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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060219
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】飲料機構
(51)【国際特許分類】
   B05B 17/00 20060101AFI20220407BHJP
   A47G 19/22 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
B05B17/00
A47G19/22 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005153
(22)【出願日】2022-01-17
(62)【分割の表示】P 2021097357の分割
【原出願日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】P 2020111001
(32)【優先日】2020-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020211929
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519271056
【氏名又は名称】福原 正孝
(74)【代理人】
【識別番号】100127166
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 政憲
(74)【代理人】
【識別番号】100187399
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 敏文
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】福原 正孝
(57)【要約】
【課題】飲酒による満足感を得た上で、飲酒による満足感を著しく損なうことがない飲料機構を提供する。
【解決手段】本発明の飲料機構26は、飲料容器2と、飲料容器内の飲料4に関連する成分を有する第1液状物5aを貯留する第1液室27と、飲料容器に連通し、且つ、飲料を口から摂取するための第1連通部材部29aと、第1液室に連通し、且つ、第1液状物から蒸発する第1蒸発物質21aを口から吸入するための第2連通部材29bとを備えている、ことを特徴としている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源部と、
その電源部から電力を供給されると共に、飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物を前記飲料容器の飲口付近に霧状に噴霧する噴霧部と、
それらの噴霧部および電源部を前記飲料容器に取り付けるための取付部とからなる、噴霧装置。
【請求項2】
前記噴霧部と前記電源部とを連結すると共に、弾性を呈する連結部をさらに備えており、
その連結部の弾性力により、前記電源部と噴霧部とで前記飲料容器の周壁を挟み込んで、且つ、前記電源部を前記周壁の外側に配置して、前記電源部および噴霧部が前記飲料容器に取り付けられる、請求項1記載の噴霧装置。
【請求項3】
前記飲料がアルコール飲料である、請求項2記載の噴霧装置。
【請求項4】
前記噴霧部に前記液状物を保温するヒータが設けられている、請求項2または3記載の噴霧装置。
【請求項5】
前記飲料容器の傾斜状態を検出する検出部をさらに備えており、
その検出部に基づいて前記飲料容器が所定の傾斜量であることが確認されると、前記噴霧部が前記液状物を霧状に噴霧する、請求項1、2、3あるいは4のいずれかに記載の噴霧装置。
【請求項6】
飲料容器と、
その飲料容器に取付けられる請求項1、2、3、4あるいは5のいずれかに記載の噴霧装置とからなる噴霧装置セット。
【請求項7】
前記飲料容器に前記飲料を保温するヒータが設けられている、請求項6記載の噴霧装置セット。
【請求項8】
飲料容器と、
その飲料容器の飲口付近に一体に設けられる噴霧装置とからなり、
前記噴霧装置が、
電源部と、
その電源部から電力を供給されると共に、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物を前記飲料容器の飲口付近に霧状にして噴霧する噴霧部とを備えている、噴霧装置付き飲料容器。
【請求項9】
前記飲料がアルコール飲料である、請求項8記載の噴霧装置付き飲料容器。
【請求項10】
前記噴霧部に前記液状物を保温するヒータが設けられている、請求項8または9記載の噴霧装置付き飲料容器。
【請求項11】
前記飲料容器に前記飲料を保温するヒータが設けられている、請求項10記載の噴霧装置付き飲料容器。
【請求項12】
前記飲料容器の傾斜状態を検出する検出部をさらに備えており、
その検出部に基づいて前記飲料容器が所定の傾斜量であることが確認されると、前記噴霧部が前記液状物を霧状に噴霧する、請求項8、9、10あるいは11のいずれかに記載の噴霧装置付き飲料容器。
【請求項13】
アルコール飲料に関連する成分を有する液状物を容器の飲口付近に霧状に噴霧し、
その噴霧された霧状の液状物を吸引すると共に、前記アルコール飲料を飲酒する、飲酒量を減らす方法。
【請求項14】
電源部と、
その電源部から電力を供給され、且つ、飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風するファン部と、
それらのファン部および電源部を前記飲料容器に取り付けるための取付部とからなる、送風装置。
【請求項15】
飲料容器と、
その飲料容器に取付けられる請求項14記載の送風装置とからなる送風装置セット。
【請求項16】
飲料容器と、
その飲料容器の飲口付近に一体に設けられる送風装置とからなり、
前記送風装置が、
電源部と、
その電源部から電力を供給され、且つ、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風するファン部とを備えている、送風装置付き飲料容器。
【請求項17】
飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風し、
その送風された蒸発物質を吸引すると共に、前記アルコール飲料を飲酒する、飲酒量を減らす方法。
【請求項18】
飲料容器と、
前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第1液状物を貯留する第1液室と、
前記飲料容器に連通し、且つ、前記飲料を口から摂取するための第1連通部材部と、
前記第1液室に連通し、且つ、前記第1液状物から蒸発する第1蒸発物質を口から吸入するための第2連通部材とを備えている、飲料機構。
【請求項19】
前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第2液状物を貯留し、且つ、前記第2液状物から蒸発する第2蒸発物質を鼻から吸入するための開口が形成された第2液室をさらに備えている、請求項18記載の飲料機構。
【請求項20】
前記飲料容器の上方に第1液室が設けられ、
前記第1液室の上方に第2液室が設けられている、請求項20記載の飲料機構。
【請求項21】
前記飲料容器の内部に前記第1液室が脱着自在に設けられ、
前記第1液室の内部に前記第2液室が脱着自在に設けられている請求項18記載の飲料機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は噴霧装置および噴霧装置付き飲料容器などに関する。さらに詳しくは液体を霧状にして吸引させるための噴霧装置および噴霧装置付き飲料容器などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2、3には、吸入装置などが開示されている。この吸入装置は、薬効成分・香味成分などの液状物を霧状にして放出し、その放出物(吸入物)を口から吸入させるものである。
また特許文献4には、容器の底に香料等を浸み込ませた固形物を収納し、飲用時に香料の香りを楽しむことが開示されている。
また特許文献5には、飲料に酒らしい風味を付与する技術が開示されている。
さらに特許文献6には、例えば、吸入装置の一例として禁煙装置が開示されている。この禁煙装置は、エーロゾル化した香料などからなる禁煙剤を含む組成物の送出を漸増させながら、エーロゾル化したニコチン含有物質を含む組成物の送出を漸減させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭51-74622号公報
【特許文献2】特開2001-149473号公報
【特許文献3】特開2005-58421号公報
【特許文献4】実開昭61-153577号公報
【特許文献5】特開2017-212932号公報
【特許文献6】特開2004-148117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、飲料を飲みながら香気成分の香りを楽しんだり、有用な成分を含むミストを吸い込んで楽しんだりすることが行われている。ここで、飲料を飲みながら、有用な成分を含むミストを容易に吸い込むことができると、飲料を飲む行為に新しい楽しみを付加することができる。しかしながら、液体を飲みながら、霧状の液体(ミスト)を吸い込むのは、難しい傾向にある。
そこで、本発明はこれを容易に実現できる噴霧装置および噴霧装置付き飲料容器などを提供することを第1の課題とする。
【0005】
主に健康上の理由に起因すると考えられるが、お酒を飲む量を減らしたい、と思う人は少なくない。しかし特定の目的のために飲酒量を減らすと、お酒により得られる満足感に物足りなさを感じる。一方で、満足感を優先すると目的は達成し難くなる。これらは相反する。
そこで、本発明はこれらの相反する事項を満たすことのできる噴霧装置および噴霧装置付き飲料容器などを提供することを第2の課題とする。
さらには送風装置付き飲料容器などを提供することを第2の課題とする。そして飲料機構を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の噴霧装置は、電源部と、その電源部から電力を供給されると共に、飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物を前記飲料容器の飲口付近に霧状に噴霧する噴霧部と、それらの噴霧部および電源部を前記飲料容器に取り付けるための取付部とからなることを特徴としている。
【0007】
飲料に関連する成分とは、例えば、前記飲料の濃縮液、及び前記飲料の特徴を表現するような匂い・味の成分、すなわち、摂取時に前記飲料を摂取した感覚を覚える香り又は味を有する成分などである。なお前記飲料がアルコール飲料であるなら、アルコール飲料に関連する成分としてアルコール成分を用いてもよい。
【0008】
(2)このような噴霧装置は、前記噴霧部と前記電源部とを連結すると共に、弾性を呈する連結部をさらに備えており、その連結部の弾性力により、前記電源部と噴霧部とで前記飲料容器の周壁を挟み込んで、且つ、前記電源部を前記周壁の外側に配置して、前記電源部および噴霧部が前記飲料容器に取り付けられるのが好ましい。
【0009】
(3)また前記飲料がアルコール飲料であるのが好ましい。
【0010】
(4)また前記噴霧部に前記液状物を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0011】
(5)また前記飲料容器の傾斜状態を検出する検出部をさらに備えており、その検出部に基づいて前記飲料容器が所定の傾斜量であることが確認されると、前記噴霧部が前記液状物を霧状に噴霧するのが好ましい。
【0012】
(6)本発明の他の態様の噴霧装置セットは、飲料容器と、その飲料容器に取付けられる上述の噴霧装置とからなることを特徴とする。
【0013】
(7)このような噴霧装置セットは、前記飲料容器に前記飲料を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0014】
(8)本発明のさらに他の態様の噴霧装置付き飲料容器は、飲料容器と、その飲料容器の飲口付近に一体に設けられる噴霧装置とからなり、前記噴霧装置が、電源部と、その電源部から電力を供給されると共に、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物を前記飲料容器の飲口付近に霧状にして噴霧する噴霧部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
(9)このような噴霧装置付き飲料容器は、前記飲料がアルコール飲料であるのが好ましい。
【0016】
(10)また前記噴霧部に前記液状物を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0017】
(11)また前記飲料容器に前記飲料を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0018】
(12)また前記飲料容器の傾斜状態を検出する検出部をさらに備えており、その検出部に基づいて前記飲料容器が所定の傾斜量であることが確認されると、前記噴霧部が前記液状物を霧状に噴霧するのが好ましい。
【0019】
(13)本発明のさらに他の態様の飲酒量を減らす方法は、アルコール飲料に関連する成分を有する液状物を容器の飲口付近に霧状に噴霧し、その噴霧された霧状の液状物を吸引すると共に、前記アルコール飲料を飲酒することを特徴とする。
【0020】
(14)本発明のさらに他の態様の送風装置は、電源部と、その電源部から電力を供給され、且つ、飲料容器内の飲料に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風するファン部と、それらのファン部および電源部を前記飲料容器に取り付けるための取付部とからなることを特徴とする。
【0021】
(15)本発明のさらに他の態様の送風装置セットは、飲料容器と、その飲料容器に取付けられる上述の送風装置とからなることを特徴とする。
【0022】
(16)本発明のさらに他の態様の送風装置付き飲料容器は、飲料容器と、その飲料容器の飲口付近に一体に設けられる送風装置とからなり、前記送風装置が、電源部と、その電源部から電力を供給され、且つ、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風するファン部とを備えていることを特徴とする。
【0023】
(17)本発明のさらに他の態様の飲酒量を減らす方法は、飲料容器内の飲料に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風し、その送風された蒸発物質を吸引すると共に、前記アルコール飲料を飲酒することを特徴とする。
【0024】
(18)本発明のさらに他の態様の飲料機構は、飲料容器と、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第1液状物を貯留する第1液室と、前記飲料容器に連通し、且つ、前記飲料を口から摂取するための第1連通部材部と、前記第1液室に連通し、且つ、前記第1液状物から蒸発する第1蒸発物質を口から吸入するための第2連通部材とを備えていることを特徴としている。
【0025】
(19)このような飲料機構は、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第2液状物を貯留し、且つ、前記第2液状物から蒸発する第2蒸発物質を鼻から吸入するための開口が形成された第2液室をさらに備えているのが好ましい。
【0026】
(20)また、前記飲料容器の上方に第1液室が設けられ、前記第1液室の上方に第2液室が設けられているのが好ましい。
【0027】
(21)また、前記飲料容器の内部に前記第1液室が脱着自在に設けられ、前記第1液室の内部に前記第2液室が脱着自在に設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明の噴霧装置、噴霧装置セット、噴霧装置付き飲料容器および飲酒量を減らす方法は、飲料を飲みながら、有用な成分を有する液状物を吸引によって摂取することができる。
また本発明の送風装置付き飲料容器および飲酒量を減らす方法は、飲料を飲みながら、蒸発物質を吸引によって摂取することができる。
さらに本発明の飲料機構は、飲料を飲みながら、蒸発物質を吸引によって摂取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1aは本発明の噴霧装置セットの一実施形態を示す平面図、図1bは図1aの側面図を示している。
図2図2図1の噴霧装置セットが用いられる様子を示す概略図である。
図3図3aは本発明の飲酒量を減らす方法を示す概略工程図である。
図4図4aは噴霧装置の変形例の一例を示す概略側面図、図4bは噴霧装置3のさらに他の変形例の一例を示す概略側面図である。
図5図5は本発明の噴霧装置付き飲料容器の一実施形態を示す概略側面図である。
図6図6は本発明の送風装置付き飲料容器の一実施形態を示す概略断面図である。
図7図7図6の概略平面図である。
図8図8aは図6の液室が傾いた様子を示す概略図、図8bはファン部の変形例を示す概略図、図8cは液室の変形例を示す概略図である。
図9図9aおよび図9bはそれぞれ送風装置の変形例を示す概略図である。
図10図10は他の飲酒量を減らす方法を示す概略工程図である。
図11図11は飲料機構が用いられる様子を示す概略図である。
図12図12aは本発明の飲料機構の一実施形態を示す平面図、図12bは図12aのB-B断面図を示している。
図13図13aは図12aのQ矢視の側面図、図13bは図12aのC-C断面図を示している。
図14図14aは図11の第2液室を示す平面図、図14bは図14aのD-D断面図を示している。
図15図15図11の連通部材を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[1.概略]
<第1実施形態>
図1を用いて、本発明の噴霧装置セットの概略を説明する。
図1に示す噴霧装置セット1は、飲料容器2と、その飲料容器2に取付けられる噴霧装置3とを備えている。噴霧装置3は、飲料容器2の上部付近に設けられる。飲料容器2には飲料4が入れられる。なお本実施形態では、飲料4はアルコール飲料である。噴霧装置3は、飲料4に関連する成分を有する液状物5を霧状に噴霧する。噴霧装置3は、飲料容器2の飲口付近2c(二点鎖線参照、飲料容器2内を含む)に液状物5を霧状にして噴霧する。
【0031】
次いで、図2を用いて、噴霧装置セット1がどのように作用するのかを説明する。図2は、飲酒量を減らしたい飲酒者Pが噴霧装置セット1を用いて飲酒している様子を示している。図2に示すように、飲酒者Pは、飲料容器2の噴霧装置3の反対側から口を付ける。その際に、飲酒者Pは、鼻・口の周辺を霧状の液状物5内に突っ込んだ状態で飲酒する。飲酒者Pの鼻・口の周辺はアルコール飲料4に関連する成分で満たされており、その成分は飲酒者Pの体内に吸入される。これにより、単に飲酒するよりも、アルコール飲料4を摂取した満足感が増加する。満足感が増加するため、飲酒者Pの飲酒を途中で終える決断が後押される。さらに途中で飲酒を終えたにもかかわらず、飲酒による満足感を著しく損なうことがない。
【0032】
[2.各構成]
(飲料容器2)
図1に戻って、本実施形態の飲料容器2は全体として有底筒状であり、主に底部2aと、その底部2aの周縁から延びた周壁2bとからなる。本実施形態では底部2aは円板状で、周壁2bは円筒状である。なお飲料容器2として、例えば、ワイングラス、コップ、ティーカップなど従来公知の容器を採用することができる。また本実施形態では、周壁2bの下端付近には、帯状のヒータ2dが巻き付けられている。そのヒータ2dは飲料4を保温する。なお、ヒータ2dは、面状発熱体と呼ばれる金属箔に電気を流して発熱させるシート状の発熱体である。なおヒータ2dとして従来公知のものを採用してもよい。
【0033】
(噴霧装置3)
噴霧装置3は、電源部6と、その電源部6から電力を供給されると共に、液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧する噴霧部7と、噴霧部7および電源部6を飲料容器2に取り付けるための取付部8とからなる。本実施形態では、電源部6と噴霧部7とを連結する連結部9をさらに備えている。その連結部9は弾性を有する材料から形成されている。本実施形態では、連結部9、電源部6および噴霧部7により取付部8が構成されている。
【0034】
(電源部6)
電源部6は、飲料容器2の上部付近の周壁2bの外面側に設けられている。電源部6は、周壁2bの外周面に沿うような面を有しており、全体として湾曲した肉厚の板形状である。電源部6は内部に充電池などの電池6aなどを収納している。また符号6bは電源ボタンである。電源ボタン6bをONにすることで、後述する検出部10が作動する。さらに符号6cで示している基盤は、検出部10および噴霧部7を制御するものである。
【0035】
(検出部10)
さらに本実施形態の電源部6には、電源部6の傾き検知する検出部10が設けられている。本実施形態では、例えば、検出部10の検出値が所定の値(閾値)を超えると、噴霧部7は液状物5を霧状に噴霧する。閾値を超えることで、飲料容器2が所定の傾斜量であることが確認される。一方で、前記所定の値に満たない場合は、噴霧部7は液状物5を噴霧しない。前記閾値は、飲酒者Pが飲酒のために噴霧装置セット1を傾けると(図2参照)、噴霧部7が噴霧動作し、テーブルなどに噴霧装置セット1を置くと、噴霧部7の噴霧動作が停止するように、予め調整されている。
【0036】
(噴霧部7)
噴霧部7は、例えば本実施形態では、液状物5を貯留する液室7aと、その液室7aの下端付近(図1bの下方)に設けられた霧発生部7bとからなる。噴霧部7は、飲料容器2の上部付近の周壁2bの内面側に設けられている。噴霧部7は、周壁2bの内周面に沿うような面を有しており、全体として湾曲した肉厚の板状を呈している。
【0037】
(液室7a、ヒータ7c)
液室7aの容量としては、例えば、所定の飲酒時間の間、霧状の液状物5が途切れない程度に調整されている。液室7aの外周には、帯状のヒータ7cが巻き付けられている。そのヒータ7cは液状物5を保温する。ヒータ7cは、面状発熱体と呼ばれる金属箔に電気を流して発熱させるシート状の発熱体である。なおヒータ7cとして従来公知のものを採用してもよい。例えば、飲料4が温かい場合に、ほぼ同じ温度に保温された霧状の液状物5を吸い込むことができると、霧状の液状物5を違和感なく摂取することができ、飲酒の満足度が向上する。
【0038】
(霧発生部7b)
霧発生部7bは、液室7aの下端付近(図1bの下方)で、且つ、液室7aの飲料容器2側の面に設けられている。霧発生部7bは、霧状の液状物5を飲料4の液面に向かって噴霧する。霧発生部7bを液室7aの下端に設けると、重力により液状物5が霧発生部7bに自然に誘導される。
【0039】
霧発生部7bによる液状物5を霧状にする機構として、本実施形態では、振動子の振動などによって液体を微細な孔から押し出して霧状にする機構を採用している。なお、霧発生部7bの機構としては、従来公知の機構を用いることができる。一例を挙げるなら、圧縮空気で液体を霧状にする機構、超音波振動子の振動を利用して液体を霧状にする機構、振動などによって液体をメッシュの穴から押し出して霧状にする機構などである。
【0040】
ここで霧発生部7bの飲料容器2に対する位置や噴霧方向は、特に決められていないが、霧発生部7bの位置が口・鼻に近近すぎたり、噴霧の方向が口・鼻に真っ直ぐであったりすると、飲酒を妨げる恐れがある。このため飲酒者Pが、霧状の液状物5を自然に吸引できるようにするのが好ましい。例えば、本実施形態における霧状の液状物5の噴霧の方向は、飲料4の液面に対して25~50度、好ましくは30~45の角度にされている(図1bの符号θ参照)。噴霧部7の下方に霧発生部7bを配置し、飲料4の液面に向かって噴霧することで、飲酒者Pに直接に噴霧されるのが防止される。さらに液面にぶつかって噴霧の勢いがそがれ、その上で液面に沿って噴霧が流れ、飲酒者Pの鼻付近に霧状の液状物5が届く(図2の矢印L参照)。
【0041】
本実施形態では、例えば、霧状の液状物5は、飲料容器2の飲料4の液面から上方の空間を満たしている。そして霧状の液状物5は、後から噴霧された霧状の液状物5に追いやられて、飲料容器2からこぼれるように広がり、一部が飲口付近2cを覆うように漂っている。飲酒者Pは、飲料容器2内の霧状の液状物5に口・鼻を突っ込むようにして飲酒するようにされている。
【0042】
また、霧発生部7bが発生させる霧状の液状物5の粒径は、飲酒者Pが液状物5の成分を感じる部位に届く程度の粒径にするのが好ましい。例えば、鼻の内部あるいは喉の奥などに、吸引により運ばれる程度の粒径にするのが好ましい。霧状の液状物5を発生させる速度としては、飲酒の邪魔にならないような、霧状の液状物5が自然に吸引できるような発生速度であるのが好ましい。液状物5がアルコール成分を含む場合、アルコール摂取量がトータルで減少するように調整するのがよい。例えば、飲酒時間が1時間であるならば、その時間の間、霧状の液状物5が途切れないようにし、且つ、全体的なアルコール摂取量が減少するように、液状物5の吸引量・アルコール度数を調整する。
【0043】
なお、飲料容器2、電源部6および噴霧部7の材質としては、金属や合成樹脂などの従来公知のものを用いることができる。
【0044】
(連結部9)
連結部9は、板状の部材を湾曲させたような形状であり、例えばU字状の断面形状である。連結部9は、弾性を呈する部材からなり、U字を閉じる方向に付勢されている。本実施形態では、連結部9にシリコンなどの合成樹脂が用いられている。その合成樹脂の内部に図示しない電線が設けられており、電源部6の電力を噴霧部7に送っている。
【0045】
(取付部8、取付方法)
取付部8は、電源部6、噴霧部7および連結部9からなる。噴霧装置3を飲料容器2に取付ける際には、電源部6と噴霧部7とを離間させる方向に連結部9を拡げ、飲料容器2の飲口側から周壁2bを挟み込むようにして固定する。その際、電源部6を周壁2bの外側に配置し、噴霧部7を周壁2bの内側に配置する。
【0046】
(アルコール飲料4)
アルコール飲料4は、アルコールの摂取量を減らしたいと考えている者Pが対象とする飲料であればよい。減らしたい理由は特に問わない。アルコール飲料4について一例を挙げれば、日本酒、ビール、ワイン、ブランデー、ウイスキー、発泡酒、リキュール類などである。例えば、アルコール分1度以上の飲料としての酒類に加え、含有アルコール量が1%未満(アルコール成分を含有しないものを含む。)のノンアルコール飲料を含む。またアルコール飲料4は、飲酒者Pが調整したものでもよい。例えば、飲酒者Pがお酒を、水やノンアルコール飲料で薄めたものが含まれる。どの程度に薄めるのかは、飲酒者Pの飲酒に求める満足感の程度や、想定している減酒の速度により調整する。本実施形態では、アルコール飲料4として、特定の銘柄の日本酒を用いている。
【0047】
(液状物5)
液状物5は、アルコール飲料4に関連する成分を有している。この成分とは、例えば、アルコール成分自体、及びアルコール飲料4の特徴を表現するような匂い・味の成分、すなわち、摂取時にアルコールを摂取した感覚を覚える香り又は味を有する成分などである。なお液状物5は、アルコール成分、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つを含んでいる。さらになお液状物5として、アルコール飲料4を用いてもよい。
【0048】
例えば、前記成分を有する液状物5として、アルコール飲料4と同種の酒を採用してもよい。すなわち、アルコール飲料4に酒種としての日本酒を選択したのなら、液状物5としてワインなどを採用せずに、日本酒(例えば異なる銘柄)を採用するなどである。同種の酒として選択される液状物5としては、飲料容器2に入れたアルコール飲料4よりもアルコール度数が高いものが好ましい。なお、必ずしも同種の酒でなくてもよい。
【0049】
また、飲料容器2に入れたアルコール飲料4よりも香りが良いもの、よく香るもの、香りが独特なものなどであってもよい。さらに、味が良いもの、味が濃いもの、味が独特なものなどであってもよい。このような香りおよび/または味のする酒は、通常、飲料容器2に入れたアルコール飲料4よりも市場価値が高い傾向にある。このような香りおよび/または味の成分を、飲酒者Pが吸引すると、高質な香りおよび/または味に基づく、満足感が得られると考えられる。
【0050】
さらに、液状物5として、アルコール飲料4と同じ飲料を採用してもよい。液状物5が、飲酒しているアルコール飲料4と同じ飲料であるなら、匂いおよび味の成分も同じである。飲酒しながら、同じ匂い・味を持つ成分が、吸引により鼻の内部や喉に沈着する。例えば、喉に沈着した匂い成分は、鼻に抜ける際に匂ってくる。このため、アルコール飲料4を多く飲酒したような錯覚を飲酒者Pに与えると考えられる。なお、飲酒しているのと同じ成分を吸引するので、吸引に基づく違和感はほとんどない。
【0051】
なお、従来公知の酒系の香料、アルコール性飲料用フレーバなどを用いてもよい。
【0052】
[3.飲酒量を減らす方法]
(飲酒量を減らす方法11)
次に、図3aを用いて、本発明の飲酒量を減らす方法について説明する。図3aは飲酒量を減らす方法を示す概略工程図である。図に示している飲酒量を減らす方法11は、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧し(工程S2)、その噴霧された液状物5を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する(工程S3)というものである。本実施形態では、噴霧装置セット1を用いている。このため噴霧装置セット1を準備する工程(準備工程S1)を有している。なお、噴霧装置セット1以外の装置などで飲酒量を減らす方法11を実施してもよい。
【0053】
(準備工程S1)
図3aに示している準備工程S1では、噴霧装置セット1を準備する。具体的には、アルコール飲料4を飲料容器2に入れる。そして、そのアルコール飲料4に関連する液状物5を噴霧装置3の液室7aに入れる。本実施形態では、例えばアルコール飲料4として特定の銘柄の日本酒を用いている。そして、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5として、アルコール飲料4よりも、アルコールの度数が高い酒を用いている。
【0054】
(工程S2)
アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を霧状に噴霧する。具体的には、噴霧装置セット1を傾けて口に近づけると、検出部10が所定量の傾き量を検出する。その検出に基づいて噴霧装置3は作動し、霧状の液状物5を飲口付近2cに噴霧する。
【0055】
(工程S3)
次いで、飲酒者Pは、飲口付近2cに顔(図2の符号P参照)を近づけて、霧状の液状物5を鼻・喉から吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する。アルコール飲料4よりもアルコール度数の高い液状物5を鼻・喉から摂取するので、飲酒者Pはアルコール飲料4を多く飲酒したように錯覚する。最後に、噴霧装置セット1をテーブルなどに載置すると、検出部10が所定量に満たない傾き量を検出し、噴霧装置3による噴霧が停止する。
【0056】
このため、普段よりも少ない飲酒量で、満足感を持って、飲酒をやめることができる。
【0057】
なお、飲酒量を減らすのに、液状物5として、香りが濃厚な、市場価値の高い日本酒を用いてもよい。その場合、高質な香りおよび/または味を摂取したことに起因して、高い満足感が得られる。すなわち、液状物5の高質な香りおよび/または味を鼻・喉から摂取するので、飲酒者Pは アルコール飲料4を多く飲酒したように錯覚し、飲酒量を減らすのに寄与すると考えられる。
【0058】
(分解洗浄)
アルコール飲料4および液状物5が収納される空間および霧状の液状物5が流れる部位は、容易に洗浄できるように、分解可能な構造であるのがよい。例えば、液室7aから霧発生部7bが取り外しできたり、液室7aの壁の一部を取り外したりできるのがよい。
【0059】
[4.噴霧装置の変形例]
(噴霧装置12)
図4aおよび図4bを用いて噴霧装置3の変形例について説明する。図4aは噴霧装置3の変形例の一例を示す概略側面図、図4bは噴霧装置3のさらに他の変形例の一例を示す概略側面図である。図4aおよび図4bには、それぞれ噴霧装置12、13を示している。これらの噴霧装置12、13は、前述した噴霧装置3と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
【0060】
(噴霧装置12)
噴霧装置12は、例えば、全体としてクリップのような形状をしている。摘みを指で摘んで、飲料容器2(飲料容器2については図1b参照)の周壁2bを挟み込むようにして、噴霧装置12は飲料容器2に取り付けられる。具体的には、噴霧装置12は、連結部9として、電源部6と噴霧部7の基端側からそれぞれ延設された摘み12a、12aを備えている。それらの摘み12a、12aは途中で交差している。その交差する部位に回動軸12bが設けられている。摘み12a、12aを摘まむと(図の矢印の方向参照)、回動軸12bを軸とし、電源部6と噴霧部7が開閉する。噴霧装置12は、電源部6と噴霧部7が閉じる方向に図示しない付勢部材により付勢されている。なお付勢部材としては、コイルバネ、板バネなど従来公知のものを用いることができる。使用者Pは、付勢部材の付勢力に逆らって、摘み12a、12aを指で摘まむようにして、電源部6と噴霧部7とを離間させる。次いで、電源部6と噴霧部7とで、飲料容器2の周壁2bを挟み込む。指を離すと、付勢部材の付勢力により、噴霧装置12が飲料容器2に取り付けられる。
【0061】
(噴霧装置13)
噴霧装置13は、例えば、電源部6の飲料容器2側に吸盤13aを備えている。その吸盤13aにより飲料容器2の周壁2bの外面に噴霧装置13が取り付けられる。吸盤13aは取付部に相当する。また噴霧部7は電源部6の上方(図1bの上方)に設けられている。電源部6と噴霧部7とは軸13bにより回動自在に連結されている。電源部6に対し噴霧部7を回動させることで、噴霧方向を変更できる。軸13bの付近の部位は、連結部9に相当する。
【0062】
[5.他の実施形態]
<第2実施形態>
(噴霧装置付き飲料容器14)
次に図5を用いて、噴霧装置付き飲料容器を説明する。図5に示している噴霧装置付き飲料容器14は、前述した噴霧装置セット1と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。図に示す噴霧装置付き飲料容器14は、飲料容器2と、その飲料容器2の周壁2bに一体に設けられる噴霧装置14aとからなる。噴霧装置14aは、前述した噴霧装置13とほぼ同じであるが、吸盤13a(取付部8)を備えていない点で異なっている。噴霧装置14aは、電源部6の部分が周壁2bの外面側に一体的に取付けられている。
【0063】
<第3実施形態>
(送風装置付き飲料容器15)
次に図6を用いて、送風装置付き飲料容器を説明する。図6に示している送風装置付き飲料容器15は、前述した噴霧装置付き飲料容器14と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
図に示す噴霧装置付き飲料容器15は、飲料容器2と、その飲料容器2の内部に一体に設けられる送風装置16とからなる。
【0064】
(飲料容器2)
飲料容器2の周壁2bの上端付近には、上向き且つ外側に傾斜する受部2fが形成されている。受部2fは後述する仕切壁20の受部20aと共に、後述する液室17を支持する部位である。
【0065】
(送風装置16)
送風装置16は、液状物5が貯留される液室17と、液状物5から蒸発する蒸発物質21を移動させるための空気流を起こすファン部18と、空気流に乗った蒸発物質21を飲酒者Pに鼻・口の近傍まで案内する案内カバー19とからなる。
また飲料容器2の下端には棒状の検出部10aが設けられている。検出部10aは下方に突出するように付勢されている。検出部10aが突出すると、ファン部18が作動する。このため、テーブルから飲料容器2を持ち上げると、検出部10aが下方に突出し、ファン部18が作動する。一方で、飲料容器2をテーブルに載置すると、検出部10aが飲料容器2内に引っ込んで、ファン部18が停止する。
なお液室17およびファン部18は送風部16aを形成する。
【0066】
(仕切壁20)
飲料容器2の内部には仕切壁20が設けられている。仕切壁20は、飲料容器2の内部空間を、飲料4のための空間と、後述するファン部18などを収納する空間とに仕切っている。
仕切壁20の上端付近には、上向き且つ外側に傾斜する受部20aが形成されている。
図示していないが、ファン部18を含む送付装置16の各部品を小型化し、飲料4のための空間を大きくする位置に仕切壁20を設けるのが好ましい。図では、飲料容器2の内部空間を略半分に仕切る位置に仕切壁20を設けているが、例えば、内部空間の2/3以上を飲料4のための空間にするのが好ましい。
【0067】
(液室17)
液室17は有底筒状を呈している。符号17aは周壁を示している。周壁17aの上端付近の開口側には蓋部17bが設けられている。蓋部17bの中央には開口部17cが形成されている。周壁17aと蓋部17bとの連結部の周辺は、上向き且つ外側に傾斜するように係止部17dが形成されている。係止部17dは受部20aおよび受部2fの上面に載置されている。なお液室17を飲料容器2に係止するような構造であるのが好ましい。
液室17は飲料容器2に対し脱着自在にされている。具体的には、ファン部18、電源部6および案内カバー19は、液室17と一体となって飲料容器2に対し脱着自在である。
【0068】
(蒸発物質21)
蒸発物質21は、液状物5が含んでいる成分が蒸発した気体である。例えば、蒸発物質21を摂取した際に、飲料4を十分に摂取したという満足感が得られるような成分を含む気体である。飲料4がアルコール飲料であるなら、例えば、アルコール成分、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つの成分を含む気体である。また飲料4が清涼飲料水であるなら、例えば、清涼飲料水の濃縮液、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つの成分を含む気体である。
また蒸発物質21は、ヒータ7cにより液状物5を加熱することで、蒸発しやすくすることができる。
【0069】
(ファン部18)
ファン部18は、固定部材18aにより開口部17cに取付けられている。固定部材18cはファン部18を開口部17cに取り付けるアタッチメントである。ファン部18は空気流(符号Aを付した矢印参照。)起こしている。空気流Aは、液状部5側から案内カバー19へ向かう流れである。空気流Aは蒸発物質21を鼻・口まで運んでいる。
図ではファン部18は、その回転軸が飲酒者Pの飲口側、すなわち案内カバー19の出口側に傾斜して配置されている。なお、前記軸を垂直方向に平行になるように配置してもよい。
なお、ファン部18は従来公知のものであり、シロッコファン、プロペラファンなどを用いることができる。さらになお、図示していないが、液状部5の液面に空気を吹き付け、蒸発物質21と共に、案内カバー19に向かう空気流を形成するようにしてもよい。
【0070】
(スカート部18a)
ファン部18の下端にはスカート部18aが下方に延びている。本実施系形態では、飲料容器2をテーブルなどに載置した状態で、スカート部18aの下端は、液状部5の液面に触れていない。なお触れていてもよいが、スカート部18aの長さは、その下端が液状部5の液面に触れていない程度であるのが好ましい。
図8aに、飲酒のために送風装置付き飲料容器15を傾けた際のスカート部18aの様子を説明する。スカート部18aは、液状物5がファン部18に接触しないように防いでいる。
【0071】
(案内カバー19)
次いで、図6および図7を用いて、案内カバー19を説明する。案内カバー19は、筒状の部材であり、その内部に蒸発物質21を含む空気を通す。案内カバー19は、ファン部18の上端に接続される接続部19aと、飲料容器2の送風装置16側の上面を塞ぎ(図7a参照)、飲料4が入れられる側に延びている蓋状部19bとからなる。案内カバー19は蒸発物質21を鼻・口に届けている。
図7は空気流Aの出口の様子を示している。図7に示すように、出口は、3つの円形が一列に並んだ小出口19cと、その下方の矩形状の大出口19dとからなる。小出口19cは飲酒者Pの鼻に向かう空気流れである。一方で大出口19dは口に向かっている。本実施形態では、口に比べて鼻に向かう空気流を絞るため、小出口19cの開口面積を大出口19dに比べて小さくしている。その上で、小出口19cを3つ形成することにより、空気流が鼻の周囲に広範囲で拡がるようにしている。
なお小出口19cおよび大出口19dの形状・大きさを他の形状・個数にしてもよい。これらの形状・個数は、鼻と口に向かう空気流の割合に基づいて決めるのが好ましい。
【0072】
<変形例>
図8bおよび図8cを用いてファン部18および液室17のそれぞれの変形例について説明する。なお前述の実施形態と共通する部分の説明は省略する。
図8bに示すファン部18は、スカート部18aの下端にドーナツ状の部材18bが設けられてる。ドーナツ状の部材18bは、スカート部18aの開口を狭めており、飲酒のために飲料容器2を傾けた際に、液状物5がスカート部18aの内部に入り込み、ファン部18に接触するのを防止している。そのドーナツ状の部材18bは液状物5を吸収しないで、且つ、通気性があるものが好ましい。
図8cに示す液室17は、その内底部に液状物5を吸収するスポンジ状の部材17aが設けられている。このため飲料容器2を傾けても、液状物5が流れないので、液状物5がファン部18に接触するのを防止している。
【0073】
図9aおよび図9bはそれぞれ送風装置の変形例を示す概略図である。図9aおよび図9bに示している送風装置は、前述した送風装置16、噴霧装置12、13と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
図9aに示す送風装置24は、図4aで説明した噴霧装置12の霧発生部7bの代わりにファン部18を設けている。本実施形態では、噴霧装置12と比べて液室17が下方に配置され、その上方にファン部18が設けられている。図中の符号22は送風装置セットを示している。送風装置セット22は、飲料容器2(二点鎖線参照)と、送風装置24とからなる。
図9bに示す送風装置25は、図4bで説明した噴霧装置12の霧発生部7bの代わりにファン部18を設けている。その他の点は、前述した送風装置24および噴霧装置13とほぼ同じでるので、その説明を省略する。
また図示していないが、送風装置24、25において、案内カバー19を取り付けて空気流を飲酒者P(図2参照)の鼻・口の方へ向けてもよい。
【0074】
(他の飲酒量を減らす方法23)
次に、本発明の他の飲酒量を減らす方法について説明する。図10に示している他の飲酒量を減らす方法23は、前述した飲酒量を減らす方法11と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
図10に示している飲酒量を減らす方法23は、送風装置付き飲料容器15を準備し(準備工程R1)、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに送風し(工程R2)、その送風された蒸発物質21を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する(工程R3)というものである。
【0075】
(減酒カップ付き飲料容器)
次いで、送風装置付き飲酒容器15に関連する飲料容器として、減酒カップ付き飲料容器を説明する(図示せず)。減酒カップ付き飲料容器は、飲料容器2と、液状物5が収納された減酒カップとからなる。減酒カップの直径は、飲料容器2の開口よりも小径である。減酒カップは、飲料容器2の内部で、且つ、開口近傍に設けられている。減酒カップは、飲料容器2の周壁2aと隙間を空けて配置されている。飲酒者Pは、飲料容器2の周壁2aと、減酒カップ27の周壁との間からアルコール飲料4を飲酒する。飲酒の際に、飲酒者Pの鼻は減酒カップ27の近傍または内部に入り込む。減酒カップ27の内部には、蒸発部材23が充満しているから、飲酒者Pはアルコール飲料4を飲みながら、蒸発部材23を吸い込む。このため飲酒者Pは、飲酒に対し高い満足感を得ることができる。また減酒カップの内面には、返し壁が立設している。返し壁は、飲酒のために飲料容器を傾けた際に、液状物5が飲酒者Pに達するのを防止している。
【0076】
段落移動
[6.飲料および液体のその他]
次に、アルコール飲料以外の場合の飲料4および液状物5について説明する。これらの飲料4および液状物5について、アルコール飲料以外の場合においても、上述したアルコール飲料の場合に共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
【0077】
段落移動
(飲料4のその他)
飲料4としては、アルコール飲料の他に、例えば、香りを楽しむ飲料であってもよい。例えば、清涼飲料水(アルコール飲料および乳性飲料を含まない)と呼ばれるもので、具体的には、お茶、ハーブティー、サイダー、オレンジなどのフルーツの果汁を用いたジュース、ココア、コーヒーなどがある。
【0078】
段落移動
(液状物5のその他)
上述した清涼飲料水4に対応する液状物5は、清涼飲料水4に関連する成分を有している。この成分とは、例えば、清涼飲料水4がハーブティーであるなら、ハーブの濃縮液またはハーブの特徴を表現するような匂い・味の成分など、摂取時にハーブを摂取した感覚を覚える香り又は味を有する成分などである。なお液状物5は、清涼飲料水の濃縮液、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つを含んでいる。なお液状物5として、従来公知の清涼飲料水4に対応する香料・フレーバなどを用いてもよい。さらになお液状物5として、清涼飲料水4を用いてもよい。
【0079】
[7.飲料機構]
(概略説明)
まず図11を用いて飲料機構が用いられる様子を説明する。なお簡便のため後述する連結部材29を図示していない代わりに、飲料4、蒸発物質21(21a、21b)の流れを矢印で示し、それぞれ符号30a、30b、30cで示している。
図11に示す飲料機構26は、容器を上下に三段に重ねた機構を有している。それらの容器には、下段から順に、飲料4、液状物5(5a)、液状物5(5b)が貯留されている。下段の飲料4は、飲酒者Pが飲むべき飲料である。中段の液状物5aは、飲酒者Pが口から摂取するための第1蒸発物質21aを発生させる第1液状物5aである。上段の液状物5bは、飲酒者Pが鼻から摂取するための第2蒸発物質21bを発生/揮発させる第2液状物5bである。
飲酒者Pは、下段の飲料4を飲みながら、中段の第1蒸発物質21aを口から摂取し、その上で、上段の第1蒸発物質21aを鼻から摂取する。飲料4に関連する成分を含む第1蒸発物質21a及び第2蒸発物質21bをそれぞれ口及び鼻からほぼ同時に摂取するので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。
例えば、口から入る飲料4の味覚、ほぼ同時に口から入る蒸発物質21aが鼻に抜けていく感覚及びほぼ同時に鼻から吸い込まれる蒸発物質21bの嗅覚の3つが1つになって、飲料4の低アルコールであることに基づく物足りなさが低減され、そして飲料4を飲んだ満足感が補強される。
低アルコール飲料4の口からの摂取、飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)の口からの摂取及び飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)の鼻からの摂取からなる3つのほぼ同時の摂取は、飲酒者Pの満足感を大きくする要素である。例えば、低アルコール飲料4の摂取と共に、飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)を口から摂取すること(鼻から抜ける)又は低アルコール飲料4の摂取と共に、飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)を鼻から吸引することのようなコンビに比べて、前記3つの摂取は得られる満足感が高い傾向にある。
【0080】
(飲料機構26)
次に図12a及び図12bを用いて、飲料機構を説明する。図12a及び図12bに示している飲料機構26は、前述した噴霧装置付き飲料容器14及び送風装置付き飲料容器15と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
飲料機構26は、飲料容器2と、上方の開口から嵌め込んで、その内部に設けられる有底筒状の第1液室27と、その第1液室27の上方の開口からさらに嵌め込んで、その内部に設けられる有底筒状の第2液室28と、飲料容器2及び第1液室27に連通する連通部材29とからなる。図12aの矢印Qの方向は、飲酒者Pが飲料4を飲むための飲み口に相当する。
【0081】
(飲料容器2)
次いで、図13a及び図13bを用いて飲料容器2を説明する。図13aに示している飲料容器2には、周壁2bを貫通する開口2gが形成されている。飲料4は開口2bから注がれる。開口2gは、飲酒者Pの飲み口に対しは90°の向に形成されている。その他、例えば、飲酒者Pが傾けて使用する際に(図11参照)、飲料4がこぼれない位置に形成するのがよい。本実施形態では、開口2gはペットボトルの口を入れ込むことができる程度の大きさである。
図13bに示すように、飲料容器2には、その周壁2bの内面から仕切板2ghが内向きに延びている。仕切板2hは飲料容器2の中央付近まで延びている。仕切板2hの先端付近は下方に傾斜している。仕切板2hは、飲酒者Pが飲料4を飲むべく飲料機構26を傾ける際に、後述する隙間27cに飲料4が流れるのを防止している。
【0082】
(第1液室27)
第1液室27には、第1液状物5aが貯留される。第1液室27の上方には第2液室28が設けられるため、第1液状物5aから揮発/蒸発した第1蒸発物資21aは、外気に分散されにくく、室内に留まりやすい。
【0083】
第1液室27は、有底筒状を呈しており、底部27aと周壁27bとからなる。第1液室27は飲料容器2内に脱着自在に設けられている。第1液室27は飲料容器2の上方の開口から内部に挿入される。第1液室27は、飲料容器2の周壁2bの内向きの弾性力及び/又は第1液室27の周壁27bの外向きの弾性力などで飲料容器2の内部に保持されている。保持された状態で、飲料容器2及び第1液室27の上端部は、ほぼ揃えられている。一方で、第1液室27の底部27aは飲料容器2の高さ方向の中間位置に配置されている。
また保持された状態で、飲料容器2の周壁2bと第1液室27の周壁27bとの間に隙間27cが形成されている。隙間27は後述する連通部材29を通すための隙間である。隙間27cの幅は、少なくとも連通部材29と同程度の幅であればよい。なお隙間を設けないで、連通部材29を配置した状態で、第1液室27を飲料容器2に押し込んで、前記保持を実現してもよい。
【0084】
第1液室27の飲料容器の開口2gに対応する底部27a及び周壁27bの部位は、傾斜部27cとされている。傾斜部27cは内向き下方に傾斜している。傾斜によりペットボトルの口を入れ込みやすくなっている。
図12bに戻って、第1液室27には、その周壁27bの内面から仕切板27eが内向きに延びている。仕切板27eは第1液室27の中央付近まで延びている。仕切板27eの先端付近は上方に向いている。仕切板27eは、飲酒者Pが飲料4を飲むために飲料機構26を傾ける際に、後述する連通部材29内に飲料4が流れるのを防止している。
【0085】
(第2液室28)
次に、図14a及び図14bを用いて第2液室28を説明する。第2液室28には、第2液状物5bが貯留される。第2液室28は、底部28aと、底部28aの周縁から延びている周壁28bと、周壁28bの上端から延びている天部28cとを備えている。周壁28bは断面が円弧状を呈している。
第2液室28は第1液室27内に脱着自在に設けられている。第2液室28は第1液室27の上方の開口から内部に挿入される。第2液室28は、第1液室27の周壁27bの内向きの弾性力及び/又は第2液室28の周壁28bの外向きの弾性力などで飲料容器2の内部に保持されている。保持された状態で、第1液室27及び第2液室28の上端部は、ほぼ揃えられている。一方で、第2液室28の底部28aは第1液室27の高さ方向のほぼ中間位置に配置されている。
また保持された状態で、第1液室27の周壁27bと第2液室28の周壁28bとの間に隙間28gが形成されている。隙間28gは後述する連通部材29を通すための隙間である。隙間28gの幅は、少なくとも連通部材29と同程度の幅であればよい。なお隙間を設けないで、連通部材29を配置した状態で、第2液室28を第1液室27に押し込んで、前記保持を実現してもよい。
【0086】
天部28cには内部に連通する開口28dが形成されている。開口28dは飲酒者Pの鼻が入る程度の大きさ・形状とされている。第2液状物5bから揮発/蒸発した第2蒸発物資21bは、天部28cが設けられているため、外気に分散されにくく、室内に留まりやすい。
また天部28cの飲み口Q側の部位は、内向きの凹部が形成され、窪んだ部位28eとされている。窪んだ部位28eは上唇が配置される部位である。
第2液室28には、その周壁28bの内面から鍔部28fが内向きに延びている。鍔部28fは、飲み口Q側に設けられている。鍔部28fは、飲み口Q付近を中心にして、第2液室28の内部の半周にわたり形成されている。鍔部28fは、飲酒者Pが飲料4を飲むために飲料機構26を傾ける際に、開口28dから第2液状物5bが流出するのを防止している。
【0087】
本実施形態では、第1液状物5aは約35mlである。例えば、30~40mlを貯留するのがよい。また本実施形態では、第2液状物5bは約25mlである。例えば、20~30mlを貯留するのがよい。
【0088】
(連通部材29)
図15を用いて連通部材29を説明する。図に示すように連結部材29は、筒状又はストロー状の部材であり、第1連通部材29aと、第2連通部材29bとからなる。それらの第1連通部材29a及び第2連通部材29bは、上端付近で連結部29eにより一体にされている。
【0089】
(第1連通部材29a)
図12aに示すように、第1連通部材29aは隙間27cに配置されている。第1連通部材29aは、仕切板2hを貫通し、底部2a付近まで到達している。第1連通部材29aは、その下端付近で内向きに湾曲し、底部2aに平行な向きに開口を向ける小湾曲部29cとされている。底部2aと平行な向きに開口しているので、飲料4が流入しやすい。
一方で、第1連通部材29aの上端は、周壁2bの上端縁とほぼ同じか、少し超える位置まで延びている。
【0090】
(第2連通部材29b)
第2連通部材29bは隙間28gに配置されている。第2連通部材29bは、仕切板27eの上面付近まで到達している。第2連通部材29bは、その下方の部位が内向きに湾曲し、斜め上方に開口を向ける大湾曲部29dとされている。斜め上方に開口しているので、第1液状物5aが流入しにくく、且つ、第1蒸発物質21aを取り込みやすい
一方で、第2連通部材29bの上端は、周壁2bの上端縁とほぼ同じか、少し超える位置まで延びている。
【0091】
(液状物5、蒸発物質21)
本実施形態では、第1液状物5aと第2液状物5bは同じとされている。このため第1蒸発物質21aと第2蒸発物質21bも同じである。なお第1液状物5aと第2液状物5bを異なる液状物としてもよい。例えば、第1・第2蒸発物質21a、21bのうちのどちらかについて、アルコール成分、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つの成分の1つ以上が強いものを選択してもよい。さらに、どちらかの蒸発物質21a、21bについて、ヒータなどにより液状物5を加熱し、蒸発しやすくしてもよい。
【0092】
(使用方法)
図11に戻って、飲酒者Pは、飲料機構26を傾けて、窪んだ部位28eに上唇を置き、第1連通部材29a及び第2連通部材29bを口に咥える。そして第1連通部材29aを介して、飲料4を口に流し込む及び/又は吸い込む。その際に、第2連通部材29bを介して、第1蒸発物質21aを口に吸い込む。さらに、開口28dを介して、第2蒸発物質21bを鼻から吸い込む。
【0093】
飲料4を補充する際には、開口2gから、例えばペットボトルの口を入れて、替えの飲料4を注ぐ。このため飲料機構26を分解しなくてよい。
使用後は、飲料機構26を飲料容器2、第1液室27、第2液室28及び連通部材29に分解して洗浄することができる。
【0094】
[8.さらにその他の実施形態]
(1)飲料容器2の周壁2bは、筒状であればよい。例えば断面形状が多角形状でもよい。また飲料容器2の周壁2bにアルコールチェッカ(図1bの符号2e参照)を内蔵してもよい。これにより飲酒者Pは、飲酒しながら、飲料容器2の周壁2bに息を吹きかけて体内の残留アルコール濃度を数値として把握し、飲酒量を確認できる。このため飲酒者Pは、どのくらいまで飲めるのかなどの計画性のある飲酒ができ、その飲酒を終える判断などをすることができる。
(2)噴霧装置13では吸盤13aを用いたが、飲料容器2にスリットなどを形成し、噴霧装置3にスリットに篏合する突条を設けてもよい。スリットに突条をスライドさせながら嵌め込んで、飲料容器2に噴霧装置3を取付ける。なお、噴霧装置3にスリットを形成し、飲料容器2に突条を設けてもよい。
(3)さらに噴霧装置13において、電源部6の周壁2b側に配置される面に、飲料容器2の開口縁から周壁2bに引っ掛ける部材を設けてもよい。
(4)電源部6の電池6aの代わりに、太陽電池パネルを設けてもよい。さらになお、太陽電池パネルから得た電力を充電池に蓄電するようにしてもよい。
(5)液状物5は、アルコール飲料4との関係で様々な組み合わせが考えられる。アルコール飲料4がワインであるなら、原産地・時期が似ているワインを採用してもよい。また異なる酒種を採用してもよい。
(6)検出部10は、電源部6に設けていたが、噴霧部7や飲料容器2に設けてもよい。
(7)検出部10として、飲料容器2または噴霧装置3にスイッチを設けて、それを飲酒者PがON-OFFして噴霧装置3を作動させるようにしてもよい。
また、飲料容器2のテーブルへの載置または近接を検知したら噴霧装置3の作動をやめるようにしてもよい。その場合、例えば、検出部10として、接触式のセンサや近接センサなど非接触のセンサを用いるのがよい。さらに、検出部10として、タッチセンサを用いてもよい。その場合、飲料容器2に設けるのがよい。例えば、飲酒者Pが飲料容器2に触れると、霧状の液状物5が噴霧される。
(8)前述の実施形態・変形例に、これらのさらにその他の実施形態を、それぞれを適宜に組み合わせて用いることができる。
【0095】
(9)図示していないが、送風装置16を飲料容器2と一体に設けてもよい。
(10)図示していないが、仕切壁20を筒状にし、飲料容器2の内部または外部に取付けてもよい。取付には、前述した取付部8を用いてもよい。取付部8として、面ファスナー、磁力を用いて取り付けるための磁石、ベルトなどを用いてもよい。
(11)送風装置16a、16bにおいて、霧発生部7とファン部18を両方設けて、どちらか一方を作動させたり、両方を作動させたりしてもよい。
【0096】
[9.まとめ]
(1、6、8)噴霧装置3、噴霧装置セット1、噴霧装置付き飲料容器14は、電源部6と、その電源部6から電力を供給されると共に、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧する噴霧部7とを備えている。さらに、噴霧装置3、噴霧装置セット1にあっては、噴霧部7および電源部6を飲料容器2に取り付けるための取付部8を備えている。このため、飲料を飲む人Pが飲料4を飲むと、飲料4に関連する成分を有する霧状の液状物5を吸い込み、霧状の液状物5が鼻の内部や喉に沈着する。このため、飲料4を飲んだ満足感を高めることができる。特に飲料4が香りを楽しむ飲料の場合、一層満足感を高めることができる。例えば、ハーブティーなどの場合、リラックス効果などを高めることができる。
(2)このような、噴霧装置3は、噴霧部7と電源部6とを連結すると共に、弾性を呈する連結部9をさらに備えており、その連結部9の弾性力により、電源部6と噴霧部7とで飲料容器2の周壁2bを挟み込んで、且つ、電源部6を周壁2bの外側に配置して、電源部6および噴霧部7が飲料容器2に取り付けられるので、様々な飲料容器2に噴霧装置3を容易に取付けることができる。
(3、9)また、飲料4がアルコール飲料であるので、霧状の液状物5の成分として、アルコール、匂いおよび/または味の成分を含む成分が鼻の内部や喉に沈着することにより、アルコール飲料4を多く飲酒したような気分や、飲酒によるアルコール、匂いおよび/または味の成分を味わったような気分になる。このため、飲酒を途中でやめても、満足感を著しく損なうことがない。そして、飲酒の満足感を著しく損なうことなく、飲酒量を減らすことができる。
(4、10)噴霧部7に液状物5を保温するヒータが設けられているので、温かい飲料4を飲みながら、ほぼ同じ温度に保温された霧状の液状物5を吸い込むので、霧状の液状物5を違和感なく摂取することができる。
(5、12)飲料容器2の傾斜状態を検出する検出部10をさらに備えており、その検出部10に基づいて飲料容器2が所定の傾斜であることが確認されると、噴霧部7が液状物5を霧状に噴霧するので、自然に霧状の液状物5を摂取することができる。また余分な噴霧を防止することができる。
(7、11)このような噴霧装置セット1、噴霧装置付き飲料容器14は、飲料容器2に飲料4を保温するヒータ2dが設けられているので、温かい飲料4を冷まさない状態で保ち、且つ、ほぼ同じ温度に保温された霧状の液状物5を吸い込むので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。
(13)飲酒量を減らす方法11は、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧し、その噴霧された霧状の液状物5を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する。アルコール、匂いおよび/または味の成分を含む成分が鼻の内部や喉に沈着するから、アルコール飲料4を多く飲酒したような気分や、飲酒によるアルコール、匂いおよび/または味の成分を味わったような気分になる。このため、飲酒を途中でやめても、満足感を著しく損なうことがない。したがって、飲酒の満足感を著しく損なうことなく、飲酒量を減らすことができる。
【0097】
(14、15、16)送風装置付き飲料容器15、送風装置16および送風装置セット22は、飲料容器2と、その飲料容器2に設けられる送風装置16とからなる。送風装置16は、電源部6と、その電源部6から電力を供給され、且つ、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物5から蒸発する蒸発物質21を飲料容器2の飲口付近2cに送風するファン部18とを備えている。また送風装置16および送風装置セット22にあっては、飲料容器2に取り付けるための取付部8を備えている。
このため、飲料を飲む人Pが飲料4を飲むと、アルコール成分を含む液状物5から蒸発する蒸発物質21を吸い込み、蒸発物質21が鼻の内部や喉に沈着する。このため、アルコール成分を摂取した満足感を高めることができる。
(17)飲酒量を減らす方法22は、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物5から蒸発する蒸発物質21を飲料容器2の飲口付近2cに送風し、その送風された蒸発物質21を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する。蒸発物質21としてアルコール、匂いおよび/または味の成分を含む成分が鼻の内部や喉に沈着するから、アルコール飲料4を多く飲酒したような気分や、飲酒によるアルコール、匂いおよび/または味の成分を味わったような気分になる。このため、飲酒を途中でやめても、満足感を著しく損なうことがない。したがって、飲酒の満足感を著しく損なうことなく、飲酒量を減らすことができる。
(18)飲料機構26は、飲料容器2と、飲料容器内の飲料4に関連する成分を有する第1液状物5aを貯留する第1液室27と、飲料容器2に連通し、且つ、飲料4を口から摂取するための第1連通部材29aと、第1液室27に連通し、且つ、第1液状物5aから蒸発する第1蒸発物質21aを口から吸入するための第2連通部材29bとを備えている。飲料4に関連する成分を含む第1蒸発物質21aを口から摂取するので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。例えば、飲酒者Pは口から摂取した第1蒸発物質21aは鼻から抜ける感覚を味合うことができる。
(19)このような飲料機構26は、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有する第2液状物5bを貯留し、且つ、第2液状物5bから蒸発する第2蒸発物質21bを鼻から吸入するための開口28dが形成された第2液室28をさらに備えているので、飲料4に関連する成分を含む第1蒸発物質21a及び第2蒸発物質21bをそれぞれ口及び鼻からほぼ同時に摂取するので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。
(20)また飲料容器2の上方に第1液室27が設けられ、第1液室27の上方に第2液室28が設けられているので、第1蒸発物質21a及び第2蒸発物質21bをそれぞれ口及び鼻からほぼ同時に摂取しやすい構造である。
(21)
また、飲料容器2の内部に第1液室27が脱着自在に設けられ、第1液室27の内部に第2液室28が脱着自在に設けられているので、分解洗浄が容易である。
【符号の説明】
【0098】
1 噴霧装置セット
2 飲料容器
2a 底部
2b 周壁
2c 飲口周辺
2d ヒータ
2e アルコールチェッカ
2f 受部
2g 開口
2h 仕切板
3 噴霧装置
4 飲料
5 液状物(霧状の液状物)
5a 第1液状物
5b 第2液状物
6 電源部
6a 電池
6b 電源ボタン
6c 基盤
7 噴霧部
7a 液室
7b 霧発生部
7c ヒータ
8 取付部
9 連結部
10 検出部
10a 検出部
11 飲酒量を減らす方法
12 噴霧装置
12a 摘み
12b 回動軸
13 噴霧装置
13a 吸盤
13b 軸
14 噴霧装置付き飲料容器
14a 噴霧装置
15 送風装置付き飲料容器
16 送風装置
16a 送風部
17 液室
17a 周壁
17b 蓋部
17c 開口部
17d 係止部
18 ファン部
18a スカート部
18b ドーナツ状の部材
18c 固定部材
19 案内カバー
19a 接続部
19b 蓋状部
19c 小出口
19d 大出口
20 仕切壁
21 蒸発物質
21a 第1蒸発物質
21b 第2蒸発物質
22 送風装置セット
23 他の飲酒量を減らす方法
24 送風装置
25 送風装置
26 飲料機構
27 第1液室
27a 底部
27b 周壁
27c 隙間
27d 傾斜部
27e 仕切板
28 第2液室
28a 底部
28b 周壁
28c 天部
28d 開口
28e 窪んだ部位
28f 鍔部
28g 隙間
29 連通部材
29a 第1連通部材
29b 第2連通部材
29c 小湾曲部29c
29d 大湾曲部
29e 連結部
30a 飲料の流れ
30b 第1蒸発物質の流れ
30c 第2蒸発物質の流れ
P 飲酒者(飲料を飲む人)
Q 飲み口
L 噴霧の流れ
A 空気流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器と、
前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第1液状物を貯留する第1液室と、
前記飲料容器に連通し、且つ、前記飲料を口から摂取するための第1連通部材部と、
前記第1液室に連通し、且つ、前記第1液状物から蒸発する第1蒸発物質を口から吸入するための第2連通部材とを備えている、飲料機構。
【請求項2】
前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第2液状物を貯留し、且つ、前記第2液状物から蒸発する第2蒸発物質を鼻から吸入するための開口が形成された第2液室をさらに備えている、請求項記載の飲料機構。
【請求項3】
前記飲料容器の上方に第1液室が設けられ、
前記第1液室の上方に第2液室が設けられている、請求項記載の飲料機構。
【請求項4】
前記飲料容器の内部に前記第1液室が脱着自在に設けられ、
前記第1液室の内部に前記第2液室が脱着自在に設けられている請求項記載の飲料機構。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2、3には、吸入装置などが開示されている。この吸入装置は、薬効成分・香味成分などの液状物を霧状にして放出し、その放出物(吸入物)を口から吸入させるものである。
また特許文献4には、容器の底に香料等を浸み込ませた固形物を収納し、飲用時に香料の香りを楽しむことが開示されている。
また特許文献5には、飲料に酒らしい風味を付与する技術が開示されている。
さらに特許文献6には、例えば、吸入装置の一例として禁煙装置が開示されている。この禁煙装置は、エーロゾル化した香料などからなる禁煙剤を含む組成物の送出を漸増させながら、エーロゾル化したニコチン含有物質を含む組成物の送出を漸減させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭51-74622号公報
【特許文献2】特開2001-149473号公報
【特許文献3】特開2005-58421号公報
【特許文献4】実開昭61-153577号公報
【特許文献5】特開2017-212932号公報
【特許文献6】特開2004-148117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、飲料を飲みながら香気成分の香りを楽しんだり、有用な成分を含むミストを吸い込んで楽しんだりすることが行われている。ここで、飲料を飲みながら、有用な成分を含むミストを容易に吸い込むことができると、飲料を飲む行為に新しい楽しみを付加することができる。しかしながら、液体を飲みながら、霧状の液体(ミスト)を吸い込むのは、難しい傾向にある
【0005】
また、主に健康上の理由に起因すると考えられるが、お酒を飲む量を減らしたい、と思う人は少なくない。しかし特定の目的のために飲酒量を減らすと、お酒により得られる満足感に物足りなさを感じる。一方で、満足感を優先すると目的は達成し難くなる。これらは相反する。
そこで、本発明は飲料機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)参考例の噴霧装置は、電源部と、その電源部から電力を供給されると共に、飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物を前記飲料容器の飲口付近に霧状に噴霧する噴霧部と、それらの噴霧部および電源部を前記飲料容器に取り付けるための取付部とからなることを特徴としている。
【0007】
飲料に関連する成分とは、例えば、前記飲料の濃縮液、及び前記飲料の特徴を表現するような匂い・味の成分、すなわち、摂取時に前記飲料を摂取した感覚を覚える香り又は味を有する成分などである。なお前記飲料がアルコール飲料であるなら、アルコール飲料に関連する成分としてアルコール成分を用いてもよい。
【0008】
(2)このような噴霧装置は、前記噴霧部と前記電源部とを連結すると共に、弾性を呈する連結部をさらに備えており、その連結部の弾性力により、前記電源部と噴霧部とで前記飲料容器の周壁を挟み込んで、且つ、前記電源部を前記周壁の外側に配置して、前記電源部および噴霧部が前記飲料容器に取り付けられるのが好ましい。
【0009】
(3)また前記飲料がアルコール飲料であるのが好ましい。
【0010】
(4)また前記噴霧部に前記液状物を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0011】
(5)また前記飲料容器の傾斜状態を検出する検出部をさらに備えており、その検出部に基づいて前記飲料容器が所定の傾斜量であることが確認されると、前記噴霧部が前記液状物を霧状に噴霧するのが好ましい。
【0012】
(6)他の参考例の噴霧装置セットは、飲料容器と、その飲料容器に取付けられる上述の噴霧装置とからなることを特徴とする。
【0013】
(7)このような噴霧装置セットは、前記飲料容器に前記飲料を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0014】
(8)さらに他の参考例の噴霧装置付き飲料容器は、飲料容器と、その飲料容器の飲口付近に一体に設けられる噴霧装置とからなり、前記噴霧装置が、電源部と、その電源部から電力を供給されると共に、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する液状物を前記飲料容器の飲口付近に霧状にして噴霧する噴霧部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
(9)このような噴霧装置付き飲料容器は、前記飲料がアルコール飲料であるのが好ましい。
【0016】
(10)また前記噴霧部に前記液状物を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0017】
(11)また前記飲料容器に前記飲料を保温するヒータが設けられているのが好ましい。
【0018】
(12)また前記飲料容器の傾斜状態を検出する検出部をさらに備えており、その検出部に基づいて前記飲料容器が所定の傾斜量であることが確認されると、前記噴霧部が前記液状物を霧状に噴霧するのが好ましい。
【0019】
(13)さらに他の参考例の飲酒量を減らす方法は、アルコール飲料に関連する成分を有する液状物を容器の飲口付近に霧状に噴霧し、その噴霧された霧状の液状物を吸引すると共に、前記アルコール飲料を飲酒することを特徴とする。
【0020】
(14)さらに他の参考例の送風装置は、電源部と、その電源部から電力を供給さ
れ、且つ、飲料容器内の飲料に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風するファン部と、それらのファン部および電源部を前記飲料容器に取り付けるための取付部とからなることを特徴とする。
【0021】
(15)さらに他の参考例の送風装置セットは、飲料容器と、その飲料容器に取付けられる上述の送風装置とからなることを特徴とする。
【0022】
(16)さらに他の参考例の送風装置付き飲料容器は、飲料容器と、その飲料容器の飲口付近に一体に設けられる送風装置とからなり、前記送風装置が、電源部と、その電源部から電力を供給され、且つ、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風するファン部とを備えていることを特徴とする。
【0023】
(17)さらに他の参考例の飲酒量を減らす方法は、飲料容器内の飲料に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物から蒸発する蒸発物質を前記飲料容器の飲口付近に送風し、その送風された蒸発物質を吸引すると共に、前記アルコール飲料を飲酒することを特徴とする。
【0024】
(18)本発明の飲料機構は、飲料容器と、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第1液状物を貯留する第1液室と、前記飲料容器に連通し、且つ、前記飲料を口から摂取するための第1連通部材部と、前記第1液室に連通し、且つ、前記第1液状物から蒸発する第1蒸発物質を口から吸入するための第2連通部材とを備えていることを特徴としている。
【0025】
(19)このような飲料機構は、前記飲料容器内の飲料に関連する成分を有する第2液状物を貯留し、且つ、前記第2液状物から蒸発する第2蒸発物質を鼻から吸入するための開口が形成された第2液室をさらに備えているのが好ましい。
【0026】
(20)また、前記飲料容器の上方に第1液室が設けられ、前記第1液室の上方に第2液室が設けられているのが好ましい。
【0027】
(21)また、前記飲料容器の内部に前記第1液室が脱着自在に設けられ、前記第1液室の内部に前記第2液室が脱着自在に設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
発明の飲料機構は、飲料を飲みながら、蒸発物質を吸引によって摂取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1aは参考例の噴霧装置セットの一を示す平面図、図1bは図1aの側面図を示している。
図2図2図1の噴霧装置セットが用いられる様子を示す概略図である。
図3図3aは参考例の飲酒量を減らす方法を示す概略工程図である。
図4図4aは噴霧装置の変形例の一例を示す概略側面図、図4bは噴霧装置3のさらに他の変形例の一例を示す概略側面図である。
図5図5参考例の噴霧装置付き飲料容器の一を示す概略側面図である。
図6図6参考例の送風装置付き飲料容器の一を示す概略断面図である。
図7図7図6の概略平面図である。
図8図8aは図6の液室が傾いた様子を示す概略図、図8bはファン部の変形例を示す概略図、図8cは液室の変形例を示す概略図である。
図9図9aおよび図9bはそれぞれ送風装置の変形例を示す概略図である。
図10図10は他の飲酒量を減らす方法を示す概略工程図である。
図11図11本発明の飲料機構が用いられる様子を示す概略図である。
図12図12aは本発明の飲料機構の一実施形態を示す平面図、図12bは図12aのB-B断面図を示している。
図13図13aは図12aのQ矢視の側面図、図13bは図12aのC-C断面図を示している。
図14図14aは図11の第2液室を示す平面図、図14bは図14aのD-D断面図を示している。
図15図15図11の連通部材を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[1.概略]
参考例1
図1を用いて、参考例の噴霧装置セットの概略を説明する。
図1に示す噴霧装置セット1は、飲料容器2と、その飲料容器2に取付けられる噴霧装置3とを備えている。噴霧装置3は、飲料容器2の上部付近に設けられる。飲料容器2には飲料4が入れられる。なお参考例では、飲料4はアルコール飲料である。噴霧装置3は、飲料4に関連する成分を有する液状物5を霧状に噴霧する。噴霧装置3は、飲料容器2の飲口付近2c(二点鎖線参照、飲料容器2内を含む)に液状物5を霧状にして噴霧する。
【0031】
次いで、図2を用いて、噴霧装置セット1がどのように作用するのかを説明する。図2は、飲酒量を減らしたい飲酒者Pが噴霧装置セット1を用いて飲酒している様子を示している。図2に示すように、飲酒者Pは、飲料容器2の噴霧装置3の反対側から口を付ける。その際に、飲酒者Pは、鼻・口の周辺を霧状の液状物5内に突っ込んだ状態で飲酒する。飲酒者Pの鼻・口の周辺はアルコール飲料4に関連する成分で満たされており、その成分は飲酒者Pの体内に吸入される。これにより、単に飲酒するよりも、アルコール飲料4を摂取した満足感が増加する。満足感が増加するため、飲酒者Pの飲酒を途中で終える決断が後押される。さらに途中で飲酒を終えたにもかかわらず、飲酒による満足感を著しく損なうことがない。
【0032】
[2.各構成]
(飲料容器2)
図1に戻って、参考例の飲料容器2は全体として有底筒状であり、主に底部2aと、その底部2aの周縁から延びた周壁2bとからなる。参考例では底部2aは円板状で、周壁2bは円筒状である。なお飲料容器2として、例えば、ワイングラス、コップ、ティーカップなど従来公知の容器を採用することができる。また参考例では、周壁2bの下端付近には、帯状のヒータ2dが巻き付けられている。そのヒータ2dは飲料4を保温する。なお、ヒータ2dは、面状発熱体と呼ばれる金属箔に電気を流して発熱させるシート状の発熱体である。なおヒータ2dとして従来公知のものを採用してもよい。
【0033】
(噴霧装置3)
噴霧装置3は、電源部6と、その電源部6から電力を供給されると共に、液状物5を料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧する噴霧部7と、噴霧部7および電源部6を飲料容器2に取り付けるための取付部8とからなる。参考例では、電源部6と噴霧部7とを連結する連結部9をさらに備えている。その連結部9は弾性を有する材料から形成されている。参考例では、連結部9、電源部6および噴霧部7により取付部8が構成されている。
【0034】
(電源部6)
電源部6は、飲料容器2の上部付近の周壁2bの外面側に設けられている。電源部6は、周壁2bの外周面に沿うような面を有しており、全体として湾曲した肉厚の板形状である。電源部6は内部に充電池などの電池6aなどを収納している。また符号6bは電源ボタンである。電源ボタン6bをONにすることで、後述する検出部10が作動する。さらに符号6cで示している基盤は、検出部10および噴霧部7を制御するものである。
【0035】
(検出部10)
さらに参考例の電源部6には、電源部6の傾き検知する検出部10が設けられている。参考例では、例えば、検出部10の検出値が所定の値(閾値)を超えると、噴霧部7は液状物5を霧状に噴霧する。閾値を超えることで、飲料容器2が所定の傾斜量であることが確認される。一方で、前記所定の値に満たない場合は、噴霧部7は液状物5を噴霧しない。前記閾値は、飲酒者Pが飲酒のために噴霧装置セット1を傾けると(図2参照)、噴霧部7が噴霧動作し、テーブルなどに噴霧装置セット1を置くと、噴霧部7の噴霧動作が停止するように、予め調整されている。
【0036】
(噴霧部7)
噴霧部7は、例えば参考例では、液状物5を貯留する液室7aと、その液室7aの下端付近(図1bの下方)に設けられた霧発生部7bとからなる。噴霧部7は、飲料容器2の上部付近の周壁2bの内面側に設けられている。噴霧部7は、周壁2bの内周面に沿うような面を有しており、全体として湾曲した肉厚の板状を呈している。
【0037】
(液室7a、ヒータ7c)
液室7aの容量としては、例えば、所定の飲酒時間の間、霧状の液状物5が途切れない程度に調整されている。液室7aの外周には、帯状のヒータ7cが巻き付けられている。
そのヒータ7cは液状物5を保温する。ヒータ7cは、面状発熱体と呼ばれる金属箔に電気を流して発熱させるシート状の発熱体である。なおヒータ7cとして従来公知のものを採用してもよい。例えば、飲料4が温かい場合に、ほぼ同じ温度に保温された霧状の液状物5を吸い込むことができると、霧状の液状物5を違和感なく摂取することができ、飲酒の満足度が向上する。
【0038】
(霧発生部7b)
霧発生部7bは、液室7aの下端付近(図1bの下方)で、且つ、液室7aの飲料容器2側の面に設けられている。霧発生部7bは、霧状の液状物5を飲料4の液面に向かって噴霧する。霧発生部7bを液室7aの下端に設けると、重力により液状物5が霧発生部7bに自然に誘導される。
【0039】
霧発生部7bによる液状物5を霧状にする機構として、参考例では、振動子の振動などによって液体を微細な孔から押し出して霧状にする機構を採用している。なお、霧発生部7bの機構としては、従来公知の機構を用いることができる。一例を挙げるなら、圧縮空気で液体を霧状にする機構、超音波振動子の振動を利用して液体を霧状にする機構、振動などによって液体をメッシュの穴から押し出して霧状にする機構などである。
【0040】
ここで霧発生部7bの飲料容器2に対する位置や噴霧方向は、特に決められていないが、霧発生部7bの位置が口・鼻に近近すぎたり、噴霧の方向が口・鼻に真っ直ぐであったりすると、飲酒を妨げる恐れがある。このため飲酒者Pが、霧状の液状物5を自然に吸引できるようにするのが好ましい。例えば、参考例における霧状の液状物5の噴霧の方向は、飲料4の液面に対して25~50度、好ましくは30~45の角度にされている(図1bの符号θ参照)。噴霧部7の下方に霧発生部7bを配置し、飲料4の液面に向かって噴霧することで、飲酒者Pに直接に噴霧されるのが防止される。さらに液面にぶつかって噴霧の勢いがそがれ、その上で液面に沿って噴霧が流れ、飲酒者Pの鼻付近に霧状の液状物5が届く(図2の矢印L参照)。
【0041】
参考例では、例えば、霧状の液状物5は、飲料容器2の飲料4の液面から上方の空間を満たしている。そして霧状の液状物5は、後から噴霧された霧状の液状物5に追いやられて、飲料容器2からこぼれるように広がり、一部が飲口付近2cを覆うように漂っている。飲酒者Pは、飲料容器2内の霧状の液状物5に口・鼻を突っ込むようにして飲酒するようにされている。
【0042】
また、霧発生部7bが発生させる霧状の液状物5の粒径は、飲酒者Pが液状物5の成分を感じる部位に届く程度の粒径にするのが好ましい。例えば、鼻の内部あるいは喉の奥などに、吸引により運ばれる程度の粒径にするのが好ましい。霧状の液状物5を発生させる速度としては、飲酒の邪魔にならないような、霧状の液状物5が自然に吸引できるような発生速度であるのが好ましい。液状物5がアルコール成分を含む場合、アルコール摂取量がトータルで減少するように調整するのがよい。例えば、飲酒時間が1時間であるならば、その時間の間、霧状の液状物5が途切れないようにし、且つ、全体的なアルコール摂取量が減少するように、液状物5の吸引量・アルコール度数を調整する。
【0043】
なお、飲料容器2、電源部6および噴霧部7の材質としては、金属や合成樹脂などの従来公知のものを用いることができる。
【0044】
(連結部9)
連結部9は、板状の部材を湾曲させたような形状であり、例えばU字状の断面形状である。連結部9は、弾性を呈する部材からなり、U字を閉じる方向に付勢されている。参考例では、連結部9にシリコンなどの合成樹脂が用いられている。その合成樹脂の内部に図示しない電線が設けられており、電源部6の電力を噴霧部7に送っている。
【0045】
(取付部8、取付方法)
取付部8は、電源部6、噴霧部7および連結部9からなる。噴霧装置3を飲料容器2に取付ける際には、電源部6と噴霧部7とを離間させる方向に連結部9を拡げ、飲料容器2の飲口側から周壁2bを挟み込むようにして固定する。その際、電源部6を周壁2bの外側に配置し、噴霧部7を周壁2bの内側に配置する。
【0046】
(アルコール飲料4)
アルコール飲料4は、アルコールの摂取量を減らしたいと考えている者Pが対象とする飲料であればよい。減らしたい理由は特に問わない。アルコール飲料4について一例を挙げれば、日本酒、ビール、ワイン、ブランデー、ウイスキー、発泡酒、リキュール類などである。例えば、アルコール分1度以上の飲料としての酒類に加え、含有アルコール量が1%未満(アルコール成分を含有しないものを含む。)のノンアルコール飲料を含む。またアルコール飲料4は、飲酒者Pが調整したものでもよい。例えば、飲酒者Pがお酒を、水やノンアルコール飲料で薄めたものが含まれる。どの程度に薄めるのかは、飲酒者Pの飲酒に求める満足感の程度や、想定している減酒の速度により調整する。参考例では、アルコール飲料4として、特定の銘柄の日本酒を用いている。
【0047】
(液状物5)
液状物5は、アルコール飲料4に関連する成分を有している。この成分とは、例えば、アルコール成分自体、及びアルコール飲料4の特徴を表現するような匂い・味の成分、すなわち、摂取時にアルコールを摂取した感覚を覚える香り又は味を有する成分などである。なお液状物5は、アルコール成分、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つを含んでいる。さらになお液状物5として、アルコール飲料4を用いてもよい。
【0048】
例えば、前記成分を有する液状物5として、アルコール飲料4と同種の酒を採用してもよい。すなわち、アルコール飲料4に酒種としての日本酒を選択したのなら、液状物5としてワインなどを採用せずに、日本酒(例えば異なる銘柄)を採用するなどである。同種の酒として選択される液状物5としては、飲料容器2に入れたアルコール飲料4よりもアルコール度数が高いものが好ましい。なお、必ずしも同種の酒でなくてもよい。
【0049】
また、飲料容器2に入れたアルコール飲料4よりも香りが良いもの、よく香るもの、香りが独特なものなどであってもよい。さらに、味が良いもの、味が濃いもの、味が独特なものなどであってもよい。このような香りおよび/または味のする酒は、通常、飲料容器2に入れたアルコール飲料4よりも市場価値が高い傾向にある。このような香りおよび/または味の成分を、飲酒者Pが吸引すると、高質な香りおよび/または味に基づく、満足感が得られると考えられる。
【0050】
さらに、液状物5として、アルコール飲料4と同じ飲料を採用してもよい。液状物5が、飲酒しているアルコール飲料4と同じ飲料であるなら、匂いおよび味の成分も同じである。飲酒しながら、同じ匂い・味を持つ成分が、吸引により鼻の内部や喉に沈着する。例えば、喉に沈着した匂い成分は、鼻に抜ける際に匂ってくる。このため、アルコール飲料4を多く飲酒したような錯覚を飲酒者Pに与えると考えられる。なお、飲酒しているのと同じ成分を吸引するので、吸引に基づく違和感はほとんどない。
【0051】
なお、従来公知の酒系の香料、アルコール性飲料用フレーバなどを用いてもよい。
【0052】
[3.飲酒量を減らす方法]
(飲酒量を減らす方法11)
次に、図3aを用いて、参考例の飲酒量を減らす方法について説明する。図3aは飲酒量を減らす方法を示す概略工程図である。図に示している飲酒量を減らす方法11は、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧し(工程S2)、その噴霧された液状物5を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する(工程S3)というものである。参考例では、噴霧装置セット1を用いている。
このため噴霧装置セット1を準備する工程(準備工程S1)を有している。なお、噴霧装置セット1以外の装置などで飲酒量を減らす方法11を実施してもよい。
【0053】
(準備工程S1)
図3aに示している準備工程S1では、噴霧装置セット1を準備する。具体的には、アルコール飲料4を飲料容器2に入れる。そして、そのアルコール飲料4に関連する液状物5を噴霧装置3の液室7aに入れる。参考例では、例えばアルコール飲料4として特定の銘柄の日本酒を用いている。そして、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5として、アルコール飲料4よりも、アルコールの度数が高い酒を用いている。
【0054】
(工程S2)
アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を霧状に噴霧する。具体的には、噴霧装置セット1を傾けて口に近づけると、検出部10が所定量の傾き量を検出する。その検出に基づいて噴霧装置3は作動し、霧状の液状物5を飲口付近2cに噴霧する。
【0055】
(工程S3)
次いで、飲酒者Pは、飲口付近2cに顔(図2の符号P参照)を近づけて、霧状の液状物5を鼻・喉から吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する。アルコール飲料4よりもアルコール度数の高い液状物5を鼻・喉から摂取するので、飲酒者Pはアルコール飲料4を多く飲酒したように錯覚する。最後に、噴霧装置セット1をテーブルなどに載置すると、検出部10が所定量に満たない傾き量を検出し、噴霧装置3による噴霧が停止する。
【0056】
このため、普段よりも少ない飲酒量で、満足感を持って、飲酒をやめることができる。
【0057】
なお、飲酒量を減らすのに、液状物5として、香りが濃厚な、市場価値の高い日本酒を用いてもよい。その場合、高質な香りおよび/または味を摂取したことに起因して、高い満足感が得られる。すなわち、液状物5の高質な香りおよび/または味を鼻・喉から摂取するので、飲酒者Pは アルコール飲料4を多く飲酒したように錯覚し、飲酒量を減らすのに寄与すると考えられる。
【0058】
(分解洗浄)
アルコール飲料4および液状物5が収納される空間および霧状の液状物5が流れる部位は、容易に洗浄できるように、分解可能な構造であるのがよい。例えば、液室7aから霧発生部7bが取り外しできたり、液室7aの壁の一部を取り外したりできるのがよい。
【0059】
[4.噴霧装置の変形例]
(噴霧装置12)
図4aおよび図4bを用いて噴霧装置3の変形例について説明する。図4aは噴霧装置3の変形例の一例を示す概略側面図、図4bは噴霧装置3のさらに他の変形例の一例を示す概略側面図である。図4aおよび図4bには、それぞれ噴霧装置12、13を示している。これらの噴霧装置12、13は、前述した噴霧装置3と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
【0060】
(噴霧装置12)
噴霧装置12は、例えば、全体としてクリップのような形状をしている。摘みを指で摘んで、飲料容器2(飲料容器2については図1b参照)の周壁2bを挟み込むようにして、噴霧装置12は飲料容器2に取り付けられる。具体的には、噴霧装置12は、連結部9として、電源部6と噴霧部7の基端側からそれぞれ延設された摘み12a、12aを備えている。それらの摘み12a、12aは途中で交差している。その交差する部位に回動軸12bが設けられている。摘み12a、12aを摘まむと(図の矢印の方向参照)、回動軸12bを軸とし、電源部6と噴霧部7が開閉する。噴霧装置12は、電源部6と噴霧部7が閉じる方向に図示しない付勢部材により付勢されている。なお付勢部材としては、コイルバネ、板バネなど従来公知のものを用いることができる。使用者Pは、付勢部材の付
勢力に逆らって、摘み12a、12aを指で摘まむようにして、電源部6と噴霧部7とを離間させる。次いで、電源部6と噴霧部7とで、飲料容器2の周壁2bを挟み込む。指を離すと、付勢部材の付勢力により、噴霧装置12が飲料容器2に取り付けられる。
【0061】
(噴霧装置13)
噴霧装置13は、例えば、電源部6の飲料容器2側に吸盤13aを備えている。その吸盤13aにより飲料容器2の周壁2bの外面に噴霧装置13が取り付けられる。吸盤13aは取付部に相当する。また噴霧部7は電源部6の上方(図1bの上方)に設けられている。電源部6と噴霧部7とは軸13bにより回動自在に連結されている。電源部6に対し噴霧部7を回動させることで、噴霧方向を変更できる。軸13bの付近の部位は、連結部9に相当する。
【0062】
[5.他の参考例
参考例2
(噴霧装置付き飲料容器14)
次に図5を用いて、噴霧装置付き飲料容器を説明する。図5に示している噴霧装置付き飲料容器14は、前述した噴霧装置セット1と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。図に示す噴霧装置付き飲料容器14は、飲料容器2と、その飲料容器2の周壁2bに一体に設けられる噴霧装置14aとからなる。噴霧装置14aは、前述した噴霧装置13とほぼ同じであるが、吸盤13a(取付部8)を備えていない点で異なっている。噴霧装置14aは、電源部6の部分が周壁2bの外面側に一体的に取付けられている。
【0063】
参考例3
(送風装置付き飲料容器15)
次に図6を用いて、送風装置付き飲料容器を説明する。図6に示している送風装置付き飲料容器15は、前述した噴霧装置付き飲料容器14と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
図に示す噴霧装置付き飲料容器15は、飲料容器2と、その飲料容器2の内部に一体に設けられる送風装置16とからなる。
【0064】
(飲料容器2)
飲料容器2の周壁2bの上端付近には、上向き且つ外側に傾斜する受部2fが形成されている。受部2fは後述する仕切壁20の受部20aと共に、後述する液室17を支持する部位である。
【0065】
(送風装置16)
送風装置16は、液状物5が貯留される液室17と、液状物5から蒸発する蒸発物質21を移動させるための空気流を起こすファン部18と、空気流に乗った蒸発物質21を飲酒者Pに鼻・口の近傍まで案内する案内カバー19とからなる。
また飲料容器2の下端には棒状の検出部10aが設けられている。検出部10aは下方に突出するように付勢されている。検出部10aが突出すると、ファン部18が作動する。このため、テーブルから飲料容器2を持ち上げると、検出部10aが下方に突出し、ファン部18が作動する。一方で、飲料容器2をテーブルに載置すると、検出部10aが飲料容器2内に引っ込んで、ファン部18が停止する。
なお液室17およびファン部18は送風部16aを形成する。
【0066】
(仕切壁20)
飲料容器2の内部には仕切壁20が設けられている。仕切壁20は、飲料容器2の内部空間を、飲料4のための空間と、後述するファン部18などを収納する空間とに仕切っている。仕切壁20の上端付近には、上向き且つ外側に傾斜する受部20aが形成されている。図示していないが、ファン部18を含む送付装置16の各部品を小型化し、飲料4のための空間を大きくする位置に仕切壁20を設けるのが好ましい。図では、飲料容器2の内部空間を略半分に仕切る位置に仕切壁20を設けているが、例えば、内部空間の2/3以上を飲料4のための空間にするのが好ましい。
【0067】
(液室17)
液室17は有底筒状を呈している。符号17aは周壁を示している。周壁17aの上端付近の開口側には蓋部17bが設けられている。蓋部17bの中央には開口部17cが形成されている。周壁17aと蓋部17bとの連結部の周辺は、上向き且つ外側に傾斜するように係止部17dが形成されている。係止部17dは受部20aおよび受部2fの上面に載置されている。なお液室17を飲料容器2に係止するような構造であるのが好ましい。液室17は飲料容器2に対し脱着自在にされている。具体的には、ファン部18、電源部6および案内カバー19は、液室17と一体となって飲料容器2に対し脱着自在である。
【0068】
(蒸発物質21)
蒸発物質21は、液状物5が含んでいる成分が蒸発した気体である。例えば、蒸発物質21を摂取した際に、飲料4を十分に摂取したという満足感が得られるような成分を含む気体である。飲料4がアルコール飲料であるなら、例えば、アルコール成分、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つの成分を含む気体である。また飲料4が清涼飲料水であるなら、例えば、清涼飲料水の濃縮液、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つの成分を含む気体である。また蒸発物質21は、ヒータ7cにより液状物5を加熱することで、蒸発しやすくすることができる。
【0069】
(ファン部18)
ファン部18は、固定部材18aにより開口部17cに取付けられている。固定部材18cはファン部18を開口部17cに取り付けるアタッチメントである。ファン部18は空気流(符号Aを付した矢印参照。)起こしている。空気流Aは、液状部5側から案内カバー19へ向かう流れである。空気流Aは蒸発物質21を鼻・口まで運んでいる。図ではファン部18は、その回転軸が飲酒者Pの飲口側、すなわち案内カバー19の出口側に傾斜して配置されている。なお、前記軸を垂直方向に平行になるように配置してもよい。
なお、ファン部18は従来公知のものであり、シロッコファン、プロペラファンなどを用いることができる。さらになお、図示していないが、液状部5の液面に空気を吹き付け、蒸発物質21と共に、案内カバー19に向かう空気流を形成するようにしてもよい。
【0070】
(スカート部18a)
ファン部18の下端にはスカート部18aが下方に延びている。参考例では、飲料容器2をテーブルなどに載置した状態で、スカート部18aの下端は、液状部5の液面に触れていない。なお触れていてもよいが、スカート部18aの長さは、その下端が液状部5の液面に触れていない程度であるのが好ましい。
図8aに、飲酒のために送風装置付き飲料容器15を傾けた際のスカート部18aの様子を説明する。スカート部18aは、液状物5がファン部18に接触しないように防いでいる。
【0071】
(案内カバー19)
次いで、図6および図7を用いて、案内カバー19を説明する。案内カバー19は、筒状の部材であり、その内部に蒸発物質21を含む空気を通す。案内カバー19は、ファン部18の上端に接続される接続部19aと、飲料容器2の送風装置16側の上面を塞ぎ(図7a参照)、飲料4が入れられる側に延びている蓋状部19bとからなる。案内カバー19は蒸発物質21を鼻・口に届けている。
図7は空気流Aの出口の様子を示している。図7に示すように、出口は、3つの円形が一列に並んだ小出口19cと、その下方の矩形状の大出口19dとからなる。小出口19cは飲酒者Pの鼻に向かう空気流れである。一方で大出口19dは口に向かっている。参考例では、口に比べて鼻に向かう空気流を絞るため、小出口19cの開口面積を大出口19dに比べて小さくしている。その上で、小出口19cを3つ形成することにより、空気流が鼻の周囲に広範囲で拡がるようにしている。
なお小出口19cおよび大出口19dの形状・大きさを他の形状・個数にしてもよい。これらの形状・個数は、鼻と口に向かう空気流の割合に基づいて決めるのが好ましい。
【0072】
<変形例>
図8bおよび図8cを用いてファン部18および液室17のそれぞれの変形例について説明する。なお前述の参考例と共通する部分の説明は省略する。
図8bに示すファン部18は、スカート部18aの下端にドーナツ状の部材18bが設けられてる。ドーナツ状の部材18bは、スカート部18aの開口を狭めており、飲酒のために飲料容器2を傾けた際に、液状物5がスカート部18aの内部に入り込み、ファン部18に接触するのを防止している。そのドーナツ状の部材18bは液状物5を吸収しないで、且つ、通気性があるものが好ましい。
図8cに示す液室17は、その内底部に液状物5を吸収するスポンジ状の部材17aが設けられている。このため飲料容器2を傾けても、液状物5が流れないので、液状物5がファン部18に接触するのを防止している。
【0073】
図9aおよび図9bはそれぞれ送風装置の変形例を示す概略図である。図9aおよび図9bに示している送風装置は、前述した送風装置16、噴霧装置12、13と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。図9aに示す送風装置24は、図4aで説明した噴霧装置12の霧発生部7bの代わりにファン部18を設けている。参考例では、噴霧装置12と比べて液室17が下方に配置され、その上方にファン部18が設けられている。図中の符号22は送風装置セットを示している。送風装置セット22は、飲料容器2(二点鎖線参照)と、送風装置24とからなる。
図9bに示す送風装置25は、図4bで説明した噴霧装置12の霧発生部7bの代わりにファン部18を設けている。その他の点は、前述した送風装置24および噴霧装置13とほぼ同じでるので、その説明を省略する。また図示していないが、送風装置24、25において、案内カバー19を取り付けて空気流を飲酒者P(図2参照)の鼻・口の方へ向けてもよい。
【0074】
(他の飲酒量を減らす方法23)
次に、参考例の他の飲酒量を減らす方法について説明する。図10に示している他の飲酒量を減らす方法23は、前述した飲酒量を減らす方法11と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
図10に示している飲酒量を減らす方法23は、送風装置付き飲料容器15を準備し(準備工程R1)、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに送風し(工程R2)、その送風された蒸発物質21を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する(工程R3)というものである。
【0075】
(減酒カップ付き飲料容器)
次いで、送風装置付き飲酒容器15に関連する飲料容器として、減酒カップ付き飲料容器を説明する(図示せず)。減酒カップ付き飲料容器は、飲料容器2と、液状物5が収納された減酒カップとからなる。減酒カップの直径は、飲料容器2の開口よりも小径である。減酒カップは、飲料容器2の内部で、且つ、開口近傍に設けられている。減酒カップは、飲料容器2の周壁2aと隙間を空けて配置されている。飲酒者Pは、飲料容器2の周壁2aと、減酒カップ27の周壁との間からアルコール飲料4を飲酒する。飲酒の際に、飲酒者Pの鼻は減酒カップ27の近傍または内部に入り込む。減酒カップ27の内部には、蒸発部材23が充満しているから、飲酒者Pはアルコール飲料4を飲みながら、蒸発部材23を吸い込む。このため飲酒者Pは、飲酒に対し高い満足感を得ることができる。また
減酒カップの内面には、返し壁が立設している。返し壁は、飲酒のために飲料容器を傾けた際に、液状物5が飲酒者Pに達するのを防止している。
【0076】
6.飲料および液体のその他]
次に、アルコール飲料以外の場合の飲料4および液状物5について説明する。これらの飲料4および液状物5について、アルコール飲料以外の場合においても、上述したアルコール飲料の場合に共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
【0077】
飲料4のその他)
飲料4としては、アルコール飲料の他に、例えば、香りを楽しむ飲料であってもよい。例えば、清涼飲料水(アルコール飲料および乳性飲料を含まない)と呼ばれるもので、具体的には、お茶、ハーブティー、サイダー、オレンジなどのフルーツの果汁を用いたジュース、ココア、コーヒーなどがある。
【0078】
液状物5のその他)
上述した清涼飲料水4に対応する液状物5は、清涼飲料水4に関連する成分を有している。この成分とは、例えば、清涼飲料水4がハーブティーであるなら、ハーブの濃縮液またはハーブの特徴を表現するような匂い・味の成分など、摂取時にハーブを摂取した感覚を覚える香り又は味を有する成分などである。なお液状物5は、清涼飲料水の濃縮液、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つを含んでいる。なお液状物5として、従来公知の清涼飲料水4に対応する香料・フレーバなどを用いてもよい。さらになお液状物5として、清涼飲料水4を用いてもよい。
【0079】
[7.飲料機構]
(概略説明)
まず図11を用いて本発明に係る飲料機構が用いられる様子を説明する。なお簡便のため後述する連結部材29を図示していない代わりに、飲料4、蒸発物質21(21a、21b)の流れを矢印で示し、それぞれ符号30a、30b、30cで示している。図11に示す飲料機構26は、容器を上下に三段に重ねた機構を有している。それらの容器には、下段から順に、飲料4、液状物5(5a)、液状物5(5b)が貯留されている。下段の飲料4は、飲酒者Pが飲むべき飲料である。中段の液状物5aは、飲酒者Pが口から摂取するための第1蒸発物質21aを発生させる第1液状物5aである。上段の液状物5bは、飲酒者Pが鼻から摂取するための第2蒸発物質21bを発生/揮発させる第2液状物5bである。飲酒者Pは、下段の飲料4を飲みながら、中段の第1蒸発物質21aを口から摂取し、その上で、上段の第1蒸発物質21aを鼻から摂取する。飲料4に関連する成分を含む第
1蒸発物質21a及び第2蒸発物質21bをそれぞれ口及び鼻からほぼ同時に摂取するので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。
例えば、口から入る飲料4の味覚、ほぼ同時に口から入る蒸発物質21aが鼻に抜けていく感覚及びほぼ同時に鼻から吸い込まれる蒸発物質21bの嗅覚の3つが1つになって、飲料4の低アルコールであることに基づく物足りなさが低減され、そして飲料4を飲んだ満足感が補強される。
低アルコール飲料4の口からの摂取、飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)の口からの摂取及び飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)の鼻からの摂取からなる3つのほぼ同時の摂取は、飲酒者Pの満足感を大きくする要素である。例えば、低アルコール飲料4の摂取と共に、飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)を口から摂取すること(鼻から抜ける)又は低アルコール飲料4の摂取と共に、飲料4に関連する成分(例えばアルコール臭)を鼻から吸引することのようなコンビに比べて、前記3つの摂取は得られる満足感が高い傾向にある。
【0080】
(飲料機構26)
次に図12a及び図12bを用いて、飲料機構を説明する。図12a及び図12bに示している飲料機構26は、前述した噴霧装置付き飲料容器14及び送風装置付き飲料容器15と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。飲料機構26は、飲料容器2と、上方の開口から嵌め込んで、その内部に設けられる有底筒状の第1液室27と、その第1液室27の上方の開口からさらに嵌め込んで、その内部に設けられる有底筒状の第2液室28と、飲料容器2及び第1液室27に連通する連通部材29とからなる。図12aの矢印Qの方向は、飲酒者Pが飲料4を飲むための飲み口に相当する。
【0081】
(飲料容器2)
次いで、図13a及び図13bを用いて飲料容器2を説明する。図13aに示している飲料容器2には、周壁2bを貫通する開口2gが形成されている。飲料4は開口2bから注がれる。開口2gは、飲酒者Pの飲み口に対しは90°の向に形成されている。その他、例えば、飲酒者Pが傾けて使用する際に(図11参照)、飲料4がこぼれない位置に形成するのがよい。本実施形態では、開口2gはペットボトルの口を入れ込むことができる程度の大きさである。
図13bに示すように、飲料容器2には、その周壁2bの内面から仕切板2ghが内向きに延びている。仕切板2hは飲料容器2の中央付近まで延びている。仕切板2hの先端付近は下方に傾斜している。仕切板2hは、飲酒者Pが飲料4を飲むべく飲料機構26を傾ける際に、後述する隙間27cに飲料4が流れるのを防止している。
【0082】
(第1液室27)
第1液室27には、第1液状物5aが貯留される。第1液室27の上方には第2液室28が設けられるため、第1液状物5aから揮発/蒸発した第1蒸発物資21aは、外気に分散されにくく、室内に留まりやすい。
【0083】
第1液室27は、有底筒状を呈しており、底部27aと周壁27bとからなる。第1液室27は飲料容器2内に脱着自在に設けられている。第1液室27は飲料容器2の上方の開口から内部に挿入される。第1液室27は、飲料容器2の周壁2bの内向きの弾性力及び/又は第1液室27の周壁27bの外向きの弾性力などで飲料容器2の内部に保持されている。保持された状態で、飲料容器2及び第1液室27の上端部は、ほぼ揃えられている。一方で、第1液室27の底部27aは飲料容器2の高さ方向の中間位置に配置されている。
また保持された状態で、飲料容器2の周壁2bと第1液室27の周壁27bとの間に隙間27cが形成されている。隙間27は後述する連通部材29を通すための隙間である。隙間27cの幅は、少なくとも連通部材29と同程度の幅であればよい。なお隙間を設けないで、連通部材29を配置した状態で、第1液室27を飲料容器2に押し込んで、前記保持を実現してもよい。
【0084】
第1液室27の飲料容器の開口2gに対応する底部27a及び周壁27bの部位は、傾斜部27cとされている。傾斜部27cは内向き下方に傾斜している。傾斜によりペットボトルの口を入れ込みやすくなっている。
図12bに戻って、第1液室27には、その周壁27bの内面から仕切板27eが内向きに延びている。仕切板27eは第1液室27の中央付近まで延びている。仕切板27eの先端付近は上方に向いている。仕切板27eは、飲酒者Pが飲料4を飲むために飲料機構26を傾ける際に、後述する連通部材29内に飲料4が流れるのを防止している。
【0085】
(第2液室28)
次に、図14a及び図14bを用いて第2液室28を説明する。第2液室28には、第2液状物5bが貯留される。第2液室28は、底部28aと、底部28aの周縁から延びている周壁28bと、周壁28bの上端から延びている天部28cとを備えている。周壁28bは断面が円弧状を呈している。
第2液室28は第1液室27内に脱着自在に設けられている。第2液室28は第1液室27の上方の開口から内部に挿入される。第2液室28は、第1液室27の周壁27bの内向きの弾性力及び/又は第2液室28の周壁28bの外向きの弾性力などで飲料容器2の内部に保持されている。保持された状態で、第1液室27及び第2液室28の上端部は、ほぼ揃えられている。一方で、第2液室28の底部28aは第1液室27の高さ方向のほぼ中間位置に配置されている。
また保持された状態で、第1液室27の周壁27bと第2液室28の周壁28bとの間に隙間28gが形成されている。隙間28gは後述する連通部材29を通すための隙間である。隙間28gの幅は、少なくとも連通部材29と同程度の幅であればよい。なお隙間を設けないで、連通部材29を配置した状態で、第2液室28を第1液室27に押し込んで、前記保持を実現してもよい。
【0086】
天部28cには内部に連通する開口28dが形成されている。開口28dは飲酒者Pの鼻が入る程度の大きさ・形状とされている。第2液状物5bから揮発/蒸発した第2蒸発物資21bは、天部28cが設けられているため、外気に分散されにくく、室内に留まりやすい。また天部28cの飲み口Q側の部位は、内向きの凹部が形成され、窪んだ部位28eとされている。窪んだ部位28eは上唇が配置される部位である。第2液室28には、その周壁28bの内面から鍔部28fが内向きに延びている。鍔部28fは、飲み口Q側に設けられている。鍔部28fは、飲み口Q付近を中心にして、第2液室28の内部の半周にわたり形成されている。鍔部28fは、飲酒者Pが飲料4を飲むために飲料機構26を傾ける際に、開口28dから第2液状物5bが流出するのを防止している。
【0087】
本実施形態では、第1液状物5aは約35mlである。例えば、30~40mlを貯留するのがよい。また本実施形態では、第2液状物5bは約25mlである。例えば、20~30mlを貯留するのがよい。
【0088】
(連通部材29)
図15を用いて連通部材29を説明する。図に示すように連結部材29は、筒状又はストロー状の部材であり、第1連通部材29aと、第2連通部材29bとからなる。それらの第1連通部材29a及び第2連通部材29bは、上端付近で連結部29eにより一体にされている。
【0089】
(第1連通部材29a)
図12aに示すように、第1連通部材29aは隙間27cに配置されている。第1連通部材29aは、仕切板2hを貫通し、底部2a付近まで到達している。第1連通部材29aは、その下端付近で内向きに湾曲し、底部2aに平行な向きに開口を向ける小湾曲部29cとされている。底部2aと平行な向きに開口しているので、飲料4が流入しやすい。
一方で、第1連通部材29aの上端は、周壁2bの上端縁とほぼ同じか、少し超える位置まで延びている。
【0090】
(第2連通部材29b)
第2連通部材29bは隙間28gに配置されている。第2連通部材29bは、仕切板27eの上面付近まで到達している。第2連通部材29bは、その下方の部位が内向きに湾曲し、斜め上方に開口を向ける大湾曲部29dとされている。斜め上方に開口しているので、第1液状物5aが流入しにくく、且つ、第1蒸発物質21aを取り込みやすい一方で、第2連通部材29bの上端は、周壁2bの上端縁とほぼ同じか、少し超える位置まで延びている。
【0091】
(液状物5、蒸発物質21)
本実施形態では、第1液状物5aと第2液状物5bは同じとされている。このため第1蒸発物質21aと第2蒸発物質21bも同じである。なお第1液状物5aと第2液状物5bを異なる液状物としてもよい。例えば、第1・第2蒸発物質21a、21bのうちのどちらかについて、アルコール成分、匂い成分、味成分から選択される少なくとも1つの成分の1つ以上が強いものを選択してもよい。さらに、どちらかの蒸発物質21a、21bについて、ヒータなどにより液状物5を加熱し、蒸発しやすくしてもよい。
【0092】
(使用方法)
図11に戻って、飲酒者Pは、飲料機構26を傾けて、窪んだ部位28eに上唇を置き、第1連通部材29a及び第2連通部材29bを口に咥える。そして第1連通部材29aを介して、飲料4を口に流し込む及び/又は吸い込む。その際に、第2連通部材29bを介して、第1蒸発物質21aを口に吸い込む。さらに、開口28dを介して、第2蒸発物質21bを鼻から吸い込む。
【0093】
飲料4を補充する際には、開口2gから、例えばペットボトルの口を入れて、替えの飲料4を注ぐ。このため飲料機構26を分解しなくてよい。使用後は、飲料機構26を飲料容器2、第1液室27、第2液室28及び連通部材29に分解して洗浄することができる。
【0094】
[8.そ他]
(1)飲料容器2の周壁2bは、筒状であればよい。例えば断面形状が多角形状でもよい。また飲料容器2の周壁2bにアルコールチェッカ(図1bの符号2e参照)を内蔵してもよい。これにより飲酒者Pは、飲酒しながら、飲料容器2の周壁2bに息を吹きかけて体内の残留アルコール濃度を数値として把握し、飲酒量を確認できる。このため飲酒者Pは、どのくらいまで飲めるのかなどの計画性のある飲酒ができ、その飲酒を終える判断などをすることができる。
(2)噴霧装置13では吸盤13aを用いたが、飲料容器2にスリットなどを形成し、噴霧装置3にスリットに篏合する突条を設けてもよい。スリットに突条をスライドさせながら嵌め込んで、飲料容器2に噴霧装置3を取付ける。なお、噴霧装置3にスリットを形成し、飲料容器2に突条を設けてもよい。
(3)さらに噴霧装置13において、電源部6の周壁2b側に配置される面に、飲料容器2の開口縁から周壁2bに引っ掛ける部材を設けてもよい。
(4)電源部6の電池6aの代わりに、太陽電池パネルを設けてもよい。さらになお、太陽電池パネルから得た電力を充電池に蓄電するようにしてもよい。
(5)液状物5は、アルコール飲料4との関係で様々な組み合わせが考えられる。アルコール飲料4がワインであるなら、原産地・時期が似ているワインを採用してもよい。また異なる酒種を採用してもよい。
(6)検出部10は、電源部6に設けていたが、噴霧部7や飲料容器2に設けてもよい。
(7)検出部10として、飲料容器2または噴霧装置3にスイッチを設けて、それを飲酒者PがON-OFFして噴霧装置3を作動させるようにしてもよい。
また、飲料容器2のテーブルへの載置または近接を検知したら噴霧装置3の作動をやめるようにしてもよい。その場合、例えば、検出部10として、接触式のセンサや近接センサなど非接触のセンサを用いるのがよい。さらに、検出部10として、タッチセンサを用いてもよい。その場合、飲料容器2に設けるのがよい。例えば、飲酒者Pが飲料容器2に触れると、霧状の液状物5が噴霧される。
(8)前述の実施形態・変形例・参考例に、これらの(1)~(7)を、それぞれを適宜に組み合わせて用いることができる。
【0095】
(9)図示していないが、送風装置16を飲料容器2と一体に設けてもよい。
(10)図示していないが、仕切壁20を筒状にし、飲料容器2の内部または外部に取付けてもよい。取付には、前述した取付部8を用いてもよい。取付部8として、面ファスナー、磁力を用いて取り付けるための磁石、ベルトなどを用いてもよい。
(11)送風装置16a、16bにおいて、霧発生部7とファン部18を両方設けて、どちらか一方を作動させたり、両方を作動させたりしてもよい。
【0096】
[9.まとめ]
(1、6、8)噴霧装置3、噴霧装置セット1、噴霧装置付き飲料容器14は、電源部6と、その電源部6から電力を供給されると共に、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧する噴霧部7とを備えている。
さらに、噴霧装置3、噴霧装置セット1にあっては、噴霧部7および電源部6を飲料容器2に取り付けるための取付部8を備えている。このため、飲料を飲む人Pが飲料4を飲むと、飲料4に関連する成分を有する霧状の液状物5を吸い込み、霧状の液状物5が鼻の内部や喉に沈着する。このため、飲料4を飲んだ満足感を高めることができる。特に飲料4が香りを楽しむ飲料の場合、一層満足感を高めることができる。例えば、ハーブティーなどの場合、リラックス効果などを高めることができる。
(2)このような、噴霧装置3は、噴霧部7と電源部6とを連結すると共に、弾性を呈する連結部9をさらに備えており、その連結部9の弾性力により、電源部6と噴霧部7とで飲料容器2の周壁2bを挟み込んで、且つ、電源部6を周壁2bの外側に配置して、電源部6および噴霧部7が飲料容器2に取り付けられるので、様々な飲料容器2に噴霧装置3を容易に取付けることができる。
(3、9)また、飲料4がアルコール飲料であるので、霧状の液状物5の成分として、アルコール、匂いおよび/または味の成分を含む成分が鼻の内部や喉に沈着することにより、アルコール飲料4を多く飲酒したような気分や、飲酒によるアルコール、匂いおよび/または味の成分を味わったような気分になる。このため、飲酒を途中でやめても、満足感を著しく損なうことがない。そして、飲酒の満足感を著しく損なうことなく、飲酒量を減らすことができる。
(4、10)噴霧部7に液状物5を保温するヒータが設けられているので、温かい飲料4を飲みながら、ほぼ同じ温度に保温された霧状の液状物5を吸い込むので、霧状の液状物5を違和感なく摂取することができる。
(5、12)飲料容器2の傾斜状態を検出する検出部10をさらに備えており、その検出部10に基づいて飲料容器2が所定の傾斜であることが確認されると、噴霧部7が液状物5を霧状に噴霧するので、自然に霧状の液状物5を摂取することができる。また余分な噴霧を防止することができる。
(7、11)このような噴霧装置セット1、噴霧装置付き飲料容器14は、飲料容器2に飲料4を保温するヒータ2dが設けられているので、温かい飲料4を冷まさない状態で保ち、且つ、ほぼ同じ温度に保温された霧状の液状物5を吸い込むので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。
(13)飲酒量を減らす方法11は、アルコール飲料4に関連する成分を有する液状物5を飲料容器2の飲口付近2cに霧状に噴霧し、その噴霧された霧状の液状物5を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する。アルコール、匂いおよび/または味の成分を含む成分が鼻の内部や喉に沈着するから、アルコール飲料4を多く飲酒したような気分や、飲酒によるアルコール、匂いおよび/または味の成分を味わったような気分になる。このため、飲酒を途中でやめても、満足感を著しく損なうことがない。したがって、飲酒の満足感を著しく損なうことなく、飲酒量を減らすことができる。
【0097】
(14、15、16)送風装置付き飲料容器15、送風装置16および送風装置セット22は、飲料容器2と、その飲料容器2に設けられる送風装置16とからなる。送風装置16は、電源部6と、その電源部6から電力を供給され、且つ、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物5から蒸発する蒸発物質21を飲料容器2の飲口付近2cに送風するファン部18とを備えている。また送風装置16および送風装置セット22にあっては、飲料容器2に取り付けるための取付部8を備えている。
このため、飲料を飲む人Pが飲料4を飲むと、アルコール成分を含む液状物5から蒸発する蒸発物質21を吸い込み、蒸発物質21が鼻の内部や喉に沈着する。このため、アルコール成分を摂取した満足感を高めることができる。
(17)飲酒量を減らす方法22は、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有すると共にアルコール成分を含む液状物5から蒸発する蒸発物質21を飲料容器2の飲口付近2cに送風し、その送風された蒸発物質21を吸引すると共に、アルコール飲料4を飲酒する。蒸発物質21としてアルコール、匂いおよび/または味の成分を含む成分が鼻の内部や喉に沈着するから、アルコール飲料4を多く飲酒したような気分や、飲酒によるアルコール、匂いおよび/または味の成分を味わったような気分になる。このため、飲酒を途中でやめても、満足感を著しく損なうことがない。したがって、飲酒の満足感を著しく損なうことなく、飲酒量を減らすことができる。
(18)飲料機構26は、飲料容器2と、飲料容器内の飲料4に関連する成分を有する第1液状物5aを貯留する第1液室27と、飲料容器2に連通し、且つ、飲料4を口から摂取するための第1連通部材29aと、第1液室27に連通し、且つ、第1液状物5aから蒸発する第1蒸発物質21aを口から吸入するための第2連通部材29bとを備えている。飲料4に関連する成分を含む第1蒸発物質21aを口から摂取するので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。例えば、飲酒者Pは口から摂取した第1蒸発物質21aは鼻から抜ける感覚を味合うことができる。
(19)このような飲料機構26は、飲料容器2内の飲料4に関連する成分を有する第2液状物5bを貯留し、且つ、第2液状物5bから蒸発する第2蒸発物質21bを鼻から吸入するための開口28dが形成された第2液室28をさらに備えているので、飲料4に関連する成分を含む第1蒸発物質21a及び第2蒸発物質21bをそれぞれ口及び鼻からほぼ同時に摂取するので、飲料4を飲んだ満足感を一層高めることができる。
(20)また飲料容器2の上方に第1液室27が設けられ、第1液室27の上方に第2液室28が設けられているので、第1蒸発物質21a及び第2蒸発物質21bをそれぞれ口及び鼻からほぼ同時に摂取しやすい構造である。
(21)また、飲料容器2の内部に第1液室27が脱着自在に設けられ、第1液室27の内部に第2液室28が脱着自在に設けられているので、分解洗浄が容易である。
【符号の説明】
【0098】
1 噴霧装置セット
2 飲料容器
2a 底部
2b 周壁
2c 飲口周辺
2d ヒータ
2e アルコールチェッカ
2f 受部
2g 開口
2h 仕切板
3 噴霧装置
4 飲料
5 液状物(霧状の液状物)
5a 第1液状物
5b 第2液状物
6 電源部
6a 電池
6b 電源ボタン
6c 基盤
7 噴霧部
7a 液室
7b 霧発生部
7c ヒータ
8 取付部
9 連結部
10 検出部
10a 検出部
11 飲酒量を減らす方法
12 噴霧装置
12a 摘み
12b 回動軸
13 噴霧装置
13a 吸盤
13b 軸
14 噴霧装置付き飲料容器
14a 噴霧装置
15 送風装置付き飲料容器
16 送風装置
16a 送風部
17 液室
17a 周壁
17b 蓋部
17c 開口部
17d 係止部
18 ファン部
18a スカート部
18b ドーナツ状の部材
18c 固定部材
19 案内カバー
19a 接続部
19b 蓋状部
19c 小出口
19d 大出口
20 仕切壁
21 蒸発物質
21a 第1蒸発物質
21b 第2蒸発物質
22 送風装置セット
23 他の飲酒量を減らす方法
24 送風装置
25 送風装置
26 飲料機構
27 第1液室
27a 底部
27b 周壁
27c 隙間
27d 傾斜部
27e 仕切板
28 第2液室
28a 底部
28b 周壁
28c 天部
28d 開口
28e 窪んだ部位
28f 鍔部
28g 隙間
29 連通部材
29a 第1連通部材
29b 第2連通部材
29c 小湾曲部29c
29d 大湾曲部
29e 連結部
30a 飲料の流れ
30b 第1蒸発物質の流れ
30c 第2蒸発物質の流れ
P 飲酒者(飲料を飲む人)
Q 飲み口
L 噴霧の流れ
A 空気流