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特開2022-60347情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060347
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20220407BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20220407BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20220407BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/825
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021216
(22)【出願日】2022-02-15
(62)【分割の表示】P 2020121490の分割
【原出願日】2020-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社ミクシィ
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(57)【要約】
【課題】ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得るゲーム環境を構築するための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させる代行処理部と、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する返却部と、を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させる代行処理部と、
前記複数の第2プレイヤがそれぞれ前記ゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトを前記第1プレイヤに返却する返却部と、を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタ等のゲームオブジェクトを成長させてゲーム内イベントに出場させるゲームが知られている。例えば、特許文献1には、プレイヤが、所有する競走馬の能力を高めるために育成(調教)を行い、その育成した競走馬をレースに出場させて順位を競うゲーム、が開示されている。
【0003】
特許文献1のように競走馬を育成するゲームにおいては、競走馬の能力を所望のレベルに到達させるため、その競走馬の育成を複数回繰り返して行うが、育成の実施回数が増えるほど操作等の手間を要することになる。特に、プレイヤは、育成対象となる競走馬を多数所有している場合もある。育成対象となる競走馬を多数所有していると、育成の手間がさらに膨大となり、プレイヤが自ら全ての育成を行うことが困難となることもある。そのような場合に対応するため、コンピュータ(ゲームシステム)がプレイヤの代わりに育成を自動的に行うゲームも存在はする。しかしながら、コンピュータに育成を任せた場合、プレイヤの期待通りの育成結果になることは稀であり、プレイヤ自身で育成を行った方が好ましい結果になることも多いため、プレイヤに不満が生じていた。
【0004】
一方、ネットワークを通じて他のプレイヤと通信してプレイするゲームの中には、プレイヤがゲーム内のイベントをプレイする代わりに、そのイベントを他のプレイヤが代理してプレイすることができるゲームが存在する。例えば、特許文献2には、ゲーム内のミッションを他のプレイヤに代理プレイしてもらい、そのミッションをクリアした場合には、他のプレイヤに所定の報酬が提供されるゲーム、が開示されている。
【0005】
この特許文献2は、ゲーム内のミッションをプレイヤの代わりに他のプレイヤがクリアするものであって、プレイヤの所有するゲームオブジェクトの育成を代行するものではないものの、オブジェクトを育成するゲームにおいて、特許文献2に記載のプレイ代行システムを適用すれば、育成対象のゲームオブジェクトを所有するプレイヤは、他のプレイヤに対してゲームオブジェクトの育成代行を依頼することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-198231号公報
【特許文献2】特開2018-011632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、育成対象のゲームオブジェクトを所有するプレイヤが、他のプレイヤに対してゲームオブジェクトの育成代行を依頼した場合、その依頼したプレイヤは、育成結果に対して不満を覚える可能性がある。例えば、ゲームオブジェクトの育成の成否は、プレイヤのスキル及びプレイ環境等に大きく左右されるため、育成代行を受託した他のプレイヤのスキル及びプレイ環境等によっては、育成結果が望ましい結果にならない虞がある。また、ゲームオブジェクトの育成は、ミッションをプレイしてクリアすることに比べると、面白みの少ない地味で面倒な作業という印象があるため、育成代行を受託した他のプレイヤが、手を抜く等して真剣に育成をしない虞もある。上記のようなリスクが存在するため、育成対象のゲームオブジェクトを所有するプレイヤとっては、安心して育成代行を依頼することができず、育成代行の利用を躊躇してしまうことになる。
【0008】
そこで、本発明は、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得るゲーム環境を構築するための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させる代行処理部と、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する返却部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得るゲーム環境を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ゲームの画面例を示す図であり、育成コース選択用の画面の例を示す。
図2】ゲームの画面例を示す図であり、育成代行依頼用の画面の例を示す。
図3】ゲームの画面例を示す図であり、育成代行依頼馬リストの画面の例を示す。
図4】ゲームの画面例を示す図であり、受託希望者リストの画面の例を示す。
図5】ゲームの画面例を示す図であり、育成代行確認用の画面の例を示す。
図6】育成代行が完了して複数の対象馬が発生した場合の一例を示す説明図である。
図7】本発明に係る情報処理装置システムの概略構成図である。
図8】本発明に係る情報処理装置の機能を示すブロック図である。
図9】記憶部に記憶されるプレイヤ情報の一例を示す図である。
図10】記憶部に記憶される競走馬情報の一例を示す図である。
図11】記憶部に記憶される育成代行依頼情報の一例を示す図である。
図12】記憶部に記憶される育成代行状況情報の一例を示す図である。
図13】本発明に係る情報処理フローを示す図である(その1)。
図14】本発明に係る情報処理フローを示す図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0013】
また、本明細書及び図面にて説明される画面の例も一例に過ぎず、画面構成及びデザイン、表示情報の内容、並びにGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びプレイヤの好み等に応じて自由に設計することができ、また、適宜変更され得る。
【0014】
[本発明の適用ゲームについて]
本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて説明するにあたり、本発明が適用されるゲーム(以下、本件ゲームという。)ついて説明する。本件ゲームは、ゲーム内で「ゲームオブジェクト」を育成し、育成したゲームオブジェクトを用いてゲーム内の「イベント」をプレイするジャンルのゲームである。
【0015】
「ゲームオブジェクト」とは、本件ゲームのプレイヤがゲーム中の各イベントをプレイするために用いる仮想のキャラクタであり、本件ゲームでプレイヤが育成する対象となる。「キャラクタ」としては、人、動物及び植物等の生物、乗物及びロボット等の機械、機械以外の物、モンスター等の架空のキャラクタ、又はこれらに類するその他のキャラクタ等が挙げられる。
【0016】
「イベント」とは、例えば、ゲームの進行中に起きるアクシデント等の出来事、クリア目的でプレイされるクエスト、ステージ及びミッション等、並びにゲームオブジェクトが出場するゲーム内競技である。ゲーム内競技としては、着順を競うレース、及び、勝敗を競う試合や対戦等が挙げられる。
【0017】
本実施形態では、競馬を題材としたシミュレーションゲームであって、優秀な競走馬を所有して大レース又は数多くのレースに優勝することを目標とするゲームを一例として挙げて説明する。具体的には、プレイヤは、ゲームオブジェクトの一代表例である競走馬を「生産」又は「抽選」若しくは購買等により取得し、その競走馬を「育成」して各種「レース」に出場させて順位を競う。また、プレイヤは、競走馬を同時に複数所有してその複数の競走馬を並行して育成していくこともできる。さらに、引退させた競走馬は、自家製の種牡馬又は繁殖牝馬として、次世代の競走馬の生産に使用することができる。
なお、以下では、ゲームオブジェクトの一例として、競走馬を挙げて説明することとするが、本発明は、競走馬以外のオブジェクトを育成するゲームにも適用可能である。
【0018】
「生産」とは、プレイヤが選択した種牡馬と繁殖牝馬とを配合し、育成対象となる競走馬を生成することである。種牡馬及び繁殖牝馬は、抽選又は購買等により取得したものを使用することができる他、プレイヤ自身が育成した競走馬を引退後に種牡馬又は繁殖牝馬として使用することにより、代重ねすることもできる。また、本件ゲームでは、親馬として使用した種牡馬及び繁殖牝馬の能力等は、生産した競走馬に引き継がれる傾向がある。そのため、能力の高い種牡馬又は繁殖牝馬を親馬として使用すれば、能力の高い競走馬を生産し易いといえる。なお、後述するように、本件ゲームは、通信プレイ対応型のゲームであるので、他のプレイヤが所有する種牡馬、繁殖牝馬又は競走馬を、生産に使用することもできる。
【0019】
「抽選」とは、イベントの一種であり、ゲーム内で所持する所定の「価値」を消費することにより、競走馬、種牡馬若しくは繁殖牝馬等のゲームオブジェクト又はアイテム等をプレイヤが取得することができるイベントである。抽選は、ゲームのプレイ中、プレイヤからの抽選申込に応じて実施される。抽選では、当選確率の異なる複数のゲームオブジェクト等が候補として用意されており、その候補となる複数のゲームオブジェクト等の中から一又は所定数のゲームオブジェクト等が選択され、プレイヤは、その選択されたゲームオブジェクト等を抽選結果として取得することができる。
【0020】
「価値」とは、ゲーム内において所持数が増減する価値であり、具体的にはゲーム内で使用可能な通貨である「ゲーム内通貨」、又は、多く所持しているほどゲーム上有利になる「アイテム」等が該当する。
【0021】
「ゲーム内通貨」とは、メダル又はコイン等のようにゲーム内で金銭的側面を有するものであり、広義のアイテムに含まれる。ゲーム内通貨は、例えばキャラクタ又は他のアイテムと交換したり、ゲーム内の所定のイベント(レース又は抽選等)をプレイしたりする場合に費やされる。プレイヤが所持するゲーム内通貨の数は、例えば、プレイヤが本件ゲームにログインしてゲームを開始する場合又はレースに優勝した場合等に増やすことができる一方で、抽選を実施した場合、レースに出場登録した場合、又は、後述する育成(調教)を行った場合等に減少する。
【0022】
「アイテム」とは、ゲームを有利に進めるために使用されるものであり、プレイヤは、生産、抽選、育成、レース等の場面において、使用することができる。アイテムには、例えば、競走馬の疲労若しくは馬体重を回復する飼葉、競走馬の外観若しくは能力を変化させる馬具、レースで能力の高い騎手に騎乗してもらう騎乗依頼券、特別な抽選を実行する抽選券、能力が高い競走馬を生産できる確率が向上する種牡馬若しくは繁殖牝馬、又は、能力が高い競走馬を生産できる確率が向上する御札、等が含まれる。
【0023】
「育成」とは、ゲーム内で所持する価値を消費する操作等により、競走馬のパラメータを変化させることであり、本件ゲームでは、育成の形態として「調教」が用意されている。競走馬のパラメータは、ゲームの進行に関係する競走馬の性質、すなわち競走馬の能力を数値又は記号等によって評価したものであり、具体的にはスタミナ、スピード、パワー、距離適性、馬場適性、馬体重及び疲労度等のようなレースでの勝敗結果に影響を及ぼすものが含まれる。なお、競走馬のパラメータには、過去のレース出場数、レースでの勝利数及び勝率等のような過去のレースに関する実績(戦歴)等も含まれる。なお、競走馬のパラメータには、プレイヤが確認できる項目と、プレイヤが確認できない項目(マスクされた項目)とがあってもよい。
【0024】
本実施形態では、競走馬ごとに育成可能期間が設定されており、プレイヤは、育成可能期間が残存している競走馬を育成することができる。育成可能期間は、ゲーム内時間として設定された日数等であり、例えばゲーム内でのN週間(Nは、任意の自然数)である。ここで、ゲーム内時間とは、本件ゲーム内で経過する時間であり、現実の時間よりも早い速度で経過し、例えば、プレイヤが所定の操作(以下、週課操作という。)を一回行うことにより、現実の時間では数分程度であるが、ゲーム内では1週間が経過する。なお、育成可能期間が経過した競走馬は、引退することとなるが、上記のとおり、種牡馬又は繁殖牝馬として生産に使用することができる。
【0025】
本件ゲームでは、一回の週課操作、つまり、ゲーム内時間での1週間あたりに育成の回数を一回行うことができる。そして、通常、育成が行われた週数(以下、育成週数ともいう。)の増加に伴って、競走馬のパラメータが次第に上昇する。一方で、例えば、育成中の競走馬に対して怪我等のアクシデントがゲーム内で発生する場合があり、その場合には、当該競走馬のパラメータが下がったり育成前の状態に戻ったりすることがある。なお、一回の週課操作において行うことができる育成の回数は、特に限定されるものではなく、二回以上の育成が行えるようにしてもよい。
【0026】
調教を行う場合には、図1に示すように育成コースに関するメニューリストMLが画面に表示される。育成コースは、競走馬の育成態様の一例である。本件ゲームでは複数種類のコースが用意されており、コースの種類に応じて調教の内容が変わる。プレイヤは、メニューリストMLに挙げられた複数の育成コースの中の一つを指定して調教を行う。調教によって変更されるパラメータの種類及び変更量は、指定された育成コース及び強度に応じて変わる。例えば「コースA」ではスタミナを重点的に上昇させることができ、「コースB」ではスピードを重点的に上昇させることができる。また、強度(軽め、普通、強め等)によって、パラメータの上昇度合いが異なる。なお、一回の調教において必ずしもパラメータが上がらなくてもよく、例えば、ある種類の育成コースを指定して調教を行った場合には、特定のパラメータが上がる一方で他のパラメータが下がってもよいし、常に規則的に変化しなくてもよい。また、価値の消費量に応じて、調教によるパラメータの上昇量が変わってもよい。
【0027】
また、本件ゲームでは、プレイヤがゲーム内で所有する厩舎(以下、ファームという。)に競走馬が置かれた状態で調教が行われる設定となっている。ファームにはグレード(ランク)が設定されており、育成対象の競走馬が置かれたファームのグレードが高くなるほど、育成設備が増加する等し、調教によるパラメータ上昇量が増加する。ファームのグレードは、変更可能であり、例えば、プレイヤが本件ゲームに課金したり、プレイヤが所定の操作(例えば、ゲーム内でゲーム内通貨を消費する操作)を行ったりすることにより自分のファームをグレードアップさせることができる。
【0028】
「レース」とは、本件ゲームの主幹イベントであり、原則として、レースカレンダーに基づいてゲーム内時間で毎週開催される。プレイヤは、調教により育成した競走馬(育成途中の競走馬も含む。)をそれらのレースに出場させる場合、所有する競走馬の中からレースに出場させる競走馬を指定し(複数所有している場合)、出場を希望するレースへの出走登録を行い、ゲーム内時間でのレース開催日に登録された競走馬を当該レースに出場させる。レースにおける競走馬の勝敗結果は、当該競走馬を含むレース出走馬の各々のレース時点でのパラメータ、レース開催日の天候、及びレース場の地面状況等の環境条件に基づいて決められる。
【0029】
プレイヤが所有する競走馬がレースで優勝(1着)したり所定の順位以内に入賞したりすると、その競走馬を育成するプレイヤに対して、所定数のゲーム内通貨又はアイテム等の価値が賞金又は副賞として付与される。なお、付与されるゲーム内通貨の量又はアイテムの種類等は、例えば、出場したレースの種類及び着順(成績)等に応じて決められる。また、上記の価値の他、通常では出場することができない特別なレース(限定レース)に出場するための権利が付与されることとしてもよい。なお、本実施形態では、レースに出場しても競走馬を育成したことにはならない(疲労度等のパラメータは変化するが、スタミナ、スピード及びパワー等のパラメータは少なくとも向上はしない)こととするが、レース出場も育成の一形態として含めても構わない。
【0030】
ところで、本件ゲームは、通信プレイ対応型のゲームであり、複数のプレイヤは、インターネット及びモバイル通信回線等の通信ネットワークを通じて本件ゲームを一緒にプレイすることができる。例えば、本件ゲームにおいて、複数のプレイヤは、ゲーム内時間で毎週開催されているレースの他、プレイヤが育てた馬同士を対戦させることができるレース(オンライン型対戦レース)において、各自の競走馬を同一のレースに出場させて競い合うことができる。
【0031】
また、本件ゲームでは、あるプレイヤが所有する競走馬の育成を他のプレイヤに代わりに実行させることができる(以下、「育成代行」という。)。
【0032】
「育成代行」とは、育成代行を依頼するプレイヤが所有する競走馬についての育成権限を、育成代行を引き受ける(受託する)他のプレイヤに対して設定することであり、ゲーム上の処理としては、育成代行に係る競走馬を他のプレイヤのファームに預け、預けた競走馬のパラメータを他のプレイヤの操作に基づいて変更することである。また、本件ゲームでは、育成代行を依頼したプレイヤが、育成代行中、育成代行に係る競走馬を育成することができない。ただし、これに限定されず、育成代行依頼者であるプレイヤが育成代行の期間中にも育成代行に係る競走馬を育成することができてもよい。なお、育成代行を依頼したプレイヤが育成代行の期間中にゲームを進行させたとしても、すなわち、週課操作を行ってゲーム内時間を進めたとしても、そのゲーム進行は、育成代行に係る競走馬に対して影響を及ばさない。
【0033】
以下に、競走馬の育成代行について改めて説明する。なお、以下では、育成代行を依頼する方のプレイヤを「第1プレイヤ」と呼び、育成代行を受託する方のプレイヤを「第2プレイヤ」と呼び、第1プレイヤが依頼する育成代行に係る競走馬を「対象馬」と呼ぶこととする。
【0034】
第1プレイヤは、対象馬の育成代行を依頼するにあたり、図2に示すように各種の依頼事項を、ゲーム画面を通じて指定する。指定される依頼事項には、育成期間及び育成条件等が含まれる。育成期間(育成代行期間)は、第1プレイヤが対象馬の育成代行を依頼する期間であり、ゲーム内時間ではなく現実の時間(詳しくは、現実の日付)で表される期間である。育成条件は、第1プレイヤが第2プレイヤに対して要求する育成代行の条件であり、具体的には、育成代行中の育成態様に関して第1プレイヤが育成方針として指定する内容である。育成態様としては、例えば、育成代行中に到達すべき育成週数、育成コース、上昇させたいパラメータの種目、そのパラメータの上昇量若しくは目標値、及び、育成代行中のレース出場回数又はレースでの勝利数等が挙げられる。
【0035】
第1プレイヤにより上記の各種条件が設定された対象馬は、図3に示す育成代行依頼馬リストHLに掲載され、その情報は、受託者候補となる複数のプレイヤ(厳密には、第1プレイヤ以外の他のプレイヤ)の間で共有される。なお、当該情報が共有される範囲は、対象馬の育成代行を受託する意思がある者として事前に登録されたプレイヤに限定してもよい。受託者候補となるプレイヤは、その育成代行依頼馬リストHLに掲載された複数の対象馬の中から、育成代行を希望する対象馬が存在する場合、該当する対象馬を選択してその対象馬の育成代行の受託希望者としてエントリーする。なお、育成代行依頼馬リストHL中、詳細ボタンをタップ等することにより、対象馬ごとの能力及び依頼事項等の詳細を確認することもできる。
【0036】
第1プレイヤは、依頼事項を指定した後、自身の対象馬に対して他のプレイヤから受託を希望する旨のエントリーがあった場合、図4に示す受託希望者リストJLにそれらの複数の受託希望者に関する情報が掲載される。受託希望者リストJLには、受託を希望するプレイヤ名又はIDの他に、ファームのグレードと、育成代行実績としてこれまでの育成代行の受託回数とが掲載されている。第1プレイヤは、その受託希望者リストJLに掲載された複数の受託希望者の中から育成代行を依頼してもよいと思われる一人又は複数人のプレイヤを選択する。なお、ここで選択するプレイヤは一人でも構わないが、以下、複数人のプレイヤを第2プレイヤとして選択した場合を想定して説明を続ける。
【0037】
受託希望者の選択後、選択された複数のプレイヤ(本実施形態ではプレイヤAAA及びプレイヤCCCの二人)には、第1プレイヤからの育成代行依頼がそれぞれ通知される。通知を受け取ったその複数のプレイヤは、図5に示す確認画面CSを通じて、各々が対象馬の育成代行を受託するか否かを決定する。対象馬の育成代行を受託することを決めた複数のプレイヤ(本実施形態では、プレイヤAAA及びプレイヤCCCの二人とも受託したと仮定する。)は、各々が第2プレイヤとして独自に行動し、第1プレイヤが指定した育成期間中、対象馬をそれぞれ自分の操作にて育成させることができ、具体的には対象馬をそれぞれ自分のファームで調教することができる。すなわち、第2プレイヤが複数存在する場合は、一頭の対象馬をその複数の第2プレイヤで共同して育成するわけではない。
【0038】
なお、各第2プレイヤが同時(育成代行期間の一部が重複する場合も含む。)に受託できる対象馬の頭数に制約を設けてもよい。例えば、同時に受託できる対象馬の数は1頭とし、複数の対象馬を同時に受託できないようにしてもよい。また、他のプレイヤ(当該第1プレイヤ以外のプレイヤ)からであればよいが、同一のプレイヤからは複数の対象馬を同時に受託できないようにしたり、同一のプレイヤからは複数の対象馬を受託できるが、他のプレイヤからは同時に受託できないようにしたりしてもよい。
【0039】
各第2プレイヤによる育成代行が完了条件を満たして正常に終了すると、各第2プレイヤに対して設定された育成代行権限が解除/無効化され、育成代行の結果に基づいて対象馬のパラメータを変更したうえで、後述するように複数の対象馬の中から選択された一頭の対象馬の育成権限が第1プレイヤに戻される。ゲーム上では、各第2プレイヤのファームに預けていた対象馬のうちの一頭が第1プレイヤのファームに返却されるため、以下では、対象馬に対する育成代行権限が第2プレイヤから第1プレイヤに戻されることを「対象馬が第1プレイヤに返却される」とも言う。
【0040】
ここで、本実施形態では、一頭の対象馬が複数の第2プレイヤによりそれぞれ育成されているので、育成代行終了時には、図6に示すように、一頭の対象馬(スタミナ:2、スピード:1、パワー:1等)からそれぞれパラメータが変化した複数の対象馬が発生することになる。すなわち、プレイヤAAAによって育成された対象馬AAA(スタミナ:3、スピード:5、パワー:2等)と、プレイヤCCCによって育成された対象馬CCC(スタミナ:4、スピード:4、パワー:3等)の二頭の対象馬が発生する。ただし、本実施形態では、この二頭とも第1プレイヤに返却されるわけではなく、所定の選択パターンにしたがって、このうちの一頭が選択され、その選択された対象馬が、育成代行が完了した対象馬として、第1プレイヤに返却される。
【0041】
一方、選択されなかった対象馬は、第1プレイヤに返却されることなく、データ削除される。そのため、複数の第2プレイヤによって育成された結果、同一の対象馬から複数の対象馬が一時的に発生していたとしても、育成代行期間中以外は存在することはない。したがって、育成代行が完了した後は、第1プレイヤ及び第2プレイヤのいずれもゲームプレイにおいて使用することができない。
【0042】
ここで、所定の選択パターンの一例を、以下に挙げる。これらの選択パターンはいずれか一つを採用してもよいし、複数の選択パターンを組合わせて用いてもよい。例えば、(b)~(d)の方法によってある程度の頭数に絞り込んだ後、(a)の方法により最終的な一頭を選択できるように設定することもできる。
(a)育成代行が完了した複数の対象馬の中から、第1プレイヤが自ら選択する。この場合、第1ユーザは、育成代行結果、すなわち、変化したパラメータ等を総合的に判断して、複数の対象馬の中から最も好ましい対象馬を一頭選択すればよい。例えば、第1プレイヤが、スピードの値を重視しているのであれば、対象馬AAAが選択される。
(b)育成代行が完了した複数の対象馬の中から、コンピュータ(ゲームシステム)が、変化したパラメータの値に基づいて自動的に選択する。この場合、コンピュータは、育成代行結果、すなわち、変化したパラメータ等を総合的に判断して、複数の対象馬の中から最も能力値の高い対象馬を一頭選択することになる。なお、スタミナ、スピード又はパワー等の中から所定のパラメータを重点的に判断することとしてもよい。例えば、総合的にバランス良く能力値が高い対象馬を選択する設定であれば、対象馬CCCが選択される。一方、スピードの値を重点的に判断する設定であれば、対象馬AAAが選択される。
(c)育成代行が完了した複数の対象馬の中から、コンピュータ(ゲームシステム)が、第1プレイヤが設定した条件に基づいて自動的に選択する。条件としては、例えば、スピードの値が最も高い(又は向上した)こと、スタミナの値とスピードの値がバランスよく高い(又は向上した)こと、芝コースの馬場適性が最も高い(又は向上した)こと、目標とするレースに最適な距離適性になったこと、等が含まれ、それぞれの条件により適合する対象馬が、対象馬AAAと対象馬CCCのいずれかから選択される。なお、条件はいつ設定していてもよく、例えば、育成代行依頼時に設定していてもよいし、さらにそれ以前に設定していてもよい。育成代行依頼時に条件が既に設定されている場合は、予め第2プレイヤに通知されていてもよい。また、育成代行完了時、すなわち、対象馬が返却されるときに設定してもよい。
(d)育成代行が完了した複数の対象馬の中から、実績に基づいて自動的に選択する。例えば、育成代行期間中に所定のレース(第1プレイヤが予め指定した条件に適合するレース等)に出場して優勝した実績のある対象馬を一頭選択する。例えば、所定のレースが「東京ダービー(G1)」であれば、当該レースに優勝している対象馬CCCが選択される。また、レースにおける優勝回数又は獲得賞金の量等に基づいて選択されてもよい。なお、実績に基づいて対象馬を選択する場合は、対象馬のパラメータについては考慮してもしなくてもよいし、パラメータが不明であってもよい。
【0043】
そして、育成代行終了して対象馬が第1プレイヤに返却された場合は、その返却された対象馬を育成した特定の第2プレイヤに対して「報酬」が付与される。なお、育成代行を行った複数の第2プレイヤ全員又はその中の何人かに対して報酬を付与してもよいが、その場合は、返却された対象馬を育成した特定の第2プレイヤに対しては、他の第2プレイヤよりも有利な報酬を付与するとよい。
【0044】
「報酬」とは、育成代行の対償として第2プレイヤに付与される価値又は権利である。なお、報酬は、第2プレイヤによる育成代行の成果、具体的には育成代行中の育成週数、又は育成代行によって上昇したパラメータの上昇量に応じて、種類(内容)又は付与量を変更してもよい。また、複数種類の報酬を組合わせて付与してもよい。種類(内容)又は付与量を変更したり、複数種類の報酬を組合わせたりすることにより、第2プレイヤにとって有利な報酬とすることができる。
【0045】
報酬の内容としては、第1プレイヤから第2プレイヤに対して謝礼という形で譲渡されるゲーム内通貨又はアイテム等(譲渡数に応じて第1プレイヤの所持するゲーム内通貨又はアイテム等の所持数が減少する)、第1プレイヤに関係なく第2プレイヤにボーナスという形で付与されるゲーム内通貨又はアイテム等(譲渡数に応じて第1プレイヤの所持するゲーム内通貨又はアイテム等の所持数が減少しない)の他、以下に挙げる権利等も含まれる。
(a)第2プレイヤが、返却後の対象馬をゲーム内で使用する権利。
具体的には、第2プレイヤが返却後の対象馬を第1プレイヤから借りてレース等のゲーム内のイベントで使用する権利、又は、第2プレイヤが返却後の対象馬を第1プレイヤから借りて新たな他の競走馬を生産する権利、すなわち、当該対象馬を種牡馬又は繁殖牝馬として使用する権利等が含まれる。
(b)第2プレイヤが、第1プレイヤが返却後の対象馬をレースに出場させて獲得した価値の少なくとも一部を得る権利。
具体的には、当該対象馬が獲得したゲーム内通貨のX割(例えば1割)、獲得したアイテムと同じアイテム若しくは関連するアイテム(獲得したアイテムが疲労度を100%回復するアイテムであれば30%回復するアイテム等)、又は、特別なレースへの出場権を獲得した場合は、その特別なレースへの出場権等、を第2プレイヤが得ること等が含まれる。
(c)第2プレイヤの名前等の情報が、返却後の対象馬の属性等に登録される権利。
具体的には、当該対象馬の調教者として第2プレイヤの名前が表記される場合等を含む。
【0046】
一方、第1プレイヤが育成代行依頼時に設定した条件が満たされない場合、又は、第1プレイヤ若しくは第2プレイヤの少なくともどちらか一方からキャンセルの申し出があった場合等は、育成代行の途中であっても育成代行を中断する場合があり得る。育成代行を中断した場合は、その第2プレイヤによって育成されている対象馬は、育成代行が完了した複数の対象馬の中には含まれず、返却される対象馬の候補とはならない。また、その第2プレイヤに対しては、当然、上記の報酬は付与されない。
【0047】
なお、育成代行中、第1プレイヤは、第2プレイヤによる対象馬の育成代行の進捗度合い(例えば、後述する評価値、及び対象馬の現時点でのパラメータ等)を確認することができる。これにより、第1プレイヤは、育成代行中、育成代行が順調に進んでいるか(育成のノルマを達成できるかどうか)を適宜確認することができる。そして、育成代行を中断すべきか、又は、現状の育成代行の条件のままで進めてよいか(例えば、育成コースを変えた方がよいか否か等)等の判断材料とすることができる。
【0048】
[本発明の一実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末の構成]
次に、本発明の第1施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末12の構成について説明する。第1実施形態に係る情報処理装置は、ゲーム用のコンピュータ、厳密にはサーバコンピュータ(以下、サーバ10という。)によって構成されている。サーバ10は、図7に示すように、ユーザ端末12とネットワーク14を介して通信可能に接続されており、ユーザ端末12とともにゲーム用の情報処理システムSを構築している。
なお、サーバ10は、1台のコンピュータで構成されてもよく、並列分散された複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0049】
サーバ10は、図7に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及びストレージ24を有し、これらの機器がバス25を介して電気的に接続されている。また、サーバ10には、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)と、本件ゲームに関する情報処理用の専用プログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当する。プロセッサ21が上記のプログラムにしたがって動作することで、サーバ10は、本発明の情報処理装置として機能し、本件ゲームの進行に関する一連の処理を実行する。
【0050】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
【0051】
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0052】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0053】
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。また、ストレージ24は、サーバ10内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよい。さらに、ストレージ24は、サーバ本体と通信可能に接続された外部コンピュータ(例えば、データベースサーバ)等によって構成されてもよい。なお、各種データを記録する技術としては、不正なデータ改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いてもよい。
【0054】
サーバ10は、本件ゲームの進行に必要な情報を各プレイヤへ配信し、また、各プレイヤから情報を収集して記憶する。サーバ10が記憶する情報には、各プレイヤの本件ゲームのプレイ履歴に関する情報、例えば、各プレイヤがこれまでに所持してきた競走馬と各競走馬の現時点でのパラメータ、ゲーム内通貨及びアイテム等の所持数、及び、これまで受託してきた育成代行の回数等が含まれる。また、対象馬の育成代行を依頼したプレイヤについては、育成条件及び現時点での育成代行の状況等、育成代行に関する情報がサーバ10に記憶される。
【0055】
また、サーバ10は、下記の処理をはじめ、本件ゲームの進行に関する様々な情報処理を実行する。
(a)育成に係る競走馬のパラメータを変更する処理。
(b)第1プレイヤの対象馬の育成を第2プレイヤに代行させる処理。
(c)第2プレイヤによる対象馬の育成代行を完了又は中断させる処理。
(d)育成代行が完了した複数の対象馬の中から一頭の対象馬を選択する処理。
(e)育成代行が完了した対象馬(選択された対象馬)を第1プレイヤに返却する処理。
(f)第2プレイヤ又は特定の第2プレイヤに対して報酬を付与する処理。
(g)第2プレイヤが対象馬の育成代行を行った時間(育成時間)を特定する処理。
(h)第2プレイヤによる対象馬の育成代行に費やされた価値の種類及び量を特定する処理。
(i)各プレイヤの価値の量(ゲーム内通貨又はアイテムの所持数等)を変更する処理。
(j)レースを含む各種のゲーム内イベントを発生又は開催させる処理。
(k)競走馬が出場レースで優勝等したプレイヤに対して価値を付与する処理。
【0056】
ユーザ端末12は、プレイヤが本件ゲームをプレイするために操作するクライアント端末であり、具体的にはパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、及びウェアラブル端末等によって構成される。なお、図7には、図示の都合上、3台のユーザ端末12のみを図示しているが、ユーザ端末12の台数は、2台以上(好ましくは3台以上)であれば任意の台数であってもよい。
【0057】
ユーザ端末12は、本件ゲームの進行に必要な情報をサーバ10から受信し、その情報に含まれる映像をディスプレイ等の画面に表示したり、音声をスピーカ等から出力したりする。また、ユーザ端末12は、本件ゲームのプレイ中に行われるプレイヤの操作を受け付け、その操作内容に応じた情報をサーバ10に向けて送信する。
【0058】
例えば、プレイヤは、本件ゲームにて競走馬を育成する際にはユーザ端末12にて育成操作を行う。育成操作は、競走馬の育成に関する操作であり、育成に必要な情報を入力したり、育成に関する複数の項目の中から選択したり等する操作である。例えば、プレイヤは、図1のメニューリストMLにて育成コースを指定し、不図示の登録画面を通じて、希望するレースに競走馬を出場させるための出場登録用の操作を行う。
【0059】
また、対象馬の育成代行を依頼するプレイヤ、すなわち、第1プレイヤは、ユーザ端末12にて育成代行依頼用の操作を行い、例えば、図2の育成代行依頼画面ISにて各種の依頼事項を指定し、図4の受託希望者リストJLから受託希望者(複数でも可)を選択する。一方、他のプレイヤは、例えば、図3の育成代行依頼馬リストHLに掲載された複数の対象馬の中から、育成代行を希望する対象馬を選択してエントリーする。また、育成代行を受託したプレイヤ、すなわち、第2プレイヤは、図5の確認画面CSを通じて第1プレイヤの育成代行依頼に応じる意思を示した後、通常と同様の育成操作をユーザ端末12にて行うことで、育成代行に係る競走馬(対象馬)を育成することができる。
【0060】
また、第1プレイヤは、育成代行中、ユーザ端末12とサーバ10との通信を通じて、各第2プレイヤによる対象馬の育成代行の状況を逐次確認することができ、例えば、育成代行中の各時点での育成週数及び対象馬のパラメータ等をユーザ端末12の画面で見ることができる。
【0061】
[本発明の一実施形態の情報処理装置の機能]
第1実施形態に係る情報処理装置であるサーバ10の構成について、機能面から改めて説明する。サーバ10は、図8に示すように操作受付部30、配信部40、記憶部50及び情報処理部60を有する。これらのうち、記憶部50は、メモリ22又はストレージ24によって実現され、それ以外の機能部は、サーバ10を構成するハードウェア機器と、サーバ10にインストールされたプログラムとが協働することで実現される。
以下、各機能部について、それぞれ詳しく説明する。
【0062】
(操作受付部)
操作受付部30は、プレイヤが本件ゲームのプレイ中にユーザ端末12にて行った操作を受け付け、厳密には、当該操作の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。操作受付部30は、図8に示すように、育成操作受付部31と、依頼受付部32と、候補選択受付部33と、受託確認受付部34と、対象馬選択受付部35と、レース登録受付部36とを有する。
【0063】
育成操作受付部31は、プレイヤによる競走馬の育成操作を受け付ける。育成操作は、競走馬の育成、厳密には調教用の指定操作であり、育成操作では育成対象の競走馬、育成コース、及び育成に費やす価値等を指定する。育成操作受付部31は、指定された上記の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0064】
依頼受付部32は、第1プレイヤが対象馬の育成代行を依頼するために行う指定操作、具体的には、上記の育成期間及び育成条件等の依頼事項を指定する操作を受け付け、詳しくは、指定された依頼事項を示すデータをユーザ端末12から受信する。なお、依頼受付部32は、育成代行が完了した対象馬が複数発生した場合、それらの複数の対象馬の中から返却される一頭の対象馬を選択するための条件を指定する操作を受け付けることとしてもよい。
【0065】
候補選択受付部33は、育成代行依頼時に第1プレイヤが受託希望者リストJLの中から一又は複数の候補を選択する操作を受け付け、詳しくは、選択結果を示すデータをユーザ端末12から受信する。また、第2プレイヤが育成代行依頼馬リストHLの中から対象馬を選択する操作を受け付け、詳しくは、選択結果を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0066】
受託確認受付部34は、第1プレイヤによって選択された受託希望者のプレイヤが図5の確認画面CSを通じて育成代行の受託を決めた際に行う受託確認操作を受け付け、詳しくは、受託の認否を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0067】
対象馬選択受付部35は、複数の第2プレイヤそれぞれによる育成代行が終了して、パラメータが変化した対象馬が複数発生した場合、第1プレイヤがその中から返却を希望する一頭の対象馬を選択する操作を受け付け、詳しくは、選択結果を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0068】
レース登録受付部36は、プレイヤが希望するレースに競走馬を出場させるために行う登録操作を受け付ける。登録操作では、出場希望のレース、レースの開催日、及び出場させる競走馬等が指定され、レース登録受付部36は、これらの内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0069】
(配信部)
配信部40は、本件ゲームの進行に必要な情報を各プレイヤのユーザ端末12に向けて配信するものであり、図8に示すようにイベント用情報配信部41と、情報提示部42と、問合せ部43とを有する。
【0070】
イベント用情報配信部41は、レース等の各種イベントに関する情報を配信する。イベント用情報配信部41によって配信された情報を受信したユーザ端末12側では、イベント演出の映像及び音声が出力(表示及び再生等)される。
【0071】
情報提示部42は、受託希望者として登録されている第2プレイヤを含む複数のプレイヤ(厳密には、第1プレイヤ以外の複数のプレイヤ)の情報を、第1プレイヤに配信する。また、情報提示部42は、第1プレイヤによって登録された対象馬の情報を、受託者候補として登録されている第2プレイヤを含む複数のプレイヤに配信する。
【0072】
問合せ部43は、所定のプレイヤに対して所定の事項に関する問合せ情報を配信し、例えば、第1プレイヤにより選択された受託希望者であるプレイヤに対して、育成代行の受託の可否についての問い合わせ情報を配信する。また、育成代行を実行している第2プレイヤに対して、育成代行の続行の有無についての問い合わせ情報を配信する。
【0073】
(記憶部)
記憶部50は、ゲーム進行に必要な情報を記憶し、図8に示すように、プレイヤ情報記憶部51、競走馬情報記憶部52、育成代行依頼記憶部53、及び、育成代行状況記憶部54を有する。
【0074】
プレイヤ情報記憶部51は、本件ゲームの各プレイヤに関するプレイヤ情報をプレイヤごとに記憶する。プレイヤ情報は、図9に示すように、各プレイヤの氏名又は識別ID、ゲーム用のアカウント名、本件ゲームの総プレイ時間、所有する競走馬の識別ID(所有馬ID)、所有するファームのグレード、これまでに育成代行を受託した回数、現時点で育成代行を依頼しているか否かを示す育成代行フラグ、及び、現時点で受託者候補に該当するか否かを示す受託者候補フラグ等を含む。また、プレイヤ情報には、ゲーム内通貨又はアイテム等の価値の所持数等に関する情報(不図示)も含まれている。なお、これら以外のプレイヤに関する情報、例えば、プレイヤがフレンドとして登録している他のプレイヤの氏名又は識別IDがプレイヤ情報に含まれてもよい。
【0075】
競走馬情報記憶部52は、各プレイヤが所有する競走馬に関する競走馬情報を競走馬ごとに記憶する。競走馬情報は、図10に示すように、各競走馬の名前、識別用ID、競走馬を所有するプレイヤのアカウント名、現時点でのパラメータ(具体的にはスタミナ、スピード及びパワー等の能力値、並びに、過去のレース出場回数及び勝利回数等のレース実績)、現時点での育成週数、及び、育成可能期間の残り数(残週数)等を含む。なお、これら以外の競走馬に関する情報、例えば、親馬の名前又はID等の血統に関する情報、及び、調教者の名前又はID等の調教者情報等が、競走馬情報に含まれてもよい。また、競走馬に関する情報の中には、ユーザ端末12等には表示せずにプレイヤには確認できないマスク情報が含まれていてもよい。
【0076】
育成代行依頼記憶部53は、育成代行の依頼に関する育成代行依頼情報を依頼ごとに記憶する。育成代行依頼情報は、図11に示すように、育成代行依頼の識別用ID(依頼ID)、育成代行を依頼したプレイヤのアカウント名、育成期間、依頼された育成代行に係る競走馬(対象馬)の識別用ID、育成条件(具体的には、育成代行中に達成すべき育成週数、育成コース、及び育成代行によって上昇させたいパラメータの種目とその目標値)、及び、育成代行を受託したプレイヤのアカウント名等を含む。
【0077】
育成代行状況記憶部54は、現在実施中の育成代行の進捗状況に関する育成代行状況情報を、育成代行ごとに記憶する。育成代行状況情報は、図12に示すように、依頼ID、現実の時間における育成代行開始日、ゲーム内時間における育成代行開始から現時点までの育成週数、育成希望パラメータの現在値、育成予算として渡されたメダル数、及び、現時点までの育成代行に費やされたメダル消費数等を含む。
【0078】
(情報処理部)
情報処理部60は、本件ゲームの進行に必要な情報処理を実行するものであり、図7に示すように、パラメータ変更部61、代行処理部62、代行完了部63、代行中断部64、代行時間特定部65、消費価値特定部66、選択部67、返却部68、報酬付与部69、レース結果決定部70、及び、価値付与部71を有する。
【0079】
パラメータ変更部61は、育成操作受付部31がプレイヤの育成操作を受け付けた場合に、その操作内容に応じて、競走馬情報記憶部52に記憶された育成対象の競走馬のパラメータ、具体的にはスタミナ、スピード及びパワー等の能力値を変更する処理を実行する。この際、各パラメータの変更量(上昇量)は、育成操作にてプレイヤが指定した育成コース及び消費した価値の量等に応じて変化する。
【0080】
代行処理部62は、第1プレイヤによって選択された受託希望者から育成代行を受託する旨の回答を受託確認受付部34が受け付けた場合に、当該受託者を第2プレイヤとし、対象馬の育成を第2プレイヤに代行させる処理を実行する。具体的に説明すると、代行処理部62は、第2プレイヤに対して対象馬を育成する権限を設定し、第2プレイヤのアカウント名を当該育成代行の依頼IDと紐付けて育成代行依頼記憶部53に記憶させる。なお、代行処理部62は、複数の第2プレイヤに対して、それぞれの第2プレイヤが独自に対象馬を育成できるように設定することもできる。
【0081】
代行完了部63は、育成代行について完了条件を満たす場合に、当該育成代行を受託したプレイヤによる対象馬の育成代行を完了させる。完了条件は、例えば、第1プレイヤによって育成代行の依頼時に指定された育成条件が満たされるという条件である。つまり、第2プレイヤによる対象馬の育成代行における育成週数が第1プレイヤにより指定された育成週数に達した場合、又は、対象馬のパラメータが第1プレイヤにより指定された目標値まで上昇した場合に、代行完了部63は、第2プレイヤに対して設定された育成代行権限を解除/無効化し、第2プレイヤによる対象馬の育成代行を完了させる。
【0082】
代行中断部64は、育成代行について中断条件を満たす場合に、当該育成代行を受託したプレイヤによる対象馬の育成代行を育成代行の途中で中断させる。具体的には、代行中断部64は、第2プレイヤに対して設定された育成代行権限を解除/無効化することにより、育成代行を中断させる。なお、中断時点までの第2プレイヤによる育成代行により対象馬のパラメータが変化していたとしても、そのパラメータの変化は対象馬に反映させない。
【0083】
中断条件は、対象馬の育成代行の進行具合いに関する条件であり、具体的には、現時点での育成代行の進捗状況が基準に達していないこと等である。一例を挙げると、代行中断部64は、育成代行中の各時点において評価値を算出する。評価値は、後述する代行時間(具体的には、育成代行期間中に増えた育成週数)と、育成代行に費やされた価値の量とに基づいて算出される値であり、例えば代行時間に対する価値の量の割合である。そして、評価値が中断条件を満たす場合、具体的には評価値が基準値を下回る場合に、代行中断部64は、その時点で第2プレイヤによる対象馬の育成代行を中断させる。
【0084】
中断条件は、上記の条件に限定されず、例えば、対象馬の育成代行開始から一定時間が経過した時点での代行時間が所定時間を下回ることを中断条件としてもよい。また、対象馬の育成代行開始から一定時間が経過した時点までに上昇させた対象馬のパラメータの値が基準値に達していない場合に、第2プレイヤによる対象馬の育成代行を中断させてもよい。また、対象馬のパラメータの値等に関係なく、第1プレイヤ又は第2プレイヤの少なくともどちらか一方からキャンセルの申し出があった場合等に、第2プレイヤによる対象馬の育成代行を中断させてもよい。
【0085】
代行時間特定部65は、対象馬の育成代行に費やされたゲーム内時間(以下、代行時間という。)を特定する。代行時間は、例えば、育成代行の開始時点から現時点までの育成週数が該当する。つまり、代行時間特定部65は、第2プレイヤによる対象馬の育成代行について代行時間を特定する際、第2プレイヤが対象馬の育成代行を開始してから現時点までに到達した育成週数を代行時間として特定する。特定された代行時間、すなわち育成週数は、代行中断部64が中断条件の成否を判断する際の判断材料としても用いられる。
【0086】
消費価値特定部66は、対象馬の育成代行に消費されたゲーム内通貨等の価値の量を特定する。消費価値特定部66は、例えば、第2プレイヤによる対象馬の育成代行について上記の完了条件が満たされた場合に、完了条件が満たされた時点までに消費された価値の量を特定する。また、消費価値特定部66は、育成代行中の任意の時点において、その時点までに育成代行に消費された価値の量を特定することもでき、そこで特定された価値の量は、代行中断部64が中断条件の成否を判断する際の判断材料としても用いられる。
【0087】
選択部67は、一頭の対象馬が複数の第2プレイヤによりそれぞれ育成された場合、上記に例示したような所定の選択パターンに基づいて、育成代行が完了したそれらの複数の対象馬の中から、返却部68により第1プレイヤに返却されることとなる一頭の対象馬を選択する。なお、選択パターンは、上記の選択パターン(a)~(d)のいずれか一つのパターンを採用してもよいし、それらの中から複数の選択パターンを組合わせて、一頭の対象馬を選択することとしてもよい。また、選択部67は、選択されなかった対象馬については、その対象馬のデータを削除する。
【0088】
返却部68は、所定の返却条件を満たした場合、すなわち、代行完了部63が第2プレイヤによる対象馬の育成代行を完了させた場合に、育成代行に基づいてパラメータが変化した状態の対象馬を第2プレイヤから第1プレイヤに返却する。これにより、対象馬の育成権限が第2プレイヤから第1プレイヤに戻されることになる。このとき、育成代行が完了した対象馬が複数発生している場合は、選択部67により選択された一頭の対象馬、すなわち、特定の第2プレイヤによって育成されたことによってパラメータが変化した状態の対象馬が、第1プレイヤに返却される。
【0089】
報酬付与部69は、対象馬の育成代行が完了し、対象馬が第1プレイヤに返却された場合に、第2プレイヤに対して上記の報酬を付与する。報酬が付与されると、プレイヤ情報記憶部51記憶された各プレイヤのプレイヤ情報、又は、競走馬情報記憶部52に記憶された対象馬に関する競走馬情報に、その付与された報酬の内容が反映される。また、報酬付与部69は、第1プレイヤに返却された対象馬の育成代行を行った特定の第2プレイヤに限って報酬を付与することしてもよいし、その特定の第2プレイヤに対しては、他の第2プレイヤ(返却された対象馬として選択されなかった対象馬を育成した第2プレイヤ)よりも有利な報酬を付与することとしてもよい。なお、育成代行を中断した第2プレイヤに対しては、報酬は付与されない。
【0090】
レース結果決定部70は、本件ゲームでの各レースの勝敗結果、すなわちレースにおける各出走馬の着順をパラメータに基づいて決定し、決定したレース結果に応じたイベント演出のデータを生成する。生成されたイベント演出のデータは、イベント用情報配信部41によって、そのレースに競走馬を出場させたプレイヤに向けて配信される。
【0091】
価値付与部71は、競走馬を出場させたレースの結果に応じて、ゲーム内通貨又はアイテム等の価値を賞金又は副賞として競走馬を出場させたプレイヤに対して付与する。価値が付与されると、プレイヤ情報記憶部51記憶された各プレイヤのプレイヤ情報に、賞金に相当するゲーム内通貨等の価値量を加算する。なお、第2プレイヤが育成代行中に対象馬をレースに出場させて当該レースで勝利した場合にも、所定の価値を付与する。この場合、価値の付与先は、対象馬の育成代行を行う第2プレイヤでもよく、対象馬の所有者である第1プレイヤであってもよい。
【0092】
以上、サーバ10及びユーザ端末12のそれぞれの構成について説明した。なお、一般的に、サーバ10及びユーザ端末12は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明における情報処理システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0093】
[本発明の一実施形態に係る情報処理フロー]
次に、情報処理システムSによる情報処理フローのうち、育成代行に関するフロー(以下、育成代行フローという。)について説明する。育成代行フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、換言すると、育成代行フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。なお、以下では、育成代行フローについて分かり易く説明するために具体的なケースを挙げ、育成代行を依頼する第1プレイヤをプレイヤXとし、育成代行を受託する複数の第2プレイヤをプレイヤY1,Y2とし、育成代行に係る競走馬(対象馬)を競走馬Zとする。
【0094】
育成代行フローの実行にあたり、プレイヤX,Y1,Y2は、本件ゲームにログインしてプレイを開始する。ゲーム内において、プレイヤX,Y1,Y2は、それぞれ競走馬を少なくとも一頭以上所有しており、また、育成に必要となるゲーム内通貨又はアイテム等の価値を所持している。また、育成代行フローに際して、プレイヤY1,Y2を含む多数のプレイヤ(厳密には、プレイヤX以外の複数のプレイヤ)が受託者候補として事前に登録されている。なお、本ケースでは、プレイヤXは複数の受託希望者を選択することができる。
【0095】
育成代行フローは、例えば図13~14に示す流れに沿って進行し、プレイヤXがユーザ端末12を操作して競走馬Zの育成代行に関する依頼事項、具体的には育成期間及び育成条件等を指定するところから始まる(S001)。サーバ10は、プレイヤXのユーザ端末12との通信を通じてプレイヤXの育成代行依頼を受け付け、詳しくは上記の依頼事項を示すデータを取得する(S002)。
【0096】
次に、プレイヤY1,Y2がユーザ端末12を操作して育成代行の受託を希望する対象馬を選択すると(S003)、サーバ10が、プレイヤY1,Y2のユーザ端末12との通信を通じてプレイヤY1,Y2の選択結果を受け付け、詳しくは、プレイヤY1,Y2によって選択された対象馬を示すデータを取得する(S004)。ちなみに、本ケースでは、競走馬ZがプレイヤY1,Y2により選択された対象馬に該当する。
【0097】
次に、サーバ10は、プレイヤXに対して、受託希望者であるプレイヤY1,Y2を含むプレイヤに関する情報をプレイヤXに提示し(S005)、プレイヤXがユーザ端末12を操作して受託希望者を選択すると(S006)、サーバ10が、プレイヤXのユーザ端末12との通信を通じてプレイヤXの選択結果を受け付け、詳しくは、プレイヤXによって選択された受託希望者を示すデータを取得する(S007)。ちなみに、本ケースでは、プレイヤY1,Y2の他に多数の受託希望者が存在し、プレイヤY1,Y2がその多数の受託希望者の中から選択された複数の受託希望者に該当する。
【0098】
その後、サーバ10は、プレイヤY1,Y2のユーザ端末12との通信を通じて、プレイヤXが依頼した育成代行を受託するか否かをプレイヤY1,Y2にそれぞれ問い合わせる(S008)。プレイヤY1,Y2は、図5の確認画面CSを通じて育成代行の受託の有無を回答し、受託する意思がある場合には、その旨を回答する(S009)。なお、以降のステップについては、プレイヤY1,Y2が育成代行を受託する旨を回答した場合を想定して説明することとする。
【0099】
サーバ10は、プレイヤY1,Y2の双方に競走馬Zの育成を代行させる処理を個別に実行、つまり、プレイヤY1,Y2のそれぞれに対して競走馬Zの育成代行権限を設定する(S010)。これにより、以降、プレイヤY1,Y2は、各々の所有するファームで競走馬Zの育成を行うことができ、換言すると、競走馬Zに関するプレイヤY1,Y2の育成操作がサーバ10によって受け付けられるようになる。
【0100】
プレイヤY1,Y2が競走馬Zの育成代行を行うためにユーザ端末12にて育成操作を行うと(S011)、サーバ10は、プレイヤY1,Y2のユーザ端末12との通信を通じて当該育成操作を受け付け、具体的には育成コース及び消費したゲーム内通貨又はアイテム等を示すデータを受信する(S012)。これに伴い、サーバ10が、競走馬情報記憶部52に記憶された競走馬Zのパラメータ、具体的にはスタミナ、スピード及びパワー等をそれぞれ変更する(S013)。このとき、各パラメータは、プレイヤY1,Y2から受け付けた育成操作の内容(育成コース及びゲーム内通貨の消費量若しくは消費アイテムの種類等)に応じて変えられる。ただし、必ずしも常に規則的に変化するわけではなく、同じ育成操作の内容であったとしても、変化量をランダムに変える等してもよい。
【0101】
そして、サーバ10は、育成代行期間中、プレイヤY1,Y2による競走馬Zの育成代行について完了条件を満たす否かを適宜判定する(S014)。例えば、育成代行期間中の育成週数がプレイヤXにより指定された値に到達した場合、又は、競走馬Zのパラメータの中でプレイヤXが希望するパラメータが目標値に到達した場合、完了条件を満たすことになる。完了条件が満たされると、サーバ10は、プレイヤY1,Y2による競走馬Zの育成代行を完了する(S015)、このとき、一頭の競走馬ZをプレイヤY1,Y2がそれぞれ独自に育成しているので、育成代行完了時には、1頭の競走馬Zから、プレイヤY1,Y2それぞれの育成内容に応じた複数の競走馬Z1,Z2が発生することとなる。
【0102】
競走馬Zの育成代行が完了すると、サーバ10は、プレイヤY1,Y2に設定していた競走馬Zの育成代行権限を解除し、プレイヤY1,Y2によって育成された競走馬Z1,Z2の中から、所定の選択パターンに基づいて一頭の競走馬Zを選択する(S016)。なお、ここでは、プレイヤY1によって育成された競走馬Z1が選択されたと仮定し、以下の処理に進む。
【0103】
そして、サーバ10は、その選択された競走馬Z1を、プレイヤY1によってそれまでに行われた育成に応じてパラメータが変更された状態でプレイヤXに返却し(S017)、プレイヤY1に対して育成代行の報酬を付与して(S018)、育成代行フローを終了する。なお、育成代行の報酬は、プレイヤY1だけでなく、選択されなかった競走馬Z2を育成したプレイヤY2に対しても付与することとしてもよい。
【0104】
一方、育成代行期間中、完了条件が満たされていない場合には、サーバ10は、プレイヤY1,Y2による競走馬Zの育成代行について中断条件を満たす否かを適宜判定する(S019)。例えば、プレイヤY1,Y2が競走馬Zの育成代行を開始してから一定時間が経過した時点での育成週数が所定数を下回る場合、あるいは、その時点までの競走馬Zのパラメータ(特に、プレイヤXが上昇させたい能力値)が基準値に達していない場合、中断条件を満たすことになる。サーバ10は、中断条件を満たすプレイヤY1,Y2に対しては、プレイヤY1,Y2による競走馬Zの育成代行を中断して(S020)、育成代行フローを終了する。
【0105】
他方、完了条件及び中断条件がいずれも満たされていない間には、育成代行フローのうち、上記のステップS011~S014及びS019が繰り返し実施される。つまり、完了条件及び中断条件を満たさない限り、プレイヤY1,Y2は、育成操作や登録操作を繰り返し行うことができ、育成操作を行う度に競走馬Zのパラメータを変更させることができる。
【0106】
[その他の実施形態]
以上までに、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関して、具体例を挙げて説明してきたが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態も考えられ得る。
【0107】
上記の実施形態では、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)が本発明の情報処理装置として機能しているが、これに限定されるものではなく、サーバ10が有する機能のうちの一部が、ユーザ端末12に備わっていてもよい。例えば、代行処理部62の機能等がユーザ端末12に備わっていてもよい。
【0108】
また、本実施形態では、プレイヤ情報及び競走馬情報は、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)に記憶して所持することとしたが、不図示のデータベースサーバを別途設けて、そのデータベースサーバに一括して記憶することとしてもよいし、ユーザ端末12側に記憶することとしてもよい。
【0109】
また、本実施形態では、受託者候補のプレイヤが対象馬に対して受託希望のエントリーをし、対象馬の育成代行を依頼した第1プレイヤがそれらの複数の受託希望者の中から複数の受託先を選択し、選択された複数の受託希望者に対して育成代行受託の意思を確認したうえで、育成代行を受託する旨の回答を得た場合に、その複数の受託希望者を第2プレイヤとし、第2プレイヤのそれぞれに対象馬の育成を代行させることとした。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、第1プレイヤが対象馬の育成代行を依頼する際に育成条件を指定し、受託者候補のプレイヤが受託条件を設定し、両者の条件を照合し、育成条件とマッチングする受託条件を設定した複数の受託者候補を第2プレイヤとし、その第2プレイヤのそれぞれに対象馬の育成を代行させてもよい。
【0110】
なお、本実施形態においては、プレイヤは、原則として無料で全ての機能を享受することができるが、一部の機能を限定し、所定の料金を支払うことによって、その限定された機能が利用できることとしてもよい。また、所定の料金を支払ったプレイヤについては、一回の週課操作において行うことができる育成の回数が増加したり、ファームのグレードを上げ易かったり、特定のアイテムを取得できたり、育成におけるパラメータの変化量が大きくなったりする等、プレイするうえで有利になるように各種条件等を設定してもよい。なお、この料金については、従量課金制としてもよいし、一度支払えば一定期間(例えば、一か月間又は一年間等)、そのプレイヤに対して効果を有することとしてもよい(サブスクリプション)。
【0111】
[まとめ]
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴は以下の通りである。
【0112】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させる代行処理部と、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する返却部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させることができ、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトが第1プレイヤに返却される。そのため、委託者である第1プレイヤにとっては、ゲームオブジェクトを育成する手間を省くことができるうえ、複数の受託者に育成代行を依頼してその育成結果を競い合わせることもできるので、安心して育成代行を利用することができ、且つ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率が向上する。また、受託者である第2プレイヤは、返却される1つのゲームオブジェクトを目指して他の受託者と競い合うことになるので、ゲームオブジェクトの能力を向上させたいという動機付けにもなって育成代行の質が向上し、第1プレイヤの利益につながる。これにより、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境を構築することができる。
【0113】
[2]上記の情報処理装置において、返却部は、複数のゲームオブジェクトの中から第1プレイヤの操作に基づいて選択された1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
これにより、第1プレイヤは、複数の第2プレイヤによりそれぞれ育成された複数のゲームオブジェクトの中から自身の判断で1つのゲームオブジェクトを選択することができるので、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0114】
[3]上記の情報処理装置において、返却部は、複数のゲームオブジェクトの中からパラメータの値に基づいて選択された1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
これにより、第1プレイヤは、複数の第2プレイヤによりそれぞれ育成された複数のゲームオブジェクトの中から最もパラメータの値の高い1つのゲームオブジェクトが自動的に選択されるので、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0115】
[4]上記の情報処理装置において、返却部は、複数のゲームオブジェクトの中から第1プレイヤが設定した条件に基づいて選択された1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
これにより、第1プレイヤは、複数の第2プレイヤによりそれぞれ育成された複数のゲームオブジェクトの中から自身が設定した条件に最も適合する1つのゲームオブジェクトが自動的に選択されるので、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0116】
[5]上記の情報処理装置において、返却部は、複数のゲームオブジェクトの中から第1プレイヤが指定した所定のゲームの結果に基づいて選択された1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
これにより、第1プレイヤは、複数の第2プレイヤによりそれぞれ育成された複数のゲームオブジェクトの中から自身が指定した所定のゲームをプレイするために最も適合する1つのゲームオブジェクトが自動的に選択されるので、より安心して育成代行を利用することができるうえ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率がより一層向上する。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0117】
[6]上記の情報処理装置において、ゲームオブジェクトを育成したユーザに報酬を付与する報酬付与部を、さらに有し、報酬付与部は、1つのゲームオブジェクトを育成した特定の第2プレイヤに対し、報酬を付与する。
これにより、第1プレイヤ及び第2プレイヤの双方に利益が生じる。すなわち、受託者である第2プレイヤにとっても、自身が育成したゲームオブジェクトが返却された場合に育成を代行した成果として報酬を得ることができる。また、報酬が付与されることから、第2プレイヤは、他の受託者とより真剣に競い合うことになるので、ゲームオブジェクトの能力をより一層を向上させたいという動機付けにもつながる。そのため、育成代行の質が向上し、延いては、第1プレイヤの利益にもなる。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0118】
[7]上記の情報処理装置において、報酬付与部は、1つのゲームオブジェクトを育成した特定の第2プレイヤに対し、他の第2プレイヤよりも有利な報酬を付与する。
これにより、第1プレイヤ及び第2プレイヤの双方に利益が生じる。すなわち、受託者である第2プレイヤにとっても、自身が育成したゲームオブジェクトが返却された場合に育成を代行した成果として他の受託者よりも有利な報酬を得ることができる。また、有利な報酬が付与されることから、第2プレイヤは、他の受託者とより真剣に競い合うことになるので、ゲームオブジェクトの能力をより一層を向上させたいという動機付けにもつながる。そのため、育成代行の質が向上し、延いては、第1プレイヤの利益にもなる。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0119】
[8]上記の情報処理装置において、報酬付与部は、第2プレイヤが返却後のゲームオブジェクトをゲームで使用する権利を報酬として付与する。
これにより、第1プレイヤ及び第2プレイヤの双方に利益が生じることに加え、特に、第2プレイヤにとっては、他人が所有するゲームオブジェクトではあるものの、自身が育成した思い入れの強いゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却した後もゲームで継続して使用することができるので、報酬に対する第2プレイヤの満足度が向上する。また、返却後も第2プレイヤ自身が使用することができるという点から、ゲームオブジェクトの能力をより一層を向上させたいという動機付けにもつながる。そのため、育成代行の質が向上し、延いては、第1プレイヤの利益にもなる。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0120】
[9]上記の情報処理装置において、報酬付与部は、第2プレイヤが返却後のゲームオブジェクトを使用して他のオブジェクトを生成可能とする。
これにより、第1プレイヤ及び第2プレイヤの双方に利益が生じることに加え、特に、第2プレイヤにとっては、他人が所有するゲームオブジェクトではあるものの、自身が育成した思い入れの強いゲームオブジェクトを使用して、独自に他のオブジェクトを新たに生成することができるので、報酬に対する第2プレイヤの満足度が向上する。また、返却後も第2プレイヤ自身が他のオブジェクトの生成に使用することができるという点から、ゲームオブジェクトの能力が高い方が能力の高い他のオブジェクトを生成し易い場合等は、ゲームオブジェクトの能力をより一層を向上させたいという動機付けにもつながる。そのため、育成代行の質が向上し、延いては、第1プレイヤの利益にもなる。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0121】
[10]上記の情報処理装置において、報酬付与部は、第1プレイヤが返却後のゲームオブジェクトをゲーム内で使用して獲得した価値の少なくとも一部を報酬として付与する。
これにより、第1プレイヤ及び第2プレイヤの双方に利益が生じることに加え、特に、第2プレイヤにとっては、育成したゲームオブジェクトの返却後の成績等によって、自身が得る報酬も変わってくるので、報酬に対する第2プレイヤの満足度が向上するうえ、ゲームオブジェクトの能力をより一層を向上させたいという動機付けにもつながる。そのため、育成代行の質が向上し、延いては、第1プレイヤの利益にもなる。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0122】
[11]上記の情報処理装置において、報酬付与部は、返却後のゲームオブジェクトの属性に第2プレイヤに関する情報を登録することを報酬として付与する。
これにより、第1プレイヤ及び第2プレイヤの双方に利益が生じることに加え、第2プレイヤにとっては、育成したゲームオブジェクトの返却後の成績等によっては、育成実行者としての名誉を得ることができるので、報酬に対する第2プレイヤの満足度が向上するうえ、ゲームオブジェクトの能力をより一層を向上させたいという動機付けにもつながる。そのため、育成代行の質が向上し、延いては、第1プレイヤの利益にもなる。したがって、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境をより一層好適に構築することができる。
【0123】
[12]また、本発明に係る情報処理方法によれば、コンピュータが、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させ、コンピュータが、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却する。
上記の情報処理方法によれば、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させることができ、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトが第1プレイヤに返却される。そのため、委託者である第1プレイヤにとっては、ゲームオブジェクトを育成する手間を省くことができるうえ、複数の受託者に育成代行を依頼してその育成結果を競い合わせることもできるので、安心して育成代行を利用することができ、且つ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率が向上する。また、受託者である第2プレイヤは、返却される1つのゲームオブジェクトを目指して他の受託者と競い合うことになるので、ゲームオブジェクトの能力を向上させたいという動機付けにもなって育成代行の質が向上し、第1プレイヤの利益につながる。これにより、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境を構築することができる。
【0124】
なお、本発明の情報処理方法は、情報処理装置単独、及び、情報処理装置とユーザ端末等の他の端末との組み合わせによって実現される。ここで、情報処理装置は、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。この場合、上記一連の情報処理(ただし、情報の入力及び表示を除く)が上記サーバコンピュータによって実行されるので、ユーザ端末側では、サーバコンピュータに引き渡す情報の入力、及びサーバコンピュータから配信される情報の表示等を行えばよい。
【0125】
[13]また、本発明に係るプログラムによれば、コンピュータに、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させ、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトを第1プレイヤに返却させる。
上記のプログラムによれば、第1プレイヤが所有するゲームオブジェクトの育成を複数の第2プレイヤに実行させることができ、複数の第2プレイヤがそれぞれゲームオブジェクトを育成したことによってパラメータが変化した複数のゲームオブジェクトのうち、1つのゲームオブジェクトが第1プレイヤに返却される。そのため、委託者である第1プレイヤにとっては、ゲームオブジェクトを育成する手間を省くことができるうえ、複数の受託者に育成代行を依頼してその育成結果を競い合わせることもできるので、安心して育成代行を利用することができ、且つ、自らが育成させる場合よりも優れた能力になるようにゲームオブジェクトを育成させることができる確率が向上する。また、受託者である第2プレイヤは、返却される1つのゲームオブジェクトを目指して他の受託者と競い合うことになるので、ゲームオブジェクトの能力を向上させたいという動機付けにもなって育成代行の質が向上し、第1プレイヤの利益につながる。これにより、ゲームオブジェクトの育成代行が積極的に利用され得る環境を構築することができる。
【0126】
なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得してもよく、あるいは、インターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)することで取得してもよい。
【符号の説明】
【0127】
10 サーバ
12 ユーザ端末
14 ネットワーク
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 ストレージ
25 バス
30 操作受付部
31 育成操作受付部
32 依頼受付部
33 候補選択受付部
34 受託確認受付部
35 対象馬選択受付部
36 レース登録受付部
40 配信部
41 イベント用情報配信部
42 情報提供部
43 問合せ部
50 記憶部
51 プレイヤ情報記憶部
52 競走馬情報記憶部
53 育成代行依頼記憶部
54 育成代行状況記憶部
60 情報処理部
61 パラメータ変更部
62 代行処理部
63 代行完了部
64 代行中断部
65 代行時間特定部
66 消費価値特定部
67 選択部
68 返却部
69 報酬付与部
70 レース結果決定部
71 価値付与部
CS 確認画面
HL 育成代行依頼馬リスト
IS 育成代行依頼画面
JL 受託希望者リスト
ML メニューリスト
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14