(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059764
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20220407BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167564
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】518182829
【氏名又は名称】コルデコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100203563
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 宏剛
(72)【発明者】
【氏名】山本 篤史
(72)【発明者】
【氏名】立澤 弘久
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】飲食物のオーダーを行う顧客に対して、その顧客が気付いていない楽しさを提供することで顧客満足度を向上させ、さらに店舗売上に寄与すること。
【解決手段】情報取得部101は、回転寿司店Rで顧客Cに提供され得る寿司等に関するメニュー情報と、顧客Cに関するコンテクスト情報とを取得する。提案部102は、情報取得部101により取得された情報に基づいて、顧客Cに提供される寿司のネタ等の種類と順番との組合せについての提案を、レコメンド情報として顧客Cに報知する。これにより、上記の課題を解決する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で顧客に提供され得る飲食物に関する第1情報と、前記顧客に関する第2情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記顧客に提供される飲食物の種類と順番との組合せについての提案を行う提案手段と、
を備える。
【請求項2】
前記提案手段は、
前記提案として、前記顧客の満足度と前記店舗の売上額とを最適化させる情報を前記顧客に報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2情報には、
前記顧客の内的状態と外的状態とのうち少なくとも一方を示す情報が含まれる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記内的状態を示す情報には、前記顧客による前記店舗の利用履歴、前記顧客により注文された飲み物、前記顧客の撮像画像、前記顧客の属性、前記顧客の会話の内容、及び前記顧客の生体情報のうち少なくとも1の情報が含まれる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記外的状態を示す情報には、前記顧客がおかれている環境に関する情報が含まれる、
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食物を提供する店舗の中には、客席に配置された端末を顧客自らが操作することで、飲食物のオーダーを完了させるいわゆるセルフオーダーシステムを導入する店舗が増えてきている。これにより、店舗側としては、人件費をカットすることができ、顧客側としては、好きなメニューを好きなタイミングでオーダーすることができる。また、このようなセルフオーダーシステムに関する技術も存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術を含め、従来の技術では、顧客自ら好きなメニューを好きなタイミングでオーダーすることができるが、これによって顧客の満足度が最高値になるとは言い切れない。好きなメニューを好きなタイミングでオーダーできることは、顧客の満足度を高めるための1つの要因にはなり得るが、あくまでも顧客が予想できる範囲で満足度を高めることができるに過ぎない。
つまり、従来の飲食物のセルフオーダーシステムでは、顧客の予想を超えた範囲で満足度を高めること、即ち「顧客自身が気付いていない楽しさ」によって満足度を高めることは想定されていない。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、飲食物のオーダーを行う顧客に対して、その顧客が気付いていない楽しさを提供することで顧客満足度を向上させ、さらに店舗売上に寄与させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
店舗で顧客に提供され得る飲食物に関する第1情報と、前記顧客に関する第2情報とを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記顧客に提供される飲食物の種類と順番との組合せについての提案を行う提案手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、飲食物のオーダーを行う顧客に対して、その顧客が気付いていない楽しさを提供することで顧客満足度を向上させ、さらに店舗売上に寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される、情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図3のサーバの機能的構成のうち、レコメンド処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システム(後述する
図2参照)により実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される、後述する
図2の情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、飲食店に来店した顧客に対して、飲食物のメニューの提供に併せて提供されるサービスである。具体的には、客席毎に設置された端末(以下、「客席端末」と呼ぶ)に、その顧客の顧客満足度を向上させるための情報(以下、「レコメンド情報」と呼ぶ)を表示させるサービスである。
ここで、レコメンド情報には、飲食店や、その飲食店で提供されるメニューについての紹介等の情報の他、その顧客特有の情報として、メニューを選ぶ順番や、複数のメニューからなるコースの組み立て方などが含まれる。
【0013】
図1には、本サービスを提供する飲食店が回転寿司店Rである場合の例が示されている。
図1の回転寿司店Rでは、来店した顧客Cに対して以下のようなサービスが提供される。
【0014】
例えば、顧客Cが客席端末2を操作して、ある種類の寿司のネタを注文したとする。すると、客席端末2には、その顧客Cが次に注文する寿司のネタの種類としておススメのものがレコメンド情報として表示される。
つまり、顧客Cが客席端末2から寿司を注文する際、カテゴリ毎に分類された寿司のネタの種類から所望の種類の寿司のネタを選択して注文できるだけではなく、注文の流れやパターンがレコメンド情報として顧客Cに提案される。なお、ここでいう「カテゴリ」とは、例えば「マグロ・サーモン」、「イカ・タコ」、「エビ・カニ」、「イワシ・サバ」といったカテゴリや、「にぎり」、「軍艦」、「巻物」といったカテゴリを意味する。
具体的には例えば、客席端末2には、レコメンド情報として、注文の順番やパターンとしておススメのものについての提案や、その順番やパターンで注文することでより美味しく食べることができることの理由等が表示される。
これにより、例えば味の濃いネタや脂身の多いネタを先に注文したことで、それ以降に注文したネタが美味しく感じなくなったり、早い段階で満腹になったり、といったことが原因で注文数が伸び悩むことを防ぐことができる。
【0015】
また、顧客Cが客席端末2を操作して注文した寿司のネタの種類、数量、順番、タイミング等は、その顧客Cの注文履歴(以下、「履歴情報」と呼ぶ)として記録される。多くの場合、顧客Cは、注文する寿司のネタの種類、数量、順番、タイミングについてその顧客Cの特徴が表れる。
本サービスでは、過去の来店分を含む顧客Cの履歴情報に基づいた分析が行われる。そして、その分析の結果に基づいて、顧客C特有の注文のパターン(以下、「基本パターン」と呼ぶ)が生成される。生成された基本パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。
これにより、顧客Cは、客席端末2に表示された基本パターンに沿って注文する操作を行い、レーンを流れてきた寿司等を食することで、色々と考えることなくいつもの満足感を得ることができる。
【0016】
また、本サービスでは、上述の基本パターンを発展させた注文のパターン(以下、「発展パターン」)が生成される。具体的には、顧客Cの履歴情報に基づいて、顧客Cの「好みのネタ」が推定され、その「好みのネタ」を美味しくかつ楽しんで食べてもらうための注文のパターンが生成される。生成された発展パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。
これにより、顧客Cは、客席端末2に表示された発展パターンに沿って注文する操作を行うことで、好みのネタを軸とする順番で、美味しく楽しく寿司を食することができる。
【0017】
また、本サービスでは、上述の基本パターンや、伝統的に美味しいとされる注文のパターンに変化を加えた注文のパターン(以下、「変則パターン」)が生成される。具体的には、顧客Cの履歴情報や、伝統的に美味しいとされる順番等に基づいて、ベースとなるパターンが生成される。そして、生成されたパターンに各種各様の変化が加えられて、一風変わった満足感が得られるような注文のパターン(以下、「変則パターン」と呼ぶ)が生成される。生成された変則パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。
これにより、顧客Cは、客席端末2に表示された変則パターンに沿って注文する操作を行うことで、一風変わった満足感を得ることができる。
【0018】
具体的には例えば、顧客Cの入店後に最初に食する寿司のネタを変えた変則パターンを提案することもできる。顧客Cの履歴情報からは、顧客Cが入店後最初に食した寿司のネタの履歴を抽出することができる。ここで、ある顧客Cの履歴情報から、過去、入店後に最初に食した寿司のネタとして、「イワシ」が圧倒的に多かったとする(例えば95%)。すると、本サービスでは、履歴情報に基づいて、「イワシ」を先頭とする基本パターンを生成し、これに基づく変則パターンを生成する。例えば「イワシ」と同じ光り物に分類される「コハダ」を先頭とする変則パターンを生成することもできる。また、「イワシ」とかけ離れた「中トロ」を敢えて先頭とする変則パターンを生成することもできる。
【0019】
また例えば、基本パターンの途中に、顧客Cがいつも食しないような寿司のネタをはさむ変則パターンや、顧客Cの口の中を一度さっぱりさせるための寿司のネタや飲み物をはさむ変則パターンを生成することもできる。
【0020】
また例えば、顧客Cが最後に食する〆の寿司のネタとして、顧客Cの心に余韻が残るようなものを加えた変則パターンを生成することもできる。
【0021】
また、本サービスでは、登録された複数の顧客Cの履歴情報に基づく注文のパターンが生成される。例えば、対象となる顧客Cに類似する嗜好を有する他の顧客Cが好む寿司のネタのうち、対象となる顧客Cがこれまで食したことのない寿司のネタを中心とする注文のパターン(以下、「類似顧客パターン」と呼ぶ)が生成される。生成された類似顧客パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。
これにより、対象となる顧客Cは、客席端末2に表示された類似顧客パターンに沿って注文する操作を行うことで、新鮮な満足感を得ることができる。
【0022】
また、本サービスでは、顧客Cの来店時の状況に適応させた注文のパターン(以下、「適応パターン」と呼ぶ)が生成される。具体的には、回転寿司店Rを取り巻く環境に関する情報(以下、「環境情報」と呼ぶ)に基づいて、顧客Cの来店時の状況に適応させた注文のパターン(以下、「適応パターン」と呼ぶ)が生成される。生成された適応パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。
これにより、顧客Cは、客席端末2に表示された適応パターンに沿って注文する操作を行うことで、そのときの状況にマッチした満足感を味わうことができる。
具体的には例えば、適応パターンとして、顧客Cの入店時の気温や天候に適した寿司のネタを中心する注文のパターンが生成される。この場合、夏の蒸し暑い日には、比較的さっぱりとした寿司のネタを中心とする提案が行われる。また、冬の肌寒い日には、顧客Cの体が温まるような素材や調理法による寿司のネタを中心とする注文のパターンが生成される。
これにより、顧客Cの体の調子や気分が良くなることが期待できるので、食欲増進の結果として、レーンを流れる寿司皿に顧客Cの手が伸びる機会が増え、それに伴い回転寿司店Rの売上が伸びることが期待できる。
【0023】
また、本サービスでは、顧客Cにより注文された飲み物と相性の良い寿司のネタで構成された注文のパターン(以下、「相性パターン」と呼ぶ)が生成される。具体的には、回転寿司店Rに来店した顧客Cが、客席端末2から飲み物を注文すると、注文された飲み物に関する情報(以下、「飲物情報」と呼ぶ)に基づいて、その飲み物と相性の良い寿司のネタ等で構成された相性パターンが生成される。生成された相性パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。なお、ここでいう「相性」には、味のみならず、顧客Cの健康に与える影響等も含まれる。
これにより、顧客Cは、客席端末2に表示された相性パターンに沿って注文する操作を行うことで、より美味しく、かつ健康的に、飲み物と寿司等とを味わうことができる。
具体的には例えば、顧客Cが日本酒を注文した場合には、相性パターンとして、日本酒と相性の良い寿司のネタ等を中心とした提案が行われる。
これにより、顧客Cの体の調子や気分が良くなることが期待できるので、食欲増進の結果として、レーンを流れる寿司皿に顧客Cの手が伸びる機会が増え、それに伴い回転寿司店Rの売上が伸びることが期待できる。
【0024】
また、本サービスでは、顧客Cにより注文された寿司のネタと相性の良い飲み物が、レコメンド情報として顧客Cに提案される。
具体的には例えば、顧客Cが寿司のネタとして「ウニ」を注文すると、「ウニ」と相性の良い飲み物として「ほのかに甘い純米酒」が、おススメの飲み物として客席端末2に表示される。また同時に、「ウニ」と「ほのかに甘い純米酒」との相性の良さをわかり易く解説した文章が客席端末2に表示される。ここで、解説の手法は文章に限定されず、顧客Cに伝達可能なあらゆる手法を採用することができる。例えば、「純米酒の甘味系のアミノ酸が、ウニの旨味を一層引き立てます。」といった内容を、動画像のデータや音声のデータの形式で客席端末2から出力させてもよい。
【0025】
ここで、図示はしないが、客席端末2には、「賛成」あるいは「いいね!」と表記されたボタン(以下、「賛成ボタン」と呼ぶ)が表示される。顧客Cは、提案された飲み物を実際に飲んだ結果、提案のとおり「相性が良い」と感じた場合には、賛成ボタンを押下する操作を行う。賛成ボタンが押下された結果は、顧客Cによるレコメンド情報に対する評価として集計され、その集計結果が他の客席端末2に表示されることで情報共有される。
これにより、顧客Cは、レコメンド情報と、他の顧客Cによるレコメンド情報に対する評価とを参考にしながら飲み物を注文することができる。また、回転寿司店Rは、複数の顧客Cによるレコメンド情報に対する評価によって、レコメンド情報の信頼性や客観性を高めることができる。さらに、回転寿司店Rは、信頼性や客観性の高いレコメンド情報を、各種の広告媒体を介して拡散させることもできる。またさらに、回転寿司店Rが、チェーンストアを構成する複数の店舗のうちの1店舗である場合には、信頼性や客観性の高いレコメンド情報を他の店舗に展開することで、チェーンストア全体の信頼性を向上させることもできる。
【0026】
また、本サービスでは、回転寿司店Rの店舗内に設置されたカメラ等の撮像装置(図示せず)又は客席端末2の撮像機能により撮像された顧客Cの撮像画像のデータ(以下、「撮像情報」と呼ぶ)の解析が行われる。解析の結果は、顧客Cの気分の推定に用いられる。なお、撮像情報の解析のために用いられる具体的手法は特に限定されず、例えばAI(人工知能)によるディープラーニングの手法が用いられてもよい。
ここで、撮像情報の解析結果に基づく顧客Cの気分の推定の結果、「高揚」や「喜び」といったポジティブな気分であることが推定されたとする。この場合、その気分をさらに増進させることを目的とした注文のパターン(以下、「ポジティブ増進パターン」と呼ぶ)が生成される。ポジティブ増進パターンとしては、例えば通常よりも単価が高い寿司のネタが中心となる注文のパターン等が挙げられる。生成されたポジティブ増進パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。具体的には例えば、図示はしないが、「嬉しい日におススメのネタ」、「今日のあなたにおススメのネタ」といった文言が表記されたボタンが客席端末2に表示される。顧客Cがそのボタンを押下すると、ポジティブ増進パターンの具体的内容が表示される。
これにより、顧客Cが「今日は気分が良いので、少し高めの寿司のネタを注文してみよう」といった気持ちになることが期待できる。その結果、客単価が向上して、回転寿司店Rの売上が伸びることが期待できる。
【0027】
また、本サービスによる顧客Cの気分の推定の結果、イライラや疲労といったネガティブな気分が推定されたとする。この場合、ネガティブな気分を和らげることを目的とした注文のパターン(以下、「ネガティブ緩和パターン」と呼ぶ)が生成される。ネガティブ緩和パターンとしては、例えばイライラを解消させる効果があるとされるカルシウムを多く含む「イワシ」を含む注文のパターン等が挙げられる。生成されたネガティブ緩和パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。具体的には例えば、図示はしないが、「元気を出したい日におススメのネタ」、「今日のあなたにおススメのネタ」といった文言が表記されたボタンが客席端末2に表示される。顧客Cがそのボタンを押下すると、ネガティブ緩和パターンの具体的内容が表示される。
これにより、顧客Cのネガティブな気持ちが緩和することが期待できる。その結果、顧客Cの食欲が増進し、客単価が向上して、回転寿司店Rの売上が伸びることが期待できる。
【0028】
また、本サービスでは、撮像情報の解析結果に基づいて、顧客Cの属性(例えば性別、年齢、体形等)が推定され、その属性毎に顧客Cがグルーピングされる。具体的には例えば、「性別」という属性について、「男性」又は「女性」のいずれかに顧客Cがグルーピングされる。また例えば、「年齢」という属性について「10歳未満」、「10~20歳代」、「30~40歳代」、「50~60歳代」、又は「70歳代以上」のいずれかに顧客Cがグルーピングされる。また例えば、「体形」という属性について「細身」、「普通」、又は「太目」のいずれかに顧客Cがグルーピングされる。このような顧客Cの属性に関する情報(以下、「属性情報」と呼ぶ)は、サーバ1の所定領域(例えば
図3の記憶部18)に記憶される。サーバ1に、記憶されることで集積された1以上の顧客Cの属性情報は、ビッグデータとして各種分析に活用される。
【0029】
本サービスでは、回転寿司店Rに来店した顧客Cの撮像情報の解析結果から得られる属性情報に基づいて、上記のグルーピングが行われる。そして、上記のビッグデータに基づいて、同一又は類似する属性において好まれる寿司のネタや飲み物を中心とする注文のパターン(以下、「属性パターン」と呼ぶ)が生成される。生成された属性パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。具体的には例えば、図示はしないが、「今日のあなたにおススメのネタ」といったような文言が表記されたボタンが客席端末2に表示される。顧客Cがそのボタンを押下すると、属性パターンの具体的内容がレコメンド情報として表示される。また例えば、顧客Cの属性パターンの具体的内容を、「あなたにおススメのネタ」として紙媒体に印刷して、接客担当の店員が顧客Cに手渡ししてもよい。
これにより、例えば寿司の注文に慣れていない顧客Cであっても、緊張することも悩むこともなくその時々に相応しい寿司のネタを注文することができる。
【0030】
また、本サービスでは、回転寿司店Rの店舗内に設置された録音装置(図示せず)により録音された顧客Cの会話の音声データ(以下、「会話情報」と呼ぶ)の解析結果に基づいて、その顧客Cの気分が推定される。この場合、上述した撮像情報の解析結果と同様に、ポジティブ増進パターン、あるいはネガティブ緩和パターンが生成されて客席端末2に表示される。なお、会話情報の解析のために用いられる具体的手法は特に限定されず、例えばAI(人工知能)によるディープラーニングの手法を用いてもよい。
【0031】
さらに、本サービスでは、会話情報の解析結果に基づいて、顧客Cの満足度が推定される。例えば、会話情報から「もう少し何か食べたい」、「別腹」等のキーワードが検出された場合には、おススメのメニューとして、食後のデザートや甘味が提案されるようにすることもできる。また、会話情報から「食べ過ぎ」、「お腹がはちきれそう」といったようなキーワードが検出された場合には、おススメのメニューとして、消化を促進する効果が期待できるフルーツや飲み物が、その理由とともに提案されるようにすることもできる。この場合、テイクアウトが提案されるようにすることもできる。
【0032】
またさらに、本サービスでは、会話情報の解析結果に基づいて、顧客Cのシチュエーションが推定される。例えば、会話情報から「おめでとう」、「お祝い」、「入学」、「卒業」等のキーワードが検出された場合には、おススメのメニューとして、ご馳走感のあるお祝いメニューや乾杯用の飲み物が提案されようにすることもできる。また、会話情報から「睡眠不足」、「疲れ」、「健康」といったようなキーワードが検出された場合には、おススメのメニューとして、健康促進を目的とした寿司のネタ等が、その理由とともに提案されるようにすることもできる。
これにより、顧客Cからの追加の注文を期待することができる。
【0033】
また、本サービスでは、仕入れられた食材に関する情報と、上述の環境情報、履歴情報、及び属性情報とのうち少なくとも1の情報との組み合せに基づいた注文のパターン(以下、「組合せパターン」)と呼ぶ)が生成される。生成された組合せパターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。具体的には例えば、図示はしないが、「今日のあなたにおススメのネタ」といったような文言が表記されたボタンが客席端末2に表示される。顧客Cがそのボタンを押下すると、組合せパターンの具体的内容が表示される。
これにより、顧客Cは、来店した日に仕入れられた食材、来店時の天候、及び顧客Cの好みにマッチしたおススメメの寿司のネタを食することができる。その結果、顧客Cの満足度をさらに向上させることができる。
【0034】
また、本サービスでは、撮像情報に基づいて、顧客Cの目線(例えば客席端末2を見る目線)と、客席端末2に対する操作(例えば画面をスクロールさせる操作)の解析が行われる。そして、その解析の結果から、顧客Cが関心を示したと推定されるキーワード(以下、「関心キーワード」と呼ぶ)が抽出される。さらに、抽出された関心キーワードと所定の関連性を有すると判断される寿司のネタや飲み物を中心とする注文のパターン(以下、「関心パターン」と呼ぶ)が生成される。生成された関心パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。具体的には例えば、図示はしないが、「今日のあなたにおススメのネタ」といったような文言が表記されたボタンが客席端末2に表示される。顧客Cがそのボタンを押下すると、関心パターンの具体的内容が表示される。
これにより、顧客Cが意識的に見た対象(例えば文字や写真等)のみならず、顧客Cが無意識に見た対象に基づいて抽出されたキーワードと所定の関連性を有すると判断される寿司のネタ等を中心とした関心パターンが生成される。その結果、顧客Cは、自分の予想を超えた楽しさを得ることができる。
【0035】
また、本サービスにおいて、サーバ1は、所定の装置から得られる顧客Cの生体情報に基づいて、顧客Cにおススメの注文のパターン(以下、「生体パターン」と呼ぶ)を生成する。ここで「所定の装置」としては、例えば顧客Cの生体情報としての体温、血圧、脈拍等を検知可能な非接触型のセンサ等が挙げられる。
具体的には例えば、顧客Cの体温が高めであることが検知された場合には、身体を冷やす効果のある寿司のネタ(例えばマグロ、ウナギ、カニ、ウニ等)や、冷たい飲み物を中心とする生体パターンが生成される。また例えば、顧客Cの体温が低めであることが検知された場合には、身体を温める効果のある寿司のネタ(例えばイワシ、アナゴ、サケ、カツオ等)や、温かい汁物を中心とする生体パターンが生成される。
サーバ1により生成された生体パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。具体的には例えば、図示はしないが、「今日のあなたにおススメのネタ」といったような文言が表記されたボタンが客席端末2に表示される。顧客Cがそのボタンを押下すると、生体パターンの具体的内容が表示される。
【0036】
また、本サービスにおいて、顧客Cは、興味のある寿司のネタ、食材、料理の撮像画像のデータをサーバ1にアップロードすることができる。すると、アップロードされた撮像画像のデータの解析が行われて、撮像画像の内容に相応しいと判断された寿司のネタを中心とする注文のパターン(以下、「顧客希望パターン」)が生成される。生成された顧客希望パターンは、顧客Cに視認され易い態様で客席端末2に表示される。具体的には例えば、図示はしないが、「お客様のご希望にマッチするおススメのネタ」といった文言が表記されたボタンが客席端末2に表示される。顧客Cがそのボタンを押下すると、顧客希望パターンの具体的内容が表示される。
これにより、顧客Cは、例えば寿司のネタの名前を知らないような場合であっても、自分が食してみたい寿司のネタの撮像画像をアップロードするだけで、その寿司のネタを食することができる。
【0037】
以上説明したように、本サービスでは、顧客Cが注文する寿司のネタの順番や、寿司以外の飲食物を含む全体的なパターンに関する各種の提案としてのレコメンド情報が客席端末2に表示される。
具体的には、履歴情報、環境情報、飲物情報、撮像情報、属性情報、会話情報、生体情報、又はこれらの組み合せに基づき生成された各種の注文のパターンが、レコメンド情報として好適なタイミングで客席端末2に表示される。
【0038】
本サービスでは、上記の情報が、顧客Cの「コンテクスト情報」に含まれる情報として取得されて管理される。顧客Cの「コンテクスト情報」とは、顧客Cの内的状態と外的状態とのうち少なくとも1以上の状態を示す情報のことをいう。即ち、1つのコンテクスト情報は、顧客Cの「内的状態」と「外的状態」とのうちいずれか1つ以上の状態を示す情報となる。このうち、「内的状態」とは、顧客C自体をセンシングの対象とすることで得られる各種の情報により示される顧客Cの状態のことをいう。顧客Cの「内的状態」を示す情報には、例えば、各種のセンサや測定器、又は調査等により得られる、身長、体重、体温、脈拍、体脂肪率、体型、指紋、声紋、年齢など顧客Cの身体的特徴を示す客観的なデータが含まれる。また、アンケートや問診等の調査により得られる顧客Cの体調や感情等の主観的なデータや、顧客Cの行動履歴(注文履歴)も顧客Cの内的状態を示す情報に含まれる。また、「外的状態」とは、顧客Cの周囲の環境をセンシングの対象とすることで得られる各種の情報により示される、顧客Cの状態のことをいう。「外的状態」を示す情報には、例えば、顧客Cが、過去の来店時、又は現在来店しているときの気象(天気、気温、湿度等)の履歴や予報、室温等に関するデータが含まれる。コンテクスト情報は、顧客端末2、店舗端末3、外部サーバ等から取得される。
【0039】
顧客Cは、回転寿司店Rに来店することで、(1)迷うことなく満足できる注文が可能となる、(2)食の好みに対する新しい発見を楽しめる、(3)食事をした翌日は不思議と体調が良い、といった体験を蓄積させることができる。
これにより、顧客Cから回転寿司店Rに対する信頼感や安心感を向上させることができるので、顧客Cが回転寿司店Rに来店する頻度を増やすことができる。また、顧客Cが気付いていない楽しさを提案することができる。
その結果、回転寿司店Rに来店する顧客Cの満足度を高めながら、顧客Cの客単価と来店頻度とを向上させ、回転寿司店Rの売上向上を図ることができる。
【0040】
さらに、本サービスには、上述したサービスの他、例えば以下のようなサービスが含まれる。
即ち、顧客Cが注文した寿司等が客席に到着するまでの間、客席端末2には、顧客Cがどこか別の場所で披露したくなる「豆知識」が表示される。客席端末2に表示される豆知識としては、例えば(1)注文のパターンの組み立て方や選び方とその理由、(2)寿司を食する際のマナー(例えば醤油の付け方、寿司の持ち方等)、(3)食材の旬、産地、特徴、(4)寿司のネタと飲み物の合わせ方、(5)寿司の歴史等に関する情報が挙げられる。これらの情報は、大人に対しては豆知識となるが、子供に対してはいわゆる「食育」にも繋がる情報になり得る。
【0041】
以上をまとめると、本サービスによれば、回転寿司店R側及び顧客C側において、例えば以下のような効果が期待できる。
即ち、回転寿司店Rは、顧客Cに対して静的な立場で寿司のネタを選んでもらうのではなく、積極的にレコメンド情報を提供するための動的な仕掛けが可能となる。
また、本サービスでは、顧客Cが客席端末2を利用することになる。このため、例えば顧客Cの来店が集中する時間帯であっても、個々の顧客Cに対する細やかな案内や説明が可能となる。
また、本サービスで取り扱われる各種情報は、サーバ1で一括管理される。このため、顧客Cに提供される各種情報を一括で更新することが可能となる。これにより、取り扱われる情報の量は多いものの、管理の簡素化が図られる。その結果、回転寿司店Rが複数の店舗で構成されたチェーンストアの1店舗であっても、提供されるサービスの店舗格差や顧客格差が生じないようにすることができる。
【0042】
また、顧客Cは、来店した回転寿司店Rのその日の寿司のネタに関する情報はもとより、過去に自分が注文した寿司のネタ等を注文履歴として確認することができる。
また、顧客Cは、好みの寿司のネタや、その日の気分が反映された寿司のネタ等の提案を受けることができる。この場合、顧客Cは、たとえ無意識の状態であっても、その日の気分が反映された寿司のネタ等の提案を受けることができる。
また、顧客Cは、寿司職人や店員から各種の情報を受け取るのではなく、客席端末2から各種情報を受け取ることになるので、おススメの食べ方や注文の仕方に関する情報を抵抗なく受け取ることができる。
また、顧客Cは、寿司のネタと飲み物との相性について、納得したうえで注文することができる。
また、顧客Cは、寿司に関する十分な知識を有していなくても、美味しく寿司を食することができる注文の組み立てが可能となる。
また、顧客Cは、注文した寿司のネタ等に関する情報として、アレルゲン表示、原材料、栄養成分等の情報を容易に入手することができる。
また、本サービスに登録すると、注文履歴が顧客C毎に管理される。このため、顧客Cは、履歴情報から自分の好みに合った新しい寿司のネタや飲み物の提案を受けることができる。さらに、過去の注文履歴を閲覧したり、その撮像画像のデータをダウンロードして、SNS(social networking service)に投稿したりすることもできる。
また、顧客Cは、注文した寿司等が客席に到着するまでの間、回転寿司店Rの「こだわり情報」として、食材(原料や調理法)、アレルゲン表示、原材料、レーダーチャートによる栄養成分等の情報の提供を受けることができる。
【0043】
次に、
図2を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1が適用される情報処理システムの構成について説明する。
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが提供される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0044】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、客席端末2と、店舗端末3とを含むように構成されている。
サーバ1、客席端末2、及び店舗端末3は、インターネットや、店舗又は同一企業内のLAN(Local Area Network)等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0045】
サーバ1は、サービス提供者(図示せず)により管理される情報処理装置である。サーバ1は、客席端末2、及び店舗端末3と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0046】
客席端末2は、
図1の顧客Cが操作する情報処理装置であり、回転寿司店Rの客席毎に設置されている。このため、
図2には客席端末2が1台のみ描画されているが、実際には1人の顧客Cに対して1台の客席端末2が割り当てられるように配置されている。客席端末2はタブレット、スマートフォン等で構成される。
【0047】
店舗端末3は、回転寿司店Rの店員が各種情報(例えば売り切れた寿司のネタに関する情報等)を入力するための情報処理装置である。店舗端末3は、回転寿司店R毎に少なくとも1台設置されており、例えば店舗内のバックルームや事務室等に設置される。また、店舗内の店員が店舗端末3を携帯してもよい。店舗端末3は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等で構成される。
【0048】
図3は、
図2に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0050】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0051】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0052】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図2の客席端末2や店舗端末3)との間で通信を行う。
【0053】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0054】
なお、図示はしないが、
図2の客席端末2、及び店舗端末3も、
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、客席端末2、及び店舗端末3のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0055】
このような
図3のサーバ1を含む
図2の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1におけるレコメンド処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザに対して上述の本サービスを提供することができる。
「レコメンド処理」とは、レコメンド情報を生成して顧客Cに提供する処理のことをいう。
以下、情報処理システムにおいて実行される、レコメンド処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0056】
図4は、
図3のサーバの機能的構成のうち、レコメンド処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0057】
図4に示すように、
図4のサーバ1がレコメンド処理を実行する場合、CPU11においては、情報取得部101と、提案部102とが機能する。
【0058】
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、メニューDB181と、コンテクストDB182とが設けられている。メニューDB181には、顧客Cに提供され得る寿司等のメニューに関する情報(以下、「メニュー情報」と呼ぶ)が格納されている。コンテクストDB182には、顧客C毎のコンテクスト情報が格納されている。
【0059】
情報取得部101は、回転寿司店Rの店舗毎のメニュー情報と、顧客Cのコンテクスト情報とを取得する。上述したように、顧客Cのコンテクスト情報には、履歴情報、環境情報、飲物情報、撮像情報、属性情報、会話情報、及び生体情報が含まれる。
情報取得部101により取得されたメニュー情報及びコンテクスト情報の夫々は、メニューDB181及びコンテクストDB182の夫々に記憶されて管理される。
【0060】
提案部102は、情報取得部101により取得されたメニュー情報及びコンテクスト情報に基づいて、顧客Cに提供される寿司等のネタの種類と順番との組み合わせについての提案を行う。
具体的には、提案部102では、分析部121と、生成部122と、表示制御部123とが機能する。
【0061】
分析部121は、情報取得部101により取得されたメニュー情報及びコンテクスト情報に基づいて、各種の分析を行う。分析部121では、AI(人工知能)による分析が行われる。
【0062】
生成部122は、分析部121による分析の結果に基づいて、顧客Cに提供されるメニュー(寿司のネタ等)の種類と順番との組み合わせを含む情報としてのレコメンド情報を生成する。レコメンド情報には、顧客Cの満足度と回転寿司店Rの売上額とを最適化させる情報が含まれる。
【0063】
表示制御部123は、生成部122により生成されたレコメンド情報を、対象となる顧客Cの客席端末2に表示させる制御を実行する。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0065】
例えば、上述の実施形態では、本サービスが適用される店舗として「回転寿司店」を例に挙げて説明したが、これに限定されず、顧客からの注文に対して飲食物が提供される店舗一般に適用することができる。具体的には例えば、各種のレストラン(ファミリーレストランや高級レストラン等)に適用することもできる。さらに、本サービスが適用される店舗は、顧客Cが店舗内で飲食物を食する形態のものだけではなく、テイクアウト形態、デリバリ形態のものであってもよい。
【0066】
また例えば、上述の実施形態では、回転寿司店で提供される飲食物として「寿司」、「飲み物」、「汁物」、及び「デザート」を例に挙げて説明したが、これらに限定されず、回転寿司店で提供され得るあらゆるメニューを対象とすることができる。具体的には例えば、麺類、つまみ等のサイドメニューも対象とすることができる。
【0067】
また例えば、上述の実施形態では、客席端末2として、客席に設置されたタブレット又はスマートフォンを例に挙げて説明したが、客席端末2は、客席に設置された端末だけではなく、「客席で使用可能な端末」も含む。具体的には例えば、顧客Cが保有するスマートフォン等の端末に、本サービスの利用を可能とする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)をインストールして、専用アプリから注文等を行ってもよい。
この場合、顧客Cは、専用アプリをインストール後、本サービスに登録することで、例えば売り切れとなった寿司のネタに関する情報を店舗毎にリアルタイム(例えば来店前)で取得することができる。これにより、顧客Cは、目当てのネタが売り切れであることを来店後に知るような事態を避けることができる。また例えば、顧客Cが好む寿司のネタが旬を迎えたタイミングや、特別なネタや飲み物が入荷されたタイミングでDM(ダイレクトメール)が届くようにすることもできる。
【0068】
また、
図2に示すシステム構成、及び
図3に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0069】
また、
図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述したレコメンド処理を全体として実行できる機能が
図2の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図4の例に限定されない。
【0070】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図4に限定されず、任意でよい。
図4の例で、レコメンド処理は、上述の情報処理システムを構成するサーバ1のCPU11の制御により行われる構成となっているが、これに限定されない。例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、客席端末2側、店舗端末3側、又は図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよい。
【0071】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0072】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0073】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0074】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0075】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
店舗(例えば
図1の回転寿司店R)で顧客(例えば
図1の顧客C)に提供され得る飲食物(例えば
図1の寿司等)に関する第1情報(例えば
図1のメニュー情報)と、前記顧客に関する第2情報(例えば
図1のコンテクスト情報)とを取得する取得手段(例えば
図4の情報取得部101)と、
前記取得手段により取得された前記第1情報及び前記第2情報に基づいて、前記顧客に提供される飲食物の種類と順番との組合せ(例えば上述の各種の注文のパターン)についての提案(例えば
図1のレコメンド情報の報知)を行う提案手段(例えば
図4の提案部102)と、
を備える。
【0076】
これにより、店舗で顧客に提供される飲食物に関する情報と、店舗に来店した顧客に関する情報とが取得される。そして、取得されたこれらの情報に基づいて、顧客に提供される飲食物の種類と順番との組合せについての提案が行われる。その結果、顧客満足度を向上させることができる。
【0077】
また、前記提案手段は、
前記提案として、前記顧客の満足度と前記店舗の売上額とを最適化させる情報を前記顧客に報知(例えば
図4の客席端末2への表示)することができる。
【0078】
これにより、顧客の満足度と店舗の売上額とを最適化させる情報が顧客に放置される。その結果、顧客満足度とともに店舗売上を向上させることができる。
【0079】
また、前記第2情報には、
前記顧客の内的状態と外的状態とのうち少なくとも一方を示す情報(例えば
図1のコンテクスト情報)を含めることができる。
【0080】
これにより、顧客に提供される飲食物の種類と順番との組合せについての提案にあたり、顧客の内的状態と外的状態とのうち少なくとも一方が考慮される。その結果、顧客が気付いていない楽しさが提供されるので、顧客満足度をさらに向上させることができる。
【0081】
また、前記内的状態を示す情報(例えば
図1のコンテクスト情報に含まれる内的情報)には、前記顧客による前記店舗の利用履歴(例えば
図1の履歴情報)、前記顧客により注文された飲み物(例えば
図1の飲物情報)、前記顧客の撮像画像(例えば
図1の撮像情報)、前記顧客の属性(例えば
図1の属性情報)、前記顧客の会話の内容(例えば
図1の会話情報)、及び前記顧客の生体情報(例えば
図1の生体情報)のうち少なくとも1の情報を含めることができる。
【0082】
これにより、顧客に提供される飲食物の種類と順番との組合せについての提案にあたり、顧客の内的状態として、顧客による店舗の利用履歴、顧客により注文された飲み物、顧客の撮像画像、顧客の属性、顧客の会話の内容、及び顧客の生体情報のうち少なくとも1の情報が考慮される。その結果、顧客に特有の情報に基づいて、顧客が気付いていない楽しさが提供されるので、顧客満足度をさらに向上させることができる。
【0083】
また、前記外的状態を示す情報(例えば
図1のコンテクスト情報に含まれる内的情報)には、前記顧客がおかれている環境に関する情報(例えば環境情報)を含めることができる。
【0084】
これにより、顧客に提供される飲食物の種類と順番との組合せについての提案にあたり、顧客の外的状態として、顧客がおかれている環境に関する情報が考慮される。その結果、顧客そのものに関する情報のみならず、顧客がおかれている周囲の環境に関する情報に基づいて、顧客が気付いていない楽しさが提供されるので、顧客満足度をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0085】
1・・・サーバ、2・・・客席端末、3・・・店舗端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、40・・・リムーバルメディア、101・・・情報取得部、102・・・提案部、121・・・分析部、122・・・生成部、123・・・表示制御部、181・・・メニューDB、182・・・コンテクストDB、NW・・・ネットワーク、R・・・回転寿司店、C・・・顧客