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特開2022-60030導電シート、タッチセンサ及びタッチセンサの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060030
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】導電シート、タッチセンサ及びタッチセンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20220407BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
G06F3/044 122
G06F3/041 422
G06F3/041 490
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168008
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000231361
【氏名又は名称】NISSHA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】寺屋 さとみ
(57)【要約】
【課題】設計負荷を軽減したメッシュ形状によって、モアレとパターン見えの発生を抑制した導電シート、タッチセンサ及びタッチセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】導電シート10は、透明基材11と、透明基材11の第1面11aに形成された複数の第1金属細線20と、透明基材11の第2面11bに形成された複数の第2金属細線30とを備えている。第1金属細線20は、第1四角形Saが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第1四角形Saの各々は、1辺を欠いている。第2金属細線30は、第2四角形Sbが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbの各々は、1辺を欠いている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの列方向の対角線の1/2の距離だけ、第1四角形Saから列方向に移動した位置に配置されている。第2金属細線30は、第1金属細線20と同じ方向の線が重ならない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材と、
複数の第1四角形が頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、前記透明基材の第1面上に形成された複数の第1金属細線と、を備え、
前記第1四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく1辺を欠くように構成された、導電シート。
【請求項2】
前記第1四角形は、同一行又は同一列に並ぶ第1四角形が同じ位置の辺を欠く、請求項1に記載の導電シート。
【請求項3】
複数の第2四角形が頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、かつ前記第1金属細線と同じ方向の線が重ならないように、前記透明基材の第2面上に形成された複数の第2金属細線と、を備え、
前記第2四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく、前記第1四角形の欠かれた辺とは交差しない1辺を欠くように構成された、請求項1又は請求項2に記載の導電シート。
【請求項4】
前記第1四角形の各々は、同じ位置の辺を欠き、
前記第2四角形の各々は、前記第1四角形の欠かれた辺と隣接する位置にある辺を欠いた、請求項3に記載の導電シート。
【請求項5】
前記第1四角形は、同一行に並ぶ第1四角形が同じ辺を欠き、隣接する行に並ぶ第1四角形が前記欠かれた辺の行方向に隣接する位置にある辺を欠いた、
又は
前記第1四角形は、同一列に並ぶ第1四角形が同じ辺を欠き、隣接する列に並ぶ第1四角形が前記欠かれた辺と列方向に隣接する位置にある辺を欠いた、
請求項2に記載の導電シート。
【請求項6】
前記複数の第1金属細線及び前記複数の第2金属細線が複数の第1電極及び複数の第2電極をそれぞれ構成し、その複数の第1電極及び複数の第2電極の端部にそれぞれ形成された第1接続部及び第2接続部を有する請求項4に記載の導電シートと、
外部配線と接続される端子部と、
前記第1接続部及び前記第2接続部と前記端子部とを接続する引回し配線と、を備えたタッチセンサ。
【請求項7】
前記第1電極及び前記第2電極は、操作領域に形成され、
前記引回し配線は、前記操作領域以外の周辺領域に形成され、
前記操作領域のうち前記第1電極及び前記第2電極が形成されていない領域に、前記第1電極及び前記第2電極と電気的に接続されていないダミー部を更に備えた、請求項8に記載のタッチセンサ。
【請求項8】
前記第1電極及び前記第2電極は、帯形状であり、
前記第1電極及び前記第2電極とダミー部とが交互に配置された、請求項7に記載のタッチセンサ。
【請求項9】
前記ダミー部は、前記複数の第1金属細線又は前記複数の第2金属細線で構成された、請求項8に記載のタッチセンサ。
【請求項10】
透明基材の両面に第1黒化膜層と金属膜層と第2黒化膜層とを順次形成する工程と、
前記透明基材の第1面に複数の第1金属細線で構成された複数の第1電極と、その複数の第1電極の端部にそれぞれ形成された第1接続部と、外部配線と接続される第1端子部と、前記第1接続部と前記第1端子部とを接続する第1引回し配線とを、前記透明基材の第2面に複数の第2金属細線で構成された複数の第2電極と、その複数の第2電極の端部にそれぞれ形成された第2接続部と、外部配線と接続される第2端子部と、前記第2接続部と前記第2端子部とを接続する第2引回し配線とを、同時にそれぞれ形成する工程と、を備え、
前記複数の第1金属配線は、複数の第1四角形が行方向及び列方向に並んで配置されるように、前記透明基材の第1面上に形成され、
前記複数の第2金属細線は、複数の第2四角形が行方向及び列方向に並んで配置されるように、かつ前記第1金属細線と同じ方向の線が重ならないように、前記透明基材の第2面上に形成され、
前記第1四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく1辺を欠くように構成され、
前記第2四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく、前記第1四角形の欠かれた辺とは交差しない1辺を欠くように構成された、タッチセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電シート、タッチセンサ及びタッチセンサの製造方法に関し、特にメッシュ状の金属細線を含む導電シート、タッチセンサ及びタッチセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タッチセンサの電極等に用いられる導電シートとして、透明基材にメッシュ状の金属細線を形成したものが使用されている。メッシュのパターン形状としては、正方形、菱形や六角形等の多角形を敷き詰めた格子形状が一般的に用いられる。しかし、このような格子形状は、タッチセンサの下に配置される表示装置のブラックマトリクスの周期パターンと干渉を起こしてモアレ(縞状模様)を生じることがある。そのようなモアレへの対策として、メッシュのパターン形状を非周期性のパターンとする方法が挙げられるが、非周期性のパターンはメッシュ開口部の面積がばらつくため金属細線の密度の偏りが発生しやすく、金属細線のパターン見えを起こすことがある。
【0003】
このように、メッシュのパターン形状としてモアレとパターン見えの両方を考慮した形状が求められている。そこで、特許文献1ではボロノイ多角形を用いたパターンを適用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-082214
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ボロノイ多角形やドロネー三角形等を用いたランダムな形状は複雑であるため、設計負荷が大きくなりコスト上昇を招くおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、設計負荷を軽減したメッシュパターン形状によって、モアレとパターン見えの発生を抑制した導電シート、タッチセンサ及びタッチセンサの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、第1の発明は、透明基材と、複数の第1四角形が頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、透明基材の第1面上に形成された複数の第1金属細線と、を備え、第1四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく1辺を欠くように構成された、導電シートである。
【0008】
このように構成すると、四角形の1辺を欠くという手法により設計負荷を軽減しつつ、モアレとパターン見えの発生を抑制した導電シートを得ることができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、第1四角形は、同一行又は同一列に並ぶ第1四角形が同じ位置の辺を欠く、導電シートである。
【0010】
このように構成すると、同じ位置の辺を欠いた四角形を用いることでパターンの作製が容易になるので、より設計負荷を軽減することができる。
【0011】
第3の発明は、複数の第2四角形が頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、かつ第1金属細線と同じ方向の線が重ならないように、透明基材の第2面上に形成された複数の第2金属細線と、を備え、第2四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく、第1四角形の欠かれた辺とは交差しない1辺を欠くように構成された、導電シートである。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、第1四角形の各々は、同じ位置の辺を欠き、第2四角形の各々は、第1四角形の欠かれた辺と隣接する位置にある辺を欠いた、導電シートである。
【0013】
このように構成すると、金属細線が透明基材の両面に形成された導電シートにおいて設計負荷を軽減しつつ、モアレとパターン見えを抑制することができる。
【0014】
第5の発明は、第2の発明において、前記第1四角形は、同一行に並ぶ第1四角形が同じ辺を欠き、隣接する行に並ぶ第1四角形が欠かれた辺の行方向に隣接する位置にある辺を欠いた、又は第1四角形は、同一列に並ぶ第1四角形が同じ辺を欠き、隣接する列に並ぶ第1四角形が欠かれた辺と列方向に隣接する位置にある辺を欠いた、導電シートである。
【0015】
第6の発明は、第4の発明において、複数の第1金属細線及び複数の第2金属細線が複数の第1電極及び複数の第2電極をそれぞれ構成し、その複数の第1電極及び複数の第2電極の端部にそれぞれ形成された第1接続部及び第2接続部を有する導電シートと、外部配線と接続される端子部と、第1接続部及び第2接続部と端子部とを接続する引回し配線と、を備えたタッチセンサである。
【0016】
このように構成すると、モアレとパターン見えの発生を抑制できる金属細線をタッチセンサの電極に用いることにより、外観が良好なタッチセンサを得ることができる。
【0017】
第7の発明は、第6の発明において、第1電極及び第2電極は、操作領域に形成され、引回し配線は、操作領域以外の周辺領域に形成され、操作領域のうち第1電極及び第2電極が形成されていない領域に、第1電極及び第2電極と電気的に接続されていないダミー部を更に備えたタッチセンサである。
【0018】
第8の発明は、第7の発明において、第1電極及び第2電極は、帯形状であり、第1電極及び第2電極とダミー部とが交互に配置された、タッチセンサである。
【0019】
第9の発明は、第8の発明において、ダミー部は、複数の第1金属細線又は複数の第2金属細線で構成された、タッチセンサである。
【0020】
このように構成すると、操作領域に電極とダミー部が形成されているため、電極のパターン形状が操作者に観察されてしまう骨見え現象を抑制させたタッチセンサを得ることができる。
【0021】
第10の発明は、透明基材の両面に第1黒化膜層と金属膜層と第2黒化膜層とを順次形成する工程と、透明基材の一方の面に複数の第1金属細線で構成された複数の第1電極と、その複数の第1電極の端部にそれぞれ形成された第1接続部と、外部配線と接続される第1端子部と、第1接続部と第1端子部とを接続する第1引回し配線とを、透明基材の他方の面に複数の第2金属細線で構成された複数の第2電極と、その複数の第2電極の端部にそれぞれ形成された第2接続部と、外部配線と接続される第2端子部と、第2接続部と第2端子部とを接続する第2引回し配線とを、同時にそれぞれ形成する工程と、を備え、複数の第1金属配線は、複数の第1四角形が行方向及び列方向に並んで配置されるように、透明基材の第1面上に形成され、複数の第2金属細線は、複数の第2四角形が行方向及び列方向に並んで配置されるように、かつ第1金属細線と同じ方向の線が重ならないように、透明基材の第2面上に形成され、第1四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく1辺を欠くように構成され、第2四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく、第1四角形の欠かれた辺とは交差しない1辺を欠くように構成された、タッチセンサの製造方法である。
【0022】
このように構成すると、複数の電極と接続部と端子部と引回し配線を両面同時に形成するため、工程数を減らし、製造にかかる時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、設計負荷を軽減したメッシュ形状によって、モアレとパターン見えの発生を抑制した導電シート、タッチセンサ及びタッチセンサの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態による導電シート10の(a)概略断面図、(b)部分拡大平面図、(c)第1金属配線20の部分拡大断面図、(d)第2金属細線30の部分拡大断面図である。
図2】本発明の第1実施形態による導電シート10の部分拡大平面図である。
図3】(a)第1四角形Saを説明するための図、(b)第2四角形Sbを説明するための図である。
図4】(a)図2の第1金属細線20を説明するための部分拡大平面図、(b)図2の第2金属細線30を説明するための部分拡大平面図である。
図5】(a)(b)金属細線のパターン設計ルールを説明するための図である。
図6】第1実施形態の変形例Aによる導電シート10Aの部分拡大平面図である。
図7】第1実施形態の変形例Bによる導電シート10Bの部分拡大平面図である。
図8】第1実施形態の変形例Cによる導電シート10Cの部分拡大平面図である。
図9】第1実施形態の変形例Dによる導電シート10Dの部分拡大平面図である。
図10】第1実施形態の変形例Eによる導電シート10Eの部分拡大平面図である。
図11】第1実施形態の変形例Fによる導電シート10Fの部分拡大平面図である。
図12】第1実施形態の変形例Gによる導電シート10Gの部分拡大平面図である。
図13】第1実施形態の変形例Hによる導電シート10Hの部分拡大平面図である。
図14】第1実施形態の変形例Iによる導電シート10Iの部分拡大平面図である。
図15】第1実施形態の変形例Jによる導電シート10Jの部分拡大平面図である。
図16】第1実施形態の変形例Kによる導電シート10Kの部分拡大平面図である。
図17】第1実施形態の変形例Lによる導電シート10Lの部分拡大平面図である。
図18】本発明の第2実施形態によるタッチセンサ100の(a)概略平面図、(b)(a)の領域Kの部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1実施形態について、図を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
【0026】
図1(a)を参照して、本発明の第1実施形態に係る導電シート10は、透明基材11と、透明基材11の第1面11aに形成された複数の第1金属細線20と、透明基材11の第2面11bに形成された複数の第2金属細線30とを備えている。第1金属細線20及び第2金属細線30は、第1面11a側からの平面視において、図1(b)のようなパターン形状である。ここでは、第1面11a側の第1金属細線20を実線で、第2面11b側の第2金属細線30を破線で表している。図1(c)を参照して、第1金属細線20は、透明基材11の第1面11a側から第1黒化層21と金属層22と第2黒化層23とが積層されている。第1黒化層21及び第2黒化層23は、金属細線20の反射率を低減させ、ぎらつきやパターン見えを抑制するための層である。同様に、図1(d)を参照して、第2金属細線30は、透明基材11の第2面11b側から第1黒化層31と金属層32と第2黒化層33とが積層されている。
【0027】
透明基材11の材料は、フレキシブルなものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA、シクロオレフィンポリマー(COP)や環状オレフィン・コポリマー(COC)等のポリオレフィン類、ビニル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド(PI)、アクリル樹脂(PMMA)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等の樹脂フィルムを用いることができる。基材フィルム10の厚みは、5~500μmであり、好ましくは20~100μmである。
【0028】
透明基材11は単層のフィルムでもよいし、複数層を積層したフィルムであってもよい。透明基材11は、構成中に位相差フィルムを含んでいてもよい。
【0029】
金属層22、32の材料としては、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、モリブデン、チタン等、又はこれらの合金を用いることができる。第1黒化層21、31及び第2黒化層23、33の材料としては、銅、ニッケル、クロム、アルミニウム、モリブデン、チタン等の金属酸化物又は金属窒化物を用いることができる。
【0030】
第1金属細線20及び第2金属細線30の線幅は、例えば1~10μmであり、好ましくは1~5μmである。第1金属細線20及び第2金属細線30の膜厚は、例えば120nm~1.2μmである。第1黒化層21、31及び第2黒化層23、33の膜厚は、例えば10~100nmであり、金属層22、32の膜厚は、例えば100nm~1μmである。第1金属細線20及び第2金属細線30の開口率は例えば90%以上、好ましくは95%以上である。
【0031】
以下、第1金属細線20及び第2金属細線30の詳細について説明する。
図2は、導電シート10を透明基材11の第1面11a側から観察した場合の、第1金属細線20及び第2金属細線30のパターン形状を部分的に抜き出して拡大した平面図である。図2において、第1面11a側の第1金属細線20は実線で、第2面11b側の第2金属細線30は破線で表しており、D1方向を行方向、D2方向を列方向としている。第1金属細線20及び第2金属細線30は、金属細線からなる辺で構成された四角形を透明基材11上に敷き詰めることで、パターンを形成する。第1金属細線20は、第1四角形Saが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第1四角形Saは、Ra1からRa4までの4行及びC1からC4までの4列が抜き出されている。ここでは図2を見やすくするために、第1四角形Saにハッチングを施している。第1四角形Saの各々は、1辺を欠いている。第2金属細線30は、第2四角形Sbが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、Rb1からRb4までの4行及びC1からC4までの4列が抜き出されている。第2四角形Sbの各々は、1辺を欠いている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの列方向の対角線の1/2の距離だけ、第1四角形Saから列方向に移動した位置に配置されている。第2金属細線30は、第1金属細線20と同じ方向の線が重ならないように構成されている。
【0032】
図3を参照して、第1四角形Sa及び第2四角形Sbは菱形であり、それぞれの辺が金属細線である。図3(a)を参照して、第1四角形Saの頂点を時計回りに第1頂点P1aからP4aとする。第1頂点P1aと第2頂点P2aを結ぶ辺を第1辺L1aとして、第1四角形の各辺を時計回りに第2辺L2aから第4辺L4aとする。第1四角形Saの各辺L1aからL4aは金属細線である。第1頂点P1aと第3頂点P3aとを結ぶ対角線を第1対角線H1a、第2頂点P2aと第4頂点P4aとを結ぶ対角線を第2対角線H2aとし、第1対角線H1aと第2対角線h2aの交点をQaとする。Qaは第1対角線H1a及び第2対角線H2aの中点でもある。同様に、図3(b)を参照して、第2四角形Sbの頂点を時計回りに第1頂点P1bから第4頂点P4bとし、各辺を第1辺L1bから第4辺L4bとする。第2四角形Sbの各辺L1bからL4bは金属細線である。対角線をそれぞれ第1対角線H1bと第2対角線H2bとし、第1対角線H1bと第2対角線H2bの交点をQbとする。Qbは第1対角線H1b及び第2対角線H2bの中点でもある。以下、これらの符号に従って第1四角形Saと第2四角形Sbの配置を説明する。
【0033】
図4(a)は、図2に示した金属細線のうち第1金属細線20のみを抜き出して示している。ここでは、第1行Ra1から第4行Ra4までと、第1列C1から第4列C4までの4行4列に、第1四角形Saが敷き詰められている。以下では行列の位置にしたがって、各々の第1四角形をSa11、Sa12・・・Sa44と呼ぶ。図4(a)では、第1四角形Saにハッチングを施している。
【0034】
各々の第1四角形Saは、同一形状の四角形である。Sa11とSa12は、Sa11の第3頂点P3aとSa12の第1頂点P1aとが重なるように、行方向に並んで配置されている。Sa11とSa21は、Sa11の第4頂点P4aとSa21の第2頂点P2aとが重なるように、列方向に並んで配置されている。更に、各々の第1四角形Saは、第2辺L2aを欠いている。このようにして、同じ位置の辺を欠いた第1四角形Saが、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第1金属細線20のパターン形状は、平行四辺形を、短辺同士が重なるように、かつ長辺同士が長辺の2分の1ずつ重なるように敷き詰めた形状と表すこともできる。平行四辺形は第1四角形が2個連なった形状であり、短辺が第1四角形の1辺と等しく、長辺は第1四角形の1辺の2倍の長さである。
【0035】
図4(b)は、図2の金属細線のうち第2金属細線30のみを示している。図4(b)の第2金属細線30は、透明基材11の第1面11a側から見た第2金属細線30のパターンである。第1行Rb1から第4行Rb4までと、第1列C1から第4列C4までの4行4列に、第2四角形Sbが敷き詰められている。各々の第2四角形をSb11、Sb12・・・Sb44と呼ぶ。図4(b)では、第2四角形Sbにハッチングを施している。
【0036】
各々の第2四角形Sbは同一形状の四角形であり、第1四角形Saとも同一形状である。Sb11とSb12は、Sb11の第3頂点P3bとSb12の第1頂点P1bとが重なるように、行方向に並んで配置されている。Sb11とSb21は、Sb11の第4頂点P4bとSb21の第2頂点P2bとが重なるように、列方向に並んで配置されている。更に、各々の第2四角形は、第1辺L1bを欠いている。このようにして、同じ位置の辺を欠いた第2四角形Sbが、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2金属細線30のパターン形状は、平行四辺形を、短辺同士が重なるように、かつ長辺同士が長辺の2分の1ずつ重なるように敷き詰めた形状となる。平行四辺形は第2四角形が2個連なった形状であり、短辺が第2四角形の1辺と等しく、長辺は第2四角形の1辺の2倍の長さである。第1金属細線20による平行四辺形と第2金属細線30による平行四辺形とは、第2対角線を軸として線対称である。
【0037】
図2を参照して、透明基材11の第1面11a側から観察すると、第2四角形Sbは、第1四角形Saの列方向の対角線(第2対角線H2a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから列方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sb11の第2頂点P2bが、第1四角形Sa11の対角線の交点Qaと重なるように、第2四角形が配置されている。導電シート10は、透明基材11の第1面11a側から観察すると、第1四角形及び第2四角形の対向する辺の中点同士を結んでできる平行四辺形が複数配置されている。平行四辺形は2種類あり、一方は長辺が右斜め方向に延びる平行四辺形で、他方は長辺が左斜め方向に延びる平行四辺形である。2種類の平行四辺形同士は第2対角線に対して線対称である。長辺が同じ方向に延びる平行四辺形を、長辺を共有するように2つ並べて配置して1セットとして、2種類の平行四辺形のセットが交互に並んで配置されている。
【0038】
図5を参照して、第1四角形及び第2四角形の敷き詰め方について、金属細線を部分的に抜き出して説明する。
第一に、透明基材11の第1面11a上に敷き詰められる各々の第1四角形は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことのないように1辺を欠く。図5(a)は、第1四角形Sa51とSa52が頂点を重ねて行方向に隣接して配置されている。ここで、Sa51の第2辺L2aとSa52の第1辺L1aとは、Sa51の第3頂点P3a(またはSa52の第1頂点P1a)を挟んで行方向に隣り合う辺である。Sa51の第2辺L2aとSa52の第1辺L1aとは、Sa51の第3頂点を通る第2対角線に平行な直線を軸として線対称である。図中に点線で表したようにSa51の第2辺L2aとSa52の第1辺L1aとを欠くと、四角形が3つ連なってできた、くの字形状の凹六角形が形成されてしまう。このような凹六角形があると、金属細線の疎密の差によるパターン見えが発生しやすくなる。よって、凹六角形を避けるために、それぞれの第1四角形は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことのないようにする。ここでは行方向に隣接する四角形で説明したが、列方向に隣接する四角形では、列方向に隣り合う辺の双方を欠くことのないようにする。又、第2四角形もこのルールに従って配置される。
【0039】
第二に、第1四角形と第2四角形を重ねたとき、つまり透明基材11の第1面11a側から第1四角形と第2四角形を観察したときに、第1四角形の欠かれた辺と第2四角形の欠かれた辺とが交差しないようにする。図5(b)を参照して、透明基材11の第1面11aに第1四角形が、第2面11bに第2四角形がそれぞれ配置されている。Sa61、Sa62、Sa71、Sa72の4つの第1四角形は、頂点を重ねて2行2列に並ぶように配置されている。各々の第1四角形は第2辺L2aを欠く。一方、透明基材11の第2面11bに形成されたSb61とSb62は、頂点を重ねて行方向に並んで配置されている。Sb61はSa61から第2対角線H2aの1/2の距離だけ列方向に移動した位置に形成されている。Sb61とSb62はそれぞれ第3辺L3aを欠く。このとき、Sa71の欠かれた第2辺L2aとSb61の欠かれた第3辺L3bとが交差しているので、金属細線が形成されていない空洞の箇所ができてしまい、金属細線の疎密の差によるパターン見えが発生しやすくなる。よって、パターン見えの発生を避けるため、第2四角形の各々は、第1四角形の欠かれた辺と交差しない1辺を欠くように構成する。
【0040】
第三に、第1四角形と第2四角形を重ねたとき、つまり透明基材11の第1面11a側から第1四角形と第2四角形を観察したときに、第2四角形は第1四角形に対し、第1四角形の各辺と同じ方向の辺が重ならないように配置される。このようにすることで、第1金属細線20と第2金属細線30とは、同じ方向の線が重ならないように構成される。同じ方向の金属細線を重ねるように設計すると、第1面から第1金属細線と第2金属細線を観察したときに、製造公差によって金属細線の幅が太く見える場合があるためである。
【0041】
第1四角形Sa及び第2四角形Sbの1辺の長さは300~900μmであることが好ましい。このような範囲としておくことで、金属細線が密に配置されることによるパターン見えの発生を防ぎ、また金属細線がまばらに配置されることによる抵抗値の上昇を防ぐことができる。
【0042】
第1四角形Sa及び第2四角形Sbの形状としては、ひし形又は正方形が挙げられる。これらの形状であれば、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置することができる。第1四角形Saと第2四角形Sbの形状は同一であっても異なっていてもよい。第1四角形Saと第2四角形Sbの形状が同一であれば、設計負荷が軽減される。第1四角形Saと第2四角形Sbの形状が異なる場合であっても、各四角形において同じ位置の辺が平行になることが好ましい。
【0043】
第1金属細線と第2金属細線の密集を避けるために、第2四角形Sbの頂点は第1四角形Saの各辺に近接して配置されないことが好ましい。具体的には、第1四角形Saの第1対角線H1aを3分割した点と、第2対角線H2aを3分割した点をつないだ四角形の中に第2四角形Sbのいずれかの頂点を配置することが好ましい。つまり、第1四角形の対角線の交点Qaを中心とし、第1対角線H1aの1/3の長さの線分及び第2対角線H2aの1/3の長さの線分を対角線とした四角形の中に、第2四角形Sbの頂点を配置することが好ましい。更に、第2四角形Sbの頂点が、第1四角形Saの対角線の交点Qaに位置するように、第2四角形Sbを配置することが好ましい。このようにすることで、第1金属細線と第2金属細線の配置の偏りによるパターン見えを防ぐことができる。
【0044】
導電シート10は、透明基材11上にスパッタリング法や金属箔転写により黒化層を含む金属膜を形成し、露光・エッチングによりパターニングを行う方法や、導電性インキを透明基材11上にパターン印刷する方法によって、製造することができる。露光・エッチングによりパターニングを行う場合は、透明基材11の両面に黒化層を含む金属膜を形成し、両面同時に露光・エッチングを行うことができる。
【0045】
以上から、第1実施形態による導電シート10では、透明基材11の第1面11aに、複数の第1四角形Saが行方向及び列方向に並んで配置されるように形成された複数の第1金属細線を備え、第1四角形の各々が頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく1辺を欠くように構成されている。同一形状の第1四角形を行方向及び列方向に並べて配置しているため、金属細線の密集する箇所とまばらな箇所ができにくくなり、金属細線の疎密の差によるパターン見えの発生を抑えることができる。一方で、第1四角形の1辺を欠くように構成することで、金属細線のパターンが同一形状の図形を繰り返すものではなくなり、パターンに変化を持たせてモアレの発生を抑制することができる。これらのパターン見えとモアレ発生の抑制を、四角形の1辺を欠くという設計負荷の低い構成で実現することができる。更に、第1四角形の各々が頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠かないようにすることで、第1金属細線によって凹六角形を形成することがないので、金属細線の疎密の差によるパターン見えの発生をより抑えることができる。
【0046】
導電シート10は、透明基材11の第2面11bに、複数の第2四角形Sbが行方向及び列方向に並んで配置されるように、かつ第1金属細線と同じ方向の線が重ならないように形成された複数の第2金属細線を備え、第2四角形の各々は、頂点を挟んで行方向又は列方向に隣り合う辺の双方を欠くことなく1辺を欠くように構成され、第1四角形の欠かれた辺とは交差しない1辺を欠くように構成されている。第1金属細線と第2金属細線を、同じ方向の線が重ならないようにすることにより、第1金属細線と第2金属細線を重ねて観察したときに金属細線の幅が太く見えるのを防ぐことができる。また、第1四角形の欠かれた辺と第2四角形の欠かれた辺は交差しないので、金属細線が形成されない箇所の面積が大きくならず、金属細線の疎密の差によるパターン見えの発生を防ぐことができる。
【0047】
導電シート10は、各々の第1四角形が第2辺を欠き、各々の第2四角形が第1辺を欠くように構成されている。同じ位置の辺を欠く四角形を繰り返し配置して設計するので、設計負荷をより軽減することができる。
更に、第2四角形Sbの第2頂点P2bが第1四角形Saの対角線の交点Qaと重なるように、第2四角形を配置しているので、金属細線が密集してパターン見えが起こるのを防ぐことができる。
導電シート10は、透明基材11の第1面11a側から観察すると、第1四角形及び第2四角形の対向する辺の中点同士を結んでできる2種類の平行四辺形を、同じ種類の平行四辺形を2個1セットとして交互に並べたように見えるので、周期性を保ちつつ変化のあるパターンとすることで、モアレ抑制とパターン見え抑制を両立することができる。
【0048】
上記の第1実施形態では、金属細線のパターン形状は図2に示した形状であったが、パターン形状はこれに限られない。図6から図12を参照して、金属細線のパターン形状の変形例AからGを説明する。尚、図6から図12では、透明基材11の第1面11a側にある第1金属細線を実線で、第2面11b側にある金属細線を破線で、それぞれ表している。
【0049】
<変形例A>
図6を参照して、変形例Aに係る導電シート10Aを説明する。
図6は、透明基材11の第1面11a側から金属細線のパターンを観察した部分拡大平面図である。導電シート10Aは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Aが、第2面11bに第2金属細線30Aがそれぞれ形成されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbは、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの行方向の対角線(第1対角線H1a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから行方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sbの第1頂点P1bが第1四角形の対角線の交点Qaと重なるように配置されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbが配置されている行を第1行R1、第2行R2とし、第1四角形Saが配置されている列を第1列Ca1、第2列Ca2、第2四角形Sbが配置されている列を第1列Cb1、第2列Cb2として矢印で示している。各々の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いている。各々の第2四角形は第2辺L2aを欠いている。
【0050】
<変形例B>
図7を参照して、変形例Bに係る導電シート10Bを説明する。
導電シート10Bは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Bが、第2面11bに第2金属細線30Bがそれぞれ形成されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbは、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの行方向の対角線(第1対角線H1a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから行方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sbの第1頂点P1bが第1四角形の対角線の交点Qaと重なるように配置されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbが配置されている行を第1行R1、第2行R2とし、第1四角形が配置されている列を第1列Ca1、第2列Ca2、第2四角形Sbが配置されている列を第1列Cb1、第2列Cb2として矢印で示している。各々の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いている。第1行R1の第2四角形Sbは第2辺L2bを欠いており、第2行R2の第2四角形Sbは第4辺L4bを欠いている。
【0051】
<変形例C>
図8を参照して、変形例Cに係る導電シート10Cを説明する。
導電シート10Cは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Cが、第2面11bに第2金属細線30Cがそれぞれ形成されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbは、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの行方向の対角線(第1対角線H1a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから行方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sbの第1頂点P1bが第1四角形の対角線の交点Qaと重なるように配置されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbが配置されている行を第1行R1、第2行R2とし、第1四角形Saが配置されている列を第1列Ca1、第2列Ca2とし、第2四角形Sbの配置されている列を第1列Cb1、第2列Cb2として矢印で示している。各々の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いている。第1行R1の第2四角形Sbは第2辺L2bを欠いており、第2行R2の第2四角形Sbは第3辺L3bを欠いている。
【0052】
<変形例D>
図9を参照して、変形例Dに係る導電シート10Dを説明する。
導電シート10Dは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Dが、第2面11bに第2金属細線30Dがそれぞれ形成されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbは、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの列方向の対角線(第2対角線H2a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから列方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sbの第2頂点P2bが第1四角形の対角線の交点Qaと重なるように配置されている。第1四角形Saが配置されている行を第1行Ra1、第2行Ra2、第2四角形Sbが配置されている行を第1列Rb1とし、第1四角形Sa及び第2四角形Sbが配置されている列を第1列C1、第2列C2として矢印で示している。第1行Ra1の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いており、第2行Ra2の第1四角形Saは第1辺L1aを欠いている。各々の第2四角形Sbは第1辺L1bを欠いている。
【0053】
<変形例E>
図10を参照して、変形例Eに係る導電シート10Eを説明する。
導電シート10Eは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Eが、第2面11bに第2金属細線30Eがそれぞれ形成されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbは、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの行方向の対角線(第1対角線H1a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから行方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sbの第1頂点P1bが第1四角形の対角線の交点Qaと重なるように配置されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbが配置されている行を第1行R1、第2行R2とし、第1四角形Saが配置されている列を第1列Ca1、第2列Ca2、第2四角形Sbの配置されている列を第1列Cb1、第2列Cb2として矢印で示している。第1行R1の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いており、第2行R2の第1四角形Saは第1辺L1aを欠いている。第1行R1の第2四角形Sbは第2辺L2bを欠いており、第2行R2の第2四角形Sbは第3辺L3bを欠いている。
【0054】
<変形例F>
図11を参照して、変形例Fに係る導電シート10Fを説明する。
導電シート10Fは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Fが、第2面11bに第2金属細線30Fがそれぞれ形成されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbは、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの行方向の対角線(第1対角線H1a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから行方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sbの第1頂点P1bが第1四角形の対角線の交点Qaと重なるように配置されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbが配置されている行を第1行R1、第2行R2とし、第1四角形Saが配置されている列を第1列Ca1、第2列Ca2、第2四角形Sbが配置されている列を第1列Cb1、第2列Cb2として矢印で示している。第1行R1の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いており、第2行R2の第1四角形Saは第4辺L4aを欠いている。第1行R1の第2四角形Sbは第2辺L2bを欠いており、第2行R2の第2四角形Sbは第1辺L1bを欠いている。
【0055】
<変形例G>
図12を参照して、変形例Gに係る導電シート10Gを説明する。
導電シート10Gは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Gが、第2面11bに第2金属細線30Gがそれぞれ形成されている。第1四角形Sa及び第2四角形Sbは、頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されている。第2四角形Sbは、第1四角形Saの列方向の対角線(第2対角線H2a)の1/2の距離だけ、第1四角形Saから列方向に移動した位置に配置されている。言い換えると、第2四角形Sbの第2頂点P2bが第1四角形の対角線の交点Qaと重なるように配置されている。第1四角形Saが配置されている行を第1行Ra1、第2行Ra2、第2四角形Sbが配置されている行を第1行Rb1とし、第1四角形Sa及び第2四角形Sbが配置されている列を第1列C1、第2列C2として示している。第1行Ra1の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いており、第2行Ra2の第1四角形Saは第3辺L3aを欠いている。各々の第2四角形Sbは第4辺L4bを欠いている。
【0056】
変形例AからGによる導電シートは、第1実施形態と同じく、パターン見えとモアレの両方の抑制を、四角形の1辺を欠くという設計負荷の低い構成で実現することができる。
【0057】
上記の第1実施形態及び変形例AからGでは、第1四角形Saと第2四角形Sbの両方が1辺を欠くように構成されていたが、第1四角形Saのみが1辺を欠くように構成してもよい。図13及び図14を参照して、そのような変形例H及びIを説明する。
【0058】
<変形例H>
図13を参照して、変形例Hに係る導電シート10Hを説明する。
導電シート10Hは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Hが、第2面11bに第2金属細線30Hがそれぞれ形成されている。第1金属細線20Hは第1四角形Saが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、第2金属細線30Hは第2四角形Sbが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、それぞれ形成されている。第2四角形Sbは、第1頂点P1b又は第2頂点P2bが第1四角形Saの対角線の交点Qaと重なるように配置すればよい。第1四角形Saの配置されている行および列を第1行R1、第2行R2、第1列C1、第2列C2として示している。第1行R1の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いており、第2行R2の第1四角形Saは第1辺L1aを欠いている。各々の第2四角形Sbは辺が欠かれておらず、4辺が揃った四角形である。
【0059】
<変形例I>
図14を参照して、変形例Iに係る導電シート10Iを説明する。
導電シート10Iは、透明基材11の第1面11aに第1金属細線20Iが、第2面11bに第2金属細線30Iがそれぞれ形成されている。第1金属細線20Iは第1四角形Saが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、第2金属細線30Iは第2四角形Sbが頂点を重ねて行方向及び列方向に並んで配置されるように、それぞれ形成されている。第2四角形Sbは、第1頂点P1b又は第2頂点P2bが第1四角形Saの対角線の交点Qaと重なるように配置すればよい。第1四角形Saの配置されている行および列を第1行R1、第2行R2、第1列C1、第2列C2として示している。各々の第1四角形Saは第2辺L2aを欠いている。各々の第2四角形Sbは辺が欠かれておらず、4辺が揃った四角形である。
【0060】
変形例H及びIによる導電シートにおいても、パターン見えとモアレの抑制を、四角形の1辺を欠くという設計負荷の低い構成で実現することができる。
【0061】
上記の第1実施形態及び変形例AからIでは、第1四角形と第2四角形の辺は直線であったが、第1四角形と第2四角形の辺は直線以外であってもよい。図15から図17を参照して、そのような変形例JからLを説明する。尚、第1四角形Sa及び第2四角形Sbの配置や辺の欠き方は、第1実施形態と同じであるため説明を省く。
【0062】
<変形例J>
図15を参照して、変形例Jに係る導電シート10Jを説明する。
導電シート10Jでは、第1四角形Sa及び第2四角形Sbの辺は、波線形状である。各々の四角形の1辺は、中心角が90°の円弧4つを山と谷が交互に形成されるように連続的に組み合わせた波線である。
【0063】
図16を参照して、変形例Kに係る導電シート10Kを説明する。
図16では、第1四角形Sa及び第2四角形Sbの辺は、屈曲線形状である。各々の四角形の1辺は、山と谷が交互に形成されるように連続的に直線を組み合わせた、ジグザグ状の屈曲線である。
【0064】
図17を参照して、金属細線のパターン形状の変形例Lを説明する。
図17では、第1四角形Sa及び第2四角形Sbの辺は、別の屈曲線形状である。各々の四角形の1辺は、16角形の4分の1を、山と谷が交互に形成されるように連続的に組み合わせた屈曲線である。
【0065】
変形例JからLによる導電シートは、上記の第1実施形態や変形例AからIと同様に、パターン見えとモアレの抑制を設計負荷の低い構成で実現することができることに加え、ぎらつきを抑えることができる。金属細線である四角形の辺が波線や屈曲線であることにより、太陽光などの点光源から入射した光が金属細線によって回折することで起こる光芒を抑制できるためである。
【0066】
次に、本発明の第2実施形態について、図18を参照しながら説明する。
<第2実施形態>
【0067】
図18(a)を参照して、本発明の第2実施形態に係るタッチセンサ100は、透明基材11と、透明基材11の第1面に形成された複数の第1電極200aと、複数の第1電極200aの端部にそれぞれ形成された第1接続部210aと、外部配線と接続される第1端子部220aと、第1接続部210aと第1端子部220aとを接続する第1引回し配線230aとを備える。さらに、タッチセンサ100は、透明基材11の第2面に形成された複数の第2電極200bと、複数の第2電極200bの端部にそれぞれ形成された第2接続部210bと、外部配線と接続される第2端子部220bと、第2接続部210bと端子部220bとを接続する第2引回し配線230bとを備える。
【0068】
透明基材11の第1面は、操作領域V1と周辺領域V2に区画されている。操作領域V1は、タッチセンサ100のうちユーザーによる入力操作が行われる領域であり、周辺領域V2は、組立て後にカバー基材の枠状の加飾層等で覆われる領域である。透明基材11の第1面の操作領域V1には複数の第1電極200aと第1ダミー部240aが、周辺領域V2には第1接続部210aと第1端子部220aと第1引回し配線230aが、それぞれ形成されている。
【0069】
複数の第1電極200aは、操作領域V1に形成されている。複数の第1電極200aは、帯形状であり、透明基材11の第1面に、y軸方向に向かって延びx軸方向に4本並ぶように配置されている。複数の第1電極200aは、第1実施形態で説明した複数の第1金属細線20で構成されている。これらの複数の第1電極200aは、タッチセンサの電極を構成する。
【0070】
複数の第1電極200aの大きさは、操作領域V1の大きさや解像度によって決定されるため特に限定されないが、第1金属細線20を構成する第1四角形の1辺の長さをA、第1電極200aの幅をW、第1ダミー部240aの幅をXとすると、W/Aが2以上の整数であることが好ましい。このようにすれば、金属細線のどこか1箇所が断線してしまった場合であっても電極の導通を維持し、タッチセンサの動作を保つことができる。更に、複数の第1電極200aのそれぞれの幅Wを同一にして、W/Aを2以上の整数とし、X/Aを0以上の整数とすることが好ましい。このようにすれば、1つの電極内に含まれる金属細線の面積が一定になるため、電極ごとに抵抗値がばらつかず良好に動作するタッチセンサを得ることができる。
【0071】
第1ダミー部240aは、操作領域V1のうち複数の第1電極200aが形成されていない領域に形成されている。第1電極200aと第1ダミー部240aとは、交互に配置されている。第1ダミー部240aは、複数の第1電極200aと同様に、第1実施形態で説明した複数の第1金属細線20で構成されている。図18(b)を参照して、図18(a)における領域Kを拡大すると、第1電極200aと第1ダミー部240aとは、第1断線部250aによって電気的に接続しないように断線されている。第1断線部250aは、第1電極200aを構成する第1金属細線20が一部断線するように形成されており、第1電極200aと第1ダミー部240aは第1断線部250aによって隔てられる。第1電極200aと第1ダミー部240aの境界線上にある金属細線全てを断線させることで第1断線部250aが形成される。第1断線部250aをつなぐ直線はy軸と平行である。第1断線部250aの幅は、1~20μmであることが好ましい。第1断線部250aの幅をこの範囲にしておくと、金属細線の有無による第1電極と第1ダミー部の境界線見えを防止できる。第1断線部250aを形成する際は、断線している第1金属細線20の端部が直角になるように断線させることが好ましい。図18(b)のように右斜め方向に延びる金属細線をy軸に平行に断線させると、断線させた金属細線の端部が鋭角になり、製造時のエッチング精度が悪化する場合があるためである。また、第1断線部250aは、第1四角形のいずれかの辺の中点に位置させることが好ましい。第2面の第2金属細線を構成する第2四角形の頂点を、第1金属細線を構成する第1四角形の対角線交点と重なるように第2四角形を配置した場合、第1四角形の辺の中点において第2四角形の辺と交差することが多く、第1金属細線20の断線が目立ちにくくなるためである。
【0072】
第1接続部210aは、第1電極200aと第1引回し配線230aを接続するためのものである。第1接続部210aによって、第1電極200aを構成する第1金属細線20をまとめて第1引回し配線230aに接続することができる。第1接続部210aは、矩形状であり、帯形状である第1電極200aの長手方向の一端に形成されている。第1接続部210aは、複数の第1電極200aを構成する複数の第1金属細線20の一部と重なるように、周辺領域V2に形成される。第1電極200aは操作領域V1の境界線まで延びており、第1接続部210aの矩形の一辺は、操作領域V1と周辺領域V2の境界線と重なっている。第1接続部210aの幅は、第1電極200aの幅と等しい。第1接続部210aは、第1金属細線20と同様に、透明基材11側から第1黒化層、金属層、第2黒化層の順で積層された積層膜で構成されている。
【0073】
第1端子部220aは、フレキシブル配線基板などの外部配線とタッチセンサ100を接続するためのものであり、透明基材11上の外縁付近に形成されている。第1引回し配線230aは、第1電極200aと第1端子部220aとを接続するためのものであり、途中で折れ曲がり中央付近に集まるようにして第1端子部220aに接続されている。第1端子部220a及び第1引回し配線230aは、第1金属細線20と同様に、透明基材11側から第1黒化層、金属層、第2黒化層の順で積層されている。
【0074】
一方、透明基材11の第2面の操作領域V1には複数の第2電極200bと第2ダミー部240bが、周辺領域V2には第2接続部210bと第2端子部220bと第2引回し配線230bが、それぞれ形成されている。複数の第2電極200bは、透明基材11の第2面に、x軸方向に向かって延びy軸方向に5本並ぶように配置されている。第2接続部210bは、帯形状である複数の第2電極200bの長手方向の一端に形成されている。複数の第2電極200bは、第1実施形態で説明した複数の第2金属細線30で構成されている。これらの複数の第2電極200bは、タッチセンサの電極を構成する。第2面に形成された第2電極200b、第2ダミー部240b、第2接続部210b、第2端子部220b、第2引き回し配線230bの好ましい形態は第1面と同様である。
【0075】
透明基材11の両面に形成された第1端子部220a及び第2端子部220bはフレキシブルプリント基板(図示せず)と接続される。フレキシブルプリント基板は、静電容量方式のタッチ検出を実現する制御部と接続されている。ユーザーの指やスタイラス等の導体が近接又は離間した際に、第1電極200a及び第2電極200bに生じる静電容量の変化に応じて流れる電流を制御部で検知することで、ユーザーによるタッチ操作及びタッチ位置を検出することができる。
【0076】
タッチセンサ100の製造方法を説明する。
まず、スパッタリング法や金属箔転写により、透明基材11の両面に第1黒化膜層・金属膜層・第2黒化膜層をこの順で形成する。更に、第2黒化膜層の上にレジスト層を形成し、パターンマスクを用いて露光・現像することによりレジスト層をパターニングする。その後、パターニングされたレジスト層をエッチングマスクとして、第1黒化膜層・金属膜層・第2黒化膜層のエッチングを行なうことで、透明基材11の両面に、複数の金属細線で構成された電極、ダミー部、断線部、接続部、端子部、引回し配線を同時に形成する。
【0077】
以上から、第2実施形態によるタッチセンサ100では、第1電極200a及び第2電極200bが第1実施形態に係る複数の第1金属細線及び第2金属細線で構成されているため、外観が良好なタッチセンサを得ることができる。
【0078】
また、操作領域V1では、電極が形成されていない箇所にダミー部が形成されているため、電極の有無に起因して電極パターン形状が操作者に観察されてしまう骨見え現象を抑制し、視認性の低下を防ぐことができる。ダミー部は電極と同じく第1実施形態に係る複数の第1金属細線及び第2金属細線で構成されているため、ダミー部と電極の両方においてパターン見えとモアレの発生を抑えられる。よって、タッチセンサ100の操作領域V1の視認性を向上させることができる。また、第2実施形態に係るタッチセンサ100の製造方法では、電極、ダミー部、接続部、端子部、引回し配線を透明基材11の両面に同時に形成できるため、製造工程が複雑化するのを防ぐことができる。
【0079】
尚、上記の実施形態では、透明基材11の両面に金属細線が形成されていたが、金属細線は透明基材11の片面のみに形成されていてもよい。その場合も、パターン見えとモアレの抑制を設計負荷の低い構成によって実現することができる。
【0080】
上記実施形態では、導電シートがタッチセンサの電極として用いられる場合について説明したが、導電シートの用途はタッチセンサに限定されない。例えば、アンテナ、ヒータなどにも本発明に係る導電シートを用いることができる。
【0081】
上記の実施形態では、第1金属細線及び第2金属細線は第1黒化層、金属層、第2黒化層の順に積層されていたが、金属細線の積層構成はこれに限られない。例えば、金属層のみとする構成や、透明基材側から金属層、黒化層の順に積層された構成としてもよいし、透明基材上に形成された金属層の上面と側面を覆うように黒化層を形成してもよい。更に、金属層の周囲を全て黒化層で覆う構成としてもよい。
【0082】
上記の実施形態では、第1電極及び第2電極は帯形状であったが、電極の形状はこれに限られない。電極の他の形状としては、例えば菱形形状が頂点同士を繋ぐように連なった形状や櫛歯形状とすることができる。また、電極の本数、引回し配線の位置、端子部の位置も特に制限されない。
【0083】
上記の実施形態では、ダミー部は第1実施形態に係る金属細線によって構成されていたが、ダミー部の金属細線パターンはこれに限られない。ダミー部は、パターン見えとモアレの発生を抑制できるような金属細線パターンで形成されていればよい。
【0084】
上記の実施形態では、タッチセンサ100の透明基材11の両面に電極が形成されていたが、タッチセンサの構成はこれに限られない。一方面に電極が形成された透明基材2枚を、透明基材の他方面が対向するように貼り合わせてもよいし、電極の上に接着層を介して透明基材の他方面を重ねるようにして貼り合わせてもよい。
【0085】
上記の実施形態では、電極の一方端に接続部が形成されていたが、電極の長手方向両端に接続部を形成してもよい。例えば、第2電極200bの左側端部に第2接続部210bが形成されているところ、更に第2電極200bの右側端部に第2接続部210bを形成してもよい。この場合、第1端子部220aの右側にも第2端子部220bが形成され、それぞれの第2引回し配線230bが第2端子部220bと接続される。端子部の位置や引回し配線の配置は特に限定されない。
【0086】
上記の実施形態では、複数の電極、ダミー部、接続部、端子部、引回し配線を同時に形成したが、タッチセンサ100の製造方法はこれに限られない。例えば、操作領域V1に第1実施形態による金属細線を形成した後に、レーザーで金属細線を断線させることにより断線部を形成し、複数の電極とダミー部を形成してもよい。また、複数の電極及びダミー部を操作領域V1に形成した後に、接続部、端子部、引回し配線を周辺領域V2に形成してもよい。また、透明基材11の両面に同時に形成するのではなく、片面ずつに形成してもよい。
【0087】
上記の実施形態では、変形例Jにおいて波線を構成する円弧の中心角は90°であったが、中心角は45°~90°の間で設定すればよい。中心角をこの範囲にすれば、抵抗値を過度に上昇させることなく光芒を抑制することができる。また、波線を構成する円弧の数は4つであったが、円弧の数はこれ以外であってもよい。辺ごとや四角形ごとに円弧の数を変えてもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 導電シート
20 第1金属細線
30 第2金属細線
Sa 第1四角形
Sb 第2四角形
15 第2黒化層
100 タッチセンサ
200a 第1電極
210a 第1接続部
220a 第1端子部
230a 第1引回し配線
240a 第1ダミー部
200b 第2電極
210b 第2接続部
220b 第2端子部
230b 第2引回し配線
240b 第2ダミー部
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