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特開2022-60128簡易マットレス及び簡易マットレス収納袋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060128
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】簡易マットレス及び簡易マットレス収納袋
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/08 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
A47C27/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020176343
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】596068291
【氏名又は名称】松永 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】松永 昌幸
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB03
3B096AC05
3B096AC11
(57)【要約】
【課題】 快適に利用できる簡易エアベッド及び空気を注入すると枕となる簡易エアベッド収納袋を提供する。
【解決手段】 流体を内部に充填可能なエアベッドであって、流体を内部に充填可能な第1クッション部を複数個備えており、複数個の第1クッション部は一定の方向に並列されており、各第1クッション部の外表面には不織布が設けられている、ことを特徴とするエアベッド。
エアベッドを内部に収納する有底のエアベッド収納袋であって、側面部と、側面部に囲まれた、エアベッドを収納するための収納部と、を備え、側面部は流体を内部に充填可能な第2クッション部を有する、ことを特徴とするエアベッド収納袋。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を内部に充填可能なエアベッドであって、流体を内部に充填可能な第1クッション部を複数個備えており、複数個の前記第1クッション部は一定の方向に並列されており、各前記第1クッション部の外表面には不織布が設けられている、ことを特徴とするエアベッド。
【請求項2】
流体を1つの前記第1クッション部の内部に充填させるための流入部と、複数個の前記第1クッション部の間に設けられ、複数個の前記第1クッション部の間を区画するシール部と、をさらに備え、前記シール部の少なくとも一部には、一方の第1クッション部の内部に充填された流体が他方の第1クッション部へと通過するための通過部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のエアベッド。
【請求項3】
平面視において長辺と短辺とを有する長方形形状である、請求項1または請求項2に記載のエアベッドであって、前記第1クッション部は、短辺方向に延びており、複数個の前記第1クッション部は長辺方向に並列されており、複数個の前記第1クッション部の内部に流体が充填された場合において、長辺方向における中央より一方端部側の前記第1クッション部に設けられた前記不織布の厚みは、中央より他方端部側の前記第1クッション部に設けられた前記不織布の厚みより大きい、ことを特徴とするエアベッド。
【請求項4】
平面視において長辺と短辺とを有する長方形形状である、請求項2に記載のマットレスであって、前記第1クッション部は、短辺方向に延びており、
複数個の前記第1クッション部は長辺方向に並列されており、前記流入部は、長辺方向におけるいずれか1つの端部である第1端部に設けられており、複数個の前記第1クッション部の内部に流体が充填された場合において、長辺方向における中央より前記第1端部と反対側の第2端部側の前記第1クッション部の厚みは、中央より前記第1端部側の前記第1クッション部の厚みより大きい、ことを特徴とするエアベッド。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうちいずれか1つのエアベッドを内部に収納する有底のエアベッド収納袋であって、側面部と、側面部に囲まれた、前記エアベッドを収納するための収納部と、を備え、前記側面部は流体を内部に充填可能な第2クッション部を有する、ことを特徴とするエアベッド収納袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易エアベッド及び簡易エアベッド収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2018-75333号公報(特許文献1)がある。この公報には、「ベッド本体に1カ所から空気を入れる空気注入体を並べて設けた端に、曲げ部体を介し、つい立て本体を設け端に空気注入体設ける、空気注入体および空気注入体に空気を注入することにより、ベッド本体およびつい立て本体をマット状に伸張し、結合体と結合体を結合し、つい立て本体を起立保持させることを特徴とする簡易つい立て付きマットレス。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-75333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
持ち運び可能な簡易なエアベッドの利用者は、快適に当該エアベッドを利用できないおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、快適に利用できる簡易エアベッド及び簡易エアベッド収納袋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、流体を内部に充填可能なエアベッドであって、流体を内部に充填可能な第1クッション部を複数個備えており、複数個の前記第1クッション部は一定の方向に並列されており、各前記第1クッション部の外表面には不織布が設けられている、ことを特徴とするエアベッド。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より快適に簡易エアベッド及び簡易エアベッド収納袋を利用することができる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】エアベッドの平面図である。
図2】エアベッドの斜視図である。
図3図1におけるA-A断面図である。
図4】他の実施形態におけるエアベッドの断面図である。
図5】他の実施形態におけるエアベッドの断面図である。
図6】簡易エアベッドが収納されている収納袋の斜視図である。
図7】第2クッション部の内部に空気が充填された収納袋の斜視図である。
図8】収納袋の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(簡易エアベッドの説明)
本実施形態では、流体(本実施形態においては空気)を内部に充填して利用するエアベッドの例を説明する。
図1は、エアベッドの平面図である。
図2は、エアベッドの斜視図である。
【0010】
本実施形態のエアベッド1は、平面視において(図1において)長辺と短辺とを有する長方形形状である。
本実施形態のエアベッド1は、大きさが対応する2枚の長方形のシートを貼り合わせて製造される。図1では、一方側の面である上面を図示している。
本実施形態のエアベッド1は、詳細は後述するが、第1クッション部2と、流入部3と、通過部4と、シール部5とを備える。
【0011】
第1クッション部2は、エアベッド1の短辺方向(x軸方向)に延びている。すなわち、第1クッション部2は、エアベッド1の短辺方向(x軸方向)を長辺とし、エアベッド1の長辺方向(y軸方向)を短辺とする、長方形形状である。
第1クッション部2はエアベッド1の長辺方向に複数個並列して配置されている。
第1クッション部2の内部には空気を充填することができる。すなわち、空気が充填されることで第1クッション部2はクッションとしての機能を果たす。
【0012】
エアベッド1は、大きさが対応する2枚の長方形のシート同士の一部が接合されて(貼り合わされて)製造されるところ、第1クッション部2は当該シート同士が接合していない部分である、2枚のシート間の内部空間を意味する。
すなわち、2枚のシート同士は第1クッション部2を形成するように2枚のシート同士を接合している。
2枚のシート同士が接合されている部分をシール部5とする。言い換えれば、シール部5は、複数個の第1クッション部2の間に設けられ、複数個の第1クッション部2の間を区画している。
【0013】
流入部3は、エアベッド1の長辺方向におけるいずれか1つの端部である第1端部に設けられている。
流入部3から空気をエアベッド1(第1クッション部2)の内部に充填させることができる。
流入部3は、開口部と、開口部を塞ぐ蓋部と、を有する。
利用者は、蓋部を開口部から外して、開口部から空気を流入させることで、空気をエアベッド1(第1クッション部2)の内部に充填させることができる。
【0014】
シール部5の少なくとも一部には、一方の第1クッション部2の内部に充填された空気が他方の第1クッション部2へと通過するめの通過部4を有する。
通過部4は、隣り合う第1クッション部2同士のうちの、第1端部側の第1クッション部2から、第1端部と反対側の第2端部側の第1クッション部2へと流体を通過させるために機能する。
通過部4は、隣り合う2つの第1クッション部2の間に位置するシール部5に設けられた、空気が流れることができる流路(空間)を意味する。
【0015】
利用者は、流入部3から空気を流入させることで、空気は通過部4を通過して、すべでの第1クッション部2の内部に空気を充填することができる。そして、空気が充填されたエアベッド1の上に、利用者は横たわることができる。
一方、利用者は、内部に空気を充填していない状態のエアベッド1を折りたたむことで、当該エアベッド1を用意に持ち運ぶことができる。
【0016】
図3は、図1におけるA-A断面図である。
ところで、大きさが対応する2枚の長方形のシートは塩化ビニール、ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレン樹脂などの合成樹脂を材料とする。
利用者がエアベッドを利用する際に、利用者が触れる領域についても合成樹脂であると、利用者は快適にエアベッドを利用できないおそれがあった。
【0017】
そこで、エアベッド1の第1クッション部2の外表面には不織布6が設けられている。外表面とは、空気が充填される側(内側)と反対側の表面を意味する。不織布とは、繊維を絡み合わせたシート状のものを意味する。繊維は天然繊維でも人工繊維でもよい。
この構成により、例えば利用者とエアベッドとの間における通気性が向上するため、利用者はより快適にエアベッドを利用できる。
なお、不織布6はシール部5の外表面にも設けられていてもよい。
【0018】
なお、図1のエアベッド1は上面を図示しているが、図3で示すようにエアベッド1の上面と下面とは同じ構造である。不織布6は上面のみに設けられていてもよい。
【0019】
図4は、他の実施形態におけるエアベッドの断面図である。
他の実施形態として、エアベッド1の内部に流体が充填された場合において、エアベッド1の長辺方向における中央より一方端部側の第1クッション部2に設けられた不織布6の厚みは、中央より他方端部側の第1クッション部2に設けられた不織布6の厚みより大きくてもよい。
【0020】
なお、不織布の厚みが大きい程保温性が向上すること、及び身体のうち下半身より上半身のほうが体温を保持する領域が多いこと、を加味するに、当該構造とすると、エアベッド1′を利用する際の環境温度が比較的低い場合には不織布の厚みが大きい側に上半身を位置させる一方、エアベッド1を利用する際の環境温度が比較的高い場合には不織布の厚みが小さい側に上半身を位置させることで、環境に応じてより快適に利用者はエアベッド1を利用できる。
【0021】
エアベッド1の長辺方向における中央より一方端部側の第1クッション部2に設けられた不織布6の厚み(z軸方向)と、中央より他方端部側の第1クッション部2に設けられた不織布6の厚み(z軸方向)と、を比較する方法として例えば以下の方法がある。まず、全ての第1クッション部2の内部に空気を充填した場合において、それぞれの第1クッション部2のうち最も外側に位置する点(頂点)を特定する。次いで、頂点がエアベッド1の長辺方向における中央より一方端部側に位置する第1クッション部2を特定し、特定した全て第1クッション部2の頂点における不織布6の厚みの値の平均値(一方端部側平均値)を算出する。次いで、頂点がエアベッド1の長辺方向における中央より他方端部側に位置する第1クッション部2を特定し、特定した全て第1クッション部2の頂点における不織布6の厚みの値の平均値(他方端部側平均値)を算出する。最後に、一方端部側平均値と、他方端部側平均値と、を比較する。
【0022】
図5は、他の実施形態におけるエアベッドの断面図である。
他の実施形態としてのエアベッド1は、内部に流体が充填された場合において、エアベッド1の長辺方向における中央より第2端部E2側の第1クッション部2の厚み(z軸方向)は、中央より第1端部E1側の第1クッション部2の厚み(z軸方向)より大きくてもよい。さらには、第1端部E1から第2端部E2へ向かうに従って第1クッション部2の厚みが大きくなっていてもよい。なお、上述したように、流入部3は第1端部E1に設けられている。
【0023】
なお、一般的に利用者はエアベッドのうち垂直方向の高さが大きい側に上半身を位置させ、高さが低い側に下半身を位置させるように横たわるところ、当該構造のように、高さが大きい第2端部E2側と反対側の第1端部E1に流入部3が位置するため、仮に流入部3が破損して充填された空気が外部に急激に流出した場合であっても、頭部(上半身)が位置する第1クッション部2が急減に収縮して、利用者の頭がエアベッド1設置面に打ち付けられ、利用者が致命傷を負うことを抑制できる。
【0024】
エアベッド1の長辺方向における中央より第2端部E2側の第1クッション部2の厚みと、中央より第1端部E1側の第1クッション部2の厚みと、を比較する方法として例えば以下の方法がある。まず、全ての第1クッション部2の内部に空気を充填したエアベッド1を水平な場所(水平位置)に置く。次いで、それぞれの第1クッション部2のうち最も水平位置から離れた点(最大厚み点)を特定する。次いで、最大厚み点がエアベッド1の長辺方向における中央より第1端部E1側に位置する第1クッション部2を特定し、特定した全て第1クッション部2の最大厚み点から水平位置までの距離の平均値(第1端部側平均値)を算出する。次いで、最大厚み点がエアベッド1の長辺方向における中央より第2端部E2側に位置する第1クッション部2を特定し、特定した全て第1クッション部2の最大厚み点から水平位置までの距離の平均値(第2端部側平均値)を算出する。最後に、第1端部側平均値と、第2端部側平均値と、を比較する。
【0025】
なお、他の実施形態として、エアベッド1の上面及び下面のうちの少なくとも一方の全面(シール部5及び第1クッション部2)に不織布6が設けられている場合において、第1クッション部2の外表面に設けられた不織布6の厚みより、複数個の第1クッション部2の間に位置するシール部5の外表面に設けられた不織布6の厚みが大きくてもよい。
複数個の第1クッション部2の間のシール部5、すなわち複数個の第1クッション部2の間の溝に位置する不織布6の厚みをより大きくするとで、溝付近の保温性を向上できるとともに、エアベッド1の長辺方向における外表面をより平坦にできるため、利用者はより快適にエアベッドを利用できる。
【0026】
(簡易エアベッド収納袋の説明)
本実施形態では、上述する簡易エアベッドを内部に収納する有底の収納袋の例を説明する。
図6は、簡易エアベッドが収納されている収納袋の斜視図である。
【0027】
収納袋10は、平面視において長辺と短辺とを有する長方形形状である。
収納袋10は、側面部11と、収納部12と、を備える。
側面部11は、収納される簡易エアベッドを取り囲む、収納袋10の本体部である。
収納部12は、側面部11に囲まれた空間である。
収納部12には、折り畳まれた簡易エアベッドが収納されている。
【0028】
側面部11は流体(本実施形態においては空気)を内部に充填可能な第2クッション部13を有する。なお、図6の第2クッション部13の内部には空気は充填されていない。
【0029】
図7は、第2クッション部の内部に空気が充填された収納袋の斜視図である。なお、図7で示す収納袋には簡易エアベッドは収納されていない。
第2クッション部13は、平面視における収納袋10の長辺方向(y軸方向)に延びている。すなわち、第2クッション部13は、収納袋10の長辺方向(y軸方向)を長辺とし、収納袋10の短辺方向(x軸方向)を短辺とする、長方形形状である。
第2クッション部13は収納袋10の側面部11の短辺方向に複数個並列して配置されている。
【0030】
第2クッション部13の内部に空気が充填されることで、第2クッション部13はクッションとしての機能を果たす。
具体的には、簡易エアベッドの上に、第2クッション部13の内部に空気を充填した収納袋10を配置させることで、簡易エアベッドの利用者は収納袋10を枕として利用できる。
【0031】
図8は、収納袋の展開図である。
収納袋10は、2枚の長方形のシートを材料として製造される。図8では2枚の長方形のシートを貼り合わせた(接合した)状態を図示している。なお、シートの材料はエアベッド1のシートの材料と同じであってもよい。
第2クッション部13は当該シート同士が接合していない部分であり、2枚のシート間の内部空間を意味する。すなわち、第2クッション部13を形成するように2枚のシート同士を接合している。なお、2枚のシート同士が接合している部分をシール部14とする。
【0032】
収納袋10は、貼り合わせた2枚のシートを、第2クッション部13が配列する方向に半分に折った後(点線B)、それぞれ対応するシール部14の破線で図示した縁部14A(収納部12の開口部に対応する縁部を除く)を接合することで、有底の収納袋10を製造できる。
【0033】
図6図7及び図8で示すとおり、収納袋10は、さらに、流入部15と、通過部16と、持手部17と、を備える。
流入部15は、収納部12の開口部付近のシール部14に設けられている。
流入部15から空気を第2クッション部13の内部に充填させることができる。
流入部15は、開口部と、開口部を塞ぐ蓋部と、を有する。
利用者は、蓋部を開口部から外して、開口部から空気を流入させることで、空気を第2クッション部13の内部に充填させることができる。
【0034】
通過部16は、隣り合う第2クッション部13の間のシール部14に設けられた空気が通過できる流路(空間)を意味する。通過部16を通じて、流入部15から流入した空気が各第2クッション部13に充填される。
【0035】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 :エアベッド
2 :第1クッション部
3 :流入部
4 :通過部
5 :シール部
6 :不織布
10 :収納袋
11 :側面部
12 :収納部
13 :第2クッション部
14 :シール部
14A :縁部
15 :流入部
16 :通過部
17 :持手部
B :折り返し線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8