又は強誘電体(好ましくは)として、本発明による液晶組成物又は誘電体を用いる。
【0049】
本発明による液晶組成物を用いた(強)誘電体メモリは、誘電体の層厚が0.1から500μm程度で実現することができる。
【実施例0050】
本発明の内容を以下の実施例を用いて説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。また、本明細書に開示された様々な本発明の態様は本実施例から当業者が容易に実施することができるものである。
〔液晶化合物の合成〕
【0051】
(液晶化合物1)
液晶化合物1は非特許文献1に従い、合成することができる。
【0052】
(液晶化合物2)
液晶化合物2は非特許文献1に従い、合成することができる。
【0053】
(液晶化合物3)
液晶化合物3は特許文献2に従い、合成することができる。
【0054】
〔液晶組成物および電気化学素子の作製〕
(液晶化合物1(35mol%)+液晶化合物2(65mol%))
液晶化合物1(1.00g、1.00mmol)と液晶化合物2(1.23g、1.86mmol)を混合し、クロロホルム(関東化学社製、109.34g)を添加し、完全に溶解後、50℃にその溶液を保持し、クロロホルムを蒸発させることで、液晶化合物1(35mol%)+液晶化合物2(65mol%)を得た。得られた液晶組成物を120℃まで加熱することにより溶融させ、ITO(電極)付きのガラス基板で挟み込んだセル(イーエッチシー社製、電極面積:1cm、電極間距離:3、10、25、50um)にそれぞれ注入して電気化学素子を作製した。
【0055】
(液晶化合物1(70mol%)+液晶化合物2(30mol%))
液晶化合物1(1.00g、1.00mmol)と液晶化合物2(0.28g、0.43mmol)を混合し、クロロホルム(62.92g)を添加し、完全に溶解後、50℃にその溶液を保持し、クロロホルムを蒸発させることで、液晶化合物1(70mol%)+液晶化合物2(30mol%)を得た。得られた液晶組成物を120℃まで加熱することにより溶融させ、ITO(電極)付きのガラス基板で挟み込んだセル(電極面積:1cm、電極間距離:3um)に注入して電気化学素子を作製した。
【0056】
(液晶化合物3)
液晶化合物3を120℃まで加熱することにより溶融させ、ITO(電極)付きのガラス基板で挟み込んだセル(電極面積:1cm、電極間距離:3um)に注入して電気化学素子を作製した。
【0057】
(液晶化合物3(60mol%)+液晶化合物2(40mol%))
液晶化合物3(1.00g、0.97mmol)と液晶化合物2(0.43g、0.64mmol)を混合し、クロロホルム(69.91g)を添加し、完全に溶解後、50℃にその溶液を保持し、クロロホルムを蒸発させることで、液晶化合物3(60mol%)+液晶化合物2(40mol%)を得た。得られた液晶組成物を120℃まで加熱することにより溶融させ、ITO(電極)付きのガラス基板で挟み込んだセル(電極面積:1cm、電極間距離:3um)に注入して電気化学素子を作製した。
【0058】
(実施例1)
液晶化合物1(35mol%)+液晶化合物2(65mol%)を封入した液晶セル(電極面積:1cm、電極間距離:3um)を液晶相温度104℃にて、インピーダンスアナライザー(FRA51615、エヌエフ回路設計ブロック社製)により、交流電圧処理を10Vpp/umで行った。その後、インピーダンスアナライザーにより、交流電圧1Vpp、周波数10Hz-15MHzでスイープして、比誘電率(誘電強度)を測定したところ、1640であった。
また、液晶相温度104℃にて、液晶セルにファンクションジェネレーター(WF1945B、エヌエフ回路設計ブロック)から三角波による交流電圧10Vpp/umを印加し、そこに流れる電流をI-V変換器である抵抗上の電位をオシロスコープ(TDS2014、テクトロニクス社製)で測定した。得られた波形の積分値により自発分極を算出したところ、786nC/cmであり、容量は786nCであった。評価結果を下記表1に示した。
【0059】
(実施例8)
液晶化合物1(70mol%)+液晶化合物2(30mol%)を封入した液晶セル(電極面積:1cm、電極間距離:3um)を液晶相温度116℃にて、インピーダンスアナライザーにより、交流電圧処理を10Vpp/umで行った。その後、インピーダンスアナライザーにより、交流電圧1Vpp、直流電圧1V/um、周波数10Hz-15MHzでスイープして、比誘電率(誘電強度)を測定したところ、620であった。
【0060】
(実施例2~7、9、11、比較例6)
実施例1と同様に実験を行い、実験結果並びに実験条件を表1に示した。
【0061】
(実施例10、12)
実施例8と同様に実験を行い、実験結果並びに実験条件を表1に示した。
【0062】
(比較例1)
誘電体測定用電極(電極面積:1cm)にフッ化ビニリデンゴム(華陽物産社製、電極間距離(膜厚):500um)を上下に挟み込んで電気化学素子を作製し、25℃にて、インピーダンスアナライザーにより、交流電圧処理を5Vpp/umで行った。その後、インピーダンスアナライザーにより、交流電圧1Vpp、周波数10Hz-15MHzでスイープして、比誘電率(誘電強度)を測定したところ、13であった。実験結果並びに実験条件を表1に示した。
【0063】
(比較例2)
誘電体測定用電極(電極面積:1cm)にフッ化ビニリデンゴム(華陽物産社製、電極間距離(膜厚):500um)を上下に挟み込んで電気化学素子を作製し、25℃にて、インピーダンスアナライザーにより、交流電圧処理を5Vpp/umで行った。その後、インピーダンスアナライザーにより、交流電圧1Vpp、直流電圧1V/um、周波数10Hz-15MHzでスイープして、比誘電率(誘電強度)を測定したところ、13であった。実験結果並びに実験条件を表1に示した。
(比較例3~5)
比較例1と同様に実験を行い、実験結果並びに実験条件を表1に示した。
【表1】
【0064】
なお表1中、液晶1~3はそれぞれ以下のような構造を有する液晶化合物である
【0065】
液晶1:
【化4】
【0066】
液晶2:
【化5】
【0067】
液晶3:
【化6】
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は極めて高い比誘電率を有する液晶組成物及びそれを用いた高容量、軽量及び柔軟性を実現するデバイスを提供することができる。
また本発明は、屈曲構造を有する液晶化合物を含有する、極めて高い比誘電率並びに自発分極値を有する液晶組成物を提供することができる。
以上のことから、本発明は産業上極めて有用である。