(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060126
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】抗菌性ケース
(51)【国際特許分類】
A01N 61/00 20060101AFI20220407BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20220407BHJP
C04B 33/13 20060101ALI20220407BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20220407BHJP
C08K 3/34 20060101ALI20220407BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20220407BHJP
A61B 50/39 20160101ALI20220407BHJP
A61B 90/00 20160101ALI20220407BHJP
【FI】
A01N61/00 B
A01P3/00
C04B33/13 Z
B29C45/00
C08K3/34
C08L101/00
A61B50/39
A61B90/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020176340
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】520036525
【氏名又は名称】大串 孝
(71)【出願人】
【識別番号】513288894
【氏名又は名称】古川 猛
(72)【発明者】
【氏名】大串 孝
(72)【発明者】
【氏名】古川 猛
【テーマコード(参考)】
4F206
4H011
4J002
【Fターム(参考)】
4F206AA10
4F206AA11
4F206AA24
4F206AA33
4F206AB16A
4F206AB24
4F206AE10
4F206AH63
4F206JA07
4H011AA02
4H011AA03
4H011BB20
4H011CC01
4H011DA01
4H011DB09
4H011DD07
4J002BB061
4J002BB111
4J002BF031
4J002CF061
4J002CP031
4J002DJ036
4J002FD206
4J002GG01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】モンモリロナイト自体のデトック性、遠赤外線放射性、抗菌・除菌・消臭性の特性を最大に利用できるようにした、マウスピースや入れ歯を入れる抗菌性ケースを提供する。
【解決手段】粒径10~300nmに微粉砕したアドバンスクレイをケース成型主原料100重量部に対し5~30重量部混入し、成型して製造した抗菌性ケース。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型品であるケースの主原料にアドバンスクレイを均一に混合し、成型したことを特徴とする抗菌性ケース。
【請求項2】
前記アドバンスクレイを粒径10~300nmとしたことを特徴とする請求項1に記載の抗菌性ケース。
【請求項3】
成型品であるケースの主原料100重量部に対しアドバンスクレイを5~30重量部としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の抗菌性ケース。
【請求項4】
成型品であるケースの主原料が陶磁器用の粘土または陶石であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の抗菌性ケース。
【請求項5】
成型品であるケースの主原料が合成樹脂であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の抗菌性ケース。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入れ歯やマウスピースを保管しているときに、菌が保管物の表面で繁殖するのを防ぎ、滅菌・殺菌し、保管物を取り出してそのまま装着することができるようにした抗菌性ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化が進む社会環境下、健康な日常生活を送るため、健康関連商品が多数出現している。その中で、衛生性が重視され、これに対応するように抗菌機能や消臭機能を有する多くの商品が出現している。商品に抗菌性を付与する方法としては、銀系無機抗菌剤に代表される無機抗菌剤や、光触媒機能を示す無機材料等の抗菌剤を商品の原料に混合して製造する方法がある。また、別の方法としては、抗菌性剤を商品の表面に塗工する方法もある。合成樹脂製ケースにおいても同様に抗菌性を付与されて製造する方法が採用されている。
【0003】
就寝時に使用するマウスピースや就寝時等に取り外して入れ歯をいれるケースは、保管時の細菌類等の増殖を抑制することが求められている。しかし、これまで抗菌性の良いケースは、存在しなかった。また、モンモリロナイト自体を抗菌剤として原料に混入して製造した抗菌性ケースはなかった。
【0004】
抗菌性のモンモリロナイト粒子を製品ケースの主原料中に混入した場合、その粒子径は、数μm~数十μmである。そのため、モンモリロナイトを主原料中に混入しても、モンモリロナイトの表面積も粒子径がμmのオーダーなので、それら粒子の持つ優れた抗菌性が十分に活かしきれていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-142832号公報
【特許文献2】特開平1-313533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、ナノメートル単位のアドバンスクレイを主原料中に均一に分散させることが困難であったため、存在しなかった抗菌性ケースを得ることを目的としている。また、自然界に多量に存在している粘土鉱物を微粉砕化したアドバンスクレイを使用することで、安定した品質を得ることができる抗菌性ケースを得ることを目的としている。
【0007】
本発明は接触することによりイオン吸着、遠赤外線放射等の作用で、接触物の細菌の増殖を抑えるとともに滅菌する作用や消臭する作用等を有するアドバンスクレイの効果を十分に発揮させることができるマウスピースや入れ歯をいれる抗菌性ケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための請求項1に記載の抗菌性ケースは、成型品であるケースの主原料にアドバンスクレイを均一に混合し、成型したことを特徴とする。
【0009】
アドバスクレイは、総称ベントナイト(ナノクレイ)と言われているモンモリロナイトを超微粉化したクレイである。モンモリロナイトを超微粉化したことにより、デトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性の効果を最大限に発揮させることができる。
【0010】
アドバンスクレイを均一に混合して、成型したことにより、抗菌性ケース中にアドバンスクレイが均一に分散している。そのため、イオン吸着、遠赤外線放射等の作用で、接触物の細菌の増殖を抑えるとともに滅菌する作用や消臭する作用等を有するアドバンスクレイの効果を十分に発揮させることができる。その結果、保管していたマウスピースや入れ歯を無菌状態にし、取り出してそのまま装着することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の抗菌性ケースにおいて、前記前記アドバンスクレイはその粒径を10~300nmとしたことを特徴とする。
【0012】
アドバンスクレイは、モンモリロナイトを粒径10~300ナノメートル(nm)に超微細化したベントナイト(ナノクレイ)である。モンモリロナイトを粒径10~300nmに超微粉化したことにより、イオン吸着、遠赤外線放射等の効能を効率よく発揮させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の抗菌性ケースにおいて、成型品であるケースの主原料100重量部に対しアドバンスクレイを5~30重量部としたことを特徴とする。
【0014】
ケースの主原料に対しアドバンスクレイの量が少ないと、抗菌性・殺菌性の性能を十分に得ることができない。また、主原料に対しアドバンスクレイの量が多すぎると、成型が困難になると共に、コストが効果以上にアップする恐れがある。そのため、5~30重量部として、性能を落とさず快適に使用できる範囲の混合割合とした。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の抗菌性ケースにおいて、前記成型品であるケースの主原料が陶磁器用の粘土または陶石であることを特徴とする。
【0016】
陶磁器製の抗菌性ケースとしたことにより、モンモリロナイトが有するデトックス性や炎症や痛みを抑える抗菌性・殺菌性、遠赤外線放射機能や各種のものに対する吸着性を有効に利用できる。さらに、陶磁器用の主原料の粘土または陶石により、装飾性を高めることができる。
【0017】
宇
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の抗菌性ケースにおいて、前記成型品であるケースの主原料が合成樹脂であることを特徴とする。
【0018】
合成樹脂は、原料と配合を選択することにより、成形加工性、透明性にすぐれ、耐候性、耐ストレスクラック性にすぐれて、衛生感がある。そのため、抗菌性ケースの好ましい原料である。
【発明の効果】
【0019】
この発明においては、マウスピースや入れ歯をいれる抗菌性ケースは、超微細化されたアドバンスクレイを主原料材の陶磁器の粘土・陶石原料や合成樹脂中に主原料100重量部に対し5~30重量部を均一に分散させている。それとともに、粒径10~300ナノメートル(nm)に超微細化したアドバンスクレイを製品中に均一に分散させている。これにより、抗菌性ケースは、アドバンスクレイの抗菌性・殺菌性、遠赤外線放射性等の性能を最大限に発揮させることができて、抗菌性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】陶磁器製の抗菌性ケースの一例を示す断面図である。
【
図2】合成樹脂製の抗菌性ケースの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は陶磁器製の抗菌性ケースの一例を示す断面図である。
【0022】
この実施形態による抗菌性ケース1は、有効抗菌成分であるモンモリロナイトがナノメートル単位に超微粉化された10~300nmのアドバンスクレイとして陶磁器原料の、例えば天草陶石100重量部に対し5~30重量部含まれて混合される。そして、通常の陶磁器の製造工程に従い、成型され、乾燥され、焼成される。
【0023】
陶磁器は、食品関連に広く使われており、毒性が無く、装飾性を加えて置物として見栄えを良くすることも可能である。天草陶石を主原料とした抗菌性ケースは、きめ細かな有田焼の製品を得る上で好ましい。抗菌性ケースは、単純な筒状容器に限られず、形状を凝らすことも可能である。蓋は、本体と対で装飾性を出したり、実用性重視し合成樹脂製の密着型にしてもよい。
【0024】
陶磁器原料としては、限定されず、何々焼きといわれる陶磁器の原料が使用できるが、抗菌性能を十分発揮させるには、製品を薄手にできる有田焼原料が好ましい。
【0025】
アドバンスクレイは、総称ベントナイトと言われているモンモリロナイトを粒径10~300nmの超微粉化している。これにより、モンモリロナイトの効能のデトックス、遠赤外線放射性等の効果を陶磁器製ケースにおいても十分に得ることができる。
【0026】
モンモリロナイト(クレイ)は美容と健康にいい影響を与えてくれる要素がたくさんあり、デトックス、遠赤外線放射、抗菌・殺菌、消臭、炎症や痛みを抑える、瘢痕形成・皮膚の再生の効能があるとされている。
【0027】
アドバンスクレイの粒径を10~300nmとしたのは、細かすぎると微細化のコストがかかりすぎるのと樹脂中への均一分散が難しくなるからである。また、粒径が300nm以上では殺菌・抗菌の効果が減衰される恐れがあるからである。
【0028】
アドバンスクレイを陶磁器原料100重量部に対し5~30重量部としたのは、5重量部未満では、モンモリロナイトの効能のデトックス、抗菌・殺菌、消臭等の効果を陶磁器製ケースにおいても十分に得ることができないからである。また、30重量部以下としたのは、効果とコストのバランスからである。
【0029】
この実施形態による抗菌性ケース1は、有効抗菌成分であるモンモリロナイトがナノメートル単位に超微粉化された10~300nmのアドバンスクレイとして陶磁器原料の、例えば天草陶石100重量部に対し5~30重量部含まれて混合されて製造されている。
そのため、陶磁器製ケースにいれたマウスピースや入れ歯や雰囲気の細菌の増殖を抑制することや遠赤外線の放射が可能となる。
【0030】
図2は合成樹脂製の抗菌性ケースの一例を示す断面図であり、この実施形態による抗菌性ケース11は、抗菌成分として有効なモンモリロナイトがナノメートル単位に超微粉化された10~300nmのアドバンスクレイとして混入している。合成樹脂原料の、例えば天草陶石100重量部に対し5~30重量部含まれて混合される。そして、通常の合成樹脂の製造工程に従い、成型されて抗菌性ケースが製造される。
【0031】
合成樹脂は、食品関連に広く使われており、毒性が無く、成型が容易等の特性を有する樹脂を容易に選択することができる。それらの内から、ポリプロピレン(PP)、、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコン樹脂(SI)、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)が食品容器として実績があり、加工が容易である等の観点から好ましい。
【0032】
アドバンスクレイは、モンモリロナイト(クレイ)と同様な美容と健康にいい影響を与えてくれる要素がたくさんあり、デトックス、遠赤外線放射、抗菌・殺菌、消臭の効能が抗菌性ケースで得られる。
【0033】
アドバンスクレイの粒径や混入割合を限定するのは陶磁器製の抗菌ケースの場合と同じであり、樹脂中への均一分散性と、殺菌・抗菌の効果とコストのバランスからである。
【0034】
この発明の抗菌性ケース1は、有効な抗菌成分であるモンモリロナイトがナノメートル単位に超微粉化された10~300nmのアドバンスクレイとして成型主原料100重量部に対し5~30重量部含まれて混合されて製造されている。そのため、陶磁器製ケースにいれたマウスピースや入れ歯や雰囲気の細菌の増殖を抑制することや遠赤外線の放射が可能となる。その結果、保管後、使用するとき、洗浄せずにそのまま無菌状態で使用できる。