(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059952
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20220407BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
G02F1/1339 500
G02F1/1368
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167864
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】棚瀬 健司
【テーマコード(参考)】
2H189
2H192
【Fターム(参考)】
2H189DA07
2H189DA31
2H189DA32
2H189DA39
2H189DA43
2H189DA45
2H189FA16
2H189JA05
2H189JA10
2H189LA03
2H189LA10
2H189LA14
2H189LA15
2H189LA20
2H192AA24
2H192BC35
2H192BC63
2H192BC72
2H192CB05
2H192CB23
2H192CB37
2H192CB83
2H192CC32
2H192EA04
2H192EA43
2H192EA67
2H192FB03
2H192FB05
2H192GD23
2H192GD61
2H192HA44
2H192JA06
2H192JA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】良好な光学特性を有する表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置10は、第1基板の表示領域102に格子状に配置された複数の画素電極と、前記第1基板に対向する第2基板上に設けられ、前記画素電極と重畳するカラーフィルタと、前記カラーフィルタ上に設けられる平坦絶縁層と、前記平坦絶縁層上に設けられ、開口部を有する共通電極と、前記画素電極と、前記共通電極との間に配置されるスペーサと、前記第1基板と、前記画素電極との間に設けられ、前記スペーサと重畳する遮光層と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板の表示領域に配置された複数の画素電極と、
前記第1基板に対向する第2基板上に設けられ、前記画素電極と重畳するカラーフィルタと、
前記カラーフィルタ上に設けられる平坦絶縁層と、
前記平坦絶縁層上に設けられ、開口部を有する共通電極と、
前記画素電極と前記共通電極との間に配置され、前記開口部と重畳するスペーサと、
前記第1基板と、前記画素電極との間に設けられ、前記スペーサと重畳する遮光層と、を含む、
表示装置。
【請求項2】
前記開口部の径は、前記スペーサの径よりも小さい、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記スペーサは、前記複数の画素電極のうち、隣り合って配置される少なくとも2つの画素電極の一部と重畳する、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記開口部のうち、前記表示領域の中心部に設けられる単位面積あたりの開口部の数と、前記表示領域の周辺部に設けられる単位面積当たりの開口部の数とは、異なる、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記スペーサは、前記開口部に対応する第1スペーサと、前記開口部と非対応の第2スペーサを有し、
前記第1スペーサは、前記開口部を介して前記平坦絶縁層と接触する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画素電極と、前記共通電極との間において、前記第1スペーサの第1高さは、前記第2スペーサの第2高さよりも小さい、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記画素電極は、反射性材料を含む、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記遮光層は、前記第1基板上に設けられたトランジスタのゲート電極、ソース/ドレイン電極および中継配線のいずれかと同一層上に設けられる、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記カラーフィルタは、第1波長帯域の光を透過する第1カラーフィルタと、前記第1波長帯域とは異なる第2波長帯域の光を透過し、前記第1カラーフィルタの側面と接触する第2カラーフィルタを含む、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記カラーフィルタと、前記第2基板との間に遮光材料を有しない、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示装置は、第2基板側から入射した光が前記画素電極で反射し、
前記反射した光が、前記第2基板側から出射される、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在最も汎用されている表示装置の一つとして液晶表示装置が挙げられる。例えば、テレビのみならず、コンピュータやタブレット、携帯電話などの様々な電子機器のインターフェースとして液晶表示装置が幅広く用いられている。液晶表示装置は、反射型液晶表示装置と、透過型液晶表示装置に大別される。特許文献1および特許文献2には、液晶表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-014988号公報
【特許文献2】特開2009-216978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
反射型液晶表示装置は、縦方向の電界により駆動する液晶表示素子を含む。液晶表示素子中の液晶層は、画素電極が設けられる第1基板と、共通電極が設けられる第2基板の間に配置される。このとき、液晶層は、液状であるために2つの基板の距離間(セルギャップ)を保持するために、スペーサがさらに設けられる。スペーサは、共通電極の直上に配置される。共通電極と第2基板との間には有機膜からなるカラーフィルタ及び平坦化層が存在する。
【0005】
ここで、液晶表示装置に物理的な負荷がかかると、共通電極にクラックやワレが発生する場合がある。この場合、クラックやワレが発生した部分から有機膜中のデガス成分が液晶層内に気泡となって入り込む恐れがある。これにより、当該液晶表示装置において表示不良が発生する恐れがある。
【0006】
このような課題に鑑み、本発明は、良好な光学特性を有する液晶表示素子を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態の表示装置は、第1基板の表示領域に配置された複数の画素電極と、前記第1基板に対向する第2基板上に設けられ、前記画素電極と重畳するカラーフィルタと、前記カラーフィルタ上に設けられる平坦絶縁層と、前記平坦絶縁層上に設けられ、開口部を有する共通電極と、前記画素電極と前記共通電極との間に配置され、前記開口部と重畳するスペーサと、前記第1基板と、前記画素電極との間に設けられ、前記スペーサと重畳する遮光層と、を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置を示す上面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の回路構成の一例を示す回路図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の回路構成の一例を示す回路図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示領域の一部を示す平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示領域を示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る表示装置の製造方法を示す断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示領域を示す断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示領域を示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る表示装置を示す上面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る表示装置を示す上面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示領域を示す断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る表示装置を示す上面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示領域を示す断面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る表示装置における表示領域を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0010】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にA、Bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0011】
さらに、本発明の詳細な説明において、ある構成物と他の構成物の位置関係を規定する際、「上に」「下に」とは、ある構成物の直上あるいは直下に位置する場合のみでなく、特に断りの無い限りは、間にさらに他の構成物を介在する場合を含むものとする。
【0012】
<第1実施形態>
(1-1.表示装置の構成)
図1は、表示装置10の上面図である。表示装置10は、基板101、表示領域102、画素103、周辺部104、駆動回路105、駆動回路106、フレキシブルプリント基板108、端子部109および基板170を有する。表示領域102には、画素103が格子状に離間して複数配置される。画素103は、画像の構成要素として機能する。具体的には、画素103は後述する液晶表示素子130を含んでいる。液晶表示素子130は、光を透過または遮断する機能を有する。周辺部104は、表示領域102を囲むように設けられる。駆動回路105は、周辺部104に設けられ、ゲートドライバとしての機能を有する。駆動回路106は、周辺部104に設けられ、ソースドライバとしての機能を有する。走査線51は、駆動回路105と接続される。信号線52は、駆動回路106と接続される。画素103は、走査線51および信号線52と接続される。本実施形態では、画素103にはメモリ内蔵の画素(MIP:Memory In Pixel)が設けられる。詳細は後述する。
【0013】
表示装置10において、外部の制御装置(図示せず)からフレキシブルプリント基板108を介して表示制御信号が駆動回路105および駆動回路106に入力される。このとき、駆動回路105からの走査信号が走査線51を介して表示領域102内の画素103に送信される。同様に、駆動回路106からの映像信号が信号線52を介して表示領域102内の画素103に送信される。その結果、表示領域102において静止画および動画が表示される。
【0014】
(1-2.画素の回路構成について)
続いて、本実施形態における画素103の回路構成の詳細について説明する。
図2は、画素103の回路構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図2に示すように、画素103は、3つのスイッチ素子1031~1033、ラッチ部1034、及び液晶表示素子130(液晶セル)を有するSRAM機能付きの画素構成を有する。ここで、液晶表示素子130は、画素電極とこれに対向して配される共通電極との間で発生する液晶容量を制御する。
【0016】
スイッチ素子1031は、信号線52に一端が接続されており、走査線51から走査信号φVが与えられることによってオン(閉)状態となり、信号線52を介して供給されるデータSIGを取り込む。ラッチ部1034は、互いに逆向きに並列接続されたインバータ1034a,1034bによって構成されており、スイッチ素子1031によって取り込まれたデータSIGに応じた電位を保持(ラッチ)する。
【0017】
スイッチ素子1032,1033は、ラッチ部1034の保持電位の極性に応じていずれか一方がオン状態となり、共通電極にコモン電位VCOMが印加されている液晶表示素子130に対して、当該コモン電位VCOMと同相の制御パルスFRPまたは逆相の制御パルスXFRPを画素電極に与える。スイッチ素子1032,1033の各一方の端子が共通に接続されたノードが、本画素回路の出力ノードNoutとなる。
【0018】
ラッチ部1034の保持電位が負側極性のときは、液晶表示素子130の画素電位がコモン電位VCOMと同相になるため、画素電極と共通電極間で電位が発生せず、液晶分子が初期配向状態から動かない。また、ラッチ部1034の保持電位が正側極性のときは、液晶表示素子130の画素電位がコモン電位VCOMと逆相になるため、画素電極と共通電極間に電位が発生し、当該電位に基づいて液晶分子が初期配向状態から回転する。
【0019】
なお、初期配向状態で光を通さない状態の場合、当該画素においては初期配向状態で黒を表示することになる。この場合、液晶分子が初期配向状態から上述の如く回転すると、光を透過させるようになる。この結果、当該画素では白を表示する。なお、この「白を表示」とは、当該画素が点灯していることを意味する。当該画素がカラーフィルタを有している場合は当該カラーフィルタに応じた色を表示する。かかる表示制御を「ノーマリブラック」と称する。他方、液晶分子が初期配向状態のときに光を透過させ(白表示)、初期配向状態から動いた場合に光を不透過(黒表示)とする構成も採用可能である。かかる表示制御を「ノーマリホワイト」と称する。
【0020】
図3は、画素103の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
図3において、
図2と対応する部分には同一符号を付して示している。なお、
図3に示す回路構成を画素回路と称してもよい。
【0021】
図3において、スイッチ素子1031は、例えばNchMOSトランジスタQ
n10からなる。NchMOSトランジスタQ
n10は、ソース/ドレインが信号線52に接続され、ゲートが走査線51に接続されている。
【0022】
スイッチ素子1032,1033は共に、例えば、NchMOSトランジスタ及びPchMOSトランジスタが並列に接続されてなるトランスファスイッチからなる。具体的には、スイッチ素子1032は、NchMOSトランジスタQn11及びPchMOSトランジスタQp11が互いに並列に接続された構成となっている。スイッチ素子1033は、NchMOSトランジスタQn12及びPchMOSトランジスタQp12が互いに並列に接続された構成となっている。
【0023】
インバータ1034a,1034bは共に、例えばCMOSインバータからなる。具体的には、インバータ1034aは、NchMOSトランジスタQn13及びPchMOSトランジスタQp13のゲート同士及びドレイン同士が共通に接続された構成となっている。インバータ1034bは、NchMOSトランジスタQn14及びPchMOSトランジスタQp14のゲート同士及びドレイン同士が共通に接続された構成となっている。
【0024】
上記の回路構成を基本とする画素103が、水平方向および垂直方向に展開されて行列状に配置されることになる。この画素103の行列状配列に対して、行毎の走査線51及び列毎の信号線52に加えて、制御パルスFRP,XFRPを伝送する制御線56,57、及び正側電源電圧VDD、負側電源電圧VSSの電源線58,59が列毎に配線されている。
【0025】
上述したように、本実施形態に係るMIP方式かつアクティブマトリクス型の表示装置10は、表示データに応じた電位を保持するラッチ部1034を有するSRAM機能付きの画素(MIP)が行列状に配置された構成となっている。なお、本実施形態では、画素内蔵のメモリとしてSRAMを用いる場合を例に挙げたが、SRAMは一例に過ぎず、他の構成のメモリ、例えばDRAMを用いる構成であっても良い。
【0026】
表示装置10は、画素内にメモリを持つことで、メモリ表示モードによる表示を実現できる。メモリ表示モードの場合、メモリに保持されている画素データを用いて表示を行うことから、階調を反映した信号電位の書き込み動作をフレーム周期で実行する必要がないため、表示装置の消費電力の低減を図ることができる、という利点がある。
【0027】
また、表示画面を部分的に、即ち、表示画面の一部だけを書き換えたい、というニーズがある。この場合、部分的に画素データを書き換えれば良いことになる。表示画面を部分的に書き換える、即ち、画素データを部分的に書き換えると、書き換えを行わない画素についてはデータを転送する必要がなくなる。したがって、データ転送量を減らすことができるため、表示装置の省電力化を図ることができる。
【0028】
また、
図3に示すように、本実施形態において、1画素の中の画素電極が複数個に分割して配置されてもよい。この場合、1画素内の分割された画素電極をサブ画素電極と称してもよい。また、このような画素回路及び当該画素電極に接続されたサブ画素電極の組み合わせを1画素内に複数配置することもできる。かかる複数のサブ画素電極の点灯/消灯の組み合わせ方により当該画素にて階調表示を行うことができる。このとき、サブ画素電極は、中継配線を介して接続されてもよい。
【0029】
(1-3.表示領域の平面および断面構成)
図4は、表示領域の一部を拡大した平面模式図である。
図5は、
図4のA1-A2間の構成を示す断面模式図である。なお、
図4及び
図5では、説明の関係上、一部の構成を省略して説明する。詳細な断面構成については、後で説明する。
【0030】
図4および
図5に示すように、表示装置10は、基板101、遮光層119a、平坦絶縁層125、配向膜133、スペーサ140、液晶表示素子130(画素電極131、液晶層135、共通電極139)、配向膜137、平坦絶縁層150、カラーフィルタ160、及び基板170を含む。
【0031】
基板101と基板170とは、対向して配置される。基板101および基板170は、光を透過する機能を有する。例えば、基板101および基板170には透光性を有する無機絶縁材料、有機絶縁材料または無機絶縁材料および有機絶縁材料の混合材料が用いられる。具体的には、基板101および基板170にはガラス基板が用いられる。基板101および基板170は、剛性を有する程度の厚さを有することが好ましい。具体的には、基板101および基板170の厚さは、100μm以上1000μm以下であることが好ましい。
【0032】
なお、基板101および基板170は、剛性を有する例を示したが、これに限定されない。例えば、基板101および基板170は可撓性を有してもよい。この場合、基板101および基板170には、有機樹脂材料が用いられてもよい。具体的には、基板101および基板170にポリイミド樹脂が用いられてもよい。
【0033】
また、基板101には、トランジスタ、容量素子、配線などが設けられる。詳細については、後述する。なお、本実施形態では、基板101を第1基板といい、基板170を第2基板という。
【0034】
液晶表示素子130には、画素電極131、液晶層135および共通電極139が用いられる。液晶表示素子130は、光を基板170側に透過させる、または光を遮断する機能を有する。本実施形態において基板101に設けられる複数の画素電極131が配向膜133に覆われている。同様に、基板170に設けられる共通電極139が配向膜137に覆われている。
【0035】
画素電極131は、平坦絶縁層125上に画素103ごとに設けられる。つまり、画素電極131は、表示領域102に配置される。画素電極131は、液晶表示素子130の第1電極としての機能を有する。画素電極131には、反射性の導電材料が用いられる。例えば、画素電極131には、銀、銅、アルミニウム、チタニウムおよびモリブデンなどの金属材料が用いられる。なお、画素電極131は、上述した材料とともに透光性を有しかつ導電性を有する材料が設けられてもよい。例えば、画素電極131には、銀とITO(Indium Tin Oxide)を積層させたものが用いられてもよい。なお、ここでいう画素電極とは、上述の如く複数のサブ画素電極を備える構成であっても構わない。
【0036】
カラーフィルタ160は、基板170(具体的には基板170の第1面170a側)に設けられる。カラーフィルタ160は、画素電極131と重畳する。カラーフィルタ160は、特定の波長帯域の光を透過する機能を有する。例えば、カラーフィルタ160rには赤色の波長帯域(第1波長帯域ともいう。具体的には610nm~750nmの波長帯域)の光を透過する材料が用いられる。カラーフィルタ160gは緑色の波長帯域(第2波長帯域ともいう。具体的には500nm~560nmの波長帯域)の光を透過する材料が用いられる。カラーフィルタ160bは青色の波長帯域の光(具体的には435nm~480nmの波長帯域)を透過する材料が用いられる。
【0037】
本実施形態では、カラーフィルタ160の各カラーフィルタ(カラーフィルタ160r、カラーフィルタ160g、およびカラーフィルタ160b)は、それぞれ側面において接する。言い換えれば、基板170とカラーフィルタ160の各々との間は遮光材料が設けられない構成となっている。なお、カラーフィルタ160r、カラーフィルタ160g、およびカラーフィルタ160bは、側面において接して設けられる例を示したが、間隔を有して離隔して配置されてもよい。また、隣り合うカラーフィルタ160r、カラーフィルタ160g、およびカラーフィルタ160bの端部同士が一部において互いに重畳しあう構成も採用可能である。
【0038】
平坦絶縁層150は、カラーフィルタ160上に設けられる。平坦絶縁層150(オーバーコート層ともいう)には、無色透明の有機材料、または無色透明の有機材料と無機材料の複合材料が用いられる。例えば、平坦絶縁層150にはアクリル樹脂が用いられる。
【0039】
共通電極139は、平坦絶縁層150上に設けられる。共通電極139は、液晶表示素子130の第2電極としての機能を有する。
図4では簡略して記載し詳細は後述するが、共通電極139は、少なくとも表示領域102に亘って設けられており、すべての画素電極131及び画素電極131間と対向している。あるいは、表示領域102内で共通電極をパターニングして複数に分け、複数の画素電極131と対向する構成も採用可能である。共通電極139には、透光性を有しかつ導電性を有する材料が設けられる。例えば、共通電極139には、ITOやIZO(Indiumu Zinc Oxide)等の酸化物導電材料が用いられる。
【0040】
また、共通電極139は、隣接する4つの画素電極131の間に開口部139aを有する。
【0041】
液晶層135において、画素電極131と、共通電極139との間に複数のスペーサ140が設けられる。スペーサ140は、画素電極131と、共通電極139との間の距離、つまり基板101と基板170との間の間隔を保持する機能を有する。スペーサ140には、無機材料又は有機材料が用いられる。この例では、スペーサ140には、感光性樹脂で形成されたフォトスペーサが用いられる。スペーサ140は、前記複数の画素電極131のうち、隣り合って配置される少なくとも2つの画素電極131の一部と重畳する。この例では、スペーサ140は、隣り合って配置される4つの画素電極131の一部と重畳する。本実施形態では、基板170、カラーフィルタ160、共通電極139、およびスペーサ140をまとめてカラーフィルタ基板と呼ぶ。
【0042】
液晶層135は、画素電極131と共通電極139との間に配置される。言い換えれば、液晶層135は基板101と基板170との間に設けられる。液晶層135は、適宜最適な液晶材料が用いられる。この例では、液晶表示素子130としてTN(Twist Nematic)液晶素子、VA(Virtical Alignment)液晶素子が用いられる。
【0043】
遮光層119aは、基板101と、画素電極131との間に設けられる。遮光層119aは、基板101の法線方向においてスペーサ140と重畳する。このとき、スペーサ140の径r140は、遮光層119aの径r119aよりも小さいことが望ましい。遮光層119aには、黒色の樹脂材料または反射性金属材料が設けられる。この例では、遮光層119aには、反射性金属材料が用いられる。また、遮光層119aは、信号線52および後述するソース/ドレイン電極119bと同一の層に設けられる。
【0044】
本実施形態の表示装置10の場合、基板170側(具体的には、基板170の第2面170b側)から入射した光が画素電極131で反射する。そして、画素電極131で反射した光は、液晶層135、共通電極139、およびカラーフィルタ160等を通って基板170側から出射される。つまり、表示装置10は、反射型の液晶表示装置である。このとき、カラーフィルタ160r、カラーフィルタ160g、およびカラーフィルタ160bの間には遮光材料が設けられていない。これにより、表示装置10は反射光学特性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態において、画素電極131は反射性金属材料で形成されることにより、画素電極131の下側(基板101側)に画素回路を配置することができる。
【0046】
また、本実施形態の場合、
図5に示す基板101の下側に照明装置200を設け、画素電極131間の隙間(例えば、3μm以上10μm以下)から光を透過させてもよい。これにより、表示装置の光学特性を向上させることができる。また、遮光層119aと同一の層である信号線52が画素電極131間の隙間に重畳する場合には、
図4および
図5に示すように、信号線52の一部に開口部52aを設けてもよい。図示していないが、走査線51が画素電極131間の隙間に重畳する場合には、信号線52と同様に走査線51の一部に開口部を設けてもよい。
【0047】
また、本実施形態では、共通電極139が開口部139aを有することにより、スペーサ140と平坦絶縁層150とが接触することができる。スペーサ140および平坦絶縁層150は、いずれも有機樹脂を含むので、スペーサの基板との接着性(付着性)が高まる。これによりスペーサ140が傾いたりするなどのスペーサ140の構造変化が抑えられる。
【0048】
また、本実施形態では、共通電極139の開口部139aの径r139aは、スペーサ140の下側の径r140よりも小さいことが望ましい。
【0049】
(1-4.表示装置の製造方法)
次に、表示装置10の製造方法について、図面を用いて説明する。この例では、説明の関係上、表示装置10に用いられるカラーフィルタ基板(基板170上へのスペーサ140の形成まで)の製造方法について説明する。
【0050】
図6に示すように、基板170上にカラーフィルタ160を形成する。まず、基板170に赤色のカラーフィルタ160rを形成する。このとき、赤色のカラーフィルタ160rは、スリットコート法により基板170の上面全体に塗布形成された後、フォトリソグラフィ法により所定の位置に配置されるように加工される。赤色のカラーフィルタ160rの厚みは0.5μm以上10μm以下、好ましくは0.5μm以上3μm以下である。この例では、赤色のカラーフィルタ160rの厚みは、1μmである。
【0051】
次に、基板170に緑色のカラーフィルタ160gを形成する。このとき、緑色のカラーフィルタ160gは、スリットコート法により基板170および赤色のカラーフィルタ160r上に塗布形成された後、フォトリソグラフィ法により赤色のカラーフィルタ160rとは異なる位置に配置されるように加工される。このとき、赤色のカラーフィルタ160rと、緑色のカラーフィルタ160gは、側面において接してもよい。
【0052】
次に、基板170上に青色のカラーフィルタ160bを形成する。このとき、青色のカラーフィルタ160bは、スリットコート法により基板170、赤色のカラーフィルタ160rおよび緑色のカラーフィルタ160g上に塗布形成された後、フォトリソグラフィ法により赤色のカラーフィルタ160rおよび緑色のカラーフィルタ160gとは異なる位置に配置されるように加工される。青色のカラーフィルタ160rは、赤色のカラーフィルタ160rおよび緑色のカラーフィルタ160gと側面において接してもよい。
【0053】
次に、基板170およびカラーフィルタ160上に平坦絶縁層150を形成する。平坦絶縁層150は、アクリル樹脂のほか、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などで形成される。平坦絶縁層150は、塗布法、具体的にはスリットコート法により形成される。平坦絶縁層150の厚みは0.5μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上3μm以下である。
【0054】
図7に示すように、平坦絶縁層150上に共通電極139を形成する。共通電極139は、ITOやIZO等の酸化物導電材料で形成される。共通電極139は、スパッタリング法、または蒸着法により、形成される。共通電極139の厚さは、0.05μm以上1μm以下、好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。
【0055】
次に、共通電極139に開口部139aを形成する。開口部139aは、フォトリソグラフィ法およびエッチング法により形成される。開口部139aは、カラーフィルタ160の各カラーフィルタの境界領域と重畳するように形成される。また、開口部139aは、基板101上の遮光層119aと重畳する位置に形成される。
【0056】
図8に示すように、共通電極139および平坦絶縁層150上にスペーサ140を形成する。スペーサ140は、塗布法により共通電極139上に有機樹脂層として形成された後、フォトリソグラフィにより所定の形状に加工される。このとき、スペーサ140は、開口部139aと重畳するように形成される。これにより、スペーサ140と平坦絶縁層150とが接することができる。結果的に、スペーサ140の基板170側における密着性を向上させることができる。
【0057】
本実施形態において、開口部139aを形成することにより、共通電極を形成後においてもなお、有機樹脂を含む平坦絶縁層150およびカラーフィルタ160から発生するガスを適宜開口部139aから排出することができる。したがって、製造工程における上記有機膜の脱ガスが促進され、製造後に生じる脱ガスによる表示不良の発生を抑制することができる。
【0058】
(1-5.表示装置のその他の構成)
次に、表示装置10のその他の構成について断面図を用いて詳述する。
図9は、表示装置10、とくに表示領域102の画素103部分の断面図を示す。
図9に示すように、画素103において、表示装置10は、基板101、液晶表示素子130(画素電極131、液晶層135、共通電極139)、スペーサ140、平坦絶縁層150、カラーフィルタ160、遮光層119a、および基板170に加えて、トランジスタ110、絶縁層117、平坦絶縁層121、導電層123、平坦絶縁層125、偏光板180および偏光板181が設けられる。
【0059】
トランジスタ110は、ゲート電極111、ゲート絶縁層113、半導体層115、およびソース/ドレイン電極119bを有する。トランジスタ110は、ボトムゲート・トップコンタクト構造を有しているが、これに限定されず、トップゲート・トップコンタクト構造としてもよいし、ボトムコンタクト構造としてもよい。
【0060】
なお、図示されていないが、容量素子は、ゲート絶縁層113を誘電体として半導体層115のソースまたはドレイン領域およびゲート電極111と同一の層に設けられた容量電極が用いて構成されてもよい。
【0061】
ゲート電極111は、基板101上(具体的には基板101の第1面101a側)に設けられる。ゲート電極111は、走査線51と適宜接続される。ゲート電極111は、銀、銅、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム等から選ばれた導電材料の単層、積層物、または合金で形成されてもよい。なお、基板101とゲート電極111との間に絶縁層が設けられてもよい。
【0062】
ゲート絶縁層113は、ゲート電極111上に設けられる。ゲート絶縁層113は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン或いはその他高誘電率の無機材料で形成されてもよい。ゲート絶縁層113は、単層であってもよいし、上記材料の積層構造であってもよい。
【0063】
半導体層115は、ゲート絶縁層113上に設けられる。半導体層115は、シリコン、酸化物半導体または有機物半導体などが用いられてもよい。
【0064】
絶縁層117は、ゲート絶縁層113、および半導体層115上に設けられる。絶縁層117は、ゲート絶縁層113と同様の材料で形成される。なお、絶縁層117は、単層であってもよいし、積層であってもよい。
【0065】
ソース/ドレイン電極119bは、絶縁層117上に設けられる。ソース/ドレイン電極119bは、信号線52と適宜接続される。ソース/ドレイン電極119bおよび信号線52には、ゲート電極111の材料例として挙げたものと同様の材料が用いられる。このとき、ソース/ドレイン電極119bはゲート電極111と同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
【0066】
平坦絶縁層121は、段差を平坦化する機能を有し、絶縁層117およびソース/ドレイン電極119b上に設けられる。平坦絶縁層121は、有機樹脂を含む。この例では、平坦絶縁層121には、アクリル樹脂が用いられる。なお、平坦絶縁層121はアクリル樹脂に限定されずに、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などで形成されてもよい。または、平坦絶縁層121は有機樹脂と無機材料との積層で形成されてもよい。
【0067】
導電層123は、平坦絶縁層121上に設けられる。導電層123は、各トランジスタをつなぐための中継配線として機能することができる。導電層123には、導電材料が用いられる。例えば、導電層123は、ゲート電極111と同様の材料で形成される。導電層123に加え、特に図示していないが、前述のソース/ドレイン電極119bと接合される他の配線も同じ導電材料を用いて形成されてもよい。
【0068】
平坦絶縁層125は、段差を平坦化する機能を有する。平坦絶縁層125は、平坦絶縁層121および導電層123上に設けられる。平坦絶縁層125は、平坦絶縁層121と同様の材料が用いられてもよい。
【0069】
偏光板181は、基板101の外側の第2面101b上に設けられる。偏光板180は、基板170の外側(視認される側)の第2面170b上に設けられる。なお、偏光板181を具備しない構成も採用可能である。
【0070】
本実施形態では、基板101上に平坦絶縁層が2層積層された構造を有している(平坦絶縁層121および平坦絶縁層125が積層されている)。そして、平坦絶縁層121と、平坦絶縁層125との間に導電層123が設けられている。導電層123は、平坦絶縁層125上に分離して設けられた画素電極131を電気的に接続する。
【0071】
本実施形態では、平坦絶縁層を1層設ける場合に比べて画素電極直下の平坦絶縁層125の膜厚を薄くすることができる。これにより、平坦絶縁層125に画素電極131との電気的接続のために設けられるコンタクトホール径を、1層構造の平坦絶縁層の場合に比べて小さくできる。これにより、画素サイズを小さくできる。したがって、表示装置の高精細化を図ることができる。
【0072】
また、本実施形態では、複数の画素電極131を繋ぐ金属配線(導電層123)が2つの平坦絶縁層の間に設けられている。このため、反射型液晶表示装置において、画素電極131と同一平面内に接続配線が設けられる場合に比べて表示有効面積(反射面積)が減少することを抑えられる。
【0073】
また、表示装置10は、基板101の第2面101bの下側に照明装置200が設けられる。照明装置200から照射された光は画素電極131の間を通って液晶表示素子130を透過し、基板170の第2面170b側から出射される。これにより、表示装置10は、反射光とともに透過光を利用することができ、表示画面の輝度を向上させることができる。
【0074】
また、このように表示装置10の下方に照明装置200を設ける構成においては、
図5に示すように、スペーサ140の径r140は、遮光層119aの径r119aよりも小さいため、スペーサ140およびスペーサ140の周辺が遮光層119aにより遮光されている。これにより、スペーサ140およびその周辺の配向乱れが生じやすい部分への照明装置200からの光の通過は抑制される。この結果、コントラスト低下が抑制される。
【0075】
<第2実施形態>
本実施形態では、第1実施形態と異なる表示装置について説明する。具体的には、機能および高さの異なるスペーサが配置されている例について説明する。
【0076】
図10は、表示装置10Aの表示領域102Aの一部を拡大した断面模式図である。なお、
図10では、説明の関係上、一部の構成を省略して説明する。詳細な断面構成については、後で説明する。
【0077】
図10に示すように、表示装置10Aは、基板101、遮光層119a、配向膜133、液晶表示素子130(画素電極131、液晶層135、共通電極139A)、配向膜137、平坦絶縁層150、カラーフィルタ160、及び基板170に加えてスペーサ140Aを含む。
【0078】
スペーサ140Aは、サブスペーサ140A1(第1スペーサともいう)およびメインスペーサ140A2(第2スペーサともいう)を含む。サブスペーサ140A1およびメインスペーサ140A2は、スペーサ140と同様の材料で形成される。第1実施形態と異なり、本実施形態では、スペーサ140Aが共通電極139Aの開口部139Aaに対応して設けられなくてもよい。具体的には、サブスペーサ140A1は、開口部139Aaに対応して設けられる。メインスペーサ140A2は、開口部139Aaに対応せずに配置される。
【0079】
本実施形態では、サブスペーサ140A1は、開口部139Aaを介して平坦絶縁層150と接触する。このとき、サブスペーサ140A1は、画素電極131と離隔する。具体的には、サブスペーサ140A1の先端部140A1aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と離隔する。一方、メインスペーサ140A2は、隣り合って配置された画素電極131の一部と接触する。具体的には、メインスペーサ140A2の先端部140A2aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と接触する。そのため、
図10に示すように、画素電極131と共通電極139との間のサブスペーサ140A1の高さH1(第1高さともいう)は、画素電極131と共通電極139との間のメインスペーサ140A2の高さH2(第2高さともいう)よりも小さい。メインスペーサ140A2は、画素電極131と常に接触するため、接地柱と呼ぶことができる。一方、サブスペーサ140A1は、通常時は、画素電極131と離隔している。しかしながら、基板170側から物理的衝撃が加えられたときに、サブスペーサ140A1は、画素電極131と接触する。そのため、サブスペーサ140A1は、浮き柱と呼ぶことができる。
【0080】
図11は、表示装置10Aを示す模式図である。
図11に示すように、表示装置10Aにおいて、サブスペーサ140A1および開口部139Aaは、メインスペーサ140A2とともに表示領域102に均一に配置されていてもよい。このとき、メインスペーサ140A2の単位面積当たりの配置される数(配置密度)は、サブスペーサ140A1の配置密度よりも小さくてもよい。例えば、メインスペーサ140A2の配置密度は、サブスペーサ140A1の配置密度の67%以下であってもよい。また、メインスペーサ140A2の配置密度は、表示領域の面積に対して10%以下、または1%以下、または0.1%以上0.5%以下であってもよい。なお、
図11においてはメインスペーサ140A2の図示を省略している(
図12、14についても同様)。
【0081】
本実施形態では、サブスペーサ140A1が設けられることにより、物理的衝撃に対する影響が緩和される。つまり、本実施形態の表示装置を用いることにより、衝撃耐性を高めることができる。
【0082】
<第3実施形態>
本実施形態では、第2実施形態と異なる表示装置について説明する。具体的には、サブスペーサの配置密度が表示領域内で異なる例について説明する。
【0083】
図12は、表示装置10Bの模式図である。
図12において、特に表示領域102Bにおけるサブスペーサ140B1(共通電極139Bの開口部139Ba)の配置密度について説明する。表示装置10Bにおいて、表示領域102Bの中央部R1において平坦絶縁層150またはカラーフィルタ160中の残留ガスが多い場合がある。そのため、
図12に示すように、表示装置10Bにおいて、開口部139Baのうち、表示領域102Bの中心部R1に設けられる単位面積あたりの開口部の数N
R1と、表示領域102Bの周辺部R2に設けられる単位面積当たりの開口部の数N
R2とは異なることが望ましい。言い換えれば、サブスペーサ140B1(開口部139Ba)の配置密度は、表示領域102Bの周辺部R2から中央部R1に行くほど高いことが望ましい。これにより、表示装置の製造時にたまるガスを効果的に放出(デガス)することができる。表示領域102Bの中央部R1は特に当該ガスを抜きにくい部位であるが、上記のように開口部139Baを配置することにより、製造工程における脱ガス処理をより効果的に行うことができる。結果として、表示装置10Bが完成した後の表示不良の発生を抑制することができる。
【0084】
<第4実施形態>
本発明の第2実施形態では、サブスペーサ140A1は、開口部139aに対応して設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されない。本実施形態では、構造の異なるサブスペーサを有する例について説明する。
【0085】
図13は、表示装置10Cの表示領域102Cの一部を拡大した断面模式図である。
図13に示すように、スペーサ140Cは、メインスペーサ140C2とともにとともにサブスペーサ140C1およびサブスペーサ140C3を含む。サブスペーサ140C1は、共通電極139Cの開口部139Caに対応して設けられてもよい。メインスペーサ140C2およびサブスペーサ140C3は、共通電極139Cの開口部139Caに対応せずに配置されてもよい。
【0086】
メインスペーサ140C2は、画素電極131と接触する。具体的には、メインスペーサ140C2の先端部140C2aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と接触する。
【0087】
サブスペーサ140C1は、開口部139Caを介して平坦絶縁層150と接触する。一方、サブスペーサ140C1は、画素電極131と離隔する。具体的には、サブスペーサ140C1の先端部140C1aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と離隔する。同様に、サブスペーサ140C3は、画素電極131と離隔する。具体的には、サブスペーサ140C3の先端部140C3aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と離隔する。このとき、
図13に示すように、画素電極131と共通電極139との間のサブスペーサ140C1の高さH1は、メインスペーサ140C2の高さH2よりも小さく、画素電極131と共通電極139との間のサブスペーサ140C3の高さH3(第3高さともいう)と実質的に同一である。
【0088】
本実施形態では、メインスペーサ140C2、サブスペーサ140C1およびサブスペーサ140C3は、フォトリソグラフィ法により同時に形成されてもよい。このとき、サブスペーサ140C3は、ハーフトーンマスクを用いて形成されてもよい。
【0089】
図14は、表示装置10Cにおけるサブスペーサの配置を示す模式図である。
図14に示すように、サブスペーサ140C1およびサブスペーサ140C3を合わせたサブスペーサ全体は、メインスペーサ140C2とともに、表示領域102に均一に配置されてもよい。このとき、サブスペーサ140C1(開口部139Ca)の配置密度は、第3実施形態と同様に表示領域102の周辺部R2から中央部R1に行くほど高くてもよい。上記のように開口部139Caを配置することにより、製造工程における脱ガス処理をより効果的に行うことができる。結果として、表示装置10Cが完成した後の表示不良の発生を抑制することができる。
【0090】
<第5実施形態>
本発明の第2実施形態では、サブスペーサの高さとメインスペーサの高さが異なる例を示したが、本発明はこれに限定されない。本実施形態では、開口部に対応しないサブスペーサと重畳する画素電極の構造が異なる例について、説明する。
【0091】
図15は、表示装置10Dの表示領域102Dの一部を拡大した断面模式図である。
図15に示すように、スペーサ140Dは、メインスペーサ140D2とともにサブスペーサ140D1およびサブスペーサ140D3を含む。サブスペーサ140D1は、共通電極139Dの開口部139Daに対応して設けられてもよい。サブスペーサ140C3は、共通電極139Dの開口部139Daに対応せずに配置されてもよい。
【0092】
メインスペーサ140D2は、画素電極131と接触する。具体的には、メインスペーサ140D2の先端部140D2aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と接触する。
【0093】
サブスペーサ140D1は、開口部139Daを介して平坦絶縁層150と接触する。サブスペーサ140D1は、画素電極131と離隔する。具体的には、サブスペーサ140D1の先端部140D1aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と離隔する。
【0094】
サブスペーサ140D3は、画素電極131と離隔する。具体的には、サブスペーサ140D3の先端部140C3aに設けられた配向膜137が画素電極131の上面131aに設けられた配向膜133と離隔する。このとき、平坦絶縁層125のうちサブスペーサ140D3に対応する部分が凹みを有してもよい。これにより、画素電極131は、平坦絶縁層121の形状に応じて配置される。
【0095】
図15に示すように、画素電極131の上面と共通電極139の上面との間のサブスペーサ140D3の高さH3は、画素電極131の上面と共通電極139の上面との間のメインスペーサ140D2の高さH2と実質的に同一である。
【0096】
メインスペーサ140D2、サブスペーサ140D1およびサブスペーサ140D3は、フォトリソグラフィ法により同時に形成されてもよい。
【0097】
サブスペーサ140D3は、メインスペーサ140D2とともに、表示領域に均一に配置されてもよい。このとき、サブスペーサ140D1(開口部139a)の配置密度は、第4実施形態と同様に表示領域102の周辺部から中央部に行くほど高くてもよい。
【0098】
<変形例>
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0099】
本発明の第1実施形態では、平坦絶縁層150の上面は平坦である例を示したが、本発明はこれに限定されない。
図16は、表示装置10Eの表示領域102Eの一部を拡大した断面模式図である。例えば、
図16に示すように、平坦絶縁層150のうちスペーサ140と接する部分150aは、凸部を有してもよい。例えば、カラーフィルタの端部が重なる。その結果、平坦絶縁層150が部分的に膨らむ。これにより、スペーサ140と平坦絶縁層150との接触面積が広くなる。結果として、スペーサ140と、平坦絶縁層150との密着性をさらに向上させることができる。
【0100】
また、本発明の第1実施形態では、遮光層119aがソース/ドレイン電極119bと同一の層に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、遮光層119aは、ゲート電極111(または走査線51)と同一の層に設けられてもよいし、中継配線として機能する導電層123と同一の層に設けられてもよい。
【0101】
また、本発明の第1実施形態では、カラーフィルタを用いる例を示したが、これに限定されない。本発明の一実施形態は、カラーフィルタを有しない構造(モノクロ表示構造)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
10・・・表示装置,51・・・走査線,52・・・信号線,56・・・制御線,57・・・制御線,58・・・電源線,59・・・電源線,101・・・基板,102・・・表示領域,103・・・画素,104・・・周辺部,105・・・駆動回路,106・・・駆動回路,108・・・フレキシブルプリント基板,109・・・端子部,110・・・トランジスタ,111・・・ゲート電極,113・・・ゲート絶縁層,115・・・半導体層,117・・・絶縁層,119a・・・遮光層,119b・・・ソース・ドレイン電極,121・・・平坦絶縁層,123・・・導電層,125・・・平坦絶縁層,130・・・液晶表示素子,131・・・画素電極,133・・・配向膜,135・・・液晶層,137・・・配向膜,139・・・共通電極,139a・・・開口部,140・・・スペーサ,150・・・平坦絶縁層,160・・・カラーフィルタ,170・・・基板,180・・・偏光板,181・・・偏光板,200・・・照明装置,1031・・・スイッチ素子,1032・・・スイッチ素子,1033・・・スイッチ素子,1034・・・ラッチ部,1034a・・・インバータ,1034b・・・インバータ