(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059846
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】印刷配線板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/28 20060101AFI20220407BHJP
H05K 1/09 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
H05K3/28 C
H05K1/09 A
H05K3/28 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167702
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】594000778
【氏名又は名称】株式会社京写
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】八塚 剛志
(72)【発明者】
【氏名】久保 茂弘
(72)【発明者】
【氏名】切原 宏規
【テーマコード(参考)】
4E351
5E314
【Fターム(参考)】
4E351AA02
4E351BB01
4E351BB31
4E351BB38
4E351CC11
4E351DD04
4E351DD52
4E351EE17
4E351EE24
4E351EE27
4E351GG20
5E314AA04
5E314AA34
5E314BB05
5E314BB11
5E314CC15
5E314FF06
5E314GG26
(57)【要約】
【課題】焼結銅で構成された導電層を備える印刷配線板において、使用中に導電層の電気抵抗が増加することを抑制する。
【解決手段】本発明の印刷配線板は、絶縁基板と、絶縁基板上に形成された導電層と、導電層上に形成された酸素バリア層と、必要により絶縁基板の反対面に形成された酸素バリア層とを備える。酸素バリア層は、樹脂フィルムと樹脂フィルムに蒸着されたシリカあるいはアルミナの無機蒸着層を有する無機蒸着フィルム、あるいはメタキシリレンジアミンやパラキシリレンジアミンから誘導されるグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂の硬化物で構成されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された導電層とを備えた印刷配線板であって、前記導電層が焼結銅で構成されており、前記導電層上に酸素バリア層が形成され、前記酸素バリア層が樹脂材を有することを特徴とする印刷配線板。
【請求項2】
前記酸素バリア層が、樹脂フィルムと該樹脂フィルムに蒸着された無機蒸着層とを有する無機蒸着フィルムで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷配線板。
【請求項3】
前記無機蒸着層が、シリカ蒸着層又はアルミナ蒸着層からなることを特徴とする請求項2に記載の印刷配線板。
【請求項4】
前記酸素バリア層が、接着樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷配線板。
【請求項5】
前記印刷配線板がフレキシブル印刷配線板であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の印刷配線板。
【請求項6】
前記酸素バリア層がその上に形成された前記導電層が、前記絶縁基板の一方の面のみに形成されており、前記絶縁基板の他方の面に第2の酸素バリア層が形成されており、前記第2の酸素バリア層が樹脂材を有することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の印刷配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷により得られる導電性および耐久性に優れた印刷配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
導電回路は近年、急速に高密度化が進んでいる。従来、導電回路の形成に用いられてきた、絶縁基板に張り合わせた銅箔をエッチングしてパターニングするサブトラクティブ法は、工程が長く複雑で、多量の廃棄物を生じる。そこで、サブトラクティブ法に代わって、導電回路の形成に導電粒子を含む導電性ペーストを用いる印刷法や塗布法が注目されている。
【0003】
導電粒子として用いられる金属は導電性や経時安定性から銀が汎用的に用いられている。しかし、銀は高価であるだけでなく、資源量が少ないことや、高温高湿度下での回路間に発生するイオンマイグレーションの問題がある。銀に代わって導電粒子に用いられる金属としては銅が挙げられる。しかし、銅粉末は粒子表面に酸化層を形成し易く、酸化層のため、導電性が悪くなるという欠点がある。また、酸化層の悪影響は粒子が小さくなるほど顕著になる。そこで、銅粉末の酸化層を還元するために、水素等の還元性雰囲気下での300℃を超える温度での還元処理や、より高温下でバインダー樹脂を焼成させる際に酸化層を還元する処理等が必要となる。このような高温での処理により、導電性はバルク銅に近くなるが、使用できる絶縁基板がセラミックスやガラス等の耐熱性の高い材料に限定される。
【0004】
高分子化合物をバインダー樹脂とする導電ペーストはポリマータイプ導電ペーストとして知られている。ポリマータイプ導電ペーストはバインダー樹脂によって、導電粒子の固着と基材との接着性を確保できるが、バインダー樹脂が導電粒子間の接触を阻害するため、導電性を悪化させる。しかし、導電粒子の比率を高め、バインダー樹脂比率を低減させると、絶縁基板との接着性の低下だけでなく、導電層の脆化や、耐屈曲性の悪化、耐久性の悪化も起り易くなる。金属粒子由来の導電層は、たとえ焼結が進んでも箔に比べ表面積が大きく、耐久性(耐酸化性)が箔に比べ一般的に劣る。銅粉末は銀粉末に比べ、表面活性が大きいため、耐久性の課題は大きく、バインダー樹脂比率の低減による耐久性の低下が問題となることが多くなる。
【0005】
従来技術においても、ポリマータイプ導電ペーストから得られた導電層の導電性を向上させるための提案がなされている。例えば特許文献1では粒径100nm以下の金属微粒子を用いることにより、バルク金属の融点よりもはるかに低い温度で焼結でき、導電性の優れた金属薄膜が得られることが開示されている。また、特許文献2には金属粉ペーストを用いて形成した塗膜を過熱水蒸気処理することが開示されている。特許文献3には酸変性ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂を回路基板用接着剤への適応が開示されている。特許文献4には銀粉を少量の銅ペーストに添加し焼結することにより高温耐久の優れた印刷配線板が得られることが開示されている。
【0006】
しかしながら、銅粉末を含有する導電ペーストから得られた導電層の導電性と耐久性はさらなる向上が望まれており、まだ不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平03-034211号公報
【特許文献2】国際公開2010/095672号
【特許文献3】特開2006-137793号公報
【特許文献4】特開2019-179745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、焼結銅で構成された導電層を備える印刷配線板において、使用中に導電層の酸化の進行による電気抵抗が増加することを抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
(1)絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された導電層とを備えた印刷配線板であって、前記導電層が焼結銅で構成されており、前記導電層上に酸素バリア層が形成され、前記酸素バリア層が樹脂材を有することを特徴とする印刷配線板。
(2)前記酸素バリア層が、樹脂フィルムと該樹脂フィルムに蒸着された無機蒸着層とを有する無機蒸着フィルムで構成されていることを特徴とする(1)に記載の印刷配線板。
(3)前記無機蒸着層が、シリカ蒸着層又はアルミナ蒸着層からなることを特徴とする(2)に記載の印刷配線板。
(4)前記酸素バリア層が、接着樹脂で構成されていることを特徴とする(1)に記載の印刷配線板。
(5)前記印刷配線板がフレキシブル印刷配線板であることを特徴とする(1)~(4)の何れか1つに記載の印刷配線板。
(6)前記酸素バリア層がその上に形成された前記導電層が、前記絶縁基板の一方の面のみに形成されており、前記絶縁基板の他方の面に第2の酸素バリア層が形成されており、前記第2の酸素バリア層が樹脂材を有することを特徴とする(1)~(5)の何れか1つに記載の印刷配線板。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、焼結銅金属で構成された導電層を備える印刷配線板において、使用中に導電層の電気抵抗が増加することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例に係る印刷配線板に使用されたパターンを示す概略平面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る印刷配線板のパターンの長手方向に沿った概略断面図である。
【
図3】
図2の印刷配線板のパターンの幅方向に沿った概略断面図である。
【
図4】本発明の実施例に係る印刷配線板のパターンの長手方向に沿った概略断面図である。
【
図5】
図4の印刷配線板のパターンの幅方向に沿った概略断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係るプリント配線板の導電層の電気抵抗の増加率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明における印刷配線板は、絶縁基板上に銅ペーストを用いて設けられた導電層と、該導電層に設けられた絶縁コート層とを有する。なお、導電層は絶縁基板上の全面に設けられたものでも導電回路等のパターン物でもかまわない。絶縁基板の片面のみに導電層を設けることで、導電回路を絶縁基板の片面のみに設けてもかまわない。また、絶縁基板の両面に導電層を設け絶縁基板に設けたスルーホールに導電層を充てんすることで、導電回路を絶縁基板の両面に設けてもかまわない。また、本発明の印刷配線板は、リジッド印刷配線板であってもよいし、フレキシブル印刷配線板であってもよい。
【0013】
本発明は導電層上に酸素バリア層を有することを特徴とする。
【0014】
ここで、本発明において、「酸素バリア層」とは、酸素バリア性を有する層であり、酸素に起因する銅の腐食を低減し導電性の低下を減少させる役割がある。ここで、「酸素バリア性を有する」とは、「JIS K 7126-1:2006」の「附属書2(規定)ガスクロマトグラフ法によるガス透過度試験方法」に準拠して測定された酸素ガス透過度が、温度23℃、相対湿度50%において、1cm3/(m2・24h・atm)以下であることを意味する。
【0015】
酸素バリア性を有する材料は食品、医薬品、電子材料、電子部品の用途で使われているが、銅紛の焼結による導電層を保護するためには、酸素バリア層を含めた層の厚みが30μm以下で、150℃までの温度での温度でバリア性、可撓性が必要である。
【0016】
本発明において酸素バリア層として具体的には無機蒸着フィルム、多官能エポキシ樹脂の硬化物等が挙げられる。
【0017】
無機蒸着フィルムとしては延伸ポリエステルフィルム表面にシリカ、あるいはアルミナの蒸着膜が形成されたもの、ただし、無機蒸着層がシリカとアルミナからなる二元蒸着層品は、シリカとアルミナの線膨張係数が大きく異なるため加熱時の歪により無機蒸着層にクラックが生じるため酸素バリア性が劣るため好ましくない。
【0018】
酸素バリア層としては、他に多官能エポキシ樹脂の硬化物で可撓性を有する物が挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂としてのメタキシリレンジアミンやパラキシリレンジアミンから誘導されるグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂と、硬化剤としてのポリアミン類、酸無水物、またはカルボン酸類の組み合わせが挙げられる。これらのエポキシ樹脂の硬化物は緻密な硬化構造を形成し、酸素バリア性に優れる。具体的な商品としては三菱ガス化学社のエポキシ樹脂マクシーブ「M-100」と硬化剤ポリアミン樹脂「C-93」が挙げられる。
【0019】
片面配線板の場合、導電層の絶縁基板の反対面にも酸素バリア層を積層してもかまわない。
【0020】
導電層上に形成された酸素バリア層により、空気中の酸素が導電層に接触することを抑制できる。従って、印刷配線板の使用中に、導電層が酸化することを抑制でき、これにより、導電層の電気抵抗の増加を抑制することができる。すなわち、本発明に係る配線板によれば、銅紛の焼結で構成された導電層を備える配線板において、使用中に導電層の電気抵抗が増加することを抑制することが可能になる。
【0021】
まず、本発明における銅ペーストについて述べる。
【0022】
本発明で用いる銅ペーストは、銅粉末とバインダー樹脂とを主成分として溶剤中に分散させたものである。
【0023】
銅粉末は、銅を主成分とする金属粒子、または銅の割合が80重量%以上の銅合金であり、該銅粉末の表面が銀で被覆されたものであってもよい。該銅粉末への銀の被覆は完全に被覆しても、一部の銅を露出させて被覆したものでもよい。また、銅粉末はその粒子表面に導電性を損なわない程度の酸化被膜を有していてもよい。銅粉末の形状は、略球状、樹枝状、フレーク状等のいずれでも使用できる。銅粉末または銅合金粉末としては、湿式銅粉、電解銅粉、アトマイズ銅粉、気相還元銅粉等を用いることができる。電解銅紛を粉砕分級して得られる異形粒子を10から50重量%混合することにより、銅紛の焼結による収縮応力を緩和してクラックの少ない導電層が得られる。
【0024】
本発明で用いる銅粉末は平均粒径が0.01~20μmであることが好ましい。銅粉末の平均粒径が20μmより大きいと、絶縁性基板に微細な配線パターンを形成することが困難になる。また、平均粒径が0.01μmより小さい場合には加熱処理時の微粒子間融着による歪の発生が大きくなり、絶縁基板との接着性が低下する。銅粉末の平均粒径が0.02μm~15μmの範囲がより好ましく、更により好ましくは0.05~10μm、更により好ましくは0.10~10μmである。平均粒径の測定は、透過電子顕微鏡、電界放射型透過電子顕微鏡、電界放射型走査電子顕微鏡のいずれかにより粒子100個の粒子径を測定して平均値を求める方法による。本発明で用いる銅粉末は平均粒径が0.01~20μmであれば、異なる粒径のものを混合して使用してもかまわない。特にスクリーン印刷用銅ペーストでは、この用途に特有な流動特性の付与から0.05~0.5μmの微細と1~10μmのミクロンサイズ粉の混合が、望ましい。
【0025】
本発明で用いる銅ペーストに使用される溶剤は、バインダー樹脂を溶解するものから選ばれる。有機化合物であっても水であってもよい。溶剤は、銅ペースト中で銅粉末を分散させる役割に加えて、分散体の粘度を調整する役割がある。有機溶剤の例として、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、芳香族炭化水素、アミド等が挙げられる。
【0026】
本発明で用いる銅ペーストに使用されるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、芳香族ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等の樹脂が挙げられる。樹脂中にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合等を有するものが、銅粉末の安定性から、好ましい。
【0027】
銅粉末は銅ペースト中で、良好な分散状態を保持することが、良好な導電性を発現するために必要である。少量のバインダー樹脂でバインダー樹脂に必要な機能を出させるため、バインダー樹脂としては、スルフォン酸塩基やカルボン酸塩基等の金属への吸着能力のある官能基を含有するポリマーを含有することが望ましい。
【0028】
銅ペーストの成分の割合は銅粉末を100重量部に対し、バインダー樹脂1~7重量部の範囲にあることが望ましい。銅ペースト中のバインダー樹脂量が銅粉末を100重量部に対し1重量部未満の場合、絶縁基板との接着性の低下、導電層の脆化が顕著になり、好ましくない。一方、7重量部を超えると銅粉末間の接触機会の減少により、導電性の低下が顕著となる。より好ましいバインダー樹脂量は銅粉末を100重量部に対し、3~5重量部の範囲にある。銅ペースト中の溶剤量は回路形成時の印刷法や塗布法に最適な粘度に調整される。
【0029】
銅ペーストには、必要に応じ、硬化剤を配合しても良い。硬化剤としてはフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキセタン化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。硬化剤の使用量はバインダー樹脂の1~20重量%の範囲が好ましい。
【0030】
銅ペーストには、分散剤を配合してもかまわない。分散剤としてはステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、燐酸エステル、スルフォン酸エステル等が挙げられる。分散剤の使用量はバインダー樹脂の0.1~10重量%の範囲が好ましい。
【0031】
銅ペーストを得る方法としては、粉末を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、銅粉末とバインダー樹脂溶液、必要により追加の溶媒からなる混合物を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法等で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。
【0032】
次に、本実施形態で用いる絶縁基板について述べる。
【0033】
絶縁基板としては、銅粒子の焼結処理の際の加熱温度に耐えるものを用いる。基材としては、例えば、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルム、セラミックス、ガラスあるいはガラスエポキシ積層板等が挙げられ、ポリイミド系樹脂シートあるいはフィルムが望ましい。
【0034】
ポリイミド系樹脂としてはポリイミド前駆体樹脂、溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられる。ポリイミド系樹脂は通常の方法で重合することができる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを溶液中、低温で反応させポリイミド前駆体溶液を得る方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを溶液中で反応させ溶剤可溶性のポリイミド溶液を得る方法、原料としてイソシアネートを用いる方法、原料として酸クロリドを用いる方法などがある。
【0035】
絶縁基板としてのポリイミドフィルムやシートは、ポリイミド前駆体樹脂の場合には前駆体樹脂溶液を湿式製膜後、より高温でのイミド化反応を行う一般的な方法で得られる。溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂では溶液中で既にイミド化しているため、湿式製膜でシート化あるいはフィルム化ができる。
【0036】
絶縁基板は導電層との接着性を向上させるために、基材にコロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ処理等の表面処理を行ったものでもよい。
【0037】
絶縁基板が基材上にアンカーコート層を備え、該アンカーコート層上に銅ペーストを用いて銅粉末含有塗膜を形成することが望ましい。アンカーコート層とは、接着性を向上させるために絶縁基板と導電層との間に設けられる樹脂の層である。
【0038】
アンカーコート層に用いられる樹脂としては、絶縁基板との接着性が優れたものから選ばれ、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、芳香族ポリエ-テル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が挙げられる。樹脂中にエステル結合、イミド結合、アミド結合等を有するものが、アンカーコート層の耐熱性、絶縁基板との接着性から望ましい。アンカーコート層が硬化剤を含有することもアンカーコート層の耐熱性、絶縁基板との接着性から望ましい。硬化剤としてはフェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、オキセタン化合物、マレイミド化合物等が挙げられる。硬化剤の使用量はアンカーコート樹脂重量の1~50重量%の範囲が好ましい。
【0039】
アンカーコート層には、複素環中に窒素を含む複素環化合物および/またはヒドラジド化合物を含有することが好ましい。複素環中に窒素を含む複素環化合物やヒドラジド化合物は、銅箔や銅粉末の防錆剤として用いられることがあるが、これらの化合物は加熱処理により、銅粉末含有塗膜と強固な接着性を発揮する。窒素を含む複素環化合物やヒドラジド化合物は銅に対する親和性が高く銅表面に強く吸着する。アンカーコート層中に存在する、複素環中に窒素を含む複素環化合物やヒドラジド化合物を銅粉末表面に吸着させるにはエネルギーを与えることが必要で、加熱処理が有効であり、過熱水蒸気処理が最も熱効率が高い。
【0040】
複素環中に窒素を含む複素環化合物としては、例えば、ピリジン、オキサゾール、イソキノリン、インドール、チアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ビピリジル、ピラゾール、ベンゾチアゾール、ピリミジン、プリン、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾグアナミン等、あるいはこれらの構造異性体も挙げられる。これらはアルキル基、フェニル基、フェノール基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、チオール基、芳香環などの置換基を有してもよい。また、これらは芳香環や複素環と縮合してもよい。これらの中で、イミダゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物が望ましい。
【0041】
ヒドラジド化合物はヒドラジンあるいはその誘導体とカルボン酸が縮合した構造を有する化合物であり、例えば、サリチル酸ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジドとドデカンジカルボン酸の縮合物等が挙げられる。
【0042】
アンカーコート層には、アンカーコート用樹脂100重量部に対し複素環中に窒素を含む複素環化合物および/またはヒドラジド化合物を1~30重量部の範囲で含有することが望ましい。アンカーコート用樹脂100重量部に対し、複素環中に窒素を含む複素環化合物および/またはヒドラジド化合物が、1重量部未満の場合、銅粉末含有層との接着性の向上が見られず、30重量部を超える場合はアンカーコート層の物性の低下が見られることがある。
【0043】
絶縁基板にアンカーコート層を設けるには、樹脂をフィルムやシートに塗布あるいは印刷する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えばスクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法等が挙げられる。印刷あるいは塗布により形成された塗膜から加熱あるいは減圧等により溶剤を蒸発させることにより、アンカーコート層を形成することができる。アンカーコート層は絶縁基板上に全面的に設けられたものでも、部分的に設けられたものでもよく、導電層を形成する部分に設けられていることが望ましい。
【0044】
アンカーコート層は、溶剤を蒸発させた乾燥後の厚みが5μm以下、特に2μm以下が望ましい。アンカーコート層の厚みが5μmを超えると、加熱処理で起こる銅粉末の焼結歪等により、接着性が低下することがあり、厚みが0.01μm以下では加熱処理によるバインダー樹脂の分解などにより接着性の低下が大きくなる。
【0045】
続いて、銅ペーストを用いて、絶縁基板上に導電性塗膜を形成する方法を説明する。
【0046】
液状の銅ペーストを用いて、絶縁基板上に銅粉末含有塗膜を形成するには、銅ペーストをフィルムやシートに塗布あるいは印刷する場合に用いられる一般的な方法を用いることができる。例えばスクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、ロールコート法、ダイコート法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法等が挙げられる。印刷あるいは塗布により形成された塗膜から加熱あるいは減圧等により溶剤を蒸発させることにより、銅粉末含有塗膜を形成することができる。一般的に、銅ペーストの場合、この段階での銅粉末含有塗膜は1Ω・cm以上の体積固有抵抗で、導電層として必要な導電性は得られていない。
【0047】
銅粉末含有塗膜の厚みは、主に求める導電性から決められるが、銅ペーストに含まれていた溶剤を蒸発させた乾燥後の厚みが0.05~100μmであることが好ましい。銅粉末含有塗膜の厚みが0.05μm未満であると、加熱処理を施しても十分な導電性が得られない可能性があり、100μmを超えると塗膜中に溶剤が残留する可能性がある。残留した溶剤は加熱処理中に突沸する可能性があり、その場合、塗膜に欠陥ができることがある。銅粉末塗膜の厚みは、より好ましくは0.2~50μmである。
【0048】
本発明では、銅粉末含有塗膜を過熱水蒸気処理により導電化して導電層とする。過熱水蒸気処理は、過熱水蒸気の無酸素雰囲気下に導電ペーストを搬入することにより加熱して導電ペースト中の銅粉末等の導電性金属粉末を焼結させる処理であり、加熱効率、安全性、経済性さらに得られる導電性等から望ましい。過熱水蒸気処理とは熱処理する熱源として、空気よりも熱容量、比熱が大きい過熱水蒸気を用いるもので、過熱水蒸気とは飽和水蒸気を更に加熱して温度を上げた水蒸気である。
【0049】
過熱水蒸気処理条件は多くの要因により変動するが、一般的には、過熱水蒸気処理の温度は、250℃以上、好ましくは300℃以上、より好ましくは330℃以上が望ましい。250℃未満の場合は、導電性粉末を十分に焼結できず、導電層の導電性が十分に得られない可能性がある。過熱水蒸気処理温度の上限は絶縁基板やバインダー樹脂の耐熱温度や
求める導電性等により異なるが450℃である。蒸気処理時間は10秒~10分、好ましくは20秒~5分である。加熱方式としての過熱水蒸気処理は加熱効率がよいため処理時間を短くできるため、高温短時間での処理による接着性の低下を抑えることができるため特に好ましい。
【0050】
上記の加熱処理により、銅粉末含有塗膜は、必要な導電性を持つ導電層となるように導電化される。導電層の体積固有抵抗は、好ましくは10μΩ・cm以下、より好ましくは8μΩ・cm以下である。
【実施例0051】
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。実施例及び比較例は、以下に説明するように、作製され、測定、評価された。
【0052】
[銅ペースト用バインダー樹脂]
バインダー樹脂1:温度計、撹拌機、リービッヒ冷却管を具備した反応容器にテレフタル酸ジメチル140部、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル8.9部、1,3-プロピレングリコール122部、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート82部およびテトラブトキシチタネート0.1部を仕込み、150~230℃で180分間加熱し、エステル交換を行った後、セバシン酸50.5部を追加しエステル化反応を200~220℃で60分間行った。反応系を30分で270度まで昇温し、系を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHgとした。この条件で120分間反応し、ポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂は数平均分子量43000、硫黄濃度0.36重量%、酸価5当量/106gであった。
【0053】
[銅ペーストに用いた銅粉末]
銅粉末1:水中にて、硫酸銅(II)水溶液を水酸化ナトリウムによりpH12.5に調整し無水ブドウ糖で亜酸化銅に還元後、さらに水和ヒドラジンにより銅粉末まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径0.18μmの球状の粒子である。
銅粉末2:亜酸化銅を酒石酸を含有する水に懸濁させ、水和ヒドラジンにより銅粉末まで還元した。透過型電子顕微鏡により観察したところ、平均粒径1.2μmの球状粒子である。
銅紛末3:福田金属箔紛工業社製電解銅紛「FCC-CP-XO」(50%粒径5μm樹枝状微細紛)
【0054】
[銅ペースト]
下記の配合割合の組成物をミキサーで混錬後、エグザクト・テクノロジーズ社製3本ロール「M-50」を用いて分散することにより、銅ペーストを得た。
分散液組成
バインダー樹脂1の溶液 8.6部
(エチルカルビトールアセテートの35重量%溶液)
銅粉末1(平均粒径 0.18μm) 40部
銅粉末2(平均粒径 1.2μm) 30部
銅粉末3(平均粒径 5μm) 30部
エチルカルビトールアセテート 2.9部
【0055】
[銅ペースト印刷および導電化処理]
配線パターンP:
図1に示すように、円形状の一対の端子部Tと、これらの端子部Tの間を接続する直線部Sとを有するパターンPを、アンカーコートを施したポリイミドフィルムの片面上に銅ペーストを用いて、スクリーン印刷により5本得た。これらの5本のパターンPは、並列に配置されていた。直線部Sの幅(w)は150μm、長さ(l)は150mmであった。端子部Tの直径(d)は300μmであった。得られたパターンPの印刷物を、100℃10分間熱風乾燥後、340℃で5分間過熱水蒸気処理を行うことにより、パターンPの導電層を得た。過熱水蒸気の発生装置として蒸気加熱装置(第一高周波工業社製「DHF Super-Hi10」)を用い、10kg/時間の過熱水蒸気を熱処理炉に供給した。
【0056】
アンカーコート層付きポリイミドフィルム(AC-P-1,AC-P-2)は以下の手順により作成した。
【0057】
ポリアミドイミド(東洋紡社製「HR-11NN」)溶液100部に硬化剤として三菱ケミカル社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂「152」を1.5部、硬化触媒としてトリフェニルフォスフィン0.2部、希釈溶剤としてテトラヒドロフラン180部、さらに添加剤として2-フェニルイミダゾール2.1部を加えた。この組成物をカネカ社製ポリイミドフィルム「アピカル(登録商標)NPI厚み25μm」及び宇部興産社製「ユーピレックス(登録商標)-S厚み25μm」に乾燥後の厚みで0.5μmになるように塗布し、200℃で5分間乾燥・熱処理をした。アピカルベースをAC-PI-1、ユーピレックスベースをAC-PI-2とする。
【0058】
酸素バリア層:実施例1-1~実施例1-6,実施例2-1においては、無機蒸着フィルムを使用した。実施例2-2においては、三菱ガス化学社製酸素バリア性多官能エポキシ樹脂マキシーブの硬化物層を使用した。
【0059】
接着用高酸価ポリエステル樹脂1:テレフタル酸/イソフタル酸//ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコール=50/50//60/40モル比の組成のポリエステルに窒素置換後、溶融状態で無水トリメリット酸を末端付加した。得られた樹脂は、数平均分子量15000、酸価230当量/106の高酸価ポリエステル樹脂1である。硬化剤のエポキシ樹脂828は接着用高酸価ポリエステル樹脂1を100重量部に対し5重量部用いた。
【0060】
電気抵抗:
図1に示したパターンPの導電層について、三和電気計器社製デジタルマルチメータにより電気抵抗を測定した。
【0061】
[耐久試験]
図1の端子部Tをはんだ接合のち、下記の耐久試験を実施した。
(1)高温多湿下耐久性:導電層を温度85℃、相対湿度85%で500時間、1000時間放置した後の電気抵抗を測定し、電気抵抗の増加率(%)を算出した。
(2)高温耐久性:導電層を温度140℃中168時間放置した後の電気抵抗を測定し、電気抵抗の増加率(%)を算出した。なお、実施例2-1,2-2、比較例2-1,2-2では、温度140℃の条件で100時間毎に1000時間まで導電層の電気抵抗を測定し、電気抵抗の増加率(%)を算出した。
【0062】
体積固有抵抗:スクリーン印刷による25mm×25mmの導電部の表面抵抗を三菱ケミカルアナリテック社の「ロレスタAX MCP-T370」により測定し、導電部の厚みから体積固有抵抗を求めた。
【0063】
[接着剤付き無機蒸着フィルム(1)~(4)、及び接着剤付きポリエステルフィルム]
高酸価ポリエステル樹脂1のMEK/トルエン溶液に高酸価ポリエステル樹脂1樹脂固形分100部に対してエポキシ樹脂828を5部配合し、無機蒸着フィルムの無機蒸着層上、及びポリエステルフィルム上に乾燥後の厚みで10μm塗布し、100℃で10分間乾燥することにより、接着剤付き無機蒸着フィルム(1)~(4)、及び接着剤付きポリエステルフィルム(比較品)を作製した。これらを、導電層上に150℃で15分間圧着し接着させた。
【0064】
接着剤付き無機蒸着フィルム(1):無機蒸着フィルムとして、三菱ケミカル社製厚み12μmシリカ蒸着フィルム「テックバリア(登録商標)LS」を用いた。この無機蒸着フィルムはポリエステルフィルムを基材とする。この無機蒸着フィルムの酸素ガス透過度は、25℃/80%RHの条件で、0.1cm3/(m2・24h・atm)である。
【0065】
接着剤付き無機蒸着フィルム(2):無機蒸着フィルムとして、東レフィルム加工社製厚み12μmアルミナ蒸着フィルム「バリアロックス(登録商標)1011SBR2」を用いた。この無機蒸着フィルムはポリエステルフィルムを基材とする。この無機蒸着フィルムの酸素ガス透過度は、23℃/90%RHの条件で、0.1cm3/(m2・24h・atm)である。
【0066】
接着剤付き無機蒸着フィルム(3):無機蒸着フィルムとして、東洋紡社製厚み12μmアルミナ蒸着フィルム「エコシアール(登録商標)VA607」を用いた。この無機蒸着フィルムはポリエステルフィルムを基材とする。この無機蒸着フィルムの酸素ガス透過度は、23℃/65%RHの条件で、0.1cm3/(m2・24h・atm)である。
【0067】
接着剤付き無機蒸着フィルム(4):無機蒸着フィルムとして、東洋紡社製厚み12μmシリカ・アルミナ二元蒸着フィルム「エコシアール(登録商標)VA706」を用いた。この無機蒸着フィルムはポリエステルフィルムを基材とする。この無機蒸着フィルムの酸素ガス透過度は、23℃/65%RHの条件で、1.5cm3/(m2・24h・atm)である。
【0068】
[実施例1-1~1-4、比較例1-3]
図2及び
図3記載の構成の配線板を作成した。導電層上に接着剤付き無機蒸着フィルム(1)~(4)を、
図2に示すとおり導電層のうち端子だけを露出するように、接着剤面と導電層を150℃で15分間圧着した。端子部接点には、はんだを接合した。得られた導電層の端子間の電気抵抗をテスターで測定した後、高温多湿下耐久性試験を実施した。得られた導電層の評価結果を表1及び表2に示す。
【0069】
[実施例1-5~1-6]
実施例1-1と同様に、ただし、
図3及び
図4に示すように、導電層と反対側の絶縁基板に、接着剤付き無機蒸着フィルム(1)を150℃で15分間圧着した。端子部接点には、はんだを接合した。得られた導電層の端子間の電気抵抗をテスターで測定した後、高温多湿下耐久性、高温耐久性試験を実施した。得られた導電層の評価結果を表2に示す。
【0070】
[比較例1-1,1-2]
実施例1-1、実施例1-2と同様に、ただし用いた接着剤付きフィルムは無機蒸着層無しのポリエステルフィルムである。評価結果を表2に示す。
【0071】
【0072】
【0073】
表1及び表2から分かるように、高温多湿試験、高温試験において、実施例1-1~1-6は、比較例1-1~1-3の全てより良好な結果が得られている。
【0074】
[実施例2-1,2-2、比較例2-1,2-2]
実施例2-1,2-2、比較例2-2においては実施例1-6と同様に絶縁基板の両側に接着剤付き酸素バリアフィルムを貼り合わせた。比較例2-1においては絶縁基板の両側に接着剤付きポリエステルフィルムを貼り合わせた。
【0075】
実施例2-1では、実施例1-3と同様に無機蒸着フィルムとして、東洋紡社製厚み12μmアルミナ蒸着フィルム「エコシアール(登録商標)VA607」(ハイバリアグレード)を用い、導電層上と絶縁基板の反対面の両面に貼り合わせた。
【0076】
実施例2-2において酸素バリア層は三菱ガス化学社製ガスバリア性接着樹脂「MAXIVE(登録商標)」をポリアミド樹脂C-93を硬化剤として用いた。このガスバリア性接着樹脂を2軸延伸ポリエステルフィルムに塗布後、150℃10分間乾燥後、導電層上と絶縁基板の反対面の両面に貼り合わせた。酸素バリア層は主剤がポリエポキシ樹脂で、硬化剤がポリアミン樹脂である。酸素バリア層のみは、30μmとした。MAXIVE(登録商標)について、計算すると、厚み30μmの場合、酸素ガス透過度は、1cm3/(m2・24h・atm)である。
【0077】
比較例2-1においては、酸素バリア層が設けられていないポリエステルフィルムを、高酸価ポリエステル樹脂1とエポキシ樹脂828からなる接着剤により、導電層上と絶縁基板の反対面の両面に貼り合わせた。
【0078】
比較例2-2では酸素バリア無機蒸着フィルムとして、東洋紡社製厚み12μmシリカ・アルミナ二元蒸着フィルム「エコシアール(登録商標)VE707」を基材とし、実施例2-1と同様に絶縁基板の両面に貼り合わせた。
【0079】
【0080】
図6から分かるように、実施例2-1及び2-2では、比較例2-1及び2-2より良好な結果を示す。