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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022059953
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/127 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
G08G1/127 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020167867
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 央
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF04
5H181MA29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】停留所の通過を精度よく判定する車載装置を提供する。
【解決手段】車載装置10は、車両の現在地情報を取得する現在地情報取得部13と、現在地情報に基づき、車両の経路に配置されている停留所に対して設定された停留所領域に車両が進入したことを判定する入出判定部112と、を備え、停留所領域は、進入領域及び退出領域を含むことを特徴とする。案内処理部113は、入出判定部によって車両が停留所領域に進入し、その後、退出した判定されたことに応じて、次の停留所の案内を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在地情報を取得する現在地情報取得部と、
前記現在地情報に基づき、前記車両の経路に配置されている停留所に対して設定された停留所領域に前記車両が進入したことを判定する判定部と、
を備え、
前記停留所領域は、進入領域及び退出領域を含む
ことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記停留所領域は、対応する停留所を基準とする所定サイズの領域が、前記進入領域及び前記退出領域に2分割されている
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車載装置であって、
前記停留所の位置情報に基づき、着目する停留所に対し、前記着目する停留所を基準とする所定サイズの領域を前記進入領域及び前記退出領域に分割して前記停留所領域を設定する領域設定部、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車載装置であって、
前記領域設定部は、
着目する停留所と前記着目する停留所の直前の停留所との経路上にノード及び形状補間点が存在しない場合、着目する停留所の位置情報と、前記着目する停留所の直前の停留所の位置情報に基づいて前記停留所領域を設定し、
着目する停留所と前記着目する停留所の直前の停留所との経路上にノードまたは形状補間点が存在する場合、着目する停留所の位置情報と、前記着目する停留所の直前の前記ノードまたは形状補間点の位置情報に基づいて前記停留所領域を設定する
ことを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項3に記載の車載装置であって、
前記領域設定部は、ナビゲーション手段によって探索された経路と、前記停留所の位置情報とに基づき、前記停留所領域を設定する
ことを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車載装置であって、
各停留所それぞれに対して設定されている前記停留所領域を表す停留所領域情報を予め記憶する記憶部、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項1に記載の車載装置であって、
各停留所それぞれに対して設定されている前記停留所領域を表す停留所領域情報を所定のサーバから受信する通信部、
を備えることを特徴とする車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路線バスに搭載するための車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
停留所を所定の順序で巡る路線バスでは、運転手の負荷を軽減するために、停留所の通過を検知し、これに応じて次の停留所の案内を行う車載装置が搭載されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、各停留所の順番を予め記憶しておき、近づいている停留所の番号が直前の停留所の番号と連続している場合に次の停留所領域に進入したと判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-227268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、路線バスが次の停留所領域に進入したことを検出できる。しかしながら、次の停留所領域に進入した際の進入方向や退出方向を考慮していないため、次の停留所のエリアに進入したことを、本来検知すべきタイミングで検知できなかったり、本来検知すべきではないタイミングで検知してしまったりすることが起こり得る。具体的には、例えば、路線バスが同じ道路を往復するような場合、本来は復路にて検知すべき停留所領域を往路にて検知してしまうことが起こり得る。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、停留所の通過を精度よく判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の一態様に係る車載装置は、車両の現在地情報を取得する現在地情報取得部と、前記現在地情報に基づき、前記車両の経路に配置されている停留所に対して設定された停留所領域に前記車両が進入したことを判定する判定部と、を備え、前記停留所領域は、進入領域及び退出領域を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、停留所の通過を精度よく判定することが可能となる。
【0010】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る車載装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、案内処理の一例を説明するフローチャートである。
図3図3は、ステップS3の処理の一例を詳述するフローチャートである。
図4図4は、連続する停留所の位置関係の一例を示す図である。
図5図5は、図4に対応する停留所領域の一例を示す図である。
図6図6は、ステップS4の処理の一例を詳述するフローチャートである。
図7図7は、連続する停留所の位置関係の他の一例を示す図である。
図8図8は、図7に対応する停留所領域の一例を示す図である。
図9図9は、ステップS6の処理の一例を詳述するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は適宜省略する。また、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0013】
<本発明の一実施形態に係る車載装置10の構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る車載装置10の構成例を示している。
【0014】
該車載装置10は、複数の停留所を巡る路線バスの車両に搭載されるものである。車載装置10は、停留所を通過したことを検知し、これに応じて次の停留所の案内(音声案内、及び表示案内)を実施するためのものである。
【0015】
ここで、「停留所を通過する」とは、停留所に停車して乗降客を乗り降りさせた後に出発する場合と、乗降客がいないことが確認できたために停留所に停車せずにその横を通り過ぎ得る場合との両方を含む。
【0016】
車載装置10は、処理部11、記憶部12、現在地情報取得部13、入力部14、出力部15、及び通信部16の各機能ブロックを備える。
【0017】
車載装置10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイス、ディスプレイ等の出力デバイス、及び、NIC(Network Interface Card)等の通信モジュールを備えるパーソナルコンピュータ等の一般的なコンピュータから成る。
【0018】
処理部11は、コンピュータのプロセッサにより実現される。処理部11は、領域設定部111、入出判定部112、及び案内処理部113の機能ブロックを有する。これらの機能ブロックは、コンピュータのプロセッサがメモリにロードされた所定のプログラムを実行することによって実現される。ただし、これらの機能ブロックの一部または全部を集積回路等によりハードウェアとして実現してもよい。
【0019】
領域設定部111は、走行中において次に通過する停留所に対して所定サイズの停留所領域を設定する。
【0020】
入出判定部112は、車両が所定の方向から停留所領域に進入したか否かを判定する。また、入出判定部112は、車両が停留所領域から所定の方向に退出したか否かを判定する。入出判定部112は、本発明の判定部に相当する。
【0021】
案内処理部113は、入出判定部112によって車両が停留所領域に進入し、その後、退出した判定されたことに応じて、次の停留所の案内を実行する。
【0022】
記憶部12は、コンピュータのメモリ及びストレージによって実現される。記憶部12には、停留所情報121、案内情報122、地図情報123、及び停留所領域情報124が格納される。記憶部12には、これら以外の情報を格納するようにしてもよい。
【0023】
停留所情報121は、路線バスの各系統における停留所の順番、各停留所の名称、位置(緯度、経度、高度)等を含む。案内情報122は、次停留所案内情報1221及び到着案内情報1222からなる。次停留所案内情報1221は、ある停留場を通過した際に次に停車する停留所を案内するための音声情報や表示情報である。到着案内情報1222は、まもなく到着する停留所を案内するための音声情報や表示情報である。地図情報123は、路線バスの経路と該経路を包含する地域の地図情報(道路の形状や地形を表すリンク、ノード、形状補間点を含む)である。停留所領域情報124は、領域設定部111によって設定された各停留所の停留所領域を表す情報である。
【0024】
現在地情報取得部13は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信モジュール(不図示)等から成り、車載装置10が搭載されている車両の現在地を取得する。
【0025】
なお、停留所情報121、案内情報122、地図情報123、及び停留所領域情報124のうちの少なくとも一部を、所定のサーバに保存するようにし、車載装置10からの要求に応じて該サーバから車載装置10に送信するようにしてもよい。
【0026】
入力部14は、コンピュータの入力デバイスによって実現される。入力部14は、ユーザ(運転手)からの各種の操作を受け付ける。出力部15は、コンピュータの出力デバイスによって実現される。出力部15は、例えば、操作入力画面を表示する。通信部16は、コンピュータの通信モジュールによって実現される。通信部16は、携帯電話通信網等のネットワークを介して所定のサーバ(いずれも不図示)と所定のデータを通信する。
【0027】
<車載装置10による案内処理について>
次に、図2は、車載装置10による案内処理の一例を説明するフローチャートである。
【0028】
該案内処理は、路線バスが車庫等の出発点を発車するに際し、ユーザ(運転手)が走行する路線(系統)を設定し、所定の開始操作を行ったことに応じて開始される。
【0029】
始めに、案内処理部113が、停留所情報121を参照して、次に通過する停留所を特定する(ステップS1)。いまの場合、出発点を発車した直後なので、1番目の停留所を特定する。
【0030】
次に、領域設定部111が、地図情報123を参照し、直前の停留所から次の停留所までの経路上にノードまたは形状補間点が存在するか否かを判定する(ステップS2)。ここで、経路上のノードや形状補間点とは、地図情報を構成するデータであり、一般的には、交差点等の右左折地点、例えば制限速度が変更される等の大きく道路情報が変わる地点、メッシュ境界線等に設けられる。
【0031】
直前の停留所から次の停留所までの経路上にノード及び形状補間点が存在しないと判定した場合(ステップS2でNO)、次に、領域設定部111が、停留所情報121を参照し、直前の停留所の位置と、次の停留所の位置に基づいて、次の停留所に対する停留所領域を設定する(ステップS3)。
【0032】
ステップS3について詳細する。図3は、ステップS3の処理の一例を詳述するフローチャートである。図4は、直前の停留所Aから次の停留所Bまでの経路上にノード及び形状補間点が存在しない場合の道路の一例を示している。図5は、次の停留所Bに対して設定される停留所領域を示している。
【0033】
始めに、領域設定部111が、停留所情報121を参照し、直前の停留所Aの位置情報と、次の停留所Bの位置情報を抽出する(ステップS11)。次に、領域設定部111が、直前の停留所Aと次の停留所Bとを結ぶ直線L1に直交し、且つ、次の停留所Bを通る境界線L2を決定する(ステップS12)。
【0034】
次に、領域設定部111が、次の停留所Bを中心とする所定半径(例えば、50m)の円領域を想定して境界線L2で分割し(ステップS13)、該円領域の境界線L2よりも直前の停留所A側の半円をα領域、α領域と反対側、すなわち、次の停留所Bの直後の停留所C(不図示)側の半円をβ領域に設定する。そして、該円領域の外側をγ領域に設定する(ステップS14)。ここで、α領域は本発明の進入領域に相当し、β領域は本発明の退出領域に相当する。
【0035】
図2に戻る。反対に、直前の停留所から次の停留所までの経路上にノードまたは形状補間点の少なくとも一方が存在すると判定した場合(ステップS2でYES)、次に、領域設定部111が、停留所情報121及び地図情報123を参照し、次の停留所付近の地図情報、及び、次の停留所の位置に基づいて、次の停留所に対する停留所領域を設定する(ステップS4)。
【0036】
ステップS4について詳細する。図6は、ステップS4の処理の一例を詳述するフローチャートである。図7は、直前の停留所Aから次の停留所Bまでの経路上に交差点(ノード)が存在する場合の道路の一例を示している。図8は、次の停留所Bに対して設定される停留所領域を示している。
【0037】
始めに、領域設定部111が、停留所情報121及び地図情報123を参照し、次の停留所Bの位置情報、及び、次の停留所Bの周辺の地図情報を抽出する(ステップS21)。次に、領域設定部111が、次の停留所Bの直近のノード(いまの場合、交差点)と次の停留所Bとを結ぶ直線L1に直交し、且つ、次の停留所Bを通る境界線L2を決定する(ステップS22)。
【0038】
次に、領域設定部111が、次の停留所Bを中心とする所定半径(例えば、50m)の円領域を想定して境界線L2で分割し(ステップS23)、該円領域の境界線L2よりも次の停留所Bの直近のノード側の半円をα領域、α領域と反対側、すなわち、次の停留所Bの直後の停留所C(不図示)側の半円をβ領域に設定する。そして、該円領域の外側をγ領域に設定する(ステップS24)。
【0039】
図2に戻る。ステップS3またはステップS4にて、次の停留所に対応する停留所領域を設定した後、次に、領域設定部111が、次の停留所に対応する停留所領域を停留所領域情報124として記憶部12に格納する(ステップS5)。
【0040】
次に、入出判定部112が、次の停留所に対して設定された停留所領域を車両が通過したことを確認する(ステップS6)。
【0041】
ステップS6について詳細する。図9は、ステップS6の処理の一例を詳述するフローチャートである。
【0042】
始めに、入出判定部112が、現在地情報取得部13から車両の現在地情報の取得を開始する(ステップS31)。次に、入出判定部112が、停留所領域情報124を参照し、次の停留所に対応する停留所領域におけるγ領域からα領域に車両が移動したか否かを判定する(ステップS32)。ここで、γ領域からα領域に車両が移動していないと判定した場合(ステップS32でNO)、入出判定部112が、γ領域からα領域への移動が確認できるまで、該判定を繰り返す。
【0043】
その後、γ領域からα領域に車両が移動したと判定した場合(ステップS32でYES)、入出判定部112が、次の停留所に対応する停留所領域に車両が進入したと判定する(ステップS33)。
【0044】
次に、入出判定部112が、次の停留所に対応する停留所領域におけるα領域からβ領域に車両が移動したか否かを判定する(ステップS34)。ここで、α領域からβ領域に車両が移動していないと判定した場合(ステップS34でNO)、入出判定部112が、α領域からβ領域への移動が確認できるまで、該判定を繰り返す。
【0045】
その後、α領域からβ領域に車両が移動したと判定した場合(ステップS34でYES)、次に、入出判定部112が、次の停留所に対応する停留所領域におけるβ領域からγ領域に車両が移動したか否かを判定する(ステップS35)。ここで、β領域からγ領域に車両が移動していないと判定した場合(ステップS35でNO)、入出判定部112が、β領域からγ領域への移動が確認できるまで、該判定を繰り返す。
【0046】
その後、β領域からγ領域に車両が移動したと判定した場合(ステップS35でYES)、入出判定部112が、次の停留所に対応する停留所領域から車両が退出したと判定する(ステップS36)。
【0047】
図2に戻る。次に、案内処理部113が、次停留所案内情報1221を参照し、退出したと判定された停留所領域に対応する停留所の次に通過する停留所の案内を実施する(ステップS7)。
【0048】
上述したように、車両が次の停留所を通過したことを確認し、次に通過する停留所の案内を実施した後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降が繰り返される。そして、車両が終点に到着した後に行われるユーザ(運転手)から所定の終了操作に応じて、該案内処理は終了する。
【0049】
以上に説明した案内処理によれば、次の停留所に対応する停留所領域への進行方向及び退出方向に基づいて停留所領域への入退出を確認するので、車両が停留所を通過したことを精度よく判定することができる。したがって、より適切なタイミングで、次の停留所の案内を行うことができる。
【0050】
<変形例1>
上述した実施形態では、路線バスが走行し、次の停留所に到着する前毎に、次の停留所に対応する停留所領域を設定していたが、予め各停留所にそれぞれ対応する停留所領域を設定しておき、停留所領域情報124として記憶部12に予め格納しておくようにしてもよい。これにより、車載装置10による停留所領域設定に要する演算負荷を軽減することができる。
【0051】
<変形例2>
車載装置10にナビゲーション処理部を追加するか、または、ナビゲーション装置と通信可能となるように構成し、ナビゲーション処理部またはナビゲーション装置によって探索された路線バスの経路を取得するようにしてもよい。ナビゲーション処理部、またはナビゲーション装置は、本発明のナビゲーション手段に相当する。そして、ナビゲーション手段から取得した経路と、次の停留所の位置情報に基づいて、停留所領域を設定するようにしてもよい。具体的には、停留所を通り、経路に直交する境界線L2を設け、上述したα領域、β領域、及びγ領域を設定するようにしてもよい。これにより、直前の停留所から次の停留所までの経路上におけるノード及び形状補間点の有無に拘わらず、より容易に停留所領域を設定することができる。
【0052】
<変形例3>
通信部16により、走行中の路線バスの車載装置10から所定のサーバに対して車両の現在地情報を送信し、これに応じて該サーバから送信される次の停留所に対応する停留所領域を受信するようにしてもよい。これにより、車載装置10によるエリア設定に要する演算負荷を軽減することができる。
【0053】
<変形例4>
例えば、経路を往復する路線バスが往路と復路とにおいて、道路を挟み向かい合って設置されている同一名称の停留所を通過する場合、往路における停留所領域のα領域(進入領域)が、復路における停留所領域のβ領域(退出領域)となり、往路における停留所領域のβ領域(退出領域)が、復路における停留所領域のα領域(進入領域)となる。このような場合に対応するため、往路と復路とで、α領域とβ領域とを入れ替えて運用することを指示するためのフラグを停留所領域情報124に付加できるようにしてもよい。これにより、ほぼ同じ位置に設置された同一名称の停留所に対して往路と復路とで2回の停留所領域設定を1回に減らすことができる。
【0054】
<変形例5>
上述した実施形態では、停留所領域として、停留所を中心とする円領域をα領域とβ領域とに2分割して、それぞれの角度範囲を180度としたが、α領域及びβ領域の少なくとも一方の角度範囲を180度よりも小さくしてもよい。これにより、停留所領域に対して進入する方向や退出する方向をより細分化できる。
【0055】
<適用例>
本実施形態の車載装置10は、路線バスの車両に搭載する場合に限らず、例えば、複数の停留所を巡る路面電車等の車両に搭載することができる。
【0056】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【0057】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明が、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に、他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0058】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現されてもよい。各機能を実現するプログラム、判定テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、HDD、SSD等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0059】
本発明は、表示制御装置、及び表示制御方法だけでなく、コンピュータ読み取り可能なプログラム等の様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0060】
10・・・車載装置、11・・・処理部、12・・・記憶部、13・・・現在地情報取得部、14・・・入力部、15・・・出力部、16・・・通信部、111・・・領域設定部、112・・・入出判定部、113・・・案内処理部、121・・・停留所情報、122・・・案内情報、123・・・地図情報、124・・・停留所領域情報、1221・・・次停留所案内情報、1222・・・到着案内情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9