(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060718
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】補助固定具
(51)【国際特許分類】
A47D 13/06 20060101AFI20220408BHJP
B61B 1/02 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
A47D13/06
B61B1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168355
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】500075597
【氏名又は名称】株式会社 日本育児
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石迫 壮馬
【テーマコード(参考)】
3D101
【Fターム(参考)】
3D101AD20
(57)【要約】
【課題】
前後方向一方側から押されたときにも安全柵が倒れないように安全柵の固定を補助する補助固定具を提供する。
【解決手段】
本願の一態様に係る補助固定具は、進退可能な当接部を固定対象の側面に押し当てて固定する安全柵の補助固定具であって、固定対象の側面に面する側面部と当該側面部から連続し固定対象の前面に面する前面部とを有する係止部材と、係止部材の側面部に設けられた受け部材と、を備え、受け部材は、安全柵の当接部が押し当てられる受け部と、受け部を囲む外周部分の少なくとも一部に形成された外壁部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
進退可能な当接部を固定対象の側面に押し当てて固定する安全柵の補助固定具であって、
前記固定対象の側面に面する側面部と当該側面部から連続し前記固定対象の前面に面する前面部とを有する係止部材と、
前記係止部材の側面部に設けられた受け部材と、を備え、
前記受け部材は、
前記安全柵の当接部が押し当てられる受け部と、
前記受け部を囲む外周部分の少なくとも一部に形成された外壁部と、を有する、補助固定具。
【請求項2】
前記係止部材と前記受け部材とは別部材で形成されており、
前記受け部材は、前記安全柵の当接部が押し当てられていないとき、前記係止部材の側面部に対して所望の前後方向位置に配置できるように構成されている、請求項1に記載の補助固定具。
【請求項3】
前記係止部材は、前記側面部に前後方向に並んで形成された複数の噛合部を有し、
前記受け部材は、前記複数の噛合部のうち所望の噛合部と噛み合い可能な被噛合部を有し、前記所望の噛合部と前記被噛合部が噛み合ったとき前記係止部材に対する前後方向の移動が制限されるように構成されている、請求項2に記載の補助固定具。
【請求項4】
前記受け部材は、前記安全柵の当接部が前記受け部に押し当てられているとき、前記噛合部と前記被噛合部が噛み合った状態が維持されるように構成されている、請求項3に記載の補助固定具。
【請求項5】
前記被噛合部は前記受け部に設けられている、請求項4に記載の補助固定具。
【請求項6】
前記受け部材は、前記係止部材に対して前後方向に摺動可能なベース部を有し、
前記被噛合部は、前記ベース部に対して前記当接部の進退方向に変位可能に設けられており、前記ベース部に対して前記当接部の後退方向に変位したとき前記噛合部との噛み合いが解除されるように構成されている、請求項5に記載の補助固定具。
【請求項7】
前記受け部材は、前記ベース部に対して前記被噛合部を前記当接部の後退方向に付勢する付勢部を有している、請求項6に記載の補助固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、安全柵の補助固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットや幼児の通り抜けを規制する安全柵は、部屋の入口など様々な場所に設置される。安全柵の多くは、ペットや幼児が乗り越えられない程度の高さに設定され、天井の高さに比べてかなり低い。このような安全柵は、幅方向(通り抜け方向に対して垂直な方向)両端に設けられた固定部材を幅方向に突っ張ることで固定することができる。より詳しくは、固定部材の先端に位置し幅方向に進退可能な当接部を、安全柵よりも幅方向外側に位置する柱や壁などの固定対象に押し当てることで安全柵を固定することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような固定対象に当接部を押し当てて固定する安全柵は、ペットや幼児によって前後方向(通り抜け方向)一方側から強く押されると、安全柵がしっかり固定されていないような場合は前後方向他方側に倒れるおそれがある。
【0005】
本願は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、前後方向一方側から押されたときに安全柵が倒れないよう安全柵の固定を補助する補助固定具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一態様に係る補助固定具は、進退可能な当接部を固定対象の側面に押し当てて固定する安全柵の補助固定具であって、前記固定対象の側面に面する側面部と当該側面部から連続し前記固定対象の前面に面する前面部とを有する係止部材と、前記係止部材の側面部に設けられた受け部材と、を備え、前記受け部材は、前記安全柵の当接部が押し当てられる受け部と、前記受け部を囲む外周部分の少なくとも一部に形成された外壁部と、を有する。
【0007】
安全柵と固定対象の間に上記の補助固定具を介在させて安全柵を固定すると、安全柵が後方に強く押されて倒れそうになったとき、安全柵の当接部が補助固定具の外壁部に引っ掛かり、補助固定具全体に後方への力が加わる。ただし、補助固定具の係止部材は固定対象に係止されるため、補助固定具全体が後方へ移動することはなく、その結果、安全柵が後方に倒れることはない。
【0008】
上記の補助固定具において、前記係止部材と前記受け部材とは別部材で形成されており、前記受け部材は、前記安全柵の当接部が押し当てられていないとき、前記係止部材の側面部に対して所望の前後方向位置に配置できるように構成されていてもよい。
【0009】
この構成によれば、安全柵の当接部を受ける受け部材を所望の前後方向位置に配置できるため、安全柵の設置可能範囲を広げることができる。
【0010】
上記の補助固定具において、前記係止部材は、前記側面部に前後方向に並んで形成された複数の噛合部を有し、前記受け部材は、前記複数の噛合部のうち所望の噛合部と噛み合い可能な被噛合部を有し、前記所望の噛合部と前記被噛合部が噛み合ったとき前記係止部材に対する前後方向の移動が制限されるように構成されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、噛合部と被噛合部を噛み合わせれば、受け部材は係止部材の側面部に対する前後方向の移動が制限されるため、受け部材の前後方向への位置ずれを抑制することができる。
【0012】
上記の補助固定具において、前記受け部材は、前記安全柵の当接部が前記受け部に押し当てられているとき、前記噛合部と前記被噛合部が噛み合った状態が維持されるように構成されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、安全柵の当接部が受け部に押し当てられているとき、つまり安全柵が固定されている状態では、受け部材の前後方向への位置ずれが制限される。その結果、安全柵が固定されている状態では、安全柵が不安定になるのを防ぐことができる。
【0014】
上記の補助固定具において、前記被噛合部は前記受け部に設けられていてもよい。
【0015】
この構成によれば、安全柵の当接部が受け部に押し当てられているとき、噛合部と被噛合部が噛み合った状態を維持することができる。
【0016】
上記の補助固定具において、前記受け部材は、前記係止部材に対して前後方向に摺動可能なベース部を有し、前記被噛合部は、前記ベース部に対して前記当接部の進退方向に変位可能に設けられており、前記ベース部に対して前記当接部の後退方向に変位したとき前記噛合部との噛み合いが解除されるように構成されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、被噛合部を変位させることで、ベース部を係止部材に接触させた状態のままで噛合部との噛合いを解除することができる。よって、受け部材の位置決めを容易に行うことができる。
【0018】
上記の補助固定具において、前記受け部材は、前記ベース部に対して前記被噛合部を前記当接部の後退方向に付勢する付勢部を有していてもよい。
【0019】
この構成によれば、安全柵の当接部を受け部材に押し当てていない状態では、被噛合部と噛合部との噛み合いが自動的に解除される。よって、上記の構成によれば、受け部材の位置決めをより容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
上記の構成によれば、前後方向一方側から押されたときにも安全柵が倒れないように安全柵の固定を補助する補助固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、補助固定具を用いて固定された安全柵の正面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る補助固定具の平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る補助固定具の側面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る補助固定具の水平断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の受け部材の鉛直断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る補助固定具の平面図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る補助固定具の側面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る補助固定具の水平断面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態の受け部材の鉛直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
はじめに、第1実施形態に係る補助固定具100について説明する。
【0023】
<安全柵>
まずは、補助固定具100を用いて固定される安全柵10について簡単に説明する。
図1は、補助固定具100を用いて固定された安全柵10の正面図である。
図1において紙面左右方向が安全柵10の幅方向であって、以下では単に「幅方向」と称する。また、
図1の紙面に垂直な方向を「前後方向」と称し、紙面手前を「前」と称し、紙面奥を「後」と称する。安全柵10は、ペットや幼児の通り抜けを規制する柵であって、安全柵10よりも幅方向外側に位置する柱や壁などの固定対象20に固定される。本実施形態の安全柵10は、ペットや幼児が安全柵10の設置位置よりも前から後に通り抜けるのを規制する。
【0024】
図1に示すように、安全柵10は、正面視においてU字状の扉枠11と、扉枠11に支持されて前後方向に開閉する扉12と、幅方向両端の上方部分及び下方部分に位置する固定部材13と、を備えている。固定部材13は、先端に位置する円板状の当接部14と、当接部14を支持する棒状の支持部15と、を有している。
【0025】
支持部15の外周部分には雄ねじが形成されており、この支持部15を扉枠11に形成された雌ねじ又は図外のナットにねじ込むことにより、当接部14が進退する。以下では、当接部14が扉枠11に向かう方向を「後退方向」と称し、扉枠11から離れる方向を「前進方向」と称する。
【0026】
安全柵10は、当接部14を前進させて、固定部材13を突っ張ることにより固定される。安全柵10は、補助固定具100を用いずに、当接部14を固定対象20の側面21に直接押し当てることによって固定することもできる。ただし、本実施形態では、安全柵10の当接部14と固定対象20の側面21との間に補助固定具100を介在させて、安全柵10を固定する。
【0027】
<補助固定具>
続いて、補助固定具100について説明する。
図2は補助固定具100の平面図であり、
図3は補助固定具100の側面図であり、
図4は補助固定具100の水平断面図である。
図2乃至
図4において、紙面左右方向が前後方向であり、紙面右側が前側である(後述する
図5乃至
図9も同様)。
【0028】
図2乃至
図4に示すように、補助固定具100は、係止部材30と、受け部材40と、を備えている。以下、これらの構成要素について順に説明する。
【0029】
係止部材30は、固定対象20に係止される部材である。本実施形態の係止部材30は、受け部材40とは別部材で形成されている。ただし、係止部材30と受け部材40は同じ部材で一体に形成されていてもよい。この場合、係止部材30と受け部材40の相対位置は変化しない。
図2に示すように、係止部材30は、側面部31と、前面部32とを有している。
【0030】
側面部31は、固定対象20の側面21に面する部分である。側面部31は平板状に形成されており、前後方向に沿って水平に延びている。側面部31の裏面(固定対象20に面する面)は平たんであり、裏面とは反対側の表面には複数の噛合部33が形成されている。本実施形態の噛合部33は、前後方向に等間隔に並んで配置されている。各噛合部33は歯形の形状を有し、上下方向に延びている。
【0031】
前面部32は、固定対象20の前面22に面する部分である。前面部32は平板状に形成されており、側面部31の前端から連続して幅方向に沿って水平に延びている。これにより、側面部31と前面部32で形成された本実施形態の係止部材30は、平面視においてL字状の形状を有している。
【0032】
受け部材40は、安全柵10の当接部14を受ける部材である。受け部材40は、係止部材30の側面部31に設けられている。受け部材40は、ベース部41と、受け部42と、外壁部43と、被噛合部44と、を有している。
【0033】
ベース部41は、係止部材30に対して前後方向に摺動する部分である。
図5(a)は、受け部材40の鉛直断面図である。
図5(a)の紙面右側が安全柵10側であり、紙面左側が固定対象20側であり、紙面に垂直な方向が前後方向である(後述する
図5(b)も同様)。
【0034】
図5(a)に示すように、ベース部41は凹部45を有している。凹部45は、ベース部41の固定対象20側に位置しており、安全柵10側に向かって窪むように形成されている。この凹部45の内側には、係止部材30の側面部31が位置する。これにより、側面部31がガイドとなって、凹部45を側面部31の上端及び下端に接触させたまま、ベース部41を係止部材30に対して前後方向に摺動させることができる。
【0035】
受け部42は、安全柵10の当接部14が押し当てられる部分であって、ベース部41に設けられている。受け部42、つまり安全柵10の当接部14が押し当てられる部分は、ベース部41とともに前後方向に移動することができる。そのため、受け部42の前後方向位置を任意に設定することができ、ひいては安全柵10を任意の前後方向位置に設置することができる。なお、
図3に示すように、本実施形態の受け部42は安全柵10の当接部14の形状に合わせて円形に形成されているが、受け部42の形状は特に限定されない。
【0036】
また、本実施形態の受け部42は、不動部46と、一対の扉状の可動部47とを有している。ここで、
図5(b)は、
図5(a)に対応する図であって、可動部47を回動させた状態を示している。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、各可動部47は、上下方向端部に位置する回動軸49を中心に回動して、不動部46の開口48を開閉する。
【0037】
外壁部43は、受け部42を囲む外周部分に形成された壁状の部分である。安全柵10が固定された状態では、外壁部43の先端は受け部42よりも当接部14の後退方向側(
図5(a)の紙面右側)に位置している。
図3に示すように、本実施形態の外壁部43は、受け部42の外周部分全体に形成されている。ただし、外壁部43は、受け部42の外周部分の一部に形成されていてもよい。例えば、受け部42の外周部分のうち、係止部材30の前面部32から遠い側の部分にのみ外壁部43が形成されていてもよい。
【0038】
被噛合部44は、係止部材30の噛合部33と噛み合う部分である。本実施形態の被噛合部44は受け部42の可動部47に設けられている。
図4に示すように、受け部材40は複数(本実施形態では3つ)の被噛合部44を有している。各被噛合部44は、歯形の形状を有しており、前述した複数の噛合部33のうち所望の噛合部33と噛み合うことができる。被噛合部44と噛合部33が噛み合うことで、受け部材40は係止部材30に対する前後方向の移動が制限される。
【0039】
前述のとおり、本実施形態の被噛合部44は受け部42の可動部47に設けられている。そのため、可動部47が回動することで、被噛合部44はベース部41に対して当接部14の進退方向(
図5(b)の紙面右側)に変位することになる。被噛合部44が当接部14の前進方向側に位置しているとき(
図5(a)の状態のとき)は、噛合部33と噛み合う。一方、当接部14の後退方向側に位置しているとき(
図5(b)の状態とき)は、噛合部33との噛み合いが解除される。
【0040】
安全柵10が固定された状態では、安全柵10の当接部14が受け部42に押し当てられるため、受け部42の可動部47は回動できなくなる。その結果、被噛合部44は噛合部33と噛み合った状態が維持される。前述のとおり、被噛合部44と噛合部33が噛み合ったときは、受け部材40は係止部材30に対する前後方向の移動が制限される。
【0041】
本実施形態に係る補助固定具100は、以上のように構成されているため、安全柵10と固定対象20の間に補助固定具100を介在させて安全柵10を固定すると、安全柵10が後方に強く押されて倒れそうになったとき、安全柵10の当接部14が補助固定具200の外壁部43に引っ掛かり、補助固定具100全体に後方への力が加わる。ただし、補助固定具100の係止部材30は固定対象20に係止されるため、補助固定具100が後方へ移動することはなく、その結果、安全柵10が後方に倒れることはない。
【0042】
また、安全柵10が固定されているときは、噛合部33と被噛合部44が噛み合った状態が維持されるため、受け部材40が前後方向に移動することはなく、安全柵10を安定して固定することができる。なお、安全柵10を固定していない状態では、被噛合部44と噛合部33との噛み合いを解除し、受け部材40を任意の前後方向位置に位置決めすることができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る補助固定具200について説明する。以下では、主に第1実施形態に係る補助固定具100との相違点について説明し、共通点については一部説明を省略する。なお、図面では、同一又は対応する構成要素には同一の符号を付している。本実施形態においても、安全柵10と固定対象20との間に補助固定具200を介在させた状態で、安全柵10を固定する。
【0044】
図6は補助固定具200の平面図であり、
図7は補助固定具200の側面図であり、
図8は補助固定具200の水平断面図であり、
図9(a)及び
図9(b)は受け部材40の鉛直断面図である。本実施形態に係る補助固定具200も第1実施形態に係る補助固定具100と同様に、係止部材30と、受け部材40と、を備えている。また、係止部材30は、側面部31と、前面部32と、噛合部33と、を有しており、受け部材40は、ベース部41と、受け部42と、外壁部43と、被噛合部44と、を有している。これらの点も第1実施形態の場合と同じである。
【0045】
ただし、
図7に示すように、本実施形態では、係止部材30の側面部31に形成された噛合部33は歯形ではなく孔状の形状を有している。側面部31には、この孔状の噛合部33が、2列になって前後方向に等間隔に並んで配置されている。
【0046】
また、
図8に示すように、本実施形態における受け部材40の被噛合部44は、歯形ではなく突起状の形状を有している。この被噛合部44を噛合部33に挿入することにより、被噛合部44と噛合部33が噛み合う。被噛合部44と噛合部33が噛み合うことで、受け部材40は係止部材30に対する前後方向の移動が制限される。
【0047】
第1実施形態の場合と同様に、本実施形態の被噛合部44も受け部42に設けられている。ただし、本実施形態の受け部42は可動部47(
図3参照)を有していないため、被噛合部44は可動部47に設けられていない。本実施形態では、被噛合部44が設けられている受け部42は、全体がベース部41に対して当接部14の進退方向に移動できるように構成されている。そのため、被噛合部44は、受け部42とともにベース部41に対して当接部14の進退方向に変位できる。
【0048】
さらに、
図9(a)に示すように、本実施形態の受け部材40は、付勢部50を有している。付勢部50はベース部41内側の上方部分及び下方部分に設けられており、ベース部41に対して受け部42及び被噛合部44を当接部14の後退方向に付勢するように構成されている。なお、本実施形態の付勢部50は板ばねであるが、付勢部50はコイルばねであってもよい。また、
図8に示すように、ベース部41には、受け部42及び被噛合部44の当接部14の後退方向への移動を制限するストッパ51が設けられている。
【0049】
受け部材40は上記のように構成されているため、安全柵10が固定された状態では、安全柵10の当接部14が受け部42に押し当てられ、被噛合部44が当接部14の前進方向側に位置する(
図9(b)の状態)。このとき、被噛合部44と噛合部33が噛み合い、この状態が維持される。被噛合部44と噛合部33が噛み合ったときは、受け部材40は係止部材30に対する前後方向の移動が制限される。
【0050】
一方、安全柵10が固定されていない状態(
図9(a)の状態)では、付勢部50が被噛合部44を付勢して、被噛合部44をベース部41に対して当接部14の後退方向に変位させるため、被噛合部44と噛合部33の噛み合いが解除される。被噛合部44と噛合部33の噛み合いが解除されたときは、受け部材40は係止部材30に対して前後方向に移動することができる。つまり、受け部材40の前後方向における位置決めを行うことができる。
【0051】
本実施形態においても、安全柵10が後方に強く押されて倒れそうになったとき、安全柵10の当接部14が補助固定具200の外壁部43に引っ掛かり、補助固定具200全体に後方への力が加わる。ただし、補助固定具200の係止部材30は固定対象20に係止されるため、補助固定具200が後方へ移動することはなく、その結果、安全柵10が後方に倒れることはない。
【0052】
なお、上述した実施形態では、受け部材40の上下方向寸法は係止部材30の上下方向寸法よりも大きいが、係止部材30の上下方向寸法が受け部材40の上下方向寸法より大きくてもよい。さらに、係止部材30が上下方向に延びており、異なる上下方向位置の2つの受け部材40が1つの係止部材30に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 安全柵
13 固定部材
14 当接部
20 固定対象
21 側面
22 前面
30 係止部材
31 側面部
32 前面部
33 噛合部
40 受け部材
41 ベース部
42 受け部
43 外壁部
44 被噛合部
50 付勢部
51 ストッパ
100 補助固定具
200 補助固定具