(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060130
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】折り畳み情報通信体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B42D 15/02 20060101AFI20220407BHJP
B42D 15/08 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
B42D15/02 501E
B42D15/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020176347
(22)【出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005WA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】他人の情報の誤封入や誤配等の事故が起こらず、開封後は様々な形態で展開するため受取人の興味を引くと共に情報の確認や保管がしやすい折り畳み情報通信体の製造方法を提供する。
【解決手段】折り畳み情報通信体J1の製造方法は、情報通信体シートが印刷されたシートの疑似接着予定面に疑似接着媒体を形成する疑似接着媒体の形成工程と、シートに印刷された情報通信体シートの周囲の余白部分を切除する情報通信体シートの切り出し工程と、切り出された情報通信体シートの疑似接着予定面同士が対向するようにクロス折りする情報通信体シートの折り畳み工程と、折り畳まれた情報通信体シートの対向する疑似接着予定面同士を剥離可能に接着する情報通信体シートの接着工程と、接着が完了した情報通信体シートの任意の袋とじ状態の縁辺を切除して開放する縁辺の切除工程とからなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向の折り線を介して横方向に連接された2葉片からなる単位シートが横方向の折り線を介して縦方向に複数連接された情報通信体シートを、前記横方向の折り線から折り畳んだ後に縦方向の折り線から二つ折りすると共に折り畳みにより生じる対向面間が剥離可能に接着され、最終的に横方向の折り線により形成される袋とじ状態の縁辺が切除された折り畳み情報通信体の製造方法であって、
情報通信体シートが印刷されたシートの疑似接着予定面に疑似接着媒体を形成する疑似接着媒体の形成工程と、
シートに印刷された情報通信体シートの周囲の余白部分を切除する情報通信体シートの切り出し工程と、
切り出された情報通信体シートの疑似接着予定面同士が対向するようにクロス折りする情報通信体シートの折り畳み工程と、
折り畳まれた情報通信体シートの対向する疑似接着予定面同士を剥離可能に接着する情報通信体シートの接着工程と、
接着が完了した情報通信体シートの任意の袋とじ状態の縁辺を切除して開放する縁辺の切除工程とからなることを特徴とした折り畳み情報通信体の製造方法。
【請求項2】
横方向の折り線を介して縦方向に連接された複数葉片からなる単位シートが縦方向の折り線を介して横方向に2単位シートが連接された情報通信体シートを、前記横方向の折り線から折り畳んだ後に縦方向の折り線から二つ折りすると共に折り畳みにより生じる対向面間が剥離可能に接着され、最終的に縦方向の折り線により形成される袋とじ状態の縁辺が切除された折り畳み情報通信体の製造方法であって、
情報通信体シートが印刷されたシートの疑似接着予定面に疑似接着媒体を形成する疑似接着媒体の形成工程と、
シートに印刷された情報通信体シートの周囲の余白部分を切除する情報通信体シートの切り出し工程と、
切り出された情報通信体シートの疑似接着予定面同士が対向するようにクロス折りする情報通信体シートの折り畳み工程と、
折り畳まれた情報通信体シートの対向する疑似接着予定面同士を剥離可能に接着する情報通信体シートの接着工程と、
接着が完了した情報通信体シートの任意の袋とじ状態の縁辺を切除して開放する縁辺の切除工程とからなることを特徴とした折り畳み情報通信体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の葉片を折り畳み、剥離可能に一体化した折り畳み情報通信体とその製造方法に関する。詳しくは展開動作や内容の読取が容易で在ると共に保管も楽にでき、さらに個人情報のセキュリティー性に優れた折り畳み情報通信体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宣伝広告や案内状、パンフレット等の大量の情報を伝達する手段として、封筒に各種伝達物を印刷したシート等を折り畳み、封入封緘して郵送する方法が一般的である。しかし最近では個人情報の管理が重要となり、誤って他人の情報を記載したり、あて先を間違えて記載したために誤配したりする等の事故は極力避けなければならない。また多数の宣伝広告物や個別情報が記入されたシートを封入封緘する作業に掛かる多大な経費を削減したいところである。そのような状況下、例えば特開2000-43456号公報に記載される折り畳み封書用シートが提案されている。
【先行技術分野】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既述の引用文献に記載される折り畳み封書用シートは、一枚のシートにあて先を含めた一人分の個人情報全てを記載して折り畳み封書に仕上げるため、誤って他人の情報が混じることはない。また折り畳むことで自動的に封書になるため封入封緘の手間も省ける等の長所がある。しかし、突出した封緘片の特殊加工、封緘のための接着剤塗布加工、開封に際して封着片を引きちぎるための切取ミシン加工、接着部分が容易に剥離するための剥離剤塗布加工、二条のミシン目による開封手段等の複雑で手間が掛かる特殊加工が必要で、既述の長所があるにも関わらず割高についてしまう。
【0005】
また受取人の開封後は単純に平面に展開するだけで、今迄のチラシやパンフレットと何ら変わりなく文字や写真が羅列されており、そこには何の面白みもなく特別に訴求効果を発揮することは少ない。
【0006】
本発明の折り畳み情報通信体とその製造方法は、上記問題に鑑み、一枚のシートに情報を記載して折り畳み封書に仕上げるため、一つの封筒に各種情報が記載された複数のシートを封入する際に起こりがちな、他人の情報の誤封入や誤配等の事故が起こらず、開封後は様々な形態で展開するため受取人の興味を引くと共に情報の確認や保管がしやすい折り畳み情報通信体の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の折り畳み情報通信体の製造方法は、縦方向の折り線を介して横方向に連接された2葉片からなる単位シートが横方向の折り線を介して縦方向に複数連接された情報通信体シートを、前記横方向の折り線から折り畳んだ後に縦方向の折り線から二つ折りすると共に折り畳みにより生じる対向面間が剥離可能に接着され、最終的に横方向の折り線により形成される袋とじ状態の縁辺が切除された折り畳み情報通信体の製造方法であって、情報通信体シートが印刷されたシートの疑似接着予定面に疑似接着媒体を形成する疑似接着媒体の形成工程と、シートに印刷された情報通信体シートの周囲の余白部分を切除する情報通信体シートの切り出し工程と、切り出された情報通信体シートの疑似接着予定面同士が対向するようにクロス折りする情報通信体シートの折り畳み工程と、折り畳まれた情報通信体シートの対向する疑似接着予定面同士を剥離可能に接着する情報通信体シートの接着工程と、接着が完了した情報通信体シートの任意の袋とじ状態の縁辺を切除して開放する縁辺の切除工程とからなることを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の異なる態様の折り畳み情報通信体の製造方法は、横方向の折り線を介して縦方向に連接された複数葉片からなる単位シートが縦方向の折り線を介して横方向に2単位シートが連接された情報通信体シートを、前記横方向の折り線から折り畳んだ後に縦方向の折り線から二つ折りすると共に折り畳みにより生じる対向面間が剥離可能に接着され、最終的に縦方向の折り線により形成される袋とじ状態の縁辺が切除された折り畳み情報通信体の製造方法であって、情報通信体シートが印刷されたシートの疑似接着予定面に疑似接着媒体を形成する疑似接着媒体の形成工程と、シートに印刷された情報通信体シートの周囲の余白部分を切除する情報通信体シートの切り出し工程と、切り出された情報通信体シートの疑似接着予定面同士が対向するようにクロス折りする情報通信体シートの折り畳み工程と、折り畳まれた情報通信体シートの対向する疑似接着予定面同士を剥離可能に接着する情報通信体シートの接着工程と、接着が完了した情報通信体シートの任意の袋とじ状態の縁辺を切除して開放する縁辺の切除工程とからなることを特徴としている。
【0009】
本発明の折り畳み情報通信体に使用される資材は、例えば上質紙、マット紙、コート紙等の通常の用紙、合成紙、不織布或いは樹脂フィルムシート等を好適に使用することができる。
そして折り畳まれた対向面同士を剥離可能に接着、いわゆる疑似接着に使用する疑似接着媒体は、大きく以下の3種類に分けられる。
1)後糊方式
印刷後の用紙の疑似接着予定面に疑似接着性のUVニスを塗布して疑似接着性の被膜 を形成したもの。前記疑似接着性の被膜同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理 を施すと剥離可能に接着する。エマルジョン型の弱粘着剤を塗布するものもある。
2)先糊方式
印刷前の用紙の疑似接着予定面に、合成ゴム或いは天然ゴム等を主成分とした疑似接 着性の媒体を塗布して含侵させたもの。乾燥後に印刷・印字を行い、疑似接着予定面 同士を対向させて加圧処理を施すと剥離可能に接着する。
3)フィルム方式
印刷後の用紙の疑似接着予定面に疑似接着性のフィルムシートを被覆(ラミネート) して、前記疑似接着性のフィルムシート同士が対向するように折り合わせ、加熱或い は加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着する。なお、フィルム方式には対向する疑 似接着予定面に予め被覆しておいて、折り合わせた後に剥離可能に接着する全面貼り 方式と、折り畳んだ用紙の疑似接着予定面間に予め疑似接着している積層フィルムを 挟み込み、用紙とフィルム間を接着して剥離可能に一体化する挟み込み方式の二種類 がある。
何れの疑似接着媒体も疑似接着媒体同士が対向して加圧或いは加熱・加圧等の処理を 施さない限り剥離可能に接着することはなく、仮に疑似接着媒体以外の紙表面等を対 向させて前記処理を施したとしても接着することはない。
【0010】
本発明の折り畳み情報通信体は、最終的に切除する袋とじ状態の縁辺により大きく2種類の形態に分けられる。横方向の折り線で形成される袋とじ状態の縁辺を切除する場合、完成された折り畳み情報通信体を開封すると、新聞紙状態に重ね合わせて折り畳まれた単位シートに分割される。また折り畳み情報通信体を構成する情報通信体シートの縦方向の折り線で形成される袋とじ状態の縁辺を切除する場合、完成された折り畳み情報通信体を開封すると、全く同じ折り形態のシートに2分割される。前記何れの形態にするかは利用目的に合わせ効果等を考慮して選択すればよいのである。
【0011】
また本発明の折り畳み情報通信体で使用される情報通信体用シートは2種類ある。一つは縦方向の折り線で横方向に連接された2葉片を単位シートとして縦方向に連接される場合で、その際単位シートを形成する2葉片の横幅は同じでも異なっても構わず、上下に連接される数にも制限はない。またもう一つは横方向の折り線で縦方向に連接された複数葉片を単位シートとして横方向に2単位シートが連接される場合で、その際谷シートを形成する複数葉片の縦幅は同じでも異なっても構わない。
【0012】
上下に連接された単位シートは最初に横方向の折り線から折り畳まれる。その際の折り畳み形態に制限はなく、蛇腹折り、巻き折り、観音開き折り、それらの混合折り等が可能である。そして横方向からの折り畳みが完了した後に縦方向の折り線から大きく二つに折り畳まれるのである。その際の折り畳みは縁辺が重なるように折り畳んでも良く、或いは段差が生じるようにずらした状態に折り畳んでも構わない。
【発明の効果】
【0013】
本発明の折り畳み情報通信体は、その製造に際して全ての情報を記載した一枚のシートを折り畳み封書形態に仕上げるので、個人情報等を記載した複数の別体のシートをそれぞれ封入封緘する場合に起こる情報の漏洩(他人の情報の混入等)の重大な事故が起きない。
【0014】
また開封後新聞紙状態或いは2分割に分離して展開されるにも関わらず、情報を記載した一枚のシートを一連の折り畳み順序に従い製造されるため、頁の入れ違等の事故が起こらず、疑似接着媒体により一体化(封書化)が単純で容易なため、多種類の宣伝広告物を封筒に纏めて送付する際の、複雑で面倒な封入封緘作業に係る人件費や時間のロス等もなくなる。
【0015】
そして良好に密着した各単位シートは段差や非接着域を剥離の端緒として利用できるため、受取人は極めて容易に各単位シートを分離して内部の情報を確認することができる。
【0016】
さらに剥離展開後には2分割或いは新聞紙状態になるため受取人の興味を引き、情報の読取が容易で保管もしやすく至便である。
【0017】
また個人情報等が記載される疑似接着予定面(隠蔽面)のみならず全ての葉片面が強靭な疑似接着フィルムシート等からなる疑似接着媒体により被覆されるため、汚損や破損のみならず改竄の恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(A)は折り畳み情報通信体J1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図2】(A)は
図1(A)におけるア-ア線断面図、(B)はイ-イ線断面図である。
【
図3】折り畳み情報通信体J1の展開状態を示す斜視図である。
【
図4】(A)は情報通信体シートS1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図5】(A)は疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図6】(A)は横方向の折り線6から折り畳まれた情報通信体シートS1の表面図、(B)は(A)におけるウ-ウ線断面図である。
【
図7】(A)は
図6(A)におけるエ-エ線断面図、(B)はオ-オ線断面図である。
【
図8】(A)は上部縁辺を切除する前の情報通信体シートS1の平面図、(B)は(A)におけるカ-カ線断面図である。
【
図9】(A)は折り畳み情報通信体J2の表面図、(B)は裏面図である。
【
図10】(A)は
図9(A)におけるキ-キ線断面図、(B)はク-ク線断面図である。
【
図11】折り畳み情報通信体J2の展開状態を示す斜視図である。
【
図12】(A)は情報通信体シートS2の表面図、(B)は裏面図である。
【
図13】(A)は疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS2の表面図、(B)は裏面図である。
【
図14】(A)は横方向の折り線18、19から折り畳まれた情報通信体シートS2の表面図、(B)は(A)におけるケ-ケ線断面図である。
【
図15】(A)は
図14(A)におけるコ-コ線断面図、(B)はサ-サ線断面図である。
【
図16】(A)は上下縁辺を切除する前の情報通信体シートS2の平面図、(B)は(A)におけるシ-シ線断面図である。
【
図17】(A)は折り畳み情報通信体J3の表面図、(B)は裏面図である。
【
図18】(A)は
図17(A)におけるス-ス線断面図、(B)はセ-セ線断面図である。
【
図19】折り畳み情報通信体J3の展開状態を示す斜視図である。
【
図22】疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS3の表面図である。
【
図23】疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS3の裏面図である。
【
図24】(A)は横方向の折り線30、31及び32から折り畳まれた情報通信体シートS3の表面図、(B)は(A)におけるソ-ソ線断面図である。
【
図25】(A)は
図24(A)におけるタ-タ線断面図、(B)はチ-チ線断面図である。
【
図26】(A)は上下縁辺を切除する前の情報通信体シートS3の平面図、(B)は(A)におけるツ-ツ線断面図である。
【
図27】(A)は折り畳み情報通信体J4の表面図、(B)は裏面図である。
【
図28】(A)は
図27(A)におけるテ-テ線断面図、(B)はト-ト線断面図である。
【
図29】折り畳み情報通信体J4の展開状態を示す斜視図である。
【
図30】(A)は情報通信体シートS4の表面図、(B)は裏面図である。
【
図31】(A)は疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS4の表面図、(B)は裏面図である。
【
図32】(A)は横方向の折り線46から折り畳まれた情報通信体シートS4の表面図、(B)は(A)におけるナ-ナ線断面図である。
【
図33】(A)は
図32(A)におけるニ-ニ線断面図、(B)はヌ-ヌ線断面図である。
【
図34】(A)は右側縁辺を切除する前の情報通信体シートS4の平面図、(B)は(A)におけるネ-ネ線断面図である。
【
図35】(A)は折り畳み情報通信体J5の表面図、(B)は裏面図である。
【
図36】(A)は
図35(A)におけるノ-ノ線断面図、(B)はハ-ハ線断面図である。
【
図37】折り畳み情報通信体J5の展開状態を示す斜視図である。
【
図38】(A)は情報通信体シートS5の表面図、(B)は裏面図である。
【
図39】(A)は疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS5の表面図、(B)は裏面図である。
【
図40】(A)は横方向の折り線58、59から折り畳まれた情報通信体シートS5の表面図、(B)は(A)におけるヒ-ヒ線断面図である。
【
図41】(A)は
図40(A)におけるフ-フ線断面図、(B)はヘ-ヘ線断面図である。
【
図42】(A)は右側縁辺を切除する前の情報通信体シートS5の平面図、(B)は(A)におけるホ-ホ線断面図である。
【
図43】(A)は折り畳み情報通信体J6の表面図、(B)は裏面図である。
【
図44】(A)は
図43(A)におけるマ-マ線断面図、(B)はミ-ミ線断面図である。
【
図45】折り畳み情報通信体J6の展開状態を示す斜視図である。
【
図48】疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS6の表面図である。
【
図49】疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体シートS6の裏面図である。
【
図50】(A)は横方向の折り線70、71及び72から折り畳まれた情報通信体シートS6の表面図、(B)は(A)におけるム-ム線断面図である。
【
図51】(A)は
図50(A)におけるメ-メ線断面図、(B)はモ-モ線断面図である。
【
図52】(A)は右側縁辺を切除する前の情報通信体シートS6の平面図、(B)は(A)におけるヤ-ヤ線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
なお、本実施例では、疑似接着媒体として取り扱いが至便なフィルム方式(全面貼り方式)に沿って説明するが、他の構成の疑似接着フィルムシート、また他の疑似接着媒体を用いても構わない。
【実施例0020】
[折り畳み情報通信体J1]
本実施例の折り畳み情報通信体J1は
図1(A)、(B)及び
図2(A)、(B)に記載されるものであるが、その構成は断面図である
図2(A)に示すように、上から第三葉片3、第一葉片1、第二葉片2及び第四葉片4の順に重ね合わされると共に第三葉片3と第四葉片4及び第一葉片1と第二葉片2が折り線5を介して連接されている。そして
図2(A)及び
図3に示すように、第一葉片1と第二葉片2の連接葉片(単位シートt1)を第三葉片3と第四葉片4の連接葉片(単位シートt2)が、共通の折り線5をそれぞれ重ね合わせて挟み込むように折り込まれている。
【0021】
既述の構成の折り畳み情報通信体J1の受取人は、
図3に示すように折り畳まれて重ね合わされている各葉片の対向面間を、開封側縁辺に形成されている疑似接着フィルムシートGが被覆されていない非接着域を剥離の端緒として剥離し、単位シートt1と単位シートt2を新聞紙状態に分離する。そして内部に記載されている各種情報を透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して確認することができるのである。
なお本実施例の折り畳み情報通信体J1の構成をより分かりやすく説明するために、以下にその製造方法を記載する。
【0022】
[折り畳み情報通信体J1の製造方法]
本実施例の折り畳み情報通信体J1の製造方法に使用される情報通信体シートS1は
図4(A)及び(B)に示すように、横幅の関係が第一葉片1=第二葉片2の2葉片が縦方向の折り線5を介して横方向に連接された単位シートt1と、横幅の関係が同じ第三葉片3(=第一葉片1)=第四葉片4(=第二葉片2)の2葉片が折り線5を介して横方向に連接された単位シートt2が、横方向の折り線6を介して第一葉片1と第三葉片3及び第二葉片2と第四葉片4がそれぞれ接するように上下に連接されている。
【0023】
前記情報通信体シートS1は、フォーム印刷等で使用される連続シートに印刷されていても構わず、或いはオフセット印刷やデジタル印刷等で使用される枚葉シートに印刷されていても構わない。この点については以下の各実施例においても同様である。
【0024】
連続或いは枚葉シートに印刷された情報通信体シートS1は、例えば複数対のヒートローラからなるラミネータ等の公知の機械による被覆作業により、
図5(A)及び(B)に斜線で示すように表裏面の所定の箇所に疑似接着フィルムシートGが被覆される。
【0025】
情報通信体シートS1の表面には
図5(A)に斜線で示すように、疑似接着フィルムシートGが各葉片に被覆されている。即ち4葉片共に開封側縁辺に沿った非接着域を形成する部分を除いて略全面が被覆されている。また裏面には
図5(B)に斜線で示すように、4葉片共に開封側縁辺に沿った非接着域を形成する部分を除いて略全面に被覆されている。
【0026】
前記の通り各種フィルムシートが被覆された情報通信体シートS1は、例えば断裁機やスリッタ等の公知の切除手段を用いた第一の切除作業により、情報通信体シートS1が印刷された用紙の周囲の不要な余白部分が切除され
図5(A)及び(B)に示す状態に仕上げられる。
【0027】
次に情報通信体シートS1は、
図6(A)、(B)及び
図7(A)、(B)に示すように、公知の折り機により横方向の折り線6から第一葉片1と第三葉片3の裏面側及び第二葉片2と第四葉片4の裏面側が対向するように二つ折りに折り畳まれる。そして引き続き
図6(B)に示す縦方向の折り線5から、第一葉片1と第二葉片2に被覆されている疑似接着フィルムシートG同士が対向するよう矢印方向に二つ折りに折り畳まれ、
図8(A)及びその断面図(B)に示す状態に仕上げられるのである。前記折り畳み作業は例えば公知のクロス折り機等を使用して一連の作業で完了することが可能である。
なお本実施例では前記横方向の折り線6及び縦方向の折り線5に折り手段を形成することなく折り畳んでいるが、何れの折り線にも折りミシンや折り筋等の各種折り手段を形成しておいても構わない。この点に関しては以下の各実施例においても同様である。
【0028】
そして次に、例えば加圧ローラ等による加圧装置、或いはヒートローラやヒータパネルと加圧ローラの組み合わせからなる加熱・加圧装置等による接着作業により、対向する疑似接着フィルムシートG同士が接着され、折り畳まれた情報通信体シートS1の情報記載部分が剥離可能に接着される。
【0029】
なお上記各種作業で
図8(A)及び(B)に示す状態に仕上げられた情報通信体シートS1は、折り線6で折り畳まれている上側縁辺が袋とじ状態のため、開封に際して前記縁辺を切除して開放する必要がある。従って前記袋とじ状態の上側縁辺は、続く第2の切除作業で断裁機やスリッタ等の公知の切除装置により、二点鎖線で示すX-X線部分から切除され解放されるのである
【0030】
既述の、被覆作業、第一及び第二の切除作業、折り作業、接着作業等の各作業は、作業別に独立した公知の専用加工装置、例えば被覆作業はラミネータ、第一及び第二の切除作業は断裁機やスリッタ、折り作業は折り機、接着作業はシーラー機等を使用して作業すればよい。この点に関しては以下の各実施例においても同様である。
そして次に、例えば加圧ローラ等による加圧装置、或いはヒートローラやヒータパネルと加圧ローラの組み合わせからなる加熱・加圧装置等による接着作業により、対向する疑似接着フィルムシートG同士が接着され、折り畳まれた情報通信体シートS2の情報記載部分が剥離可能に接着される。