(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060094
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】灯具ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 41/24 20180101AFI20220407BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20220407BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20220407BHJP
F21S 41/25 20180101ALI20220407BHJP
F21S 41/29 20180101ALI20220407BHJP
F21S 41/663 20180101ALI20220407BHJP
F21W 102/155 20180101ALN20220407BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20220407BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220407BHJP
【FI】
F21S41/24
F21S41/143
F21S45/47
F21S41/25
F21S41/29
F21S41/663
F21W102:155
F21W102:13
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168104
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆芳
(72)【発明者】
【氏名】村松 鉄平
(57)【要約】
【課題】投影レンズを備えた灯具ユニットにおいて、配光パターンを所望する形状で鮮明に形成可能とする。
【解決手段】光源20と投影レンズ30との間に、光源20からの出射光を透過制御することによって投影用画像を形成するように構成された画像形成用透光体40が配置された構成とする。その上で、光源20として、共通の基板24に搭載された4つの発光素子22A~22Dを備えた構成とし、画像形成用透光体40として、4つの発光素子22A~22Dの各々からの出射光を入射させるための4つの入射部44A~44Dを備えた構成とし、かつ、これらがレンズホルダ50に支持された構成とする。これにより、画像形成用透光体40と投影レンズ30との位置関係精度を高め、投影用画像の形成位置を投影レンズ30の後側焦点面上に容易に設定可能とし、また、4つの発光素子22A~22Dと画像形成用透光体40との位置関係精度も高める。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を、投影レンズを介してユニット前方へ向けて照射することにより、所要の配光パターンを形成するように構成された灯具ユニットにおいて、
上記光源と上記投影レンズとの間に、上記光源からの出射光を透過制御することによって投影用画像を形成するように構成された画像形成用透光体が配置されており、
上記光源は、共通の基板に搭載された複数の発光素子で構成されており、
上記画像形成用透光体は、上記複数の発光素子の各々からの出射光を入射させるための複数の入射部を備えており、
上記画像形成用透光体および上記基板は、上記投影レンズを支持するためのレンズホルダに支持されている、ことを特徴とする灯具ユニット。
【請求項2】
上記投影レンズ、上記画像形成用透光体および上記レンズホルダは、いずれも樹脂製部材で構成されており、
上記投影レンズおよび上記画像形成用透光体は、上記レンズホルダに対してレーザー溶着により固定されている、ことを特徴とする請求項1記載の灯具ユニット。
【請求項3】
上記複数の発光素子で発生した熱を放散させるためのヒートシンクを備えており、
上記ヒートシンクは、上記基板と面接触した状態で上記レンズホルダに支持されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の灯具ユニット。
【請求項4】
上記レンズホルダに、上記ヒートシンクをユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めするための位置決め部が形成されている、ことを特徴とする請求項3記載の灯具ユニット。
【請求項5】
上記レンズホルダに対する上記基板および上記ヒートシンクの支持が、機械的締結によって行われている、ことを特徴とする請求項3または4記載の灯具ユニット。
【請求項6】
上記画像形成用透光体は、上記複数の入射部として少なくとも1つの第1入射部と少なくとも1つの第2入射部とを備えており、
上記少なくとも1つの第1入射部からの入射光によってロービーム用配光パターンを形成するとともに、上記少なくとも1つの第1入射部からの入射光および上記少なくとも1つの第2入射部からの入射光によってハイビーム用配光パターンを形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1~5いずれか記載の灯具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、投影レンズを備えた灯具ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光源からの光を、投影レンズを介してユニット前方へ向けて照射することにより、所要の配光パターンを形成するように構成された灯具ユニットが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような灯具ユニットの構成として、その投影レンズを構成する複数のレンズが共通のレンズホルダに支持されたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
投影レンズを備えた灯具ユニットにおいては、光源からの出射光によって投影用画像を形成し、この投影用画像を投影レンズによってユニット前方の照射対象面に投影することにより、その反転投影像として配光パターンを形成するようになっているが、この配光パターンを所望する形状で鮮明に形成するためには、投影用画像を投影レンズの後側焦点面上に所望する形状で精度良く形成することが必要となる。
【0006】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、投影レンズを備えた灯具ユニットにおいて、配光パターンを所望する形状で鮮明に形成することができる灯具ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、投影用画像を形成するための画像形成用透光体を備えた構成とした上で、その構成等に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0008】
すなわち、本願発明に係る灯具ユニットは、
光源からの光を、投影レンズを介してユニット前方へ向けて照射することにより、所要の配光パターンを形成するように構成された灯具ユニットにおいて、
上記光源と上記投影レンズとの間に、上記光源からの出射光を透過制御することによって投影用画像を形成するように構成された画像形成用透光体が配置されており、
上記光源は、共通の基板に搭載された複数の発光素子で構成されており、
上記画像形成用透光体は、上記複数の発光素子の各々からの出射光を入射させるための複数の入射部を備えており、
上記画像形成用透光体および上記基板は、上記投影レンズを支持するためのレンズホルダに支持されている、ことを特徴とするものである。
【0009】
上記「投影レンズ」は、単一のレンズで構成されていてもよいし複数のレンズで構成されていてもよい。
【0010】
上記「所要の配光パターン」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、ロービーム用配光パターンやハイビーム用配光パターンのようなヘッドランプ用配光パターンあるいは文字や記号等の描画を行うための描画用配光パターン等が採用可能である。
【0011】
上記「投影用画像」とは、所要の配光パターンを反転投影像として形成する際、投影レンズによって投影される元となる画像を意味するものであって、その具体的な形状は特に限定されるものではない。
【0012】
上記「光源」は、共通の基板に搭載された複数の発光素子で構成されていれば、複数の発光素子の具体的な配置や各発光素子の具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0013】
上記「画像形成用透光体」は、光源からの出射光を透過制御することによって投影用画像を形成するように構成されていれば、その具体的な形状は特に限定されるものではなく、また、複数の入射部の具体的な配置や各入射部の具体的な形状についても特に限定されるものではない。
【0014】
上記「レンズホルダ」は、投影レンズ、画像形成用透光体および基板を支持するように構成されていれば、その各々に対する具体的な支持構造は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係る灯具ユニットは、光源からの光を、投影レンズを介してユニット前方へ向けて照射することにより、所要の配光パターンを形成する構成となっているが、光源と投影レンズとの間には、光源からの出射光を透過制御することによって投影用画像を形成するように構成された画像形成用透光体が配置されており、その上で、光源は、共通の基板に搭載された複数の発光素子で構成されており、かつ、画像形成用透光体は、複数の発光素子の各々からの出射光を入射させるための複数の入射部を備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0016】
すなわち、複数の発光素子および複数の入射部の数や配置を適宜設定することにより、また、その各々の構成を適宜設定することにより、投影用画像を投影レンズの後側焦点面上に所望する形状で形成することができる。そして、この投影用画像を投影レンズによってユニット前方の照射対象面に投影することにより、その反転投影像として所望する形状の配光パターンを形成することができる。
【0017】
しかも、画像形成用透光体は、投影レンズを支持するためのレンズホルダに支持されているので、画像形成用透光体と投影レンズとの位置関係精度を高めることができる。したがって、投影用画像の形成位置を投影レンズの後側焦点面上に設定することが容易に可能となり、これにより配光パターンを鮮明に形成することができる。
【0018】
また、複数の発光素子は共通の基板に搭載されているので、複数の発光素子相互間の位置関係精度を高めることができ、かつ、この基板はレンズホルダに支持されているので、複数の発光素子と画像形成用透光体との位置関係精度も高めることができる。したがって、投影用画像を投影レンズの後側焦点面上に所望の形状で精度良く形成することができ、これにより配光パターンも所望の形状で精度良く形成することができる。
【0019】
このように本願発明によれば、投影レンズを備えた灯具ユニットにおいて、配光パターンを所望する形状で鮮明に形成することができる。
【0020】
上記構成において、さらに、投影レンズ、画像形成用透光体およびレンズホルダがいずれも樹脂製部材で構成されたものとした上で、投影レンズおよび画像形成用透光体がレンズホルダに対してレーザー溶着により固定された構成とすれば、灯具ユニットの構成部品を必要最小限に抑えた上で、投影レンズおよび画像形成用透光体をレンズホルダに対して位置精度良く固定することができる。
【0021】
上記構成において、さらに、複数の発光素子で発生した熱を放散させるためのヒートシンクを備えた構成とした上で、このヒートシンクが基板と面接触した状態でレンズホルダに支持された構成とすれば、灯具ユニットの構成を簡素化した上で、複数の発光素子に対する放熱機能を十分に確保することができる。
【0022】
その際、レンズホルダに、ヒートシンクをユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めするための位置決め部が形成された構成とすれば、ヒートシンクの放熱機能を高めるためにその重量を大きくしても、ヒートシンクを確実に支持することが可能となる。
【0023】
また、その際、レンズホルダに対する基板およびヒートシンクの支持が機械的締結によって行われた構成とすれば、ヒートシンクと基板とが面接触したままの状態でレンズホルダに対して確実に支持されるようにすることができる。
【0024】
上記「機械的締結」のための具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、ネジ締め、ランス係合、バネ止め、クリップ止め、カシメ等が採用可能である。
【0025】
上記構成において、さらに、画像形成用透光体における複数の入射部として、少なくとも1つの第1入射部と少なくとも1つの第2入射部とを備えた構成とした上で、上記少なくとも1つの第1入射部からの入射光によってロービーム用配光パターンを形成するとともに、上記少なくとも1つの第1入射部からの入射光および上記少なくとも1つの第2入射部からの入射光によってハイビーム用配光パターンを形成する構成とすれば、ロービーム用配光パターンおよびハイビーム用配光パターンの各々を所望する形状で鮮明に形成することができ、かつ、ロービーム用配光パターンとハイビーム用配光パターンとの位置関係精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る灯具ユニットを備えた車両用灯具を示す側断面図
【
図7】上記灯具ユニットを斜め前方から見て示す斜視図
【
図8】上記灯具ユニットを斜め後方から見て示す斜視図
【
図9】上記灯具ユニットを斜め前方から見て示す分解斜視図
【
図10】上記灯具ユニットを斜め後方から見て示す分解斜視図
【
図11】上記車両用灯具からの照射光によって形成される配光パターンを示す図
【
図12】上記実施形態の第1変形例を示す、
図4と同様の図
【
図14】上記実施形態の第2変形例を示す、
図3と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本願発明の一実施形態に係る灯具ユニット10を備えた車両用灯具100を示す側断面図である。また、
図2は、
図1のII方向矢視図である。
【0029】
これらの図において、Xで示す方向が「ユニット前方」であり、Yで示す方向が「ユニット前方」と直交する「左方向」(ユニット正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。これら以外の図においても同様である。
【0030】
車両用灯具100は、車両の前端部に設けられるヘッドランプであって、ランプボディ102と透光カバー104とで形成される灯室内に、灯具ユニット10がその前後方向(すなわちユニット前後方向)を車両前後方向と略一致させるように光軸調整が行われた状態で収容された構成となっている。
【0031】
灯具ユニット10は、プロジェクタ型の灯具ユニットであって、光源20からの光を、投影レンズ30を介してユニット前方へ向けて照射することにより、ロービーム用配光パターンおよびハイビーム用配光パターン(これについては後述する)を形成し得る構成となっている。
【0032】
投影レンズ30は、ユニット前後方向に延びる光軸Axを有しており、その後側焦点面上に形成される投影用画像を反転投影することにより上記配光パターンを形成するようになっている。
【0033】
投影レンズ30とそのユニット後方側に配置された光源20との間には、光源20からの出射光を透過制御することによって投影用画像を形成するように構成された画像形成用透光体40が配置されている。
【0034】
図3は、灯具ユニット10を単品で示す側断面図である。また、
図4は、
図3のIV-IV線断面図であり、
図5は、
図3のV-V線断面図であり、
図6は、
図3のVI-VI線断面図である。さらに、
図7は、灯具ユニット10を斜め前方から見て示す斜視図であり、
図8は、灯具ユニット10を斜め後方から見て示す斜視図である。そして、
図9は、灯具ユニット10を斜め前方から見て示す分解斜視図であり、
図10は、灯具ユニット10を斜め後方から見て示す分解斜視図である。
【0035】
これらの図に示すように、投影レンズ30は、外周フランジ部32を有する両凸非球面レンズであって、無色透明のアクリル樹脂製部材で構成されている。この投影レンズ30は、その外周フランジ部32においてレンズホルダ50に支持されている。
【0036】
レンズホルダ50は、ユニット前後方向に延びる筒状部材であって、不透明のポリカーボネート樹脂製部材で構成されており、その前端部には環状のレンズ支持部52が形成されている。
【0037】
投影レンズ30は、その外周フランジ部32がレンズホルダ50のレンズ支持部52に対してユニット前方側から押し当てられた状態で、レーザー溶着によってレンズホルダ50に固定されている。このレーザー溶着は、ユニット前方側からのレーザー光照射によって行われている。
【0038】
その際、レンズホルダ50のレンズ支持部52に形成された上下1対の位置決めピン52a、52bに、投影レンズ30の外周フランジ部32の上部および下部に形成された位置決め孔32aおよび位置決め溝32bが係合することにより、レンズホルダ50に対して投影レンズ30がユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めされるようになっている。
【0039】
光源20は、共通の基板24に搭載された4つの発光素子22A、22B、22C、22Dで構成されている。4つの発光素子22A~22Dは、いずれも横長矩形状の発光面を有する白色発光ダイオードであって、その発光面をユニット前方へ向けた状態で配置されている。
【0040】
4つの発光素子22A~22Dのうち、3つの発光素子22A~22Cはロービーム用配光パターンを形成する際に点灯するようになっており、残り1つの発光素子22Dはハイビーム用配光パターンを形成する際に追加点灯するようになっている。
【0041】
3つの発光素子22A~22Cは、投影レンズ30の光軸Axの真上の位置およびその左右両側に一定量離れた位置に配置されており、発光素子22Dは光軸Axの真下の位置に配置されている。
【0042】
基板24は、投影レンズ30の光軸Axと直交する鉛直面に沿って延びるように配置された状態で、レンズホルダ50に支持されている(これについては後述する)。
【0043】
基板24の前面における下端中央部には、4つの発光素子22A~22Dと導電パターン(図示せず)を介して電気的に接続されたコネクタ26が搭載されている。そして、このコネクタ26に電源側コネクタ(図示せず)が装着されることによって、4つの発光素子22A~22Dに対して電力が供給されるようになっている。
【0044】
画像形成用透光体40は、無色透明のポリカーボネート樹脂製部材で構成されている。
【0045】
画像形成用透光体40は、ロービーム用配光パターン用の投影用画像を形成するための第1出射面42Aと、ハイビーム用配光パターン用の投影用画像を追加形成するための第2出射面42Bとを備えている。
【0046】
第1出射面42Aは、画像形成用透光体40の前面の上部に位置しており、投影レンズ30の後側焦点面に沿って延びるように形成されている。この第1出射面42Aは、
図9に示すように、左右の上部コーナー部が面取りされた略横長矩形状の外形形状を有しており、その下端縁42Aaは投影レンズ30の後側焦点F近傍を通るようにして左右段違いで形成されている。
【0047】
画像形成用透光体40は、第1出射面42Aの外形形状を維持したままユニット後方へ向けて水平に延びるブロック部42を備えている。このブロック部42の下面は、第1出射面42Aの下端縁42Aaからユニット後方へ向けて水平に延びる水平面部42Cとして形成されている。
【0048】
一方、第2出射面42Bは、画像形成用透光体40の前面の下部に位置しており、投影レンズ30の後側焦点面よりもユニット後方側に一定量離れた位置において、投影レンズ30の光軸Axと直交する鉛直面に対して多少後傾した平面に沿って延びるように形成されている。この第2出射面42Bは、光軸Axの真下に位置しており、上部が欠けた略横長楕円形の外形形状を有している。
【0049】
画像形成用透光体40は、複数の発光素子22A、22B、22C、22Dの各々からの出射光を入射させるための4つの入射部44A、44B、44C、44Dを備えている。その際、3つの入射部44A~44Cは、3つの発光素子22A~22Cの各々に対してユニット前方側で、かつ、ブロック部42に対してユニット後方側に位置するように形成されている。一方、残り1つの入射部22Dは、発光素子22Dに対してユニット前方側で、かつ、第2出射面42Bに対してユニット後方側に位置するように形成されている。
【0050】
3つの入射部44A~44Cは、3つの発光素子22A~22Cの各々からの出射光を入射させた後、直接または全反射させてからブロック部42内に導くように構成されている。ブロック部42は、3つの入射部44A~44Cからの入射光を第1出射面42Aに導くように構成されており、その際、水平面部42Cに到達した光については水平面部42Cで全反射させた後、第1出射面42Aに導くように構成されている。また、入射部22Dは、発光素子22Dからの出射光を入射させた後、直接または全反射させてから第2出射面42Bに導くように構成されている。
【0051】
図1に示すように、光軸Axの真上に位置する入射部44Bから画像形成用透光体40に入射した発光素子22Bからの光は、第1出射面42Aから投影レンズ30へ向けて出射し、投影レンズ30から略下向きの光としてユニット前方へ向けて照射される。右側および左側に位置する入射部44A、44Cから画像形成用透光体40に入射した発光素子22A、22Cからの光についても同様である。一方、入射部44Dから画像形成用透光体40に入射した発光素子22Dからの光は、第2出射面42Bから投影レンズ30へ向けて出射し、投影レンズ30から略上向きの光としてユニット前方へ向けて照射される。
【0052】
図9、10に示すように、画像形成用透光体40において、ブロック部42の後端部における上部および左右両側部には、光軸Axと直交する鉛直面に沿って延びる外周フランジ部46が形成されている。そして、画像形成用透光体40は、レンズホルダ50の内部空間に収容された状態で、その外周フランジ部46においてレンズホルダ50に支持されている。
【0053】
レンズホルダ50には、画像形成用透光体40の外周フランジ部46に沿って延びる透光体支持部54が形成されている。
【0054】
そして、画像形成用透光体40は、その外周フランジ部46がレンズホルダ50の透光体支持部54の後面に対してユニット後方側から押し当てられた状態で、レーザー溶着によってレンズホルダ50に固定されている。このレーザー溶着は、ユニット後方側からのレーザー光照射によって行われている。
【0055】
その際、レンズホルダ50の透光体支持部54に形成された左右1対の位置決めピン54aに、画像形成用透光体40の外周フランジ部46に形成された左右1対の位置決め孔46aが係合することにより、レンズホルダ50に対して画像形成用透光体40がユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めされるようになっている。
【0056】
灯具ユニット10は、4つの発光素子22A、22B、22C、22Dで発生した熱を放散させるための金属製(例えばアルミニウム製)のヒートシンク70を備えている。
【0057】
このヒートシンク70は、投影レンズ30の光軸Axと直交する鉛直面に沿って延びる本体部72と、この本体部72からユニット後方へ向けて鉛直面に沿って延びる複数の放熱フィン74とを備えている。そして、このヒートシンク70は、その本体部72の前面において基板24の後面と面接触した状態で基板24と共にレンズホルダ50に支持されている。その際、基板24とヒートシンク70との面接触は、基板24の後面に熱伝導性を高めるためのグリスが予め塗布された状態で行われている。
【0058】
レンズホルダ50に対する基板24およびヒートシンク70の支持は機械的締結によって行われている。具体的には、レンズホルダ50に対して基板24およびヒートシンク70がその左右2箇所においてネジ締めされることによってレンズホルダ50に固定されている。
【0059】
レンズホルダ50には左右1対のネジ締め用ボス56が形成されており、基板24およびヒートシンク70の本体部72には、共締め用のネジ76を挿通させるための左右1対のネジ挿通孔24a、72aがそれぞれ形成されている。
【0060】
レンズホルダ50には、その中央上端部および左右下端部の3箇所にユニット後方へ向けて延びる段付き位置決めピン58が形成されている。また、基板24には、その中央上端部および左右下端部の3箇所に位置決め孔24bが形成されている。そして、各段付き位置決めピン58の先端小径部58aが基板24の各位置決め孔24bに挿入され、各段付き位置決めピン58の先端平面部58bに基板24が当接することにより、レンズホルダ50に対して基板24がユニット前後方向およびこれと直交する方向に関して位置決めされるようになっている。
【0061】
その際、レンズホルダ50の上壁部には、段付き位置決めピン58の基端部に繋がるようにして略U字形に形成された補強リブ60が形成されている。
【0062】
また、レンズホルダ50には、ヒートシンク70をユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めするための左右1対の位置決め部62が形成されている。これらの位置決め部62は、ヒートシンク70の本体部72の左右両端面に近接する位置において本体部72の上下両端面側に回り込んだ形状でユニット後方へ向けて延びるように形成されている。
【0063】
さらに、左右1対の位置決め部62の上下両端部にはL字形の切欠き部62aが形成されている。そしてこれにより、レンズホルダ50に対して基板24およびヒートシンク70が固定される際、4箇所の切欠き部62aに基板24が当接し、そのユニット前後方向の位置決めがなされるようになっている。
【0064】
図11は、車両用灯具10から前方へ向けて照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを透視的に示す図であって、
図11(a)はロービーム用配光パターンPLを示す図であり、
図11(b)はハイビーム用配光パターンPHを示す図である。
【0065】
図11(a)に示すように、ロービーム用配光パターンPLは、左配光のロービーム用配光パターンであって、その上端縁に左右段違いのカットオフラインCL1、CL2を有している。このカットオフラインCL1、CL2は、灯具正面方向の消点であるH-Vを鉛直方向に通るV-V線を境にして左右段違いで水平方向に延びており、V-V線よりも右側の対向車線側部分が下段カットオフラインCL1として形成されるとともに、V-V線よりも左側の自車線側部分が、この下段カットオフラインCL1から傾斜部を介して段上がりになった上段カットオフラインCL2として形成されている。ロービーム用配光パターンPLにおいて、下段カットオフラインCL1とV-V線との交点であるエルボ点Eは、H-Vの0.5~0.6°程度下方に位置している。
【0066】
ロービーム用配光パターンPLは、3つの配光パターンPA、PB、PCの合成配光パターンとして形成されている。
【0067】
各配光パターンPA、PB、PCは、各発光素子22A、44B、44Cからの出射光によって画像形成用透光体40の第1出射面42Aに形成される投影用画像の反転投影像として形成される配光パターンである。そして、これらの合成配光パターンとして形成されるロービーム用配光パターンPLは、画像形成用透光体40の第1出射面42Aの外形形状に略対応した外形形状で形成されている。
【0068】
その際、画像形成用透光体40は、その第1出射面42Aが投影レンズ30の後側焦点面に位置するように配置されているので、ロービーム用配光パターンPLは、そのカットオフラインCL1、CL2が鮮明に形成されたものとなっている。
【0069】
図11(b)に示すように、ハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLに対して、カットオフラインCL1、CL2の上方側に拡がるハイビーム用付加配光パターンPDが付加されたものとなっている。
【0070】
このハイビーム用付加配光パターンPDは、画像形成用透光体40の第2出射面42Bから出射した発光素子22Dからの光によって投影レンズ30の後側焦点面上に形成される投影用画像の反転投影像として形成される配光パターンである。その際、この投影用画像は、その上端位置が第1出射面42Aの下端縁42Aaによって規定されるので、ハイビーム用付加配光パターンPDは、その下端位置がカットオフラインCL1、CL2によって規定されたものとなる。したがって、ハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用付加配光パターンPDとが隙間なく繋がったものとなる。
【0071】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0072】
本実施形態に係る灯具ユニット10は、光源20からの光を、投影レンズ30を介してユニット前方へ向けて照射することにより、ロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHを形成する構成となっているが、光源20と投影レンズ30との間には、光源20からの出射光を透過制御することによって投影用画像を形成するように構成された画像形成用透光体40が配置されており、その上で、光源20は、共通の基板24に搭載された4つの発光素子22A、22B、22C、22Dで構成されており、かつ、画像形成用透光体40は、4つの発光素子22A~22Dの各々からの出射光を入射させるための4つの入射部44A、44B、44C、44Dを備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0073】
すなわち、4つの発光素子22A~22Dおよび4つの入射部44A~44Dの配置を適宜設定することにより、また、その各々の構成を適宜設定することにより、投影用画像を投影レンズ30の後側焦点面上に所望する形状で形成することができる。そして、この投影用画像を投影レンズ30によってユニット前方の照射対象面に投影することにより、その反転投影像として所望する形状のロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHを形成することができる。
【0074】
しかも、画像形成用透光体40は、投影レンズ30を支持するためのレンズホルダ50に支持されているので、画像形成用透光体40と投影レンズ30との位置関係精度を高めることができる。したがって、投影用画像の形成位置を投影レンズ30の後側焦点面上に設定することが容易に可能となり、これによりロービーム用配光パターンPLのカットオフラインCL1、CL2を鮮明に形成することができる。
【0075】
また、4つの発光素子22A~22Dは共通の基板24に搭載されているので、4つの発光素子22A~22D相互間の位置関係精度を高めることができ、かつ、この基板24はレンズホルダ50に支持されているので、4つの発光素子22A~22Dと画像形成用透光体40との位置関係精度も高めることができる。したがって、投影用画像を投影レンズ30の後側焦点面上に所望の形状で精度良く形成することができ、ロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHも所望の形状で精度良く形成することができる。
【0076】
このように本実施形態によれば、投影レンズ30を備えた灯具ユニット10において、ロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHを所望する形状で鮮明に形成することができる。
【0077】
しかも本実施形態においては、投影レンズ30、画像形成用透光体40およびレンズホルダ50がいずれも樹脂製部材で構成されており、その上で、投影レンズ30および画像形成用透光体40はレンズホルダ50に対してレーザー溶着により固定されているので、灯具ユニット10の構成部品を必要最小限に抑えた上で、投影レンズ30および画像形成用透光体40をレンズホルダ50に対して位置精度良く固定することができる。特に、このようにレーザー溶着を採用した場合には、溶着作業の前後で投影レンズ30および画像形成用透光体40とレンズホルダ50とのユニット前後方向の位置関係が変化しないので、位置精度を最大限に高めることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る灯具ユニット10は、4つの発光素子22A~22Dで発生した熱を放散させるためのヒートシンク70を備えており、このヒートシンク70は基板24と面接触した状態でレンズホルダ50に支持されているので、灯具ユニット10の構成を簡素化した上で、4つの発光素子22A、22B、22C、22Dに対する放熱機能を十分に確保することができる。
【0079】
その際、レンズホルダ50には、ヒートシンク70をユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めするための左右1対の位置決め部62が形成されているので、ヒートシンク70の放熱機能を高めるためにその重量を大きくしても、ヒートシンク70を確実に支持することが可能となる。
【0080】
また、レンズホルダ50に対する基板24およびヒートシンク70の支持がネジ締めによって(すなわち機械的締結によって)行われているので、ヒートシンク70と基板24とが面接触したままの状態でレンズホルダ50に対して確実に支持されるようにすることができる。
【0081】
さらに、画像形成用透光体40は、4つの入射部44A~44Dとして、3つの入射部44A、44B、44C(第1入射部)と1つの入射部44D(第2入射部)とを備えており、その上で、3つの入射部44A~44Cからの入射光によってロービーム用配光パターンPLを形成するとともに、3つの入射部44A~44Cからの入射光および入射部44Dからの入射光によってハイビーム用配光パターンPHを形成するように構成されているので、ロービーム用配光パターンPLおよびハイビーム用配光パターンPHの各々を所望する形状で鮮明に形成することができ、かつ、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用配光パターンPHとの位置関係精度を高めることができる。
【0082】
上記実施形態においては、4つの発光素子22A~22Dが、いずれも横長矩形状の発光面を有しているものとして説明したが、これ以外の外形形状(例えば正方形や縦長矩形状等)を有する構成とすることも可能である。
【0083】
上記実施形態においては、光源20が4つの発光素子22A~22Dを備えているとともに画像形成用透光体40が4つの入射部44A~44Dを備えているものとして説明したが、3つ以下あるいは5つ以上の発光素子および入射部を備えた構成とすることも可能である。
【0084】
上記実施形態においては、車両用灯具100が車両の前端部に設けられるヘッドランプであり、その灯室内に灯具ユニット10が収容された構成について説明したが、これ以外にも例えば、ヘッドランプよりも下方側のバンパー位置に設置される路面描画用ランプに灯具ユニット10が適用された構成や、車体後端部に設置される路面描画用ランプ等に灯具ユニット10が適用された構成とすることも可能である。
【0085】
上記実施形態においては、灯具ユニット10が車載用の灯具ユニットであるものとして説明したが、車載用以外の用途に用いることも可能である。
【0086】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0087】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0088】
図12、13は、本変形例に係る灯具ユニット110を示す、
図4、10と同様の図である。
【0089】
図12、13に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、レンズホルダ150に対する基板124およびヒートシンク170の支持構造が上記実施形態の場合と異なっている。
【0090】
すなわち本変形例においても、レンズホルダ150に対する基板124およびヒートシンク170の支持が機械的締結によって行われている点は上記実施形態の場合と同様であるが、この機械的締結が熱カシメおよびランス係合によって行われている点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0091】
具体的には、本変形例においても、レンズホルダ150の3箇所に形成された段付き位置決めピン158の先端小径部158aが、基板124の3箇所に形成された位置決め孔124bに挿入された状態で、各段付き位置決めピン158の先端平面部158bに基板124が当接することにより、レンズホルダ150に対して基板124がユニット前後方向およびこれと直交する方向に関して位置決めされるようになっている。
【0092】
その上で、本変形例においては、位置決め孔124bに挿入された先端小径部158aが熱カシメされることによって、基板124がレンズホルダ150に固定されるようになっている。
【0093】
また本変形例においては、レンズホルダ150に形成された左右1対の位置決め部(すなわちヒートシンク170をユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めするための位置決め部)162の各々に、上下1対のランス係合片164が形成された構成となっている。
【0094】
ランス係合片164は、位置決め部162に形成された矩形状開口部162b内においてユニット前方へ向けて延びるように形成された構成となっている。その際、ランス係合片164は、その先端部164aがレンズホルダ150の内周面側に張り出すように形成されており、かつ、その先端部164aの後部領域が斜面状に形成されている。
【0095】
そして、レンズホルダ150に対して基板124がユニット前後方向およびこれと直交する方向に関して位置決めされた状態で、ヒートシンク170がユニット後方側からレンズホルダ150の内部空間に挿入され、基板124に当接する位置まで押し込まれる際、左右1対の位置決め部162に形成された上下1対のランス係合片164が弾性変形し、その先端部164aがヒートシンク170の本体部172と係合することにより、ヒートシンク170がレンズホルダ150に固定されるようになっている。
【0096】
さらに本変形例においても、左右1対の位置決め部162の上下両端部にはL字形の切欠き部162aが形成されており、レンズホルダ150に対して基板124およびヒートシンク170が固定される際に基板124が4箇所の切欠き部162aに当接するようになっている。
【0097】
本変形例の構成を採用することにより、上記実施形態の場合のようなネジ76が不要となるので、部品点数を削減することができる。
【0098】
また、基板124およびヒートシンク170の本体部172に、上記実施形態の場合のようなネジ挿通孔を形成する必要がなくなるので、基板124およびヒートシンク170の構成簡素化を図ることができる。
【0099】
特に、ヒートシンク170に関しては、押出し成形品をそのまま用いるようにすることができ、かつ、その本体部172にネジ挿通孔を形成する必要がなくなったことにより、放熱フィン174の数を増やすことができ、これにより放熱機能向上を図ることができる。
【0100】
また本変形例においては、基板124が熱カシメによってレンズホルダ150に固定されているので、レンズホルダ150に対するヒートシンク170の支持がランス係合によって行われていることに起因して、レンズホルダ150とヒートシンク170との位置関係が微妙にずれてしまうようなことがあっても、レンズホルダ150に対する基板124の支持が位置精度良く行われるようにすることができる。
【0101】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0102】
図14は、本変形例に係る灯具ユニット210を示す、
図3と同様の図であり、
図15は、上記灯具ユニット210を示す、
図10と略同様の図である。
【0103】
図14、15に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、レンズホルダ250に対する投影レンズ30の支持構造ならびにレンズホルダ250に対する基板224およびヒートシンク270の支持構造が上記実施形態の場合と異なっている。
【0104】
すなわち本変形例においても、レンズホルダ250に対する投影レンズ30の支持がレーザー溶着によって行われている点は上記実施形態の場合と同様であるが、このレーザー溶着がユニット後方側からのレーザー光照射によって行われている点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0105】
これを実現するため、本変形例のレンズホルダ250は上記実施形態のレンズホルダ50よりもやや長尺で形成されている。そして、投影レンズ30は、その外周フランジ部32がレンズホルダ250のレンズ支持部252に対してユニット後方側から押し当てられた状態で、レーザー溶着によってレンズホルダ250に固定されている。
【0106】
その際、上記実施形態の場合と同様、レンズホルダ250のレンズ支持部252に形成された上下1対の位置決めピン252a、252bに、投影レンズ30の外周フランジ部32の上部および下部に形成された位置決め孔32aおよび位置決め溝32bが係合することにより、レンズホルダ250に対して投影レンズ30がユニット前後方向と直交する方向に関して位置決めされるようになっている。
【0107】
また本変形例においても、レンズホルダ250に対する基板224およびヒートシンク270の支持は機械的締結によって行われているが、この機械的締結が熱カシメおよびバネ止めによって行われている点で上記実施形態の場合と異なっている。
【0108】
具体的には、本変形例においても、レンズホルダ250の3箇所に形成された段付き位置決めピン258の先端小径部258aが基板224の3箇所に形成された位置決め孔224bに挿入された状態で、各段付き位置決めピン258の先端平面部258bに基板224が当接することにより、レンズホルダ250に対して基板224がユニット前後方向およびこれと直交する方向に関して位置決めされるようになっている。
【0109】
その上で、本変形例においては、位置決め孔224bに挿入された先端小径部258aが熱カシメされることによって、基板224がレンズホルダ250に固定されるようになっている。
【0110】
また本変形例においては、ヒートシンク270がユニット後方側からレンズホルダ250の内部空間に挿入されて基板224に当接した状態で、線バネ280がヒートシンク270に掛け渡されてレンズホルダ250の上下両壁部に係止されることにより、ヒートシンク270がレンズホルダ250に固定されるようになっている。
【0111】
その際、線バネ280は、その左右1対のバネ端部280aがレンズホルダ250の下壁部に形成された左右1対のバネ係止孔266に係止された状態で、その左右1対の途中部分280bがヒートシンク270の左右2箇所において放熱フィン274相互間を挿通するように配置されて本体部272の後面に当接しており、その中央部280cがレンズホルダ250の補強リブ260に形成されたバネ係止部268に係止されている。
【0112】
なお、このようにバネ止めによってヒートシンク270がレンズホルダ250に固定された状態において、線バネ280にはヒートシンク270の質量の20~40倍程度(例えば30倍程度)のバネ荷重が付与されるようになっている。
【0113】
本変形例の構成を採用することにより、基板224およびヒートシンク270の本体部272に、上記実施形態の場合のようなネジ挿通孔を形成する必要がなくなるので、基板224およびヒートシンク270の構成簡素化を図ることができる。
【0114】
特に、ヒートシンク270に関しては、押出し成形品をそのまま用いるようにすることができ、かつ、その本体部272にネジ挿通孔を形成する必要がなくなったことにより、放熱フィン274の数を増やすことができ、これにより放熱機能向上を図ることができる。
【0115】
また本変形例においては、基板224が熱カシメによってレンズホルダ250に固定されているので、レンズホルダ250に対するヒートシンク270の支持がバネ止めによって行われていることに起因して、レンズホルダ250とヒートシンク270との位置関係が微妙にずれてしまうようなことがあっても、レンズホルダ250に対する基板224の支持が位置精度良く行われるようにすることができる。
【0116】
さらに本変形例においては、灯具ユニット210の組付けが、レンズホルダ250に対して投影レンズ30、画像形成用透光体40、基板224、ヒートシンク270、線バネ280をユニット後方側から組み付けることによって行われる構成となっているので、その組付作業性を高めることができる。
【0117】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0118】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0119】
10、110、210 灯具ユニット
20 光源
22A、22B、22C、22D 発光素子
24、124、224 基板
24a、72a ネジ挿通孔
24b、32a、46a、124b、224b 位置決め孔
26 コネクタ
30 投影レンズ
32 外周フランジ部
32b 位置決め溝
40 画像形成用透光体
42 ブロック部
42A 第1出射面
42Aa 下端縁
42B 第2出射面
42C 水平面部
44A、44B、44C、44D 入射部
46 外周フランジ部
50、150、250 レンズホルダ
52、252 レンズ支持部
52a、52b、54a、252a、252b 位置決めピン
54 透光体支持部
56 ネジ締め用ボス
58、158、258 段付き位置決めピン
58a、158a、258a 先端小径部
58b、158b、258b 先端平面部
60、260 補強リブ
62、162 位置決め部
62a、162a 切欠き部
70、170、270 ヒートシンク
72、172、272 本体部
74、174、274 放熱フィン
76 ネジ
100 車両用灯具
102 ランプボディ
104 透光カバー
162b 矩形状開口部
164 ランス係合片
164a 先端部
266 バネ係止孔
268 バネ係止部
280 線バネ
280a バネ端部
280b 途中部分
280c 中央部
Ax 光軸
CL1 下段カットオフライン
CL2 上段カットオフライン
E エルボ点
F 後側焦点
PA、PB、PC 配光パターン
PD ハイビーム用付加配光パターン
PH ハイビーム用配光パターン
PL ロービーム用配光パターン