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特開2022-60412心臓経中隔器具、アセンブリ、およびその使用方法の改良
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060412
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】心臓経中隔器具、アセンブリ、およびその使用方法の改良
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220407BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220407BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20220407BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20220407BHJP
   A61M 25/08 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
A61B17/34
A61M25/00 690
A61M25/01 510
A61M25/06
A61M25/08 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】42
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025215
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2021000887の分割
【原出願日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】16/748,610
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521009566
【氏名又は名称】プレッシャー プロダクツ メディカル サプライズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Pressure Products Medical Supplies Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100136227
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】ポール カース
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー アーマー
(72)【発明者】
【氏名】リード ギャレット
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ギャロ
(57)【要約】
【課題】イントロデューサをスカイビングせず、高い穿刺性能を有し、穿刺が達成される際に非外傷性である針アセンブリを提供する。
【解決手段】針10またはスタイレットは、針10またはスタイレットの長手軸に向かって湾曲したリバース・背面ベベルを有する先端20を有する。針10は、柔軟な中間部の2部品構成を有し、針10の遠位部は、針10の近位部上に圧着される。針10またはスタイレットは、針10またはスタイレットアセンブリのハブ中でバネ機構と組み合わせられ、バネ機構は、針10またはスタイレットの先端をアセンブリの遠位端から伸長する中間位置に配置し、隔壁がテンティングされるとアセンブリ内でバネ懸架式の完全に収縮した構成に針10またはスタイレットを移動させ、次いで隔壁を貫通する際にバネ懸架式の針10またはスタイレットを解放する。バネ機構を用いて針10またはスタイレットを使用する方法が含まれる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲した細長い経中隔心臓針のためのバーズビークの中空の針先であって、
前記針の内径;
前記針の外径であって、前記針の前記内径および前記外径が共通の長手軸を有する、外径;
前記針の遠位端に設けられ前記針の面を画定するベベル;
前記針の前記面の遠位端内側に画定される一対の対向する側面ベベルであって、前記針の前記遠位端において交わり針先を画定する、側面ベベル;
細長いスタイレット本体および中間部を有するスタイレットであって、前記細長い中空の針および細長い中空の拡張器を隔壁上の所定の位置に伸長するために使用される、スタイレット;
前記細長いスタイレット本体に接続され、前記細長いスタイレット本体が前記隔壁上の所定の位置に対して前進される際に荷重される、バネ機構
を含み、
前記針の前記遠位端および前記針先が、前記針の前記内径内側に曲がり、それによって前記針先のコアリングおよびスカイビングを低減し、
前記バネ機構は、前記中空の針アセンブリが前記隔壁を貫通した後に無荷重とされて、前記スタイレットの前記中間部が支持されずに伸長しそれにより非外傷性の構成を取ることを可能とし、
前記バネ機構は、前記針が前記隔壁を貫通した後に前記スタイレットを所定の位置にロックするよう構成される、
ことを特徴とする、中空の針先。
【請求項2】
心臓経中隔アセンブリであって、
湾曲部、遠位端、内径、および、前記湾曲部および前記遠位端内に配置された内面を有する中空の細長い拡張器;
前記中空の細長い拡張器中に同軸上に配置される中空の細長い針;
細長いスタイレット本体および遠位部を有するスタイレットであって、前記細長い中空の針および細長い中空の拡張器を隔壁上の所定の位置に伸長するために使用される、スタイレット;
前記細長いスタイレット本体に接続され、前記スタイレット遠位部が前記隔壁上の所定の位置に対して前進される際に荷重される、バネ機構
を含み、
前記中空の細長い針が、湾曲部、内面を有する内径、後部の外面を有する遠位先端、および、前記内面中に画定され前記遠位先端に近接して終端する開口を有し、
前記遠位先端が、前記後部の外面から離れて前記開口に向かって曲がる遠位端を有し、前記中空の細長い針が前記拡張器の前記湾曲部から前記拡張器の遠位端まで通過する際に前記遠位先端が前記拡張器内面に接触することを防ぎ、
前記バネ機構は、前記中空の針アセンブリが前記隔壁を貫通した後に無荷重とされて、前記スタイレットの前記遠位部が支持されずに伸長しそれにより非外傷性の構成を取ることを可能とし、
前記バネ機構は、前記針が前記隔壁を貫通した後に前記スタイレットを所定の位置にロックするよう構成される、
ことを特徴とする、心臓経中隔アセンブリ。
【請求項3】
前記細長い本体が、前記遠位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様であることを特徴とする、請求項2に記載のスタイレット。
【請求項4】
経中隔心臓針のための中空の針アセンブリであって、
遠位部を有するカニューレ;
遠位端を有し、前記カニューレの前記遠位部上に圧着されるインサート;および
前記インサートの前記遠位端中に画定される針先
を含む、中空の針アセンブリ。
【請求項5】
前記針先が、
前記針の内径;
前記針の外径であって、前記針の前記内径および前記外径が共通の長手軸を有する、外径;
前記針の遠位端に設けられ前記針の面を画定するベベル;
前記針の前記面の遠位端内側に画定される一対の対向する側面ベベルであって、前記針の前記遠位端において交わり針先を画定する、側面ベベル
を含み、
前記針の前記遠位端および前記針先が、前記針の前記内径内側に曲がり、それによって前記針先のコアリングおよびスカイビングを低減する
ことを特徴とする、請求項4に記載の中空の針アセンブリ。
【請求項6】
鋭いスタイレットをさらに含み、前記針先が丸い先端を含み、前記鋭いスタイレットが、前記中空の針を介してかつ前記丸い先端を介して使い捨てできることを特徴とする、請求項4に記載の中空の針アセンブリ。
【請求項7】
経中隔心臓針のための中空の針アセンブリであって、
遠位部;
中間部;および
近位部
を含み、
前記中間部が、前記遠位部および前記近位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様である
ことを特徴とする、中空の針アセンブリ。
【請求項8】
前記中間部が、螺旋構造で構成され、前記近位部および前記遠位部と比較して柔軟性が増加されることを特徴とする、請求項7に記載の経中隔心臓針のための中空の針アセンブリ。
【請求項9】
前記中空の針の前記中間部は、境界壁を含み、前記螺旋構造は、螺旋パターンにおいて前記中間部の前記境界壁の細線化を含むことを特徴とする、請求項8に記載の経中隔心臓針のための中空の針アセンブリ。
【請求項10】
前記中空の針の前記中間部が、螺旋状のラップからなることを特徴とする、請求項8に記載の経中隔心臓針のための中空の針アセンブリ。
【請求項11】
経中隔心臓針のための中空の針アセンブリであって、
遠位部;
中間部;および
近位部
を含み、
前記遠位部が、前記中間部および前記近位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様である
ことを特徴とする、中空の針アセンブリ。
【請求項12】
前記遠位部が、内部に画定された所定の曲線を有することを特徴とする、請求項11に記載の経中隔心臓針のための中空の針アセンブリ。
【請求項13】
経中隔心臓針と共に用いるためのスタイレットアセンブリであって、
遠位部、中間部、および近位部を有する細長いスタイレット本体;
前記細長いスタイレット本体に接続され、前記細長いスタイレット本体が前記隔壁上の所定の位置に対して前進される際に荷重される、バネ機構;
中空の経中隔心臓針;
を含み、
前記バネ機構が、前記中空の針アセンブリが前記隔壁を貫通した後に無荷重とされて、前記中間部が支持されずに伸長しそれにより非外傷性の構成を取り、
前記中空の経中隔心臓針が、
前記中空の針先の内面;および
前記中空の針先の外面
を含むバーズビークの先端を有し、
前記中空の針先が、長手軸および前記針先の先端を有し、前記針先の前記先端が、前記内面および前記外面の前記遠位端においてかつそれに近接して配置され、前記中空の針の前記内面が、前記針先の開口を画定し、前記針先の前記遠位端が、前記針の前記長手軸に対して前記針先の前記開口内側に湾曲される
ことを特徴とする、スタイレットアセンブリ。
【請求項14】
前記中間部が、前記遠位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様であることを特徴とする、請求項13に記載のスタイレット。
【請求項15】
前記遠位部がボール端を有することを特徴とする、請求項13に記載のスタイレット。
【請求項16】
前記バネ機構が、前記針が前記隔壁を貫通した後に前記スタイレットを所定の位置にロックするよう構成されることを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項17】
前記細長いスタイレット本体の前記中間部が、前記遠位部よりも短い直径を有することを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項18】
前記細長いスタイレット本体の前記中間部が、湾曲された構成に付勢されることを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項19】
前記バネ機構が、
筐体;
前記筐体内に摺動可能に配置され、前記細長いスタイレット本体が接続されたピストン;および
前記筐体内に係留して配置され前記ピストンに突き当たるバネであって、前記細長いスタイレット本体を伸長する前記ピストンの動作によって圧縮または伸長される、バネ
を含むことを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項20】
前記バネ機構が、
外側筐体;
同心円状に含まれ、前記細長いスタイレット本体が接続された内側の摺動可能な筐体;
前記内側筐体と前記外側筐体との間に画定される弓状スロット;
前記スロット中に摺動可能に配置されるピンであって、前記外側筐体に関する前記内側筐体および細長いスタイレット本体の相対位置が前記弓状スロットの構成に従って選択的に制御される、ピン
を含むことを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項21】
前記内側筐体に接続されるバネ;および
前記内側筐体に関する前記外側筐体の回転を促進し、前記スロット内の前記ピンの動作を容易にする、前記外側筐体に接続されたノブまたはボタン
をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項22】
前記弓状スロットが、前記外側筐体に接続された前記ノブまたはボタンが前記内側筐体に対して前記外側筐体を回転させるまで前記内側筐体の軸方向の動きを防止するよう構成されることを特徴とする、請求項21に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項23】
前記スロットが、前記内側筐体内に画定された360度回転スロットを含むことを特徴とする、請求項20に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項24】
前記バネ機構が、
外側筐体;
同心円状に含まれ、前記細長いスタイレット本体が接続された内側の摺動可能な筐体;
前記外側筐体中に画定される弓状スロット;
前記外側筐体に固定され前記スロット中に摺動可能に配置される摺動可能ピンであって、前記外側筐体に関する前記内側筐体および細長いスタイレット本体の相対位置が前記弓状スロットの構成に従って選択的に制御される、摺動可能ピン;
前記外側筐体内に収容され、前記外側筐体と前記内側筐体との間で圧縮されるバネ;
前記内側筐体に接続されかつそこから伸長するネジ;および
前記ネジに螺合され、前記外側筐体内に摺動可能に配置されるボタンであって、前記外側筐体内の前記ボタンの動作によって、前記ネジおよびしたがって前記内側筐体が回転され、前記外側筐体に関して前記内側筐体が相対的に平行移動され、前記弓状スロットの構成により可能となる平行移動に従って前記バネが圧縮される、ボタン
を含むことを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項25】
前記バネ機構が、
螺合された近位端を有する外側筐体;
前記外側筐体内に摺動可能に配置される内側筐体;
前記内側筐体に接続され、前記外側筐体の前記螺合された近位端に螺合される、エンドキャップ;
前記筐体に接続されるカム本体;
前記細長いスタイレットに接続され、前記カム本体に上がる、カム歯;
前記カム歯および前記細長いスタイレット本体に接続されるプッシャー;
前記外側筐体中に画定されたスロットであって、それを介して前記プッシャーが伸長し前記プッシャーの手動制御を可能とする、スロット;および
前記外側筐体および前記内側筐体内に係留して配置され前記エンドキャップに突き当たるバネであって、前記プッシャーの回転および前記カム本体上の前記カム歯の位置によって前記細長いスタイレット本体の伸長および前記バネの圧縮が制御される、バネ
を含むことを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項26】
前記バネ機構が、
筐体;
前記筐体内に摺動可能かつ回転可能に配置され、前記細長いスタイレット本体に接続された、スライダー;
前記スライダー中に画定された構成済みスロット;
前記スロット中に配置された枢動ピン;
前記筐体に関して摺動可能に配置され、前記枢動ピンが接続されて枢動される、ボタン;
前記ボタンと前記筐体との間に係留して配置される第1のバネ;および
前記スライダーと前記筐体との間に係留して配置される第2のバネであって、前記筐体に関する前記スライダーおよび細長いスタイレット本体の動作および前記第1および第2のバネの圧縮または伸長が、前記構成済みスロット中の前記枢動ピンの配置によって制御される前記筐体に関する前記スライダーの動作によって制御される、第2のバネ
を含むことを特徴とする、請求項13に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項27】
中空の経中隔心臓針を含むスタイレットアセンブリであって、前記中空の経中隔心臓針が、
前記針の内面;
前記針の外面であって、前記針の前記内面および前記外面が共通の長手軸を有する、外面;
前記針の遠位端に設けられ前記針の面を画定するベベル;
前記針の前記面の遠位端内側に画定される一対の対向する側面ベベルであって、前記針の前記遠位端において交わり針先を画定する、側面ベベル;
前記中空の経中隔心臓針を隔壁上の所定の位置に伸長するための細長いスタイレット本体を含むスタイレット;および
前記細長いスタイレット本体に接続され、前記細長いスタイレット本体が前記隔壁上の所定の位置に対して前進される際に荷重される、バネ機構
を含み、
前記針の前記遠位端および前記針先が、前記針の前記長手軸に向かって曲がり、
前記バネ機構は、前記中空の針アセンブリが前記隔壁を貫通した後に無荷重とされて、前記スタイレットの前記中間部が支持されずに伸長しそれにより非外傷性の構成を取ることを可能とする
ことを特徴とする、スタイレットアセンブリ。
【請求項28】
前記バネ機構が、前記針が前記隔壁を貫通した後に前記スタイレットを所定の位置にロックするよう構成されることを特徴とする、請求項27に記載のスタイレット。
【請求項29】
前記細長いスタイレット本体の前記中間部が、遠位直径よりも短い直径を有することを特徴とする、遠位直径を有する請求項27に記載の細長いスタイレット本体。
【請求項30】
前記細長いスタイレット本体の前記中間部が、湾曲された構成に付勢されることを特徴とする、請求項27に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項31】
前記バネ機構が、
筐体;
前記筐体内に摺動可能に配置され、前記細長いスタイレット本体が接続されたピストン;および
前記筐体内に係留して配置され前記ピストンに突き当たるバネであって、前記細長いスタイレット本体を伸長する前記ピストンの動作によって圧縮または伸長される、バネ
を含むことを特徴とする、請求項27に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項32】
前記バネ機構が、
外側筐体;
同心円状に含まれ、前記細長いスタイレット本体が接続された内側の摺動可能な筐体;
前記外側筐体中に画定される弓状スロット;
前記外側筐体に固定され前記スロット中に摺動可能に配置される摺動可能ピンであって、前記外側筐体に関する前記内側筐体および細長いスタイレット本体の相対位置が前記弓状スロットの構成に従って選択的に制御される、摺動可能ピン
を含むことを特徴とする、請求項27に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項33】
前記外側筐体内に収容され、前記内側筐体に接続されるバネ;および
前記外側筐体に関する前記内側筐体の回転を促進し、前記スロット内の前記ピンの動作を容易にする、前記外側筐体に接続されたノブまたはボタン
をさらに含むことを特徴とする、請求項32に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項34】
前記弓状スロットが、前記外側筐体に接続された前記ノブまたはボタンが前記内側筐体に対して前記外側筐体を回転させるまで前記内側筐体の軸方向の動きを防止するよう構成されることを特徴とする、請求項33に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項35】
前記スロットが、前記内側筐体内に画定された360度回転スロットを含むことを特徴とする、請求項32に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項36】
前記バネ機構が、
外側筐体;
同心円状に含まれ、前記細長いスタイレット本体が接続された内側の摺動可能な筐体;
前記外側筐体中に画定される弓状スロット;
前記外側筐体に固定され前記スロット中に摺動可能に配置される摺動可能ピンであって、前記外側筐体に関する前記内側筐体および細長いスタイレット本体の相対位置が前記弓状スロットの構成に従って選択的に制御される、摺動可能ピン;
前記外側筐体内に収容され、前記外側筐体と前記内側筐体との間で圧縮されるバネ;
前記内側筐体に接続されかつそこから伸長するネジ;および
前記ネジに螺合され、前記外側筐体内に摺動可能に配置されるボタンであって、前記外側筐体内の前記ボタンの動作によって、前記ネジおよびしたがって前記内側筐体が回転され、前記外側筐体に関して前記内側筐体が相対的に平行移動され、前記弓状スロットの構成により可能となる平行移動に従って前記バネが圧縮される、ボタン
を含むことを特徴とする、請求項27に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項37】
前記バネ機構が、
螺合された近位端を有する外側筐体;
前記外側筐体内に摺動可能に配置される内側筐体;
前記内側筐体に接続され、前記外側筐体の前記螺合された近位端に螺合される、エンドキャップ;
前記筐体に接続されるカム本体;
前記細長いスタイレットに接続され、前記カム本体に上がる、カム歯;
前記カム歯および前記細長いスタイレット本体に接続されるプッシャー;
前記外側筐体中に画定されたスロットであって、それを介して前記プッシャーが伸長し前記プッシャーの手動制御を可能とする、スロット;および
前記外側筐体および前記内側筐体内に係留して配置され前記エンドキャップに突き当たるバネであって、前記プッシャーの回転および前記カム本体上の前記カム歯の位置によって前記スタイレットの伸長および前記バネの圧縮が制御される、バネ
を含むことを特徴とする、請求項27に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項38】
前記バネ機構が、
筐体;
前記筐体内に摺動可能かつ回転可能に配置され、前記細長いスタイレット本体に接続された、スライダー;
前記スライダー中に画定された構成済みスロット;
前記スロット中に配置された枢動ピン;
前記筐体に関して摺動可能に配置され、前記枢動ピンが接続されて枢動される、ボタン;
前記ボタンと前記筐体との間に係留して配置される第1のバネ;および
前記スライダーと前記筐体との間に係留して配置される第2のバネであって、前記筐体に関する前記スライダーおよび細長いスタイレット本体の動作および前記第1および第2のバネの圧縮または伸長が、前記構成済みスロット中の前記枢動ピンの配置によって制御される前記筐体に関する前記スライダーの動作によって制御される、第2のバネ
を含むことを特徴とする、請求項27に記載のスタイレットアセンブリ。
【請求項39】
経中隔心臓手術のための細長いスタイレットまたは針に接続されたバネ機構を用いる方法であって、
細長いスタイレットまたは針を、隔壁に対して選択された位置に方向付けられて心臓の心房中に配置する工程であって、前記細長いスタイレットがバネ機構に接続されている、工程;
前記隔壁をテンティングしかつ前記バネ機構にバネ荷重しながら、前記隔壁上の選択された位置に対して前記細長いスタイレットまたは針を前進させる工程;および
前記スタイレットまたは針が隔壁を貫通すると前記バネ機構が自動的に無荷重とされて、前記スタイレットまたは針が反対の心房中に支持されずに伸長し非外傷性の構成を取る、工程
を含む、方法。
【請求項40】
前記バネ機構をロックする工程であって、前記スタイレットが、前記針に関して所定の位置に固定され、心臓組織中への前記針の前進を自動的に防止するよう作用する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記細長いスタイレットまたは針を前記隔壁上の選択された位置に対して前進させる際に、前記細長いスタイレットが前記隔壁をテンティングすることを示すために、前記バネ機構からの視覚、聴覚、または触覚応答をさらに含むことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記細長いスタイレットまたは針が前記隔壁を貫通すると前記バネ機構が無荷重とされる際に、前記針が前記隔壁を貫通したことを示すために、前記バネ機構からの視覚、聴覚、または触覚応答をさらに含むことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば国際分類A61B 17/34;A61M 25/01;A61M 25/09;A61B 17/00;A61B 17/06;A61B 17/22;A61M 5/178;およびA61M 5/32に含まれる、経中隔穿刺装置、アセンブリ、および方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
経中隔穿刺針および経中隔穿刺針アセンブリはよく知られており、より詳細には、湾曲した経中隔イントロデューサを介して挿入を容易にしてイントロデューサの内腔のスカイビング(skiving)を最小限にする湾曲した経中隔穿刺針および針アセンブリが開発されている。そのような針アセンブリの一例が、Gurusamyの特許文献1に開示される。針先が特許文献1の図29に示され、タンジェンシャル背面ベベル、リバース・タンジェンシャル背面ベベル、またはコニカル・タンジェンシャルベベルと称される複数の異なる複雑な構成の1つを備える針先によって画定される。別の例がBednarekの特許文献2に開示される。図16-19に示されるように、針先は、Gurusamyの針先の「特別鋭い(extra sharp)」バージョンを提供する。この構成は、複合的または複雑な多因子の面を考慮し、高価な製造プロセスを行わずに針先において一貫して製造することは困難である。穿刺能力および抗スカイビング性能に関して材料仕様書を高精度としながら、容易かつ安価に製造できる設計が必要である。
【0003】
さらに、イントロデューサの内腔をスカイビングしない針アセンブリに加えて、過度の抵抗なしにまたは隔壁のテンティング(tenting)なしに針が隔壁を越えるまたは貫通できることが所望である。隔壁の繊維性および厚さは、患者ごとに著しく変わる場合があり、経中隔針アセンブリは、患者の変動にかかわりなく隔壁を容易にかつ制御可能に穿刺できることが所望である。したがって、さまざまの繊維性または厚さの隔壁の穿刺を容易にする設計、または異なる程度の針先の鋭さを可能とする設計が必要とされる。
【0004】
経中隔針設計における一般的な検討事項の1つは、隔壁の貫通中の針アセンブリの使用の安全性である。針が隔壁を穿刺した後に、左心房の反対側の壁を損傷または穿刺しうる構成を有する場合、この設計に過度の危険が伴いうる。さらに、針が隔壁の穿刺に対し十分な抵抗を受けて前進するイントロデューサまたは針によって隔壁がテンティングされる場合、穿刺が達成されると隔壁は突然反発し、針先の位置が短時間制御されず、意図されない位置になるまたは心臓の損傷を生じるという結果になりうる。製造の費用および容易さ並びに良好な穿刺性能に加えて、穿刺が達成される際の穿刺の制御性および針先の非外傷性構成の想定もまた所望である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,635,353号明細書
【特許文献2】米国特許第8,114,110号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イントロデューサをスカイビングせず、安価でありかつ高精度で一貫して製造でき、高い穿刺性能を有し、穿刺が達成される際に非外傷性である設計が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
経中隔中空針またはスタイレット(stylet)は、改変されたGurusamyの先端である先端外形を備え、この外形において、リバース背面ベベルが中空針の長手軸に向かって曲げられまたは湾曲されて、「バーズビーク(bird’s beak)」と称され、丈夫なまたは繊維性の中隔において改良された貫通性能を与える。針の1つの実施形態は、柔軟な中間部および/または2部品構成を有し、針の遠位部が針の近位部上に圧着され、それによって製造コストが低減される。針またはスタイレットは、針またはスタイレットアセンブリのハブ中のバネ機構と組み合わせられる。バネ機構は、針またはスタイレットの先端を、アセンブリの遠位端から伸長する中間位置に配置し、隔壁がテンティングされるとアセンブリ内でバネ懸架式の完全に収縮した構成に針またはスタイレットを移動させ、次いで針またはスタイレットが隔壁を貫通する際にバネ懸架式の針またはスタイレットを解放する。
【0008】
より詳細には、本発明の例示的実施形態は、経中隔心臓針のための中空の針先を含む。針先は、以下を含む:中空の針先の内面;中空の針先の外面;ここで中空の針先は長手軸を有する;および、内面の遠位端においてかつそれに近接して配置され、外面から離れかつ内面に近接して配置される、針先の先端であって、先端は、針先の長手軸に関して角度付けられて針先の開口を画定し、先端の開口が方向付けられる針先の前部を画定し、かつ針先の前部に対向する針先の後部を画定し、針先の遠位端が、針先の後部から離れて針先の開口に向かって湾曲される。
【0009】
別の実施形態において、本発明の例示的実施形態は、経中隔心臓針のための中空針アセンブリを含む。針アセンブリは、以下を含む:遠位端を有するカニューレ;遠位端を有するインサートであって、カニューレの遠位端上に圧着されるインサート;およびインサートの遠位端中に画定される針先。
【0010】
1つの実施形態において、中空針アセンブリはさらに、鋭いガイドワイヤーを含み、針先は丸い先端を有し、鋭いガイドワイヤーは、中空針を介しておよび丸い先端を介して使い捨てできる。
【0011】
別の実施形態において、本発明の例示的実施形態は、経中隔心臓針のための中空針アセンブリを含む。針アセンブリは、遠位部、中間部、および近位部を含み、中間部は、遠位部および近位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様である。
【0012】
1つの実施形態において、中間部は螺旋構造で構成され、近位部および遠位部と比較して柔軟性が増加される。
【0013】
別の実施形態において、中空針の中間部は境界壁を含み、螺旋構造は螺旋パターンにおいて中間部の境界壁の細線化(thinning)を含む。
【0014】
さらに別の実施形態において、中空針の中間部は、螺旋状にくるまれたリボンからなる。
【0015】
別の実施形態において、本発明の例示的実施形態は、経中隔心臓針のための中空針アセンブリを含む。針アセンブリは、遠位部、中間部、および近位部を含み、遠位部は、中間部および近位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様である。
【0016】
1つの実施形態において、遠位部は内部に画定された所定の曲線を有する。
【0017】
別の実施形態において、本発明の例示的実施形態は、遠位部、中間部、および近位部を含む経中隔心臓針のために用いるスタイレットアセンブリを含み、中間部は、遠位部および近位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様である。スタイレットは、中空針アセンブリを隔壁上の所定の位置に伸長するための細長いスタイレット本体;および、細長いスタイレット本体に接続されたバネ機構を含み、細長いスタイレット本体が隔壁上の所定の位置に対して前進されるとバネ機構に荷重がかけられ、中空針アセンブリが隔壁を貫通した後にバネ機構が無荷重となり、中間部が支持されずに伸長しそれにより非外傷性の構成が取られる。
【0018】
別の実施形態において、本発明の例示的実施形態は、遠位部、中間部、および近位部を含む中空の経中隔心臓針を含むスタイレットアセンブリを含み、中間部は、遠位部および近位部よりも柔軟である材料の構成または組成の態様であり、中空の経中隔心臓針は、以下を含む先端を有する:中空針先の内面;中空針先の外面であって、ここで中空針先が長手軸および針先の先端を有し、針先の先端は内面の遠位端においてかつそれに近接して配置され、針先の先端は外面から離れかつ内面に近接して配置され、先端は針先の長手軸に関して角度付けられて針先の開口を画定し、先端の開口が方向付けられる針先の前部を画定しかつ針先の前部に対向する針先の後部を画定し、針先の遠位端が、針先の後部から離れて針先の開口に向かって湾曲され;中空経中隔心臓針を隔壁上の所定の位置に伸長するための細長いスタイレット本体を含むスタイレット;および、細長いスタイレット本体に接続されたバネ機構であって、細長いスタイレット本体が隔壁上の所定の位置に対して前進されるとバネ機構に荷重がかけられ、中空針アセンブリが隔壁を貫通した後にバネ機構が無荷重となり、中間部が支持されずに伸長しそれにより非外傷性の構成が取られる。
【0019】
1つの実施形態において、バネ機構は以下を含む:筐体;筐体内に摺動可能に配置され、スタイレットが接続されたピストン;および、筐体内に係留して配置されピストンに突き当たるバネであって、スタイレットを伸長するピストンの動作によって圧縮または伸長されるバネ。この実施形態のバリエーションにおいて、バネ機構はさらに以下を含む:ハウジング内に画定されるスロット;及び、スロットを介してピストンに接続されスタイレットを伸ばすまたは引き込むよう移動可能である、スライダーアセンブリ。
【0020】
別の実施形態において、バネ機構は以下を含む:外側筐体;同心円状に含まれる内側の摺動可能な筐体であって、スタイレットが接続された内側筐体;外側筐体中に画定される弓状スロット;外側筐体に固定されスロット中に摺動可能に配置される摺動可能ピンであって、外側筐体に関する内側筐体およびスタイレットの相対位置が弓状スロットの構成に従って選択的に制御される、摺動可能ピン;外側筐体内に収容され、外側筐体と内側筐体との間で圧縮されるバネ;および、内側筐体に対して外側筐体の手動による回転を促進しスロット内でのピンの動作を容易にする、外側筐体に接続されたノブ。スロットは、内側筐体内に画定された360度回転スロットを含んでもよい。
【0021】
別の実施形態において、バネ機構は以下を含む:外側筐体;同心円状に含まれる内側の摺動可能な筐体であって、スタイレットが接続された内側筐体;内側筐体中に画定される弓状スロット;外側筐体に固定されスロット中に摺動可能に配置される摺動可能ピンであって、外側筐体に関する内側筐体およびスタイレットの相対位置が弓状スロットの構成に従って選択的に制御される、摺動可能ピン;外側筐体内に取り付けられ、外側筐体と内側筐体との間で圧縮されるバネ;内側筐体に接続されそこから伸長するネジ;および、ネジに螺合され、外側筐体内に摺動可能に配置されるボタンであって、外側筐体内のボタンの動作によってネジおよびしたがって内側筐体が回転され、外側筐体に対して内側筐体が相対的に平行移動され、弓状スロットの構成により可能となる平行移動に従ってバネが圧縮される。
【0022】
別の実施形態において、バネ機構は以下を含む:螺合された近位端を有する外側筐体;外側筐体内に摺動可能に配置される内側筐体;内側筐体に接続され、外側筐体の螺合された近位端に螺合されるエンドキャップ;筐体に接続されるカム本体;スタイレットに接続されカム本体に上がるカム歯;カム歯およびスタイレットに接続されたプッシャー;外側筐体内に画定されたスロットであって、それを介してプッシャーが伸長しプッシャーの手動制御を可能とする、スロット;および、外側筐体および内側筐体内に係留して配置されエンドキャップに突き当たるバネであって、プッシャーの回転およびカム本体上のカム歯の位置によってスタイレットの伸長およびバネの圧縮が制御される、バネ。
【0023】
別の実施形態において、バネ機構は以下を含む:筐体;筐体内に摺動可能かつ回転可能に配置され、スタイレットに接続されたスライダー;スライダー中に画定された構成済みスロット;スロット中に配置された枢動ピン;筐体に関して摺動可能に配置され、枢動ピンが接続されて枢動されるボタン;ボタンと筐体との間に係留して配置される第1のより強いバネ;および、スライダーと筐体との間に係留して配置される第2のより弱いバネであって、筐体に関するスライダーおよびスタイレットの動作および第2のバネの圧縮または伸長が、構成済みスロット中の枢動ピンの配置によって制御される筐体に対するスライダーの動作によって制御され、筐体中にボタンを押し下げることによって第1のバネに予め荷重が加えられ、ボタンが筐体から自由に戻ることができる際に枢動ピンが係合されてスライダーが開始位置に戻される。
【0024】
別の実施形態において、本発明の例示的実施形態は、以下を含む先端を有する中空経中隔心臓針を含むスタイレットアセンブリを含む:中空針先の内面;中空針先の外面であって、ここで中空針先が長手軸および針先の先端を有し、針先の先端は内面の遠位端においてかつそれに近接して配置され、針先の先端は外面から離れかつ内面に近接して配置され、先端は針先の長手軸に関して角度付けられて針先の開口を画定し、先端の開口が方向付けられる針先の前部を画定しかつ針先の前部に対向する針先の後部を画定し、針先の遠位端が、針先の後部から離れて針先の開口に向かって湾曲され;中空経中隔心臓針を隔壁上の所定の位置に伸長するための細長いスタイレット本体を含むスタイレット;および、細長いスタイレット本体に接続されたバネ機構であって、細長いスタイレット本体が隔壁上の所定の位置に対して前進されるとバネ機構に荷重がかけられ、中空針アセンブリが隔壁を貫通した後にバネ機構が無荷重となり、中間部が支持されずに伸長しそれにより非外傷性の構成が取られる。
【0025】
上記のバネ機構の実施形態のすべておよび各々は、上記の硬いスタイレットと組み合わされてもよい。
【0026】
別の実施形態において、本発明の例示的実施形態は、以下の工程を含む、経中隔心臓手術のための細長いスタイレットまたは針に接続されたバネ機構を用いる方法を含む:細長いスタイレットまたは針を、隔壁に対して選択された位置に方向付けられて心臓の心房中に配置する工程であって、スタイレットがバネ機構に接続されている、工程;隔壁をテンティングしかつバネ機構にバネ荷重しながら、隔壁上の選択された位置に対して細長いスタイレットまたは針を前進させる工程;および、スタイレットまたは針が隔壁を貫通するとバネ機構が無荷重とされて、スタイレットまたは針が反対の心房中に支持されずに伸長し非外傷性の構成を取る、工程。
【0027】
上記の方法は、上記のバネ機構の実施形態のすべておよび各々においておよびそれを用いて実行できる。
【0028】
開示されるノンコアリング(noncoring)経中隔針の例示的実施形態は、以下を提供する:スカイビングに対する改良された抵抗性;不慮の穿刺を減少することによる改良された安全性;改良されたより低い穿刺力;および、改良されたより低い製造コスト。
【0029】
実施形態は、任意の経中隔針設計で用いることができ、湾曲したまたは歪んだ丸い先端およびバネ活性化したハブを有するスタイレットワイヤーを含む。ハブは、穿刺の後にスタイレットの動作を止めるように構成されてもよく、そのためにスタイレット先端が歪められる必要はない。この装置のさまざまの実施形態は、以下を提供する:針の中で誘導スタイレットを用いることにより、針による不慮の穿刺を低減することによる改良された安全性;隔壁の横断の聴覚、触覚および視覚による確認;および、単純な低コストの構成。
【0030】
別の実施形態は、内側(または外側)カニューレ上に鋭い「バーズビーク」の遠位先端を備えた2部品の圧着針からなる。バーズビークの輪郭表面は、湾曲したB-ベベル(B-bevels)と称される。この先端の構成の利点は、丈夫なおよび/または繊維性の隔壁を容易に穿刺するために著しく鋭い遠位先端を維持しながら、イントロデューサを介して挿入される際にスカイビングしない設計である。
【0031】
上記の装置および方法は、機能的説明を用いて文法的な流れで説明されてきたまたは以下に説明されるが、35 USC 112の下で明確に定められない限り、請求項は、「手段(means)」または「工程(steps)」の構文によって必ずしも何らかの限定をするものとして解釈されるべきではなく、裁判所の均等論の下で請求項により与えられる定義の意味および均等物の全範囲を認めるものであると明確に理解されるべきであり、請求項が35 USC 112の下で明確に定められる場合には、35 USC 112の下で完全な法定の均等物を認めるものである。本開示は、同様の要素が同様の番号により参照される以下の図面を参照することによって、より良好に視覚化できる。
【0032】
本開示およびさまざまの実施形態は、請求項に定められる実施形態の例示的な実施例として提示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって、より良好に理解できる。請求項によって定められる実施形態は、以下に説明される例示的な実施形態より広くてもよいことが明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】標準的なB-ベベル針先を有する従来技術の針先の側面斜視図
図1b】針先の反対側に向かって曲げられ「バーズビーク」針先としてここで言及される、リバース背面ベベルを有する針先の側面斜視図
図2a図1aの従来技術のB-ベベル針先の側面図
図2b図1aの針先の上面図
図2c図1aの針先の側面斜視図
図2d図1aの針先の上面斜視図
図3a図1bの針先の側面斜視図
図3b図1bの針先の上面図
図3c図1bの針先の側面図
図4】改良された実施形態の湾曲した経中隔針アセンブリの全体的な側面図
図5図4の針アセンブリの遠位部の拡大された長手方向の断面図
図6a】湾曲した経中隔拡張器に挿入されている図1aに示される経中隔穿刺装置の遠位部の垂直断面図
図6b】湾曲した経中隔拡張器に挿入されている図1bに示される「バーズピーク」先端構成を有する湾曲した経中隔穿刺装置の遠位部の垂直断面図
図7】垂直断面図に示される遠位部を有する2部品設計を持つ経中隔穿刺装置の全体側面図
図8a】丸い針先の垂直断面図
図8b】丸い針先の側面斜視図
図8c】丸い針先の斜視図
図9a】参照によりここに引用されるGurusamyらの米国特許第7,635,353号明細書の図29に示されるような従来の背面ベベル針先の斜視図
図9b】Gurusamyらの米国特許第7,635,353号明細書の図29に示されるような従来の背面ベベル針先の側面斜視図
図9c】Gurusamyらの米国特許第7,635,353号明細書の図29に示されるような従来の背面ベベル針先の上面斜視図
図9d】Gurusamyらの米国特許第7,635,353号明細書の図29に示されるような従来の背面ベベル針先の側面図
図10】針の中間部が柔軟な特性を備える、経中隔穿刺装置の実施形態の遠位部の側面図
図11a】針の中間部が所定の柔軟性を有して構成される実施形態の遠位部の垂直断面図
図11b図11aの実施形態の遠位部の拡大された垂直断面図
図11c図11aの実施形態の遠位部の拡大された斜視図
図12】針の遠位部が所定の柔軟性を有して構成される実施形態の側面図
図13】中間部ではなく遠位部が、近位部よりも曲がりやすくなるような材料から製造または形成される、図12と同様の経中隔穿刺装置の実施形態の遠位部の側面図
図14図13のJ字カーブと比較して螺旋状の先端が実質的に長くなった、図13の実施形態と同様の実施形態の遠位部の側面図
図15a】針の遠位部がリボン-螺旋状構造で作製され、イントロデューサ内に収容される際に柱強度を失わずに柔軟性を与える、実施形態の遠位部の側面図
図15b図15aの実施形態の針の遠位部の側面斜視図
図16】鋭い針およびバネスタイレットアセンブリの側面図
図17】スタイレットおよびバーズビーク先端の針を含むアセンブリの側面図
図17a】スタイレットの先が丸い先端の針の遠位端から伸長するが、スタイレットの減少した直径部分が針中に保持され柱強度が維持される、図17のバーズビーク先端の針およびスタイレットの遠位端の拡大図
図17b】スタイレットの先が針中に完全に引き込まれる、図17のバーズビークの先端の針およびスタイレットの遠位端の拡大図
図17c】スタイレットの先が針から完全に伸長する、図17のバーズビークの先端の針およびスタイレットの遠位端の拡大図
図18図17-17cのスタイレットに接続されたバネ機構の垂直断面図
図19】スタイレットに接続されたロック可能なスライダーを有するバネ機構の別の実施形態の垂直断面図
図20】スタイレットに接続されたハブアセンブリおよびバネ機構の別の実施形態の側面図
図21】スタイレットに接続されたハブアセンブリおよびバネ機構のさらに別の実施形態の側面図
図22】スタイレットに接続されたハブアセンブリおよびバネ機構のさらに別の実施形態の側面図
図23】スタイレットに接続されたハブアセンブリおよびバネ機構の別の実施形態の側面図
図24】スタイレットに接続されたハブアセンブリおよびバネ機構のさらに別の実施形態の側面図
図25】バーズビークの先端の針およびスタイレットを用いて心房経中隔手術が行われている心臓の略断面図
図26】丸い先端の針および鋭い内側のスタイレットを用いて心房経中隔手術が行われている心臓の略断面図
図27a】米国特許第8,114,110号明細書に示される従来技術のGurusamyの針先の1つの実施形態の上面図
図27b】米国特許第8,114,110号明細書に示される従来技術のGurusamyの針先の1つの実施形態の側面図
図27c】米国特許第8,114,110号明細書に示される従来技術のGurusamyの針先の1つの実施形態の斜視図
図28a】米国特許第8,114,110号明細書に示される従来技術のGurusamyの針先の背面ベベルを有する別の実施形態の上面図
図28b】米国特許第8,114,110号明細書に示される従来技術のGurusamyの針先の背面ベベルを有する別の実施形態の側面図
図28c】米国特許第8,114,110号明細書に示される従来技術のGurusamyの針先の背面ベベルを有する別の実施形態の底面図
図28d】米国特許第8,114,110号明細書に示される従来技術のGurusamyの針先の背面ベベルを有する別の実施形態の斜視図
図29a】経中隔イントロデューサ内に挿入された従来技術の構成を有する湾曲した経中隔穿刺装置の拡大された垂直断面図
図29b】バーズビークの新しい構成を有する湾曲した経中隔穿刺装置の拡大された垂直断面図
図30】針先が特別に画定された先端オフセットおよび先端オフセット長を有する所定のバーズビークに形成される、一連の工程を示す先の鋭い針または皮下注射針の側面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1aは、B-ベベル構成を持つ従来技術の構成を有する針先10を示し、針先10は、垂直線から約18度はずれた主ベベル12、および先端16を画定する左右のタンジェンシャルベベルを含む。針先10は、穿刺先端先端16およびベベル12により画定される楔状面を含み、図2bおよび2dを参照すると2つの分断された表面セグメントを含むことが分かる。画定先端16は、主ベベル12により画定される針先10の内径において切端または先端17と略半径方向に位置合わせされ、バーズビーク針10がノンコアリングとなる。図1bは、「バーズビーク」構成を有する針先10を示し、針先10は、図1aの設計と共通であるいくつかの構成要素を有するタンジェンシャル背面ベベル構成を含むが、従来のA-ベベル、B-ベベル、またはC-ベベル穿刺先端は、内側にまたは針先10の反対側に向かって曲げられて輪郭表面22を提供する。針は、中空針の開口に向かって湾曲する鋭いとがった先端を示し、中空針の外面からのとがった先端のオフセットおよび中空針の内面からのとがった先端のオフセットを生じる。今では陳腐化した連邦仕様書GG-N-196に詳細に定められるように、A-ベベル穿刺先端は通常、垂直線から12度はずれた主ベベルを有し、B-ベベル穿刺先端は通常、垂直線から18度はずれた主ベベルを有し、C-ベベル穿刺先端は通常、垂直線から30度はずれた主ベベルを有する。同様の針先設計は、ISO 7864に見ることができる。主ベベル角度が低くなると、固有の穿刺力が低下する。表1は、標準的な経中隔針の穿刺力について正規化されたさまざまの実施形態について穿刺力の比較を提供し、「バーズビーク」オフセット先端構成を、標準的なおよび「特別鋭い」市販の経中隔針先に照らしたb-ベベルと比較する。特別鋭い先端の2つの実施形態の詳細は、図27a-27cにより良好に示され、米国特許第8,114,110号明細書に示されるように背面ベベルを有する先端について図28a-28dに示される。この実施形態は、針先10が挿入されるイントロデューサ(図示せず)の内面に沿った削りのリスクを低減する一方で、心臓の丈夫なおよび/または繊維性の隔壁を通る穿刺を容易にするように鋭い遠位穿刺先端20を維持する。
【0035】
【表1】
【0036】
図4の、および、図5の拡大部分図においてより良好に示される、カニューレ-インサートアセンブリ24において、カニューレ26は拡張器40(図6a)内で使用されて、湾曲した経中隔イントロデューサ32(図6a)を形成し、それに支柱を提供する。近位端において、カニューレ26はハブおよびハンドルアセンブリ30中に適合し、これを用いて、図6aおよび6bに示されるイントロデューサ32内へのカニューレ-インサートアセンブリ24の挿入が方向づけられる。カニューレ26の遠位端において、インサート34は、カニューレ26の内腔中に供給される。インサート34の遠位端は、図4に示されるような構成を備え、カニューレの遠位端を超えて伸長して穿刺先端として作用する。インサート34は、針10の先端16または20を一体的に含む、あるいは、先端16または20はインサート34を有する2部品構成でもよい。インサート34は、圧着領域36を用いてカニューレ26管腔内の所定の位置に固定され、カニューレ壁は内側に圧縮されすべての側面で小さい戻り止め(detents)を有し、小さい折り目または隆起が形成されてインサート34の外壁をとらえる。圧着は、特に異なる材料で作製される場合に、管状の部品を接続する経済的で、素早くかつ信頼できる手段である。このようにして、針10のための高価な遠位部品を、より安価なインサート34またはより安価なカニューレ26に接続でき、それにより、カニューレ-インサートアセンブリ24が実質的に単純化されかつコストが低減される。次いで、カニューレ-インサートアセンブリ24は、遠位湾曲を用いて成形され、心臓中の所望の生体組織に適合する。図3cの「バーズビーク」実施形態はまた、所望の主ベベル角度を有する勾配付き針先で始まり、ベベルのヒールに向かって内側に針先を「曲げる」ことにより、容易に構成される。この操作は、以下で図30に関して論じられるように曲がりの量がイントロデューサのスカイビングを防止しながら低い穿刺力を維持するために重要であるので、正確な仕上げまたはダイを必要とする。
【0037】
図30は、一連の工程を示す先の鋭い針または皮下注射針の側面図を示し、針先は、特に画定された先端オフセットおよび先端オフセット長を有する所定のバーズビークに形成される。針先10は、図30の最も右側に最もよく示されるように、外径11を有する中空針に形成される。所定の湾曲を画定する、図示されていないダイが、針10上に、図10において右から左に移動する針10の一連の側面図により提案されるように針10上で所定の湾曲の選択された1つを形成することにより、配置される。最後に、針10の所定の形状または湾曲が形成され、穿刺先端20および輪郭表面22を有する。穿刺先端20の最前の伸長から針10の背面までの先端オフセット21は、1つの実施形態において、最小で0.010インチ(0.254mm)および最大で針10の外径の1.5倍と定められる。先端オフセット23は、ちょうど曲がり始める輪郭表面22の基部から穿刺先端20までの垂直投影における距離として定められる。
【0038】
図30の針先10の動作および利点が、図29aおよび29bの比較により説明される。図29aは、経中隔イントロデューサ内に挿入される従来技術の構成を有する図1aの湾曲した経中隔穿刺装置10の拡大された垂直断面図である。まっすぐな鋭い先端16が図示され、拡張器40の内壁41をスカイビングする。図29bは、バーズビークの構成を有する図1bの湾曲した経中隔穿刺装置10の拡大された断面図である。先端20は、針10の長手軸に関して内側に曲げられ、それによって先端20が拡張器40の内壁41からオフセットされる。この曲げによって、先端20が拡張器40上に引っかからないため、スカイビングの可能性が低減される。
【0039】
図6aは、シース(図示せず)および中空拡張器42からなる湾曲した経中隔イントロデューサ32中に挿入される、図1aに示される従来技術の先端構成を有する湾曲した経中隔穿刺装置38の遠位部の垂直断面図である。拡張器42は、凸面44および凹面46、並びに、その中で使用される生体組織の湾曲に適合するよう意図される所定の湾曲を有する。針10が拡張器の管腔48を通って前進すると、針の第1の面が拡張器42の凸面44に沿って移動する。針10が拡張器42の湾曲中に進むと、従来技術の構成の穿刺先端16の先端が、拡張器42の凹面46の内面に沿ってこすれうる。その結果、経中隔穿刺装置38は、拡張器42を介して挿入することが困難であり、拡張器材料をその内面から削り(スカイビングし)うる。次いで、この材料は、拡張器42または針10の管腔48を塞ぎうる、あるいは、患者中に遊離しうる。
【0040】
図6bは、上記の図6aと同様にかつ以下の図29bおよび30により良好に示されるように、湾曲した経中隔拡張器42中に挿入される、図1bに示される「バーズビーク」先端構成を有する湾曲した経中隔穿刺装置38の遠位部の垂直断面図である。従来技術のものと異なり、この先端構成は内側に曲がるので、針10が拡張器42の管腔48を通って前進する際、穿刺先端20の先端は拡張器42の凸面44の内面に沿って移動しない。先端20を上方または針10の反対側に向かって曲げることにより生じる、先端20の後方かつそこから近位の背面ベベルの丸い表面によって、穿刺先端20の先端が、拡張器42の内面に接触することなく拡張器42の管腔48を通って妨げられずに移動する。これによって、経中隔穿刺装置38の前進が容易になり、患者中に入りうる拡張器材料を削る(スカイビングする)リスクが低減される。
【0041】
拡張器42内で用いられる丸い端部のカニューレ26は、湾曲した経中隔イントロデューサ32に所定の形状を与え、支柱を提供する。その近位端において、カニューレ26は、ハブおよびハンドルアセンブリ30中に適合され、これは、湾曲した経中隔イントロデューサ32中へのカニューレ-インサートアセンブリ24の挿入を方向付けるために使用される。カニューレ26の遠位端において、インサート34が内腔28中に供給される。このインサート34の遠位端は、図1aまたは1bにおいて論じられるような構成を与えられ、カニューレの遠位端を超えて伸長し穿刺先端として作用する。上述のように、インサート34は、圧着領域36によってカニューレ内腔28内の所定の位置に固定され、カニューレ壁は、すべての側面で内側に圧縮されて小さい折り目または隆起が形成されてインサート34の外壁をとらえる。図示される実施形態は、最も経済的かつ実用的な接続の手段としてインサート34の接続の構造として圧着を利用するが、接着、はんだ付け、スエージング(swaging)または他の同等の手段によってインサート34を結合することもできる。次いで、カニューレ-インサートアセンブリは、内部でアセンブリが使用される生体組織に適合するように遠位湾曲を与えられる。この実施形態は、前述の実施形態と類似するが、アセンブリの2部品圧着方法によって製造コストが著しく低減される。
【0042】
別の実施形態において、図7におけるインサート34の遠位端または2部品圧着針10は、図8a-8cに示されるように丸い先端の構成を備える。鋭い先端または穿刺端はないが、先端52は、拡張器42の管腔48(図6a)の円滑な通過を可能にする、面取り、平縁、半径、または他の特徴を備えてもよい。この経中隔穿刺装置38の実施形態は、鋭い先端のガイドワイヤー50(図示せず)、または鋭い先端のスタイレット51(図示せず)と共に用いることが意図される。隔壁は、丸い拡張器42および/または丸い針10の先端52を用いることにより、従来の医療行為と同様にテンティングされうる。次いで、鋭い先端のガイドワイヤー50を用いて隔壁を穿刺する。次いで、鋭い先端のガイドワイヤー50および丸い針10を左心房中に前進させうる。この実施形態は、鋭い先端のガイドワイヤー50を用いる際に鋭い針先が必要でないため有利である。丸い先端の針10は、ガイドワイヤー50に支柱を提供する一方で、挿入中の拡張器42のスカイビングの機会を低減し、従来の貫通針先よりもはるかに鋭くないので、左心房の自由壁を穿刺するリスクが低減される。
【0043】
図8a-8cの丸い先端52が2部品針構成に含まれうるだけでなく、任意の他の既知の針先構成が、開示される圧着された2部品針構成と共に用いられてもよい。
【0044】
図10は、経中隔穿刺装置38の実施形態の遠位部の側面図であり、針10の中間部56は、所定の柔軟性を有して設計される。針10の近位部58は硬く、イントロデューサ32を通過する際に柱強度を提供する。針10の中間部56は、近位部58よりも曲がりやすくなるような材料から製造または形成される。例えば、中間部56は、ニチノールから成り、摂氏500度で10分間アニーリングされて、延伸条件で別の方法では超弾性のニチノールワイヤーにおいて応力を解放する。あるいは、材料は、近位部58または遠位部60よりも柔らかい材料から作製されてもよい。例えば、中間部56はポリマーから作製されてもよい一方で、近位部58および遠位部60はより硬い材料、例えば、スチール、ニッケル-チタン合金、エラストマー、またはより硬質のポリマーから作製される。あるいは、中間部56は、以下から構成されてもよく:より硬い材料のコイル;一連の間隙のあるバンド(spaced bands);スリット、溝、ノッチ、窪み、または、中間部56の壁の部分を薄くする他の表面または本体の変形を備え;または、中間部56が収縮する性能を有するように、螺旋状構成で、または壁を形成する螺旋状リボンを有して、または図11a-11cに示されるような壁の螺旋状細線化を有して製造される。
【0045】
中間部56は、溶接、圧着、接着剤により付着、または、近位部58および遠位部60と同じ部品または同じ種類の材料から製造されてもよい。1つの実施形態において、中間部56は、約80mmの長さであり、装置38に提供される所望のまたは所定の湾曲は中間部56によって完全に定められる。
【0046】
遠位部16、20、52、または54は、丈夫なおよび/または繊維性の隔壁を直接的または間接的に容易にする実施形態を備える。しかしながら、隔壁を通過した後、延性の中間部56はイントロデューサ32によってそれ以上は支持されず曲がる。中間部56の曲げによって、針10の近位部58との位置合わせから遠位または穿刺先端16、20、52、または54が移動し、それにより、穿刺位置および最初の穿刺方向と直接位置合わせされた解剖学的構造に非外傷性となる。
【0047】
図12は、図10、11a-11cと同様の経中隔穿刺装置38の実施形態の遠位部の側面図であり、中間部56ではなく遠位部60は、装置38の遠位部60が近位部58よりも曲がりやすくなる材料からまたはそのような態様で製造または形成される。
【0048】
図13は、図12と同様の経中隔穿刺装置の実施形態の遠位部の側面図であり、中間部56ではなく遠位部60は、近位部58よりも曲がりやすくなる材料から製造または形成される。遠位部60は、J字カーブを定めるように所定の湾曲またはバイアスを有して形成されてもよい。この実施形態は、J字形状の遠位先端を有するフロッピーガイドワイヤーと同様の態様で製造されてもよい。イントロデューサ32によって支持されない場合、非外傷性の遠位カーブを定め、それによって、穿刺端が患者の生体組織の他の部分と接触することを防ぐ。
【0049】
図14は、図13に示されるのと同様の実施形態を示し、螺旋状の柔軟な先端部60が、装置38の使用が意図される医療用途の必要条件に従って実質的に長くなる点が変更される。
【0050】
図15aは、図12と同様の経中隔穿刺装置38の実施形態の遠位部の側面図であり、遠位端部60および中間部56の一部が、近位部58よりも曲がりやすくなる材料から製造または形成される。図15bの拡大透視図は、螺旋状にまかれたリボン62を用いて遠位部60および中間部56の螺旋状構成を説明し、リボン62は、0.2~0.8mmの幅および0.1~0.25mmの厚さを有し1cmごとに10~20ラップの螺旋性を有するステンレス鋼またはニチノールなどから作製される金属リボンから形成される。そのような構成済み遠位部60および中間部56は、針10の長手軸に垂直な任意の変位に容易に曲げられるが、針10が拡張器42またはイントロデューサ32内に収容される場合に任意の長手方向の圧縮に対して実質的に柔軟性がない。
【0051】
スタイレット64は、経中隔穿刺装置38と共に使用してもよい。スタイレット64は、針アセンブリ38の近位ハブ30上にロックし、金属、ポリマー、複合材料、ゴム、セラミック、またはガラスから成るが、好ましくはステンレス鋼またはニッケルチタン合金から成る。
【0052】
図16のスタイレット64の遠位部は、遠位端16、20から小さい所定の距離、例えば1~10mm離れた中間部56を有し、上記と同様に、中間部56は、中間部56の近位または遠位であるスタイレット64の部分よりも曲がりやすい態様で製造されるまたはそのような材料から形成される。例えば、中間部56は、約0.018インチの直径を有する近位物58および約0.018インチの直径を有する遠位部60に対して約0.008インチの直径にネックダウンされてもよく、中間部56において曲げに必要な力が小さくなる。あるいは、幾何学的、材料、または構造の変更によって、例えば、スリット、溝、切り取り、ノッチ、窪み、平面、楕円、テーパ、または中間部56の壁の部分を薄くする他の変更によって、中間部56をより柔軟性にしてもよく、中間部56の壁の部分は、構造的変更をカバーするより柔らかい材料のコーティングまたは押出を有しても有しなくてもよい。遠位部60または中間部56は、体温にさらされると湾曲を形成する形状記憶合金(SMA)のようなより柔らかい材料から作製されてもよい。中間部56はまた、スタイレット64を長手軸から外れて容易にかつ一時的に曲げるように設計されたヒンジまたはコイルから構成されてもよい。遠位部60はまた、近位部58に対して曲げられ、湾曲され、角度付けられ、あるいは熱成形されてもよく、先端の曲げを開始するために必要な力がさらに小さくなる、あるいは、遠位端16、20がまっすぐな場合よりも体組織に対して非外傷性になる。遠位部60の端部は、円滑な、丸い、球の、球面の、ボール-端、またはR加工された先端を有してもよく、スタイレットをさらに非外傷性とし心臓組織への損傷を防ぐ。
【0053】
スタイレット64および針78の動作が、図25に概略的に図示される。心房経中隔手術の動作は、以下を含む4つの工程からなることが分かる:1)図17aに示されるように配置される針78に関して中間の進行でスタイレット64を用いて隔壁11をテンティングする第1の工程;2)隔壁(図25の11)により図17bに示されるようにスタイレット64が針78中に完全に押し込まれる第2の工程;図25に示されるように針78が遠位に伸長し隔壁11を貫通する第3の工程;および4)スタイレット64が針78を通って前方に突出して針先86がさらに貫通することを防ぐ第4の工程。図25は、図1bのバーズビーク針実施形態10および図17のスタイレット64を有する湾曲したイントロデューサアセンブリ88を示す。拡張器88およびスタイレット64を用いて隔壁11をテンティングする。次いで、スタイレット64が針78中に完全に押し込まれると、針78の鋭い先端が隔壁11を貫通し、スタイレット64は左心房13中に突出して外傷性の構成または形状を取る。次いで、拡張器88は、針78およびスタイレット64を超えて左心房13中に前進することができる。
【0054】
図26は、鋭いスタイレット65を有する丸い先端の針52を示す。この実施形態において、スタイレット65は、隔壁11を穿刺するために使用される鋭い先端を有する。丸い先端の針52は、イントロデューサに柱強度を与え隔壁11のテンティングを補助するためにのみ使用される。隔壁11がテンティングされると、スタイレット65がユーザによって前進され、鋭い先端が隔壁11を穿刺する。次いで、穿刺65は、左心房13中に前進し、非外傷性の構成を取る。次いで、丸い先端の針52および拡張器88は、スタイレット65を超えて左心房13中に前進しうる。
【0055】
図16に示されるように、スタイレット64の近位端にバネ状機構66が取り付けられる。バネ状機構は、線形バネ、トーションバネ、ギア、弾性、関節、空気圧、ボタン、または所望の反応力を生じる任意の他の手段の1つまたは複数の形態をとりうる。バネ機構66のさまざまの実施形態が、図17-24に関して以下に論じられる。近位部58またはスタイレットワイヤーがバネ状機構66中に供給される一方で、ロック部68が針ハブ30(図示せず)に接続する。バネ状機構66は、伸長状態で非伸長または中立長さに戻る傾向がある態様で作用する任意のバネまたは弾性材料から形成される。バネ状機構66は、バネ金属、ポリマー、エラストマー、ゴム、ニッケルチタン合金または超弾性材料から製造される。コイル92およびピストン70の1つまたは複数から構成される。
【0056】
バネ機構66の1つの実施形態が図18に示され、ハブアセンブリ30の一部を形成する筐体90は、ピストン70に対向する圧縮バネ92を含み、ピストン70は筐体90中で摺動可能に配置され、スタイレット64が取り付けられる。
【0057】
図19に示される1つの実施形態において、バネ状機構66およびハブアセンブリ30は、筐体90内に定められバネ92および/またはスタイレット64に接続されるスロット96中に設定されるスライダー94を含む。スライダー94は、スロット96の境界内で移動することができ、スタイレット64が上述の運動を介して移動するとバネが圧縮および伸長する、あるいは、スライダー94は、ユーザによってスロット96に沿って手動で移動されてもよい。スロット96の近位端および遠位端にはロック構造(図示せず)があり、移動の端においてスライダー94の動作を停止および一時的に保持する手段を提供する。例えば、スライダーおよび接続されたスタイレットアセンブリは、スロット96の最遠位端に移動されてロック構造と接続されてもよく、それによって、スライダーの位置が一時的に固定される。
【0058】
針10の近位ハブ30中に挿入されその上にロックされると、スタイレット先端80は、拡張器42のスカイビングを防ぐのに有用である、なぜならば、針10は、所定の量、例えば1~10mmだけ針先から伸長し、針先を拡張器の内壁から離れてガイドすることにより前進するからである。針10が隔壁をテンティングするように配置されると、スタイレット64の遠位端が筐体90中に押し戻され、それによって、近位端においてバネ状機構66が伸長し針先16、20があらわになり、針先16、20が隔壁を穿刺することが可能となる。針10が隔壁を穿刺する際、スタイレット64は穿刺孔を通って前方に飛び出し、スタイレット先端80および中間部56が針先16、20から左心房中に突出することが可能となる。針10または拡張器42によって支持されていないので、スタイレット56の中間部は曲がることができ、先端部82が曲がることが可能となる。この曲がった先端によって、スタイレット64は非外傷性となり、針アセンブリ38が前進し続けて心房の自由壁に接触する場合には、スタイレット64の先端部82における曲がりによって針先16、20が生体組織を穿刺することを防ぐことが確保される。さらに、スタイレットの近位部58もまた、針先16、20を通過して伸長してもよく、針先16、20がさらなる穿刺から十分に保護されることを確保する。
【0059】
1つの実施形態において、バネ状機構66およびハブアセンブリ30は、スタイレットロック68に固定されるロックまたはラッチを含む。これによって、スタイレット先端80は、ロックまたはラッチが解放されるまで針先から突出したままであり、針先16、20およびスタイレット先端80の非外傷性配置を維持する一方で、心臓の左心房中に存在することが確保される。ボールペンで用いられるカム74のような機構によって、スタイレットをロックおよびアンロックすることができる。
【0060】
図17aは、針78に関して中間位置にある図17のアセンブリ30のスタイレット64を示す。スタイレット先端80は、針78の遠位端86から少量、すなわち1~4mmだけスタイレット64の先端部82を伸長し、イントロデューサアセンブリまたは拡張器88(図17aに図示せず)上における遠位端86のスカイビングを低減する。このスタイレット64は、中間部84を有し、より大きい柔軟性のためにネックダウンまたは卵形にされる。中間部84は針78によって支持されたままなので、スタイレット64はその柱強度を維持する。
【0061】
図17bは、針78に関して完全に引き込まれた位置のスタイレット64を示す。スタイレット先端80は、針78の遠位端86から全く伸長しない。これは、針78が隔壁をテンティングする際に起こり得、したがって、隔壁が反対の力を印加してスタイレット先端80を針78中に押し込める。あるいは、バネ状機構66は、針先86から突出しないようにユーザがスタイレット64を引き戻すことができる特徴を有してもよい。
【0062】
図17cは、針78に関して完全に伸長した位置のスタイレット64を示す。スタイレット先端80は、針先86から、より大きい量、すなわち4~10mmだけ外に伸長する。スタイレット64の中間部84は、針先86から完全に突出し、必要であれば針先86が他の生体組織構造に接触することを防ぐように曲がることを可能にする。
【0063】
図20に示される実施形態において、スタイレット64は、弓状スロット100の中間部で始まる。筐体90は、スタイレット64が間接的に接続される同心円状に含まれた内側の摺動可能な筐体91を含む。筐体90に接続されたピン98は、最初は筐体91上のエッチングまたはプリントされた「X」104に近い弓状スロット100中に位置し、スタイレット64が中間部に位置し図17aと同様に部分的に後退した構成である視覚的表示を提供する。隔壁のテンティング中、スタイレット64は押し戻され、弓状スロット100中でピン98を後方位置106に引き込みバネ70を圧縮し、これによってノブ102が筐体90から離される。針78(図20に図示せず)が隔壁を穿刺するとすぐに、バネ70によってスタイレット64が図17cに示されるのと同様の完全に伸長した位置に押し進められる。この動作によってまた、弓状スロット100中でノブ102およびピン98が図20に示される位置にスライドされる。角度付けられた壁108は、ピン98がスロット100の「X」側104に戻ることを防ぐので、ピン98およびスタイレット64はスロット100の最遠位端までスライドし続ける。バネ70がノブ102、ピン98、およびスタイレット64を最遠位位置に押す際にスナップ音が聞き取れる。エッチングまたはプリントされた「O」110の近くに配置されたピン98は、スタイレット64が図17cに示されるのと同様の完全に伸長した位置に配置される視覚的表示を提供する。スタイレット64およびピン98アセンブリを中間位置にリセットするために、ユーザは、ノブ102を筐体90から押し離してスタイレット64を後退させ、ノブ102を反時計回りに回転してピン98を角度付けられた壁108の周りに押し付け、次いで、ノブ102を解放してバネ70がピン98を「X」スロット104に押し込むことを可能にする。
【0064】
図21に示されるように別の実施形態において、スタイレット64の動作は、引張バネ70および360度回転スロット112によって駆動される、すなわち、スロット112が内側筐体91の全周に伸長し、内側筐体91中に部分的にのみ定められ、一体的または1部品の構成要素のままである。これによって、ノブ102は、360度完全に回転して最初の位置に1回転で戻ることが可能となる。この実施形態において、バネ70は、内側筐体90と外側筐体91との間で伸長して、図20の実施形態のように患者からより遠位にではなく、患者に対してより近位にバネ機構66を生じる。スタイレット64は、中間位置のディボット114で始まる。この点において、筐体90に接続され回転する円筒型の筐体91およびノブ102と係合するピン118は、弓状スロット112のディボット114中に位置する。スタイレット64がテンティング中に押し戻されると、バネ70が伸長し始め、円筒型の筐体91をスロット112中の最近位位置120に前進および回転させる。これが完全に後退した位置である。針が隔壁を穿刺すると、引張バネ70が強く圧縮し、それによってスタイレット64を前方に伸ばして送り出し、針(図示せず)の先端から完全に突出させる。この動作中、円筒型の筐体91は、ピン118がクリック音を立ててスロット112の最遠位端122に衝突するまで遠位方向に移動する。このノイズは、スタイレット64が最大伸長距離に達したことの聴覚、視覚、および触覚信号として作用する。次いで、ノブ102は、円筒型の筐体90に関して時計回りに回転され、接続されたピン118がディボット114中に後退するスロット112に続く。この動作によって、バネ70が部分的に伸長され、スタイレット64が中間位置に再度引き込まれる。
【0065】
図22に示される別の実施形態において、引張バネ70および部分的回転または弓状スロット116によって動作が駆動される。スタイレット64は、中間位置126で開始する。この点において、筐体91に接続されるピン124は、弓状スロット116のノッチ126中に位置する。筐体90は、同心円状の内側摺動可能筐体91、内部にスロット116が画定されバネ70に対して荷重する中間の同心円状筐体93を含む。ピン124は、内側筐体91に固定されスロット116中に配置される。スタイレット64が隔壁のテンティング中に押し戻されると、バネ70が伸長し始め、これによってピン124に固定されたシリンダー91が回転される。ピン124は、バネ70を伸長するスロット116の最近位端130までスライドする。針(図示せず)が隔壁を穿刺すると、バネ70が強く圧縮し、それによってスタイレット64が図17cと同様の完全に伸長した位置に移動される。この動作によって、筐体93が、弓状スロット116中でピン124と共にバネ70によって引き下ろされ、シリンダー91が回転される。回転するシリンダー91は、弓状スロット116の長さに沿ってピン124と共にスライドする。この回転動作によってまた、ネジ95が筐体90に回転式に固定され、筐体90の遠位端から突出するボタン134に接続されて、キーウェイによって直線的に動く。ネジ95は、筐体91中に自由に貫通し、接続されたボタン134は、筐体90に適合されて筐体90の内外にスライドしうるが、その中で回転しない。ネジ95上のボタン134の回転は自由であり、手動による押し下げによるボタン134の摩擦拘束によってその回転が実質的に妨げられ、したがってボタン134が押し下げられるとネジ95が回転されるということもまた、本発明の範囲内である。ネジ95の回転動作によって、直線動作が生じ、ボタン134が駆動されて筐体90からさらに先に突出する。バネ70を引き込むために、ユーザはボタン134を押し込んでよい。ボタン134は、前方に駆動されシリンダー91を回転されるネジ95に接続される。シリンダーの回転は、筐体90の近位端138に向かってスロット116の周りにピン124を駆動する。ピンの動作は、スロット116を遠位に移動させ、バネ70を伸長する。この動作は、ピン124がノッチ126に達すると停止し、したがって、スタイレット64は図17aに示されるのと同様の中間位置に戻される。
【0066】
図23の実施形態において、角度付けられた歯カム162がノブ102と共に回転する。外側筐体90は、患者に近位のネジ込み端を有する。内側筐体91は、外側筐体90内に摺動可能に配置され、外側筐体90の近位ネジ込み端に螺合されたエンドキャップ93を有する。エンドキャップ93は、ノブ102の手動による回転によって外側筐体90と共に回転可能である。バネ70は、互いに接続された外側筐体90および内側筐体91内に係留され、エンドキャップ93に荷重する。バネ70は、一端で筐体91に接続され、反対端でスライダー166に接続される。ユーザは、外側筐体90および/またはノブ102を保持し、外側筐体90中に定められた弓状スロット(図示せず)と共にプッシャー168を前進および回転させ、カム歯164がカム本体162に対して回転され、スタイレット64がカム面の制御に従って伸長または後退される。カム本体162が回転すると、歯164がカム面に上がり、スライダー166およびスライダー166が接続されるスタイレット64を患者に向かって押す。カム本体162は、複数のカム面を備えてもよく、その上にカム歯164が上がり、図17a-17cに関して説明される相対的な位置が構成される。図23に示される完全に引き込まれた位置において、スタイレット64は針78内に引き込まれる。カム歯164がカム本体162のカム面に上がると、隔壁はテンティングされ、続いて隔壁が貫通される。ノブ102と共にカム本体162が回転される際のカム面上への歯164の回転によって、ロックまたはラッチ168が解放されるまでスタイレット先端72が伸長状態のままであることが確保される。これによって、心臓の左心房中にある間、針先16、20およびスタイレット先端72の非外傷性の構成が維持される。完全に引き込まれた位置においてスタイレット64が筐体90中に押し戻されると、引張バネ70が伸長する。したがって、プッシャー168に関するノブ102の相対的な回転によって、バネ70の圧縮の角度が制御される。
【0067】
図24に示される別の実施形態において、2つのバネ、すなわち引張バネ70a、圧縮バネ70b、およびヒンジ式ピン130によって動作が駆動される。ボタン140は、圧縮バネ70bおよびピボット144の周りに回転可能なヒンジ式ピン130に接続される。ピン130は、ボタン140に接続される箇所で枢動される一方で、アーム146は、筐体90内で摺動可能(かつ図22に示されるように代替的に回転可能)なスライダー142中に定められる複雑に成形されたスロット148と接続するために遠位端ピン130を伸長する。アーム146は、筐体90内で軸方向に配置されるが、長手方向に摺動可能である。患者に対するスライダー142の近位端150は、スタイレット64および引張バネ70aに接続される。したがって、患者に対するスライダー142の遠位の動作によって、スタイレット64が後方に引かれるまたは患者から離される。患者に対するスライダー142の近位の動作によって、スタイレット64が患者に向かって前進される。スライダーが少なくとも1つの位置において四角の断面形状を有し、筐体90によって画定される対応する長方形の空洞においてスライドする実施形態において、ピン130は、スロット148中でスライダー142の面に上がる際に枢動または回転する。別の実施形態において、スライダー142は、筐体90によって画定される対応する円筒型のキャビティにおいて丸いまたは円形の断面を有する円筒型であり、スライダー142およびスタイレット64は、スライダー142が患者に向かってまたは患者から離れて移動する際に回転する。
【0068】
動作の開始前、スタイレット64は患者に対して最近位位置にある一方で、ピン130は最遠位位置160においてスロット148中に位置する。この位置において、イントロデューサアセンブリ(図示せず)は、患者中に挿入され隔壁をテンティングすることができる。隔壁がテンティングされると、図17bに示されるのと同様に、スタイレット64は針(図示せず)中に隔壁によって押し戻される。この動作によって、引張バネ70が伸長し、スライダー142が患者から遠位に移動し、これによって、ピン130はスロット148の最近位点158中に移動される。針78が隔壁を穿刺すると、引張バネ70aが強く圧縮され、これによってスタイレット64が患者に向かって近位にかつ左心房中に飛び出す。スライダー142は、固定位置で手持ちされる筐体90中で患者に向かって近位に移動する。この動作によって、スライダー142はピン130に対して移動され、これにより、ピン130はスロット148の中間位置156に配置され、引張バネ70bが部分的に伸長され、ボタン140が筐体90から依然として完全に伸長される。スライダー142を元の位置に戻すため、ボタン140が筐体90中に押し込まれ、圧縮バネ70bが短くなるまたは圧縮される。この動作によって、ピン130がスロット148の角度付けられた部分152に移動される。完全に押し下げられたボタン140がユーザによって解放されると、圧縮バネ70bが伸長し引張バネ70aの力を乗り越える。ピン130はスロット148の経路に沿っておよびエッジ154に沿ってのみ移動できるので、ピン130は元の位置に戻る。バネ機構66が元の位置に完全に戻り、その後にボタンを押すことによって経中隔処置が再び実行されうる。
【0069】
中間位置におけるスタイレット64のロックを容易にする上記の機構の追加の実施形態も考えられ、隔壁11(図示せず)が針によって穿刺されると、スタイレットが針先を超えて前進して所定の位置でロックされ、装置の近位位置で(ユーザ側から見て)ボタンを押すまたはノブを回転させることによって再びセットされる。このロッキング機構によって、スタイレットが機構内でより硬い遠位部またはより軽いバネを有することが可能となる、なぜならば、ロッキングによって、スタイレットが針中に不注意で押し戻され続いて鋭い針先がさらされることが防止されるからである。これらの実施形態はまた、スタイレット64が、隔壁をテンティングする際に針先から最初により短く突出し、針が隔壁を超すと針先からより長く突出することを可能にする。
【0070】
実施形態の精神および範囲を逸脱せずに、多くの変更および修正が当業者によってなされてもよい。したがって、説明される実施形態は例示の目的でのみ示され、以下の実施形態により定められる実施形態およびそのさまざまの実施形態を制限するものとして取られるべきでないことが理解されるべきである。
【0071】
したがって、説明される実施形態は例示の目的でのみ示され、以下の請求項により定められる実施形態を制限するものではないことが理解されるべきである。例えば、請求項の構成要素が特定の組合せで以下に示されるという事実にもかかわらず、実施形態は、そのような組合せで当初は請求されていないとしても上記に開示されるより少ない、より多いまたは異なる構成要素の他の組合せを含むことが明確に理解されるべきである。2つの構成要素が請求される組合せにおいて組み合わされるという教示はさらに、2つの構成要素が互いに組み合わされないが、単独でまたは他の組合せで用いられてもよい、請求される組合せをも許容するものとして理解されるべきである。実施形態の任意の開示される構成要素の除去は、実施形態の範囲内であると明確に考えられる。
【0072】
さまざまの実施形態を説明するために本明細書で用いられる単語は、一般的に定められる意味の判断だけでなく、本明細書における特別な定義によって一般的に定められる意味の範囲を超えた構造、材料または動作を含むものであることが理解されるべきである。したがって、ある構成要素が2つ以上の意味を含むものであると本明細書に照らして理解できる場合、請求項におけるその使用は、明細書によっておよびその単語自体によって支持されるすべての可能な意味を総称するものであることが理解されるべきである。
【0073】
したがって、以下の請求項の単語または構成要素の定義は、文字通りに示される構成要素の組合せだけでなく、実質的に同じ結果を得るために実質的に同じ方法で実質的に同じ機能を実行するためのすべての等価な構造、材料または動作を含むものであると本明細書において定められる。したがって、その意味では、2つまたはそれ以上の構成要素の等価な置換が以下の請求項における構成要素の任意の1つについて行われうること、または、単一の構成要素を請求項における2つまたはそれ以上の構成要素に置換しうることが考えられる。構成要素は、特定の組合せで作用するものとして上記で説明されかつそのように当初請求されてもよいが、ある場合には請求される組合せの1つ以上の構成要素が組合せから削除されてもよいこと、および、請求される組合せがサブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションを対象としてもよいことが明確に理解されるべきである。
【0074】
現在既知であるまたは将来考え出される、当業者によって見られる請求項の主題からの非実質的な変化は、同等に請求項の範囲内であると明確に考えられる。したがって、当業者に現在または将来知られる明らかな置換は、定められる構成要素の範囲内であると定義される。
【0075】
したがって、請求項は、具体的に例示されかつ上記に説明されるもの、概念的に等価であるもの、明らかに置換できるものおよび実施形態の本質的な概念を実質的に組み込むものを含むことが理解されるべきである。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
図11a
図11b
図11c
図12
図13
図14
図15a
図15b
図16
図17
図17a
図17b
図17c
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27a
図27b
図27c
図28a
図28b
図28c
図28d
図29a
図29b
図30