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特開2022-60181自動化されたタービンブレードとシュラウドとの間の間隙測定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060181
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】自動化されたタービンブレードとシュラウドとの間の間隙測定
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/14 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
G01B11/14 H
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021162448
(22)【出願日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】63/086,783
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/462,166
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
2.コンパクトフラッシュ
(71)【出願人】
【識別番号】520327227
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ オイルフィールド オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baker Hughes Oilfield Operations, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラーク・エー.・ベンダル
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ダブリュー.・パンコウ
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA22
2F065CC08
2F065DD06
2F065FF04
2F065FF44
2F065GG24
2F065HH07
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065MM04
2F065MM06
2F065QQ24
2F065QQ29
2F065QQ31
2F065QQ33
2F065QQ42
2F065SS01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブレードとシュラウドとの間の距離又は間隙の自動化された評価を可能にすること。
【解決手段】2次元画像、及び3次元表面点のセットを特徴付けることができるデータを受信する。2次元画像は、少なくともブレードの先端部及びシュラウドの一部分を特徴付けることができ、3次元表面点は、ブレードの先端部及びシュラウドの部分を特徴付けることができる。ブレードの縁部の第1の場所及びシュラウドの表面の第2の場所は、データに基づいて決定することができる。ブレードの縁部の第1の場所とシュラウドの表面の第2の場所との間の距離は、データに基づいて決定することができる。この距離は提供することができる。関連する装置、システム、技術、及び物品も記載される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
2次元画像、及び3次元表面点のセットを特徴付けるデータを受信することであって、前記2次元画像は、少なくともブレードの先端部及びシュラウドの一部分からなり、3次元表面点の前記セットは、前記ブレードの前記先端部及び前記シュラウドの前記部分を特徴付ける、ことと、
前記受信したデータに基づいて、前記ブレードの縁部の第1の場所及び前記シュラウドの表面の第2の場所を決定することと、
前記ブレードの前記縁部の前記第1の場所と前記シュラウドの前記表面の前記第2の場所との間の距離を決定することと、
前記距離を提供することと、を含む、方法。
【請求項2】
タービンに挿入されたボアスコープによって、前記ブレード、及び前記シュラウドの前記部分の1つ以上の構造化光画像を取得することと、
前記ボアスコープによって、前記2次元画像を取得することであって、前記2次元画像は白色光画像である、ことと、
前記取得した構造化光画像に基づいて、3次元表面点の前記セットを決定することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の場所が、前記ブレードの前記縁部を特徴付ける線を含み、前記第2の場所が、前記シュラウドの前記表面を特徴付ける平面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ブレードの前記縁部の前記第1の場所を決定することが、
前記2次元画像を特徴付ける前記データに基づいて、ブレード縁部領域内に位置する画素を特定することと、
前記特定した画素をクラスタリングしてセグメントを形成することと、
前記セグメントから、各セグメント内の画素の数に基づいて、最終ブレード縁部セグメントを決定することであって、前記最終ブレード縁部セグメントを前記決定することが、更に画素強度値に基づく、ことと、
前記最終ブレード縁部セグメントをフィルタリングすることと、
前記フィルタリングした最終ブレード縁部セグメント内の各点について、前記フィルタリングした最終ブレード縁部セグメント内の点の位置を、フィッティングされた3次元ブレード表面上に少なくとも投影することによって、3次元縁点を決定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記距離を決定することが、各3次元縁点から前記第2の場所までの距離を計算することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記距離を決定することが、最小距離、最大距離、及び平均距離を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記提供することが、
第1のグラフィカルユーザインタフェース表示空間内に、前記2次元画像と、前記2次元画像内の前記第1の場所及び前記2次元画像内の前記第2の場所を特徴付ける第1のグラフィカルアイコンとを表示することと、
第2のグラフィカルユーザインタフェース表示空間内に、前記3次元表面点を含むレンダリングされた3次元画像と、前記第1の場所及び前記第2の場所を特徴付ける第2のグラフィカルアイコンとを表示することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記受信することが、前記ブレードと前記シュラウドとを含むタービンのポートに挿入されたボアスコープによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ブレードが前記ボアスコープのカメラの視野内で回転したことを示す命令を、回転ツールからボアスコープによって受信することと、
前記命令を受信したことに応じて、前記2次元画像を特徴付ける前記データを前記受信すること、前記第1の場所及び前記第2の場所を前記決定すること、並びに前記距離を前記決定することを実行することと、を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ボアスコープのカメラの視野内へと別のブレードを回転させるように、回転ツールに命令を送信することと、
前記別のブレードについて、前記受信すること、前記第1の場所及び前記第2の場所を前記決定すること、並びに前記距離を前記決定することを繰り返すことと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記回転ツールが電子制御モータを含み、前記回転ツールは、前記タービンに機械的に連結されており、前記タービンのブレードを、前記ボアスコープの前記カメラの前記視野を通って回転させるように構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記提供することが、グラフィカルユーザインタフェース表示空間内に、前記表面点を含む3次元空間を表すレンダリングされた2次元画像及び前記3次元空間内の前記第1の場所を表すグラフィカルアイコンを表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の場所を決定することが、前記ブレードの前記縁部が表される前記2次元画像内の複数の2次元ブレード縁部画素を特定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
3次元表面点の前記セット内の各点が、前記2次元画像内の画素に関連付けられており、前記第1の場所を決定することが、各2次元ブレード縁部画素に対する3次元ブレード縁点を決定することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記提供することが、グラフィカルユーザインタフェース表示内に、前記3次元表面点を含む3次元空間を表すレンダリングされた2次元画像及び前記3次元空間内の前記3次元ブレード縁点を表すグラフィカルアイコンを表示することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記グラフィカルアイコンが、前記レンダリングされた2次元画像内の前記3次元表面点からずれるように、前記3次元ブレード縁点のうちの少なくとも1つが、前記3次元表面点のうちのいずれの3次元座標とも一致しない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各2次元ブレード縁部画素に対する3次元ブレード縁点を決定することが、前記2次元ブレード縁部画素の前記ブレード側にある画素に関連付けられた少なくとも複数の3次元表面点を使用して、フィッティングされたブレード表面を決定することと、前記2次元ブレード縁部画素に関連付けられた3次元視線が前記フィッティングされたブレード表面と交差する3次元座標を決定することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の場所を決定することが、前記白色光画像及び前記1つ以上の構造化光画像に対して縁部検出を実行することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記提供することが、グラフィカルユーザインタフェース表示空間内に、前記3次元表面点を含む3次元空間を表すレンダリングされた2次元画像及び前記第1の場所を特徴付けるグラフィカルアイコンを表示することを含み、前記シュラウドの前記部分を特徴付ける前記3次元表面点が、前記2次元画像内での前記ブレード及び前記シュラウドの相対的な配向に関係なく、前記ブレードの前記先端部を特徴付ける前記3次元表面点に対して一貫した配向で自動的に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
画像センサ、ディスプレイ、及びプロセッサを備えるボアスコープシステムであって、少なくとも1つの前記プロセッサが、
前記画像センサによって提供されるデータから生成された少なくとも1つの2次元画像を受信することであって、前記少なくとも1つの2次元画像は、少なくともブレードの先端部及びシュラウドの一部分を含む、ことと、
前記少なくとも1つの2次元画像を使用して複数の3次元表面点を計算することと、
前記少なくとも1つの2次元画像のうちの1つ以上において前記ブレードの縁部が出現する複数のブレード縁部画素を自動的に特定することと、
前記ブレード縁部画素及び前記3次元表面点の場所に基づいて、複数の3次元ブレード縁点を決定することと、
複数の3次元シュラウド点を自動的に特定することと、
前記3次元シュラウド点から3次元シュラウド表面を決定することと、
各3次元ブレード縁点と前記3次元シュラウド表面との間の縁点距離を決定することと、
前記縁点距離に基づいて、結果距離を決定することと、
前記ディスプレイに、前記結果距離を表示することと、
前記ディスプレイに、前記画像センサによって提供されるデータから生成された画像、及び前記複数のブレード縁部画素の前記場所を示すグラフィカルアイコンを表示することと、を行うように構成されている、ボアスコープシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2020年10月2日に出願された米国特許仮出願第63/086,783号の優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
タービンの経時的な動作は、タービンの様々な構成要素に寸法の変化をもたらし得る。このような寸法の変化は、タービンの性能及び効率を低下させるか、又は動作におけるリスクを増大させ得る摩擦及び摩耗をもたらすことがある。メンテナンスは、タービンが許容可能なレベルで機能していることを確実にするために、ルーチン的に実行されなければならない。検査もまた、使用後の重要な寸法を監視するために、オペレータ及び検査員によって実行される。
【0003】
実行することができるそのような検査の1つは、タービンシュラウド間隙の測定である。この間隙はタービンブレードとタービンシュラウドとの間にあり、ブレードの摩耗若しくは伸び、シュラウドの膨張、収縮、若しくは歪みに起因して、又はタービン軸がシュラウドに対してずれていると、間隙は経時的に増減し得る。間隙寸法はまた、指定された性能特性が満たされることを確実にするための、新しく製造されるタービンに対する重要なパラメータでもある。より大きい間隙は、追加の空気が間隙を通って漏れることが可能になることにより、動作の非効率につながる可能性があり、より小さい間隙は、ブレード先端部がシュラウドと擦れて損傷又は摩耗を引き起こすことにつながる可能性がある。シュラウド間隙の検査は、多くの場合、ボアスコープをボアスコープポートに挿入して、シュラウド間隙の画像データをキャプチャすることによって実行される。そこから、ボアスコープのオペレータは、タービンの様々な特徴部上でデータポイントを手動で選択して、測定値を取得することができる。しかしながら、画像品質が不十分である場合、又は着目領域の周囲の画像コントラストが十分に高くない場合、着目する場所の選択及び2D又は3Dマッピングに誤りが生じやすくなり得る。更に、単なる手動選択も同様に誤りが生じやすくなり得る。経験の少ないオペレータは、測定カーソルを不正確に配置することがある。間隙サイズは、多くの場合、ブレード先端部の長さに沿って変化し、例えば、個々の測定カーソルの手動配置によって最小、最大、及び平均間隙サイズを決定しようとすることは、非常に時間がかかるプロセスであり得る。更に、小径のボアスコープシステムによって生成される3Dデータは、多くの場合、ブレード縁部付近に又はシュラウド上に間隙又は人工的なノイズ偏差を有し、これらは、所望の場所に測定カーソルを配置することを妨げ得るか、又は手動測定で典型的に行われるように、それらの3Dデータ座標を直接使用して行われる測定の精度を低下させ得る。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、2次元画像、及び3次元表面点のセットを特徴付けることができるデータが受信される。2次元画像は、少なくともブレードの先端部及びシュラウドの一部分を特徴付けることができ、3次元表面点は、ブレードの先端部及びシュラウドの部分を特徴付けることができる。ブレードの縁部の第1の場所及びシュラウドの表面の第2の場所は、データに基づいて決定することができる。ブレードの縁部の第1の場所とシュラウドの表面の第2の場所との間の距離は、データに基づいて決定することができる。この距離は提供することができる。
【0005】
以下の特徴のうちの1つ以上が、任意の実行可能な組み合わせで含まれ得る。例えば、ブレード及びシュラウドの部分の1つ以上の2次元構造化光画像は、タービンに挿入されたボアスコープによって、又は任意の同様の手段によって取得することができる。2次元画像は白色光画像であってもよく、ボースコープ又は同等物によって取得することができる。3次元表面点のセットは、1つ以上の取得した構造化光画像から決定することができる。
【0006】
第1の場所は、ブレードの縁部を特徴付ける線を含むことができ、第2の場所は、シュラウドの表面を特徴付ける平面を含むことができる。
【0007】
ブレードの縁部の第1の場所を決定することは、追加の工程を伴い得る。例えば、ブレード縁部領域内に位置する画素は、2次元画像を特徴付けるデータに基づいて特定することができる。特定した画素は、クラスタリングしてセグメントを形成することができる。最終ブレード縁部セグメントは、形成したセグメントから決定することができ、最終ブレード縁部セグメントは、画素の数及び画素の強度値のうちの少なくとも1つに基づいて更に決定することができる。次いで、最終ブレード縁部セグメントは、フィルタリングすることができる。フィルタリングした最終ブレード縁部セグメント内の各点について、フィルタリングした最終ブレード縁部セグメント内の点の位置を、フィッティングされた3次元ブレード表面上に少なくとも投影することによって、3次元縁点を決定することができる。
【0008】
距離を決定することは、各3次元縁点から第2の場所までの距離を計算することを含む追加の工程を含むことができる。更に、最小距離、最大距離、及び平均距離を決定することができる。
【0009】
距離を提供することは、例えば、2次元画像と、2次元画像内の第1の場所及び第2の場所を特徴付ける第1のグラフィカルアイコンとを第1のグラフィカルユーザインタフェース表示空間内に表示することを含むことができる。3次元表面点と、2次元画像内の第1の場所及び2次元画像内の第2の場所を特徴付ける第2のグラフィカルアイコンとは、第2のグラフィカルユーザインタフェース表示空間内に表示することができる。
【0010】
データの受信は、ブレードとシュラウドとを含むタービンのポートに挿入されたボアスコープによって実行することができる。
【0011】
距離を提供することは、様々な工程を更に含むことができる。ブレードがボアスコープのカメラの視野内で回転したことを示す命令を、回転ツールからボアスコープによって受信することができる。この命令を受信したことに応じて、2次元画像を特徴付けるデータを受信することができ、第1及び第2の場所、並びに距離が決定され得る。
【0012】
ボアスコープのカメラの視野内へと別のブレードを回転させるように、回転ツールに命令を送信することができる。2次元画像、及び3次元表面点のセットを特徴付けることができるデータを受信することができる。2次元画像は、少なくともブレードの先端部及びシュラウドの一部分を特徴付けることができ、3次元表面点は、ブレードの先端部及びシュラウドの部分を特徴付けることができる。ブレードの縁部の第1の場所及びシュラウドの表面の第2の場所は、データに基づいて決定することができる。ブレードの縁部の第1の場所とシュラウドの表面の第2の場所との間の距離は、データに基づいて決定することができる。この距離は提供することができる。
【0013】
命令を記憶する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載されており、命令は、1つ以上のコンピューティングシステムの1つ以上のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書に記載の動作を実行させる。同様に、1つ以上のデータプロセッサ及び1つ以上のデータプロセッサに結合されたメモリを含み得るコンピュータシステムも記載されている。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を実行させる命令を一時的又は永続的に記憶し得る。加えて、方法は、1つ以上のデータプロセッサによって、単一のコンピューティングシステム内か、又は2つ以上のコンピューティングシステム間に分散されるか、のいずれかで実装され得る。このようなコンピューティングシステムは、接続され得、かつネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続を含む1つ以上の接続、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ以上の間の直接接続などを経由して、データ及び/若しくはコマンド又は他の命令などを交換し得る。
【0014】
本明細書に記載される主題の1つ以上の変形の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。本明細書に記載される主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面、並びに「特許請求の範囲」から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】例示的なタービンシュラウド間隙測定セットアップの一部分の側面図を示す。
【0016】
図2】前方視型の取り外し可能な位相先端部を示す。
【0017】
図3】例示的な側視型の取り外し可能なボアスコープ位相先端部を示す。
【0018】
図4】構造化光放出システムを示す。
【0019】
図5】拡張された側視型の取り外し可能な位相先端部を示す。
【0020】
図6】シュラウド間隙測定を実行するための可能なツールの例示的なディスプレイメニューを示す。
【0021】
図7】線マッピング及び距離測定を示している例示的なディスプレイを示す。
【0022】
図8】表面マッピング及び距離測定を示している例示的なディスプレイを示す。
【0023】
図9】自動化されたシュラウド間隙測定プロセスを示しているプロセスフロー図である。
【0024】
図10】シュラウド間隙測定中のボアスコープと回転ツールとの間の一方向通信を示しているプロセスフロー図である。
【0025】
図11】シュラウド間隙測定中のボアスコープと回転ツールとの間の双方向通信を示しているプロセスフロー図である。
【0026】
図12】例示的なビデオ検査デバイスのブロック図である。
【0027】
様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
タービン内のブレードとシュラウドとの間の距離又は間隙を検査するとき、ボアスコープをタービン内のポートに挿入して、間隙を視覚的に検査することができ、例えば、照明及びカメラを使用して間隙の画像を取得することができる。次いで、取得した画像を検査して距離を決定することができる。しかし、ボアスコープ上の照明器が、視光学系(例えば、カメラ)と比較してシュラウドからほぼ同じ又はより小さい距離に位置する場合、ブレードの下に視認可能な影が存在しないことがある。これにより、取得画像内でのブレードとシュラウドとの間のコントラストが非常に小さくなり得、ブレードの縁部の場所を精度良く決定することが困難になり得る。照明器が視光学系(例えば、カメラ)よりもシュラウドから更に遠くに位置する場合、シュラウド上に視認可能な影帯が落ち、これにより、取得画像内にブレード縁部に沿って有意なコントラストが生じ、ブレードの縁部の場所を精度良く決定する能力が改善される。
【0029】
したがって、本主題のいくつかの実施態様は、ブレード及びシュラウドの2次元画像を使用してブレードの縁部の場所を決定することを含む。2次元画像から得られた情報は、例えば、ボアスコープの構造化光センサを使用して得ることができる、3次元表面点のセットと組み合わせて、ブレードの縁部及びシュラウドの表面の場所を特定することができる。ブレードの縁部及びシュラウドの表面の場所を特定することは、ブレードとシュラウドとの間の距離又は間隙の自動化された評価を可能にすることができる。ボアスコープ上の異なる位置から投影された拡散標準検査光及び構造化光パターンの両方を使用してキャプチャされた2次元画像を利用して、ブレードの縁部の場所を特定し、この情報を3次元表面点と組み合わせることにより、ブレードの縁部の場所をより正確に決定することができ、それにより、ブレード-シュラウド間の間隙の改善が可能になる。
【0030】
いくつかの実施態様では、ボアスコープは、ボアスコープによる検査のためにタービンブレードを定位置に回転させることができる回転ツールと通信することができる。ボアスコープを回転ツールと同期させることにより、検査プロセスは、より効率的に実行することができる。
【0031】
タービン検査は、タービンの安全性及び性能を確保するためにルーチン的に実行することができる。オペレータ及び検査員は、タービンシュラウド間隙を検査するために、ボアスコープ又は類似のデバイスを介して画像データをキャプチャすることに依存し得る。画像データは、着目領域を特徴付ける2D及び3Dデータの両方を含むことができる。画像データ内で、処理アルゴリズムは、自動的に、2D及び3Dデータを処理してタービンブレード領域及びタービンシュラウド領域を特定し、ブレードの縁部を縁点及びシュラウド表面(should surface)の場所とマッピングし、ブレード縁点とシュラウド表面との間の距離を計算することができる。次いで、これらの距離は、2D画像、レンダリングされたポイントクラウドビュー、又は結果を提示する類似の方法と共に、ディスプレイ上に提供することができる。
【0032】
例示的な処理アルゴリズムは、一連の基本工程を含むことができる。これらの工程は、3D表面点のセットを使用して連続表面を特定することを含んでもよい。ブレード及びシュラウド表面は、特定された表面点から選択することができる。次いで、ブレード縁部が存在する可能性が高いブレード縁部領域を2D画像内で決定することができる。縁部検出を実行して、ブレード縁部の存在を示し得るブレード縁部領域内でブレード縁部画素候補を特定することができる。密集したブレード縁部画素候補の群を繋いで、ブレード縁部セグメント候補を作成することができる。より高い確率のセグメント(例えば、より多くの接続点又はより強い検出縁部値を有するセグメント)と一致しない可能性のあるブレード縁部セグメントを除去して、最終ブレード縁部セグメントセットを作成することができる。最終ブレード縁部セグメントセット内の点に2D位置フィルタリングを適用して、フィルタリングされた2D縁点のセットを決定することができる。各フィルタリングされた2D縁点について、点付近のブレード表面の3Dフィッティングを実行することができ、フィルタリングされた2D縁点位置をフィッティングされた3Dブレード表面上に投影することによって、3D縁点を決定することができる。非常にノイズが多いと判定されたブレード表面上のそれらの3D点は、計算された3D縁点位置に対するノイズの影響を低減するために、このフィッティングから除外され得る。したがって、決定された3D縁点は、一般に、3D表面点のセット内に存在しない3D座標を有し、3Dブレード縁点を表すグラフィカルアイコンは、レンダリングされたポイントクラウド画像内の3D表面点から視認可能にオフセットされ得る。
【0033】
各3D縁点からシュラウド表面までの距離を計算することができ、これは、特定されたシュラウド表面に含まれる3D点に平面又は曲面をフィッティングすることによって決定することができる。シュラウド表面からの最小距離及び最大距離を有する3D縁点を特定することができ、全ての3D縁点からシュラウド表面までの距離の平均を計算することができる。フィルタリングされた2D縁点の場所、最小点の場所、最大点の場所、並びに最小、最大及び平均距離の数値を白色光画像上に表示することができる。3D縁点の場所、最小点の場所、及び最大点の場所は、3D表面点のレンダリングされた3D表現上に表示することができる。カーソルは、最小点及び最大点の場所に表示することができ、ユーザは、それらの位置を調整することが可能であり得る。ブレード縁部を完全にマッピングすることができなかった場合、結果の精度について不確実性がある場合(例えば、低いブレード縁部コントラスト又はノイズが多い3Dデータに起因する)、又は最小、最大、若しくは平均が、事前にプログラムされた範囲の外側にある場合、システムは、助言メッセージを提供することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、上記の工程は、ボアスコープのオペレータが画像キャプチャ動作を手動で開始した後に実行される。いくつかの実施形態では、ボアスコープは、タービンに接続されている回転ツールに通信可能に接続されており、その結果、タービンのブレードがボアスコープカメラの視野内の所定の位置に移動させられるとボアスコープに通知され、ボアスコープシステムは、自動的に画像キャプチャを開始し、上記処理工程を実行する。いくつかの実施形態では、検査中にキャプチャされた複数の画像について最小、最大、及び/又は平均結果のテーブルを収集し、そのテーブルをファイルとして又は検査レポートの一部として出力してよい。所定の制限範囲の外側又は検査用の公称範囲の外側にある最小、最大、及び/又は平均結果を有するブレードを特定することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、2次元画像は、ブレード及びシュラウドが白色LED又はアーク灯などの光源からの拡散標準検査光で照らされている間にキャプチャされてよい。このような画像は、標準検査画像又は白色光画像と称され得る。いくつかの実施形態では、単一の白色光画像が処理される。いくつかの実施形態では、画像の輝度がブレード縁部の幅にわたって著しく変化するときにブレード縁部マッピングを改善するために、2つ以上の白色光画像を異なる輝度レベルでキャプチャし、組み合わせて処理することができる。いくつかの実施形態では、ブレード縁部検出工程において使用されるハイダイナミックレンジ画像を作成するために、複数の画像を異なる輝度レベルでキャプチャし、次いで、マージすることができる。いくつかの実施形態では、白色光画像は、視差情報を使用して3次元表面点のセットを生成することができるように、単一の画像センサを使用して立体画像を生成するための立体光学系を使用して、又は立体画像の1つ以上の対を生成するための2つ以上の別個の画像センサを使用して取得されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、複数の投影パターン測定画像、すなわち、構造化光画像が取得され、処理されてよい。構造化光画像の取得は、ブレードの縁部部分及びシュラウドの表面上への、ドット、線、又は位相シフト正弦波線などの構造化光パターンの投影を含んでよい。構造化光画像は、3次元表面点のセットを生成するように処理されてよい。構造化光画像はまた、ブレードの縁部を特徴付ける2次元画素座標を決定するために処理されてもよい。構造化光画像は、平均化、加算などによって合成して、パターンのコントラストを低減してもよく、そうでなければ、ブレード縁部検出の妨げになることがある。いくつかの実施形態では、シュラウドからの事前にプログラムされた距離範囲内にあるブレード上の点は、迅速な合格/不合格の視覚的指示を提供するためにマスクされる。別の実施形態では、シュラウドからの事前にプログラムされた距離範囲外にあるブレード上の点が、マスクされる。いくつかの実施形態では、シュラウドからの事前にプログラムされた距離にあるブレード上の点が、マスクされる。いくつかの実施形態では、3Dポイントクラウドビューにおいて、シュラウドからの事前にプログラムされた距離に平面が示される。
【0037】
いくつかの実施形態では、画像キャプチャプロセスは、標準検査照明で、典型的には、白色LEDからキャプチャされた2D白色光画像、及び3D表面点のセットを利用することができ、各3D表面点は、対応する画素を1つ又は複数の白色光画像内に有する。3D表面点は、ボアスコープシステムによってキャプチャされた1つ以上の測定画像から生成することができる。場合によっては、測定画像は、例えば、立体画像の場合のように、1つ又は複数の白色光画像であってもよい。場合によっては、測定画像は、標準検査照明がオフ及びパターン投影照明器がオンで(例えば、Baker Hughesの3D Phase Measurementで)で撮影された構造化光画像であってもよい。例えば、ボアスコープは、その遠位端に、又はその遠位端にある取り外し可能な先端部内に、1つ以上の光エミッタ(例えば、LED、VCSELなど)を含んでもよく、この光エミッタは、エミッタが通電されると線パターンが視野面上に投影されるように、不透明パターンが表面に堆積されているガラス窓の背後に位置付けられる。標準検査照明の出口点が、視光学系と比較してシュラウドからほぼ同じ又はより小さい距離にある場合、1つ又は複数の白色光画像内のブレードの下に視認可能な影が存在しないことがある。これにより、特定の領域においてブレードとシュラウドとの間のコントラストがほとんどないことがあり得る。パターン投影照明器からの光は、よくあることだが、パターン投影照明器が視光学系よりもシュラウドから更に遠くに位置する場合、結果として、視光学系の位置から視認可能であり、かつ1つ又は複数の白色光画像内に存在し得るものよりも著しく高いコントラストをブレード縁部に沿って提供する暗い影が、ブレードによって落とされ得る。したがって、構造化光画像は、2次元画像内のブレードの縁部をより正確に又はより完全にマッピングするために、白色光画像と併せて使用されてもよい。
【0038】
図1は、測定セットアップ100の側面図を示す。ボアスコープ130、又は同様のデバイスは、ボアスコープポート140を介してタービンに進入して、タービンシュラウド間隙150の撮像アクセスを得ることができる。シュラウド間隙150は、タービンブレード110とタービンシュラウド部分120との間にある。タービンブレード110の縁部及びタービンシュラウド部分120の表面に沿った様々な点をマッピングすることによってタービンシュラウド間隙150の検査及び測定を容易にするために、ボアスコープ130を使用して、シュラウド間隙150を撮像することができる。
【0039】
図2は、タービンシュラウド間隙の撮像及び測定の準備としてボアスコープの遠位端に配置することができる、例示的な前方視型の取り外し可能なボアスコープ3D位相測定先端部(位相先端部)200を示す。位相先端部200は、標準検査光放出源210及び構造化光放出源220を含む、正確な撮像及び測定のための様々な光放出源を含むことができる。標準検査光放出源210は、電球、閃光電球、LED、又は同様の光源とすることができ、標準検査撮像のために、先端部に含まれ得るか、又は光ファイバーを使用して先端部に送達され得る。構造化光放出源220は、構造化光パターンを放出することができる任意の光源を含むことができる。構造化光放出源220は、標準検査光放出源210よりも高いコントラストを、ブレード及びシュラウドに対するそれらの場所に応じて、タービンブレードとタービンシュラウドとの間に提供することができる。更に、立体撮像技術を、位相先端部200、並びに標準検査光放出源210及び/又は構造化光放出源220と併せて使用してもよい。
【0040】
正面視型の取り外し可能な位相先端部200などの位相先端部に固定された放出源は、個々に又は互いに組み合わせて、離散的に又は同時に使用されて、画像センサ(図示せず)又は類似の画像キャプチャデバイスに連結された視光学系230を介してタービンシュラウド間隙の撮像が行われることを可能にしてもよい。加えて、画像は、様々な程度の輝度で連続して標準検査放出源210及び/又は構造化光放出源220を使用して視光学系230を介してキャプチャすることができ、これらの画像を足し合わせて、キャプチャした着目領域のより高いダイナミックレンジの画像を作成することができる。標準検査光放出源210及び構造化光放出源220からなど、標準光及び構造化光の同時放出に依存して視光学系230を介してキャプチャされた画像を合成して、加算画像を生成することができる。
【0041】
図3は、タービンシュラウド間隙の撮像及び測定の準備としてボアスコープの遠位端に配置することができる、例示的な側視型の取り外し可能なボアスコープ位相先端部300を示す。側視型の取り外し可能なボアスコープ位相先端部300は、標準検査光放出源310、構造化光放出源320、及び画像センサ(図示せず)に連結された視光学系330、又は当該技術分野において既知のタービンの画像をキャプチャするのに有用な任意の同等の構造を含む、正面視型の取り外し可能なボアスコープ位相先端部200の特徴のいずれか及び全てを含むことができる。
【0042】
図4は、構造化光放出420を投影する構造化光放出源410を特徴とする構造化光放出システム400を示す。放出源410は、正面視型位相先端部200若しくは側視型位相先端部300などのボアスコープ位相先端部、又は類似のデバイスとすることができる。
【0043】
図5は、正面視型位相先端部200及び側視型位相先端部300と同様の方法でボアスコープの遠位端に配置することができる、例示的な側視型の拡張範囲の取り外し可能なボアスコープ位相先端部500を示す。拡張範囲位相先端部500は、正面視型の取り外し可能なボアスコープ位相先端部200若しくは側視型の取り外し可能なボアスコープ位相先端部300、又は類似のデバイスの特徴のいずれか及び全てを含むことができる。加えて、拡張範囲位相先端部500は、2つ以上の構造化光放出源510a及び510bを特徴とすることができ、拡張範囲位相先端部の使用は、画像データをキャプチャする際により広い範囲の照明角度を可能にすることができる。
【0044】
図6は、シュラウド間隙測定又は他の種類の測定を実行するための可能なツールの例示的なディスプレイメニュー600を示す。
【0045】
図7は、ブレード縁部マッピング及びシュラウド間隙測定を示している例示的なディスプレイ700を示す。ディスプレイ700の左側領域は、最大値、最小値、及び平均値を含む、いくつかの測定値と共に、マッピングされたブレード縁部画素710を用いたタービンシュラウド間隙のキャプチャ画像データを示す。3つのシュラウドカーソル720は、シュラウドに対して決定された平面上に又はその非常に近くにある3D表面点に自動的に配置される。ユーザは、シュラウドカーソル720を調整して、決定されたシュラウド平面、ひいては決定された測定値を変えることができる。カーソル730及び740は、ブレード縁部上の特定された最小距離点及び最大距離点の場所を示す。カーソル750及び760は、最小、最大、及び平均シュラウド間隙の決定に使用される、マッピングされたブレード縁部の部分の境界を形成するものであり、ブレード縁部の部分を除外するために使用者によって調節されてもよい。ディスプレイ700の右側領域は、ブレードの先端部及びシュラウドの部分を特徴付ける3D表面点のセットを含んでいる3D空間のレンダリングされた2D画像(ポイントクラウドビュー)を、決定された3Dブレード縁点の場所及び左側領域内の2D画像上に示された各種カーソルに関連する3Dの場所を示すグラフィカルアイコンと共に示す。マッピングされた縁部とマッピングされたシュラウドとの間の最小距離及び最大距離は、マッピングされたシュラウド表面に垂直な線セグメントで2つの場所に印が付けられている。ポイントクラウドビューをレンダリングするプロセスは、左側領域の2D画像内でのブレード及びシュラウドの配向に関係なく、シュラウドが水平であること、ブレードがシュラウドの上方にあること、及びビューがブレード表面に対してほぼ垂直であることなど、ブレード及びシュラウドの一貫した初期相対位置及び配向をもたらす座標変換の適用を含む。ポイントクラウドビューにおいてブレード及びシュラウドを一貫して配向することにより、ユーザは、タッチスクリーン、ジョイスティック、又はマウスなどの入力デバイスを使用してビューを手動で回転させるのに費やす時間が減少することによって、潜在的な不正確さの原因をより迅速に検査することができる。他の実施形態は、ディスプレイを満たすように拡大された、左側領域の画像及びグラフィック又は右側領域の画像及びグラフィックのみを示し得る。
【0046】
ディスプレイの下部領域は、マッピング及び測定を含む、操作手順を容易にするための様々なメニューオプションを特徴とする。ディスプレイの右側下部領域は、画面記録、データキャプチャ、並びにマッピング及び測定された画像データの保存を容易にするボタンを特徴とする。画像の上部領域は、設定の好みを変える、及び/又は測定を支援する様々な機能を実行するための追加のボタンを特徴とする。
【0047】
図8は、ブレード縁部マッピング及びシュラウド間隙測定を示している例示的なディスプレイ800を示す。ディスプレイ800の左側領域は、図7のディスプレイと同様に、最大値、最小値、及び平均値を含む、いくつかの測定値と共に、マッピングされたブレード縁部画素710を用いたタービンシュラウド間隙のキャプチャ画像データを示す。左側画像はまた、マッピング及び測定のための着目するタービンシュラウド部分を表すように自動的に決定される平面から閾値距離未満である3D表面点に関連付けられた2D画像内の画素を強調表示している影付き領域も示す。カーソル760は、破線770によって示される、ブレード縁部画素の一部分を、最小、最大、及び平均シュラウド間隙値の決定から除外するために、図7での位置から手動で移動されている。最小シュラウド間隙距離の場所を示すカーソル740は、図7に示される以前の場所が現在の除外領域内にあるので、カーソル760の移動に応じて自動的に移動させられている。ディスプレイ800の右側領域は、図7のものと同様のポイントクラウドビューを示すが、ブレード縁点の場所を示すグラフィカルアイコンは、最小、最大、及び平均決定に含まれる(マゼンタ)か、又はそれから除外される(紫色)かに基づいて異なる色を有する。他の実施形態は、ディスプレイを満たすように拡大された、左側領域の画像及びグラフィック又は右側領域の画像及びグラフィックのみを示し得る。
【0048】
中央上部領域は、左側領域でアクティブカーソル730の近傍に示されている2D画像の一部分の拡大図を示す、ズームウィンドウ780を含む。ズームウィンドウ780は、カーソル730がブレードの縁部に正確に位置することをユーザがより容易に確認することを可能にする。いくつかの実施形態は、ユーザが、ズームウィンドウ780内の矢印のうちの1つをタップ又はクリックすることによってカーソル730の位置を調整することを可能にし得る。同様に、他のカーソルも、ズームウィンドウ780を介した位置確認及び/又は調整を可能にするようにアクティブ化され得る。ディスプレイの下部領域は、図7に示すものと同様のマッピング及び測定を含む、操作手順を容易にするための様々なメニューオプションを特徴とする。ディスプレイの右側下部領域は、画面記録、データキャプチャ、並びにマッピング及び測定された画像データの保存を容易にするボタンを特徴とする。画像の上部領域は、設定の好みを変える、及び/又は測定を支援する様々な機能を実行するための追加のボタンを特徴とする。
【0049】
図9は、タービンシュラウド間隙測定の例示的な実施態様を示すプロセスフロー図900である。この例示的なプロセスは、より高いコントラストの画像データを使用してシュラウド間隙をより正確に検査及び測定する方法で、タービンシュラウド間隙の検査を容易にすることができる。ブレードの縁部の場所を含む情報は、ブレード及びシュラウドの2次元画像を使用して決定することができ、その情報は、3次元表面点のセットと組み合わせることができ、3次元表面点のセットは、構造化光照明、拡散標準光照明、又はこの2つの組み合わせを使用して得ることができる。これらの照明は、ボアスコープ位相先端部から放出することができる。ブレードの縁部の場所は、3次元表面点と組み合わされた2次元データの組み合わせを使用して、より正確に決定することができる。更に、いくつかの実施態様では、ボアスコープは、ボアスコープによる検査のためにタービンブレードを定位置に回転させることができる回転ツールと通信することができる。検査プロセスは、ボアスコープを回転ツールと同期させることによって、より効率的に実行することができる。
【0050】
910において、ブレードの先端部及びシュラウド部分の2D画像及び3D表面点を特徴付けるデータを受信することができる。データは、タービンブレード110とタービンシュラウド部分120との間にセットされるシュラウド間隙150の視野をキャプチャするようにボアスコープポート140内にセットされたボアスコープ130から受信することができる。このデータは、ボアスコープ130を介したキャプチャ画像に由来することができ、画像は、ボアスコープの位相先端部から放出された光を使用してキャプチャすることができる。例示的な位相先端部が図2図3、及び図5に示されている。
【0051】
920において、受信した画像データから第1のブレード縁部の場所及び第2のシュラウド表面の場所を決定することができる。これは、セグメントを形成するために、及び2次元画像を特徴付けるデータに基づいて、ブレード縁部領域内に位置する画素を特定すること、及び/又は特定された画素をクラスタリングすることを含むことができる。更に、これは、セグメントから、各セグメント内の画素数に基づいて、及び画素強度値に基づいて最終ブレード縁部セグメントを決定することを含むことができる。ブレード縁部セグメントはフィルタリングすることができ、フィルタリングした最終ブレード縁部セグメント内の各点について、フィルタリングした最終ブレード縁部セグメント内の点の位置を、フィッティングされた3次元ブレード表面上に少なくとも投影することによって、3次元縁点を決定することができる。
【0052】
930において、ブレードの縁部の第1の場所とシュラウド表面の第2の場所との間の距離を決定することができ、これらの距離は、タービンシュラウド間隙を表す。距離は、各3次元縁点から第2の場所までの距離を計算することによって決定することができる。更に、最小距離、最大距離、及び平均距離を決定することができる。
【0053】
940において、ボアスコープシステムに接続されたディスプレイを介してユーザに距離を提供することができるか、又は距離をメモリ内に記憶し、予め設定された値と比較することができる。2次元画像と、2次元画像内の第1の場所及び2次元画像内の第2の場所を特徴付ける第1のグラフィカルアイコンとを、第1のグラフィカルユーザインタフェース表示空間内に表示することができる。3次元表面点と、2次元画像内の第1の場所及び2次元画像内の第2の場所を特徴付ける第2のグラフィカルアイコンとを、第2のグラフィカルユーザインタフェース表示空間内に表示することができる。いくつかの実施態様では、不十分な測定データ、又は検査の失敗をユーザに警告することができる。
【0054】
図10は、シュラウド間隙の検査及び測定中のボアスコープと回転ツールとの間の一方向通信の例示的な実施態様を示しているプロセスフロー図1000である。この例示的な実施態様は、回転ツールがタービンを回転させて、測定されていないタービンシュラウド間隙がボアスコープの視野内に入るのに応じて、タービンシュラウド間隙測定が連続的に行われることを可能にすることができる。次いで、ボアスコープは、回転ツールから命令を受信して、シュラウド間隙測定プロセスを開始することができる。
【0055】
1005において、測定プロセスの準備としてボアスコープをシュラウド間隙に対してセットアップするように自動先端部クリアランスが構成される。
【0056】
1010において、タービンを回転させて、タービンブレード及びタービンシュラウド間隙をボアスコープのビューイングポートに提示するように、回転ツールが始動させられる。
【0057】
1015において、画像キャプチャ、並びにシュラウド間隙の検査及び測定のために新しいタービンブレード及びシュラウド間隙がボアスコープのビューイングポートに提示されることをボアスコープに示すために、ブレード変更メッセージが回転ツールから受信される。
【0058】
1020において、タービンシュラウド、シュラウド間隙、及びタービンブレードの視野を含む画像データがキャプチャされる。画像データは、2D画像データ、及び3D表面点のセットを含んでもよく、又は3D表面点のセットは、画像データを使用して決定されてもよい。画像データは、ボアスコープ位相先端部230を介してキャプチャすることができ、シュラウド間隙、タービンブレード、及びタービンシュラウドの照明は、標準検査光放出源210、構造化光放出源220、又はこれらの組み合わせによって実行することができる。
【0059】
1025において、先端部クリアランス測定が実行される。画像データ及び3D表面点を評価して、タービンブレード縁部及びシュラウド表面を識別及びマッピングすることができ、縁部と表面との間で距離が計算される。その距離は、それぞれのタービンブレードの様々な場所におけるタービンシュラウド間隙測定値を表す。先端部クリアランス測定は、例えば、上記の図9を参照して説明したプロセスを使用して実行することができる。
【0060】
1030において、それぞれのタービンブレードのシュラウド間隙測定値が、これまでに完了した測定値のリストに記録される。リストは、検査が残りのブレード上で実行されている間、メモリに記憶しておくことができる。
【0061】
1035において、シュラウド間隙測定値を表す、記録された値は、検査オペレータ及び/又は業界によって設定された最小限度及び最大限度と比較される。
【0062】
1040において、記録された値が、最小限度及び最大限度と比較したときに、懸念される値にあることがわかると、警告メッセージが表示される。
【0063】
1045において、1025で測定したブレードが、タービン内で測定されるべき最後のブレードであるか否かを判定するためのシステムチェックが実行される。チェックが否定を返すと(直近に測定されたブレードがタービンの最後の測定されていないブレードではないことを示す)、システムは1015に進み、測定プロセスを継続する。チェックが肯定を返すと(直近に測定されたブレードがタービンの最後の測定されていないブレードであったことを示す)、システムは1050に進む。
【0064】
1050において、システムオペレータ、検査員、又は他の人物によるレビューのために、1035の最大限度及び最小限度の外側にあるとシステムによって見なされた画像データに関する画像が特定される。
【0065】
1055において、一連のシュラウド間隙測定の結果がファイルにエクスポートされる。
【0066】
図11は、タービンシュラウド間隙の検査及び測定中のボアスコープと回転ツールとの間の双方向通信を示しているプロセスフロー図1100である。この例示的な実施態様は、回転ツールがタービンを回転させて、測定されていないタービンシュラウド間隙がボアスコープの視野内に入るのに応じて、タービンシュラウド間隙測定が連続的に行われることを可能にすることができる。通信は、回転ツールからボアスコープへ、及びボアスコープから回転ツールへと行われる。
【0067】
1110において、タービンを回転させ、タービンブレード及びタービンシュラウド間隙をボアスコープのビューイングポートに提示することを開始するために、回転ツールが始動させられる。
【0068】
1115において、次のブレードを順番に測定用のボアスコープのビューイングポートに提示するように回転ツールに指示するために、ボアスコープからのブレード変更メッセージが回転ツールによって受信される。
【0069】
1120において、タービンシュラウド、タービン間隙、及びタービンブレードの視野を含む画像データがキャプチャされる。データはまた、2D画像データ、及び3D表面点のセットを含んでもよい。画像データは、ボアスコープ位相先端部カメラ230を介してキャプチャすることができ、シュラウド間隙、タービンブレード、及びタービンシュラウドの照明は、標準検査光放出源210、構造化光放出源220、又はこれらの組み合わせによって実行することができる。
【0070】
1125において、先端部クリアランス測定が実行される。画像データ及び3D表面点を評価して、タービンブレード縁部及びシュラウド表面を識別及びマッピングすることができ、縁部と表面との間で距離が計算される。その距離は、それぞれのタービンブレードの様々な場所におけるタービンシュラウド間隙測定値を表す。先端部クリアランス測定は、例えば、上記の図9を参照して説明したプロセスを使用して実行することができる。
【0071】
1130において、それぞれのタービンブレードのシュラウド間隙測定値が、これまでに完了した測定値のリストに記録される。リストは、検査が残りのブレード上で実行されている間、メモリに記憶しておくことができる。
【0072】
1135において、シュラウド間隙測定値を表す、記録された値は、検査オペレータ及び/又は業界によって設定された最小限度及び最大限度と比較される。
【0073】
1140において、記録された値が、最小限度及び最大限度と比較したときに、懸念される値にあることがわかると、警告メッセージが表示される。
【0074】
1145において、1125で測定したブレードが、タービン内で測定されるべき最後のブレードであるか否かを判定するためのシステムチェックが実行される。チェックが否定を返すと(直近に測定されたブレードがタービンの最後の測定されていないブレードではないことを示す)、システムは1115に進み、測定プロセスを継続する。チェックが肯定を返すと(直近に測定されたブレードがタービンの最後の測定されていないブレードであったことを示す)、システムは1150に進む。
【0075】
1150において、システムオペレータ、検査員、又は他の人物によるレビューのために、1135の最大限度及び最小限度の外側にあるとシステムによって見なされた画像データに関する画像が特定される。
【0076】
1155において、一連のシュラウド間隙測定の結果がファイルにエクスポートされる。
【0077】
図12は、例示的なビデオ検査デバイス1200のブロック図である。図12に示すビデオ検査デバイス1200は例示的なものであること、及び本発明の範囲は、いかなる特定のビデオ検査デバイス1200にも、ビデオ検査デバイス1200内の構成要素のいかなる特定の構成にも限定されないことは理解されるであろう。
【0078】
ビデオ検査デバイス1200は、挿入管1210と、挿入管1210の遠位端に配設されたヘッドアセンブリ1220とを備える細長いプローブ1202を含むことができる。挿入管1210は、ヘッドアセンブリ1220とプローブ電子機器1240との間の全ての相互接続部が通過する可撓性の管状部分とすることができる。ヘッドアセンブリ1220は、観察対象物1302からの光を撮像素子1224上に誘導及び集束させるためのプローブ光学系1222を含むことができる。プローブ光学系1222は、例えば、シングレットレンズ又は複数の構成要素を有するレンズを含むことができる。撮像素子1224は、観察対象物1302の画像を得るための固体CCD又はCMOS画像センサとすることができる。
【0079】
取り外し可能な先端部又はアダプタ1230は、ヘッドアセンブリ1220の遠位端に配置することができる。取り外し可能な先端部1230は、観察対象物1302からの光を撮像素子1224上に誘導及び集束させるためにプローブ光学系1222と組み合わせて動作する先端部視光学系1232(例えば、レンズ、窓、又は開口)を含むことができる。取り外し可能な先端部1230はまた、ビデオ検査デバイス1200用の光源が、プローブ1202からの光を観察対象物1302まで通すための先端部1230又は光通過素子(図示せず)から発する場合、照明LED(図示せず)を含むこともできる。先端部1230はまた、カメラ視野及び光出力を側面に向けるための導波路(例えば、プリズム)を含むことにより、側視するための能力を提供することもできる。先端部1230はまた、視野面の3次元データを決定する際に使用する立体光学系又は構造化光投影素子を提供してもよい。先端部1230に含めることができる要素はまた、プローブ1202自体に含めることもできる。
【0080】
撮像素子1224は、複数の行及び列に形成された複数の画素を含むことができ、撮像素子1224の各画素に入射した光を表すアナログ電圧の形態の画像信号を生成することができる。画像信号は、撮像素子ハイブリッド1226(信号バッファリング及びコンディショニングのための電子機器を提供する)を通って撮像素子ハーネス1212(撮像素子ハイブリッド1226と撮像素子インタレース電子機器1242との間に制御信号及びビデオ信号のためのワイヤを提供する)に伝播することができる。撮像素子インタフェース電子機器1242は、電源と、撮像素子クロック信号を生成するためのタイミングジェネレータと、撮像素子ビデオ出力信号をデジタル化するためのアナログフロントエンドと、デジタル化された撮像素子ビデオデータをより有用なビデオフォーマットに処理するためのデジタル信号プロセッサと、を含むことができる。
【0081】
撮像素子インタフェース電子機器1242は、プローブ電子機器1240の一部であり、プローブ電子機器1240は、ビデオ検査デバイスを動作させるための機能の集まりを提供する。プローブ電子機器1240はまた、プローブ1202及び/又は先端部1230の較正データを記憶する較正メモリ1244を含むこともできる。また、撮像素子インタフェース電子機器1242と通信してゲイン及び露出設定を決定及び設定する、較正データを較正メモリ1244に記憶する及びそれから読み出す、観察対象物1302に送達される光を制御する、並びにビデオ検査デバイス1200の中央処理装置(CPU)1250と通信するために、マイクロコントローラ1246もプローブ電子機器1240に含めることができる。
【0082】
マイクロコントローラ1246と通信することに加えて、撮像素子インタフェース電子機器1242は、1つ以上のビデオプロセッサ1260と通信することもできる。ビデオプロセッサ1260は、撮像素子インタフェース電子機器1242からビデオ信号を受信し、一体型ディスプレイ1270又は外部モニタ1272を含む、様々なモニタ1270、1272に信号を出力することができる。一体型ディスプレイ1270は、様々な画像又はデータ(例えば、観察対象物1302の画像、メニュー、カーソル、測定結果)を検査員に表示するための、ビデオ検査デバイス1200に内蔵されたLCD画面とすることができる。外部モニタ1272は、様々な画像又はデータを表示するための、ビデオ検査デバイス1200に接続されたビデオモニタ又はコンピュータタイプのモニタとすることができる。
【0083】
ビデオプロセッサ1260は、コマンド、状態情報、ストリーミングビデオ、静止ビデオ画像、及びグラフィカルオーバーレイをCPU 150に提供する/それから受信することができ、画像キャプチャ、画像強調、グラフィカルオーバーレイマージング、歪み補正、フレーム平均化、スケーリング、デジタルズーミング、重ね合わせ、マージ、反転、動き検出、並びにビデオフォーマットの変換及び圧縮などの機能を提供するFPGA、DSP、又は他の処理要素から構成されてよい。
【0084】
CPU 1250は、画像、ビデオ、及びオーディオの記憶及び呼び出し機能、システム制御、並びに測定処理を含む、他の機能のホストを提供することに加えて、ジョイスティック1280、ボタン1282、キーパッド1284、及び/又はマイクロフォン1286を介して入力を受信することによりユーザインタフェースを管理するために使用することができる。ジョイスティック1280は、メニュー選択、カーソル移動、スライダ調整、及びプローブ1202の関節運動制御などの動作を実行するために、ユーザによって操作することができ、プッシュボタン機能を含んでもよい。ボタン1282及び/又はキーパッド1284もまた、メニュー選択のため、及びユーザコマンドをCPU 1250に提供する(例えば、静止画像をフリーズ又は保存する)ために使用することができる。マイクロフォン1286は、静止画像をフリーズ又は保存するための音声命令を提供するために、検査員によって使用することができる。
【0085】
ビデオプロセッサ1260はまた、ビデオプロセッサ1260によってフレームバッファリング及び処理中の一時的なデータ保持のために使用されるビデオメモリ1262と通信することもできる。CPU 1250はまた、CPU 1250によって実行されるプログラムを記憶するためのCPUプログラムメモリ1252と通信することもできる。加えて、CPU 1250は、揮発性メモリ1254(例えばRAM)、及び不揮発性メモリ1256(例えば、フラッシュメモリデバイス、ハードドライブ、DVD、又はEPROMメモリデバイス)と通信することができる。不揮発性メモリ1256は、ストリーミングビデオ及び静止画像のための一次記憶装置である。
【0086】
CPU 1250はまた、USB、Firewire、イーサネット、オーディオI/0、及び無線送受信機などの周辺機器及びネットワークに対する様々なインタフェースを提供する、コンピュータI/Oインタフェース1258と通信することもできる。このコンピュータI/Oインタフェース1258は、静止画像、ストリーミングビデオ、又はオーディオを保存、呼び出し、送信、及び/又は受信するために使用することができる。例えば、USB「サムドライブ」又はコンパクトフラッシュメモリカードを、コンピュータI/Oインタフェース1258に差し込むことができる。加えて、ビデオ検査デバイス1200は、画像データ又はストリーミングビデオデータのフレームを外部コンピュータ又はサーバーに送信するように構成することができる。ビデオ検査デバイス100は、TCP/IP通信プロトコルスイートを内蔵することができ、また複数のローカル及びリモートコンピュータを含む広域ネットワークに組み込まれることができ、それらのコンピュータのそれぞれもまた、TCP/IP通信プロトコルスイートを内蔵する。TCP/IPプロトコルスイートの内蔵と併せて、ビデオ検査デバイス100は、TCP及びUDPを含むいくつかのトランスポート層プロトコル、並びにHTTP及びFTPを含むいくつかの異なる層のプロトコルを内蔵する。
【0087】
図12において特定の構成要素が単一の構成要素(例えば、CPU 1250)として示されてきたが、CPU 1250の機能を実行するために複数の別個の構成要素が使用され得ることは理解されるであろう。
【0088】
本明細書に記載される主題は、多くの技術的利点を提供する。例えば、検査効率が大幅に向上され得る。いくつかの用途は、数十又は更には数百の多数のブレードシュラウド間隙が測定されることを必要とする。点-平面型の測定を実行するなど、いくつかの従来の手動技術では、ブレード縁部上の単一点において正確な測定を達成するために、少なくとも4つの測定カーソル(3つはシュラウド上で平面を確立し、4つ目はブレード縁部上にある)を手作業で配置しなければならず、多くの場合、繰り返し調整する必要がある。次いで、最小、最大、及び平均間隙距離を決定するために、1つ以上のカーソルを、ブレード縁部に沿った複数の点に手動で正確に位置付けなければならないであろう。このプロセスはブレード当たり数分を要し得るが、本明細書に記載される自動化された測定方法は、手動のカーソル配置を必要とせず、最小、最大、及び平均結果を迅速かつ自動的に提供する。加えて、既存の手動測定手法は、3D表面点のセットを示すレンダリングされたポイントクラウドビュー及びグラフィカル測定アイコンを提供して、潜在的な不正確さの原因の検査を可能にし得るが、そのビューにおけるブレード及びシュラウドの初期配向は、通常、その検査の実行に資するものではない。したがって、ユーザは、タッチスクリーン、ジョイスティック、又はマウスなどの入力デバイスを介してポイントクラウドを回転させて、より有用な視点を得なければならない。本主題のいくつかの実施態様は、自動化された測定の完了時に自動的に好ましい視点を提供することができ、したがって、その視点を得るために通常使用される時間を排除することができる。
【0089】
更に、いくつかの既存のシステムは、カーソルを手動で位置付ける白色光画像をユーザに提示する。前述したように、そのような白色光画像は、ブレード縁部とシュラウドとの間に非常に小さいコントラストを示し得、ユーザが画像内のブレード縁部の位置を正確に特定することが困難になり得る。記載される主題のいくつかの実施形態では、構造化光パターンのキャプチャされた2D画像が、ブレードが構造化光パターンを遮断している暗い影をブレード縁部のシュラウド側に示すように、1つ以上の構造化光パターンが、標準検査光放出よりもシュラウドから更に遠い位置から投影され得る。したがって、2D構造化光パターン画像を、おそらくは2D白色光画像と組み合わせて、使用することにより、自動化された処理は、2D画像内のブレードの縁部をより容易かつ正確に特定することができる。
【0090】
本主題のいくつかの実施態様の別の例示的な利益は、ブレードの縁部に沿った、欠落した又はノイズの多い3D表面点の影響を低減することができることである。ボアスコープはサイズが非常に制約されるため、例えば、構造化光パターン又は立体撮像を使用して生成され得る3Dデータは、多くの場合、ブレード縁部などの部分縁部に沿った完全な高忠実度データを生成しない。これは、カーソルを2D画像画素上に配置し、その画素に関連付けられた3D座標を使用して測定結果が計算される従来の手動測定では、所望の場所での測定を妨げ得るか、又は測定の精度を低下させ得るので、問題となる可能性がある。本主題のいくつかの実施態様では、フィッティングされた表面を決定するために、各ブレード縁部画素の近傍にある、ブレードの表面上の複数の3D表面点を使用して表面フィッティング動作が実行され得る。次いで、ブレード縁部画素をそのフィッティングされた表面上に投影することによって、3Dブレード縁点が決定され得る。これは、y(z)=Az、x(z)=Bz(式中、A及びBは定数である)などの式によって記述され得る、ブレード縁部画素に関連付けられた3D視線が、フィッティングされた3D表面と交差する、3D座標を計算することによって行われ得る。したがって、ノイズ又はデータギャップを最もよく含む縁部領域の外側の点を含み得る複数の3D表面点を使用することによって、ブレード縁部のより完全かつ正確な3Dマッピングが達成され得る。
【0091】
本明細書に記載される主題の1つ以上の態様又は特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現され得る。これらの様々な態様又は特徴は、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、及び少なくとも1つの出力デバイスからデータ及び命令を受信し、かつそこにデータ及び命令を送信するために連結された、専用又は汎用であり得る少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含む、プログラム可能なシステム上で実行可能及び/又は解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムへの実装を含み得る。プログラム可能なシステム又はコンピューティングシステムは、クライアント及びサーバーを含んでもよい。クライアント及びサーバーは、互いに概ねリモートであり、典型的に通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバーとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバー関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0092】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、構成要素、又はコードとも称され得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、機能プログラミング言語、論理プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語で実装され得る。本明細書で使用するとき、用語「機械可読媒体」は、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプログラム可能論理デバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置、及び/又はデバイスを指す。用語「機械可読信号」は、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的ソリッドステートメモリ、又は磁気ハードドライブ、又は任意の同等の記憶媒体などの、かかる機械命令を非一時的に記憶し得る。機械可読媒体は、例えば、プロセッサキャッシュ、又は1つ以上の物理的プロセッサコアに関連する他のランダムアクセスメモリなどの一時的な方法で、かかる機械命令を代替的に又は追加的に記憶し得る。
【0093】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題の1つ以上の態様又は特徴は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供するのに利用し得るキーボード及びポインティングデバイス、例えば、マウス又はトラックボールを有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。他の可能な入力デバイスとしては、タッチスクリーン、又はシングルポイント若しくはマルチポイント抵抗性若しくは容量性トラックパッド、音声認識ハードウェア及びソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイス及び関連する解釈ソフトウェアなどの他のタッチ感知デバイスが挙げられる。
【0094】
上の説明及び「特許請求の範囲」において、「~のうちの少なくとも1つ」又は「~のうちの1つ以上」などの語句が、要素又は特徴の接続的なリストに続いて現れる場合がある。用語「及び/又は」も、2つ以上の要素又は特徴のリスト内に現れる場合がある。それが使用される文脈によって暗黙的又は明示的に否定されない限り、そのような語句は、列記された個々の要素若しくは特徴のいずれか、又は列挙された要素若しくは特徴のいずれかと他の列挙された要素若しくは特徴のいずれかとの組み合わせを意味することが意図される。例えば、語句「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの1つ以上」、及び「A及び/又はB」はそれぞれ、「Aのみ、Bのみ、又はA及びBを一緒に」を意味することが意図される。3つ以上の項目を含むリストにも、同様の解釈が意図される。例えば、語句「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ以上」、及び「A、B、及び/又はC」はそれぞれ、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA及びB及びCを一緒に」を意味することが意図される。加えて、上記及び「特許請求の範囲」での「~に基づいて」という用語の使用は、列挙されていない特徴又は要素も許容可能であるように、「~に少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図される。
【0095】
本明細書に記載される主題は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、及び/又は物品において具現化され得る。前述の説明に記載された実施態様は、本明細書に記載される主題と一致する全ての実施態様を表すものではない。その代わりに、これらは、記載された主題に関連する態様と一致するいくつかの実施例に過ぎない。いくつかの変形が上で詳細に説明されてきたが、他の修正又は追加が可能である。具体的には、本明細書に記載されるものに加えて、更なる特徴及び/又は変形が提供され得る。例えば、上記の実施態様は、開示された特徴の様々な組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに/又は上に開示されたいくつかの更なる特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせを対象とし得る。加えて、添付の図に示され、かつ/又は本明細書に記載される論理の流れは、所望の結果を達成するために、図示される特定の順序、又は連続的な順序を必ずしも必要としない。他の実施態様は、以下の「特許請求の範囲」内であり得る。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】