(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060157
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
F24F 8/80 20210101AFI20220407BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20220407BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20220407BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20220407BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20220407BHJP
【FI】
F24F8/80 310
F24F8/80 236
F24F8/108 110
F24F8/80 218
F24F8/80 216
F24F8/80 242
F24F13/28
B01D46/24 Z
B01D46/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129607
(22)【出願日】2021-08-06
(62)【分割の表示】P 2020167459の分割
【原出願日】2020-10-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大澤 直勝
(72)【発明者】
【氏名】古川 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】菅股 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】市橋 昌志
(72)【発明者】
【氏名】大西 純慈
(72)【発明者】
【氏名】大森 経右
(72)【発明者】
【氏名】飯島 竜太
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA09
4D058KA04
4D058KA08
4D058KC81
4D058LA05
4D058QA03
4D058QA11
4D058QA17
4D058QA21
4D058UA06
4D058UA25
(57)【要約】
【課題】大型化を抑制しつつ、単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気清浄機1Aは、吸込口及び吹出口を有する筐体2と、筐体2に設けられた送風機5L、5Rと、フィルタ6とを備える。送風機5L、5Rは、回転することで気流を発生させるファン52と、ファン52よりも気流の上流側に位置し空気が吸気される吸気部56L、56Rとを有する。ファン52の回転により吸込口を介して空洞部10Uに空気を吸い込み、空洞部10Uに吸い込まれた空気を吹出口22L、22Rに向けて流し、吹出口22L、22Rを介して空気を吹き出す。吸込口から吹出口22L、22Rに向けて流す空気をフィルタ6に通す。送風機5L、5Rの夫々の吸気部56L、56Rは、互いに相対して配置される。吸込口は、吸気部56L、56Rの相対する方向において、送風機5L、5Rの間に位置する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空洞部が形成され、且つ、吸込口及び吹出口を有する筐体と、
前記筐体に設けられた2つの送風機、及びフィルタと、
を備え、
前記2つの送風機は、
回転することで気流を発生させるファンと、前記ファンよりも前記気流の上流側に位置し空気が吸気される吸気部と、を有し、
前記ファンの回転により前記吸込口を介して前記空洞部に空気を吸い込み、前記空洞部に吸い込まれた空気を前記吹出口に向けて流し、前記吹出口を介して空気を吹き出し、 前記吸込口から前記吹出口に向けて流す空気を前記フィルタに通し、
前記2つの送風機の夫々の前記吸気部は、互いに相対して配置され、
前記吸込口は、
2つの前記吸気部の相対する方向である相対方向において、前記2つの送風機の間に位置し、
前記相対方向と交差する向きに開口する
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記筐体は、
前記相対方向と交差する交差方向に延びる第1延設部を有し、前記空洞部を前記相対方向に区画する仕切部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記仕切部は、
前記相対方向に延びる第2延設部を更に有することを特徴とする請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記第2延設部は、
前記第1延設部のうち、前記交差方向の中央に設けられたことを特徴とする請求項3に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記2つの送風機は、前記筐体における前記相対方向の両端部に設けられ、
前記フィルタは、前記相対方向において前記2つの送風機の間に設けられる
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記2つの送風機は、前記ファンよりも前記気流の下流側に位置し、空気が排気される排気部を更に有し、
前記筐体は、前記相対方向に長い略直方体であり、
前記2つの送風機の各々の前記吸気部及び前記排気部の少なくとも一方は、前記筐体の6面のうち前記相対方向に相対する2つの第1面の各々に相対して配置され、
前記吸込口は、前記筐体の6面のうち前記2つの第1面を除く4つの第2面の少なくとも何れかに設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記吸込口は、前記4つの第2面のうち少なくとも2つに設けられる
ことを特徴とする請求項6に記載の空気清浄機。
【請求項8】
前記吸込口は、
前記吸込口が設けられた少なくとも2つの第2面の少なくとも1つの面を塞ぐための閉塞機構を更に備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の空気清浄機。
【請求項9】
前記2つの送風機は、夫々、
ケーシングと、
前記ケーシングに固定されるモータと、
前記モータによって回転する前記ファンと、を備え、
前記モータの回転軸が前記相対方向に延びる軸流型の送風機である
ことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の空気清浄機。
【請求項10】
前記2つの送風機のそれぞれにより吹き出される空気の向きを調整するルーバを備えたことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の空気清浄機。
【請求項11】
前記吸込口は、
前記4つの第2面のうち互いに隣り合う少なくとも2つの吸込面に設けられ、
前記筐体は、
前記少なくとも2つの吸込面のうち何れかに設けられた前記吸込口である着脱吸込口を着脱可能に構成され、
前記フィルタの少なくとも一部は、
前記着脱吸込口が前記筐体から脱離された場合に露出し、
前記相対方向における前記フィルタの端部に設けられ、前記相対方向と交差する方向における前記フィルタの断面がU字状となるように前記フィルタを保形する保形部材を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の空気清浄機。
【請求項12】
前記保形部材は、前記フィルタのU字状における開口方向とは反対側に突出する把持部を有することを特徴とする請求項11に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空気の吸込口及び吹出口と送風機とを本体部に収納した空気清浄機を開示する。送風機は、吸込口から空気を吸引し吹出口から空気を流出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気清浄機において、単位時間当たりの空気の吸込量を大きくするための方法の1つとして、送風機のファンの径を大きくする方法がある。しかし、ファンの径を大きくした場合、空気清浄機が大型化するという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、大型化を抑制しつつ、単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる空気清浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る空気清浄機は、内部に空洞部が形成され、且つ、吸込口及び吹出口を有する筐体と、前記筐体に設けられた2つの送風機、及びフィルタと、を備え、前記2つの送風機は、回転することで気流を発生させるファンと、前記ファンよりも前記気流の上流側に位置し空気が吸気される吸気部と、を有し、前記ファンの回転により前記吸込口を介して前記空洞部に空気を吸い込み、前記空洞部に吸い込まれた空気を前記吹出口に向けて流し、前記吹出口を介して空気を吹き出し、前記吸込口から前記吹出口に向けて流す空気を前記フィルタに通し、前記2つの送風機の夫々の前記吸気部は、互いに相対して配置され、前記吸込口は、2つの前記吸気部の相対する方向である相対方向において、前記2つの送風機の間に位置し、前記相対方向と交差する向きに開口することを特徴とする。
【0007】
空気清浄機は、2つの送風機を設けたことにより、吸込口から吸い込まれる単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる。又、2つの送風機は、夫々の吸気部が互いに相対するように配置される。このため空気清浄機は、2つの送風機の夫々の吸気部が互いに相対しないように配置される場合と比べて、筐体の大きさを小さくできる。従って、空気清浄機は、筐体の大型化を抑制しつつ、単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】蓋31を脱離した空気清浄機1A(フィルタ6あり)の斜視図である。
【
図5】蓋31を脱離した空気清浄機1A(フィルタ6なし)の斜視図である。
【
図6】蓋31を脱離した空気清浄機1A(フィルタ6なし)の平面図である。
【
図7】
図3のA-A線を矢印方向から視た断面図である。
【
図8】
図3のB-B線を矢印方向から視た断面図である。
【
図10】第1変形例における空気清浄機1Bを示す図である。
【
図11】第2変形例における空気清浄機1Cを示す図である。
【
図12】第3変形例における空気清浄機1Dを示す図である。
【
図13】第4変形例における空気清浄機1Eを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<空気清浄機1Aの概要>
本発明の一実施形態である空気清浄機1Aについて説明する。
図1の上方、下方、右方、左方、左下方、及び右上方は、各々、空気清浄機1Aの上方、下方、前方、後方、左方、及び右方である。空気清浄機1Aは、周囲の空気を内部に吸い込んで清浄し、清浄された空気を外部に吹き出す。空気清浄機1Aは、筐体2(
図1~
図6参照)、送風機5L、5R(総称して「送風機5」という。
図7、
図9参照)、フィルタ6(
図4、
図7~
図9参照)、及び制御基板9(
図9参照)を備える。
【0010】
<筐体2>
図1~
図6に示すように、筐体2の形状は略6面体、より詳細には、左右方向に長い略直方体である。筐体2は、台座3B、前壁3F、後壁3S、左壁3L、右壁3R、上壁3Uを有する。台座3Bは略箱状を有し、制御基板9(
図9参照)等を収容する為の空間が内部に形成される。前壁3F、後壁3S、左壁3L、右壁3Rは夫々板状を有し、台座3Bの上壁30(
図9参照)に連結する。前壁3F、後壁3S、左壁3L、右壁3Rは、各々、台座3Bの上壁30の前端部、後端部、左端部、右端部から上方に向けて延びる。上壁3Uは板状を有し、前壁3F、後壁3S、左壁3L、右壁3Rの夫々の上端部に連結する。前壁3F、後壁3S、左壁3L、右壁3R、上壁3U、及び、台座3Bの上壁30で囲まれた内部空間を、空洞部10という。前壁3Fの前面2F、後壁3Sの後面2S、左壁3Lの左面2L、右壁3Rの右面2R、上壁3Uの上面2U、及び、台座3Bの底面2Bは、夫々、筐体2の6面のうち、前側、後側、左側、右側、上側、及び下側の各々の面に対応する。
【0011】
図1~
図3に示すように、上壁3Uは、左上壁31L、右上壁31R、及び蓋31を含む。左上壁31Lは、前壁3Fと後壁3Sとの夫々の上端部のうち左端部近傍、及び、左壁3Lの上端部の間に架設される。右上壁31Rは、前壁3Fと後壁3Sとの夫々の上端部のうち右端部近傍、及び、右壁3Rの上端部の間に架設される。
図4~
図6に示すように、左上壁31Lの右端部、右上壁31Rの左端部、及び、前壁3Fと後壁3Sとの夫々の上端部は、矩形状の開口部21を形成する。
図1~
図3に示すように、蓋31は開口部21に装着可能である。蓋31は板状を有し、開口部21を閉塞する。筐体2の上面2Uのうち、蓋31に対応する部分を上面31Uという。
【0012】
図5、
図6に示すように、台座3Bの上壁30に区画壁36L、36Rが設けられる。
区画壁36Lは、開口部21の左端部の下方に設けられる。区画壁36Rは、開口部21の右端部の下方に設けられる。区画壁36L、36Rは左右方向と直交する。区画壁36L、36Rには、スリット状の複数の貫通孔が形成される。
図7に示すように、区画壁36L、36Rは、空洞部10を3つの部分(空洞部10U、10L、10R)に区画する。空洞部10Lは、空洞部10のうち区画壁36Lよりも左方の部位である。空洞部10Rは、空洞部10のうち区画壁36Rよりも左方の部位である。空洞部10Uは、空洞部10のうち区画壁36L、36Rにて左右方向から挟まれた部位であり、装着された状態の蓋31の下方に位置する。空洞部10U、10L、10Rには各々、後述のフィルタ6、送風機5L、5Rが収容される(
図4参照)。なお、
図5、
図6ではフィルタ6(
図6参照)が省略されている。
【0013】
図5、
図6に示すように、台座3Bの上壁30に仕切部4が設けられる。仕切部4は、空洞部10U内に設けられる。仕切部4は、第1延設部41及び第2延設部42を有する。第1延設部41及び第2延設部42は、夫々板状を有し、上壁30から上方に立設する。第1延設部41は前後方向に延び、左右方向と直交する。第1延設部41は、筐体2の左右方向中央に配置され、空洞部10Uを左右方向に区画する。第1延設部41の前端部と筐体2の前壁3Fとの間、及び、第1延設部41の後端部と筐体2の後壁3Sとの間は、夫々離隔する。第2延設部42は、第1延設部41の前後方向中央に設けられる。第2延設部42は、第1延設部41から左右方向に延び、前後方向と直交する。第1延設部41と第2延設部42との夫々の上下方向の長さは等しい。第1延設部41及び第2延設部42の夫々の上端部と蓋31との間は離隔する。
【0014】
仕切部4により区画された空洞部10Uの複数の空間の夫々は、少なくとも一部で連通する。なお、本実施形態において、「区画」とは、例えば仕切部4のように区切られた複数の空間が少なくとも一部で連通する場合だけでなく、区切られた複数の空間が完全に分断される場合も含む。
【0015】
図6に示すように、第1延設部41の前後方向の長さは、筐体2の前壁3Fと後壁3Sとの間の前後方向の距離の略半分である。尚、第1延設部41の前後方向の長さは本実施形態に限定されないが、前壁3Fと後壁3Sとの間の前後方向の距離の略半分以上であることが好ましい。第1延設部41の前端部と前壁3Fとの間の距離、及び、第1延設部41の後端部と後壁3Sとの間の距離は、夫々、前壁3Fと後壁3Sとの間の前後方向の距離の略1/4であり、第1延設部41の前後方向の長さよりも短い。第2延設部42の左右方向の長さは、第1延設部41の前後方向の長さの略1/3である。
【0016】
図1~
図3に示すように、蓋31の上面31Uに吸込口20Uが形成される。前壁3Fの前面2Fのうち、左右方向において開口部21と重複する部分に、吸込口20Fが形成される。後壁3Sの後面2Sのうち、左右方向において開口部21と重複する部分に、吸込口20S(
図5参照)が形成される。つまり、吸込口20U、20F、20Sは、筐体2の6面のうち互いに隣り合う前面2F、上面2U、後面2Sの夫々に設けられる。吸込口20U、20F、20Sは夫々、スリット状の複数の貫通孔からなる。吸込口20Uは上下方向に開口し、吸込口20F、20Sは前後方向に開口する。従って、吸込口20U、20F、20Sは、何れも左右方向と直交する方向に開口する。
【0017】
図9に示すように、筐体2の左右両端部の各々に、開口部20L、20Rが形成される。開口部20Lは、上壁3U、前壁3F、後壁3S、及び台座3Bの上壁30の夫々の左端部にて囲まれる。開口部20Lは、空洞部10Lに連通する。開口部20Rは、上壁3U、前壁3F、後壁3S、及び台座3Bの上壁30の夫々の右端部にて囲まれる。開口部20Rは、空洞部10Rに連通する。開口部20L、20Rは、左右方向に相対する。
【0018】
左壁3Lは開口部20Lに嵌り、右壁3Rは開口部20Rに嵌る。左壁3Lには、円形の吹出口22Lが設けられる。右壁3Rには、円形の吹出口22Rが設けられる。吹出口22L、22Rの夫々にルーバ23が嵌る。ルーバ23は、平行に並んだ複数の羽板23Aを有する。ルーバ23は、複数の羽板23Aの夫々の間の隙間を介して流れる空気の向きを、左右方向に対して傾斜した方向に変更する。ルーバ23は、吹出口22L、22Rに対して摺動することにより、左壁3L又は右壁3Rに対して回転可能である。ユーザは、筐体2の内部から吹出口22L、22Rを介して外部に吹き出される空気の向きを、ルーバ23を回転させることにより調整できる。
【0019】
<フィルタ6>
フィルタ6はHEPAフィルタであり、空気からゴミ、塵埃等を取り除いて清浄する。
図8に示すように、フィルタ6は、プリーツ構造を有する厚板状のフィルタ基材が屈曲した構造を有する。フィルタ6を左右方向と直交する平面で切断した時の断面形状は、略U字状となる。
図8、
図9に示すように、フィルタ6は、左右方向に延びる上部6U、前部6F、及び後部6Sを有する。上部6Uは上下方向と直交する。前部6Fは、上部6Uの前端部から下方に向けて延びる。後部6Sは、上部6Uの後端部から下方に向けて延びる。前部6F及び後部6Sは前後方向に相対する。フィルタ6に対して下方向を、フィルタ6の開口方向という。
【0020】
フィルタ6は、筐体2の空洞部10Uに収容される。フィルタ6の前部6Fは、前壁3Fのうち吸込口20Fが形成された部位に対して後側に配置される。フィルタ6の後部6Sは、後壁3Sのうち吸込口20Sが形成された部位に対して前側に配置される。フィルタ6の上部6Uは、開口部21に装着された蓋31に対して下側に配置される。フィルタ6の上部6U、前部6F、及び後部6Sで囲まれた空間内に、仕切部4が配置される。
図4に示すように、フィルタ6は、開口部21から蓋31が脱離された状態で露出する。ユーザは、開口部21を介して空洞部10Uからフィルタ6を取り出すことが可能である。
【0021】
図9に示すように、フィルタ6には、左右方向両端部に、不織布で構成された薄板状の保形部材61が設けられる。保形部材61は、保形部61A及び把持部61Bを有する。
保形部61Aは、フィルタ6の断面形状と同一形状を有する。保形部61Aは、フィルタ6の左右方向両端部に接着され、フィルタ6の断面形状がU字状で維持されるように、フィルタ6を保形する。把持部61Bは、保形部61Aの上端部から、フィルタ6の開口方向と反対側、即ち上側に延びる。把持部61Bは、フィルタ6の上部6Uの上端部よりも上方に突出する。蓋31が開口部21に装着される場合、把持部61Bは、左右方向においてフィルタ6とは反対側に折り曲げて空洞部10Uに収納される。把持部61Bは、ユーザが空洞部10Uからフィルタ6を取り出す時に把持される。
【0022】
フィルタ6の左右方向両端部にはシール部材62が設けられる。より具体的には、フィルタ6の左端部に設けられた保形部材61の保形部61Aと区画壁36Lとの間、及び、フィルタ6の右端部に設けられた保形部材61の保形部61Aと区画壁36Rとの間にシール部材62が設けられる。シール部材62はフィルタ6の断面形状と同一形状を有し、軟質ウレタンフォームで構成される。シール部材62は、左右方向におけるフィルタ6(保形部材61)と区画壁36Lとの間隙、及びフィルタ6(保形部材61)と区画壁36Rとの間隙を埋める。シール部材62が設けられることで、送風機5L、5Rによるフィルタ6を介した空気の吸引効率が向上する。
【0023】
<送風機5>
図7に示すように、送風機5は、軸流型の送風機である。送風機5L、5Rは、筐体2における左右方向の両端部に設けられる。より具体的には、送風機5Lは、シール部材55L(
図9参照)を介して空洞部10Lに固定される。送風機5Lは左壁3Lの右方に隣接する。シール部材55Lは、軟質ウレタンフォームで構成され、左上壁31L、前壁3F、後壁3S、及び台座3Bの上壁30と後述する送風機5Lのケーシング51との間隙を埋める。送風機5Rは、シール部材55R(
図9参照)を介して空洞部10Rに固定される。送風機5Rは右壁3Rの左方に隣接する。シール部材55Rは、軟質ウレタンフォームで構成され、右上壁31R、前壁3F、後壁3S、及び台座3Bの上壁30と後述する送風機5Rのケーシング51との間隙を埋める。シール部材55L、55Rが設けられることで、送風機5L、5Rによるフィルタ6を介した空気の吸引効率が向上する。空洞部10Uに収容されたフィルタ6、及び、筐体2の吸込口20U、20F、20S(
図9参照)は、左右方向において送風機5L、5Rの間に配置される。
【0024】
図7、
図9に示すように、送風機5L、5Rは、夫々、ケーシング51、ファン52、及びモータ53を備える。ケーシング51は角筒状を有する。ケーシング51の貫通孔は左右方向に延びる。モータ53はケーシング51により、ケーシング51の貫通孔の中心近傍に固定される。モータ53の回転軸は、左右方向に延びる。ファン52は、ケーシング51の貫通孔の内部に配置され、モータ53によって回転する。
【0025】
ファン52は、回転により気流を発生させる。送風機5Lのファン52により発生する気流は、送風機5Lのケーシング51の貫通孔を右方から左方に通過する。
図7に示すように、送風機5Lのケーシング51のうち、貫通孔の右端部で囲まれた領域を吸気部56Lといい、左端部で囲まれた領域を排気部57Lという。送風機5Rのファン52により発生する気流は、送風機5Lのケーシング51の貫通孔を左方から右方に通過する。送風機5Rのケーシング51のうち、貫通孔の左端部で囲まれた領域を吸気部56Rといい、右端部で囲まれた領域を、排気部57Rという。吸気部56L、56Rは、ファン52よりも気流の上流側に位置し、空気が吸気される。吸気部56L、56Rは、左右方向に相対する。排気部57L、57Rは、ファン52よりも気流の下流側に位置し、空気が排気される。排気部57Lは左壁3Lの左面2Lに相対して配置する。排気部57Rは右壁3Rの右面2Rに相対して配置する。
【0026】
<制御基板9>
図9に示すように、台座3Bの下壁32は着脱可能である。台座3Bの内部空間に、制御基板9(メイン基板9A及びLED基板9B)、及びスイッチ9Cが収容される。メイン基板9Aには、制御回路、USBコネクタ90A、及びケーブルコネクタ90B等が実装される。USBコネクタ90Aには、空気清浄機1Aに電源を供給するためのUSBケーブルが接続される。USBコネクタ90Aは、台座3Bの左側面に設けられた凹部33から露出する。ケーブルコネクタ90Bには、送風機5L、5Rから延びるケーブル59が接続される。LED基板9BにはLEDが実装される。LEDは、台座3Bの前側面に設けられた貫通孔34を介して露出する。スイッチ9Cはスライドスイッチである。スイッチ9Cのつまみ35Aは、台座3Bの前側面に設けられた貫通孔35を介して前方に突出する。
【0027】
<動作概要>
USBコネクタ90AにUSBケーブルが接続されることによって、空気清浄機1Aは給電された状態となる。この状態でユーザはつまみ35Aを操作し、空気清浄機1Aによる空気の清浄を開始する。メイン基板9Aの制御回路は送風機5L、5R、より具体的には送風機5L、5Rの各モータ53を駆動し、夫々のファン52を回転させる。送風機5L、5Rは、吸気部56R、56Lから排気部57L、57Rに向けて流れる気流を発生させる。この気流により、空気清浄機1Aは、筐体2の上側の吸込口20U,前側の吸込口20F、後側の吸込口20Sを介して外部から空洞部10Uに空気を吸い込む。吸い込まれた空気は、吸込口20U,20F、20Sの内側に配置されたフィルタ6を通過し、清浄される。更に送風機5L、5Rは、空洞部10U内の清浄された空気を、吸気部56L、56Rから排気部57L、57Rに向けて左方向又は右方向に流す。これにより、清浄された空気は、筐体2の左側の吹出口22L、及び右側の吹出口22Rを介して左右外方向に吹き出される。
【0028】
<本実施形態の作用、効果>
空気清浄機1Aは、送風機5L、5Rを設けることにより、送風機を1つのみ設ける場合と比べて、吸込口20U、20F、20Sから吸い込まれる単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる。又、送風機5L、5Rは、夫々の吸気部56R、56Lが互いに相対するように配置される。このため空気清浄機1Aは、送風機5L、5Rの夫々の吸気部56R、56Lが互いに相対しないように配置される場合と比べて、筐体2の大きさを小さくできる。従って、空気清浄機1Aは、筐体2の大型化を抑制しつつ、単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる。空気清浄機1Aは、特にファン52の径方向において筐体2の大型化を抑制することができる。
【0029】
空気清浄機1Aは、仕切部4の第1延設部41により、空洞部10Uを左右方向に区画する。この場合、空気清浄機1Aは、相対する送風機5L、5Rの夫々によって空洞部10Uに形成される左右方向への空気の流れが互いに影響し合うことを抑制できる。従って、空気清浄機1Aは、吸込口20U、20F、20Sからの空気の吸い込み、及び、吹出口22L、22Rからの空気の吹き出しを効率よくできる。
【0030】
仕切部4は、空洞部10Uを左右方向に区画する第1延設部41に加えて、空洞部10Uを前後方向に区画する第2延設部42を有する。この場合、空気清浄機1Aは、相対する吸込口20F、20Sから吸い込まれる空気が空洞部10U内で互いに影響し合うことを抑制できる。又、空気清浄機1Aは、筐体2の前後方向の中央に第2延設部42を設けることにより、吸込口20F、20Sから吸い込まれる空気を、空洞部10Uで均等に分配して左右方向に流すことができる。従って、空気清浄機1Aは、空洞部10Uにおける左右方向への空気の流れを更にスムーズにできる。更に、第2延設部42は第1延設部41を補強し、左右方向に倒れることを抑制できる。
【0031】
送風機5L、5Rは、筐体2における左右方向の両端部に設けられる。この場合、空気清浄機1Aは、左右方向において送風機5L、5Rの間に設けられるフィルタ6の配置可能な領域を、最大限確保できる。従って、空気清浄機1Aは、大きなフィルタ6の使用が可能となるので、空気の清浄をフィルタ6により効率よく行うことができる。
【0032】
空気清浄機1Aは、左右方向に長い直方体状の筐体2の6面のうち、面積が相対的に大きい上面2U、前面2F、後面2Sに吸込口20U、20F、20Sを有する。この場合、空気清浄機1Aは、吸込口20U、20F、20Sの面積を大きくできるので、吸込口20U、20F、20Sから吸い込まれる単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる。又、空気清浄機1Aは、筐体2の左面2L及び右面2Rを除く4面のうち複数の面(上面2U、前面2F、後面2S)に吸込口20U、20F、20Sを配置する。この場合、筐体2に対して一方向だけではなく多方向の空気を効率よく吸い込んで清浄できる。
【0033】
送風機5L、5Rは軸流型の送風機であり、夫々のモータ53の回転軸は左右方向に延びる。この場合、空気清浄機1Aは、送風機5L、5Rにより吹出口22L、22Rから吹き出される空気を、吸込口20U、20F、20Sの開口方向(上方向、前方向、後方向)と直交する方向(左右方向)に向けて流すことができる。従って、空気清浄機1Aは、吹出口22L、22Rから吹き出された空気が、吸込口20U、20F、20Sから再度吸い込まれる可能性を軽減できる。
【0034】
ルーバ23は、吹出口22L、22Rから吹き出される空気の向きを、左右方向に対して傾斜した方向に変更できる。このためユーザは、ルーバ23を回転させることにより、吹出口22L、22Rから吹き出される空気の向きを所望する向きに調整できる。
【0035】
保形部材61は、フィルタ6の断面形状がU字状で維持されるように、フィルタ6を保形する。U字状のフィルタ6は、吸込口20U、20F、20Sの夫々に、上部6U、前部6F、及び後部6Sを夫々近接して配置させる。このため空気清浄機1Aは、吸込口20U、20F、20Sの夫々から吸い込まれる空気を、共通のフィルタ6により清浄できる。又、ユーザは、一度のフィルタ6の着脱動作により、吸込口20U、20F、20Sの夫々に対応するフィルタ6(上部6U、前部6F、後部6S)を交換できる。従って、空気清浄機1Aのメンテナンス性を良好にできる。更に、ユーザは、フィルタ6の把持部61Bを把持してフィルタ6の着脱動作を行うことができるので、フィルタ6に直接触れることを防止でき、衛生的である。
【0036】
<第1変形例>
図10を参照し、第1変形例について説明する。第1変形例に係る空気清浄機1Bは、仕切部4Bの形状が空気清浄機1Aの仕切部4と相違する。空気清浄機1Bのその他の構成は、空気清浄機1Aと同一である。
【0037】
図10に示すように、空気清浄機1Bの仕切部4Bの左面43Lは湾曲し、仕切部4Bの上端部43Tから下端部43Bに向けて、左斜め下方に延びる。空気清浄機1Bの仕切部4Bの右面43Rは湾曲し、仕切部4Bの上端部43Tから下端部43Bに向けて、右斜め下方に延びる。左面43L及び右面43Rの夫々の下端部43Bから上端部43Tに向かう傾斜角度は、上端部43Tに近接する程大きくなる。
【0038】
空気清浄機1Bは、仕切部4Bの左面43L及び右面43Rを垂直方向に対して傾斜させ且つ湾曲させることにより、特に筐体2の上面2Uの吸込口20Uから吸い込まれる空気を、左面2Lの吹出口22L、及び右面2Rの吹出口22Rに向けてスムーズに流すことができる。
【0039】
<第2変形例>
図11を参照し、第2変形例について説明する。第2変形例に係る空気清浄機1Cは、送風機7L、7Rを更に備えること、及び、仕切部4Cの形状が空気清浄機1Aと相違する。空気清浄機1Cのその他の構成は、空気清浄機1Aと同一である。
【0040】
図11に示すように、空気清浄機1Cは仕切部4Cを備える。仕切部4Cは、中央延設部44C、左延設部44L、及び右延設部44Rを有する。中央延設部44C、左延設部44L、及び右延設部44Rは夫々、前後方向に延びる。中央延設部44Cは、上壁30の左右方向中央から上方に立設し、空洞部10Uを左右方向に区画する。左延設部44Lは、上壁30のうち送風機5Lの右側近傍から右斜め上方に立設する。左延設部44Lは、空洞部10Uのうち中央延設部44Cよりも左側の領域を左右方向に区画する。右延設部44Rは、上壁30のうち送風機5Rの左側近傍から左斜め上方に立設し、空洞部10Uのうち中央延設部44Cよりも右側の領域を左右方向に区画する。中央延設部44C、左延設部44L、及び右延設部44Rの夫々の上端部は連結せず、左右方向に離隔する。
又、中央延設部44C、左延設部44L、及び右延設部44Rの夫々の上端部は、筐体2の上壁3Uに対して下方に離隔する。
【0041】
以下、中央延設部44C、左延設部44L、及び右延設部44Rにより区画された空洞部10Uの4つの領域を、分割空洞部45A、45B、45C、45Dという。吸込口20U、20F、吸込口20Sの夫々のうち分割空洞部45A、45B、45C、45Dの夫々と連通する部分を、各々、第1部分吸込口、第2部分吸込口、第3部分吸込口、第4部分吸込口という。
【0042】
送風機5Lは、第1部分吸込口を介して分割空洞部45Aに空気を吸い込む。空気は、分割空洞部45Aに吸い込まれる過程でフィルタ6を通過し、清浄される。更に送風機5Lは、分割空洞部45A内の清浄された空気を、筐体2の左側の吹出口22Lを介して左方向に吹き出す。又、送風機5Rは、第4部分吸込口を介して分割空洞部45Dに空気を吸い込む。空気は、分割空洞部45Dに吸い込まれる過程でフィルタ6を通過し、清浄される。更に送風機5Rは、分割空洞部45D内の清浄された空気を、筐体2の右側の吹出口22Rを介して左方向に吹き出す。
【0043】
空気清浄機1Cは更に、送風機7L、7Rを備える。送風機7Lは、台座3B内、且つ、分割空洞部45Bの下方に固定される。上壁30のうち送風機7Lの上方に開口26Lが設けられ、台座3Bの下壁32のうち送風機7Lの下方に吹出口27Lが設けられる。
送風機7Rは、台座3B内、且つ、分割空洞部45Cの下方に固定される。上壁30のうち送風機7Rの上方に開口26Rが設けられ、台座3Bの下壁32のうち送風機7Rの下方に吹出口27Rが設けられる。
【0044】
送風機7Lは、第2部分吸込口を介して分割空洞部45Bに空気を吸い込む。空気は、分割空洞部45Bに吸い込まれる過程でフィルタ6を通過し、清浄される。更に送風機7Lは、分割空洞部45B内の清浄された空気を、開口26L、及び、筐体2の下側の吹出口27Lを介して下方向に吹き出す。又、送風機7Rは、第3部分吸込口を介して分割空洞部45Cに空気を吸い込む。空気は、分割空洞部45Cに吸い込まれる過程でフィルタ6を通過し、清浄される。更に送風機7Rは、分割空洞部45C内の清浄された空気を、開口26R、及び、筐体2の下側の吹出口27Rを介して下方向に吹き出す。
【0045】
以上のように、空気清浄機1Cは4つの送風機(送風機5L、5R、7L、7R)を有するので、空気清浄機1A~1Cと比べて吸込口20U、20F、20Sから吸い込まれる単位時間当たりの空気の吸込量を大きくできる。又、空気清浄機1Cは、送風機5L、5R、7L、7Rの夫々が駆動することにより形成される気流を、分割空洞部45A~45Dを介して流すことができる。この場合、送風機5L、5R、7L、7Rの駆動に応じて空洞部10Uを流れる空気が互いに影響し合うことを、仕切部4Cにより抑制できる。
従って空気清浄機1Cは、空洞部10U内で空気をスムーズに流すことにより、空気を清浄する効率を高めることができる。
【0046】
第2変形例において、中央延設部44C、左延設部44L、右延設部44Rの夫々の上端部は連結してもよい。更にこの状態で、中央延設部44C、左延設部44L、右延設部44Rの夫々の上端部は蓋31に接触してもよい。
【0047】
<第3変形例>
図12を参照し、第3変形例について説明する。第3変形例に係る空気清浄機1Dにおいて、送風機5Lはダクト58Lを有し、送風機5Rはダクト58Rを有する。ダクト58L、58Rは屈曲した管状を有し、2つの開口を有する。
【0048】
送風機5Lの吸気部56Lは、ダクト58Lの開口の一方に対応し、右方に向けて開口する。吸気部56Lは、筐体2の左壁3Lの左面2Lに相対し、吹出口22Lに連結する。送風機5Lの排気部57Lは、ダクト58Lの開口の他方に対応し、吸気部56Lよりも左方に配置される。排気部57Lは、下方に向けて開口する。送風機5Lのファン52は、排気部57Lの近傍に配置され、ダクト58L内部から外部に向けて空気を流す。空気は、送風機5Lの排気部57Lを介して下方に排気される。
【0049】
送風機5Rの吸気部56Rは、ダクト58Rの開口の一方に対応し、左方に向けて開口する。吸気部56Rは、筐体2の右壁3Rの右面2Rに相対し、吹出口22Rに連結する。送風機5Lの吸気部56Lと、送風機5Rの吸気部56Rは、左右方向に相対する。送風機5Rの排気部57Rは、ダクト58Rの開口の他方に対応し、吸気部56Rよりも右方に配置される。排気部57Rは、下方に向けて開口する。送風機5Rのファン52は、排気部57Rの近傍に配置され、ダクト58R内部から外部に向けて空気を流す。空気は、送風機5Rの排気部57Rを介して下方に排気される。
【0050】
送風機5L、5Rは、吸気部56L、56Rから排気部57L、57Rに向けて流れる気流を発生させる。この気流により、空気清浄機1Aは、筐体2の吸込口20U,20F、20Sを介して外部から空洞部10Uに空気を吸い込む。吸い込まれた空気は、フィルタ6を通過して清浄される。更に送風機5L、5Rは、空洞部10U内の清浄された空気を、吸気部56L、56Rからダクト58L、58Rを介して排気部57L、57Rに向けて流す。これにより、清浄された空気は、送風機5L、5Rの排気部57L、57Rを介して下方向に吹き出される。
【0051】
<第4変形例>
図13を参照し、第4変形例について説明する。第4変形例に係る空気清浄機1Eでは、上壁3Uの上面2Uに形成された吸込口20Uを閉塞する為の閉塞機構81U、前壁3Fの前面2Fに形成された吸込口20Fを閉塞する為の閉塞機構81F、及び、後壁3Sの後面2Sに形成された吸込口20Sを閉塞する為の閉塞機構81Sを有する。閉塞機構81U、81F、81Sは、各々、筐体2に閉塞板80を取り付けることが可能なフックである。閉塞機構81Uに閉塞板80が取り付けられた場合、吸込口20Uは閉塞板80により閉塞される。閉塞機構81Fに閉塞板80が取り付けられた場合、吸込口20Fは閉塞板80により閉塞される。閉塞機構81Sに閉塞板80が取り付けられた場合、吸込口20Sは閉塞板80により閉塞される。
【0052】
例えば、空気清浄機1Eを使用するユーザは、用途に応じて吸込口20U、20F、20Sの一部を閉塞板80により閉塞する。この場合、ユーザは、特定の吸込口から空気清浄機1Eに空気が吸い込まれることを防止できる。又、ユーザは、空気清浄機1Eにおいて閉塞されていない吸込口からの単位時間当たりの吸い込み量を大きくすることができる。
【0053】
<その他の変形例>
本発明は種々の変更が可能である。以下、特段の説明のない限り、空気清浄機1Aを例に挙げて変形例を説明するが、適宜、空気清浄機1B~1Eに適用可能であることはいうまでもない。
【0054】
空気清浄機1Aは、左壁3L及び右壁3Rの相対する方向が上下方向と平行な状態で使用されてもよい。例えば空気清浄機1Aは、筐体2の長手方向とマイクスタンドとが平行となる向きで、台座3Bをマイクスタンドに固定して使用されてもよい。筐体2の形状は直方体状に限定されない。例えば筐体2は、左右方向に長い円柱、角柱(三角柱等)でもよい。送風機5の数は2(空気清浄機1A、1B、1D、1E)、4(空気清浄機1C)に限定されず、3、又は5以上でもよい。
【0055】
仕切部4の第1延設部41の前端部は、筐体2の前壁3Fに接触してもよい。第1延設部41の後端部は、筐体2の後壁3Sに接触してもよい。第1延設部41の上端部は、筐体2の上壁3Uに接触してもよい。この場合、空洞部10Uは、第1延設部41によって左右方向に分断されてもよい。吸込口20U、20F、20Sは、分断された領域毎に設けられてもよい。空気清浄機1Aは仕切部4を有さなくてもよい。
【0056】
仕切部4の第2延設部42の左右両端部は、筐体2の左壁3L及び右壁3Rに接触してもよい。第2延設部42の上端部は、筐体2の上壁3Uに接触してもよい。この場合、空洞部10Uは、第2延設部42によって前後方向に分断されてもよい。吸込口20Uは、分断された領域毎に設けられてもよい。仕切部4は、第1延設部41のみ有し、第2延設部42を有さなくてもよい。第1延設部41及び第2延設部42は各々板状でなくてもよく、例えば、円柱状であったり角柱状であってもよい。
【0057】
送風機5Lの吸気部56L、及び、送風機5Rの吸気部56Rは、夫々の全体が左右方向に相対していなくともよく、例えば、吸気部56L、56Rの夫々の一部のみが左右方向に相対してもよい。送風機5Lは、筐体2の左壁3Lよりも左側に固定されてもよい。
この場合、送風機5Lの吸気部56Lと筐体2の左面2Lとが左右方向に相対してもよい。同様に、送風機5Rは、筐体2の右壁3Rよりも右側に固定されてもよい。この場合、送風機5Rの吸気部56Rと筐体2の右面2Rとが左右方向に相対してもよい。フィルタ6は、送風機5L、5Rの排気部57L、57Rに対して気流の下流側に設けられてもよい。この場合、フィルタ6は、左右方向において送風機5L、5Rの間の部分に設けられなくてもよい。
【0058】
吸込口は、上面2U、前面2F、後面2Sに加え、台座3Bの底面2Bにも設けられてもよい。吸込口は、筐体2の上面2U、前面2F、後面2S、及び、底面2Bのうち何れか1面又は2面に設けられてもよい。例えば空気清浄機1Aは、前面2Fの吸込口20F、及び、後面2Sの吸込口20Sのみ有し、上面2Uの吸込口20U、及び、底面2Bの吸込口を有さなくてもよい。
【0059】
送風機5のモータ53の回転軸は、左右方向に対して傾斜した方向に延びてもよい。送風機5は、筐体2に対して回転可能に設けられてもよい。ユーザは、送風機5自体を回転させることによって、吹き出される空気の向きを調整してもよい。送風機5は軸流型の送風機に限定されず、斜流型、遠心型の何れかでもよい。蓋31は、筐体2の前壁3F又は後壁3Sに着脱可能に設けられてもよい。フィルタ6の断面形状はU字状に限定されず、他の断面形状でもよい。例えばフィルタ6は、上部6U、前部6F、後部6Sの夫々の断面形状が直線状に延び、且つ、上部6Uと前部6Fとの連結部及び上部6Uと後部6Sとの連結部の夫々の断面形状が角ばった形状(コの字状)でもよい。フィルタ6は、上部6U、前部6F、後部6Sが夫々別体に形成されてもよい。
【0060】
<その他>
左右方向は、本発明の「相対方向」の一例である。前後方向は、本発明の「交差方向」の一例である。蓋31に設けられた吸込口20Uは、本発明の「着脱吸込口」の一例である。
【符号の説明】
【0061】
1A、1B、1C、1D、1E:空気清浄機、2:筐体、2F:前面、2L:左面、2R:右面、2S:後面、2U:上面、4、4B、4C:仕切部、5、5L、5R、7L、7R:送風機、6:フィルタ、10、10L、10R、10U:空洞部、20F、20S、20U:吸込口、22L、22R、27L、27R:吹出口、23:ルーバ、41:第1延設部、42:第2延設部、51:ケーシング、52:ファン、53:モータ、56L、56R:吸気部、57L、57R:排気部、61:保形部材、61A:保形部、61B:把持部、62:シール部材、81F、81S、81U:閉塞機構