(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059840
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】手指洗浄用ハンドブラシ
(51)【国際特許分類】
A46B 5/04 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
A46B5/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167693
(22)【出願日】2020-10-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】520385021
【氏名又は名称】ウェトラブホールディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141472
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 善弘
(72)【発明者】
【氏名】岡野 仁夫
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA15
3B202AB16
3B202BA03
3B202BA21
3B202BA22
3B202BE13
3B202CA03
(57)【要約】
【課題】掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができる手指洗浄用ハンドブラシを提供すること。
【解決手段】ヒトの手指に貫通させて使用される手指洗浄用ハンドブラシ1であって、手指が貫通する円筒状のブラシ本体2および複数本のブリッスル3を有し、ブラシ本体2の掌側にブリッスル3が植毛されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの手指に貫通させて使用される手指洗浄用ハンドブラシであって、手指が貫通する円筒状のブラシ本体および複数本のブリッスルを有し、前記ブラシ本体の掌側に前記ブリッスルが植毛されていることを特徴とする手指洗浄用ハンドブラシ。
【請求項2】
2~4本のブラシ本体が当該ブラシ本体の側面で連結されてなり、各ブラシ本体の掌側に複数本のブリッスルが植毛されている請求項1に記載の手指洗浄用ハンドブラシ。
【請求項3】
ブラシ本体の掌側の端部から掌側に延伸する掌パッドがブラシ本体の掌側の端部に設けられ、当該掌パッドに複数本のブリッスルが植毛されている請求項1または2に記載の手指洗浄用ハンドブラシ。
【請求項4】
掌パッドのブラシ本体と対向する位置に当該掌パッドを手に固定するためのベルトが設けられている請求項3に記載の手指洗浄用ハンドブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手指洗浄用ハンドブラシに関する。さらに詳しくは、本発明は、ヒトの手指をはじめ、掌(手の平)、手の甲などの洗浄に使用される手指洗浄用ハンドブラシに関する。本発明の手指洗浄用ハンドブラシは、それぞれ両手に装着して手洗いするときに好適に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルスが流行している昨今、例えば、扉のドアノブ、電車の吊革などに接触することによってヒトの手指にウイルスが付着するおそれがあることから、ウイルスなどによる感染症対策として手洗いが励行されている。
【0003】
しかし、一般に推奨されている手洗いの方法は、流水で手指を濡らした後、当該手指に石鹸液を付着させ、掌、手の甲、指先、指間部を洗う方法であり、手指の表面に付着しているウイルスおよび汚れを除去することができたとしても、例えば、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを十分に洗い落とすことができない。
【0004】
そこで、ヒトの手指をアルコール消毒液、次亜塩素酸消毒液などの消毒液で洗浄することが考えられるが、化学物質過敏症を有する者が当該消毒液を使用することは、適切なことではない。
【0005】
近年、爪先部分を洗浄することができる手指洗浄用補助具として、スポンジを取り付けるための支軸部分を有し、当該支軸部分に爪先および手指の洗浄を補助するスポンジ部分が取り付けられ、当該スポンジ部分にスキン層を有しない無膜のポリウレタンフォーム圧縮部分が取り付けられている手指洗浄用補助具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、前記手指洗浄用補助具には、手指の洗浄部分がスポンジ部分であるため、手指の指紋、爪と皮膚の間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを十分に洗い落とすことができず、また一方の手で手指洗浄用補助具を握り、他方の手の手指を当該手指洗浄用補助具で洗浄する必要があることから、握力が低下している高齢者などにとって当該手指洗浄用補助具を用いて手指を洗浄することが煩雑であり、困難となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができる手指洗浄用ハンドブラシを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
(1) ヒトの手指に貫通させて使用される手指洗浄用ハンドブラシであって、手指が貫通する円筒状のブラシ本体および複数本のブリッスルを有し、前記ブラシ本体の掌側に前記ブリッスルが植毛されていることを特徴とする手指洗浄用ハンドブラシ、
(2) 2~4本のブラシ本体が当該ブラシ本体の側面で連結されてなり、各ブラシ本体の掌側に複数本のブリッスルが植毛されている前記(1)に記載の手指洗浄用ハンドブラシ、
(3) ブラシ本体の掌側の端部から掌側に延伸する掌パッドがブラシ本体の掌側の端部に設けられ、当該掌パッドに複数本のブリッスルが植毛されている前記(1)または(2)に記載の手指洗浄用ハンドブラシ、および
(4) 掌パッドのブラシ本体と対向する位置に当該掌パッドを手に固定するためのベルトが設けられている前記(3)に記載の手指洗浄用ハンドブラシ
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができる手指洗浄用ハンドブラシが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の手指洗浄用ハンドブラシの一実施態様を示す概略説明図である。
【
図2】本発明の手指洗浄用ハンドブラシがヒトの手指の人差し指に挿入されているときの一実施態様を示す概略斜視図である。
【
図3】4個のブラシ本体が各ブラシ本体の側面で連結され、各ブラシ本体の掌側に複数本のブリッスルが植毛されている本発明の手指洗浄用ハンドブラシの一実施態様を示す概略斜視図である。
【
図4】本発明の手指洗浄用ハンドブラシの一部破断概略平面図である。
【
図5】ブラシ本体の掌側の端部から掌側に延伸する掌パッドがブラシ本体の掌側の端部に設けられ、当該掌パッドに複数本のブリッスルが植毛されており、掌パッドのブラシ本体と対向する位置に当該掌パッドを手に固定するためのベルトが設けられている本発明の手指洗浄用ハンドブラシの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の手指洗浄用ハンドブラシは、前記したように、ヒトの手指に貫通させて使用される手指洗浄用ハンドブラシである。本発明の手指洗浄用ハンドブラシは、手指が貫通する円筒状のブラシ本体および複数本のブリッスル(フィラメント)を有し、前記ブラシ本体の掌側に前記ブリッスルが植毛されていることを特徴とする。本発明の手指洗浄用ハンドブラシは前記特徴を有することから、本発明の手指洗浄用ハンドブラシを用いることにより、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができる。
【0013】
以下に本発明の手指洗浄用ハンドブラシを図面に基づいて詳細に説明するが、本発明は、当該図面に記載の実施態様のみに限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の手指洗浄用ハンドブラシの一実施態様を示す概略斜視図である。
図1に示される手指洗浄用ハンドブラシ1は、ヒトの手指(図示せず)が貫通する円筒状のブラシ本体2および複数本のブリッスル3を有する。手指洗浄用ハンドブラシ1は、ブラシ本体2の内部空間に手指を貫通させることによって使用される。
【0015】
図1に示される手指洗浄用ハンドブラシ1は、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去する観点から、ヒトの人差し指、中指、薬指および小指のいずれかに装着することが好ましく、人差し指、中指および薬指のいずれかに装着することがより好ましく、中指および薬指のいずれかに装着することがさらに好ましい。
【0016】
ブラシ本体2の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、真鍮、ニッケル、鉄などの金属;塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)などのポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレンなどの樹脂;シリコーンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴムなどのゴム;皮革;人工皮革;織布、不織布、織物などの繊維などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのなかでは、可撓性を有し、指を折り曲げたときに追随しやすくするとともに、軽量化を図り、手指の洗浄時に水に濡れることを考慮すれば、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレンなどの可撓性を有する樹脂およびシリコーンゴムなどのゴムが好ましい。
【0017】
ブラシ本体2の長さLおよび幅Wは、ヒトの指の長さおよび太さによって異なるので一概には決定することができない。したがって、種々のヒトの手指の長さおよび太さに対応することができるようにするために、種々の長さLおよび幅Wを有するブラシ本体2を複数用意しておくことが好ましい。より具体的には、例えば、ブラシ本体2として成人の男性または女性の人差し指、中指など指の長さおよび太さに対応するブラシ本体、子供の人差し指、中指など指の長さおよび太さに対応するブラシ本体などを用意しておくことが好ましい。ブラシ本体2の長さおよび内径は、特に限定されないが、例えば、手指洗浄用ハンドブラシ1を指の基節部分に装着する場合には、当該基節部分の長さの範囲内に収まる長さおよび当該基節部分を挿入することができる内径を有することが好ましい。
【0018】
手指洗浄用ハンドブラシ1を基節または中節に装着する場合、ブラシ本体2の長さLは、通常、10~30mmの範囲内であり、ブラシ本体2の平面方向の幅Wは、通常、8~30mmの範囲内である。また、手指洗浄用ハンドブラシ1を基節および中節に跨らせて装着する場合、ブラシ本体2の長さLは、通常、20~55mmの範囲内であり、ブラシ本体2の幅Wは、通常、8~30mmの範囲内である。
【0019】
ブリッスル3は、ブラシ本体2のヒトの掌側に植毛されている。ブリッスル3に使用される材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)などのポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレンなどの樹脂、シリコーンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴムなどのゴムなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0020】
ブラシ本体2の表面からのブリッスル3の長さは、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去する観点から、好ましくは8~25mm、より好ましくは10~20mm、さらに好ましくは12~18mmである。
【0021】
ブリッスル3の直径(繊維径)は、ブリッスル3に使用される材料によって異なるので一概には決定することができないが、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去する観点から、好ましくは0.05~0.8mm、より好ましくは0.1~0.6mm、さらに好ましくは0.15~0.5mmである。
【0022】
植毛されているブリッスル3の先端部の形状は、鋭角を有し、テーパ状に尖っていてもよく、球形であってもよいが、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去するとともに手指洗浄用ハンドブラシ1の使用性を向上させる観点から、鋭角を有し、テーパ状に尖っていることが好ましい。
【0023】
ブリッスル3をブラシ本体2に植毛する方法としては、例えば、ブラシ本体2を成形するための成形型内にブリッスル3の植毛部分を装着し、当該成形型内にブラシ本体2を成形するための溶融樹脂を充填することによって植毛する方法、ブリッスル3の植毛部分を加熱溶融させ、加熱溶融した植毛部分をブラシ本体2の植毛用凹部に挿入し、当該端部とブラシ本体2とを融着一体化させて植毛する方法、ブリッスル3の植毛部分を接着剤でブラシ本体2と一体化させて植毛する方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
【0024】
ブラシ本体2にブリッスル3が植毛されている領域は、ヒトの掌側に存在する。しかし、必要により、ブリッスル3は、ブラシ本体2のヒトの掌側以外の領域にも植毛されていてもよい。
【0025】
ブリッスル3が植毛されている領域の長さRは、ブラシ本体2の長さLによって異なるので一概には決定することができないが、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去する観点から、好ましくは8~25mm、より好ましくは10~18mmである。また、ブラシ本体2のヒトの掌側にブリッスル3が植毛されている領域の平面方向の幅(ブリッスル3が植毛されている領域の平面方向の長さRに対して直角方向の長さ)は、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去するとともに、手指洗浄用ハンドブラシ1の使用性を向上させる観点から、好ましくは5~15mm、より好ましくは8~12mmである。
【0026】
ブリッスル3が植毛されている領域の形状は、特に限定されない。当該領域の形状としては、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形などが挙げられるが、本発明は、かかる形状によって限定されるものではない。
図1においては、ブリッスル3が植毛されている領域の形状が長方形であるときの手指洗浄用ハンドブラシ1が図示されている。
【0027】
ブラシ本体2にブリッスル3が植毛されている領域において、ブリッスル3が占有している面積の比率(占有面積率)は、特に限定されないが、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去するとともに手指洗浄用ハンドブラシ1の使用性を向上させる観点から、好ましくは60~90%、より好ましくは65~85%である。
【0028】
以上のようにして構成される手指洗浄用ハンドブラシ1の大きさは、ヒトの手指に応じて作製される。
【0029】
手指洗浄用ハンドブラシ1は、例えば、
図2に示されるようにヒトの手指8に挿入し、所望の位置に配置することができる。なお、
図2は、本発明の手指洗浄用ハンドブラシがヒトの手指の人差し指8aに挿入されているときの一実施態様を示す概略斜視図である。
【0030】
ヒトの手指8において手指洗浄用ハンドブラシ1を配置する位置は、特に限定されない。例えば、
図2に示されるように中節であってもよく、末節または基節であってもよいが、手指洗浄用ハンドブラシ1の使用性を向上させる観点から、基節または中節であるか、または基節と中節との双方であることが好ましい。
【0031】
手指洗浄用ハンドブラシ1として、
図1および
図2に示されるように、1個のブラシ本体2が使用されている手指洗浄用ハンドブラシ1を用いることができる。
【0032】
また、
図3に示されるように、例えば、4個のブラシ本体2がその側面で連結され、各ブラシ本体2の掌側に複数本のブリッスル3がそれぞれ植毛されていてもよい。なお、
図3は、4個のブラシ本体2が各ブラシ本体2の側面で連結され、各ブラシ本体2の掌側に複数本のブリッスル3が植毛されている手指洗浄用ハンドブラシ1の一実施態様を示す概略斜視図である。
【0033】
図3に示されるように、複数本のブラシ本体2がその側面で連結され、各ブラシ本体2の掌側に複数本のブリッスル3がそれぞれ植毛されている手指洗浄用ハンドブラシ1を用いた場合には、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができる。
【0034】
図3に示される実施態様では、4個のブラシ本体2が各ブラシ本体2の側面で連結されているが、ブラシ本体2の個数は、
図3に示されるように4個であってもよく、2個であってもよく、3個であってもよい。手指洗浄用ハンドブラシ1に使用されるブラシ本体2の数は、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができるようにする観点から、3個または4個であることが好ましく、4個であることがさらに好ましい。複数本のブラシ本体2がその側面で連結されている手指洗浄用ハンドブラシ1を用いる場合、3個のブラシ本体2が連結されている手指洗浄用ハンドブラシ1をヒトの人差し指、中指および薬指に装着するか、または4個のブラシ本体2が連結されている手指洗浄用ハンドブラシ1をヒトの人差し指、中指、薬指および小指に装着することが好ましく、4個のブラシ本体2が連結されている手指洗浄用ハンドブラシ1をヒトの人差し指、中指、薬指および小指に装着することがより好ましい。
【0035】
図3に示される手指洗浄用ハンドブラシ1では、ブラシ本体2同士が一体となって成形されているが、各ブラシ本体2をそれぞれ別個独立に成形しておき、例えば、
図4に示されるように、一方のブラシ本体2aと他方のブラシ本体2bとの接続部で、一方のブラシ本体2aに形成されている凸部4aと他方のブラシ本体2bに形成されている凹部4bとをスライドさせることによってブラシ本体2aとブラシ本体2bとを嵌め合わせて連結させることができる。なお、
図4は、手指洗浄用ハンドブラシ1の一部破断概略平面図である。
【0036】
図4に示されるように、一方のブラシ本体2aの凸部4aと他方のブラシ本体2bの凹部4bとをスライドさせることによって嵌め合わせて連結させることができるようにした場合、個々の手指の長さおよび太さに応じた手指洗浄用ハンドブラシ1を適宜交換することができる。したがって、個々の手指の大きさに適した手指洗浄用ハンドブラシ1を選択して組合せて連結することにより、そのヒトの手指に適した手指洗浄用ハンドブラシ1を用意することができる。
【0037】
また、本発明においては、手指洗浄用ハンドブラシ1として、
図5に示されるように、ブラシ本体2の掌側の端部2cから掌側に延伸する掌パッド5がブラシ本体2の掌側の端部2cに設けられ、掌パッド5に複数本のブリッスル3が植毛されている手指洗浄用ハンドブラシ1を用いることができる。
【0038】
図5に示される手指洗浄用ハンドブラシ1を用いた場合には、掌パッド5にも複数本のブリッスル3が存在しているので、この掌パッド5を用いることにより、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができる。掌パッド5は、手指を折り曲げたときに変形しやすいようにするために、変形しやすい材料で形成させることが好ましい。変形しやすい材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)などのポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの可撓性樹脂、シリコーンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴムなどのゴム、人工皮革、織布、不織布などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのなかでは、手指洗浄用ハンドブラシ1は、水と接触させて使用されることから、可撓性樹脂が好ましい。
【0039】
ブラシ本体2の掌側の端部2cと掌パッド5の端部(図示せず)とは、例えば、接着剤で一体化させることができるほか、ブラシ本体2の掌側の端部2aと掌パッド5の端部とを縫合させることによって一体化させることができる。
【0040】
掌パッド5に形成されるブリッスル3の直径、ブリッスル3を掌パッド5に植毛する方法、植毛されたブリッスル3の先端部の形状および掌パッド5におけるブリッスル3が占有している面積の比率(占有面積率)は、前記した手指洗浄用ハンドブラシ1と同様であればよい。掌パッド5の大きさおよび形状は、年齢、性別、人種などの要因によって異なるので一概には決定することができないことから、これらの要因に応じて適宜調整することが好ましい。
【0041】
また、掌パッド5の掌部には、
図5に示されるように、掌パッド5のブラシ本体2と対向する位置に掌パッド5をヒトの手に固定するためのベルト6a,6bが設けられていてもよい。ベルト6a,6bは、掌パッド5を手に容易に固定することができるようにするために、可撓性材料で形成されていることが好ましい。可撓性材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)などのポリアミド、ポリプロピレンなどのプラスチック、シリコーンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴムなどのゴム、皮革、人工皮革、織布、不織布などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。ベルト6aとベルト6bとは、一体化されていてもよく、例えば、手の甲の部分で接続金具(図示せず)によって接続させてもよく、マジックテープ(登録商標)などの面ファスナーで接続させてもよい。また、本発明においては、掌パッド5をヒトの手首9まで延伸させ、掌パッド5の端部をヒトの手首9付近でベルト6a,6bによって固定するようにしてもよい。
【0042】
掌パッド5の裏面、すなわち掌パッド5が掌と接触する面には、掌パッド5の形状を維持するために、補強材7を設けてもよい。補強材7としては、例えば、アルミニウムなどの金属板、塩化ビニル樹脂、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)などのポリアミド、ポリプロピレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレンなどの樹脂板、シリコーンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴムなどのゴム板などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。補強材7の大きさ、形状および板厚は、任意であり、補強材7の材質などに応じて適宜調整することができる。
【0043】
手指洗浄用ハンドブラシ1は、一方の手に装着して他方の手の手指を洗浄してもよく、両手に装着して両手の手指を洗浄してもよい。これらのなかでは、手指洗浄用ハンドブラシ1は、ヒトの両手にそれぞれ装着して手洗いする際に好適に使用することができる。手指洗浄用ハンドブラシ1を両手にそれぞれ装着し、両手の手指を洗浄した場合、一方の手に装着した手指洗浄用ハンドブラシ1のブリッスル3で他方の手の掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを除去した後、他方の手に装着した手指洗浄用ハンドブラシ1のブリッスル3で一方の手の掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを除去することができるので、両手の手指に付着しているウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができる。
【0044】
したがって、本発明の手指洗浄用ハンドブラシ1は、掌、手の甲、指先および指間部をはじめ、手指の指紋、爪と皮膚との間などに入り込んでいるウイルス、菌、汚れなどを効率よく容易に除去することができることから、例えば、新型コロナウイルスなどに対する感染予防対策として、一般家庭のみならず、保育所、幼稚園、各種学校、公共施設、各種職場などで好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 手指洗浄用ハンドブラシ
2 ブラシ本体
3 ブリッスル
4a ブラシ本体に形成されている凸部
4b ブラシ本体に形成されている凹部
5 掌パッド
6a ベルト
6b ベルト
7 補強材
【手続補正書】
【提出日】2020-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの手指に貫通させて使用される手指洗浄用ハンドブラシであって、手指が貫通する円筒状のブラシ本体および複数本のブリッスルを有し、前記ブラシ本体の掌側に前記ブリッスルが植毛され、前記ブラシ本体の掌側の端部から掌側に延伸する掌パッドが前記ブラシ本体の掌側の端部に設けられ、当該掌パッドに複数本のブリッスルが植毛されていることを特徴とする手指洗浄用ハンドブラシ。
【請求項2】
2~4本のブラシ本体が当該ブラシ本体の側面で連結されてなり、各ブラシ本体の掌側に複数本のブリッスルが植毛されている請求項1に記載の手指洗浄用ハンドブラシ。
【請求項3】
掌パッドのブラシ本体と対向する位置に当該掌パッドを手に固定するためのベルトが設けられている請求項1または2に記載の手指洗浄用ハンドブラシ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、
(1) ヒトの手指に貫通させて使用される手指洗浄用ハンドブラシであって、手指が貫通する円筒状のブラシ本体および複数本のブリッスルを有し、前記ブラシ本体の掌側に前記ブリッスルが植毛され、前記ブラシ本体の掌側の端部から掌側に延伸する掌パッドが前記ブラシ本体の掌側の端部に設けられ、当該掌パッドに複数本のブリッスルが植毛されていることを特徴とする手指洗浄用ハンドブラシ、
(2) 2~4本のブラシ本体が当該ブラシ本体の側面で連結されてなり、各ブラシ本体の掌側に複数本のブリッスルが植毛されている前記(1)に記載の手指洗浄用ハンドブラシ、および
(3) 掌パッドのブラシ本体と対向する位置に当該掌パッドを手に固定するためのベルトが設けられている前記(1)または(2)に記載の手指洗浄用ハンドブラシ
に関する。