(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059857
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】箔転写装置
(51)【国際特許分類】
B41J 15/04 20060101AFI20220407BHJP
B65H 41/00 20060101ALI20220407BHJP
B41F 16/00 20060101ALI20220407BHJP
G03G 15/22 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
B41J15/04
B65H41/00 C
B41F16/00 B
G03G15/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167721
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】市川 智也
【テーマコード(参考)】
2C060
2H078
3F108
【Fターム(参考)】
2C060BC42
2C060BC47
2C060BC55
2H078DD79
3F108JA03
(57)【要約】
【課題】フィルムユニットの装着時に、箔フィルムが挟まれてしまうことを抑制する。
【解決手段】箔転写装置は、フィルムユニットFUと、筐体本体と、カバー22と、剥離部材(第2案内軸42)と、搬送ローラ(第1搬送ローラ13)と、を備える。カバー22は、閉位置と開位置との間で移動可能である。剥離部材(第2案内軸42)は、箔フィルムをシートから剥離させる。搬送ローラ(第1搬送ローラ13)は、シートを搬送し、搬送方向において、剥離部材(第2案内軸42)の下流に位置する。フィルムユニットFUは、剥離部材(第2案内軸42)と搬送ローラの間でシートをガイドする第1ガイドG1と、を有する。カバー22は、搬送ローラ(第1搬送ローラ13)と、搬送方向における第1ガイドG1と搬送ローラの間でシートをガイドする第2ガイドG2と、を有する。第1ガイドG1と第2ガイドG2は、搬送ローラの軸方向から見て重ならない。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箔を含む箔フィルムにシートを重ねて、シートに箔を転写する箔転写装置であって、
前記箔フィルムが巻回された供給リールを有するフィルムユニットと、
前記フィルムユニットを着脱するための開口を有する筐体本体と、
前記開口を塞ぐ閉位置と、前記開口を開放する開位置と、の間で移動可能なカバーと、
前記箔フィルムおよびシートを加熱する加熱部材と、
前記加熱部材との間で前記箔フィルムおよびシートを挟む加圧部材と、
前記加熱部材と前記加圧部材の間を通過した前記箔フィルムの進行方向を、シートの搬送方向とは異なる方向に変更することで、前記箔フィルムをシートから剥離させる剥離部材と、
シートを搬送する搬送ローラであって、前記搬送方向において、前記剥離部材の下流に位置する搬送ローラと、を備え、
前記フィルムユニットは、前記剥離部材と、前記搬送方向における前記剥離部材と前記搬送ローラの間でシートをガイドする第1ガイドと、を有し、
前記カバーは、前記搬送ローラと、前記搬送方向における前記第1ガイドと前記搬送ローラの間でシートをガイドする第2ガイドと、を有し、
前記第1ガイドと前記第2ガイドは、前記搬送ローラの軸方向から見て重ならないことを特徴とする箔転写装置。
【請求項2】
前記第1ガイドは、前記軸方向に並ぶ複数のリブであり、シートに対向する第1ガイド面を有し、
前記第2ガイドは、前記軸方向に並ぶ複数のリブであり、シートに対向する第2ガイド面を有し、
前記搬送方向における前記第1ガイド面と前記第2ガイド面との間隔は、前記第1ガイド面の前記搬送方向の寸法より小さいことを特徴とする請求項1に記載の箔転写装置。
【請求項3】
前記第1ガイド面は、前記軸方向から見て、前記搬送方向の下流に向かうにつれて、シートの搬送経路の一部を構成する前記剥離部材と前記搬送ローラの共通接線に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の箔転写装置。
【請求項4】
前記第2ガイド面は、前記軸方向から見て、前記搬送方向の下流に向かうにつれて、シートの搬送経路の一部を構成する前記剥離部材と前記搬送ローラの共通接線に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の箔転写装置。
【請求項5】
前記搬送方向における前記第2ガイド面の上流端は、前記搬送方向における前記第1ガイド面の下流端よりもシートの搬送経路の一部を構成する前記剥離部材と前記搬送ローラの共通接線から離れて位置することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の箔転写装置。
【請求項6】
前記共通接線から前記第2ガイド面の上流端までの距離と、前記共通接線から前記第1ガイド面の下流端までの距離と、の差は、前記搬送方向における前記第1ガイド面と前記第2ガイド面との間隔より大きいことを特徴とする請求項5に記載の箔転写装置。
【請求項7】
前記フィルムユニットは、前記第1ガイドを有する第1フレームを有し、
前記第1フレームは、前記軸方向における両端部から前記軸方向に突出するボスであって、前記フィルムユニットを前記筐体本体に装着した場合に、前記筐体本体に位置決めされるボスを有することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の箔転写装置。
【請求項8】
前記フィルムユニットは、前記筐体本体に位置決めされる第2フレームをさらに有し、
前記第1フレームは、前記第2フレームに回動可能に支持されていることを特徴とする請求項7に記載の箔転写装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに箔を転写する箔転写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、箔転写装置として、箔フィルムが巻回された供給リールと、箔フィルムを巻き取るための巻取リールと、箔フィルムおよびシートを加熱する加熱ローラと、加熱ローラとの間で箔フィルムおよびシートを挟む加圧ローラと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、フィルムユニットを箔転写装置に着脱可能にすることにより、箔フィルムの交換が容易に行えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フィルムユニットが着脱可能な場合には、フィルムユニットと筐体本体の間に搬送されたシートが入り込まないように、搬送ガイドをフィルムユニットと筐体本体の両方に配置することがある。この場合、フィルムユニットの搬送ガイドと、筐体本体の搬送ガイドを櫛歯形状にして噛み合わせる方法が考えられる。しかしながら、フィルムユニットに巻回されている箔フィルムが弛んでいると、フィルムユニットを装着するときに、2つの搬送ガイドに箔フィルムが挟まれてしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、フィルムユニットの装着時に、搬送ガイドに箔フィルムが挟まれてしまうことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明に係る箔転写装置は、箔を含む箔フィルムにシートを重ねて、シートに箔を転写する装置であり、フィルムユニットと、筐体本体と、カバーと、加熱部材と、加圧部材と、剥離部材と、搬送ローラと、を備える。
フィルムユニットは、箔フィルムが巻回された供給リールを有する。筐体本体は、フィルムユニットを着脱するための開口を有する。カバーは、開口を塞ぐ閉位置と、開口を開放する開位置と、の間で移動可能である。加熱部材は、箔フィルムおよびシートを加熱する。加圧部材は、加熱部材との間で箔フィルムおよびシートを挟む。剥離部材は、加熱部材と加圧部材の間を通過した箔フィルムの進行方向を、シートの搬送方向とは異なる方向に変更することで、箔フィルムをシートから剥離させる。搬送ローラは、シートを搬送し、搬送方向において、剥離部材の下流に位置する。
フィルムユニットは、剥離部材と、搬送方向における剥離部材と搬送ローラの間でシートをガイドする第1ガイドと、を有する。
カバーは、搬送ローラと、搬送方向における第1ガイドと搬送ローラの間でシートをガイドする第2ガイドと、を有する。
第1ガイドと第2ガイドは、搬送ローラの軸方向から見て重ならない。
【0007】
この構成によれば、フィルムユニットが有する第1ガイドと、カバーが有する第2ガイドとの間に隙間があるので、フィルムユニットの装着時に、箔フィルムがカバーとフィルムユニットの間に挟まれてしまうことを抑制できる。
【0008】
また、前記した構成において、第1ガイドは、軸方向に並ぶ複数のリブであり、シートに対向する第1ガイド面を有し、第2ガイドは、軸方向に並ぶ複数のリブであり、シートに対向する第2ガイド面を有し、搬送方向における第1ガイド面と第2ガイド面との間隔は、第1ガイド面の搬送方向の寸法より小さい構成としてもよい。
【0009】
これによれば、シートが第1ガイドと第2ガイドの間に入り込むことを抑制できる。
【0010】
また、前記した構成において、第1ガイド面は、軸方向から見て、搬送方向の下流に向かうにつれて、シートの搬送経路の一部を構成する剥離部材と搬送ローラの共通接線に近づくように傾斜している構成としてもよい。
【0011】
これによれば、シートが第1ガイドと第2ガイドの間に入り込むことを抑制できる。また、第1ガイド面は、シートを搬送経路に向けて効率的に案内することができる。
【0012】
また、前記した構成において、第2ガイド面は、軸方向から見て、搬送方向の下流に向かうにつれて、シートの搬送経路の一部を構成する剥離部材と搬送ローラの共通接線に近づくように傾斜している構成としてもよい。
【0013】
これによれば、シートが第1ガイドと第2ガイドの間に入り込むことを抑制できる。また、第2ガイド面は、シートを搬送経路に向けて効率的に案内することができる。
【0014】
また、前記した構成において、搬送方向における第2ガイド面の上流端は、搬送方向における前記第1ガイド面の下流端よりもシートの搬送経路の一部を構成する前記剥離部材と前記搬送ローラの共通接線から離れて位置する構成としてもよい。
【0015】
また、前記した構成において、共通接線から第2ガイド面の上流端までの距離と、共通接線から第1ガイド面の下流端までの距離と、の差は、搬送方向における前記第1ガイド面と第2ガイド面との間隔より大きい構成としてもよい。
【0016】
また、前記した構成において、フィルムユニットは、第1ガイドを有する第1フレームを有し、第1フレームは、軸方向における両端部から軸方向に突出するボスであって、フィルムユニットを筐体本体に装着した場合に、筐体本体に位置決めされるボスを有する構成としてもよい。
【0017】
これによれば、第1フレームがボスによって筐体本体に位置決めされているので、第1ガイドの位置精度が向上し、第1ガイドと第2ガイドの隙間の大きさに誤差が生じにくい。
【0018】
また、前記した構成において、フィルムユニットは、筐体本体に位置決めされる第2フレームをさらに有し、第1フレームは、第2フレームに回動可能に支持されている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、フィルムユニットの装着時に、箔フィルムが挟まれてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る箔転写装置を示す図(a)と、箔フィルムの構成を示す断面図(b)である。
【
図2】箔転写装置のカバーを開けた状態を示す図である。
【
図3】フィルムユニットを示す断面図(a)と、ホルダから箔転写用フィルムカートリッジを外した状態を示す断面図(b)である。
【
図4】フィルムユニットと排紙シュートを示す斜視図である。
【
図5】筐体本体の一部を内側から見た斜視図であり、第2ガイド溝を示す図である。
【
図6】第2ボスと第3ボスが第2ガイド溝に位置決めされた状態を説明する図である。
【
図7】第1ガイドと第2ガイドを軸方向から見た図である。
【
図8】カバーに設けられる排紙シュートを示す図である。
【
図9】弛んだ箔フィルムが第1ガイドと第2ガイドとの間に入り込んだ場合を説明する図である。
【
図10】フィルムユニットに配置されたエンコーダの位置を説明する斜視図である
【
図11】
図10におけるA-A断面図であり、エンコーダの回転中心と供給リールの回転中心を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、方向は、
図1(a)に示す方向で説明する。すなわち、
図1(a)の右側を「前」とし、
図1(a)の左側を「後」とし、
図1(a)の紙面手前側を「左」とし、
図1(a)の紙面奥側を「右」とする。また、
図1(a)の上下を「上下」とする。
【0022】
箔転写装置1は、箔を含む箔フィルムFにシートSを重ねて、シートSに箔を転写するための装置である。
図1(a)に示すように、箔転写装置1は、例えばレーザプリンタ等の画像形成装置によってシートS上に形成されたトナー像の上にアルミニウム等の箔を転写するための装置である。箔転写装置1は、筐体2と、シートトレイ3と、シート搬送部10と、フィルム供給部30と、転写部50とを備えている。
【0023】
筐体2は、樹脂などからなり、筐体本体21と、カバー22とを備えている。筐体本体21は、上部に開口21A(
図2参照)を有している。開口21Aは、筐体本体21に後述するフィルムユニットFUを着脱するための開口である。開口21Aは、上向きとなっている。カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、筐体本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、開口21Aを塞ぐ閉位置と、開口21Aを開放する開位置との間で移動可能である。本実施形態では、カバー22は、シートSの搬送方向とは異なる方向に開く。
【0024】
シートトレイ3は、用紙、OHPフィルム等のシートSが載置されるトレイである。シートトレイ3は、筐体2の後部に設けられている。なお、シートSは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ3上に載置される。
【0025】
シート搬送部10は、シート供給機構11と、シート排出機構12とを備えている。シート供給機構11は、シートトレイ3上のシートSを一枚ずつ転写部50に向けて搬送する機構である。シート供給機構11は、ピックアップローラ11A、リタードローラ11Bおよび上流側搬送ローラ11Cを備えている。
【0026】
ピックアップローラ11Aは、シートトレイ3上のシートSを転写部50に向けて供給するためのローラである。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aによって搬送されるシートSを1枚に分離するためのローラである。
【0027】
リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aの上に配置されている。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSの上に重なっているシートSをシートトレイ3に向けて戻す方向に回転可能となっている。
【0028】
上流側搬送ローラ11Cは、2つのローラからなり、これらのローラの間でシートSを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートSを搬送可能となっている。上流側搬送ローラ11Cは、ピックアップローラ11Aと転写部50との間に配置され、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSを転写部50に搬送する。
【0029】
シート排出機構12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する機構である。シート排出機構12は、シートSを搬送する搬送ローラの一例としての第1搬送ローラ13と、第2搬送ローラ14と、第3搬送ローラ15と、第4搬送ローラ16とを備える。第1搬送ローラ13、第2搬送ローラ14、第3搬送ローラ15および第4搬送ローラ16は、カバー22に設けられている。
【0030】
第1搬送ローラ13は、シートSの搬送方向において、後述する剥離部材の一例としての第2案内軸42の下流に位置する。なお、以下の説明では、シートSの搬送方向を、単に「搬送方向」とも称する。また、以下の説明では、第1搬送ローラ13の軸方向を、単に「軸方向」とも称する。第1搬送ローラ13は、搬送方向において、第2案内軸42と第3搬送ローラ15との間に位置する。第1搬送ローラ13は、転写部50から送り出されるシートSを第3搬送ローラ15に向けて搬送する。
【0031】
第2搬送ローラ14は、第1搬送ローラ13と向かい合っている。第2搬送ローラ14は、第1搬送ローラ13に従動して回転し、第1搬送ローラ13との間でシートSをニップしてシートSを搬送する。
【0032】
第3搬送ローラ15は、搬送方向において、第1搬送ローラ13の下流に位置する。第3搬送ローラ15は、第1搬送ローラ13で送り出されるシートSを筐体2の外に排出する。
【0033】
第4搬送ローラ16は、第3搬送ローラ15と向かい合っている。第4搬送ローラ16は、第3搬送ローラ15に従動して回転し、第3搬送ローラ15との間でシートSをニップした状態でシートSを搬送する。
【0034】
フィルム供給部30は、シート供給機構11から搬送されたシートSに重ねるように箔フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、フィルムユニットFUと、モータ80を備えている。
【0035】
フィルムユニットFUは、
図2に示すように、筐体本体21に上から着脱可能となっている。フィルムユニットFUは、供給リール31と、巻取リール35と、第1案内軸41と、剥離部材の一例としての第2案内軸42と、規定部材の一例としての第3案内軸43とを備えている。フィルムユニットFUの供給リール31には、箔フィルムFが巻回されている。
【0036】
図1(b)に示すように、箔フィルムFは、支持層F1と、被支持層F2とを有する。支持層F1は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層F2を支持している。
【0037】
被支持層F2は、剥離層F21と、転写層F22と、接着層F23とを有する。剥離層F21は、支持層F1から転写層F22を剥離しやすくするための層であり、支持層F1と転写層F22との間に配置されている。剥離層F21は、支持層F1から剥離しやすい透明な材料、例えばワックス系樹脂を含んでいる。
【0038】
転写層F22は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の薄い金属である。また、転写層F22は、金色、銀色、赤色などの着色材料と、熱可塑性樹脂とを含む。転写層F22は、剥離層F21と接着層F23との間に配置されている。
【0039】
接着層F23は、転写層F22をトナー像に接着しやすくするための層である。接着層F23は、後述する転写部50によって加熱されたトナー像に付着しやすい材料、例えば塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂を含んでいる。
【0040】
図1(a)に示すように、供給リール31は、樹脂などからなり、箔フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。巻取リール35は、樹脂などからなり、箔フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。供給リール31には、図示せぬ負荷付与機構が設けられている。この負荷付与機構は、供給リール31を回転可能に支持する供給ケース32との間で摩擦力を発生させることで供給リール31に負荷トルクを付与する機構である。供給リール31に負荷トルクが付与されることで、巻取リール35で箔フィルムFを巻き取ると、箔フィルムFに張力がかかる。
【0041】
なお、
図1(a)等においては、便宜上、供給リール31および巻取リール35の両方に箔フィルムFが最大に巻回された状態を図示することとする。実際には、フィルムユニットFUが新品の状態においては、供給リール31に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最大となっており、巻取リール35には箔フィルムFが巻回されていない、もしくは、巻取リール35に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最小となっている。また、フィルムユニットFUの寿命時(箔フィルムFを使い切ったとき)においては、巻取リール35に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最大となり、供給リール31には箔フィルムFが巻回されていない、もしくは、供給リール31に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最小となる。
【0042】
第1案内軸41、第2案内軸42および第3案内軸43は、箔フィルムFの進行方向を変更するためのローラ状の軸である。第1案内軸41、第2案内軸42および第3案内軸43は、SUS(ステンレス鋼)などからなっている。
【0043】
第1案内軸41は、シートSの搬送方向において、転写部50の上流に位置する。第1案内軸41は、供給リール31から引き出される箔フィルムFの進行方向を、シートSの搬送方向と略平行となるように変更する。
【0044】
このような第1案内軸41によって案内される箔フィルムFは、被支持層F2(
図1(b)参照)を上に向けた状態で、転写部50に向けて搬送される。また、シートSは、被支持層F2が上に向いた状態の箔フィルムFの上に重ねられて、箔フィルムFとともに転写部50に向けて搬送される。
【0045】
第2案内軸42は、シートSの搬送方向において、転写部50の下流に位置する。第2案内軸42は、転写部50を通過した箔フィルムFの進行方向をシートSの搬送方向とは異なる方向に変更することで、箔フィルムFをシートSから剥離させている。
【0046】
第3案内軸43は、第2案内軸42によって変更される箔フィルムFの進行方向を規定する部材である。詳しくは、第3案内軸43は、シートSから箔フィルムFを剥離させるときの箔フィルムFの角度(以下、「剥離角度」ともいう。)を規定している。ここで、剥離角度は、箔フィルムFのうち、第1案内軸41と第2案内軸42の間で張架される部分と、第2案内軸42と第3案内軸43の間で張架される部分とのなす角である。第3案内軸43は、第2案内軸42で案内された箔フィルムFの進行方向を変更して巻取リール35に案内している。
【0047】
フィルムユニットFUを箔転写装置1に装着した状態において、巻取リール35は、筐体2に設けられたモータ80によって図示反時計回りに回転駆動される。巻取リール35が回転すると、供給リール31に巻回された箔フィルムFが引き出され、引き出された箔フィルムFが各案内軸41~43で案内されて巻取リール35に巻き取られていく。詳しくは、箔転写中において、後述する加圧ローラ51と加熱ローラ61によって箔フィルムFが送り出されることで、供給リール31から箔フィルムFが引き出される。そして、加圧ローラ51と加熱ローラ61から送り出された箔フィルムFが、巻取リール35に巻き取られていく。
【0048】
転写部50は、シートSと箔フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に転写層F22を転写するための部分である。転写部50は、加圧部材の一例としての加圧ローラ51と、加熱部材の一例としての加熱ローラ61とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱ローラ61のニップ部において、シートSと箔フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
【0049】
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、箔フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面である表面と反対側の面)と接触可能となっている。
【0050】
加圧ローラ51は、両端部がカバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱ローラ61との間でシートSおよび箔フィルムFを挟み、モータ80によって回転駆動されることで加熱ローラ61を従動回転させる。
【0051】
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータを配置したローラであり、箔フィルムFおよびシートSを加熱している。加熱ローラ61は、箔フィルムFの下側に配置され、箔フィルムFと接触している。加熱ローラ61は、箔フィルムFおよびシートSを加熱する。
【0052】
なお、本実施形態では、加熱ローラ61を箔フィルムFに対して接触・離間させるための接離機構70によって加熱ローラ61を移動させている。接離機構70は、シートSの搬送方向において、供給リール31と巻取リール35の間に配置されている。接離機構70は、カバー22を閉じている状態においては、シートSが転写部50に供給されるタイミングに合わせて加熱ローラ61を、箔フィルムFに接触する接触位置に移動させている。また、接離機構70は、カバー22が開けられた場合や、転写部50においてシートSに箔転写を行わない場合には、加熱ローラ61を、箔フィルムFから離間する離間位置に位置させている。
【0053】
このように構成された箔転写装置1では、シートSの表面を下向きにしてシートトレイ3に載置されたシートSが、シート供給機構11により転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50の搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された箔フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と箔フィルムFが接触した状態で転写部50に搬送される。
【0054】
転写部50においては、シートSと箔フィルムFが加圧ローラ51と加熱ローラ61の間のニップ部を通過する際に、加熱ローラ61と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に箔(被支持層F2)が転写される。
【0055】
箔が転写された後、シートSと箔フィルムFは貼り付いた状態で第2案内軸42まで搬送される。シートSと箔フィルムFが第2案内軸42を通過すると、箔フィルムFの搬送方向がシートSの搬送方向と異なる方向に変わるため、シートSから箔フィルムFが剥離、すなわち、トナー像に接着した被支持層F2が、箔フィルムFの支持層F1から剥離される。
【0056】
シートSから剥離され、シートS上のトナー像に接着した被支持層F2から剥離した支持層F1を含む箔フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、箔フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出機構12によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
【0057】
図3に示すように、フィルムユニットFUは、樹脂などからなるホルダ100と、ホルダ100に着脱可能な箔転写用フィルムカートリッジFCとを備えている。箔転写用フィルムカートリッジFCは、前述した供給リール31および巻取リール35を備えている。
【0058】
供給リール31および巻取リール35は、ホルダ100に対して、供給リール31の軸方向に直交する方向に着脱可能となっている。
【0059】
ホルダ100は、ベースフレーム110と、ベースフレーム110に回動可能(移動可能)に支持される回動フレーム120とを有している。ベースフレーム110は、第1支持部111と、第2支持部112と、連結部113と、第1案内軸41と、第2案内軸42とを備えている。
本実施形態では、回動フレーム120は第1フレームの一例であり、ベースフレーム110は、第2フレームの一例である。
【0060】
第1支持部111は、第1案内軸41と供給リール31とを支持する部位である。詳しくは、供給リール31は、
図1に示す供給ケース32内に収容されているため、第1支持部111は、供給ケース32を介して供給リール31を支持している。第1支持部111には、軸方向における両端から外側に突出する第1ボスB1が設けられている(
図10も参照)。各第1ボスB1は、供給リール31と同軸である。各第1ボスB1は、フィルムユニットFUの筐体本体21への着脱時において、筐体本体21に形成された第1ガイド溝GD1(
図2参照)でガイドされる部位である。
【0061】
第2支持部112は、第2案内軸42と巻取リール35とを支持する部位である。詳しくは、第2支持部112は、回動フレーム120とともに、中空のケースを構成しており、中空のケース内に巻取リール35を収容している。巻取リール35には、軸方向における両端から外側に突出する第2ボスB2が設けられている(
図4、
図10も参照)。各第2ボスB2は、フィルムユニットFUの筐体本体21への着脱時において、筐体本体21に形成された第2ガイド溝GD2(
図2参照)でガイドされる部位である。
【0062】
連結部113は、第1支持部111と第2支持部112とを連結する部位である。連結部113は、第1支持部111および第2支持部112の、軸方向における両端部をそれぞれ連結している。
【0063】
回動フレーム120は、第3案内軸43と、第3ボスB3と、第1ガイドG1と、を備えている。回動フレーム120は、
図3(a)に示す、第3案内軸43が箔フィルムFに接触する接触位置と、
図3(b)に示す、第3案内軸43が箔フィルムFから離れる離間位置との間で、軸120Xを中心に回動可能となっている。
【0064】
図4、
図10に示すように、第3ボスB3は、軸方向における回動フレーム120の両端部から軸方向に突出している。第3ボスB3は、回動フレーム120が接触位置にある状態で、第2ボスB2の上方に位置する。第3ボスB3は、フィルムユニットFUを筐体本体21に装着した場合に、筐体本体21に位置決めされるボスの一例である。
【0065】
図5に示すように、第2ガイド溝GD2は、筐体本体21の内壁に形成されている。第2ガイドGD2は、凹部GD21と、位置決め部GD22と、有している。凹部GD21は、下方に凹んでおり、底で第2ボスB2を受け入れて位置決めする。位置決め部GD22は、上下方向に延びる面であり、周囲より少し突出している。
【0066】
図6に示すように、フィルムユニットFUが筐体本体21に装着される場合、第2ボスB2が第2ガイド溝GD2に案内されて、凹部GD21に入り込む。第3ボスB3は、位置決め部GD22に接触して位置決めされる。詳細には、箔転写が実行され、巻取リール35が箔フィルムFを巻取ると、箔フィルムFの張力により第3案内軸43が箔フィルムFに押される(
図3(a)の矢印参照)ので、第3ボスB3が位置決め部GD22に押し付けられて、回動フレーム120が位置決めされる。
【0067】
図7に示すように、第1ガイドG1は、搬送方向における第2案内軸42と第1搬送ローラ13の間でシートSをガイドする部材である。
図4に示すように、第1ガイドG1は、軸方向に並ぶ複数のリブG11で構成されている(
図10も参照)。
【0068】
第1ガイドG1は、シートSに対向する第1ガイド面M1を有している。すなわち、本実施形態では、第1ガイド面M1は、複数のリブG11によって形成されている。第1ガイド面M1は、シートSを搬送する面である。
第1ガイド面M1は、軸方向から見て、搬送方向の下流に向かうにつれて、シートSの搬送経路の一部を構成する第2案内軸42と第1搬送ローラ13の共通接線L1に近づくように傾斜している。
【0069】
ここで、シートSを筐体2の外部に排出するシート排出機構12について詳しく説明する。
図2に示すように、カバー22は、前述した加圧ローラ51、第1搬送ローラ13などの他、排紙シュート90を有している。排紙シュート90は、搬送方向における第2案内軸42の下流でシートSをガイドする部材である。排紙シュート90は、カバー22の下側にシートSが通る間隔を空けた状態で固定されている。シートSは、排紙シュート90の上側を通って筐体2の外部に排出される。
【0070】
図8に示すように、排紙シュート90は、第2搬送ローラ14と、軸受け14Aと、付勢部材の一例としてのトーションバネ91と、ボス92と、第4搬送ローラ16と、第2ガイドG2と、第3ガイドG3(
図4参照)と、を有する。
【0071】
図4に示すように、軸受け14Aは、第2搬送ローラ14の両端部に設けられ、第2搬送ローラ14を回転可能に支持する。軸受け14Aは、排紙シュート90にスライド移動可能に支持されており、シートSの経路に近接・離間する方向に移動可能となっている。
【0072】
トーションバネ91は、シートSの幅方向の両端部に設けられている。
図8に示すように、トーションバネ91は、コイル部91Aと、第1アーム91Bと、第2アーム91Cとを有している。コイル部91Aは、ボス92に係合している。ボス92は、排紙シュート90の両端部から軸方向に突出している。第1アーム91Bは、コイル部91Aから延びており、先端が排紙シュート90に係合している。第2アーム91Cは、コイル部91Aから延びており、先端が軸受け14Aに係合している。トーションバネ91は、軸受け14Aを第1搬送ローラ13に向けて常に付勢する。これにより、トーションバネ91は、第2搬送ローラ14が第1搬送ローラ13に向けて押し付けられるように第2搬送ローラ14を付勢する。
【0073】
第2搬送ローラ14が第1搬送ローラ13に押し付けられていることで、第1搬送ローラ13と第2搬送ローラ14にシートSを挟持するニップ力が発生するようになっている。
【0074】
図7に示すように、第2ガイドG2は、搬送方向における第1ガイドG1と第1搬送ローラ13の間でシートSをガイドする部材である。
図4に示すように、第2ガイドG2は、軸方向に並ぶ複数のリブG21で構成されている。
【0075】
第2ガイドG2は、シートSに対向する第2ガイド面M2を有している。すなわち、本実施形態では、第2ガイド面M2は、複数のリブG21によって形成されている。第2ガイド面M2は、シートSを搬送する面である。
図7に示すように、第2ガイド面M2は、軸方向から見て、搬送方向の下流に向かうにつれて、シートSの搬送経路の一部を構成する第2案内軸42と第1搬送ローラ13の共通接線L1に近づくように傾斜している。
【0076】
軸方向から見ると、第1ガイドG1と第2ガイドG2との間には、隙間がある。別の言い方をすれば、第1ガイドG1と第2ガイドG2は、軸方向から見て、互いに重ならないように配置されている。詳しくは、搬送方向において、第1ガイドG1の下流端P1と、第2ガイドG2の上流端P2とが、搬送方向において間隔D1を開けて配置されている。
【0077】
また、搬送方向における第1ガイド面M1と第2ガイド面M2との間隔D1は、第1ガイド面M1の搬送方向の寸法D2より小さい。本実施形態では、間隔D1は、
図9に示すように、箔フィルムFが2枚重なった状態で第1ガイドG1と第2ガイドG2の間に入り込んだとしてもすり抜けることが可能な大きさである。
【0078】
図7に戻り、搬送方向における第2ガイド面M2の上流端P2は、搬送方向における第1ガイド面M1の下流端P1よりもシートSの搬送経路の一部を構成する第2案内軸42と第1搬送ローラ13の共通接線L1から離れて位置する。
【0079】
また、共通接線L1から第2ガイド面M2の上流端P2までの距離と、共通接線L1から第1ガイド面M1の下流端P1までの距離と、の差D3は、搬送方向における第1ガイド面M1と第2ガイド面M2との間隔D1より大きい。
【0080】
第3ガイドG3は、搬送方向における第1搬送ローラ13の下流でシートSをガイドする部材である。
図4に示すように、第3ガイドG3は、軸方向に並ぶ複数のリブG31で構成されている。
【0081】
ここで、箔転写装置1が転写を実行した場合に、供給リール31の回転速度と回転回数を計測する構成について説明する。
【0082】
図10に示すように、フィルムユニットFUは、エンコーダディスクENと、検知窓WIと、を有している。エンコーダディスクENは、複数のスリットが形成された回転板である。検知窓WIは、供給ケース32に形成された開口であり、後述する反射型の光センサSEがエンコーダディスクENのスリットを検知するための窓である。
【0083】
図11に示すように、エンコーダディスクENの回転中心X1は、供給リール31の回転中心と同軸である。フィルムユニットFUが箔転写装置1に装着されると、供給リール31は、第1ボスB1が第1ガイド溝GD1にガイドされて所定の位置に位置決めされる。エンコーダディスクENが供給リール31と同軸であるため、エンコーダディスクENも第1ボスB1によって位置決めされるようになっている。
【0084】
箔転写装置1は、筐体本体21の内側壁に位置する光センサSEと、図示せぬ制御部とを備える。
供給リール31の回転に伴ってエンコーダディスクENが回転すると、光センサSEが、単位時間当たりのエンコーダディスクENのスリットの通過を検出する。制御部は、光センサSEが検出した値から供給リール31の回転速度と回転回数を取得する。
【0085】
以上の構成によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
フィルムユニットFUを箔転写装置1に取り付けるときに、箔フィルムFが弛んでいると、カバー22を閉めたときに、カバー22の第2ガイドG2と、フィルムユニットFUの第1ガイドG1の間に箔フィルムFが挟まれてしまう可能性がある。
しかし、本実施形態の箔転写装置1では、第1ガイドG1と第2ガイドG2は、搬送ローラの軸方向から見て重ならないように配置されている。このため、第1ガイドG1と、第2ガイドG2との間に隙間があるので、フィルムユニットFUの装着時に、箔フィルムFが挟まれてしまうことを抑制できる。また、
図9に示すように、仮に、第1ガイドG1と第2ガイドG2との間に弛んだ箔フィルムFが入り込んだとしても、挟まれることなくすり抜けることができるので、フィルムユニットFUの装着時に、箔フィルムFが挟まれてしまうことを抑制できる。
【0086】
また、第1ガイドG1および第2ガイドG2は、軸方向に並ぶ複数のリブG11,G21で構成されている。そして、複数のリブG11,G21で構成された第1ガイド面M1と第2ガイド面M2との間隔D1は、第1ガイド面M1の搬送方向の寸法D2より小さい。このため、シートSが第1ガイドG1と第2ガイドG2の間に入り込むことを抑制できる。
【0087】
また、第1ガイド面M1および第2ガイド面M2は、軸方向から見て、搬送方向の下流に向かうにつれて、シートSの搬送経路の一部を構成する第2案内軸42と第1搬送ローラ13の共通接線L1に近づくように傾斜している。このため、シートが第1ガイドと第2ガイドの間に入り込むことを抑制できる。また、第1ガイド面M1および第2ガイド面M2は、シートSを搬送経路に向けて効率的に案内することができる。
【0088】
また、回動フレーム120は第3ボスB3を有し、回動フレーム120が第3ボスB3によって筐体本体21(詳しくは第2ガイド溝GD2)に位置決めされる。このため、回動フレーム120の第1ガイドG1の位置精度が向上し、第1ガイドG1と第2ガイドG2の隙間の大きさに誤差が生じにくい。
【0089】
また、供給リール31の回転速度を計測するためのエンコーダディスクENが供給リール31と同軸なので、エンコーダディスクENが供給リール31と同軸でない場合と比較して、エンコーダディスクENの位置精度が向上する。
【0090】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0091】
前記実施形態では、加圧部材として加圧ローラ51、加熱部材として加熱ローラ61を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、加圧部材は、加熱ローラとの間でシートおよび箔フィルムを挟むパッドなどであってもよい。また、加熱部材は、加圧ローラとの間でシートおよび箔フィルムを挟む板状の部材であってもよい。
【0092】
前記実施形態では、剥離部材としてローラ状の第2案内軸42を例示したが、本発明はこれに限定されず、剥離部材は、例えば、板状のブレードであってもよい。
前記実施形態では、規定部材としてローラ状の第3案内軸43を例示したが、本発明はこれに限定されず、規定部材は、例えば、板状のブレードであってもよい。
【0093】
前記実施形態では、箔転写用フィルムカートリッジFCに供給リール31と巻取リール35を設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、箔転写用フィルムカートリッジに供給リールを設け、筐体に巻取リールを設けてもよい。
【0094】
前記実施形態では、箔転写装置として、シート上に形成されたトナー像の上に箔を転写するものを例示したが、本発明はこれに限定されず、箔転写装置は、シートに箔を転写するものであればどのようなものであってもよい。
【0095】
前記実施形態では、箔フィルムFを4層で構成したが、本発明はこれに限定されず、箔フィルムは、転写層と支持層を有していれば、層の数はいくつであってもよい。
【0096】
前記実施形態では、フィルムユニットを箔転写用フィルムカートリッジとホルダとで構成したが、本発明はこれに限定されず、フィルムユニットは、ホルダを有していなくてもよい。また、ホルダは、箔転写用フィルムカートリッジを着脱不能に支持するものであってもよい。
【0097】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 箔転写装置
13 第1搬送ローラ
14 第2搬送ローラ
21 筐体本体
21A 開口
22 カバー
31 供給リール
35 巻取リール
41 第1案内軸
42 第2案内軸
43 第3案内軸
90 排紙シュート
110 ベースフレーム
120 回動フレーム
B1 第1ボス
B2 第2ボス
B3 第3ボス
F 箔フィルム
FU フィルムユニット
G1 第1ガイド
G2 第2ガイド
G11 リブ
G21 リブ