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特開2022-60497骨減少症および骨粗鬆症の処置ならびに骨成長の刺激
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  • 特開-骨減少症および骨粗鬆症の処置ならびに骨成長の刺激 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060497
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】骨減少症および骨粗鬆症の処置ならびに骨成長の刺激
(51)【国際特許分類】
   A61H 1/00 20060101AFI20220407BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20220407BHJP
【FI】
A61H1/00 311Z
A61H23/02 330
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026789
(22)【出願日】2022-02-24
(62)【分割の表示】P 2019503897の分割
【原出願日】2016-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】518354781
【氏名又は名称】テラノバ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ベルガラ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】バーネット,ダニエル・アール
(72)【発明者】
【氏名】マングラム,シェーン
(72)【発明者】
【氏名】ルキシオン,エヴァン・エス
(72)【発明者】
【氏名】イー,アレックス
(57)【要約】
【課題】 骨減少および骨粗鬆症の処置または予防、骨成長の刺激、骨密度の維持または改善、および脂肪生成の抑制のための装置を提供する。
【解決手段】一実施形態は、被験者の領域との振動コンダクタンスを有するように構成されたモータと、振動コンダクタンスに関するフィードバックを受信するためにモータと通信する1つ以上のセンサと、モータと通信する制御部とを備える。制御部は、1つ以上のセンサを介してフィードバックを受信し、フィードバックが被験者の領域に対するモータの適合に相関するように、被験者の領域に送信される振動コンダクタンスの量を測定するように構成される。加えて、制御部はフィードバックが処置のための所定の範囲内で最適化されるまで、相関した適合に応じてモータの1つ以上のパラメータを調整するようにさらに構成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者に対して配置される振動装置であって、
前記被験者の領域と振動して接触するように構成されたモータと、
前記モータの1つ以上のパラメータに関するフィードバックを受信するために、前記モータと通信するとともに近接している1つ以上のモータセンサと、
前記モータと通信する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記1つ以上のモータセンサを介してモータ運動またはモータ周波数に関する前記フィードバックを受信し、前記被験者の体内の骨に振動エネルギーを伝達するのに十分な、前記被験者の前記領域に加えられる前記振動エネルギーの量を決定するように構成され、
前記制御部は、前記フィードバックが処置のための所定の範囲内で調整されるまで、前記フィードバックに応じて前記モータの1つ以上のパラメータを調整するようにさらに構成されることを特徴とする振動装置。
【請求項2】
前記モータと通信し、振動を前記被験者の前記領域に導くように構成されるスペーサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記被験者の前記領域との前記モータの前記振動した接触を維持するための支持体をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記被験者に固定されるように構成されたバンドを含むことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記モータは、1乃至100Hzの周波数で振動を伝達するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記モータは、25乃至35Hzの周波数で振動を伝達するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記モータは、0.01g乃至10gの振幅を有する振動を伝達するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記モータは、0.01g乃至4.0gの振幅を有する振動を伝達するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
追加のセンサは、前記被験者の前記領域上の前記振動した接触の圧力を測定するための圧力センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
追加のセンサは、前記被験者の前記領域に加えられる前記振動エネルギーを測定するための加速度計を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
追加のセンサは、接触センサ、ひずみゲージ、およびジャイロスコープからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記フィードバックに応じて固定機構を自己調整するための信号を提供するようにさらに構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
熱的、機械的、または電気的機構を介して駆動される第2のモータまたはアクチュエータをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記所定の範囲は、追加のセンサから受信した前記フィードバックに基づいて動的に調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記所定の範囲は、体重、身長、年齢、性別、処置される領域、および処置時間からなる群から選択される、前記被験者の1つ以上のパラメータに基づいて予め設定されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、前記領域に対して前記被験者によって装着されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、前記被験者の臀部または脊柱に対して配置されるように構成されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記領域に対して前記装置を調整するように前記被験者に警告するように構成されたインジケータをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記1つ以上のセンサからの前記フィードバックを断続的または連続的に受信するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
骨減少症および骨粗鬆症の処置または予防、骨成長の刺激、骨密度の維持または改善、および脂肪生成の阻害のための装置。
【0002】
本発明は、特に骨組織への機械的負荷の繰り返し適用による骨成長の刺激、骨組織の治癒、および骨減少症、骨粗鬆症および慢性背痛の処置および予防、ならびに骨密度の保存または改善、ならびに脂肪生成の抑制に関する。
(参照による援用)
【0003】
本明細書で言及した全ての刊行物および特許出願は、そのような個々の刊行物または特許出願のそれぞれが具体的かつ個別に示されているのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
低骨密度(BMD)と骨粗鬆症は、高齢者が直面している重大な問題であり、2002年には150万件の骨折に至っている(非特許文献1)。通常骨の消化を阻害する化合物のクラスであるビスホスホネートは、骨粗鬆症を処置するのに10年以上使用されて相当の成果を上げてきたが、顎の骨壊死、食道の浸食、および非定型大腿骨骨折を含む望ましくない副作用を引き起こし、ビスホスホネート療法の使用の再検討に至っている。
【0005】
骨粗鬆症を処置する1つの代替法は、全身振動(WBV)の使用であり、これは、比較的高い周波数(例えば、15乃至90Hz)および比較的低い機械的負荷(例えば、0.1乃至1.5gの負荷)を使用した振動装置による骨組織の繰り返しの機械的負荷からなる。研究は、WBVが骨粗鬆症の進行を遅延および/または停止させることができることを示している(非特許文献2)。0.6g以上の振動力が患者の足に送達される別の無作為の研究では、WBVが、運動しなかったかまたは運動プログラムの一部であった対照群と比較して、臀部BMD転帰を改善するのに有効であることが実証された(非特許文献3)。
【0006】
関連する研究は、健常なサイクリスト、閉経後の女性、および障害のある子供の集団における臀部を改善し、脊柱のBMDを維持するWBVの能力を実証している(非特許文献4)。
【0007】
WBVがBMDに影響を及ぼす機構は、いくつかの議論の論点であるが、高周波振動中の骨梁構造における骨髄内の剪断応力が、骨同化につながる骨髄細胞に機械的信号を提供し得ることを研究は示唆している(非特許文献5)。より具体的には、0.5Paを超える剪断応力は、骨芽細胞、破骨細胞、および間葉幹細胞に対して機械的に刺激的である(非特許文献5)。
【0008】
WBVの適用による骨組織の成長および骨の維持を促進する多くの従来の方法は、一般に、比較的高い周波数(例えば15乃至90Hz)および比較的低い強度の機械的負荷(例えば0.1乃至1.5gの負荷)を身体の四肢に適用する傾向があり、例えば、使用者の足に繰り返し機械的負荷をかけるような使用者が立つ振動プラットフォームの使用などである。現在のWBV振動プラットフォーム(例えば、ドイツ国Pforzheimに所在するNovotec Medical社製Galileo 900/2000(登録商標)、またはオランダ国AmsterdamのPower Plate(登録商標))および関連付けられる処置レジメでは、ユーザは1日30分までプラットフォーム上に立つ必要があり、これは、多くのユーザにとって不便である。さらに、患者の足に振動を加えることは、骨粗鬆症のためのWBV療法の標的領域である臀部、大腿および脊柱を機械的に装填するための非効率的な方法である。膝と足首の機械的な減衰のため、足と臀部と脊柱との間で最大40%の振動力が失われる(非特許文献6)。
【0009】
現在のWBVプラットフォームの他の1つの課題は、加えられる力の方向性である。振動するプラットフォームの上に立つと、個人は脊柱と臀部の長尺な骨に直交する面でWBV刺激を受ける。研究では、上下の方向に加えられた振動は、大転子と大腿骨頚部の主線維柱方向とずれてしまい、これにより、剪断力が低下することが示されている。これに対し、腰椎の骨梁は振動の方向と一致し、透過性がより高い(非特許文献5)。
【0010】
約0.6gの力を脊柱および臀部に直接送達する機械的振動のより効率的で使い易い源が必要である。振動力を送達するためのより効率的な方法は、患者に加えられる負荷を低減するとともに装置を使いやすくすると同時に、臀部および脊柱に繰り返し送達される機械的負荷を局在化することによって、骨粗鬆症に対する治療上の効果を最大にすることであろう。加えて、脊柱および臀部の長骨の方向性に直交する平面内でWBVを送達する可能性は、人が立つ伝統的な振動プレートよりも効果的であり得る。
【0011】
さらに、携帯型の装置、かつ固定型の装置が望ましい。
【0012】
最後に、振動プラットフォームの既存の技術は、WBVの使用から効果を得る特別な集団へのWBVの適用を制限する。たとえば、サイクリストは、他の運動選手よりもBMDが低く、座位選手のBMDよりも低いことが示されている(非特許文献7)。したがって、この技術における装着可能な送達システムにより、このツールの到達範囲がより広範な個体に拡大される。サイクリング(または他の活動)中に装着可能な装置を使用することができるだけでなく、本発明は、サイクリスト内のBMDを保存する目的で、ライダーに自転車を介してWBVを供給するように構成可能である。
【0013】
個別であるが関連する論点では、WBVは「筋骨格系の同化」と「並行して、肥満を抑制する」と提唱されている(非特許文献8)。動物モデルでは、小さい大きさのWBVが幹細胞の脂肪生成を減少させることができるとともに「肥満およびその後遺症の非薬理学的予防」のためのツールを提供することができることが研究によって示されている(非特許文献8)。肥満女性で行われた研究では、WBVは「体重および胴囲減少に正の効果」を示している(非特許文献9)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】National Osteoporosis Foundation (NOF): America's bone health: The state of osteoporosis and low bone mass in our nation. Washington DC, National Osteoporosis Foundation, 2002
【非特許文献2】Rubin et. al., Journal of Bone and Mineral Research, 19:343-351, 2004
【非特許文献3】Verschueren et al., Journal of Bone and Mineral Research, 19:352-359, 2004
【非特許文献4】Am J Phys Med Rehabil 2010; 89:997-1009, Ann Intern Med 2011; 155:668-679, J Bone and Mineral Research 2011; 26(8): 1759-1766
【非特許文献5】Journal of Biomechanics 45(2012):2222-2229
【非特許文献6】Rubin et al., Spine (Phila Pa 1976), 28:2621-2627, 2003
【非特許文献7】Int J Sports Med 2012; 33:593-599
【非特許文献8】PNAS. November 6, 2007; 104(45): 17879-17884
【非特許文献9】Korena J Fam Med. 2011; 32:399-405
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
装着可能な振動装置は、骨の成長、骨組織の治癒、および骨粗鬆症、骨減少症および慢性的な背痛の予防のための新規な方法および装置を提供する。
【0016】
装着可能な振動装置は、骨組織の成長を維持または促進し、骨粗鬆症の発症を予防し、慢性的な背痛を処置することができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
通常、一実施形態による振動装置は、被験者の領域と振動コンダクタンスを有するように構成されたモータと、被験者の領域からの振動コンダクタンスに関するフィードバックを受信するために、モータと通信する1つ以上のセンサと、モータと通信する制御部とを備える。制御部は、1つ以上のセンサを介してフィードバックを受信し、フィードバックが被験者の領域に対するモータの適合に相関するように、被験者の領域に送信される振動コンダクタンスの量を測定するように構成される。加えて、制御部は、フィードバックが処置のための所定の範囲内で最適化されるまで、相関した適合に応じてモータの1つ以上のパラメータを調整するようにさらに構成される。
【0018】
使用において、振動装置を被験者に対して配置する一方法は、通常被験者の領域と振動コンダクタンスを有するようにモータを固定する工程と、領域に振動を伝達するようにモータを駆動する工程と、領域からの振動コンダクタンスに関してモータと通信する1つ以上のセンサを介してフィードバックを検知する工程と、フィードバックに基づいて領域に対するモータの適合を相関させる工程と、必要に応じて、フィードバックが処置のための所定の範囲内で最適化されるまで、相関した適合に応答してモータの1つ以上のパラメータを調整する工程とを含む。
【0019】
装着可能な振動装置のいくつかの実施形態では、装置は、ユーザの臀部および脊柱に振動機械的負荷を標的に適用することによって効果的な処置を行う。
【0020】
装着可能な振動装置により、左右、前後、および/または上下方向にWBV刺激を送達することができる。送達システムにおけるこの柔軟性により、骨粗鬆症の処置およびBMDの損失における臀部および脊柱のより良好な標的化が可能である。より具体的には、1つの変形例では、1つ以上の振動素子が、それぞれ1つ以上の固定機構を介して被験者の身体に対して配置され、固定機構は、被験者に対して側方に機械的負荷が印加されるように振動素子を個人の身体の側方に配置するように構成される。装置の適合は、様々なセンサによって監視することができ、振動エネルギーは、最適な適合よりも小さくなるように調整することができる。さらに、装着可能な装置は、固定装置よりも多くの歩行オプションをユーザに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態による装着可能な振動装置を示す。
図2A】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図2B】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図3】一実施形態による装着可能な振動装置の正面図を示す。
図4A】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図4B】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図4C】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図5A】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図5B】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図5C】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
図6】一実施形態による装着可能な振動装置の機能の論理図を示す。
図7】一実施形態による装着可能な振動装置の様々な構成要素の図を示す。
図8】一実施形態による、シートカバーの形態の振動装置を示す。
図9】本発明の任意の実施形態と組み合わせて使用され得るデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、一実施形態による装着可能な振動装置を示す。本実施形態においては、振動エネルギーがユーザの臀部/脊柱領域に加えられるように、ウエストの周囲に装着されるよう構成される。バンド102は、固定機構またはストラップ104により身体に固定される。コンテナまたはエンクロージャ106には、振動モータ、プロセッサ、バッテリー、バッテリー充電器、電圧レギュレータ、ブザーまたはアラーム、モータセンサ、サーマルスイッチ、およびその他の構成要素および/または電子機器が含まれる。コンテナ106は、バンド102に固定され、コネクタ110により圧力センサ112に接続される。緩衝部、あるいは発泡体、ブロック、またはスペーサ108は、振動エネルギーをユーザの特定の領域に向けてより正確に指向させ、またユーザが装着可能な振動装置を使用中に快適さを高めるように機能する。加速度センサ114は、身体を介して伝達される振動力を監視して、装着可能な振動装置が、適合が正確であるかどうかを判断する。加速度計はまた、ユーザに振動力を加える有効性の評価もする。圧力センサ112はまた、身体に対する装置の圧力を判断することによって、この目的を果たす。測定される圧力は、装置の適合を示す。
【0023】
モータという用語は、被験者に振動エネルギーを直接伝達するモータを意味し、または被験者に振動エネルギーを伝達する機構を駆動するモータの組み合わせであると理解される。
【0024】
装着可能な振動装置の適合は、適切な機能を確保するために重要である。例えば、装着可能な振動装置が身体に対してあまりにも緩んでいるか、または締め付けすぎている場合、適切な量の振動エネルギーが1つ以上の骨に伝達されないか、エネルギーが間違った箇所に伝達されたり、エネルギーが間違った方向に伝達される。加えて、適合が正確でなければ、装置の使用者の快適さが損なわれる。
【0025】
確実に適切に適合させるために、装着可能な振動装置は、1つ以上のセンサを含む。これらのセンサには、1つ以上の接触センサ、1つ以上の圧力センサ、1つ以上のひずみゲージ、1つ以上の加速度計、および1つ以上のジャイロスコープが含まれるが、これらに限定されない。1つまたは複数のセンサは、ストラップ、バンド、固定機構、モータ、スペーサ、コンテナなどを含む装着可能な振動装置のどこにでも配置することができる。加えて、ユーザに装着を調整するように警告するために、1つまたは複数のアラームが装着可能な振動装置に含まれる。様々なタイプのアラームを使用することができ、可聴音、例えば、点滅する光などの視認可能なもの、振動モータの脈動などを含む触覚が挙げられる。設定した時間、または適合が改善されるまで、またはその両方でアラームが鳴る。加えて、またはこれに代えて、装着可能な振動装置の固定機構が、1つ以上の適合センサからのフィードバックに基づいて自己調整してもよい。これは、モータ、熱機構、機械的機構、電気的機構などによって達成される。
【0026】
これに代えて、または加えて、適合が最適な振動エネルギーを伝達していない場合、装着可能な振動装置のプロセッサは、使用者に伝達される振動エネルギーを増加または減少させるようにモータの運動を調整する。このようにして、最適処置振動エネルギーは、処置中に適合が変化しても自動的に最適化される。
【0027】
図2A乃至2Cは、一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。図2Aは、装着可能な振動装置の、ユーザに面さない側を示す。バンド202は、固定機構またはストラップ204により身体に固定される。コンテナ、ポーチまたはポケット206は、モータ212、電子装置210およびバッテリー214を含む。骨部208は、ポケット206の内容物を堅固に保持することを支援するとともに装着可能な振動装置に剛性を付与することを支援する。
【0028】
図2Bは、装着可能な振動装置の、使用者に面している側が、これにより使用者の身体に接触している態様を示す。コンテナ、ポーチ、またはポケット220は、図1で述べたスペーサを保持する。圧力センサ222は、ポケット206内のモータの振動ならびにユーザの身体に対する装着可能な振動装置の全体的な締め付けまたは適合に起因する圧力の測定値を検知する。1つ以上の圧力センサがさらに、またはこれに代えて、装着可能な振動装置の他の領域に配置されてもよい。加速度計216は、ポケットまたはスロット218に保持され、装着可能な振動装置の適合および/または使用者に対する振動力の伝達の有効性を監視するためのものである。装着可能な振動装置の様々な位置に1つ以上の様々なセンサを配置して、装置の適合を監視する。
【0029】
図3は、一実施形態による装着可能な振動装置の正面図を示す。バンド302は、固定機構またはストラップ304により身体に固定される。モータ306および他の電子機器およびコンポーネントは、ポケット310内のコンテナ308に含まれる。スペーサ312および圧力センサ314は、装着可能な振動装置の内側にある。骨部316は、ポケット310の内容物を堅固に保持することを支援するとともに装着可能な振動装置に剛性を付与することを支援する。加速度計318は、装着可能な振動装置の適合および/または振動力の使用者への伝達の有効性を監視することを支援する。
【0030】
図4A乃至4Cは、一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。図4Aは、装着可能な振動装置の、ユーザに面さない側を示す。コンテナ、ポーチまたはポケット406は、モータ402およびモータセンサ404を含む。ポーチまたはポケット420は、電子装置410およびバッテリー412を含む。骨部408は、ポケット406の内容物を堅固に保持することを支援するとともに装着可能な振動装置に剛性を付与することを支援する。加速度計414は、装着可能な振動装置の適合および/または使用者に対する振動力の伝達の有効性を監視することを支援する。
【0031】
図4Bは、装着可能な振動装置の、使用者に面している側が、これにより使用者の身体に接触している態様を示す。コンテナ、ポーチ、またはポケット418は、図1で述べたスペーサを保持する。圧力センサ416は、ポケット406内のモータの振動ならびに使用者の身体に対する装着可能な振動装置の全体的な締め付けによる圧力の測定値を検知する。1つ以上の圧力センサがさらに、またはこれに代えて、装着可能な振動装置の他の領域に配置されてもよい。加速度計414は、装着可能な振動装置の適合および/または使用者に対する振動力の伝達の有効性を監視するものである。
【0032】
図4Cは、図4Aおよび図4Bの装置の底面図を示す。
【0033】
図5A乃至5Cは、一実施形態による装着可能な振動装置の様々な図を示す。
【0034】
図5Aは、装着可能な振動装置の、使用者に面している側が、これにより使用者の身体に接触している態様を示す。本実施形態では、スペーサ装置506は、モータ504、電子装置502、およびバッテリー510を保持する。圧力センサ508はスペーサの外側にあり、これにより使用者と接触している。圧力センサ508は、モータの振動ならびに使用者の身体に対する装着可能な振動装置の全体的な締め付けによる圧力の測定値を検知する。1つ以上の圧力センサがさらに、またはこれに代えて、装着可能な振動装置の他の領域に配置されてもよい。この実施形態により、より小型の装置が可能である。
【0035】
図5Bは、図5Aの装置の平面図を示す。図5Cは、装着可能な振動装置の使用者に面さない側を示す。
【0036】
図6は、一実施形態による装着可能な振動装置の機能の論理図を示す。まず、ボックス602で示すように、装置がオンになる。次にプロセッサが、ボックス604に示すように、故障をチェックする。所定の構成要素が、バッテリー、電子通信、およびその他のチェックを含むチェックを受ける。何らかの故障がある場合、プロセッサは故障処理ボックス622に移動する。例えば、始動時には、故障処理をトリガするには単一の故障で十分であるが、動作中は、故障処理をトリガするために、連続してまたは特定の時間フレーム内のいずれかで複数の故障が発生する必要がある。故障が存在しない場合、プロセッサはボックス606で示される処置状態に入るように移動する。処置状態に入ることは、処置タイマーの開始、公称設定でのモータの始動を含み、また、他のプロセスを含む。処置状態の間、プロセッサは、断続的または連続的のいずれかで、例えば、モータの運動、装置の適合、および運動周波数などのデータを取得する。これをボックス608に示す。適合には、1つ以上の接触センサ、1つ以上の圧力センサ、1つ以上のひずみゲージ、1つ以上の加速度計、および1つ以上のジャイロスコープを含むがこれらに限定されない1つ以上のセンサからのフィードバックが含まれる。モータの運動とモータの周波数は、モータセンサによって測定される。
【0037】
モータの運動が適切な範囲内にない場合、ボックス610によって示すように、モータ運動故障がトリガされる。適切な範囲は予め設定され、使用者の体重、身長、年齢、性別など、ならびに処置のタイプ、領域、時間などに依存する。適切な範囲は、装着可能な振動装置の適合および/または他の要因に基づいて動的に設定されてもよい。モータの運動に故障が生じると、ブザーやアラーム、可視光、および/またはその他のアラームが生じる。
【0038】
適合が適切または最適な範囲にない場合、ボックス616に示すように、適合不良または警告がトリガされる。適合のための適切な範囲は、本明細書に記載のセンサのいずれかからのフィードバックに基づく。適合のための適切/最適な範囲は、予め設定されるか、または装着可能な振動装置の適合および/または他の要因に基づいて動的に設定される。プロセッサは、定期的に適合をチェックする。例えば、適合チェックが2つ以上の連続した適合不良を返した場合、適合警告処理部がトリガされる。ボックス618に適合警告処理部を示す。適合不良により、振動モータの振動、可聴ブザーまたはアラーム、可視光および/または他のアラームによって生成されるパルスアラームが生じる。
【0039】
適合アラームを聴き、感じ、視認し、あるいは知覚した後、ユーザが装着可能な振動装置の適合を調整するか、またはプロセッサがボックス614に示すようにモータの運動を調整するか、またはその両方が行われる。周波数、振幅および他のモータパラメータは、適合警告に応答して処置を最適化するように調整される。モータパラメータ調整は、通常のコードループで生じる連続的なチェックである。例えば、何らかの理由(適合、運動、活動、身体の位置、時間など)でモータ周波数が変化し、所定のタイマーまたはカウンタから所定の周波数(例えば30Hz)離れた所定の窓の外にある場合、モータは周波数誤差を補正するように自己調整する。
【0040】
処置が進むにつれて、プロセッサは、ボックス612に示すように、処置タイマーを継続的または断続的にチェックする。処置時間が完了すると、プロセッサはボックス620に移動し、処置は終了する。処置時間が未完了である場合、装着可能な振動装置のプロセッサは処置を継続し、処置が終了するまでモータ、適合および/または他のデータの取得を継続する。
【0041】
図7は、一実施形態による装着可能な振動装置の様々な構成要素の図を示す。プロセッサ702は、制御電子部を含み、回路基板704上に配置される。回路基板は、他の構成要素とともに、例えば図1のエンクロージャ106と同様に、エンクロージャ706内に設けられる。また、回路基板上にはブザー708、バッテリーに接続されたバッテリー充電器722および電圧レギュレータ724が設けられる。エンクロージャの内側には、バッテリー712、モータ728、モータに接続されたモータセンサ726およびサーマルスチッチ730がさらに設けられる。充電ポート714は、エンクロージャまたはコンテナの壁部に設けられ、これによりアクセス可能であり、バッテリーが充電される。
【0042】
エンクロージャの外側には、電源スイッチ720、充電LED718、ステータスLED710、および任意の1つ以上の適合センサを含む他の構成要素が設けられる。適合センサには、1つ以上の接触センサ、1つ以上の圧力センサ、1つ以上のひずみゲージ、1つ以上の加速度計、および1つ以上のジャイロスコープが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
他の身体領域を処置するための実施形態もまた想定される。例えば、振動は、靴または靴下のような装置、または足または下肢にストラップまたは他の方法で取り付けられる装置を介して足に伝達される。足または下肢に送達される振動刺激は、骨粗鬆症または他の病気を処置することを支援する。
【0044】
足の靴底に加えられる振動騒音は、感覚を改善し、バランスを改善し、および/または歩行の変動性を減少させることが示されている。振動騒音またはエネルギーは、潜在的なものであってもよいし、着用者によって感知されてもよい。他の実施形態の場合と同様に、振動の適用は、周期的、連続的、またはその他であってもよい。
【0045】
所定の実施形態が本明細書に記載されているが、他の実施形態も想定される。例えば、装着可能な振動装置は、頸部、背中、手足、頭部などの身体の他の領域に装着されるように構成されてもよい。振動エネルギーは、異なる方向、複数の方向、交互の方向、同時に異なる方向などに向けられるように構成されてもよい。装置内に複数の振動モータが設けられてもよく、これにより振動エネルギーを方向、身体部分などの点で配向の柔軟性をより高めることができ、振動エネルギーは時間とともに変化し、これにより振幅の増加/減少、周波数の増加/減少、方向の変化、プログラムの循環、オン/オフなどが生じる。刺激振動はまた、異なる種類の波形を組み込んでもよい。例えば、正方形、三角形、鋸歯形、正弦波形など。これらの異なる波形は、基礎周波数の高調波を導入するとともに強化されたまたは追加の利点を提供する。複数の周波数が、振動素子内で互いに重ね合わされてもよい。複数の振動モータが身体の異なる部分に装着されてもよい。複数の装着可能な振動装置が装着されてもよい。複数の振動モータを使用して、ユーザに加えられる振動エネルギーを部分的にまたは完全にキャンセルし、増大させ、または変更することができる。振動エネルギーは、移植された金属プレートに経皮的に伝達される。例えば、振動装置を脚部の外面上に配置して脚部内の金属骨プレートを振動させて、プレート周囲の骨壊死を低減することができる。本実施形態による装置は、骨の壊死を減少させるために、1日1回または週に1回または1ヶ月に1回、周期的に使用することができる。
【0046】
本実施形態による装着可能な振動装置は、SI関節症候群、SI関節症、SI関節不安定性、SI関節閉塞、骨盤領域の筋痛症および腱痛、骨盤輪の不安定性、腰椎癒合後の構造的障害の場合、ならびに再発性のSI関節閉塞および筋緊張麻痺(腹直筋、梨状内転筋(m.piriformis adduktoren))、結合断裂および弛緩、背中の痛みおよび他の症状の予防のために使用される。
【0047】
図8は、シートカバーまたはパッドの形態の一実施形態による振動装置を示す。本実施形態は、発泡体または他のパッドの層が組み込まれるパッド802自体と、制御部に接続されるとともに振動するプレート804とを含む。プレートは、金属、ポリマ、または任意の他の適切な材料である。好ましくは、プレートは剛性または半剛性を備える。プレートは、プレートから骨への振動エネルギーの伝達を最大にするために、臀部の骨を「カップ(cup)」する方法で成形される。制御部は、パッド内に組み込まれてもよく、またはプレートを無線または有線接続を介して制御する個別の装置であってもよい。ユーザは、椅子上または他の表面にシートパッド/カバーを配置し、シートパッド上に着座し、これにより坐骨を構成する突出する骨を含む臀部の領域がプレートに接触するかまたは接触に近づく。プレートは、プレートと使用者との間にパッドカバーを有してもよい。振動エネルギーは、通常プレートから坐骨に、そして骨格に伝達され、振動エネルギーを腰部および臀部領域に伝達する。振動エネルギーは、回転を含む水平、垂直またはその両方である。本実施形態では、使用者の体重は、装置が身体に対して適切に確実に「適合」することを支援する。しかしながら、他の実施形態と同様に、加速度計を使用して「適合」を評価してもよい。いくつかの実施形態では、加速度計読み取り値を処置結果と相関させて、好ましい加速度計読み取り値を判定することができる。制御部は、振動装置の振動および力を制御して、加速度計の読み取り値を最適化する。ストラップまたは他のコネクタを使用して、パッドを使用者の身体近傍に固定することが支援される。
【0048】
振動装置は、図8に示すものと同様の形態の背部パッドであってもよいが、装置のプレート領域が座骨、例えば、腸骨と接触するように椅子の背部に配置されるように構成される。本実施形態では、座骨領域への振動装置の近接性を高めるためにストラップを含んでもよい。
【0049】
振動装置はまた、座骨の腸骨稜領域に近接した振動プレート領域を有する、重み付けしたラップパッドの形態であってもよい。
【0050】
便秘および他の消化障害を処置するために、所定の力および周波数で振動処置を行うこともできる。
【0051】
振動エネルギーは、約30乃至90サイクル/秒(Hz)の周波数である。1乃至100HZなど、また、その中の他の下位範囲の25乃至35Hzなど、また、その中の特定の周波数の約10Hzまたは約4Hzなどを含む他の周波数範囲も考えられる。強度は、0.01g乃至10g(1.0g=地球の重力場=9.8m/s/s)、およびその中の他の下位範囲の0.01g乃至4.0g、およびその中の特定の大きさ0.3gまたは約10gである。<データ処理システムの例>
【0052】
図9は、本発明の任意の実施形態と組み合わせて使用され得るデータ処理システムのブロック図である。例えば、システム900は、プロセッサの一部として使用される。なお、図9は、コンピュータシステムの様々な構成要素を示しているが、構成要素を相互接続する特定のアーキテクチャまたは方法を表すことを意図するものではなく、したがって、詳細は本発明と密接な関係がない。ネットワークコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、モバイルデバイス、タブレット、携帯電話、およびより少ないコンポーネントまたはおそらくより多くのコンポーネントを有する他のデータ処理システムも、本発明と組み合わせて使用することができることも理解されよう。
【0053】
図9に示すように、データ処理システムの形態にあるコンピュータシステム900は、1つ以上のマイクロプロセッサ903およびROM907、揮発性RAM905、および不揮発性メモリ906に結合されたバスまたは相互接続部902を含む。マイクロプロセッサ903はキャッシュメモリ904に接続される。バス902は、これらの様々なコンポーネントを相互接続し、これらのコンポーネント903,907,905,および906をディスプレイ制御部およびディスプレイ装置908、ならびにマウス、キーボード、モデム、ネットワークインターフェース、プリンタ、および当該技術分野で周知の他の装置を含む入出力(I/O)装置910にも相互接続する。
【0054】
通常、入力/出力装置910は、入力/出力制御部909を介してシステムに接続される。揮発性RAM905は、通常メモリ内のデータをリフレッシュまたは維持するために連続的に電力を必要とするダイナミックRAM(DRAM)として実施される。不揮発性メモリ906は、通常磁気ハードドライブ、磁気光学ドライブ、光学ドライブ、またはDVD RAM、または電源がシステムから除去された後でもデータを保持する他のタイプのメモリシステムである。通常、不揮発性メモリもまたランダムアクセスメモリであるが、これは必須ではない。
【0055】
図9は、不揮発性メモリが、データ処理システム内の残りのコンポーネントに直接接続されたローカルデバイスであることを示しているが、本発明は、システムから遠隔の不揮発性メモリ、例えばモデムまたはイーサネット(登録商標)インターフェースのようなネットワークインターフェースを介してデータ処理システムに接続されるネットワークストレージデバイスを利用してもよい。バス902は、当該技術分野で周知のように、様々なブリッジ、制御部、および/またはアダプタを介して互いに接続された1つ以上のバスを含む。一実施形態では、I/O制御部909は、USB周辺機器を制御するためのUSB(ユニバーサルシリアルバス)アダプタを含む。これに代えて、I/O制御部909は、FireWire(登録商標)デバイスを制御するためのFireWire(登録商標)アダプタとしても周知のIEEE-1394アダプタ、SPI(シリアル周辺機器インターフェース)、I2C(インター・インテグレーテッド・サーキット)またはUART(ユニバーサル・アシンクロナス・レシーバ/トランスミッタ)、または任意の他の適切な技術を含んでもよい。無線通信プロトコルには、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、ニアフィールド、携帯電話および他のプロトコルが含まれる。
【0056】
前述の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する演算のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示されている。これらのアルゴリズム記述および表現は、データ処理技術の当業者が、当業者の仕事の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用する方法である。アルゴリズムは、ここでは一般的に、所望の結果を導く操作の自己一貫したシーケンスであると考えられる。操作は、物理量の物理的操作を必要とする操作である。
【0057】
しかしながら、これらの用語および類似の用語の全ては、適切な物理量に関連付けられるものであり、これらの量に適用される単なる便利なラベルであることに留意すべきである。上記の説明から明らかなように特に断らない限り、本明細書全体にわたって、以下の特許請求の範囲に記載されているような用語を利用する論議は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報記憶、伝送または表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに操作して変換するコンピュータシステムまたは同様の電子計算装置の動作およびプロセスを指している。
【0058】
図示の技術は、1つ以上の電子デバイス上に格納され実行されるコードおよびデータを使用して実装され得る。このような電子デバイスは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスク;光ディスク;ランダムアクセスメモリ;読み出し専用メモリ;フラッシュメモリデバイス;相変化メモリ)などのコンピュータ可読媒体、および一時的なコンピュータ可読伝送媒体(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号などの、電気的、光学的、音響的または他の形態の伝搬信号)を使用してコードおよびデータを記憶するとともに(内部的および/またはネットワーク上の他の電子デバイスと)通信する。
【0059】
前の図に示されたプロセスまたは方法は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ファームウェア、ソフトウェア(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体上で実施される)、または両方の組み合わせを含むロジックを処理することによって実施される。プロセスまたは方法は、いくつかの逐次操作の観点から上述されたが、記載された操作のいくつかは、異なる順序で実行されてもよいことが理解されるべきである。さらに、いくつかの操作は、順次ではなく並列で実行されてもよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9