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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060711
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】コンタクトプローブ
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20220408BHJP
【FI】
G01R1/067 A
G01R1/067 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168338
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003414
【氏名又は名称】東京特殊電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小路 遼太
(72)【発明者】
【氏名】深澤 雅章
(72)【発明者】
【氏名】小澤 卓弥
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA02
2G011AA10
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB06
2G011AB07
2G011AB08
2G011AE01
2G011AE22
2G011AF07
(57)【要約】
【課題】先端部が被測定体の検査点に確実に接触することができ、且つ被測定体の検査点を削ったり傷をつけたりしないようにできるコンタクトプローブを提供する。
【解決手段】金属導体11の外周に絶縁被膜12を有する胴体部14と、金属導体11の両端に形成された絶縁被膜12を有しない端部16と、を有し、軸線方向に荷重をかけて撓ませることにより被測定体20に対する接触圧力を得て電気特性を測定するコンタクトプローブ10において、端部16のうち少なくとも被測定体20に接触する側の端部16の形状が曲面であり、曲面の曲率半径をRとし、金属導体11の直径をDとしたときに、Rは0.5Dを超え5D以下の範囲である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピン形状の金属導体の外周に絶縁被膜を有する胴体部と、
前記金属導体の両端に形成された前記絶縁被膜を有しない端部と、を有し、
軸線方向に荷重をかけて撓ませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定するコンタクトプローブであって、
前記端部のうち少なくとも被測定体に接触する側の端部の形状が曲面であり、該曲面の曲率半径をRとし、前記金属導体の直径をDとしたときに、Rは0.5Dを超え5D以下であることを特徴とするコンタクトプローブ。
【請求項2】
前記曲率半径RはD以上であることを特徴とする請求項1記載のコンタクトプローブ。
【請求項3】
前記金属導体の直径が8μm以上180μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンタクトプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品及び基板などの電気特性の検査に用いる検査用のコンタクトプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンや携帯電話等に使用される高密度実装基板、又はパーソナルコンピュータ等に組み込まれるBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のICパッケージ基板等、様々な回路基板が用いられている。
これら回路基板は、実装の前後の工程において、例えば直流抵抗値の測定や導通検査等が行われ、その電気特性の良否が検査されている。
【0003】
例えば特許文献1に示すように、電気特性の良否の検査は、検査装置に接続された検査装置用治具(以下、プローブユニットと称する場合がある)を用いて行われる。
具体的には、測定対象の回路基板(以下、被測定体と称する場合がある)の電極(以下、検査点と称する場合がある)に、プローブユニットの先端に装着されたピン形状のコンタクトプローブの先端を接触させることにより行われる。
【0004】
特許文献2には、コンタクトプローブの先端部の形状が半球形状、円錐形状、先端に半球形状を有する円錐形状、先端に平坦形状を有する円錐形状のうちいずれかの形状を適宜選択できる旨が記載されている。
【0005】
特許文献3には、コンタクトプローブの先端部の形状が平坦形状のものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-131334号公報
【特許文献2】特開2007-322369号公報
【特許文献3】特開2013-024716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1及び特許文献2のように、コンタクトプローブの先端部の形状が半球形状であると、コンタクトプローブの先端部が被測定体の検査点から滑りすぎてしまい、コンタクトプローブの先端部が検査点に接触せず正確な検査が行えないおそれがある。
【0008】
また、特許文献2のように、コンタクトプローブの先端部の形状が円錐形状、先端に半球形状を有する円錐形状、先端に平坦形状を有する円錐形状の場合には、被測定体の検査点との接触面積が小さくなってしまうため、近年の電極の狭ピッチ化に伴い各検査点に対してコンタクトプローブの先端部を接触させて検査することが困難となるおそれがある。
【0009】
さらに、特許文献3のように、コンタクトプローブの先端部の形状が平坦形状の場合には、被測定体の検査点との接触面積は十分であるが、コンタクトプローブの先端部に直角のエッジ部が生じているため、このエッジ部が検査点と接触した場合おいては検査点が削られたり、傷がついたりしてしまうおそれがある。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的は、コンタクトプローブの先端部が被測定体の検査点に確実に接触することができ、且つ被測定体の検査点を削ったり傷をつけたりすることを軽減するコンタクトプローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかるコンタクトプローブによれば、ピン形状の金属導体の外周に絶縁被膜を有する胴体部と、前記金属導体の両端に形成された前記絶縁被膜を有しない端部と、を有し、軸線方向に荷重をかけて撓ませることにより被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を測定するコンタクトプローブにおいて、前記端部のうち少なくとも被測定体に接触する側の端部の形状が曲面であり、該曲面の曲率半径をRとし、前記金属導体の直径をDとしたときに、Rは0.5Dを超え5D以下の範囲であることを特徴としている。
この構成を採用することによって、被測定体に接触する端部がほぼ平坦形状に近い曲面とすることができるので、被測定体の検査点に接触させた際に滑りすぎることがなくなり、またエッジ部が直角でなくなったため検査点に対して面接触することができ、検査点を削ったり傷をつけたりしないようにすることができる。
【0012】
また、前記曲率半径RはD以上であることを特徴としてもよい。
【0013】
また、前記金属導体の直径が8μm以上180μm以下であることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被測定体の検査点に確実に接触することができ、且つ被測定体の検査点を削ったり傷をつけたりしないようにできるコンタクトプローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】コンタクトプローブの概略平面図である。
図2】コンタクトプローブの使用態様を示す説明図である。
図3】コンタクトプローブの端部の拡大図である。
図4】2個所の検査点にコンタクトプローブの端部が接触するところを示す説明図ある。
図5】端部の形状を変更して、滑り試験と傷試験を実施した場合の結果をまとめた表である。
図6図5の表において対応する端部の形状を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明のコンタクトプローブの実施形態を詳細に説明する。
図1はコンタクトプローブの概略平面図であり、図2はコンタクトプローブを用いて被測定体の電気特性等の検査を実行するときの説明図である。
【0017】
コンタクトプローブ10は、断面円形のきわめて細い円柱状(ピン形状)の金属導体11からなり、金属導体11の外周に絶縁被膜12を有する胴体部14を有している。金属導体11の両端には、絶縁被膜12を有していない端部16が形成されている。
コンタクトプローブ10は、軸線方向に荷重をかけて撓ませることにより、被測定体に対する接触圧力を得て電気特性を検査するように構成されている。
【0018】
(コンタクトプローブを使用した電気特性の検査方法)
コンタクトプローブの使用態様の説明を図2に基づいて行う。
ここで示す例では、ICパッケージ基板等を被測定体20とし、被測定体20の表面に形成されている複数の電極を検査点22とし、この検査点22に対してコンタクトプローブ10の端部16を接触させる。
【0019】
検査用の治具であるプローブユニット30は、複数のコンタクトプローブ10を有する。
プローブユニット30は、複数のコンタクトプローブ10の上端部を保持する上プレート32と、コンタクトプローブ10の下端部をガイドする下プレートとを有し、上プレート32と下プレート34との間は、支持柱36によって支持されている。
下プレート34には、コンタクトプローブ10の下端部よりもやや大径のガイド孔が形成されており、コンタクトプローブ10の下端部がガイド孔内を軸線方向に移動可能となっている。
また、上プレート32には、複数のコンタクトプローブ10の各上端部と電気的に接続される複数のリード線37が配置される。複数のリード線37は、測定機(図示せず)や電源(図示せず)に接続される。
【0020】
図2の右図のように、被測定体20の上方に、各コンタクトプローブ10の下端部が被測定体20の各検査点22の位置に対向するように、プローブユニット30を配置する。
そして、各コンタクトプローブ10の下端部を被測定体20の各検査点22に接触するようにプローブユニット30を下降させ、さらに図2の右図のように、プローブユニット30を上方から下方に向けて加圧する。
すると、コンタクトプローブ10の軸線方向に沿って荷重がかかってコンタクトプローブ10が撓む。このときコンタクトプローブ10の端部16は、コンタクトプローブ10が撓んだことによる弾性力による所定の接触圧力で検査点22に接触する。
【0021】
(金属導体)
金属導体11としては、高い導電性と高い弾性率を有する金属線(金属ばね線ともいう)が用いられる。金属導体11に用いられる金属材料としては、タングステン、レニウムタングステン、ベリリウム銅等の銅合金、パラジウム合金、銅銀合金等を好適に用いることができる。
【0022】
金属導体11の上記金属材料の表面には、金属導体11と被測定体20の検査点22又は検査装置のリード線37との接触抵抗値の上昇を抑えるために、めっき層が必要に応じて設けられていてもよい。めっき層を形成する金属としては、ニッケル、金、ロジウム等の金属や金合金等の合金を挙げることができる。めっき層は、単層であってもよいし複層であってもよい。複層のめっき層としては、例えばニッケルめっき層上に金めっき層が形成されたものを好ましく挙げることができる。めっき層の厚さは特に限定されないが、例えば1μm以上5μm以下とすることができる。
【0023】
本実施形態の金属導体11の導体径は、近年の狭ピッチ化の要請から細径化が求められており、8μm以上180μm以下のものを好適に用いることができる。さらに好ましくは、導体径は10μm以上110μm以下の範囲内のものを用いることができる。
金属導体11は所定の径のピン形状の導体となるように冷間又は熱間伸線等の塑性加工により製造される。
【0024】
なお、コンタクトプローブ10をプローブユニット30に装着しやすくし、且つプローブユニット30の下プレート34のガイド孔に引っかかることなく、コンタクトプローブ10の動きが妨げられることがないようにするため、金属導体11の真直度が高いことが好ましく、具体的には、真直度は曲率半径1000mm以上であることが好ましい。
真直度の高い金属導体11は、絶縁被膜12を設ける前の長尺の金属線を直線矯正処理することにより得られる。直線矯正処理は、例えば回転ダイス式直線矯正装置等によって行われる。
【0025】
(端部)
金属導体11の両端部のうち一方の端部16が被測定体20の検査点22に接触する。
本実施形態のコンタクトプローブ10は、図3に示すように、少なくとも金属導体11の両端部のうち、被測定体20の検査点22に接触する端部16の形状を曲面とする。
また、この曲面の曲率半径をRとし、金属導体11の直径をDとしたときに、Rは0.5Dを超え5D以下(以下、0.5D<R≦5Dと表現することもある)である構成を好適に用いることができる。
ただし、上述したような条件の曲面とするのは片方の端部16だけでなく、両端部を上述したような条件の曲面に形成してもよい。
【0026】
端部16の曲面の曲率半径Rを、0.5D<R≦5Dとすることにより、被測定体20の検査点22に接触する端部16をほぼ平坦形状に近い曲面とすることができる。
このため、端部16を被測定体20の検査点22に接触させた際に滑りすぎることがなくなる。また端部16のエッジ部が直角でないため、検査点22に対して面接触することができ、検査点22を削ったり傷をつけたりするのを抑制することができる。さらに、検査点22に対する接触面積を十分に確保することができる。
【0027】
上述したように金属導体11の直径を、8μm以上180μm以下とすると、例えば端部16の曲率半径Rは、D=8μmの場合、4μm<R≦40μmの範囲となり、D=180μmの場合、90μm<R≦900μmの範囲となる。
【0028】
また、図4に示すように、本実施形態のコンタクトプローブ10は、被測定体20における2つの検査点22の中間に配置させるような場合において好適に用いることができる。なお、図4では、半球形状の検査点22を図示したが、検査点22の形状はこのような形状に限定するものではない。
この場合、特に半球形状の検査点22に対して端部が滑りすぎることが無く、また検査点22に対する接触面積を十分に確保できる。また、端部16のエッジ部が直角でないため、検査点22に対して面接触することができ、2つの検査点22を削ったり傷をつけたりしないようにすることができる。
【0029】
金属導体11の端部16を上述した形状に形成する方法としては、金属導体11の端部16を研削加工することによって行われる。
研削加工は、研削布紙を用いたり、ダイヤモンドホイールを使用したりすることで行うことができる。また、ピン形状の金属材料を研削可能な公知の研削加工機を用いてもよい。
【0030】
(絶縁被膜)
絶縁被膜12は、絶縁性を有する被膜であれば、その材料については特に限定されないが、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等から選ばれる1種又は2種以上の樹脂材料を好適に用いることができる。
また、これらの樹脂からなる絶縁被膜12は、樹脂の種類によって耐熱性が異なるため、被測定体20の検査の際に発生する熱又は周囲環境温度を考慮して任意に選択することができる。
【0031】
絶縁被膜12の厚さは、電気絶縁性を確保できる程度の厚さであればよく、金属導体11の直径との関係を考慮して、1μm以上30μm以下の範囲内で適宜設定される。
絶縁被膜12は、金属導体11に焼付エナメル被膜として形成されることが好ましい。焼付エナメル被膜は、塗料の塗布と焼付の繰り返しによる連続工程で形成されるので、生産性が良く、金属導体11との間の密着性が高く且つ被膜強度をより高いものとすることができる。
【0032】
なお、本実施形態では、金属導体11のそれぞれの端部16から所定長さ分だけ絶縁被膜12が除去されている領域が形成されている。絶縁被膜12が除去されている領域の長さは、プローブユニット30の構造等に基づいて適宜設定される。
【0033】
(実施例)
以下の実施例では、金属導体11として、長尺のレニウムタングステン線(外径D:0.025mm)を用いた。
絶縁被膜12は2層構造とし、第1絶縁被膜はウレタン樹脂系エナメル塗料を第1絶縁被膜用塗料として用い、厚さ1μmで第1絶縁被膜を形成した。第2絶縁被膜は、第1絶縁被膜と同じエナメル塗料を用い、そのエナメル塗料100重量部に対して顔料(BASFジャパン株式会社製、商品名:Irgazin(登録商標))を4重量部含有させた第2絶縁被膜用エナメル塗料とし、厚さ2.5μmで第2絶縁被膜を形成した。
【0034】
絶縁被膜12(総厚約3.5μm)が形成された長尺のコンタクトプローブを定尺切断機で切断して長さ10mmの絶縁被膜付きコンタクトプローブを切り出し、その絶縁被膜付きコンタクトプローブの両端部の所定長さをレーザー剥離し、図1に示す様態からなるコンタクトプローブ10を作製した。
研削加工装置により金属導体11を加工する際に研削角度や時間等を適宜調整することで端部16の形状を調整した。
【0035】
さらに、絶縁被膜12が剥離されて露出した金属導体11の表面に、電気めっきで厚さ1μmのニッケルめっき層を設けた後、さらにその上に厚さ0.2μmの金めっき層を設けて合計厚さが1.2μmのめっき層を形成した。
【0036】
図5に、上述した実施例によるコンタクトプローブ10の端部16の曲面の曲率半径Rを変更した場合における、端部16の検査点22に対する滑り、検査点22における傷の評価を行った結果を示す。なお、本実施例において金属導体11の直径Dは一定である。
なお、比較例1として端部の曲率半径Rが0.5Dの場合、比較例2として端部が平坦形状の場合、比較例3として端部が鋭角の場合について評価を行った。
【0037】
ちなみに、図6には、図5の実施例及び比較例におけるコンタクトプローブ10の端部形状についての概略を図示している。
図6の(A)は、端部が曲面のものである。
図6の(B)は、端部が平坦形状のものである。
図6の(C)は、端部が鋭角のものである。
【0038】
滑り評価の方法は、コンタクトプローブ10の端部16と被測定体20との接触試験を10000回行い、滑りが発生した回数が9回以下の場合は評価A、10回以上99回以下の場合は評価B、100回以上の場合は評価Cとする。
【0039】
傷評価の方法は、コンタクトプローブ10の端部16と被測定体20との接触試験を10000回行い、傷が無い場合は評価A、傷がある場合は評価Bとする。
【0040】
以下、各実施例について説明する。
実施例1の端部は、R=5Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例1における滑り評価はA、傷評価はAであった。
【0041】
実施例2の端部は、R=4Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例2における滑り評価はA、傷評価はAであった。
【0042】
実施例3の端部は、R=3Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例3における滑り評価はA、傷評価はAであった。
【0043】
実施例4の端部は、R=2Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例4における滑り評価はA、傷評価はAであった。
【0044】
実施例5の端部は、R=1.5Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例5における滑り評価はA、傷評価はAであった。
【0045】
実施例6の端部は、R=Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例6における滑り評価はA、傷評価はAであった。
【0046】
実施例7の端部は、R=0.9Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例7における滑り評価はB、傷評価はAであった。
【0047】
実施例8の端部は、R=0.7Dであり、図6の対応モデルは(A)である。実施例8における滑り評価はB、傷評価はAであった。
【0048】
なお、比較例1の端部は、R=0.5Dであり、形状としては実施例1~実施例8と同様であるが実施例1~8よりも曲率半径が大きく形成されている。比較例1における滑り評価はC、傷評価はAであった。
【0049】
比較例2の端部は、平坦形状であり、図6の対応モデルは(B)である。比較例2における滑り評価はA、傷評価はBであった。
【0050】
比較例3の端部は、先端が尖鋭の鋭角であり、図6の対応モデルは(C)である。比較例3における滑り評価はA、傷評価はBであった。
【0051】
図5の結果から、比較例1のようにコンタクトプローブ10の端部が曲面であって、その曲率半径RがR≦0.5Dの場合には滑りやすくなるため、滑り評価が悪くなることが判明した。
また、比較例2のようにコンタクトプローブの端部が平坦形状であると、滑り評価は問題ないが、傷がついてしまっていた。
さらに、比較例3のようにコンタクトプローブの端部が鋭角であると、滑り評価は問題ないが、傷がついてしまっていた。
したがって、コンタクトプローブ10の端部が曲面であって、その曲率半径Rが0.5D<R≦5Dの場合には滑りやすくなく、且つ傷もつかないため好適であることが判明した。
【0052】
なお、実施例1~6の滑り評価と傷評価は双方ともAであった。このため、実施例1~6のように、D≦R≦5DとなるRの範囲がさらに好ましいことも判明した。
【符号の説明】
【0053】
10 コンタクトプローブ
11 金属導体
12 絶縁被膜
14 胴体部
16 端部
20 被測定体
22 検査点
30 プローブユニット
32 上プレート
34 下プレート
36 支持柱
37 リード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6