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特開2022-59760ゲーム装置、ゲーム制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059760
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲーム制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20220407BHJP
   A63F 13/837 20140101ALI20220407BHJP
   A63F 13/5372 20140101ALI20220407BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20220407BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20220407BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/837
A63F13/5372
A63F13/426
A63F13/213
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167559
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慎平
(72)【発明者】
【氏名】山本 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 大希
(57)【要約】
【課題】照準補正を行いつつ、ユーザ間の技量の差を適切にゲームに反映させるようにすること。
【解決手段】ゲーム装置は、少なくとも1つのオブジェクトを表示画面に表示するよう制御する表示制御部と、コントローラに対する第1ユーザ操作に基づき、表示画面に表示される照準位置を制御する位置制御部と、コントローラに対する第2ユーザ操作に基づき、攻撃が行われたか否かを判定する判定部と、攻撃が行われたと判定された場合、照準位置とオブジェクトの位置との位置関係に応じて、オブジェクト又はユーザに付与されるパラメータ値を調整する調整部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのオブジェクトを表示画面に表示するよう制御する表示制御部と、
コントローラに対する第1ユーザ操作に基づき、前記表示画面に表示される照準位置を制御する位置制御部と、
前記コントローラに対する第2ユーザ操作に基づき、攻撃が行われたか否かを判定する判定部と、
前記攻撃が行われたと判定された場合、前記照準位置と前記オブジェクトの位置との位置関係に応じて、前記オブジェクト又は前記ユーザに付与されるパラメータ値を調整する調整部と、
を備えるゲーム装置。
【請求項2】
前記調整部は、前記パラメータ値が前記オブジェクトに付与されるダメージ値を含む場合、前記攻撃時の前記照準位置が前記オブジェクトの位置に近いほど、前記ダメージ値を大きくすることを含む、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記調整部は、前記照準位置と前記オブジェクトの位置との位置関係が第1所定条件を満たすときに、前記パラメータ値の調整を行うことを含む、請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
情報処理装置が、
少なくとも1つのオブジェクトを表示画面に表示するよう制御するステップと、
コントローラに対する第1ユーザ操作に基づき、前記表示画面に表示される照準位置を制御するステップと、
前記コントローラに対する第2ユーザ操作に基づき、攻撃が行われたか否かを判定するステップと、
前記攻撃が行われたと判定された場合、前記照準位置と前記オブジェクトの位置との位置関係に応じて、前記オブジェクト又は前記ユーザに付与されるパラメータ値を調整するステップと、
を実行するゲーム制御方法。
【請求項5】
情報処理装置に、
少なくとも1つのオブジェクトを表示画面に表示するよう制御するステップと、
コントローラに対する第1ユーザ操作に基づき、前記表示画面に表示される照準位置を制御するステップと、
前記コントローラに対する第2ユーザ操作に基づき、攻撃が行われたか否かを判定するステップと、
前記攻撃が行われたと判定された場合、前記照準位置と前記オブジェクトの位置との位置関係に応じて、前記オブジェクト又は前記ユーザに付与されるパラメータ値を調整するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シューティングゲームにおいて、所定エリア内に照準位置が入った場合に、照準位置を敵キャラクタの位置に自動で補正するようなゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3741965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記補正処理は、シューティングゲームにおける照準が不慣れなユーザにとっては敵キャラクタに攻撃を与えやすくなる一方で、照準が上手なユーザにとっては公平感が失われ、ゲームに対する不満を増幅させてしまう。また、元来、シューティングゲームは、ユーザの技量を競うゲームであるが、上記補正処理は、ユーザ間の技量の差をなくしてしまっていた。
【0005】
そこで、本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、照準補正を行いつつ、ユーザ間の技量の差を適切にゲームに反映させることが可能なゲーム装置、ゲーム制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るゲーム装置は、少なくとも1つのオブジェクトを表示画面に表示するよう制御する表示制御部と、コントローラに対する第1ユーザ操作に基づき、前記表示画面に表示される照準位置を制御する位置制御部と、前記コントローラに対する第2ユーザ操作に基づき、攻撃が行われたか否かを判定する判定部と、前記攻撃が行われたと判定された場合、前記照準位置と前記オブジェクトの位置との位置関係に応じて、前記オブジェクト又は前記ユーザに付与されるパラメータ値を調整する調整部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、照準補正を行いつつ、ユーザ間の技量の差を適切にゲームに反映させるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るコントローラの一例示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るCPUの構成の一例を示すブロック図である。
図5A】本発明の一実施形態に係るパラメータ値の調整の具体例を示す図である。
図5B】本発明の一実施形態に係るパラメータ値の調整の具体例を示す図である。
図5C】本発明の一実施形態に係るパラメータ値の調整の具体例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る第1オブジェクトの一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る第2オブジェクトの一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る照準に関する処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態に係るオブジェクト生成に関する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<ゲーム装置の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム装置1の一例を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るコントローラの一例示す図である。図3は、本発明の一実施形態に係るゲーム装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示す例では、ゲーム装置1は、第1筐体2及び第2筐体3を備える。第1筐体2及び第2筐体3は、所定のケーブルにより接続される。
【0011】
図1及び図3に示す例では、第1筐体2には、スピーカ11及びモニタ(表示装置)12が設けられており、モニタ12の周囲には所定個の赤外線発光部(不図示)が均等に設けられる。第2筐体3には、銃型のコントローラ14、スタートボタン15及びコインスイッチ16が設けられる。なお、CPUブロック21、ビデオブロック31及びサウンドブロック41は、第2筐体3に内蔵されるが、第1筐体2に内蔵されてもよい。
【0012】
図2に示すコントローラ14は、遊戯者が把持する第1グリップ部61と、第2グリップ部62とを有する。例えば、第1グリップ部61は、第2筐体3に接続されるケーブル17を有し、さらにアナログスティックを搭載し、プレイヤキャラクタの移動操作を指示することが可能である。第2グリップ部62の上部左側には、トリガ64が設けられる。
【0013】
第1グリップ部61と第2グリップ部62の上部には、銃身65が備えられる。銃身65は、この銃身65の銃口が向く方向からの赤外線の光を受光する赤外線受光素子を含むレンズ66と、このレンズ66の内側に設けられており、レンズ66の受光時に検出パルス(検出信号)を出力するフォトセンサ67とを含んで構成される。また、銃身65は、銃口とは反対側の端部にボタン63を有する。このボタン63は、後述する生成部122においてオブジェクトを生成するために使用される。
【0014】
図3に示す例では、コントローラ14は、所定のケーブル17等によりCPUブロック21に接続されている。コントローラ14には、赤外線発光部からの赤外線信号を受光する、複数の赤外線受光素子(図示せず)が設けられており、コントローラ14の方向によって、各赤外線受光素子の受光量のバランスが変化する。
【0015】
赤外線発光部の出力及びコントローラ14の赤外線受光素子の受光信号は、CPUブロック21に入力され、CPUブロック21は、赤外線発光部の出力及び当該赤外線受光素子の受光信号のバランスに基づいて、コントローラ14の照準が設定されるモニタ12上の座標(照準位置)を算出する。
【0016】
なお、コントローラ14を用いた照準の仕組みについては、上記例に限られず、公知の技術を用いればよい。例えば、コントローラ14側に赤外線発光部が設けられ、モニタ12側に赤外線受光素子が設けられてもよい。また、第1筐体2側にCCDカメラが設けられ、このCCDカメラがコントローラ14から発光される赤外線を読み取ることで、CPUブロック21において照準の座標(照準位置)が算出されてもよい。
【0017】
例えば、遊戯者(ユーザ)は、ゲーム実行時にコントローラ14によってプレイヤキャラクタを操作する。遊戯者は、ゲーム実行に際しては、コインスイッチ16に所定のコインを挿入した後に、スタートボタン15を押すことによってゲームを開始し、あるいは継続する。
【0018】
ゲーム装置1は、同様の他のゲーム装置1と、LAN18等により接続され、相互の対戦や協力プレイ等が可能である。それぞれのゲーム装置1のモニタ12には、それぞれプレイヤキャラクタ側からの画像が表示され、それぞれのゲーム装置1は、仮想空間におけるガンシューティングゲームの対決や、協力プレイを実行する。
【0019】
図3に示すように、CPUブロック21には、ゲーム装置1全体を制御するCPU22、ゲーム装置1を起動させるためのプログラム、その他のプログラム等を格納するROM23及びCPU22によって実行される画像生成プログラム、その他のプログラムやデータを格納するメインメモリ24が設けられる。
【0020】
また、CPUブロック21には、ゲームプログラム、その他データを記憶する記憶装置である記憶部25が設けられる。さらに、CPUブロック21には、コントローラ14、スタートボタン15、コインスイッチ16、CPU22、ROM23、メインメモリ24、記憶部25、ビデオブロック31、サウンドブロック41及び通信装置51が接続されているバスアービタ26が設けられる。
【0021】
なお、記憶部25に適用される記憶媒体には、CD-ROMやDVD-ROMのような光学式に読み取り可能な媒体や、マスクROMやフラッシュメモリのような電気的に読み取り可能な媒体や、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体も含まれる。
【0022】
ビデオブロック31には、ゲーム画面を生成するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)32及びゲーム画面を生成するための各種データを格納するグラフィックメモリ33が設けられる。VDP32は、仮想空間内に仮想 視点を設定して、この仮想視点から所定の視方向および画角でみた仮想視野にあるオブジェクトを、所定の座標系に変換して、ゲーム画面を生成し、モニタ12に出力する。
【0023】
VDP32は、仮想空間内のオブジェクトの座標(X、Y、Z)に対して、まず、光源処理などの補間処理や、グラフィックメモリ33に格納されたテクスチャデータをオブジェクトに貼り付けてオブジェクトの表面にディテールを施す。続いて、VDP32は、3次元の立体オブジェクトから、モニタ12に表示するために2次元平面(表示画面)にオブジェクト(ポリゴン)を投影して2次元座標データ(Xs,Ys)(表示画面座標系)に変換し、Z座標の深さが浅いポリゴン、すなわち、視点座標に近いポリゴンから優先的に表示するようにして2次元画像のデジタルデータを生成する。そして、VDP32は、このように生成されたデジタルデータを、ビデオコンバータ34によってビデオ信号に変換し、モニタ12に出力する。
【0024】
サウンドブロック41には、音声を生成するサウンドプロセッサ42と、生成される音声のデータを記憶するサウンドメモリ43とが設けらる。サウンドプロセッサ42は、サウンドメモリ43に記憶されたデータに基づいて音声のデジタル信号を生成し、D/Aコンバータ44によってアナログ信号に変換した後に、スピーカ11やヘッドフォン(図示せず)に音声を出力する。
【0025】
また、ゲーム装置1には、通信装置51が設けられており、LANやモデムを介して他のゲーム装置1やサーバ、あるいは、さらに他のゲーム装置と接続可能である。
【0026】
CPU22、VDP32及びサウンドプロセッサ42は、ゲームプログラムやデータを記憶部25やメインメモリ24、グラフィックメモリ33、サウンドメモリ43に読み込んで、当該ゲームプログラムやデータを実行することにより、例えば、遊戯者に対応したプレイヤキャラクタやプレイヤキャラクタと対戦する敵キャラクタを生成して、プレイヤキャラクタ及び敵キャラクタを含む仮想空間を表示すると共に、サウンドを出力する。そして、CPU22、VDP32及びサウンドプロセッサ42は、遊戯者のコントローラ14の操作に基づいて、仮想空間に対して照準を設定して敵キャラクタを攻撃したり、射撃音を鳴らしたりすることにより、射撃ゲームを実行する。
【0027】
遊戯者は、上述したコントローラ14を操作し、敵キャラクタに向けて銃口を移動させる。CPU22は、銃口付近に設けられるフォトセンサ67から出力される検出信号に基づいて、モニタ12に表示される照準位置を算出し、算出された照準位置に照準マークを表示するよう制御する。以下、本実施形態に係るCPU22の各処理について説明する。
【0028】
<CPUの構成>
図4は、本発明の一実施形態に係るCPU22の構成の一例を示すブロック図である。図4に示す例では、CPU22は、ゲーム制御部102を有し、ゲーム制御部102は、表示制御部112、位置制御部114、判定部116、調整部118、更新部120、及び生成部122を少なくとも有する。
【0029】
表示制御部112は、少なくとも1つのオブジェクトを表示画面(モニタ12の画面)に表示するよう制御する。例えば、表示制御部112は、ゲーム空間である仮想空間内において、プレイヤキャラクタや敵キャラクタのオブジェクトの座標位置を算出し、算出された座標位置にオブジェクトが表示されるように制御する。算出された座標位置はVDP32に出力され、VDP32において、オブジェクトの表示位置として使用される。なお、CPU22は、VDP32と協働してモニタ12に表示されるゲーム画面を生成してもよく、CPU22単体又はVDP32単体で処理するようにしてもよい。
【0030】
位置制御部114は、コントローラ14に対する第1ユーザ操作に基づき、表示画面に表示される照準位置を制御する。例えば、位置制御部114は、遊戯者がコントローラ14の銃口の向きを変える操作を行うことで、モニタ12の表示画面に表示される照準位置を制御する。照準の仕組みについては上述したとおり、モニタ12側に赤外線発光部、コントローラ14に赤外線受光素子を設ける構成に限られない。
【0031】
判定部116は、コントローラ14に対する第2ユーザ操作に基づき、攻撃が行われたか否かを判定する。例えば、判定部116は、コントローラ14のトリガ64が、遊戯者により引かれたか否かを判定する。判定部116は、トリガ64が引かれた場合、攻撃(例えば射撃)が行われたと判定する。
【0032】
調整部118は、判定部116により攻撃が行われたと判定された場合、照準位置とオブジェクトの位置との位置関係に応じて、オブジェクト又は遊戯者に付与されるパラメータ値を調整する。なお、調整部118は、この位置関係に応じて、オブジェクトに付与される第1パラメータ値及び遊戯者に付与される第2パラメータ値の両方を調整してもよい。
【0033】
以上の処理により、照準位置とオブジェクトの位置との位置関係に応じて、照準位置はそのままで、照準をオブジェクトに合わせるように内部処理で補正を行うとともに、攻撃に関するパラメータや、遊戯者の技量に関するパラメータの値などを調整することで、照準補正を行いつつ、ユーザ間の技量の差を適切にゲームに反映させることが可能になる。
【0034】
更新部120は、調整部118により調整されたパラメータ値(以下、「調整パラメータ値」ともいう。)を用いて、ROM23、メインメモリ24、又は記憶部25に保持されているパラメータの値を更新する。例えば、更新部120は、調整パラメータ値がオブジェクト(例えば敵キャラクタや破壊物など)のパラメータ値であれば、この調整パラメータ値を用いて、オブジェクトの対応パラメータのパラメータ値を更新し、調整パラメータ値が遊戯者のパラメータ値であれば、この調整パラメータ値を用いて遊戯者の対応パラメータのパラメータ値を更新する。
【0035】
また、調整部118は、調整パラメータ値がオブジェクトに付与されるダメージ値を含む場合、攻撃時の照準位置がオブジェクトに近いほど、ダメージ値を大きくすることを含んでもよい。例えば、調整部118は、射撃時の照準位置とオブジェクトとの距離が近いほどダメージ値が大きくなるように調整する。調整部118は、ダメージ値の調整について、距離を入力パラメータとする関数を用いてダメージ値を算出したり、距離を段階的に分けて、段階ごとに設定されたダメージ値を決定したりしてもよい。
【0036】
これにより、照準位置は補正せずに内部処理で照準を補正する処理を行うとともに、攻撃時の照準位置がオブジェクト(例えば敵キャラクタ)に近いほど、オブジェクトに与えるダメージ値を大きくすることができる。その結果、照準が苦手なユーザにとっては照準を合わせやすくして照準をアシストすることができ、照準が上手なユーザにとってはダメージ値を調整することで照準に対する技量の差別化を与えることができる。
【0037】
また、調整部118は、照準位置とオブジェクトとの距離について、オブジェクトに所定の線分を設け、照準位置から線分に垂線を引いたときの垂線の長さを距離としてもよい。また、調整部118は、照準位置から三次元オブジェクトの表面までの距離を求めてもよい。
【0038】
また、調整部118は、照準位置とオブジェクトに対して予め設定された第1位置との位置関係に応じて、ダメージ値を調整することを含んでもよい。例えば、オブジェクトが敵キャラクタであり、頭部又は心臓部が第1位置に設定された場合、調整部118は、射撃時の照準位置が頭部又は心臓部に近いほど、敵キャラクタに与えるダメージ値を大きくしてもよい。
【0039】
これにより、オブジェクトに、クリティカルなヒットポイントのような箇所を設定し、このヒットポイントと照準位置との位置が近いほど、与えるダメージ値を大きくすることが可能になる。
【0040】
また、調整部118は、照準位置とオブジェクトの位置との位置関係が第1所定条件を満たすときに、パラメータ値の調整を行うことを含んでもよい。例えば、調整部118は、照準位置とオブジェクトの位置とが所定範囲内にある場合に、パラメータ値を調整するようにしてもよい。具体的には、照準位置が、オブジェクトから遠く離れている場合は、オブジェクトにダメージは与えられず、照準位置がオブジェクトから所定範囲内に入った場合に、調整部118は、オブジェクトに与えるダメージ値を調整する。
【0041】
この場合、調整部118は、まずは照準位置とオブジェクトの位置とが所定範囲内であるか否かを判定し、照準位置が所定範囲内である場合に攻撃されると、パラメータ値を調整する。なお、照準位置が所定範囲内であるか否かの判定は、攻撃前でも攻撃後でもよい。
【0042】
これにより、パラメータ値の調整を行うか否かの基準を設定することができるため、既存のシューティングゲームのように、照準が敵キャラクタの所定範囲内に入った場合に攻撃されると敵キャラクタにダメージを与えつつも、本実施形態においては新たにダメージの大きさを調整することが可能になる。
【0043】
また、調整部118は、オブジェクトの属性又はユーザが利用する武器の属性に応じて、第1所定条件を変更してもよい。例えば、調整部118は、敵キャラクタの種類、強さ、武器などの属性に応じて所定範囲の広さを変更したり、遊戯者が利用する武器(例えば銃)の種類に応じて所定範囲の広さを変更したりする。
【0044】
これにより、オブジェクトの属性や遊戯者が利用する武器の属性に応じて、パラメータ値が調整される所定範囲が変わるので、遊戯者に対してゲームの戦略性を向上させることが可能になる。
【0045】
また、調整部118は、複数の攻撃について、照準位置とオブジェクトの位置との位置関係が第2所定条件を満たす攻撃の連続回数に基づき、さらにパラメータ値を調整することを含んでもよい。例えば、調整部118は、攻撃時の照準位置がオブジェクトの位置と重なること(以下、「クリティカルヒット」ともいう。)を第2所定条件とする場合に、クリティカルヒットの連続回数をカウントし、この連続回数が多いほどパラメータ値を大きくするように調整してもよい。具体例としては、調整部118は、連続回数が所定回以上になれば、調整後のパラメータ値にさらに係数(例えば1.1)を乗算する。
【0046】
これにより、遊戯者に対して照準をオブジェクトに適切に合わせることのモチベーションを与えることが可能になる。
【0047】
また、調整部118は、オブジェクトの属性又はユーザが利用する武器の属性に応じて、さらにパラメータ値を調整することを含んでもよい。例えば、調整部118は、敵キャラクタの種類、強さ、武器などの属性に応じてパラメータ値を変更したり、遊戯者が利用する銃の種類に応じてパラメータ値を変更したりする。具体例としては、調整部118は、オブジェクトの属性又はユーザが利用する武器の属性に応じて、調整後のパラメータ値にさらに係数を乗算する。
【0048】
これにより、オブジェクトの属性や遊戯者が利用する武器の属性に応じて、パラメータ値がさらに調整されるので、遊戯者に対してゲームの戦略性を向上させることが可能になる。
【0049】
また、調整されるパラメータ値は、遊戯者に対する評価値又は経験値、遊戯者が使用可能なスキルのパラメータ値、及び遊戯者に付与するアイテムの質又は量に関するパラメータ値の少なくとも1つを含んでもよい。以下、調整可能なパラメータ値の例を記載する。
・遊戯者に対する評価値又は経験値
クリティカルヒットの回数(ゲーム後にランキング形式などで評価)、ゲームに対する操作状況などによって付与される経験値など
・遊戯者が使用可能なスキルのパラメータ値
武器等に応じたスキルを発動するのに蓄積されるパワー値、回復値など
・遊戯者に付与するアイテムの質又は量に関するパラメータ値
敵キャラクタを倒した時などにドロップされるアイテムの数、アイテムのレア度など
【0050】
これにより、オブジェクトに付与されるパラメータ値に代えて、又は、加えて、遊戯者に付与されるパラメータ値を調整することが可能になり、ユーザ間の技量の差を表すパラメータ値を用いてユーザに自身の技量を感じさせることが可能になる。
【0051】
<照準の具体例>
図5A~Bは、本発明の一実施形態に係るパラメータ値の調整の具体例を示す図である。図5Aに示す例において、オブジェクトC10は、敵キャラクタを示し、照準マークA10は、照準位置を示し、距離L10は、オブジェクトC10と照準マークA10との距離を示す。図5に示す例では、距離L10は、オブジェクトC10の表面の位置との距離が求められているが、オブジェクトC10に対して縦方向に所定の線分が設けられ、その線分までの距離が求められてもよい。所定の線分は、オブジェクトC10の頭部から足部までの線分を含む。
【0052】
図5Aに示す距離L10が、例えば所定距離以内であれば、調整部118は、照準はオブジェクトC10に合っていると判定し、オブジェクトC10に与えるダメージ値を調整する。距離L10が短くなるほどダメージ値は大きくなる。また、距離L10が所定距離より長ければ、調整部118は、照準はオブジェクトC10に合っていないと判定し、この状態で攻撃されてもオブジェクトC10にダメージを与えなくてもよい。
【0053】
図5Bに示す例では、オブジェクトC10の位置は図5Aに示す位置と同じであるが、照準マークA12の位置が、図5Aに示す照準マークA10の位置よりもオブジェクトC10に近い位置にある。距離L12は、図5Aに示す距離L10よりも短く、この状態で攻撃されると、オブジェクトC10に与えるダメージ値は、図5Aに示す例のダメージ値よりも大きい。
【0054】
図5Cに示す例では、オブジェクトC10の位置は図5A及びBに示す位置と同じであるが、照準マークA14の位置が、オブジェクトC10の位置に重なっている。この場合の照準マークA14とオブジェクトC10との距離は0である。図5Cに示す状態で攻撃されると、オブジェクトC10に与えるダメージ値は、図5AやBに示す例のダメージ値よりも大きい。なお、図5Cに示す例での攻撃は、クリティカルヒットにカウントされる。
【0055】
上述したとおり、本実施形態によれば、攻撃時の照準位置が、攻撃対象のオブジェクトに必ずしも合っていなくても、照準位置は補正せずに内部処理で照準を補正することで、オブジェクトにダメージを与えることができ、また、照準の補正量に応じてダメージ値を調整することで、照準の技量の差を適切にゲームに反映させることができる。
【0056】
<オブジェクト生成>
図4に戻り、生成部122は、コントローラ14に対する所定の操作に基づいて、所定のオブジェクトを仮想空間上に生成する。表示制御部112は、生成された所定のオブジェクトを表示画面に表示するよう制御する。
【0057】
所定のオブジェクトは、始点から終点までキャラクタを高速に移動させることが可能なテープ状の第1オブジェクトと、キャラクタの侵入を禁止するテープ状の第2オブジェクトとを含む。
【0058】
生成部122は、コントローラ14のボタン63が短押しされたか、長押しされたかを判定し、判定結果に応じてオブジェクトを生成する。生成部122は、コントローラ14のボタン63の押下時間が所定時間未満、又はボタン63の押下時間においてコントローラ14の銃口の先に表示される照準位置の移動が所定距離未満であれば、短押しと判定する。また、生成部122は、コントローラ14のボタン63の押下時間が所定時間以上、又はボタン63の押下時間においてコントローラ14の銃口の先に表示される照準位置の移動が所定距離以上であれば、長押しと判定する。
【0059】
例えば、生成部122は、ボタン63が短押しされたと判定した場合、第1オブジェクトを生成し、ボタン63が長押しされたと判定した場合、第2オブジェクトを生成する。
【0060】
第1オブジェクトの生成について、生成部122は、ゲーム空間にいるプレイヤキャラクタ(遊戯者が操作するキャラクタ)が所持する銃の銃口を始点とし、ボタン63が押下されたときのコントローラ14の銃口の向きにより算出される、ゲーム空間内の照準位置を終点として第1オブジェクトを生成する。
【0061】
この場合、表示制御部112は、第1オブジェクトをゲーム空間内に表示するよう制御することで、モニタ12に第1オブジェクトが表示される。第1オブジェクトがモニタ12に表示されると、プレイヤキャラクタは、第1オブジェクトの始点に移動し、その後、第1オブジェクトの終点まで自動的に移動する。
【0062】
第2オブジェクトの生成について、生成部122は、ボタン63の長押しが開始されたときのコントローラ14の銃口の向きにより算出される、ゲーム空間内の照準位置を始点とし、ボタン63の長押しが終了されたときのコントローラ14の銃口の向きにより算出される、ゲーム空間内の照準位置を終点として、第2オブジェクトを生成する。
【0063】
この場合、表示制御部112は、第2オブジェクトをゲーム空間内に表示するよう制御することで、モニタ12に第2オブジェクトが表示される。第2オブジェクトがモニタ12に表示されると、プレイヤキャラクタを含む各キャラクタは、第2オブジェクトを超えて、第2オブジェクトの先に移動することができない。
【0064】
ゲーム空間内に生成された第1オブジェクト及び第2オブジェクトは、所定時間経過後に消滅するようにしてもよい。また、第1オブジェクト及び第2オブジェクトは、各遊戯者からの攻撃が命中した場合に消滅するようにしてもよい。また、第1オブジェクト及び第2オブジェクトは、生成したプレイヤキャラクタだけでなく、他のキャラクタであっても、その機能は有効である。例えば他人が操作するプレイヤキャラクタが第1オブジェクトの始点に移動した場合、その後、自動的に第1オブジェクトの終点まで移動する。
【0065】
<第1オブジェクト及び第2オブジェクトの具体例>
図6は、本発明の一実施形態に係る第1オブジェクトの一例を示す図である。図6に示す例では、遊戯者は、コントローラ14の銃口をモニタ12に表示される障害物B10左上部に向けて、ボタン63を短押しする。
【0066】
この場合、ゲーム空間内のプレイヤキャラクタが所持する銃の銃口を始点として、照準位置A20を終点とする第1オブジェクトT10が生成される。この後プレイヤキャラクタは、第1オブジェクトT10の始点に飛び乗り、第1オブジェクトT10の終点まで移動し、障害物B10の上まで高速で移動することが可能になる。
【0067】
図7は、本発明の一実施形態に係る第2オブジェクトの一例を示す図である。図7に示す例では、遊戯者は、コントローラ14の銃口をモニタ12に表示される障害物B12の右端下部に向けてボタン63を押し、ボタン63を押したままコントローラ14の銃口を障害物B14の左端下部に移動させ、ボタン63を離す。
【0068】
この場合、ボタン63押下時のゲーム空間内の照準位置を始点とし、ボタン63を離した時のゲーム空間内の照準位置を終点とする第2オブジェクトT12が生成される。この後、各プレイヤキャラクタは、第2オブジェクトT12を超えて移動することができず、移動が制限される。
【0069】
これにより、遊戯者は、第1オブジェクトを生成してキャラクタの移動をアシストしたり、第2オブジェクトを生成してキャラクタの移動を制限したりすることができ、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0070】
<動作処理>
図8は、本発明の一実施形態に係る照準に関する処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す例のステップS102において、表示制御部112は、少なくとも1つのオブジェクトを表示画面に表示するよう制御する。例えば、表示制御部112が、移動するプレイヤキャラクタの座標位置をVDP32に出力することで、VDP32がゲーム空間内のプレイヤキャラクタの位置を特定し、このプレイヤキャラクタを含む画面データのビデオコンバータ34によってビデオ信号に変換し、モニタ12に出力する。
【0071】
ステップS104において、位置制御部114は、コントローラ14に対する第1ユーザ操作に基づき、表示画面に表示される照準位置を制御する。位置制御部114は、コントローラ14の銃口を移動させる操作に応じて、銃口の先の方向に位置する、モニタ12上の照準位置を制御する。
【0072】
ステップS106において、判定部116は、コントローラ14に対する第2ユーザ操作に基づき、攻撃が行われたか否かを判定する。判定部116は、遊戯者によりトリガ64が引かれたことを検知すると攻撃指示があると判定し、遊戯者によりトリガ64が引かれていないと攻撃指示がないと判定する。攻撃指示があれば(ステップS106-YES)、処理はステップS108に進み、攻撃指示がなければ(ステップS106-NO)、処理はステップS104に進む。
【0073】
ステップS108において、調整部118は、判定部116により攻撃が行われたと判定された場合、照準位置とオブジェクトの位置との位置関係に応じて、オブジェクト又は遊戯者に付与されるパラメータ値を調整する。
【0074】
ステップS110において、更新部120は、調整部118による調整パラメータ値を用いて、この調整パラメータ値に対応するパラメータの値を更新する。
【0075】
以上の処理により、照準位置とオブジェクトの位置との位置関係に応じて、照準位置は補正せずに照準をオブジェクトに合わせるような補正を行うことが可能であるとともに、攻撃に関するパラメータや、遊戯者の技量に関するパラメータの値を調整することで、照準補正を行いつつ、ユーザ間の技量の差を適切にゲームに反映させることが可能になる。
【0076】
図9は、本発明の一実施形態に係るオブジェクト生成に関する処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す例のステップS202において、生成部122は、コントローラ14のボタン63の操作があったか否かを判定する。ボタン63操作(ボタン63を押す操作)があれば(ステップS202-YES)、処理はステップS204に進み、ボタン63操作がなければ(ステップS202-NO)、処理はステップS202に戻る。
【0077】
ステップS204において、生成部122は、ボタン63が短押しか長押しかを判定する。ボタン63が短押しであれば(ステップS204-YES)、処理はステップS206に進み、ボタン63が長押しであれば(ステップS204-NO)、処理はステップS210に進む。
【0078】
ステップS206において、生成部122は、ボタン操作時のコントローラ14の銃口の向きに応じて第1オブジェクトの位置を決定し、第1オブジェクトを生成する。
【0079】
ステップS208において、表示制御部112及び/又はDSP32は、生成された第1オブジェクトをゲーム空間内に配置し、モニタ12に第1オブジェクトが表示されるように制御する。
【0080】
ステップS210において、生成部122は、ボタン63長押し時のコントローラ14の銃口の向きの移動に応じて第2オブジェクトの位置を決定し、第2オブジェクトを生成する。
【0081】
ステップS212において、表示制御部112及び/又はDSP32は、生成された第2オブジェクトをゲーム空間内に配置し、モニタ12に第2オブジェクトが表示されるように制御する。
【0082】
以上の処理により、遊戯者は、第1オブジェクトを生成してキャラクタの移動をアシストしたり、第2オブジェクトを生成してキャラクタの移動を制限したりすることができ、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0083】
なお、本実施形態においては、銃を例にして説明したが、飛び道具を用いて、所定のオブジェクトに照準を合わせるようなゲームには好適に適用されうる。また、コントローラ14は、ゲーム装置1とは別の装置である必要はなく、ゲーム装置1に設けられるボタンなどを用いて、照準位置と攻撃指示とが判断されてもよい。また、本実施形態は、スマートフォンなどの携帯端末で実行されるゲームアプリケーションにも適用可能である。この場合、携帯端末のタッチパネル上で、プレイヤキャラクタを移動させたり、照準位置を移動させたり、攻撃を指示したりすればよい。また、本実施形態では、照準位置は補正していないが、照準の補正とともに照準位置も補正するようにしてもよい。
【0084】
また、本実施の形態においては、ゲーム装置1を制御する種々の制御プログラムについて、ROM23やメインメモリ24、記憶部25等に格納されている場合について述べたが、上述の種々の制御プログラムについては、例えば、記録媒体からゲーム装置1にインストールされるようにしても良い。そして、この記録媒体は、例えば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、磁気ディスク等の種々の記録媒体を含むことは言うまでもない。また、例えば、ゲーム装置1に対して、例えば、インターネット等のネットワークを介してダウンロードすることによって、上述の種々の制御プログラムをインストールするようにしても良い。
【符号の説明】
【0085】
1…ゲーム装置、2…第1筐体、3…第2筐体、12…モニタ、14…コントローラ、21…CPUブロック、22…CPU、31…ビデオブロック、32…VDP、41…サウンドブロック、42…サウンドプロセッサ、64…トリガ、112…表示制御部、114…位置制御部、116…判定部、118…調整部、120…更新部、122…生成部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9