(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060136
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】タクシー情報処理方法、タクシー情報処理システム及びタクシー端末システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20220407BHJP
G07B 13/00 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
G06Q50/30
G07B13/00 H
G07B13/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021037493
(22)【出願日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2020167961
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】512200217
【氏名又は名称】株式会社Mobility Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】日浅 貴啓
(72)【発明者】
【氏名】松本 環
(72)【発明者】
【氏名】松島 由紘
(72)【発明者】
【氏名】吉川 紘史
(72)【発明者】
【氏名】木村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】谷本 晋一
(72)【発明者】
【氏名】青木 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 直
(72)【発明者】
【氏名】山本 直子
(72)【発明者】
【氏名】室津 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】足立 宏
(72)【発明者】
【氏名】久田 歩
(72)【発明者】
【氏名】松山 純也
(72)【発明者】
【氏名】高柳 翔
(72)【発明者】
【氏名】米山 隆貴
(72)【発明者】
【氏名】久利 龍義
(72)【発明者】
【氏名】華井 玲奈
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA19
3E127BA06
3E127CA31
3E127CA42
3E127CA48
3E127EA02
3E127EA21
3E127EA43
3E127EA46
3E127FB06
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】ユーザに安心感を与えることが期待できるタクシー情報処理方法、タクシー情報処理システム及びタクシー端末システムを提供する。
【解決手段】本実施の形態に係るタクシー情報処理方法は、タクシーに乗車することを希望するユーザの乗車希望地点及び目的地点に基づいて走行経路を決定し、決定した走行経路に基づいて前記タクシーの乗車に係る事前料金を確定し、決定した走行経路及び確定した事前料金を、前記ユーザが利用するユーザ端末装置及び前記タクシーの運転者が利用するタクシー端末装置に表示し、決定した走行経路をデータベースに記憶する。また、前記ユーザがタクシーに乗車している際に、前記タクシーに設けられた料金表示装置に、確定した事前料金を表示してもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクシーに乗車することを希望するユーザの乗車希望地点及び目的地点に基づいて走行経路を決定し、
決定した走行経路に基づいて前記タクシーの乗車に係る事前料金を確定し、
決定した走行経路及び確定した事前料金を、前記ユーザが利用するユーザ端末装置及び前記タクシーの運転者が利用するタクシー端末装置に表示し、
決定した走行経路をデータベースに記憶する
タクシー情報処理方法。
【請求項2】
前記ユーザがタクシーに乗車している際に、前記タクシーに設けられた料金表示装置に、走行距離に応じて逐次的に加算される料金を表示せず、確定した前記事前料金を表示する、
請求項1に記載のタクシー情報処理方法。
【請求項3】
決定した走行経路と、前記タクシーが実際に走行した実走行経路とを対応付けて前記データベースに記憶する、
請求項1又は請求項2に記載のタクシー情報処理方法。
【請求項4】
前記ユーザが有する割引クーポンに係る情報を取得し、
取得した割引クーポンに係る情報及び決定した走行経路に基づいて事前料金を確定する、
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載のタクシー情報処理方法。
【請求項5】
前記タクシーにて障害者割引に係る情報を取得し、
取得した障害者割引に係る情報に基づいて確定した前記事前料金に障害者割引を適用した決済料金を算出する、
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載のタクシー情報処理方法。
【請求項6】
確定した事前料金に基づいて決済料金を算出し、
前記タクシーの後部に設けられた情報表示装置に、算出した前記決済料金を表示する、
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載のタクシー情報処理方法。
【請求項7】
タクシーの運営会社毎の料金算出基準を記憶しておき、
ユーザの前記乗車希望地点に応じて配車するタクシーの運営会社を決定し、
決定した運営会社の料金算出基準に基づいて、前記事前料金を確定する、
請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載のタクシー情報処理方法。
【請求項8】
タクシーの運営会社毎の料金算出基準を記憶しておき、
記憶した前記料金算出基準に基づいて、複数の運営会社について事前料金を算出し、
算出した複数の事前料金からの選択を受け付け、
選択を受け付けた事前料金に確定する、
請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載のタクシー情報処理方法。
【請求項9】
算出した事前料金が同額の運営会社をグループ化した事前料金の選択肢を出力し、
前記選択肢には、グループに含まれる運営会社を識別する情報を付し、
前記選択肢の選択に基づいて事前料金の選択を受け付ける、
請求項8に記載のタクシー情報処理方法。
【請求項10】
複数の走行経路の選択肢を出力し、
前記選択肢には、複数の運営会社について算出した複数の事前料金の最小値及び最大値を付し、
前記選択肢の選択に基づいて走行経路の選択を受け付ける、
請求項8又は請求項9に記載のタクシー情報処理方法。
【請求項11】
前記ユーザがタクシーに乗車した後、決定した走行経路の変更依頼を受け付けた場合に、確定した前記事前料金の決済処理を行う、
請求項1から請求項10までのいずれか1つに記載のタクシー情報処理方法。
【請求項12】
前記事前料金が確定した後からユーザがタクシーに乗車するまでの間に、前記タクシーの前記タクシー端末装置から配車のキャンセルを受け付けた場合に、前記ユーザの前記ユーザ端末装置へキャンセルを通知する、
請求項1から請求項11までのいずれか1つに記載のタクシー情報処理方法。
【請求項13】
タクシーに乗車することを希望するユーザの乗車希望地点及び目的地点に係る情報の入力を受け付ける受付部を有するユーザ端末装置と、
前記ユーザ端末装置が受け付けた前記乗車希望地点及び前記目的地点に係る情報に基づいてタクシーの走行経路を決定する走行経路決定部、並びに、決定した走行経路に基づいて前記タクシーの乗車に係る事前料金を確定する事前料金確定部を有するサーバ装置と、
タクシーの運転者が利用するタクシー端末装置と
を備え、
前記ユーザ端末装置及び前記タクシー端末装置は、前記サーバ装置が決定した走行経路及び確定した事前料金を表示部に表示する表示処理部をそれぞれ有し、
前記サーバ装置は、決定した走行経路をデータベースに記憶する処理を行う記憶処理部を有する、
タクシー情報処理システム。
【請求項14】
タクシーに乗車することを希望するユーザの乗車希望地点及び目的地点に基づいて決定した走行経路及び確定した事前料金を表示部に表示する表示処理部を有するタクシー端末装置と、
タクシーに設けられて、前記ユーザが前記タクシーに乗車している際に、確定した事前料金を表示する料金表示装置と、
前記タクシーの後部に設けられて、前記事前料金に基づいて算出された決済料金を表示する情報表示装置と
を備える、タクシー端末システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーの料金の算出又は決済等に係る処理を行うタクシー情報処理方法、タクシー情報処理システム及びタクシー端末システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーを利用した料金は、タクシーの走行距離及び走行時間等に基づいて算出されていた。ユーザがタクシーを利用する場合には、タクシーの走行に伴って料金が増加していき、タクシーが目的地に到着した時点で料金が確定し、確定した料金をユーザがタクシーの運転者に対して支払っていた。タクシーの料金の支払いには、現金の他に、クレジットカード又は電子マネー等を利用した支払が行われ得る。
【0003】
特許文献1においては、クレジットカード決済端末を必要としないカードレス決済システムが提案されている。このカードレス決済システムでは、顧客がカード決済を事業者に希望した場合、事業者は事業者端末に決済金額と顧客端末の電話番号を入力し、運営業者サーバに送信して決済依頼を行う。運営業者サーバは承認用情報を顧客端末に送信し、承認用情報に間違いがないと顧客が判断した場合、顧客端末から中間業者サーバに決済依頼を行う。中間業者サーバは、カード会社サーバに請求依頼を行い、カード会社サーバからの決済結果を受信して、その決済結果を運営業者サーバに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のタクシーの利用では、タクシーが目的地に到着するまで、ユーザは支払わなければならない料金が分らないため、ユーザが不安を感じる場合がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ユーザに安心感を与えることが期待できるタクシー情報処理方法、タクシー情報処理システム及びタクシー端末システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るタクシー情報処理方法は、タクシーに乗車することを希望するユーザの乗車希望地点及び目的地点に基づいて走行経路を決定し、決定した走行経路に基づいて前記タクシーの乗車に係る事前料金を確定し、決定した走行経路及び確定した事前料金を、前記ユーザが利用するユーザ端末装置及び前記タクシーの運転者が利用するタクシー端末装置に表示し、決定した走行経路をデータベースに記憶する。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態による場合は、ユーザに安心感を与えることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図32】実施の形態2の配車アプリサーバ装置の処理フロー
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係るタクシー情報処理システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
<実施の形態1>
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係るタクシー情報処理システムの概要を説明するための模式図である。本実施の形態に係るタクシー情報処理システムは、配車アプリサーバ装置11と、一又は複数のタクシー2に設けられたタクシー端末システム20と、一又は複数のユーザ3が利用するユーザ端末装置31とを含んで構成されている。なお本実施の形態に係るタクシー情報処理システムは、複数のタクシー2及び複数のユーザ3に対して同時的、並列的に処理を行うことができるが、
図1においては1台のタクシー2と1人のユーザ3のみを図示している。
【0012】
本実施の形態に係るタクシー情報処理システムの配車アプリサーバ装置11は、例えばインターネット等のネットワークを介して、タクシー会社が管理運営する情報処理装置13、及び、決済会社が管理運営する決済サーバ装置14等の外部の装置との間で通信を行うことができる。配車アプリサーバ装置11は、情報処理装置13及び決済サーバ装置14等の装置との協働により、タクシーの配車処理及びタクシー料金の算出処理等を行っている。なお本実施の形態において配車アプリサーバ装置11は1つの装置とするが、これに限るものではなく、配車アプリサーバ装置11は複数の装置の協働により実現されるものであってよい。また配車アプリサーバ装置11は、情報処理装置13及び決済サーバ装置14が行う処理の一部又は全部を行う構成であってよい。
【0013】
本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、ユーザ3がユーザ端末装置31を利用してタクシー2の配車を依頼することができる。このときにユーザ3は、ユーザ端末装置31を利用して、タクシー2の乗車希望地点及び目的地点(降車地点)を指定することができる。なお乗車希望地点がユーザ3の現在地点である場合、ユーザは目的地点を指定し、乗車希望地点はGPS(Global Positioning System)等から得られる位置情報に基づいて決定され得る。ユーザによるタクシーの配車依頼は、例えば携帯電話通信網、無線LAN(Local Area Network)及びインターネット等のネットワークを介して、ユーザ端末装置31から配車アプリサーバ装置11へ送信される。
【0014】
配車アプリサーバ装置11は、ユーザ3による乗車希望地点及び目的地点に基づいてタクシー2の走行経路を決定すると共に、この走行経路をタクシー2が走行した場合の料金を算出する。本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、配車アプリサーバ装置11が算出したこの料金が事前料金として確定され、タクシー2を利用したユーザ3はこの事前料金を支払うことになる。配車アプリサーバ装置11が決定した走行経路及び確定した事前料金の情報は、配車アプリサーバ装置11からユーザ端末装置31へ送信されてユーザ3に提示される。このときに配車アプリサーバ装置11は、複数の走行経路及び事前料金の情報を候補として送信してよく、ユーザ3は複数の候補から所望の1つを選択してもよい。また配車アプリサーバ装置11は、ユーザ3が料金の割引クーポン券等を保有している場合、この割引を適用した事前料金を算出してよい。
【0015】
なお本実施の形態においては、タクシー情報処理システムにて予め確定される金額を「事前料金」と呼ぶが、これは一例であって、例えば「事前確定運賃」、「事前運賃」、「確定運賃」、「事前確定料金」又は「確定料金」等の種々の名称で呼ばれ得る。「事前料金」にはタクシーの走行に関する運賃を含み、これ以外の例えば高速料金、迎車料金又は駐車場料金等の料金は「事前料金」に含まれていなくてもよく、含まれていてもよい。高速料金等の料金が「事前料金」に含まれていない場合、予め確定された「事前料金」に高速料金等の料金を加えた金額が、乗客が最終的に支払う金額となる。
【0016】
ユーザ3がユーザ端末装置31に提示された走行経路及び事前料金を承認する操作を行うことで、タクシー2の配車が実施される。ユーザ3による承認の操作はユーザ端末装置31から配車アプリサーバ装置11へ与えられ、これに応じて配車アプリサーバ装置11は、このユーザ3に対して配車するタクシー2を決定する処理を行う。配車アプリサーバ装置11は、複数のタクシー2についてその位置及び乗客の有無等の情報を管理し、複数のタクシー2の中から要求に適した1つのタクシー2を選択する。例えば配車アプリサーバ装置11は、ユーザ3の乗車希望地点の近くに位置するタクシー2に対して、決定した走行経路及び確定した事前料金の情報を送信して、配車を依頼する。
【0017】
本実施の形態においてタクシー2に設けられるタクシー端末システム20は、タクシー端末装置21、料金メーター22及び乗客用端末装置23等の装置を含んで構成されている。タクシー端末装置21は、タクシー2の運転者が利用する端末装置であり、配車アプリサーバ装置11からの配車依頼を受信して走行経路及び事前料金の情報を表示して、運転者から配車依頼を受諾するか否かの選択を受け付ける。配車依頼が受諾された場合、タクシー端末装置21から配車アプリサーバ装置11へその旨が通知され、更に配車アプリサーバ装置11からユーザ端末装置31にその旨が通知される。これにより、ユーザ3及びタクシー2の間での配車の予約が成立し、タクシー2はユーザ3の乗車希望地点へ向かい、ユーザ3を乗車させた後で目的地点へと向かう。
【0018】
なお、例えばタクシー2がユーザ3の乗車希望地点に向かう途中で故障又は事故等が発生し、乗車希望地点へ向かうことができなくなった場合、タクシー2の運転者は配車のキャンセルをタクシー端末装置21にて行うことができる。キャンセルの操作を受け付けたタクシー端末装置21は配車アプリサーバ装置11にキャンセルを通知し、配車アプリサーバ装置11はユーザ端末装置31にキャンセルを通知する。その後、配車アプリサーバ装置11は別のタクシー2の配車を試みてもよい。
【0019】
タクシー端末システム20の料金メーター22は、例えばタクシー2のインストルメントパネル又はその付近、タクシー2の後部座席に座るユーザ3から視認可能な位置に配置される。料金メーター22はタクシー2を利用したユーザが支払う料金を表示する装置であり、通常のタクシー2の利用においては走行距離及び走行時間等に応じて料金は加算されていく。本実施の形態において、上述のように事前料金が確定されている場合、料金メーター22は事前料金を表示し、表示された事前料金は増減されない。
【0020】
タクシー2が目的地点に到着した後、ユーザ3は確定されていた事前料金の支払(決済)を行う。本実施の形態において事前料金の支払いには、タクシー情報処理システムに対して予め登録されたクレジットカードを利用する方法、又は、QR(Quick Response)コード(登録商標)もしくはバーコード等を介した支払方法等が採用され得る。ただし、現金支払い又は電子マネー等による支払方法が採用されてもよい。決済処理においては、タクシー端末システム20の乗客用端末装置23に、料金メーター22に表示された事前料金と同じ金額の料金が、ユーザ3が支払うべき決済料金として表示されると共に、例えばユーザ名及びクレジットカードの情報等が表示される。乗客用端末装置23は、例えばタクシー2の運転席の背面に設けられ、後部座席に座るユーザに対して決済情報及び広告情報等の種々の情報表示を行う装置であり、タブレット型端末装置等が用いられる。乗客用端末装置23は、表示した決済料金の支払いを承認する操作をユーザ3から受け付けた場合に、その旨をタクシー端末装置21及び配車アプリサーバ装置11等を介して決済サーバ装置14へ通知する。決済サーバ装置14は、決済会社が管理運営する装置であり、配車アプリサーバ装置11からの支払の通知に応じて、ユーザ3のタクシー料金の決済処理を行う。
【0021】
本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、配車アプリサーバ装置11が確定した事前料金は、その後のタクシー2の利用によって変更されることはない。ただし、例えば障害者割引等のように、証明書等をタクシー2の運転者に提示しなければ適用されない割引については、事前料金に適用することができないため、決済処理の段階で事前料金に対して割引が適用され、事前料金が変更されることがあり得る。この場合、タクシー2の運転者は、ユーザの証明書を確認した後、例えば料金メーター22又はタクシー端末装置21にて割引適用の操作を行う。この操作に応じて乗客用端末装置23には事前料金に対して割引を適用した決済料金が表示され、割引が適用された決済料金での決済が行われる。
【0022】
また本実施の形態においては、例えばタクシー2が走行した有料道路の料金、又は、タクシー2が利用した駐車場の料金等は、事前料金には含まれない。このような追加の料金が発生した場合には、事前料金が変更され得る。この場合、タクシー2の運転者は、例えばタクシー端末装置21を操作して追加料金を入力する。この操作に応じて乗客用端末装置23には、事前料金に対して追加料金が加算された決済料金が表示され、この決済料金での決済が行われる。
【0023】
また、ユーザ3がタクシー2に乗車し、タクシー2が走行を開始した後でユーザ3が目的地点の変更を希望した場合、本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、タクシー2の実際の走行距離及び走行時間等に関わらず、その時点で事前料金の決済処理が行われる。その後、ユーザ3は、別の目的地点まで、走行距離及び走行時間等に応じて料金が加算される通常の料金方式でタクシー2を利用してもよく、新たに事前料金を確定させてタクシー2を利用してもよい。
【0024】
また本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、配車アプリサーバ装置11がタクシー2に関する情報を配車履歴DB(データベース)に記憶して蓄積している。配車アプリサーバ装置11は、ユーザ3がタクシー2に乗車する前に決定した走行経路及び確定した事前料金を、ユーザ3を識別するユーザID、タクシー2を識別するタクシーID及び日時等の情報に対応付けて、配車履歴DBに記憶する。またタクシー端末装置21はGPSの信号を受信する受信機を有し、GPSの信号に基づいてタクシー2の実際の走行経路を取得することができる。配車アプリサーバ装置11は、タクシー端末装置21から実際のタクシー2の走行経路を取得して、事前に決定した走行経路と共に配車履歴DBに記憶する。配車履歴DBに記憶されたこれらの情報は、例えば後の苦情への対応、走行経路の決定処理の改善又は自動運転処理の改善等に用いられ得る。
【0025】
<装置構成>
図2は、本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11は、処理部111、記憶部(ストレージ)112、通信部(トランシーバ)113、表示部(ディスプレイ)114及び操作部115等を備えて構成されている。処理部111は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部111は、記憶部112に記憶されたサーバプログラム112aを読み出して実行することにより、タクシーの走行経路を決定する処理及びタクシーの事前料金を算出する処理等の種々の処理を行う。
【0026】
記憶部112は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部112は、処理部111が実行する各種のプログラム、及び、処理部111の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部112は、処理部111が実行するサーバプログラム112aを記憶していると共に、種々の情報を記憶する複数のデータベースが設けられている。記憶部112に設けられるデータベースには、例えばタクシーの事前料金を算出するための料金算出DB112b、本システムを利用するユーザに関する情報を記憶するユーザDB112c、本システムにて配車対象となるタクシーに関する情報を記憶するタクシーDB112d、ユーザからのタクシー配車に対する注文を管理する注文管理DB112e、及び、タクシーの運行に係る情報を記憶する配車履歴DB12が含まれる。
【0027】
本実施の形態においてサーバプログラム112aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録された態様で提供され、配車アプリサーバ装置11は記録媒体99からサーバプログラム112aを読み出して記憶部112に記憶する。ただし、サーバプログラム112aは、例えば配車アプリサーバ装置11の製造段階において記憶部112に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム112aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものを配車アプリサーバ装置11が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム112aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出して配車アプリサーバ装置11の記憶部112に書き込んでもよい。サーバプログラム112aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0028】
図3は、料金算出DB112bの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る料金算出DB112bは、「会社ID」、「地域」、「初乗り運賃」、「初乗り距離」、「加算単位」、「加算運賃」及び「係数」等の情報が対応付けて記憶されたテーブルである。なお本実施の形態においては、下記の(1)式を用いて配車アプリサーバ装置11がタクシーの事前料金を算出するものとし、この(1)式に代入すべき値が料金算出DB112bに予め記憶されている。ユーザが割引クーポン等を使用する場合には、(1)式にて算出される事前料金に対して割引を適用したものが、最終的な事前料金とされる。なお、事前料金の算出式及び料金算出DB112bに記憶された値は一例であって、これに限るものではない。
【0029】
事前料金={初乗り運賃+(走行距離-初乗り距離)/加算単位×加算運賃}×係数 …(1)
【0030】
料金算出DB112bの「会社ID」は、タクシーの運営会社を識別する識別情報であり、図示の例では「会社A」及び「会社B」等のIDが記憶されている。「地域」は、運営会社毎の担当地域を示す情報であり、図示の例では「a県」及び「b県」等の地域が記憶されている。本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、複数の運営会社が運営するタクシーが配車対象となり、運営会社毎に担当する地域が予め定められているものとする。担当地域の一部又は全部が重複する複数の運営会社が存在してもよい。図示の例では県毎に担当地域が定められているが、例えば市、区、町又は村毎であってもよく、また例えば緯度及び経度等の複数の座標を組み合わせて地域を特定した情報であってもよい。
【0031】
「初乗り運賃」は、タクシーを利用したユーザが支払う最低料金であり、図示の例では「400円」及び「500円」等の料金が記憶されている。「初乗り距離」は、「初乗り運賃」でタクシーが走行する距離であり、図示の例では「1500m」及び「1800m」等の距離が記憶されている。「加算単位」は、タクシーが「初乗り距離」を走行した後、料金を加算する距離であり、図示の例では「200m」及び「180m」等の距離が記憶されている。「加算運賃」は、「加算単位」の走行により加算される料金であり、図示の例では「100円」及び「85円」等の距離が記憶されている。
【0032】
「係数」は、事前料金に対して最終的な調整を行うための値である。本実施の形態において「係数」は、例えば「月曜0時台」、「月曜1時台」、「月曜2時台」、…、「月曜23時台」、「火曜0時台」、…、「日曜23時台」のように、曜日及び時間帯毎に予め定められ、「1.2」、「1.1」、「1.5」、「1.4」等の数値が料金算出DB112bには記憶される。料金算出DB112bの「初乗り運賃」、「初乗り距離」、「加算単位」、「加算運賃」及び「係数」は、事前料金の算出式である(1)式を定める情報である。
【0033】
料金算出DB112bは、予め作成されて配車アプリサーバ装置11の記憶部112に記憶される。料金算出DB112bは、例えば新規の運営会社の参入又は料金改定等が行われた場合等の適宜のタイミングで、情報の修正又は追加等が行われてもよい。
【0034】
図4は、ユーザDB112cの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係るユーザDB112cは、「ユーザID」、「ユーザ名」、「電話番号」、「メールアドレス」、「決済情報」及び「所有クーポン」等の情報が対応付けて記憶されたデータベースである。なおユーザDB112cに記憶される情報の多くは、例えば本システムの利用を開始する際、例えばユーザ端末装置31にタクシー配車用のアプリケーションプログラム(アプリ)をインストールする際等に、ユーザが登録する情報である。ユーザDB112cは、例えばユーザが新規登録を行った場合又は登録情報の修正を行った場合等に、配車アプリサーバ装置11により修正又は追加等が行われる。
【0035】
ユーザDB112cの「ユーザID」は、ユーザに対して一意に付される識別情報であり、図示の例では「ユーザ001」、「ユーザ002」及び「ユーザ003」等のIDが記憶されている。「ユーザID」は、ユーザが自ら決定してもよく、例えば配車アプリサーバ装置11が自動的に決定してもよい。「ユーザ名」、「電話番号」及び「メールアドレス」は、各ユーザの個人情報であり、本図においては「…」と略示されている。
【0036】
本実施の形態に係るユーザDB112cは、1人のユーザについて複数の「決済情報」が登録可能であり、本図では「決済情報1」、「決済情報2」、「…」と示されている。「決済情報」は、ユーザがタクシーの料金を支払う際に利用する決済の方法に関する情報であり、図示の例では「クレジットカード」及び「電子マネー」等の情報が記憶されている。なおこれら「クレジットカード」及び「電子マネー」等は略示であり、実際には例えばクレジットカードの番号及び有効期限等のような決済処理に必要な情報が記憶される。
【0037】
また本実施の形態においては、1人のユーザが複数のクーポンを所有することができる。ユーザDB112cには1人のユーザに複数の「所有クーポン」の情報を記憶することができ、本図では「所有クーポン1」、「所有クーポン2」、「…」と示されている。「所有クーポン」は、ユーザが所有しているクーポンに関する情報であり、図示の例では「10%割引」、「100円割引」及び「なし」等の情報が記憶されている。なお
図4に示したユーザDB112cの構成及び記憶される情報等は、一例であって、これに限るものではない。
【0038】
図5は、タクシーDB112dの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係るタクシーDB112dは、「タクシーID」、「会社ID」、「運転者」、「現在位置」及び「タリフ状態」等の情報が対応付けて記憶されたデータベースである。「タクシーID」は、タクシーに対して一意に付される識別情報であり、図示の例では管理対象のタクシーに付されたタクシーIDとして「タクシーA01」、「タクシーA02」及び「タクシーB01」等の情報が記憶されている。「会社ID」は、タクシーの運営会社を識別する識別情報であり、図示の例では「会社A」及び「会社B」等のIDが記憶されている。「運転者」は、タクシーの運転者に関する情報であり、例えば運転者の名前及び電話番号等の情報が含まれ得る。「タクシーID」、「会社ID」及び「運転者」等の情報は、例えばタクシーの追加又は削減等に応じて、適宜に修正及び追加等がなされる。
【0039】
タクシーDB112dの「現在位置」は、GPSに基づくタクシーの現在位置の情報であり、本図においては「…」と略示されているが、実際には緯度及び経度等の座標情報が記憶される。「タリフ状態」は、タクシーの状態を示す情報であり、例えば「空車」、「賃走」、「迎車」等の情報が記憶される。配車アプリサーバ装置11は周期的にタクシー2のタクシー端末装置21との通信を行い、タクシー2の現在位置及び状態等の情報を取得してタクシーDB112dに記憶する。
【0040】
図6は、注文管理DB112eの一構成例を示す模式図である。注文管理DB112eは、配車アプリサーバ装置11がユーザ端末装置31から受け付けたタクシーの配車の注文に関する情報を記憶するデータベースである。本実施の形態に係る注文管理DB112eは、「日時」、「ユーザID」、「タクシーID」、「事前走行経路」、「事前料金」、「乗車予約時刻」、「乗車予約位置」、「降車予約位置」及び「予約番号」等の情報が対応付けて記憶されたデータベースである。
【0041】
注文管理DB112eの「日時」は、ユーザがタクシーの配車を注文した日時であり、図示の例では「2020/1/20 11:12」及び「2020/1/20 11:26」等の情報が記憶されている。「ユーザID」は、タクシーを利用したユーザのIDであり、図示の例では「ユーザ123」及び「ユーザ054」等の情報が記憶されている。「タクシーID」は、タクシーに対して一意に付される識別情報であり、図示の例ではユーザが利用したタクシーのタクシーIDとして「タクシーA33」及び「タクシーD21」等の情報が記憶されている。
【0042】
「事前走行経路」は、ユーザが入力した乗車希望地点及び目的地点に基づいて配車アプリサーバ装置11が決定したタクシーの走行経路に関する情報である。また配車アプリサーバ装置11が複数の走行経路を候補としてユーザに提示する場合には、「事前走行経路」にはユーザが選択した1つの走行経路の情報が記憶される。なお本図においては走行経路の情報が「…」と略示されているが、実際には例えば乗車希望地点から目的地点までを結ぶ複数の座標情報又はベクトル情報等として経路の情報が記憶される。「事前料金」は、配車アプリサーバ装置11が算出して確定したタクシーの利用料金であり、図示の例では「1234円」及び「3210円」等の情報が記憶されている。配車アプリサーバ装置11は、事前走行経路に基づいてタクシーの走行距離を算出し、
図3に示した料金算出DB112bの情報と、上述の(1)式とを用いることによって、事前料金を算出する。
【0043】
「乗車予約時刻」は、ユーザがタクシーに乗車することを希望する日時に関する情報である。図示の例では「2020/1/20 11:20」及び「2020/1/20 13:00」等の情報が記憶されている。「乗車予約位置」は、ユーザがタクシーに乗車することを希望する乗車希望地点である。「降車予約位置」は、ユーザがタクシーから降車することを希望する目的地点である。なお本図においては「乗車予約位置」及び「降車予約位置」の情報が「…」と略示されているが、実際には地点を示す座標情報、例えば緯度及び経度の情報がそれぞれ記憶される。
【0044】
「予約番号」は、ユーザの配車依頼に対して一意に付される識別情報である。配車アプリサーバ装置11は、例えばユーザによるタクシーの配車依頼と、これに対するタクシーからの依頼の受諾とを受け付けた場合に、「予約番号」を生成して注文管理DB112eに記憶する。図示の例では、「予約番号」として「予約134」及び「予約135」等の識別情報が記憶されている。
【0045】
配車アプリサーバ装置11は、例えばユーザがタクシーの配車を依頼した際、事前走行経路を決定した際、事前料金が確定した際、又は、タクシーにて依頼が受諾された際等の種々のタイミングで、注文管理DB112eに対する情報の追加及び修正等を行う。
【0046】
また
図6において図示は省略するが、注文管理DB112eには例えば、支払方法、利用されたクーポン、事前料金の解除の有無、乗車日時、降車日時、及び、決済料金等の情報が記憶されてもよい。
【0047】
図7は、配車履歴DB12の一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る配車履歴DB12は、「予約番号」、「日時」、「ユーザID」、「タクシーID」、「実際走行経路」、「決済料金」、「実際乗車時刻」、「実際乗車位置」、「実際降車位置」、「取消有無」、「支払方法」、「クーポン」及び「割引」等の情報が対応付けて記憶されたデータベースである。
【0048】
「予約番号」は、ユーザの配車依頼に対して一意に付される識別情報である。注文管理DB112eに記憶された情報と、配車履歴DB12に記憶された情報とは、「予約番号」により紐付けされている。「日時」は、例えばユーザがタクシーの配車を依頼した日時等の情報であり、図示の例では「2020/1/20 11:12」及び「2020/1/20 11:26」等の情報が記憶されている。「ユーザID」は、タクシーを利用したユーザのIDであり、図示の例では「ユーザ123」及び「ユーザ054」等の情報が記憶されている。「タクシーID」は、タクシーに対して一意に付される識別情報であり、図示の例ではユーザが利用したタクシーのタクシーIDとして「タクシーA33」及び「タクシーD21」等の情報が記憶されている。
【0049】
「実際走行経路」は、ユーザを乗せたタクシーが実際に走行した走行経路に関する情報である。本図においては走行経路の情報を「…」と略示しているが、「実際走行経路」はタクシー端末装置21から送信されるタクシーの現在位置の座標情報の集合とすることができる。「決済料金」は、タクシーの利用後にユーザが最終的に支払った(決済した)料金であり、図示の例では「1234円」及び「3210円」等の情報が記憶されている。なお基本的には、「事前料金」と「決済料金」とは同じ金額であるが、例えば障害者割引等の割引が事前料金の確定後に適用される場合、及び、有料道路の料金等が加算される場合等には、「事前料金」と「決済料金」とが異なる金額になる可能性がある。
【0050】
「実際乗車時刻」は、タクシーにユーザが乗車した時刻に関する情報である。例えばタクシーにユーザが乗車し、運転者がタクシーを迎車状態から賃走状態へ変更する操作をタクシー端末装置21又は料金メーター22にて行った場合に、タクシー端末装置21から配車アプリサーバ装置11へ乗車時刻が通知され、この通知に応じて配車アプリサーバ装置11が配車履歴DB12の「実際乗車時刻」に情報を記憶することができる。「実際乗車位置」は、タクシーにユーザが実際に乗車した位置である。「実際降車位置」は、タクシーからユーザが実際に降車した位置である。配車アプリサーバ装置11は、タクシー端末装置21から得られるタクシーの状態情報及び位置情報等に基づいて、「実際乗車位置」及び「実際降車位置」の情報を配車履歴DB12に記憶する。本図においては「実際乗車位置」及び「実際降車位置」の情報を「…」と略示しているが、実際には地点を示す座標情報、例えば緯度及び経度の情報がそれぞれ記憶される。また上述の「実際走行経路」から「実際乗車位置」及び「実際降車位置」の情報を取得できる場合には、配車履歴DB12には「実際乗車位置」及び「実際降車位置」の項目を含まなくてよい。
【0051】
「取消有無」は、事前に確定した「事前料金」及び「事前走行経路」に対するユーザによる取り消しの有無を示す情報である。図示の例では、取り消しが行われていないことを示す「無」の情報が記憶されている。例えばユーザが目的地を変更した場合等に、「事前料金」及び「事前走行経路」が取り消しとなり、「取消有無」に「有」の情報が記憶される。
【0052】
「支払方法」は、ユーザが料金の支払いに利用した方法に関する情報である。図示の例では、クレジットカードによる支払いをユーザが行ったことを示す「クレジット」の情報が記憶されている。「クーポン」は、ユーザが料金に対して使用したクーポンの内容に関する情報である。図示の例では、料金から100円を割り引く「100円割引」の情報と、クーポンが使用されなかったことを示す「無」の情報とが記憶されている。なお本実施の形態においては、クーポンによる割引等は「事前料金」に反映されているものとする。「割引」は、例えば障害者割引等のように、ユーザがタクシーに乗車した後で適用される割り引きに関する情報であり、割り引きの適用がなされた場合に「有」の情報が記憶され、割り引きの適用がなされていない場合に「無」の情報が記憶される。
【0053】
配車アプリサーバ装置11は、例えばユーザがタクシーの配車を依頼した際、ユーザがタクシーに乗車した際、タクシーが目的地点に到着した際、又は、料金の決済処理が行われた際等の種々のタイミングで、配車履歴DB12に対する情報の追加及び修正等を行う。
【0054】
配車アプリサーバ装置11の通信部113は、社内LAN(Local Area Network)、無線LAN又はインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部113は、ネットワークNを介して、情報処理装置13、決済サーバ装置14、タクシー端末装置21及びユーザ端末装置31等との間で通信を行う。通信部113は、処理部111から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部111へ与える。
【0055】
表示部114は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部111の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部115は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部111へ通知する。例えば操作部115は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであり、これらの入力デバイスは配車アプリサーバ装置11に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。また例えば操作部115は、表示部114の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付けてもよい。
【0056】
なお記憶部112は、配車アプリサーバ装置11に接続された外部記憶装置であってよい。また配車アプリサーバ装置11は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また配車アプリサーバ装置11は、表示部114及び操作部115等のユーザインタフェースを備えていなくてもよく、この場合には例えば別の端末装置を介して管理者等が配車アプリサーバ装置11の操作を行う構成としてよい。
【0057】
また本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11の処理部111には、記憶部112に記憶されたサーバプログラム112aを処理部111が読み出して実行することにより、経路処理部111a、注文処理部111b、事前料金処理部111c、配車処理部111d、決済処理部111e、配車履歴処理部111f及び表示処理部111g等がソフトウェア的な機能部として実現される。
【0058】
経路処理部111aは、ユーザが入力した乗車希望地点及び目的地点に基づいて、タクシーが走行すべき走行経路を決定する処理を行う。走行経路の決定方法は、既存のカーナビゲーションシステムによる走行経路の決定方法と同様のものを採用することができるため、詳細な説明は省略する。経路処理部111aは、乗車希望地点から目的地点までに至る複数の走行経路を候補として作成し、複数の候補をユーザ端末装置31へ送信してユーザから走行経路の選択を受け付ける。経路処理部111aは、ユーザにより選択された1つの走行経路を、タクシーが走行すべき事前走行経路として決定する。ただし、複数の走行経路を作成することが不可能である場合には、経路処理部111aが作成する走行経路が1つであってもよい。
【0059】
注文処理部111bは、ユーザ端末装置31との間で情報の送受信を行うことにより、ユーザからのタクシーの配車注文を受け付ける処理を行う。注文処理部111bは、ユーザ端末装置31を介してユーザから乗車希望地点及び目的地点等の情報を取得する。注文処理部111bは、取得した情報を記憶部112の注文管理DB112eに記憶する。
【0060】
事前料金処理部111cは、経路処理部111aが決定したタクシーの走行経路と、記憶部112に記憶された料金算出DB112bの情報とに基づいて、タクシーの利用によりユーザが支払うべき事前料金を算出する処理を行う。なお経路処理部111aは複数の走行経路を候補としてユーザに提示するため、事前料金処理部111cは各候補について事前料金を算出してユーザに事前料金の候補を提示する。事前料金を算出する際に、事前料金処理部111cは、例えばユーザの乗車希望地点に基づいて、タクシーを配車する運営会社を決定する。事前料金処理部111cは、決定した運営会社について初乗り運賃及び加算運賃等の情報を料金算出DB112bから取得して、取得したこれらの情報を上述の(1)式へ代入する。また事前料金処理部111cは、経路処理部111aが決定した走行経路に基づいてタクシーの走行距離を算出し、算出した距離を上述の(1)式へ代入する。これにより事前料金処理部111cは、(1)式にて事前料金を算出することができる。事前料金処理部111cは、算出した事前料金をユーザに対して提示し、この事前料金に対してユーザが承認の操作を行った場合等に事前料金を確定させる。事前料金が確定されることにより、ユーザは料金の変更を行うことができなくなる。
【0061】
配車処理部111dは、事前料金処理部111cが事前料金を確定した後、依頼者のユーザに対してタクシーを配車する処理を行う。配車処理部111dは、記憶部112のタクシーDB112dを参照して、例えば空車状態であり、且つ、現在位置がユーザの乗車希望地点に近いタクシーを選択し、選択したタクシーのタクシー端末装置21へ配車を依頼する。このタクシーのタクシー端末装置21は、配車の依頼を受けた旨を運転者へ通知し、この依頼を受諾するか否かの選択操作を運転者から受け付ける。依頼を受諾する選択がなされた場合、配車処理部111dは、配車依頼を行ったユーザのユーザ端末装置31へ、配車依頼が受諾された旨を通知する。この通知に基づいてユーザ端末装置31は、配車依頼が受諾された旨を表示部314に表示する。これによりタクシー及びユーザの間でタクシー利用の予約が成立し、タクシーは乗車希望地点へ向かってユーザを乗せ、決定された走行経路に従って目的地までユーザを運ぶ。配車の依頼が受諾されなかった場合、配車処理部111dは、別のタクシーを選択して配車の依頼を行う。また配車処理部111dは、例えば配車依頼から所定時間内にタクシーの運転者から応答が得られない場合等に、この配車依頼に対する応答を待たずに、別のタクシーへ配車依頼を行ってもよい。
【0062】
また配車処理部111dは、配車依頼を受諾したタクシー2からのキャンセルに係る処理を行う。本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、タクシーの運転者は、例えば事故又は故障等の様々な要因により、ユーザが指定した乗車希望地点へ向かうことが困難となった場合等に、配車依頼の受諾をキャンセルすることができる。タクシー端末装置21はキャンセルの操作を運転者から受け付けた場合に、キャンセルを配車アプリサーバ装置11へ通知する。キャンセルの通知を受信した配車アプリサーバ装置11の配車処理部111dは、キャンセルされた配車依頼に係るユーザのユーザ端末装置31へ、キャンセルを通知する。キャンセルの通知を受信したユーザ端末装置31は、配車依頼がキャンセルされた旨を表示部314に表示する。これによりユーザ及びタクシーの間で一旦成立した予約が取り消される。その後にユーザは、新たな配車依頼を行ってよい。
【0063】
決済処理部111eは、タクシー端末装置21と決済サーバ装置14との情報授受を中継することによって、タクシーを利用したユーザとの間で料金の決済処理を行う。決済処理部111eは、タクシー端末装置21から決済料金、決済方法及びその他の決済に必要な情報を取得し、決済会社が管理運営する決済サーバ装置14へ決済処理を行うことを依頼する。この依頼に応じて決済サーバ装置14は、このユーザについてタクシー利用の料金を決済する処理を行い、決済処理の完了を配車アプリサーバ装置11へ通知する。決済処理部111eは、決済サーバ装置14から決済処理の完了を通知された場合に、この通知をタクシー端末装置21へ送信する。
【0064】
配車履歴処理部111fは、ユーザによるタクシーの利用に関する一連の流れの中で得られる情報を記憶部112の注文管理DB112e又は配車履歴DB12に記憶する処理を行う。配車履歴処理部111fは、例えば走行経路及び事前料金に対してユーザが承認する操作をユーザ端末装置31にて行った際に、その時の日時情報及びユーザID等の情報を注文管理DB112e又は配車履歴DB12に記憶する。また配車履歴処理部111fは、例えば配車依頼を受諾する操作をタクシーの運転者がタクシー端末装置21にて行った際に、このタクシーのタクシーIDを注文管理DB112e又は配車履歴DB12に記憶する。また配車履歴処理部111fは、例えば乗客を乗せたタクシーから位置情報を周期的に取得し、取得した位置情報を実際走行経路として記憶する。また配車履歴処理部111fは、例えばタクシーが目的地点に到着して料金の決済が完了した際に、決済料金を記憶する。なお配車履歴処理部111fによる情報の記憶タイミング及び記憶する情報の内容等は一例であって、これに限るものではない。
【0065】
表示処理部111gは、注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶された種々の情報を表示部114に表示する処理を行う。表示処理部111gは、例えば日時及びタクシーID等の指定を操作部115にて受け付け、指定された日時及びタクシーID等に対応する情報を注文管理DB112e及び配車履歴DB12から読み出す。読み出した情報に基づいて表示処理部111gは、例えば表示部314に地図画像を表示し、この地図画像に重ねて事前走行経路と実走行経路とを表示することができる。また表示処理部111gは、これらの走行経路と共に、事前料金と決済料金とを表示してもよい。注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶された情報の表示は、どのような態様で行われてもよい。また本実施の形態において配車アプリサーバ装置11は、自身の表示部314に配車履歴DB12に記憶された情報の表示を行うものとするが、これに限るものではなく、ネットワークを介した通信により他の装置の表示部に情報を表示してもよい。
【0066】
図8は、本実施の形態に係るユーザ端末装置31の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るユーザ端末装置31は、例えばスマートフォン又はタブレット型端末装置等の可搬型の情報処理装置である。ユーザ端末装置31は、処理部311、記憶部(ストレージ)312、通信部(トランシーバ)313、表示部(ディスプレイ)314、操作部315及びGPS受信部316等を備えて構成されている。処理部311は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM、及び、RAM等を用いて構成されている。処理部311は、記憶部312に記憶されたプログラム312aを読み出して実行することにより、タクシーの配車依頼等に係る種々の処理を行う。
【0067】
記憶部312は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部312は、処理部311が実行する各種のプログラム、及び、処理部311の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部312は、処理部311が実行するプログラム312aと、ユーザ端末装置31の所有者であるユーザに対して付されたユーザID312bとを記憶している。
【0068】
本実施の形態に係るプログラム312aは、タクシーの利用するためのアプリケーションプログラム(アプリ)である。本実施の形態においてプログラム312aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これをユーザ端末装置31が通信にて取得し、記憶部312に記憶する。ただしプログラム312aは、例えばユーザ端末装置31の製造段階において記憶部312に書き込まれてもよい。例えばプログラム312aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体に記録されたプログラム312aをユーザ端末装置31が読み出して記憶部312に記憶してもよい。例えばプログラム312aは、記録媒体に記録されたものを書込装置が読み出してユーザ端末装置31の記憶部312に書き込んでもよい。プログラム312aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体に記録された態様で提供されてもよい。
【0069】
ユーザID312bは、ユーザ端末装置31の所有者のユーザを一意に識別する識別子であり、例えばユーザがプログラム312aをユーザ端末装置31にダウンロードした際又はダウンロードしたプログラム312aを初めて利用する際等に決定され、記憶部312に記憶される。ユーザID312bは、例えば本実施の形態に係るタクシー情報処理システムについて専用のIDであってもよく、また例えばユーザのメールアドレス等の汎用のIDであってもよい。
【0070】
通信部313は、公衆の携帯電話通信網及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部313は、ネットワークNを介して配車アプリサーバ装置11との通信を行う。通信部313は、処理部311から与えられたデータを配車アプリサーバ装置11へ送信すると共に、配車アプリサーバ装置11から受信したデータを処理部311へ与える。
【0071】
表示部314は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部311の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部315は、例えば機械式のボタン又は表示部314の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部311へ通知する。GPS受信部316は、GPSの人工衛星から送信される電波を受信し、受信した電波に含まれる情報を処理部311へ与える。処理部311は、GPS受信部316から与えられた情報に基づいて、ユーザ端末装置31の位置(例えば緯度及び経度)を特定する処理を行うことができる。
【0072】
また本実施の形態に係るユーザ端末装置31は、記憶部312に記憶されたプログラム312aを処理部311が読み出して実行することにより、表示処理部311a、配車依頼部311b及び承認受付部311c等がソフトウェア的な機能部として処理部311に実現される。表示処理部311aは、タクシーの配車に関する種々の画面を表示部314に表示する処理を行う。例えば表示処理部311aは、メニュー画面、乗車希望地点及び目的地点の入力画面、タクシーの走行経路及び事前料金に関する情報を提示する画面、及び、タクシーの配車依頼の完了画面等の種々の画面表示を行う。これらの画面表示を行うための画像データ等は、プログラム312aと共に記憶部312に記憶されている。
【0073】
配車依頼部311bは、タクシーの配車依頼に関する処理を行う。配車依頼部311bは、表示処理部311aにより表示された入力画面にて、ユーザから乗車希望地点及び目的地点の指定を受け付ける。配車依頼部311bは、受け付けた乗車希望地点及び目的地点の情報と、記憶部312に記憶されたユーザID312bとを含むタクシーの配車依頼を配車アプリサーバ装置11へ送信する。なお乗車希望地点は、例えばGPS受信部316にて受信するGPS信号に基づく現在位置であってもよく、また例えば特定の場所又は施設等をユーザが指定したものであってもよい。配車アプリサーバ装置11は、この配車依頼と共に与えられた乗車希望地点及び目的地点に応じてタクシーの走行経路の決定及び事前料金の算出を行う。
【0074】
承認受付部311cは、タクシーの配車依頼に応じて決定されるタクシーの走行経路及び事前料金に対するユーザの承認を受け付ける処理を行う。配車アプリサーバ装置11が配車依頼に応じて決定したタクシーの走行経路及び事前料金に関する情報はユーザ端末装置31にて受信され、表示処理部311aにより表示部314に表示される。承認受付部311cは、表示されたタクシーの走行経路及び事前料金に対するユーザの承認を操作部315にて受け付け、承認を配車アプリサーバ装置11へ通知する。また配車アプリサーバ装置11が複数の走行経路及び事前料金を候補として作成している場合、表示部314には複数の候補が表示され、承認受付部311cは複数の候補の中から1つの走行経路及び事前料金の選択を受け付け、選択された走行経路及び事前料金が承認されたものとして配車アプリサーバ装置11への通知を行う。なお、走行経路及び事前料金を承認しない旨の操作がユーザにより行われた場合、承認受付部311cはタクシーの配車依頼のキャンセルを配車アプリサーバ装置11へ通知する。なおユーザが事前の走行経路及び事前料金を承認しない場合、通常の料金算出(タクシーメーターを利用した走行距離に応じた料金の算出)によるタクシーの配車依頼を行うことが可能な構成であってもよい。
【0075】
図9は、本実施の形態に係る決済サーバ装置14の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る決済サーバ装置14は、処理部141、記憶部(ストレージ)142及び通信部(トランシーバ)143等を備えて構成されている。処理部141は、CPU、MPU又はGPU等の演算処理装置、ROM及び等を用いて構成されている。処理部141は、記憶部142に記憶されたサーバプログラム142aを読み出して実行することにより、ユーザによるタクシーの利用料金の決済処理に関連する種々の処理を行う。
【0076】
記憶部142は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部142は、処理部141が実行する各種のプログラム、及び、処理部141の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部142は、処理部141が実行するサーバプログラム142aを記憶している。また記憶部142には、決済処理に必要な情報を記憶した決済DB142bが設けられている。
【0077】
本実施の形態においてサーバプログラム142aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体98に記録された態様で提供され、決済サーバ装置14は記録媒体98からサーバプログラム142aを読み出して記憶部142に記憶する。ただし、サーバプログラム142aは、例えば決済サーバ装置14の製造段階において記憶部142に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム142aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものを決済サーバ装置14が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム142aは、記録媒体98に記録されたものを書込装置が読み出して決済サーバ装置14の記憶部142に書き込んでもよい。サーバプログラム142aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体98に記録された態様で提供されてもよい。
【0078】
図10は、決済DB142bの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る決済DB142bは、「クレジットカードID」、「有効期限」、「残高」及び「限度額」等の情報が対応付けて記憶されたデータベースである。「クレジットカードID」は、クレジットカードに対して付された識別情報であり、いわゆるカード番号であってよい。「有効期限」は、クレジットカードを使用することができる期限の情報である。「残高」及び「限度額」は、クレジットカードの使用制限に関する情報であり、例えば1ヶ月に30万円まで等の「限度額」が設定され、この限度額に対して使用済みの金額を引いた値が「残高」となる。
【0079】
決済サーバ装置14の通信部143は、社内LAN、無線LAN又はインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部143は、ネットワークNを介して、配車アプリサーバ装置11等との間で通信を行う。通信部143は、処理部141から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部141へ与える。
【0080】
なお記憶部142は、決済サーバ装置14に接続された外部記憶装置であってよい。また決済サーバ装置14は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また決済サーバ装置14は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける操作部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0081】
また本実施の形態に係る決済サーバ装置14の処理部141には、記憶部142に記憶されたサーバプログラム142aを処理部141が読み出して実行することにより、確認処理部141a及び決済処理部141b等がソフトウェア的な機能部として実現される。確認処理部141aは、配車アプリサーバ装置11からの決済依頼に応じて、タクシーを利用したユーザによる料金の決済に必要な情報を確認する処理を行う。確認処理部141aは、例えば配車アプリサーバ装置11から決済依頼と共に与えられるクレジットカードID及び決済料金等の情報を取得し、記憶部142の決済DB142bを参照して取得した情報の正否及び決済の可否等を確認する。決済処理部141bは、確認処理部141aにより決済が可能と判断された場合に、ユーザによるタクシーの利用料金を、登録されたクレジットカードにより決済する処理を行う。
【0082】
図11は、本実施の形態に係るタクシー端末装置21の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るタクシー端末装置21は、例えばタクシー2の運転席近傍に固定された装置であってもよく、また例えばスマートフォン又はタブレット型端末装置等のように運転者が持ち運ぶことが可能な装置であってもよい。タクシー端末装置21は、処理部211、記憶部(ストレージ)212、通信部(トランシーバ)213、表示部(ディスプレイ)214、操作部215及びGPS受信部216等を備えて構成されている。処理部211は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM、及び、RAM等を用いて構成されている。処理部211は、記憶部212に記憶されたプログラム212aを読み出して実行することにより、ユーザからの配車依頼の受諾及び受諾した配車依頼のキャンセル等に係る種々の処理を行う。
【0083】
記憶部212は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部212は、処理部211が実行する各種のプログラム、及び、処理部211の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部212は、処理部211が実行するプログラム212aと、タクシー2に対して付されたタクシーID212bとを記憶している。
【0084】
本実施の形態においてプログラム212aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これをタクシー端末装置21が通信にて取得し、記憶部212に記憶する。ただしプログラム212aは、例えばタクシー端末装置21の製造段階において記憶部212に書き込まれてもよい。例えばプログラム212aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体に記録されたプログラム212aをタクシー端末装置21が読み出して記憶部212に記憶してもよい。例えばプログラム212aは、記録媒体に記録されたものを書込装置が読み出してタクシー端末装置21の記憶部212に書き込んでもよい。プログラム212aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体に記録された態様で提供されてもよい。
【0085】
タクシーID212bは、タクシー2を一意に識別する識別子であり、タクシー2を管理する運営会社等により予め決定され、記憶部212に記憶される。なお本実施の形態においては、タクシー2に対して付された識別子をタクシーID212bとして用いるものとするが、例えばタクシー2の運転者に対して付された識別子をタクシーID212bとして用いてもよい。
【0086】
通信部213は、公衆の携帯電話通信網及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部213は、外部に設けられた配車アプリサーバ装置11との通信を行うと共に、タクシー2に設けられた料金メーター22及び乗客用端末装置23との間で通信を行う。なお通信部213は、配車アプリサーバ装置11との通信と、料金メーター22及び乗客用端末装置23との通信とを異なる通信プロトコルに従って行ってよい。例えば通信部213は、公衆の携帯電話通信網を介した通信により配車アプリサーバ装置11との通信を行う。また例えば通信部213は、タクシー2内に配された通信線を介した有線通信、又は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信により料金メーター22及び乗客用端末装置23との通信を行う。
【0087】
表示部214は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部211の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部215は、例えば機械式のボタン又は表示部214の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスにより運転者の操作を受け付け、受け付けた操作を処理部211へ通知する。GPS受信部216は、GPSの人工衛星から送信される電波を受信し、受信した電波に含まれる情報を処理部211へ与える。処理部211は、GPS受信部216から与えられた情報に基づいて、タクシー端末装置21の位置(例えば緯度及び経度)を特定する処理を行うことができる。また通信部213は、配車アプリサーバ装置11と、料金メーター22及び乗客用端末装置23との間で通信を中継する。
【0088】
また本実施の形態に係るタクシー端末装置21は、記憶部212に記憶されたプログラム212aを処理部211が読み出して実行することにより、表示処理部211a、受諾受付部211b及びキャンセル受付部211c等がソフトウェア的な機能部として処理部211に実現される。表示処理部211aは、タクシー2の配車依頼に関する種々の画面を表示部214に表示する処理を行う。例えば表示処理部211aは、メニュー画面、ユーザからの配車依頼に係る走行経路及び事前料金の情報を提示する画面、及び、配車依頼の受諾又はキャンセル等の操作を受け付ける画面等の種々の画面表示を行う。これらの画面表示を行うための画像データ等は、プログラム212aと共に記憶部212に記憶されている。
【0089】
また表示処理部211aは、タクシー2に設けられた料金メーター22及び乗客用端末装置23との間で通信部213による通信を行うことにより、料金メーター22及び乗客用端末装置23に種々の表示を行わせる。表示処理部211aは、例えば確定した事前料金に関する情報を料金メーター22へ送信することにより、料金メーター22に事前料金を表示させる処理を行う。また表示処理部211aは、例えばタクシー2が目的地に到着した後で決済料金に関する情報を乗客用端末装置23へ送信することにより、乗客用端末装置23に決済料金を表示させる処理を行う。
【0090】
受諾受付部211bは、ユーザからの配車依頼の受諾に係る操作を受け付ける処理を行う。配車アプリサーバ装置11からユーザの配車依頼を受信したタクシー端末装置21の表示処理部211aは、配車依頼に関する詳細情報、即ちユーザの乗車希望地点及び目的地点、決定した走行経路並びに確定した事前料金等の情報を表示部214に表示する。受諾受付部211bは、これらの情報が表示されている際に、この配車依頼を受諾するか否かの選択を操作部215にて運転者から受け付ける。受諾受付部211bは、配車依頼を受諾するか否かの選択結果を、配車アプリサーバ装置11へ通知する。
【0091】
キャンセル受付部211cは、受諾した配車依頼に対するキャンセルの操作を受け付ける処理を行う。受諾受付部211bが配車依頼を受諾した後、表示処理部211aは、例えばユーザの乗車希望地点等の情報を表示部214に表示して、タクシー2を乗車希望地点へ向かわせるよう運転者に促す。この状態において、キャンセル受付部211cは、配車依頼に対するキャンセルの操作を受け付ける。キャンセルの操作を受け付けた場合、キャンセル受付部211cは、配車アプリサーバ装置11へ配車依頼のキャンセルを通知する。
【0092】
図12は、本実施の形態に係る料金メーター22及び乗客用端末装置23の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る料金メーター22は、例えばタクシー2の運転席近傍に搭載された装置であり、タクシー2の利用に対する料金を表示する装置である。料金メーター22は、処理部221、通信部(トランシーバ)222、表示部(ディスプレイ)223及び操作部224等を備えて構成されている。
【0093】
処理部221は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM、及び、RAM等を用いて構成されている。処理部221は、料金の表示及び運転者の操作受付等に係る種々の処理を行う。また図示は省略するが、料金メーター22には、タクシー2に搭載されたセンサ等が接続されており、センサが計測する走行距離等に応じてタクシー2の料金を算出する処理を行うことができる。
【0094】
通信部222は、タクシー2内に配された通信線を介した有線通信、又は、Bluetooth等の無線通信により、タクシー端末装置21及び乗客用端末装置23との通信を行う。表示部223は、液晶パネル等を用いて構成されており、処理部221の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部224は、例えば機械式のボタン等の入力デバイスにより運転者の操作を受け付け、受け付けた操作を処理部221へ通知する。
【0095】
本実施の形態において料金メーター22は、事前料金が確定されない通常の運行の場合には、走行距離及び時間等に応じて加算される料金を表示部223に表示する。料金メーター22は、事前料金が確定されている場合には、走行距離及び時間等に応じて加算される料金を表示せず、事前に確定されている事前料金を表示部223に表示する。事前料金を表示する場合、料金メーター22は、例えば通信部222を介してタクシー端末装置21との情報授受を行うことにより、事前料金が確定されているか否か、及び、確定されている事前料金を判断することができる。事前料金を表示する場合に、料金メーター22は、走行距離及び時間等に応じた料金の算出を行ってもよく、行わなくてもよい。
【0096】
操作部224には、例えば事前料金及び通常料金のいずれを表示するかの切り替え操作を受け付けるスイッチ、目的地点に到着した後に決済処理を開始するためのボタン、並びに、障害者割引等の割引を適用するためのボタン等が設けられている。決済処理の開始操作に応じて乗客用端末装置23には決済料金が表示され、割引のボタン操作に応じて割引が適用され、乗客用端末装置23に表示される決済料金が更新される。
【0097】
本実施の形態に係る乗客用端末装置23は、タクシー2の後部座席に座るユーザが視認可能な個所に搭載される端末装置である。乗客用端末装置23は、タクシー2に固定して設けられる装置であってもよく、タブレット端末装置等のように可搬型の装置であってもよい。本実施の形態において乗客用端末装置23は、タクシー2の運転席の背面に設けられる。乗客用端末装置23は、処理部(プロセッサ)231、通信部(トランシーバ)232、表示部(ディスプレイ)233及び操作部234等を備えて構成されている。
【0098】
処理部231は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM、及び、RAM等を用いて構成されている。処理部231は、タクシーを利用したユーザに対する料金の表示、この料金の決済に必要な操作の受け付け、及び、受け付けた操作に応じた決済処理の実施等の種々の処理を行う。
【0099】
通信部232は、タクシー2内に配された通信線を介した有線通信、又は、Bluetooth等の無線通信により、タクシー端末装置21及び料金メーター22との通信を行う。表示部233は、液晶パネル等を用いて構成されており、処理部231の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部234は、例えば表示部233の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部231へ通知する。
【0100】
また乗客用端末装置23は、ユーザがタクシー2に乗車した後、目的地点にタクシー2が到着する間、例えば広告等の画像表示を表示部233に行ってもよい。タクシー2が目的地に到着した後、乗客用端末装置23は、タクシー端末装置21又は料金メーター22から与えられる決済料金の情報に基づいて、決済料金の表示を行う。乗客用端末装置23が表示する決済料金は、事前に確定された事前料金、又は、走行距離及び時間等に応じて算出された料金のいずれかであり、これらの料金に対して障害者割引等の割引が適用された場合には、割引後の決済料金に表示を更新する。決済料金を表示した後、乗客用端末装置23は、決済処理に対する承認の操作をユーザから受け付ける。承認の操作を受け付けた場合、乗客用端末装置23は、その旨をタクシー端末装置21を介して配車アプリサーバ装置11へ送信する。
【0101】
タクシー2が目的地点に到着して乗客用端末装置23に決済料金が表示され、この決済料金の支払いの承認がユーザから得られた場合に、決済サーバ装置14は決済処理を行う。決済の承認を得た乗客用端末装置23はその旨をタクシー端末装置21を介して配車アプリサーバ装置11へ通知する。配車アプリサーバ装置11は、決済処理を行うユーザのユーザIDと、ユーザDB112cの「決済情報」に記憶された情報とを決済サーバ装置14へ送信する。決済サーバ装置14は、配車アプリサーバ装置11から受信した情報に基づいて、クレジットカード及び電子マネー等による決済処理を行う。
【0102】
<タクシー料金処理>
図13は、本実施の形態に係るタクシー情報処理システムによる配車の依頼から確定までの処理を説明するための模式図である。なお本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、配車を依頼するユーザはユーザ端末装置31にプログラム312aをダウンロードすると共に、本システムを利用するための手続き(例えば利用規約への同意及び個人情報の登録等)を予め行っておく必要がある。以下では、これらの手続は完了しているものとして説明を行い、これらの手続の詳細については説明を省略する。
【0103】
タクシーの利用を希望するユーザは、自身のユーザ端末装置31にてプログラム312aを起動し、例えばメニュー画面から配車依頼の項目を選択する。ユーザ端末装置31は、タクシーを利用する乗車希望地点及び目的地点を指定するための画面を表示部314に表示し、ユーザから乗車希望地点及び目的地点の入力を受け付ける。なお乗車希望地点は現在位置が初期値として設定されており、ユーザがこれを変更しない場合には、GPS受信部316にて受信したGPS信号に基づく現在位置が乗車希望地点として受け付けられる。目的地点は、例えば場所又は建物等の名称に基づいて検索した結果を入力として受け付けてもよく、また例えば住所又は郵便番号等を入力として受け付けてもよく、また例えば地図上の一点を指定する入力として受け付けてもよく、これら以外の方法で入力を受け付けてもよい。乗車希望地点についても、現在位置以外を指定する場合には、目的地点と同様の方法で入力がなされてよい。ユーザ端末装置31は、入力された乗車希望地点及び目的地点と、このユーザのユーザID312bとを含む配車依頼のメッセージを、配車アプリサーバ装置11へ送信する。
【0104】
ユーザ端末装置31から配車依頼のメッセージを受信した配車アプリサーバ装置11は、配車依頼のメッセージに含まれる乗車希望地点及び目的地点に基づいて、ユーザに対してタクシーを配車するタクシー会社を決定する。配車アプリサーバ装置11は、例えば配車依頼のメッセージに含まれる乗車希望地点と、
図3に示した料金算出DB112bの「地域」の情報とを比較することによって、乗車希望地点にタクシーを配車することが可能なタクシー会社を選択する。
【0105】
次いで配車アプリサーバ装置11は、配車依頼のメッセージに含まれる乗車希望地点及び目的地点に基づいて、タクシーの走行経路を決定する。また配車アプリサーバ装置11は、決定した走行経路と、記憶部112の料金算出DB112bとに基づいて、タクシーの利用に係る事前料金を算出する。なお配車アプリサーバ装置11は、複数の走行経路及び事前料金を候補としてユーザに提示することが好ましい。配車アプリサーバ装置11は、例えば有料道路を利用する走行経路と利用しない走行経路との2つの走行経路を候補として決定してもよい。なお本実施の形態においては、有料道路を利用する場合の料金は事前料金に含まれないものとするが、これに限るものではなく、有料道路の料金を事前料金に含めてもよい。また配車アプリサーバ装置11は、配車依頼のメッセージに含まれるユーザIDに基づいて記憶部112のユーザDB112cを参照し、このユーザが割引のクーポン等を所有している場合には、このクーポンに関する情報を取得して、取得したクーポンの割引を適用した事前料金を算出する。配車アプリサーバ装置11は、決定した走行経路及び算出した事前料金の情報を含むメッセージを、依頼元のユーザのユーザ端末装置31へ送信する。
【0106】
配車アプリサーバ装置11からのメッセージを受信したユーザ端末装置31は、このメッセージに含まれる走行経路及び事前料金の情報を表示部314に表示して、この走行経路及び事前料金に対する承認の操作をユーザから受け付ける。このときに、走行経路及び事前料金の候補が複数ある場合、ユーザ端末装置31は、複数の候補について情報を表示し、これらの候補の中から1つを選択する操作をユーザから受け付け、選択された候補の走行経路及び事前料金に対する承認の操作をユーザから受け付ける。
【0107】
図14は、ユーザ端末装置31が表示する配車依頼画面の一例を示す模式図である。図示の配車依頼画面は、配車アプリサーバ装置11から走行経路及び事前料金の候補としてルート1及びルート2の2つの候補がユーザ端末装置31へ与えられた場合を想定したものである。ユーザ端末装置31は、表示部314に地図画像を表示すると共に、この地図画像に2つの走行経路の候補をルート1及びルート2として重ねて表示する。なお本図においては、乗車希望地点を「S」で示し、目的地点を「G」で示し、走行経路の第1候補であるルート1を実線で示し、第2候補であるルート2を破線で示している。
【0108】
配車依頼画面において地図画像の下方の領域には、2つの候補に関する情報が左右に分けて表示されている。本例では、左側領域に「ルート1」の情報が表示され、右側領域に「ルート2」の情報が表示されている。左側領域には、「ルート1」の文字列と、この文字列の下方に、算出された事前料金を示す「事前料金11200円」の文字列と、更にその下方に「配車を依頼する」のラベルが付されたボタンとが表示されている。また右側領域には、「ルート2」の文字列と、この文字列の下方に「事前料金13000円」の文字列と、更にその下方に「配車を依頼する」のラベルが付されたボタンとが表示されている。配車依頼画面の最下部に左右に並べて設けられた2つの「配車を依頼する」ボタンのいずれか一方に対するタッチ操作等を行うことで、ユーザは提示された2つのルートのいずれかを選択することができる。
【0109】
ユーザ端末装置31は、2つの「配車を依頼する」のボタンのいずれかに対するタッチ操作を受け付けた場合に、対応するルートについて、走行経路及び事前料金に対するユーザの承認がなされたものとし、走行経路及び事前料金が承認された旨を通知するメッセージを配車アプリサーバ装置11へ送信する。なお本図に示す配車依頼画面は、提示された走行経路及び事前料金を承認しない操作を受け付けることを想定していないが、例えば提示された走行経路及び事前料金を拒否して、料金メーターを利用した料金での配車を依頼する操作を受け付けることが可能な構成としてもよい。
【0110】
ユーザ端末装置31から走行経路及び事前料金の承認するメッセージを受信した配車アプリサーバ装置11は、記憶部112のタクシーDB112dに登録された複数のタクシーの中から、例えば空車状態であり、且つ、乗車希望地点に最も近い位置に存在するタクシーを選択する。配車アプリサーバ装置11は、選択したタクシーのタクシー端末装置21へ、走行経路及び事前料金の情報と、依頼者であるユーザに関する情報とを含む配車依頼のメッセージを送信する。
【0111】
配車アプリサーバ装置11から配車依頼のメッセージを受信したタクシー端末装置21は、このメッセージに含まれる走行経路及び事前料金の情報を表示部214に表示して、この走行経路及び事前料金での配車依頼を受諾する操作を運転者から受け付ける。
図15は、タクシー端末装置21が表示する配車依頼受諾画面の一例を示す模式図である。タクシー端末装置21は、表示部214に地図画像を表示すると共に、この地図画像に走行経路を重ねて表示する。なお本図においては、ユーザの乗車希望地点を「S」で示し、目的地点を「G」で示し、タクシーの現在位置を「現」で示し、走行経路を実線で示している。
【0112】
タクシー端末装置21は、地図画像の下方に、配車依頼に関する情報を表示する。本図においてタクシー端末装置21は、ユーザに関する情報として「依頼者:ユーザA」の情報と、料金の支払方法として「支払方法:クレジットカード」の情報と、適用されるクーポンとして「割引クーポン:100円割引」の情報と、確定された事前料金として「事前料金11200円」の情報とを表示している。ただし、タクシー端末装置21は、事前料金をタクシーの運転者に通知しなくてもよい。即ちタクシー端末装置21は、事前料金によるものであるか、料金メーター22による料金算出を行うものであるかをタクシーの運転者に通知せずに配車を依頼してもよい。
【0113】
タクシー端末装置21は、これらの情報の下方に、「受諾する」のラベルが付されたボタンを表示する。タクシー端末装置21は、「受諾する」のボタンに対するタッチ操作等を受け付けることにより、ユーザの配車依頼に対する運転者の受諾を受け付ける。受諾を受け付けたタクシー端末装置21は、配車依頼を受諾する旨を通知するメッセージを、配車アプリサーバ装置11へ送信する。配車アプリサーバ装置11は、タクシー端末装置21からの受諾を通知するメッセージを受信して、同様のメッセージをユーザ端末装置31へ送信する。このメッセージを受信したユーザ端末装置31は、ユーザが行った配車依頼の受け付けが完了したことを通知するメッセージを表示部314に表示する。なお本図に示す配車依頼受諾画面は、配車依頼を受諾しない操作を受け付けることを想定していないが、例えば提示された配車依頼を拒否する操作を受け付けることが可能な構成としてもよい。また配車依頼受諾画面においてタクシーの運転者に事前料金を通知しない場合、タクシー端末装置21は、運転者から受諾の操作を受け付けた後に、事前料金が確定された配車依頼であるか否か、及び、事前料金が確定されている場合にはその金額等の情報を表示してもよい。
【0114】
図16は、本実施の形態に係るタクシー情報処理システムによる配車依頼のキャンセル処理を説明するための模式図である。ユーザからの配車依頼を受諾したタクシーの運転者は、ユーザが指定した乗車希望地点へタクシーを向かわせる。本実施の形態においてタクシー端末装置21は、ユーザの配車依頼を受諾した後、ユーザをタクシーに乗車させるまでの間に、受諾した配車依頼に対するキャンセルを受け付ける画面を表示部214に表示する。例えば事故又は故障等により乗車希望地点へ向かうことができなくなった場合、タクシーの運転者はタクシー端末装置21にてキャンセルの操作を行うことができる。キャンセルの操作を受け付けたタクシー端末装置21は、配車依頼をキャンセルする旨を通知するメッセージを、配車アプリサーバ装置11へ送信する。配車アプリサーバ装置11は、配車アプリサーバ装置11からのキャンセルを通知するメッセージを受信して、同様のメッセージをユーザ端末装置31へ送信する。このメッセージを受信したユーザ端末装置31は、配車依頼がキャンセルされたことを通知するメッセージを表示部314に表示する。
【0115】
図17は、タクシー端末装置21が表示するキャンセル受付画面の一例を示す模式図である。本実施の形態において、タクシー端末装置21が表示するキャンセル受付画面の構成は、
図15に示した配車依頼受諾画面の構成とほぼ同じである。キャンセル受付画面には、受諾した配車依頼に関する情報として、走行経路を示す地図画像、ユーザに関する情報、決済方法に関する情報、割引クーポンに関する情報及び事前料金に関する情報等が表示される。ただし、
図17に示すようにキャンセル受付画面の最下部には、
図15に示す配車依頼受諾画面の「受諾する」のボタンに代えて、「キャンセルする」のラベルが付されたボタンが設けられている。タクシーの運転者は、このボタンに対するタッチ操作等を行うことで、受諾した配車依頼に対するキャンセルを行うことができる。タクシー端末装置21は、キャンセル受付画面の「キャンセルする」のボタンに対するタッチ操作等に応じて、受諾した配車依頼に対するキャンセルを受け付ける。
【0116】
配車依頼がキャンセルされることなく、タクシーが乗車希望地点に到着した後、ユーザはタクシーに乗り込み、運転者はタクシーを目的地点へと向かわせる。このときに運転者は、例えばタクシー端末装置21又は料金メーター22にて所定の操作を行い、タクシーにユーザが乗車したことを配車アプリサーバ装置11へ通知してもよい。タクシー端末装置21は、事前に確定された事前料金を料金メーター22へ通知する。料金メーター22は、タクシーの走行距離及び時間等に応じて随時加算される料金を表示せず、タクシー端末装置21から通知された事前料金を表示する。
【0117】
乗客を乗せたタクシーが目的地点に到着した後、ユーザはタクシーを利用した料金の支払い(決済)を行う必要がある。タクシーの乗客用端末装置23は、決済画面を表示した、タクシー料金の決済に関する処理をユーザから受け付ける。
図18は、乗客用端末装置23が表示する決済画面の一例を示す模式図である。乗客用端末装置23は、決済画面において例えば、料金の支払方法として「支払方法:クレジットカード」の情報と、適用されるクーポンとして「割引クーポン:100円割引」の情報とを表示すると共に、事前に確定された事前料金を決済料金として「決済料金11200円」の表示を行う。また乗客用端末装置23は、決済画面においてタクシーの走行経路を地図画像に重ねて表示してもよい。このときに表示する走行経路は、事前に決定された走行経路であってもよく、実際にタクシーが走行した走行経路であってもよく、この両方を重ねて表示してもよい。
【0118】
乗客用端末装置23は、これらの情報の下方に、「支払う」のラベルが付されたボタンを表示する。乗客用端末装置23は、「支払う」のボタンに対するタッチ操作等を受け付けることにより、表示した決済料金についての決済処理の承認をユーザから受け付ける。ユーザからの決済処理の承認を受け付けた後、タクシー情報処理システムによる決済処理が行われる。
【0119】
図19は、本実施の形態に係るタクシー情報処理システムによる決済処理を説明するための模式図である。配車アプリサーバ装置11は配車依頼を受諾したタクシーのタクシー端末装置21に対して事前料金についての情報を送信し、これを受信したタクシー端末装置21は料金メーター22及び乗客用端末装置23へ事前料金についての情報を送信する。タクシー端末装置21から受信した情報に基づいて、料金メーター22及び乗客用端末装置23は、事前料金をそれぞれ表示する。なお料金メーター22及び乗客用端末装置23は、タクシーが目的地へ到着するまでの間、事前料金の表示を継続する。
【0120】
乗客を乗せたタクシーが目的地点に到着した場合、タクシーの運転者は料金メーター22の操作部224に設けられた決済用のボタンを操作することにより、決済処理を開始することができる。料金メーター22は、操作部224にて決済の操作を受け付けた場合、その旨を通知するメッセージをタクシー端末装置21へ送信する。タクシー端末装置21は、決済操作が受け付けられた旨を乗客用端末装置23へ通知する。乗客用端末装置23は、事前料金を決済料金とし表示すると共に、決済に係る承認操作をユーザから受け付ける決済画面(
図18参照)を表示部に表示する。
【0121】
決済画面においてユーザから決済処理の承認を受け付けた乗客用端末装置23は、決済処理を承認する旨を通知するメッセージをタクシー端末装置21へ送信する。このメッセージを受信したタクシー端末装置21は、ユーザに関する情報及び決済料金等の情報を含む決済承認を通知するメッセージを、配車アプリサーバ装置11へ送信する。
【0122】
タクシー端末装置21から決済承認を通知された配車アプリサーバ装置11は、ユーザDB112cを参照して、料金を支払うユーザについて登録された決済方法等に関する情報を取得する。例えば、配車アプリサーバ装置11は、ユーザが決済に用いるクレジットカードの会社及びカード番号等の情報を取得する。配車アプリサーバ装置11は、決済に用いるクレジットカードの会社の決済サーバ装置14へ、カード番号及び料金等の情報を含む決済依頼を送信する。
【0123】
決済サーバ装置14は、配車アプリサーバ装置11からの情報に基づいて、クレジットカード又は電子マネー等を利用した決済処理を行う。なお、決済サーバ装置14による決済処理の詳細は説明を省略する。決済処理が完了した後、決済サーバ装置14は、決済完了を配車アプリサーバ装置11へ通知する。配車アプリサーバ装置11は、決済完了をタクシー端末装置21へ通知すると共に、記憶部112の注文管理DB112e及び配車履歴DB12に今回の配車に関する情報を記憶する。タクシー端末装置21は決済処理の完了を乗客用端末装置23へ通知し、乗客用端末装置23は表示部233に決済処理が完了した旨を示すメッセージ等を表示する。
【0124】
また本実施の形態においては、タクシーが目的地に到着した後で、ユーザが障害者割引等の割引の適用を要求することができる。タクシーの運転者は、割引の資格を示す証明書等を確認した後、料金メーター22の操作部224に設けられた割引適用のボタンを操作することにより、決済料金に対する割引を適用することができる。また
図19においては図示を省略するが、例えば有料道路の料金等の追加が必要である場合、タクシーの運転者は、タクシー端末装置21又は料金メーター22にて追加料金に関する所定の操作を行う。この操作により、事前料金に対して追加料金が加算された決済料金が適用される。
【0125】
図19においては、この割引(及び追加料金等)を適用する場合の処理を破線で囲んで示している。料金メーター22は、操作部224にて割引の操作を受け付けた場合、その旨を通知するメッセージをタクシー端末装置21へ送信する。このメッセージを受信したタクシー端末装置21は、事前に確定されている事前料金に対して割引を適用した決済料金を算出し、算出した決済料金を通知するメッセージを料金メーター22及び乗客用端末装置23へ送信する。このメッセージを受信した料金メーター22は、新たに算出された決済料金の表示を行う。このメッセージを受信した乗客用端末装置23は、決済画面に表示していた決済料金を、新たに受信したメッセージに含まれる決済料金に更新して、割引を適用する。
【0126】
なお本実施の形態において、例えば事前料金が確定されてユーザがタクシーへ乗車した後、目的地点に到着する前に、ユーザが目的地点の変更を要求した場合、ユーザは目的地点に到着したか否かに関わらず、事前に確定していた事前料金を支払う。例えば口頭でユーザから目的地点の要求が与えられた場合、タクシーの運転者はタクシーを停車させ、料金メーター22の操作部224を操作して事前料金の決済処理を開始する。この場合の決済の手順は、
図18及び
図19に示したものと同様である。決済処理の完了後、タクシーの運転者は変更された目的地点への運行を開始し、この際の料金は走行距離及び時間等に応じて加算される。ただし、現在地点から新たな目的地点への走行経路及び事前料金を確定してもよい。
【0127】
なお、事前料金によるタクシーの運行では、目的地点の変更又は走行経路の変更等を行う際にはタクシーの運転者と乗客のユーザとの間で同意が必要である。しかし、何らかの理由で同意が得られず、その場での事前料金の決済を行うことが難しい状況が起こり得る。このような場合には、事前料金を解除し、例えばこれまでの走行距離及び時間等に応じた料金を算出して決済を行ってもよい。このため、料金メーター22は、タクシーが事前料金での走行を行っている場合であっても、タクシーの走行距離及び時間等に応じた料金の算出をバックグラウンドで行っている。
【0128】
<フローチャート>
図20は、本実施の形態に係るユーザ端末装置31が行う処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係るユーザ端末装置31の処理部311の表示処理部311aは、タクシーの配車を希望するユーザから乗車希望地点及び目的地点の入力を受け付けるための地点入力受付画面を表示部314に表示する(ステップS1)。次いで処理部311の配車依頼部311bは、地点入力受付画面の表示中に操作部315にて受け付けたユーザの操作に基づき、乗車希望地点及び目的地点の入力を受け付ける(ステップS2)。配車依頼部311bは、受け付けた乗車希望地点及び目的地点、並びに、記憶部312に記憶されたユーザID312bを含む配車依頼のメッセージを、配車アプリサーバ装置11へ送信する(ステップS3)。
【0129】
処理部311の承認受付部311cは、ステップS3にて送信した配車依頼に応じて配車アプリサーバ装置11が送信する走行経路及び事前料金等の情報を含むメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS4)。メッセージを受信していない場合(S4:NO)、承認受付部311cは、メッセージを受信するまで待機する。走行経路及び事前料金等の情報を含むメッセージを受信した場合(S4:YES)、表示処理部311aは、受信したメッセージに含まれる情報に基づいて、
図14に例示した配車依頼画面を表示部314に表示する(ステップS5)。承認受付部311cは、配車依頼画面の表示中に操作部315にて受け付けたユーザの操作に基づき、タクシーの走行経路の選択及び事前料金の承認の操作を受け付ける(ステップS6)。承認受付部311cは、ステップS4にて受信したメッセージに含まれる走行経路及び事前料金に対する承認がなされた旨を通知するメッセージを、配車アプリサーバ装置11へ送信する(ステップS7)。
【0130】
処理部311は、配車依頼に対する受付完了を通知するメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS8)。受付完了通知を受信していない場合(S8:NO)、処理部311は、受付完了通知を受信するまで待機する。受付完了を通知するメッセージを受信した場合(S8:YES)、表示処理部311aは、配車依頼の受け付けが完了した旨を通知するメッセージを表示部314に表示し(ステップS9)、処理を終了する。
【0131】
図21及び
図22は、本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11が行う処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11の処理部111は、ユーザ端末装置31からタクシーの配車依頼のメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS21)。配車依頼のメッセージを受信していない場合(S21:NO)、処理部111は、配車依頼のメッセージを受信するまで待機する。
【0132】
配車依頼のメッセージを受信した場合(S21:YES)、処理部111は、受信したメッセージに含まれる乗車希望地点又は目的地点に基づいて、事前料金によるタクシーの利用が可能であるか否かを確認する(ステップS22)。例えば乗車希望位置を管轄とするタクシー会社が事前料金に対応していない場合には、ユーザは事前料金によりタクシーを利用することはできない。事前料金によるタクシーの利用が可能ではない場合、処理部111は、本フローチャートによる処理を中断し、従来の走行距離に応じた料金でタクシーを利用する場合の配車処理を行う。なお、本図には、従来の配車処理については図示を省略する。
【0133】
事前料金によるタクシーの利用が可能である場合、処理部111は、ユーザ端末装置31から受信した配車依頼のメッセージに含まれる乗車希望地点又は目的地点に基づいて、タクシーを配車するタクシー会社を決定する(ステップS23)。次いで処理部111の経路処理部111aは、受信したメッセージに含まれる乗車希望地点及び目的地点に基づいて、タクシーの走行経路を決定する(ステップS24)。なお経路処理部111aは、複数の走行経路を候補として決定してよい。次いで処理部111の事前料金処理部111cは、ステップS24にて決定されたタクシーの走行経路と、記憶部112の料金算出DB112bとに基づいて、走行経路毎の事前料金を算出する(ステップS25)。このときに事前料金処理部111cは、乗車希望地点に基づいてタクシーの運営会社を決定し、運営会社に対応付けて料金算出DB112bに定められた数値と、ステップS24にて決定された走行経路の距離とを上述の(1)式へ代入することで、事前料金を算出することができる。また事前料金処理部111cは、配車を依頼したユーザが割引クーポンを有しているか否かを、ユーザDB112cを参照して確認し、割引クーポンを有している場合には、割引クーポンに関する情報をユーザDB112cから取得し、取得したクーポンに係る割引を適用した事前料金を算出してもよい。
【0134】
処理部111は、ステップS24にて決定した走行経路と、ステップS25にて算出した事前料金との情報を含むメッセージを、配車依頼元のユーザ端末装置31へ送信する(ステップS26)。処理部111は、このメッセージに対するユーザ端末装置31からの承認のメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS27)。承認のメッセージを受信しない場合(S27:NO)、例えば配車依頼を取り消す旨のメッセージを受信した場合又は一定時間が経過しても承認のメッセージを受信しない場合等には、処理部111は、配車依頼を破棄して処理を終了する。
【0135】
承認のメッセージを受信した場合(S27:YES)、処理部111の配車処理部111dは、記憶部112のタクシーDB112dに登録された複数のタクシーの中から1つのタクシーを選択する(ステップS28)。このときに配車処理部111dは、受信した配車依頼のメッセージに含まれる乗車希望地点に最も近い位置におり、且つ、空車状態のタクシーを選択することができる。配車処理部111dは、選択したタクシーのタクシー端末装置21へ、ユーザに関する情報、走行経路及び事前料金等の情報を含む配車依頼のメッセージを送信する(ステップS29)。
【0136】
配車処理部111dは、ステップS29にて送信した配車依頼を受諾する旨を通知するメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS30)。配車依頼を受諾するメッセージを受信しない場合(S30:NO)、例えば配車依頼を拒否する旨を通知するメッセージを受信した場合又は一定時間が経過しても受諾するメッセージを受信しない場合等には、配車処理部111dは、ステップS28へ処理を戻し、タクシーの選択及び配車依頼のメッセージの送信を繰り返し行う。配車依頼を受諾するメッセージを受信した場合(S30:YES)、配車処理部111dは、配車依頼元のユーザ端末装置31へ、配車依頼を受諾する旨を通知するメッセージを送信する(ステップS31)。処理部111の配車履歴処理部111fは、受諾された配車依頼に関して、日時、ユーザID、タクシーID、走行経路及び事前料金等の情報を、記憶部112の注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶する(ステップS32)。
【0137】
その後、処理部111は、配車依頼を受諾したタクシーのタクシー端末装置21から、配車依頼をキャンセルする旨を通知するメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS33)。キャンセルのメッセージを受信した場合(S33:YES)、処理部111は、キャンセルに係るタクシーのタクシーID等の情報を含む、キャンセルを通知するメッセージをユーザ端末装置31へ送信し(ステップS34)、処理を終了する。
【0138】
キャンセルを通知するメッセージを受信していない場合(S33:NO)、処理部111は、タクシー端末装置21から決済の承認を通知するメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS35)。決済承認のメッセージを受信していない場合(S35:NO)、処理部111は、ステップS33へ処理を戻し、キャンセル又は決済承認のメッセージを受信するまで待機する。決済承認のメッセージを受信した場合(S35:YES)、処理部111の決済処理部111eは、決済料金及びユーザに関する情報等を決済サーバ装置14へ送信して、タクシーの利用料金に関する決済処理を決済サーバ装置14に依頼する(ステップS36)。
【0139】
その後、決済処理部111eは、決済サーバ装置14から決済完了の通知を受信したか否かを判定する(ステップS37)。決済完了の通知を受信していない場合(S37:NO)、決済処理部111eは、決済完了の通知を受信するまで待機する。決済完了の通知を受信した場合(S37:YES)、決済処理部111eは、タクシー端末装置21へ決済完了を通知する(ステップS38)。処理部111の配車履歴処理部111fは、決済処理を行ったユーザ及びタクシーに関して、実走行経路及び決済料金等の情報を注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶し(ステップS39)、処理を終了する。
【0140】
図23及び
図24は、本実施の形態に係るタクシー端末装置21が行う処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係るタクシー端末装置21の処理部211の受諾受付部211bは、配車アプリサーバ装置11から配車依頼のメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS71)。配車依頼のメッセージを受信していない場合(S71:NO)、受諾受付部211bは、メッセージを受信するまで待機する。配車依頼のメッセージを受信した場合(S71:YES)、処理部211の表示処理部211aは、受信した配車依頼のメッセージに含まれる情報に基づいて、
図15に例示した配車依頼受諾画面を表示部214に表示する(ステップS72)。
【0141】
受諾受付部211bは、配車依頼受諾画面の表示中に操作部215にて受け付けた操作に基づき、配車依頼が受諾されたか否かを判定する(ステップS73)。配車依頼が受諾されない場合(S73:NO)、即ち配車依頼が拒否された場合、受諾受付部211bは、配車依頼が拒否された旨を通知するメッセージを配車アプリサーバ装置11へ送信し(ステップS74)、処理を終了する。配車依頼が受諾された場合(S73:YES)、受諾受付部211bは、配車依頼を受諾する旨を通知するメッセージを配車アプリサーバ装置11へ送信する(ステップS75)。
【0142】
表示処理部211aは、配車依頼をキャンセルする操作を受け付けるキャンセル受付画面を表示部214に表示する(ステップS76)。処理部211のキャンセル受付部211cは、キャンセル受付画面表示中に操作部215にて受け付けた操作に基づき、配車依頼がキャンセルされたか否かを判定する(ステップS77)。配車依頼がキャンセルされた場合(S77:YES)、キャンセル受付部211cは、配車依頼がキャンセルされた旨を通知するメッセージを配車アプリサーバ装置11へ送信し(ステップS78)、処理を終了する。
【0143】
配車依頼がキャンセルされていない場合(S77:NO)、処理部211は、料金メーター22との通信により、料金メーター22の操作部224にて決済処理を開始する操作がなされたか否かを判定する(ステップS79)。決済処理を開始する操作がなされていない場合(S79:NO)、処理部221は、この操作がなされるまで待機する。決済処理を開始する操作がなされた場合(S79:YES)、表示処理部211aは、乗客用端末装置23へ決済料金(事前料金)の情報を送信することによって、乗客用端末装置23に決済料金を表示させる(ステップS80)。
【0144】
処理部211は、料金メーター22との通信により、料金メーター22の操作部224にて割引操作がなされたか否かを判定する(ステップS81)。割引操作がなされた場合(S81:YES)、処理部211は、ステップS80にて乗客用端末装置23に表示した決済料金に対して割引を適用し、割引適用後の決済料金に表示を更新する(ステップS82)。なお
図24においては図示を省略するが、有料道路の料金等を追加する場合についても同様に、料金メーター22又はタクシー端末装置21にて運転者が行った操作に応じて、決済料金(事前料金)に対して料金の加算を行うことができる。
【0145】
割引操作がなされていない場合(S81:NO)、又は、ステップS82にて割引を適用して決済料金を更新した後、処理部211は、乗客用端末装置23との通信により、表示した決済料金に対する決済処理の承認操作を乗客用端末装置23が受け付けたか否かを判定する(ステップS83)。承認操作を受け付けていない場合(S83:NO)、処理部211は、ステップS81へ処理を戻す。承認操作を受け付けた場合(S83:YES)、処理部211は、表示した決済料金での決済処理に対する承認を受け付けた旨を通知するメッセージを配車アプリサーバ装置11へ送信し(ステップS84)、処理を終了する。
【0146】
<情報蓄積処理>
本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11は、例えば
図21及び
図22に示したフローチャートのステップS32及びS39等において、タクシーの配車に関する種々の情報を履歴として注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶して蓄積する処理を行っている。なお配車アプリサーバ装置11は、上記以外の種々のタイミングで情報の蓄積を行ってよい。
【0147】
また、配車アプリサーバ装置11は、
図6及び
図7に示すように、タクシーの配車に係る日時(配車依頼を受け付けた日時、ユーザがタクシーに乗車した日時、又は、決済処理が完了した日時等)、ユーザID、タクシーID、事前走行経路、事前料金、実際走行経路及び決済料金等の情報を注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶する。ただし配車アプリサーバ装置11が注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶する情報は上記のものに限らず、例えばタクシーの運転者によるキャンセルの有無、ユーザによるキャンセルの有無、又は、タクシーに搭載されたカメラが撮影した内外の画像等の種々の情報を記憶してよい。
【0148】
図25は、本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11が行う情報蓄積処理の一例を説明するためのフローチャートである。本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11の処理部111の配車履歴処理部111fは、ユーザ端末装置31からタクシーの配車依頼を受信した際に(ステップS101)、配車依頼を受信した日時と、配車依頼と共に送信されるユーザID、タクシーへの乗車予約時刻、乗車予約位置及び降車予約位置と、配車アプリサーバ装置11が生成した予約番号とを、注文管理DB112eに記憶する(ステップS102)。
【0149】
配車履歴処理部111fは、タクシーの利用に関して事前料金が確定した際に(ステップS103)、確定した事前走行経路及び事前料金を、注文管理DB112eに記憶する(ステップS104)。また配車履歴処理部111fは、タクシーの運転者により配車の依頼が受諾された際に(ステップS105)、予約番号、日時、ユーザID及びタクシーIDを配車履歴DB12に記憶する(ステップS106)。
【0150】
配車履歴処理部111fは、ユーザがタクシーに乗車したことをタクシー端末装置21から通知された際に(ステップS107)、実際乗車時刻及び実際乗車位置を配車履歴DB12に記憶する(ステップS108)。また配車履歴処理部111fは、目的地に到着したことをタクシー端末装置21から通知された際に(ステップS109)、実際走行経路、決済料金及び実際降車位置を配車履歴DB12に記憶する(ステップS110)。
【0151】
配車履歴処理部111fは、決済処理が行われた際に(ステップS111)、取消有無、支払方法、クーポンの利用有無及び割引の有無を配車履歴DB12に記憶して(ステップS112)、処理を終了する。
【0152】
なお、配車アプリサーバ装置11による情報の記憶のタイミング、及び、記憶する情報の種類等は、本図に示したものに限らない。配車アプリサーバ装置11は、適宜のタイミングで、適宜の情報を注文管理DB112e又は配車履歴DB12に記憶してよい。
【0153】
本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11は、注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶した情報を、表示部114に表示する処理を行う。例えば本システムを管理する管理者は、配車アプリサーバ装置11の操作部115を操作して、配車履歴DB12に記憶された複数の履歴から1つを選択し、選択した履歴の情報を表示部114に表示させることができる。また例えばタクシー会社の従業員等は、情報処理装置13を利用して配車アプリサーバ装置11にアクセスすることにより、同様の履歴の情報を情報処理装置13の表示部に表示させることができる。
【0154】
図26は、タクシー会社の情報処理装置13が表示する配車履歴画面の一例を示す模式図であり、情報処理装置13が配車アプリサーバ装置11から取得した情報に基づいて表示するものである。図示の配車履歴画面は、
図6に示した注文管理DB112e及び
図7に示した配車履歴DB12に含まれる2020年1月20日11時12分の履歴が管理者によって選択されたことを想定したものである。
【0155】
本例の配車履歴画面においては、情報処理装置13は、履歴の日時情報として「2020年1月20日11:12」の文字列を最上部のタイトルとして表示する。情報処理装置13は、このタイトルの下方に、事前に決定されたタクシーの走行経路と実際にタクシーが走行した経路とを地図画像に重ねて表示する。本図においては、ユーザがタクシーに乗車した乗車地点を「S」で示し、降車した地点を「G」で示している。なお乗車地点は、ユーザが入力した乗車希望地点、又は、実際にユーザがタクシーに乗車した地点のいずれであってもよく、これらが異なる場合にはそれぞれ区別可能なように地図画像に重ねて表示してもよい。また降車地点は、ユーザが入力した目的地点、又は、実際にユーザがタクシーから降車した地点のいずれであってもよく、これらが異なる場合にはそれぞれ区別可能なように地図画像に重ねて表示してもよい。また本図においては、事前に決定されたタクシーの走行経路を「事前経路」として実線で示し、タクシーが実際に走行した経路のうち、事前経路とは異なる経路を「実経路」として破線で示している。
【0156】
情報処理装置13は、走行経路を示す地図画像の隣に、タクシーの配車に関する種々の情報を一覧表示する。本例では、タクシーのタクシーIDとして「タクシーA33」の情報と、乗客のユーザIDとして「ユーザ123」の情報と、利用したクーポンとして「割引クーポン100円割引」の情報と、事前に確定された事前料金として「事前料金1234円」の情報と、決済処理の方法として「支払方法クレジットカード」の情報と、決済された料金として「決済料金1134円」の情報とが、上下方向に並べて表示されている。
【0157】
また情報処理装置13は、配車履歴画面の右下部に、「お客様へ連絡」のラベルが付されたボタンを表示する。このボタンは、タクシーを利用したユーザへ電子メール等によるメッセージを送信するためのものである。このボタンに対するマウスのクリック操作又はタッチパネルのタッチ操作等を受け付けた場合、情報処理装置13は、メッセージの入力画面(図示は省略する)を表示してメッセージの入力を受け付ける。情報処理装置13は、入力されたメッセージを配車アプリサーバ装置11へ送信する。配車アプリサーバ装置11は、配車履歴DB12に記憶されたユーザID及びユーザDB112cに記憶されたメールアドレス等の情報に基づいて、情報処理装置13が受け付けたメッセージを、タクシーを利用したユーザのユーザ端末装置31へ送信する。また配車アプリサーバ装置11は、ユーザへ送信したメッセージの内容及び送信日時等の情報を、配車履歴DB12等に記憶する。
【0158】
本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11は、タクシーの配車に係る種々の情報を注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶し、記憶した情報を表示部114に表示することができる。これにより、例えば事前に決定した走行経路と実際に走行した走行経路との相違が頻繁に発生する箇所についての情報を、事前の走行経路の決定方法を改善する検討する等の参考にすることができる。また例えば、タクシーを利用したユーザからの質問又は苦情等に対して、記憶された履歴の情報に基づいて適切な対応を行うことが期待できる。なお、
図26に示した配車履歴画面は一例であって、これに限るものではなく、表示する情報及び情報の表示態様等は適宜に変更され得る。
【0159】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係るタクシー情報処理システムの配車アプリサーバ装置11は、タクシーに乗車することを希望するユーザの乗車希望地点及び目的地点に基づいて走行経路を決定し、決定した走行経路に基づいてタクシーの乗車に係る事前料金を確定する。配車アプリサーバ装置11は、決定した走行経路及び確定した事前料金の情報をユーザ端末装置31及びタクシー端末装置21へ送信することで、走行経路及び事前料金をユーザ端末装置31及びタクシー端末装置21に表示させる。また配車アプリサーバ装置11は、決定した走行経路及び確定した事前料金を含む情報を注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶する。
【0160】
これによりユーザは、タクシーの走行距離及び時間等により加算される料金ではなく、事前に確定された料金でタクシーを利用することができる。ユーザは、自身の所有するユーザ端末装置31にて事前にタクシーの走行経路及び事前料金を確認することができる。タクシーの運転者は、タクシー端末装置21にて走行経路及び事前料金を確認して配車依頼を受諾することができる。また配車アプリサーバ装置11がタクシーの配車に関する情報を注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶して蓄積しているため、タクシーが走行した経路及び決済された料金等について事後に情報を確認することができる。
【0161】
また本実施の形態に係るタクシー2に設けられたタクシー端末システム20の料金メーター22は、タクシーにユーザが乗車している際に、確定した事前料金を表示する。これによりユーザは、タクシーに乗車している際に、支払うべき料金を容易に確認することができる。
【0162】
また本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11は、事前に決定した走行経路と、タクシーが実際に走行した走行経路とを対応付けて注文管理DB112e及び配車履歴DB12に記憶する。これによりシステムの管理者等は、タクシーが事前に決定された走行経路を走行したか否かを事後に確認することができる。
【0163】
また本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11は、ユーザが所有する割引クーポンに係る情報をユーザDB112cから取得し、取得した割引クーポンに係る情報と、決定した走行経路とに基づいて事前料金を確定する。またタクシー端末システム20のタクシー端末装置21は、料金メーター22の操作部224にて割引操作を受け付けることで障害者割引等の割引の有無に係る情報を取得し、事前料金に対して割引を適用した決済料金を算出する。これにより、証明書等の確認を必要としない割引クーポンについては事前に割引を適用した事前料金をユーザに提示することができ、証明書等の確認が必要な障害者割引等の割引についてはタクシー2にて適用することができる。
【0164】
また本実施の形態に係るタクシー端末システム20は、タクシー端末装置21が割引を適用して算出した決済料金を、タクシーの後部に設けられた乗客用端末装置23に表示する。これによりタクシーに乗車したユーザは、割引が適用された決済料金を容易に確認することができる。
【0165】
また本実施の形態に係る配車アプリサーバ装置11は、タクシーの運営会社毎の料金算出基準を記憶部112の料金算出DB112bに記憶している。配車アプリサーバ装置11は、ユーザが入力した乗車希望地点に応じて配車するタクシーの運営会社を決定し、決定した運営会社の料金算出基準に基づいて事前料金を確定する。これにより、料金の算出基準が異なる複数の運営会社のタクシーをユーザに対して配車することができる。
【0166】
また本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、ユーザがタクシーに乗車した後、事前に決定した走行経路の変更依頼をユーザから受け付けた場合に、事前に確定した事前料金の決済処理を行い、決済処理を完了した後でタクシーは変更した目的地点へ向かう。これにより、事前に確定した事前料金を確実に決済することができる。
【0167】
また本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、事前料金が確定した後からユーザがタクシーに乗車するまでの間に、タクシーの運転者はタクシー端末装置21にて配車依頼をキャンセルすることができる。タクシー端末装置21がキャンセルの操作を受け付けた場合、タクシー端末装置21から配車アプリサーバ装置11を介してユーザ端末装置31へキャンセルが通知される。これによりユーザ端末装置31は、配車依頼がキャンセルされた旨を確実にユーザに伝えることができる。
【0168】
(変形例1)
図27は、変形例1に係る料金算出DB112bの一構成例を示す模式図である。変形例1に係る料金算出DB112bは、
図3に示した料金算出DB112bに対して、遠距離割引に関する情報を追加したものである。変形例1に係る料金算出DB112bは、遠距離割引に関する情報として「基準」及び「係数」等の情報をタクシーの運営会社に対応付けて記憶している。本実施の形態において遠距離割引は、例えばタクシーの走行距離が所定距離を超えた場合又は運賃が所定金額を超えた場合に、それ以後に加算される運賃に対して所定の係数を掛けることで行われる。料金算出DB112bの「基準」は遠距離割引を適用するか否かを判断する所定距離又は所定金額である。「係数」は、基準を超えた後に加算される運賃に対して掛ける値である。
【0169】
変形例1に係る配車アプリサーバ装置11は、ユーザが入力した乗車希望地点及び目的地点から走行経路を決定し、決定した走行経路に基づいて事前料金を算出する。このときに配車アプリサーバ装置11は、決定した走行経路の距離が「基準」として設定された所定距離を超える場合、又は、算出した事前料金が「基準」として設定された所定金額を超える場合に、遠距離割引を適用した事前料金を算出する。
【0170】
なお料金算出DB112bに記憶される情報は、
図3及び
図27に示されたものに限らず、料金算出に用いる種々の情報が記憶され得る。
【0171】
(変形例2)
上述の実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、例えば
図3及び
図27に示したように、タクシーの運営会社毎に異なる料金算出基準が用いられるが、これに限らない。例えば、複数のタクシーの運営会社について同一の料金算出基準が用いられてもよく、この場合にユーザは、いずれの運営会社のタクシーを利用しても同じ事前料金を支払うことになる。
【0172】
また、
図3及び
図27に示した料金算出DB112bに含まれる「初乗り運賃」、「初乗り距離」、「加算単位」、「加算運賃」及び「係数」等の一部を複数の運営会社で統一してもよい。例えば、複数のタクシーの運営会社で同じ値の「係数」が用いられ、これ以外の「初乗り運賃」等については運営会社毎に異なる値が用いられてもよい。
【0173】
<実施の形態2>
実施の形態2に係るタクシー情報処理システムは、事前料金で利用可能なタクシーが複数存在する場合に、ユーザがタクシーの選択を行うことを可能としたシステムである。実施の形態2に係るタクシー情報処理システムの配車アプリサーバ装置11は、ユーザ端末装置31にて乗車希望地点及び目的地点の入力を受け付けた後、乗車希望地点から目的地点へ至る走行経路の決定を行う。このときに配車アプリサーバ装置11は、例えば距離優先及び高速道路優先等のように異なる条件で複数の走行経路の候補を算出し、ユーザ端末装置31を介してユーザから走行経路の選択を受け付ける。
【0174】
図28は、実施の形態2に係るユーザ端末装置31が表示する走行経路選択画面の一例を示す模式図である。
図28に示す走行経路選択画面は、
図14に示した配車依頼画面と同様に、例えば一般道路を優先して算出した走行経路の候補を「ルート1(一般優性)」とし、高速道路を優先して算出した走行経路の候補を「ルート2(高速優先)」として、2つの走行経路の候補をユーザに提示している。
【0175】
また配車アプリサーバ装置11は、ユーザが入力した乗車希望地点及び目的地点等の情報、料金算出DB112bに含まれる「地域」の情報、並びに、乗車希望地点の近傍に位置する空車のタクシーの情報等に基づいて、ユーザに対して配車可能なタクシー会社(タクシーの運営会社)を決定し、決定したタクシー会社の料金算出基準に基づいて事前料金を決定する。実施の形態2に係るタクシー情報処理システムでは、1つの地域に複数のタクシー会社のタクシーが走行し、且つ、タクシー会社毎に事前料金の料金算出基準が異なることが許容されている。そこで配車アプリサーバ装置11は、走行経路の各候補について、ユーザが利用可能な全てのタクシー会社について事前料金を算出し、算出した複数の事前料金の最小値(最安値)及び最大値(最高値)の情報をユーザ端末装置31へ送信し、事前料金の範囲をユーザに提示させる。
図28に示す例では、ルート1の事前料金として11200円~11800円の範囲が示され、ルート2の事前料金として11600円~12000円の範囲が示されている。なお本例では、ルート2を選択した場合には高速道路等の有料道路を利用するための料金が別途必要であることを示す「別途有料通路料金あり」の文字列がルート2の事前料金と合わせて表示されている。なお本例では図示を省略するが、例えば各ルートについて予想される走行時間又は目的地への到着時刻等の情報が更に表示されてもよい。またルート2について、例えば有料道路を利用する料金の概算金額を表示してもよく、また例えば有料道路の料金を含む事前料金を表示してもよい。
【0176】
ユーザは、ユーザ端末装置31に表示された複数の走行経路の候補の中から1つを選択することができる。図示の走行経路選択画面の下側領域には、走行経路の候補であるルート1及びルート2に関する情報が左右に分けて表示されており、各ルートの情報の下方には「このルートを選択する」のラベルが付されたボタンがそれぞれ設けられている。ユーザは、いずれかの「このルートを選択する」のボタンに対するタッチ又はタップ等の操作を行う事で、対応する走行経路を選択することができる。ユーザ端末装置31は、いずれかのボタンに対する操作を受け付けることでユーザによる走行経路の選択を受け付け、配車アプリサーバ装置11へ選択結果を通知する。
【0177】
ユーザ端末装置31を介してユーザによる走行経路の選択を受け付けた配車アプリサーバ装置11は、選択された走行経路及び算出された事前料金等に関する情報をユーザ端末装置31へ送信して表示させる。
図29及び
図30は、実施の形態2に係るユーザ端末装置31が表示する情報表示画面の一例を示す模式図である。なお
図29は
図28の画面においてルート1が選択された場合であり、
図30はルート2が選択された場合である。
【0178】
ユーザ端末装置31は、情報表示画面の上部に地図画像を表示すると共に、この地図画像にユーザが選択した走行経路を重ねて表示する。なお本図においては、ユーザの乗車希望地点を「S」で示し、目的地点を「G」で示し、走行経路を実線で示している。またユーザ端末装置31は、地図画像の上部に、略矩形のメッセージ表示領域を表示する。ユーザ端末装置31は、このメッセージ表示領域に、例えば事前料金の金額と、これ以外に追加される可能性がある料金に関する情報とを表示する。
図29においては、「11200円~11800円 別途迎車料金あり」の情報が表示されている。
図30においては、「11600円~12000円 別途有料通路料金・迎車料金あり」の情報が表示されている。
【0179】
また地図画像の右下隅には、「ルート選択」のラベルが付されたボタンが設けられている。「ルート選択」のボタンに対する操作を受け付けた場合、ユーザ端末装置31は、
図28に示した走行経路選択画面を表示して、ユーザによる走行経路の選択を受け付ける。これによりユーザは、走行経路の再選択を行うことができる。
【0180】
ユーザ端末装置31は、地図画像の下方に、例えばタクシー会社に関する情報、行き先に関する情報、及び、支払方法に関する情報等を表示する。本例においてユーザ端末装置31は、タクシー会社に関する情報として、配車可能な「すべてのタクシー」が設定されており、約1~3分で到着する予定であることが示されている。
【0181】
なお、ユーザが特定のタクシー会社を利用したい場合などには、事前料金の算出及び配車依頼等を行うタクシー会社を予め特定して設定しておくことができる。ユーザ端末装置31は、「タクシー会社を特定」のラベルが付されたボタンに対する操作を受け付けた場合、タクシー会社選択画面(図示は省略する)を表示して、タクシー会社の選択を受け付ける。タクシー会社選択画面は、例えばタクシー会社の名前等を一覧表示したものとすることができ、ユーザ端末装置31は、一覧表示の中から1つのタクシー会社の選択を受け付けて、受け付けたタクシー会社を配車アプリサーバ装置11へ通知する。またタクシー会社選択画面に一覧表示する各タクシー会社には、事前料金によるタクシーの利用の可否を示す情報、例えば「事前料金対応」の文字列が記載されたラベル又はアイコン等を共に表示する。これによりユーザは、いずれのタクシー会社が事前料金のシステムに対応しているかを容易に判断することができる。配車アプリサーバ装置11は、ユーザによるタクシー会社の選択を受け付けた場合、事前料金の算出及び配車の対象を選択されたタクシー会社に限定する。また配車アプリサーバ装置11は、このユーザに対して以後に事前料金の算出及び配車等を行う対象についてのデフォルト設定を、選択されたタクシー会社としてもよい。
【0182】
またユーザ端末装置31は、行き先に関する情報として、例えば「行き先:東京都渋谷区…」のように、ユーザが入力した行き先の住所等の情報を表示する。ユーザ端末装置31は、支払方法に関する情報として、例えば支払方法にクレジットカードが設定されており、事前料金での支払が設定されている事が示されている。
【0183】
ユーザ端末装置31は、これらの情報の下方に、「タクシーを選択」のラベルが付されたボタンを表示する。ユーザ端末装置31は、「タクシーを選択」のボタンに対する操作を受け付けた場合、この旨を配車アプリサーバ装置11へ通知する。これに応じて配車アプリサーバ装置11は、配車可能なタクシーに関する情報をユーザ端末装置31へ送信し、ユーザによるタクシーの選択を受け付けるタクシー選択画面をユーザ端末装置31に表示させる。
【0184】
図31は、実施の形態2に係るユーザ端末装置31が表示するタクシー選択画面の一例を示す模式図である。本例のタクシー選択画面は、ユーザへのメッセージ等を表示する領域が最上部に設けられ、その下方にタクシーを選択するための選択肢をなす一又は複数の領域が設けられ、最下部に「タクシーを呼ぶ」のラベルが付されたボタンが設けられている。
【0185】
本例においてタクシー選択画面の最上部の領域には、「どのタクシーを呼びますか?」、「追加料金や割引で料金が変わることがあります。」、「クーポンは降車時に適用されます。」等のメッセージが表示されている。なおこれらのメッセージは一例であって、これに限るものではなく、タクシー選択画面にはどのようなメッセージが表示されてもよい。またクーポンの適用は乗車時等の別のタイミングであってもよい。
【0186】
タクシー選択画面に選択肢として設けられる矩形の各領域内には、事前料金、乗車までの予測時間等の情報、一又は複数のタクシー会社のアイコン、及び、選択を受け付けるラジオボタン等が含まれている。本例では事前料金が11200円、11500円及び11800円の3つの選択肢が示されているが、表示される選択肢の数は1つ、2つ又は4つ以上であってよい。
【0187】
また図示の例では、各選択肢において事前料金の後に、タクシー乗車までの予測時間に関する情報が、例えば「約2~5分後に乗車」、「約2~7分後に乗車」及び「約1分後に乗車」として表示されている。例えば配車アプリサーバ装置11は、ユーザの乗車希望地点の近くに存在するタクシーに関する情報を各タクシー会社の情報処理装置13等から取得し、各タクシーの位置とユーザの乗車希望地点との距離等に基づいて、タクシー乗車までの予測時間を算出する。配車アプリサーバ装置11は算出した各タクシーについての予測時間の情報をユーザ端末装置31へ送信し、ユーザ端末装置31はこの情報を受信してタクシー選択画面にタクシー乗車までの予測時間を表示することができる。なお、タクシー選択画面には予測時間の情報が表示されなくてもよい。
【0188】
本実施の形態に係るタクシー情報処理システムでは、タクシー会社毎に定められた算出基準により事前料金の算出がなされ、算出された事前料金が同じ金額のものが複数存在する場合がある。この場合、事前料金が同じ複数のタクシー会社はグループ化されて1つの選択肢としてタクシー選択画面に表示される。図示の例では、各選択肢について、事前料金の下方に一又は複数のアイコン(角を丸めた略正方形の図形で示している)が表示されている。1つのアイコンが1つのタクシー会社を表しており、本例では、1番目の事前料金11200円の選択肢には2つのタクシー会社がグループ化され、2番目の事前料金11500円の選択肢には3つのタクシー会社がグループ化され、3番目の事前料金11800円の選択肢には1つのタクシー会社がグループ化されている。なお本図では、各アイコンを無地の図形で表しているが、実際には各アイコンにはタクシー会社のロゴ又は名前等の情報が表示される。
【0189】
なお図示は省略するが、いずれかの選択肢に対するタッチ操作等を受け付けた場合、ユーザ端末装置31は、対応する事前料金の算出に関する詳細情報を表示する。詳細情報としては、例えば事前料金に対して適応可能な割引の有無、種類及び金額等が表示され得る。また詳細情報として、事前料金に対して加算される可能性がある迎車料金、有料通路料金及び深夜早朝の割増料金等が表示されてもよい。表示される詳細情報には、例えば事前料金を算出する際に用いられた初乗り運賃及び深夜割増の係数等の情報が含まれてもよい。
【0190】
タクシー選択画面の各選択肢に設けられたラジオボタンは、複数の選択肢から1つを選択する操作を受け付けるためのものである。いずれか1つのラジオボタンに対するタッチ操作等を受け付けた場合、ユーザ端末装置31は、対応する選択肢が選択されたものとして、選択された選択肢を強調表示して選択状態であることを示す。図示の例では、事前料金11200円の選択肢が選択状態であることが、矩形領域の枠を太線とする強調表示により示されている。
【0191】
タクシー選択画面の最下部に設けられた「タクシーを呼ぶ」のボタンは、配車アプリサーバ装置11に対するタクシーの選択結果を通知するためのものである。このボタンは、タクシー選択画面のいずれかの選択肢が選択状態である場合に操作を受け付け、全ての選択肢が非選択状態である場合には操作を受け付けない。「タクシーを呼ぶ」のボタンに対する操作を受け付けた場合、ユーザ端末装置31は、いずれの選択肢が選択されたかの情報を配車アプリサーバ装置11へ送信する。
【0192】
なお本実施の形態においては、選択肢においてグループ化された複数のタクシー会社について、いずれのタクシー会社のタクシーを配車するかは配車アプリサーバ装置11が決定する。このため実施の形態2に係るタクシー情報処理システムでは、ユーザはタクシーの事前料金を選択することで間接的なタクシーの選択を行い、最終的なタクシーの選択は配車アプリサーバ装置11にゆだねられている。配車アプリサーバ装置11は、複数のタクシー会社のタクシーについて事前料金が同じである場合、例えばユーザの乗車希望地点から近い順にタクシーを選択してユーザへの配車を試みることができる。配車アプリサーバ装置11によるタクシー会社の選択は、どのような基準で行われてもよい。又は、複数のタクシー会社から1つのタクシー会社を選択する操作をユーザ端末装置31にてユーザから更に受け付けてもよい。
【0193】
なお、ユーザ端末装置31から配車アプリサーバ装置11へタクシー選択の結果を送信した後の配車アプリサーバ装置11によるタクシーの配車等の処理は、先の実施の形態にて説明した処理と同様であるため、実施の形態2においては処理の詳細な説明を省略する。
【0194】
図32は、実施の形態2に係る配車アプリサーバ装置11が行う処理の手順を示すフローチャートである。実施の形態2に係る配車アプリサーバ装置11の処理部111は、ユーザ端末装置31を介してユーザによる乗車希望地点及び目的地点の入力を受け付ける(ステップS201)。処理部111は、入力を受け付けた乗車希望地点及び目的地点と、地図情報等とに基づいて、乗車希望地点から目的地点までのタクシーの走行経路の候補を算出する(ステップS202)。また処理部111は、この地域に対して配車可能なタクシーの運営会社について、料金算出DB112bの基づく事前料金をそれぞれ算出する(ステップS203)。
【0195】
処理部111は、算出した走行経路及び事前料金に関する情報をユーザ端末装置31へ送信することにより、ユーザ端末装置31に走行経路選択画面(
図28参照)を表示させる(ステップS204)。処理部111は、走行経路選択画面を表示したユーザ端末装置31を介して、ユーザによる走行経路の選択を受け付ける(ステップS205)。処理部111は、選択された走行経路及び事前料金等に関する情報を表示する情報表示画面(
図29及び
図30参照)を、ユーザ端末装置31に表示させる(ステップS206)。
【0196】
処理部111は、情報表示画面に設けられた「ルート選択」のボタンに対する操作の有無に基づいて、ユーザによる経路変更の要求操作が行われたか否かを判定する(ステップS207)。経路変更の要求操作が行われた場合(S207:YES)、処理部111は、ステップS204へ処理を戻し、ユーザ端末装置31に走行経路選択画面を表示させて上述の処理を行う。
【0197】
経路変更の要求操作が行われていない場合(S207:NO)、処理部111は、「タクシーを選択」のボタンに対する操作に応じて、ユーザ端末装置31にタクシー選択画面(
図31参照)を表示させる(ステップS208)。処理部111は、タクシー選択画面を表示したユーザ端末装置31を介して、タクシー選択画面に選択肢として表示された一又は複数の事前料金の中から、一の事前料金の選択をユーザから受け付ける(ステップS209)。処理部111は、ユーザにより選択された事前料金に応じてタクシー会社を決定し、このタクシー会社の情報処理装置13に対してタクシーの配車依頼を行い(ステップS210)、処理を終了する。
【0198】
その後、ユーザは乗車希望地点にてタクシーに乗車し、目的地点で降車する際に確定されていた事前料金に基づく決済処理を行う。ただし本実施形態に係るタクシー情報処理システムでは、ユーザが乗車希望地点においてタクシーに乗車した時点から、このタクシーが目的地点に到着するまでの間に、事前料金によるタクシーの運行を解除し、タクシーの料金メーターにて算出される料金での運行に変更することができる。
【0199】
この変更は、例えばタクシーの運転者の都合により目的地点を変更し、ユーザが予め確定された事前料金によるタクシーの運行に同意しない場合になされ得る。また例えば乗車希望地点にユーザが遅れて到着し、タクシーの運転者が待ち時間分の追加料金を請求する場合になされ得る。事前料金から料金メーターへの変更は、これら以外の様々な要因でなされてよく、乗客であるユーザが変更を要求する場合と、タクシーの運転者が変更を要求する場合とが含まれ得る。
【0200】
乗車希望地点からタクシーが目的地点への走行を開始した後に、事前料金から料金メーターへの変更がなされる場合、これまでの走行についての料金をユーザは支払う。このときに、例えばユーザは予め確定していた事前料金の金額を支払うこととしてもよく、また例えばこれまでに走行した距離と事前料金とに基づいてユーザが支払う金額を算出してもよく、また例えば一律のキャンセル料金等をユーザが支払うこととしてもよく、これら以外の金額をユーザが支払うこととしてもよい。また、事前料金から料金メーターへの変更の際にユーザが支払う金額は、この変更がユーザの要求によるものであるか、又は、タクシーの運転者によるものであるかに応じて異なる基準で算出されてもよい。
【0201】
以上の構成の実施の形態2に係るタクシー情報処理システムは、タクシーの運営会社毎の料金算出基準を料金算出DB112bに記憶しておき、運営会社毎の事前料金を算出し、複数の事前料金の中からユーザによる事前料金の選択を受け付けて、選択された事前料金をタクシーの事前料金として確定する。これによりユーザは、タクシーの運営会社毎に異なる事前料金を比較することができ、自分に適した事前料金を選択してタクシーを利用することができる。
【0202】
また実施の形態2に係るタクシー情報処理システムは、算出した事前料金が同額の運営会社をグループ化した事前料金の選択肢をタクシー選択画面に表示して事前料金の選択を受け付けると共に、表示した選択しにはこのグループに含まれる一又は複数の運営会社を識別するアイコン等の情報を付す。これにより運営会社が多数存在する場合に選択肢を簡略化することができると共に、選択する事前料金がいずれの運営会社によるものであるかをユーザが容易に認識することができる。
【0203】
また実施の形態2に係るタクシー情報処理システムは、走行経路選択画面において複数の走行経路の選択肢を表示し、選択肢の選択に基づいて走行経路の選択を受け付けると共に、表示した選択肢には事前料金の最小値及び最大値の情報を付す。これによりユーザは、凡その料金を確認して走行経路を選択することができる。
【0204】
なお実施の形態2において
図28~
図30等に示した画面の構成等は一例であってこれに限るものではなく、適宜の変更が行われ得る。
【0205】
また、実施の形態2に係るタクシー情報処理システムのその他の構成は、実施の形態1に係るタクシー情報処理システムと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0206】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0207】
2 タクシー
3 ユーザ
11 配車アプリサーバ装置
12 配車履歴DB
13 情報処理装置
14 決済サーバ装置
20 タクシー端末システム
21 タクシー端末装置
22 料金メーター
23 乗客用端末装置
31 ユーザ端末装置
98,99 記録媒体
111 処理部
111a 経路処理部
111b 注文処理部
111c 事前料金処理部
111d 配車処理部
111e 決済処理部
111f 配車履歴処理部
111g 表示処理部
112 記憶部
112a サーバプログラム
112b 料金算出DB
112c ユーザDB
112d タクシーDB
112e 注文管理DB
113 通信部
114 表示部
115 操作部
211 処理部
211a 表示処理部
211b 受諾受付部
211c キャンセル受付部
212 記憶部
212a プログラム
212b タクシーID
213 通信部
214 表示部
215 操作部
216 GPS受信部
221 処理部
222 通信部
223 表示部
224 操作部
231 処理部
232 通信部
233 表示部
234 操作部
311 処理部
311a 表示処理部
311b 配車依頼部
311c 承認受付部
312 記憶部
312a プログラム
312b ユーザID
313 通信部
314 表示部
315 操作部
316 GPS受信部