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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060687
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/20 20060101AFI20220408BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
A47K3/20
A47K3/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168292
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏目 昌寿
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅喜
(72)【発明者】
【氏名】松下 圭太
(72)【発明者】
【氏名】堀江 直也
(72)【発明者】
【氏名】井上 賢治
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 壱成
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132FA05
2D132FC01
2D132FD04
2D132FJ24
2D132FJ25
2D132FK04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】吐水口が浴槽上縁面よりも上方に形成された構成において、清掃しやすい吐水装置を提供する。
【解決手段】吐水装置は、浴槽内に開口する吸水口と、吸水口に連通する導水路と、浴槽上縁面15よりも上方に形成され、導水路に連通して浴槽水を吐水する吐水口41と、吐水口よりも上方に形成され、導水路に連通する開口61と、を備えている。また、吸水口を閉鎖する閉鎖部材を備えている。さらに、吐水口を閉鎖する第3の閉鎖部材73を備えている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内に開口する吸水口と、
前記吸水口に連通する導水路と、
浴槽上縁面よりも上方に形成され、前記導水路に連通して浴槽水を吐水する吐水口と、
前記吐水口よりも上方に形成され、前記導水路に連通する開口と、を備えている吐水装置。
【請求項2】
前記吸水口を閉鎖する閉鎖部材を備えている請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記浴槽内に形成され、前記導水路に連通して浴槽水を吐水する第2の吐水口と、
前記第2の吐水口を閉鎖する第2の閉鎖部材と、を備えている請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記第2の吐水口は、前記吸水口の近傍に配置され、
前記第2の閉鎖部材は、前記吸水口を閉鎖する前記閉鎖部材と一体に設けられている請求項2を引用する請求項3に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記吐水口を閉鎖する第3の閉鎖部材を備えている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項6】
前記浴槽上縁面よりも上方かつ前記吐水口よりも下方に形成され、前記導水路に連通して浴槽水を吐水する第3の吐水口を備えている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吐水装置。
【請求項7】
前記第3の吐水口を閉鎖する第4の閉鎖部材を備えている請求項6に記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴槽内に開口した吸込口及び吐水口を備える吐水装置が開示されている。この吐水装置は、配管に殺菌効果のあるオゾンを含んだエアを混入した液体からなる洗浄媒体を入れて洗浄作用を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-239769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吐水口が浴槽上縁面よりも上方に形成されている吐水装置は、浴槽に貯留された洗浄媒体の水位を超えて、配管内を洗浄媒体で満たすことが難しい。吐水装置において洗浄媒体を充填できない部位を分解して清掃する場合、吐水装置の一部を取り外す点に煩わしさがある。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、吐水口が浴槽上縁面よりも上方に形成された構成において、清掃しやすい吐水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の吐水装置は、浴槽内に開口する吸水口と、前記吸水口に連通する導水路と、浴槽上縁面よりも上方に形成され、前記導水路に連通して浴槽水を吐水する吐水口と、前記吐水口よりも上方に形成され、前記導水路に連通する開口と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る浴槽システムを示す斜視図である。
図2】浴槽システムの構成図である。
図3】上部吐水部の斜視図である。
図4図3における矢視A-A断面図である。
図5図3における矢視B-B断面図であり、第5の閉鎖部材を外した図である。
図6図5における第3の閉鎖部材、第4の閉鎖部材、及び第5の閉鎖部材を装着した図である。
図7】第1の閉鎖部材及び第2の閉鎖部材を示す断面図である。
図8】他の実施形態に係る浴槽システムを示す斜視図である。
【0008】
実施形態1の吐水装置20は、図1に示すように、浴槽11に取り付けられて浴槽システム10を構成している。以下、各構成部材において、鉛直方向上側を上側、下側を下側とし、入浴姿勢の入浴者の向きを基準として前側を前側、その反対側を後側、左側を左側、その反対側を右側として説明する。各図において、鉛直方向上側をZ軸の正方向側とし、前側をX軸の正方向側とし、左側をY軸の正方向側として表す。
【0009】
浴槽11は、浴槽部12、フランジ部14、前垂れ部16、エプロン部18を有している。浴槽部12は上面が開放された箱状に形成されている。浴槽部12の内部には、浴槽水が貯溜される。浴槽部12の内側面は、入浴者が入浴姿勢をとるときに、その背中が接触する背側面13を有している。フランジ部14は、浴槽部12の上端から周縁に広がるように形成されている。フランジ部14の上面は、浴槽水の満水位置を規定する浴槽上縁面15である。フランジ部14には、吐水装置20を上方から覆う形態でヘッドレスト17が設けられている。前垂れ部16は、フランジ部14の洗い場側の外縁から下方に延びて形成されている。エプロン部18は、前垂れ部16の下方に、洗い場の床から立ち上がる形態で設けられている。
【0010】
吐水装置20は、図2に示すように、吸水口21、導水路30、ポンプ22、切換え弁23、制御装置24、上部吐水部40、及び下部吐水部50を備えている。吸水口21は、浴槽11内に開口する。吐水装置20は、吸水口21から浴槽水をポンプ22によって汲み上げ、上部吐水部40及び下部吐水部50から吐水することにより、浴槽水を循環させる。本開示において、「吐水」とは水を単に吐き出すことを意味し、その吐き出し方を限定するものではない。たとえば、帯状及び束状に浴槽水を垂らすような吐水態様も、ジェット噴射や噴霧のような吐水態様も「吐水」の一種である。本開示において、水には湯も含まれる。
【0011】
導水路30は、吸水口21に連通している。導水路30は、吸水口21から吸水した浴槽水を上部吐水部40及び下部吐水部50に導く流路を形成する。導水路30は、吸水導水路31、共通導水路32、上部導水路33、及び下部導水路34を有している。吸水導水路31は吸水口21とポンプ22とに連通する。共通導水路32は、ポンプ22と切換え弁23とに連通する。上部導水路33は、切換え弁23と上部吐水部40とに連通する。下部導水路34は、切換え弁23と下部吐水部50とに連通する。
【0012】
切換え弁23は、共通導水路32の下流端であって、導水路30を上部導水路33と下部導水路34に分岐する分岐点に設けられている。切換え弁23は、上部導水路33及び下部導水路34の少なくとも一方を吸水口21に選択的に連通させる。切換え弁23及びポンプ22は、制御装置24からの制御信号によって制御される。
【0013】
上部吐水部40は、図3から図5に示すように、横長偏平な形状をなし、浴槽上縁面15に設置されている。上部吐水部40は、帯状吐水口41、束状吐水口42、第1導水路43、及び第3導水路44を備えている。帯状吐水口41及び束状吐水口42は吐水口に対応する。束状吐水口42は第3の吐水口に対応する。
【0014】
帯状吐水口41は、浴槽上縁面15よりも上方に形成され、導水路30に連通して浴槽水を吐水する。帯状吐水口41は、吐水口の一例である。帯状吐水口41は、左右に延びたスリット状をなし、上部吐水部40の前面45に開口している。帯状吐水口41は、束状吐水口42よりも上方に形成され、第1導水路43に連通して浴槽水を吐水する。帯状吐水口41は、膜状の横長な吐水流を前方に吐き出す。
【0015】
束状吐水口42は、浴槽上縁面15よりも上方に形成され、導水路30に連通して浴槽水を吐水する。束状吐水口42は、吐水口の他の例である。束状吐水口42は、上部吐水部40の前面45に開口して、左右に並んで2つ設けられている。束状吐水口42は、帯状吐水口41よりも下方に形成され、第3導水路44に連通して浴槽水を吐水する。束状吐水口42は、2つの束状の吐水流を入浴者の両肩付近に向けて吐き出す。
【0016】
第1導水路43及び第3導水路44は、上部吐水部40の内部に形成され、導水路30の一部分を構成する。第1導水路43と第3導水路44は、上部吐水部40内において、図5に示す隔壁47によって上下に隔てられている。第1導水路43と第3導水路44は、それぞれ上部導水路33に連通している。
【0017】
図1に示されるように、下部吐水部50は、略円筒状をなし、浴槽11内に設置されている。下部吐水部50は、背側面13に左右に並んで2つ設けられている。下部吐水部50には、ジェット噴射口51が形成されている。下部吐水部50の側面には、吸水口21が形成されている。
【0018】
ジェット噴射口51は、浴槽11内に形成され、下部導水路34に連通して浴槽水を吐水する。ジェット噴射口51は、第2の吐水口に対応する。ジェット噴射口51は、平面視円形状をなし、下部吐水部50の底面に開口している。ジェット噴射口51は、吸水口21に隣接して配置されている。ジェット噴射口51は、吐水流を入浴者の腰や背中に向けて勢いよくバブル噴射する。
【0019】
吐水装置20は、図2及び図5に示すように、第1の開口61、連通孔62、及び第2の開口63を備えている。第1の開口61は、導水路30内に洗浄水を注入するための注入穴として用いられる。第1の開口61及び連通孔62は、導水路30内を洗浄水で満たす際に空気を抜くエア抜き穴として用いられる。第1の開口61、連通孔62、及び第2の開口63は、導水路30内に図示しない配管ブラシや高圧洗浄水等を入れるための挿入穴として用いられる。すなわち、第1の開口61、連通孔62、及び第2の開口63は、吐水装置20の清掃用の穴として設けられている。
【0020】
第1の開口61は、帯状吐水口41よりも上方に形成され、第1導水路43に連通する。第1の開口61は、開口に対応する。第1の開口61は、平面視円形状をなし、上部吐水部40の上面46に開口している。第1の開口61の内径は、帯状吐水口41の上下の寸法よりも大きい。
【0021】
連通孔62は、第1の開口61の直下に形成されている。連通孔62は、第1導水路43と第3導水路44との間の隔壁47を貫通している。連通孔62の内径は、第1の開口61の内径よりも一回り小さく、帯状吐水口41の上下の寸法よりも大きい。
【0022】
図2に示す第2の開口63は、浴槽上縁面15よりも下方に形成され、導水路30に連通している。第2の開口63は、吸水導水路31、共通導水路32、上部導水路33、及び下部導水路34の少なくとも1つに形成されている。図2では、上部導水路33に形成された第2の開口63を模式的に描いている。第2の開口63は、図示しない閉鎖部材で開閉自在に閉鎖されている。
【0023】
吐水装置20は、図5から図7に示すように、第1の閉鎖部材71、第2の閉鎖部材72、第3の閉鎖部材73、第4の閉鎖部材74、及び第5の閉鎖部材75を備えている。第1の閉鎖部材71は、吸水口21を閉鎖する閉鎖部材である。第2の閉鎖部材72は、ジェット噴射口51を閉鎖する部材である。第3の閉鎖部材73は、帯状吐水口41を閉鎖する部材である。第4の閉鎖部材74は、束状吐水口42を閉鎖する部材である。第5の閉鎖部材75は、第1の開口61及び連通孔62を閉鎖する部材である。第1から第4の閉鎖部材71,72,73,74は、吐水装置20の運転時に外され、吐水装置20の洗浄水を用いた清掃時に吸水口21及び吐水口51,41,42を閉鎖する。第5の閉鎖部材75は、吐水装置20の運転時に第1の開口61及び連通孔62を閉鎖して、吐水装置20の洗浄水を用いた清掃時及び配管ブラシや高圧洗浄水等を用いた洗浄時に外される。
【0024】
第2の閉鎖部材72は、図7に示すように、第1の閉鎖部材71と一体に設けられている。具体的には、第1の閉鎖部材71及び第2の閉鎖部材72は、下部吐水部50をカバーする蓋部材80を構成している。蓋部材80は、下部吐水部50に着脱自在である。蓋部材80は、弾性変形可能なカップ状をなし、下部吐水部50に対して前方から装着される。蓋部材80の開口縁は、下部吐水部50の裏面に掛かり止めされるとともに、下部吐水部50の外周面に密着する。蓋部材80は、下部吐水部50に装着されて、吸水口21及びジェット噴射口51から導水路30内に滞留した洗浄水が漏れることを抑制する。
【0025】
第3の閉鎖部材73は、図5及び図6に示すように、帯状吐水口41に挿入される栓である。第4の閉鎖部材74,74は、束状吐水口42,42に挿入される栓である。第3の閉鎖部材73及び第4の閉鎖部材74は、上部吐水部40に着脱自在である。第3の閉鎖部材73及び第4の閉鎖部材74は、弾性変形して、帯状吐水口41及び束状吐水口42を水密に密閉する。第3の閉鎖部材73及び第4の閉鎖部材74は、上部吐水部40に装着されて、帯状吐水口41及び束状吐水口42から導水路30内に滞留した洗浄水が漏れることを抑制する。
【0026】
第5の閉鎖部材75は、第1の開口61及び連通孔62に挿入される栓である。第5の閉鎖部材75は、第1の開口61を水密に密閉する。第5の閉鎖部材75は、段付き状に形成されて、連通孔62を水密に密閉する。第5の閉鎖部材75は、第1の開口61を塞いで、吐水装置20の運転時に導水路30内を循環する浴槽水が外部に漏れることを抑制する。第5の閉鎖部材75は、連通孔62を塞いで、吐水装置20の運転時に帯状吐水口41と束状吐水口42から吐水される浴槽水が上部吐水部40内において混ざり合わないようにする。
【0027】
洗浄水を用いた吐水装置20の清掃方法について説明する。ユーザは、第5の閉鎖部材75を外して、第1の開口61及び連通孔62を開放する。ユーザは、蓋部材80を下部吐水部50に装着するとともに、第3の閉鎖部材73及び第4の閉鎖部材74を帯状吐水口41及び束状吐水口42に装着する。すると、導水路30内は、第1の開口61を除いて外部から閉じた空間となる。この際、上部導水路33が共通導水路32及び下部導水路34に連通するように切換え弁23を制御する。この状態において、導水路30は、吸水口21から吐水口41,42,51に至る経路が通じている。
【0028】
ユーザは、第1の開口61から洗浄水を注入する。洗浄水は、過炭酸塩の水溶液等が好適に用いられる。導水路30内に流入した洗浄水は、下方に流れて下部導水路34内に充填される。さらに洗浄水を注入すると、洗浄水が上部導水路33内に充填される。さらに洗浄水を注入すると、第3導水路44内の空気が連通孔62から第1導水路43側に抜け、第3導水路44の隅々まで洗浄水が行き渡る。さらに洗浄水を注入すると、第1導水路43内の空気が第1の開口61から外部に抜け、第1導水路43の隅々まで洗浄水が行き渡る。この状態において、洗浄水の水位は浴槽上縁面15よりも高く、導水路30全体が洗浄水で満たされている。その後、洗浄水を導水路30内に規定時間滞留させて、洗浄水の作用により導水路30内の汚れを落とす。以上により、洗浄水を用いた吐水装置20の清掃が完了する。
【0029】
配管ブラシや高圧洗浄水等を用いた吐水装置20の清掃方法について説明する。ユーザは、第5の閉鎖部材75を外して、第1の開口61及び連通孔62を開放する。ユーザは、例えばエプロン部18を外し、第2の開口63を閉鎖する閉鎖部材を外して、第2の開口63を開放する。配管ブラシや高圧洗浄水等を用いた清掃時には、蓋部材80、第3の閉鎖部材73、及び第4の閉鎖部材74を吐水装置20に装着しなくてもよい。
【0030】
ユーザは、第1の開口61から配管ブラシや高圧洗浄水等を入れて、第1導水路43等の汚れを直接、物理的に落とす。第1の開口61から入れられた配管ブラシや高圧洗浄水等を連通孔62に通して、第3導水路44、上部導水路33等の汚れを直接、物理的に落とす。ユーザは、第2の開口63から配管ブラシや高圧洗浄水等を入れて、第1の開口61から配管ブラシや高圧洗浄水等を入れても届かない導水路30の汚れを直接、物理的に落とす。以上により、配管ブラシや高圧洗浄水等を用いた吐水装置20の清掃が完了する。
【0031】
次に、上記のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
【0032】
本実施形態の吐水装置20は、浴槽11内に開口する吸水口21と、吸水口21に連通する導水路30と、浴槽上縁面15よりも上方に形成され、導水路30に連通して浴槽水を吐水する帯状吐水口41と、帯状吐水口41よりも上方に形成され、導水路30に連通する第1の開口61と、を備えている。
【0033】
本実施形態の吐水装置20によれば、第1の開口61から導水路30内に洗浄水を注入し、帯状吐水口41よりも上方に形成された第1の開口61から空気を抜くことができる。このため、導水路30内を洗浄水で満たしやすい。この吐水装置20によれば、第1の開口61から導水路30内に配管ブラシや高圧洗浄水等を入れることができる。このため、導水路30内を清掃するために吐水装置20の取り外し及び分解を行わなくてもよい。これらの結果、清掃しやすい吐水装置20を提供できる。
【0034】
本実施形態の吐水装置20は、吸水口21を閉鎖する第1の閉鎖部材71を備えている。この構成によれば、第1の閉鎖部材71によって吸水口21を閉鎖することができ、導水路30内を洗浄水で満たしやすい。
【0035】
本実施形態の吐水装置20は、浴槽11内に形成され、導水路30に連通して浴槽水を吐水するジェット噴射口51と、ジェット噴射口51を閉鎖する第2の閉鎖部材72と、を備えている。この構成によれば、第2の閉鎖部材72によってジェット噴射口51閉鎖することができ、導水路30内を洗浄水で満たしやすい。
【0036】
本実施形態では、ジェット噴射口51は、吸水口21に隣接して配置されている。第2の閉鎖部材72は、吸水口21を閉鎖する第1の閉鎖部材71と一体に設けられている。この構成によれば、一体の閉鎖部材71,72によって吸水口21とジェット噴射口51を一括して閉鎖することができ、手軽である。
【0037】
本実施形態の吐水装置20は、帯状吐水口41を閉鎖する第3の閉鎖部材73を備えている。この構成によれば、第3の閉鎖部材73によって帯状吐水口41を閉鎖することができ、導水路30内を洗浄水で満たしやすい。
【0038】
本実施形態の吐水装置20は、浴槽上縁面15よりも上方かつ帯状吐水口41よりも下方に形成され、導水路30に連通して浴槽水を吐水する束状吐水口42を備えている。この吐水装置20によれば、浴槽上縁面15よりも上方に2つの吐水口41,42を有する構成であっても、2つの吐水口41,42に至る経路を有する導水路30内を洗浄水で満たして清掃できる。
【0039】
本実施形態の吐水装置20は、束状吐水口42を閉鎖する第4の閉鎖部材74を備えている。この構成によれば、第4の閉鎖部材74によって束状吐水口42を閉鎖することができ、導水路30内を洗浄水で満たしやすい。
【0040】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0041】
図8の浴槽システム10は、浴槽11に図2に示す第2の開口63から清掃作業をするための点検口が形成されている。点検口64は、浴槽上縁面15に設けられた点検口の一例である。点検口65は、前垂れ部16に設けられた点検口の一例である。点検口66は、エプロン部18に設けられた点検口の一例である。点検口64,65,66は、第2の開口63の位置に応じて少なくとも一つ設けられていればよい。
【0042】
配管ブラシや高圧洗浄水等を用いた吐水装置の清掃方法において、束状吐水口及びジェット噴射口の少なくとも一方から配管ブラシや高圧洗浄水等を入れて、導水路の汚れを直接、物理的に落としてもよい。
【0043】
閉鎖部材は、吐水装置と一体的に設けられていてもよい。例えば、閉鎖部材は吐水口に対して進退自在に取り付けられたシャッターであってもよい。それ以外にも、各閉鎖部材の形状、各閉鎖部材が吸水口及び吐水口を閉鎖する態様は変更可能である。
【0044】
吐水装置は、第1から第5の閉鎖部材のいずれか1つ以上を備えていなくてもよい。
【0045】
吐水口、第2の吐水口、第3の吐水口の吐水態様、位置は変更可能である。吐水装置は、第2の吐水口及び第3の吐水口の1つ以上を備えていなくてもよい。
【0046】
第2の吐水口は、吸水口から離れて配置されもよい。第2の閉鎖部材は第1の閉鎖部材と別体に設けられていてもよい。
【0047】
吸水口及び吐水口の数及び配置は変更可能である。
【0048】
開口の数及び配置は変更可能である。連通孔及び第2の開口は設けられなくてもよい。吐水装置は、導水路の形状に応じて、開口から配管ブラシが届きにくい位置に第4の開口が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0049】
11…浴槽、20…吐水装置、21…吸水口、30…導水路、41…帯状吐水口、吐水口、42…束状吐水口、第3の吐水口、51…ジェット噴射口、第2の吐水口、61…開口、71…第1の閉鎖部材、閉鎖部材、72…第2の閉鎖部材、73…第3の閉鎖部材、74…第4の閉鎖部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8