(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060719
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】家賃等計算システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20220408BHJP
G06Q 50/16 20120101ALI20220408BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168356
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】520095751
【氏名又は名称】株式会社Minoru
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】森 裕嗣
(72)【発明者】
【氏名】三方 浩允
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】家賃等の計算を適切に行う家賃等計算システムを提供する。
【解決手段】表面利回りが記憶される利回りデータベース26と、顧客3が居住を希望する地域である希望居住地域、顧客3が希望する住宅のレイアウトである希望レイアウト、顧客3が希望する毎月の支払額である希望支払額、顧客3が希望する住宅を取得するまでの支払期間である希望支払期間が記憶される顧客データベース27と、土地の価格が記憶される土地データベース28と、建物の価格が記憶される建物データベース29と、表面利回り、希望居住地域、希望レイアウト、希望支払額、土地の価格、及び、建物の価格に基づき、所定期間を算出する第1計算手段24Aと、表面利回り、希望居住地域、希望レイアウト、希望支払期間、土地の価格、及び、建物の価格に基づき、所定金額を算出する第2計算手段24Bとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投資家が住宅を購入し、当該住宅に入居する顧客が当該投資家に対し毎月所定金額を支払い、所定期間の当該支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるシステムに用いられる家賃等計算システムであって、
表面利回りが記憶される利回りデータベースと、
前記顧客が居住を希望する地域である希望居住地域、前記顧客が希望する前記住宅のレイアウトである希望レイアウト、前記顧客が希望する毎月の支払額である希望支払額、前記顧客が希望する前記住宅を取得するまでの支払期間である希望支払期間が記憶される顧客データベースと、
土地の価格が記憶される土地データベースと、
建物の価格が記憶される建物データベースと、
前記表面利回り、前記希望居住地域、前記希望レイアウト、前記希望支払額、前記土地の価格、及び、前記建物の価格に基づき、前記所定期間を算出する第1計算手段と、
前記表面利回り、前記希望居住地域、前記希望レイアウト、前記希望支払期間、前記土地の価格、及び、前記建物の価格に基づき、前記所定金額を算出する第2計算手段とを備える
ことを特徴とする家賃等計算システム。
【請求項2】
前記顧客データベースには、前記顧客が勤める会社からの家賃補助の金額が記憶され、
前記土地データベースには、各地域における自治体からの補助金の金額が記憶され、
前記第1計算手段は、前記所定期間を算出する際、前記家賃補助の金額及び前記補助金の金額を考慮して算出し、
前記第2計算手段は、前記所定金額を算出する際、前記家賃補助の金額及び前記補助金の金額を考慮して算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の家賃等計算システム。
【請求項3】
前記投資家が希望する、前記住宅の売却による内部収益率である売り手側希望内部収益率が記憶されるオーナーチェンジデータベースと、
前記売り手側希望内部収益率に基づき、前記売却する住宅である中古住宅の販売価格を算出する第1オーナーチェンジ再計算手段とを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の家賃等計算システム。
【請求項4】
前記投資家が希望する、売却する前記住宅である中古住宅の販売価格である希望販売価格が記憶されるオーナーチェンジデータベースと、
前記希望販売価格に基づき、前記中古住宅の売却による内部収益率である売り手側希望内部収益率を算出する第2オーナーチェンジ再計算手段とを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の家賃等計算システム。
【請求項5】
前記オーナーチェンジデータベースには、前記中古住宅の買い手側が希望する、当該中古住宅の購入による内部収益率である買い手側希望内部収益率が記憶されるものであり、
前記買い手側希望内部収益率に基づき購入価格を算出し、当該購入価格と合致する前記販売価格である前記中古住宅を求める第3オーナーチェンジ再計算手段を備える
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の家賃等計算システム。
【請求項6】
前記販売価格、前記所定期間満了までの残りの日数、及び、前記所定金額に基づき、前記中古住宅の買い手側の内部収益率を算出する第4オーナーチェンジ再計算手段を備える
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の家賃等計算システム。
【請求項7】
前記顧客が、前記所定期間を満了せずに住宅から退去する場合、前記顧客が前記所定金額を支払った期間に基づき、前記顧客に請求する違約金を算出する第1入居者退去時再計算手段を備える
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の家賃等計算システム。
【請求項8】
予め、前記顧客が前記所定期間を満了せずに住宅から退去する場合の、前記所定金額、前記顧客が前記所定金額を支払った期間、前記顧客に請求する違約金、売却する前記住宅である中古住宅の販売価格、及び、売却益の組み合わせを算出する第2入居者退去時再計算手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の家賃等計算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅取得を支援するための家賃等計算システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1には、住宅取得を支援するためのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されたシステムに基づき販売される住宅は、投資家が建設事業者から購入するものであって、当該住宅に入居する顧客が毎月投資家に対し家賃を支払うケースを想定している。しかしながら上記特許文献1には、当該家賃の計算を適切に行う仕組みが開示されていない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、家賃等の計算を適切に行うことを可能とする家賃等計算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点における家賃等計算システムは、
投資家が住宅を購入し、当該住宅に入居する顧客が当該投資家に対し毎月所定金額を支払い、所定期間の当該支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるシステムに用いられる家賃等計算システムであって、
表面利回りが記憶される利回りデータベースと、
前記顧客が居住を希望する地域である希望居住地域、前記顧客が希望する前記住宅のレイアウトである希望レイアウト、前記顧客が希望する毎月の支払額である希望支払額、前記顧客が希望する前記住宅を取得するまでの支払期間である希望支払期間が記憶される顧客データベースと、
土地の価格が記憶される土地データベースと、
建物の価格が記憶される建物データベースと、
前記表面利回り、前記希望居住地域、前記希望レイアウト、前記希望支払額、前記土地の価格、及び、前記建物の価格に基づき、前記所定期間を算出する第1計算手段と、
前記表面利回り、前記希望居住地域、前記希望レイアウト、前記希望支払期間、前記土地の価格、及び、前記建物の価格に基づき、前記所定金額を算出する第2計算手段とを備える
ことを特徴とする。
【0007】
より好適には、
前記顧客データベースには、前記顧客が勤める会社からの家賃補助の金額が記憶され、
前記土地データベースには、各地域における自治体からの補助金の金額が記憶され、
前記第1計算手段は、前記所定期間を算出する際、前記家賃補助の金額及び前記補助金の金額を考慮して算出し、
前記第2計算手段は、前記所定金額を算出する際、前記家賃補助の金額及び前記補助金の金額を考慮して算出する
ことを特徴とする。
【0008】
より好適には、
前記投資家が希望する、前記住宅の売却による内部収益率である売り手側希望内部収益率が記憶されるオーナーチェンジデータベースと、
前記売り手側希望内部収益率に基づき、前記売却される住宅である中古住宅の販売価格を算出する第1オーナーチェンジ再計算手段を備える
ことを特徴とする。
【0009】
より好適には、
前記投資家が希望する、売却する前記住宅である中古住宅の販売価格である希望販売価格が記憶されるオーナーチェンジデータベースと、
前記希望販売価格に基づき、前記中古住宅の売却による内部収益率である売り手側希望内部収益率を算出する第2オーナーチェンジ再計算手段とを備える
ことを特徴とする。
【0010】
より好適には、
前記オーナーチェンジデータベースには、前記中古住宅の買い手側が希望する、当該中古住宅の購入による内部収益率である買い手側希望内部収益率が記憶されるものであり、
前記買い手側希望内部収益率に基づき購入価格を算出し、当該購入価格と合致する前記販売価格である前記中古住宅を求める第3オーナーチェンジ再計算手段を備える
ことを特徴とする。
【0011】
より好適には、
前記販売価格、前記所定期間満了までの残りの日数、及び、前記所定金額に基づき、前記中古住宅の買い手側の内部収益率を算出する第4オーナーチェンジ再計算手段を備える
ことを特徴とする。
【0012】
より好適には、
前記顧客が、前記所定期間を満了せずに住宅から退去する場合、前記顧客が前記所定金額を支払った期間に基づき、前記顧客に請求する違約金を算出する第1入居者退去時再計算手段を備える
ことを特徴とする。
【0013】
より好適には、
予め、前記顧客が前記所定期間を満了せずに住宅から退去する場合の、前記所定金額、前記顧客が前記所定金額を支払った期間、前記顧客に請求する違約金、売却する前記住宅である中古住宅の販売価格、及び、売却益の組み合わせを算出する第2入居者退去時再計算手段を備える
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る家賃等計算システムによれば、家賃等の計算を適切に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係る家賃等計算システムを説明する概略図である。
【
図2】本発明の実施例における違約金の一例を説明する表である。
【
図3】本発明の実施例に係る家賃等計算システムの処理手順(「住宅取得までの支払期間」あるいは「毎月の支払額」の算出)を説明するフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例に係る家賃等計算システムの処理手順(オーナーチェンジの場合)を説明するフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例に係る家賃等計算システムの処理手順(入居者チェンジの場合)を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る家賃等計算システムは、投資家が建設事業者から住宅を購入し、当該住宅に入居する顧客が毎月投資家に対し家賃(割賦金に相当)を支払い、所定期間の支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるといったシステムに用いられるものである。以下、本発明に係る家賃等計算システムについて、実施例にて図面を用いて説明する。
【実施例0017】
図1は、本実施例に係る家賃等計算システムを説明する概略図である。
図1には、建設事業者1が所持するサーバ10に設けられる家賃等計算システム11、投資家2が所持する投資家端末12、顧客3が所持する顧客端末13が表わされている。
【0018】
投資家端末12及び顧客端末13は、ユーザインターフェース及び通信インターフェースが設けられる端末、例えば、スマートフォン、タブレット、あるいはPC等を指す。そして投資家端末12及び顧客端末13は、それぞれ、この通信インターフェースを用いることで、インターネット等のネットワーク(図示略)を介して家賃等計算システム11と通信を行うことができる。
【0019】
家賃等計算システム11は、通信制御手段21、第1投資家宛入力要求生成手段22、顧客宛入力要求生成手段23、第1計算手段24A、第2計算手段24B、第1提示手段25A、第2提示手段25B、利回りデータベース26、顧客データベース27、土地データベース28、建物データベース29、第2投資家宛入力要求生成手段30、第1オーナーチェンジ再計算手段31A、第2オーナーチェンジ再計算手段31B、第3オーナーチェンジ再計算手段31C、第4オーナーチェンジ再計算手段31D、買い手側入力要求生成手段32、オーナーチェンジデータベース33、第1入居者退去時再計算手段34A、第2入居者退去時再計算手段34B、及び、第3入居者退去時再計算手段34Cを備えている。
【0020】
通信制御手段21は、家賃等計算システム11がインターネット等のネットワーク(図示略)を介して投資家端末12及び顧客端末13などと通信する場合に、通信の確立やデータの授受等の通信制御処理を行う。以下、説明を簡略化するため、ネットワークを介して各データを授受する場合に、通信制御手段21を用いる旨を省略して説明する。
【0021】
利回りデータベース26には、建設事業者1が予め設定する(投資家2の)表面利回りが記憶される。
【0022】
顧客データベース27には、少なくとも、顧客3の希望居住地域B1、希望レイアウトB2、希望支払額B3、希望支払期間B4、及び、会社家賃補助B5が記憶される。
【0023】
希望居住地域B1とは、顧客3が居住を希望する地域である。当該地域は、地方(広域なエリア)別と都道府県(詳細なエリア)別とで分けて記憶されている。希望レイアウトB2とは、顧客3が居住を希望する住宅のレイアウトである。
【0024】
希望支払額B3とは、顧客3が希望する毎月の支払額である。希望支払期間B4とは、顧客3が希望する住宅取得までの支払期間である。
【0025】
会社家賃補助B5とは、(顧客3に対する)顧客3が勤める会社からの毎月の家賃補助の金額(0円(家賃補助無し)の場合もあり得る)である。
【0026】
土地データベース28には、購入可能な土地に関する情報(価格を含む)L、及び、各地域における自治体からの補助金の金額S(当然補助金が0の場合もあり得る)が記憶される。
【0027】
建物データベース29には、建物に関する情報(価格を含む)Hが記憶される。上述の希望レイアウトB2は、当該情報Hの中から選択されるものとする。
【0028】
なお、土地データベース28及び建物データベース29にそれぞれ記憶される各情報L,S,Hは随時更新される。
【0029】
投資家宛入力要求生成手段22は、少なくとも希望購入地域A1についての入力を投資家2に要求する表示画面D1を生成するものである。生成された表示画面D1は、投資家端末12に送信される。なお希望購入地域A1は、土地データベース28に記憶される情報Lの中から選択させるものとする。
【0030】
表示画面D1は投資家端末12に表示される。投資家2は、表示画面D1から希望購入地域A1についての入力を行う。入力された情報は家賃等計算システム11に送信され、利回りデータベース26に記憶される。
【0031】
顧客宛入力要求生成手段23は、少なくとも希望居住地域B1、希望レイアウトB2、「希望支払額B3、希望支払期間B4のうちいずれか一方」、及び、会社家賃補助B5についての入力を要求する表示画面D2を生成するものである。生成された表示画面D2は、顧客端末13に送信される。なお、このうち希望居住地域B1については、土地データベース28に記憶される情報Lの中から選択させるものとする。
【0032】
表示画面D2は顧客端末13に表示される。顧客3は、表示画面D2から希望居住地域B1(情報Lの中から選択)、希望レイアウトB2、「希望支払額B3、希望支払期間B4のうちいずれか一方」、及び、会社家賃補助B5についての入力を行う。入力された各情報は家賃等計算システム11に送信され、顧客データベース27に記憶される。
【0033】
第1計算手段24Aは、顧客3が表示画面D2において、希望支払額B3、希望支払期間B4のうち希望支払額B3を入力した場合、利回りデータベース26、顧客データベース27、土地データベース28、及び、建物データベース29にそれぞれ記憶された、希望表面利回りA1、希望居住地域B1、希望レイアウトB2、希望支払額B3、会社家賃補助B5、及び、各情報L,S,H(ただし、情報L,Hについては価格のみ)に基づき、(顧客3の)住宅取得までの支払期間を算出する。
【0034】
なお、上記「住宅取得までの支払期間」は、顧客3の「希望」である希望支払期間B4とは異なり、第1計算手段24Aによる「算出結果」である。
【0035】
上記「住宅取得までの支払期間」の算出についての説明を補足する。まず、希望居住地域B1、及び、希望レイアウトB2によって価格は変動する。その為、情報Lにおいて紐付けられている希望居住地域B1の土地価格、情報Hにおいて紐付けられている希望レイアウトB2の施工価格を求める。そして、希望支払額B3から補助金の金額S、会社家賃補助B5、及び、希望表面利回りA1を加減算した値で、上記土地価格と上記施工価格の合計値を除算することで、住宅取得までの支払期間(所定期間)を算出する。
【0036】
第2計算手段24Bは、顧客3が表示画面D2において希望支払期間B4を入力した場合、利回りデータベース26、顧客データベース27、土地データベース28、及び、建物データベース29にそれぞれ記憶された、希望表面利回りA1、希望居住地域B1、希望レイアウトB2、希望支払期間B4、会社家賃補助B5、及び、各情報L,S,H(ただし、情報L,Hについては価格のみ)に基づき、(顧客3の)毎月の支払額を算出する。
【0037】
なお、上記「毎月の支払額」は、顧客3の「希望」である希望支払額B3とは異なり、第2計算手段24Bによる「算出結果」である。
【0038】
上記「毎月の支払額」の算出については、上記「住宅取得までの支払期間」の算出と同様、希望居住地域B1の土地価格、希望レイアウトB2の施工価格を求め、これらの合計値を希望支払期間B4で除算した値から、補助金の金額S、会社家賃補助B5、及び、希望表面利回りA1を加減算することで、毎月の支払額(所定金額)を算出する。
【0039】
第1提示手段25Aは、第1計算手段24Aによって算出された「住宅取得までの期間」を提示する表示画面D3を生成する。生成された表示画面D3は、顧客端末13に送信され、顧客端末13にて表示される。
【0040】
第2提示手段25Bは、第2計算手段24Bによって算出された「毎月の支払額」を提示する表示画面D4を生成する。生成された表示画面D4は、顧客端末13に送信され、顧客端末13にて表示される。
【0041】
なお、計算手段24A,24Bは、希望居住地域B1及び希望レイアウトB2を変更した複数の(「住宅取得までの支払期間」や「毎月の支払額」についての)パターンを算出するものとしてもよい。つまり、既に説明したように、希望居住地域B1や希望レイアウトB2により土地価格や施工価格が変動するため、これらを変更することで、顧客3のニーズに合わせた「住宅取得までの支払期間」あるいは「毎月の支払額」を提示することができる可能性が高まる。
【0042】
その場合、提示手段25A,25Bは、それぞれ表示画面D3,D4に「住宅取得までの支払期間」あるいは「毎月の支払額」についての上記複数のパターンの算出結果、及び、希望居住地域B1や希望レイアウトB2をどのように変更したかを表示するものとする。
【0043】
また、オーナーチェンジデータベース33は、投資家の変更(オーナーチェンジ)に関する各情報が記憶される。
【0044】
第2投資家宛入力要求生成手段30は、投資家2が自身の購入した住宅の売却を希望する場合、売り手側希望内部収益率A2の入力を要求する表示画面D5を生成する。生成された表示画面D5は、投資家端末12に送信される。
【0045】
売り手側希望内部収益率A2とは、投資家2が希望する、住宅の売却による内部収益率である。これは、オーナーチェンジデータベース33に記憶される。
【0046】
表示画面D5は投資家端末12に表示される。投資家2は、表示画面D5から売り手側希望内部収益率A2についての入力を行う。なお、これは○%~○%といった幅をもって入力される。入力された情報は家賃等計算システム11に送信され、オーナーチェンジデータベース33に記憶される。
【0047】
第1オーナーチェンジ再計算手段31Aは、売り手側希望内部収益率A2に基づき物件売買価格を算出する。物件売買価格とは、投資家2が売却する住宅(以下、中古住宅)の販売価格を指す。ただし、売り手側希望内部収益率A2に幅があるため、当該価格も○万円~○万円といった幅をもつことになる。
【0048】
第3投資家宛入力要求生成手段35は、投資家2が自身の購入した住宅の売却を希望する場合、売り手側希望物件売買価格(売り手側希望販売価格)A4の入力を要求する表示画面D7を生成する。生成された表示画面D7は、投資家端末12に送信される。
【0049】
売り手側希望物件売買価格(売り手側希望販売価格)A4とは、投資家2が希望する、中古住宅の売却による物件売買価格である。これは、オーナーチェンジデータベース33に記憶される。
【0050】
表示画面D7は投資家端末12に表示される。投資家2は、表示画面D7から売り手側希望物件売買価格A4についての入力を行う。なお、これは○万円~○万円といった幅をもって入力される。入力された情報は家賃等計算システム11に送信され、オーナーチェンジデータベース33に記憶される。
【0051】
第2オーナーチェンジ再計算手段31Bは、売り手側希望物件売買価格A4に基づき売り手側の内部収益率を算出する。ただし、売り手側希望物件売買価格A4に幅があるため、当該内部収益率も○%~○%といった幅をもつことになる。
【0052】
なお、上記「売り手側の内部収益率」は、売り手側の「希望」である売り手側希望内部収益率A2とは異なり、第2オーナーチェンジ再計算手段31Bによる「算出結果」である。
【0053】
そして、売り手側の内部収益率は、オーナーチェンジデータベース33に記憶され、投資家端末12に送信され、表示されるものとする。売り手の投資家2は、これを見て、表示画面D7から売り手側希望物件売買価格A4を変更することもできる。
【0054】
買い手側入力要求生成手段32は、買い手側(の投資家)に対し、買い手側希望内部収益率A3の入力を要求する表示画面D6を生成する。生成された表示画面D6は、図示しない買い手側の端末に送信される。
【0055】
買い手側希望内部収益率A3とは、買い手側が希望する、中古住宅の購入による内部収益率である。これは、オーナーチェンジデータベース33に記憶される。
【0056】
表示画面D6は買い手側の端末に表示される。買い手側は、表示画面D6から買い手側希望内部収益率A3についての入力を行う。なお、これは○%~○%といった幅をもって入力される。入力された情報は家賃等計算システム11に送信され、オーナーチェンジデータベース33に記憶される。
【0057】
第3オーナーチェンジ再計算手段31Cは、買い手側希望内部収益率A3に基づき、買い手側の購入価格を算出する。ただし、買い手側希望内部収益率A3に幅があるため、当該購入価格についても○万円~○万円といった幅をもつことになる。当該購入価格と合致する(価格の範囲が(一部又は全部)重複する)物件売買価格である中古住宅をピックアップする。
【0058】
第4オーナーチェンジ再計算手段31Dは、物件売買価格、住宅取得までの支払期間(所定期間)満了までの残りの日数、及び、毎月の支払額(所定金額)に基づき、当該物件売買価格で中古住宅を購入した場合の買い手側の内部収益率を算出する。これは、オーナーチェンジデータベース33に記憶され、各中古住宅の内部収益率を、買い手側の端末の表示画面に表示するようにしてもよい。
【0059】
なお、上記「買い手側の内部収益率」は、買い手側の「希望」である買い手側希望内部収益率A3とは異なり、第4オーナーチェンジ再計算手段31Dによる「算出結果」である。
【0060】
第1入居者退去時再計算手段34Aは、顧客3が住宅からの退去を希望する場合、顧客3に請求する違約金を算出する(違約金が0円、つまり違約していないケースも含む)。これは、顧客3がそれまで家賃(所定金額)を支払った期間に基づき算出される。
図2にその一例を示す。
【0061】
第3入居者退去時再計算手段34Cは、住宅を所有する投資家2の内部収益率を再計算し、新たに入居する顧客の賃料及び賃貸期間を調整するものである。
【0062】
なお本実施例では、第2計算手段24Bにおける顧客3の毎月の支払額の計算はPMT関数を用いてもよい。PMT関数には、利率、支払期間、現在価値、将来価値を用いる。このうち、現在価値については、本実施例においては頭金がないため0となる。将来価値については、既に説明した施工価格及び土地価格に補正係数をかけたものとなる。それに表面利回りを考慮して投資家2が住宅を購入する際の価格を決定する。勿論、これらは、既に説明した会社家賃補助B5及び補助金の金額Sも考慮して計算する必要がある。
【0063】
第2入居者退去時再計算手段34Bは、予め、顧客3が所定期間を満了せずに住宅から退去する場合の、毎月の支払額(所定金額)、顧客3が所定金額を支払った期間、顧客3に請求する違約金、売却する住宅である中古住宅の販売価格、及び、売却益の組み合わせを算出する。算出した当該組み合わせは、入居者退去時データベース36に記憶され、投資家端末12に送信され、投資家端末12に表示される。
【0064】
投資家2は、この組み合わせを確認した上で、建設事業者1から物件を購入することができる。
【0065】
以下、
図3のフローチャートを用いて、本実施例に係る家賃等計算システムの処理手順(「住宅取得までの支払期間」あるいは「毎月の支払額」の算出)の一例を説明する。なお、以下では、第2オーナーチェンジ再計算手段31Bを用いずに第1オーナーチェンジ再計算手段31Aを用いる場合について説明しているが、第1オーナーチェンジ再計算手段31Aの代わりに第2オーナーチェンジ再計算手段31Bを用いて、物件売買価格を決めてもよい。
【0066】
ステップS1では、家賃等計算システム11(投資家宛入力要求生成手段22)が、希望購入地域A1についての入力を投資家2に要求する表示画面D1を生成し、これを投資家端末12に送信する。
【0067】
ステップS2では、投資家2が、投資家端末12に表示された表示画面D1から、希望購入地域A1についての入力を行い、これを投資家端末12から家賃等計算システム11に送信する。
【0068】
ステップS3では、家賃等計算システム11(顧客宛入力要求生成手段23)が、希望居住地域B1、希望レイアウトB2、「希望支払額B3、希望支払期間B4のうちいずれか一方」、及び、会社家賃補助B5についての入力を要求する表示画面D2を生成し、これを顧客端末13に送信する。
【0069】
ステップS4では、顧客3が、顧客端末13に表示された表示画面D2から、希望居住地域B1、希望レイアウトB2、「希望支払額B3、希望支払期間B4のうちいずれか一方」、及び、会社家賃補助B5についての入力を行い、これを顧客端末13から家賃等計算システム11に送信する。
【0070】
ステップS5では、ステップS4において希望支払額B3が入力された場合は、ステップS6Aに移行し、ステップS4において(希望支払額B3が入力されず)希望支払期間B4が入力された場合は、ステップS6Bに移行する。
【0071】
ステップS6Aでは、家賃等計算システム11(第1計算手段24A)が、顧客3の住宅取得までの支払期間を算出する。
【0072】
ステップS6Bでは、家賃等計算システム11(第2計算手段24B)が、顧客3の毎月の支払額を算出する。
【0073】
ステップS7Aでは、家賃等計算システム11(第1提示手段25A)が、住宅取得までの期間を提示する表示画面D3を生成し、これを顧客端末13に送信する。
【0074】
ステップS7Bでは、家賃等計算システム11(第2提示手段25B)が、毎月の支払額を提示する表示画面D4を生成し、これを顧客端末13に送信する。
以上が、本実施例に係る家賃等計算システムによる処理手順(「住宅取得までの支払期間」あるいは「毎月の支払額」の算出)である。
【0075】
以下、
図4のフローチャートを用いて、本実施例に係る家賃等計算システムの処理手順(オーナーチェンジの場合)の一例を説明する。
【0076】
ステップS11では、家賃等計算システム11(第2投資家宛入力要求生成手段30)が、売り手側希望内部収益率A2の入力を要求する表示画面D5を生成し、これを投資家端末12に送信する。
【0077】
ステップS12では、投資家2が、投資家端末12に表示された表示画面D5から、売り手側希望内部収益率A2についての入力を行い、これを投資家端末12から家賃等計算システム11に送信する。
【0078】
ステップS13では、家賃等計算システム11(第1オーナーチェンジ再計算手段31A)が、売り手側希望内部収益率A2に基づき物件売買価格を算出する。
【0079】
ステップS14では、家賃等計算システム11(買い手側入力要求生成手段32)が、買い手側(の投資家)に対し、買い手側希望内部収益率A3の入力を要求する表示画面D6を生成し、これを買い手側の端末に送信する。
【0080】
ステップS15では、買い手側が、端末に表示された表示画面D6から、買い手側希望内部収益率A3についての入力を行い、これを投資家端末12から家賃等計算システム11に送信する。
【0081】
ステップS16では、家賃等計算システム11(第3オーナーチェンジ再計算手段31C)が、買い手側希望内部収益率A3に基づき購入価格を算出し、当該購入価格と合致する物件売買価格の中古住宅をピックアップする。
以上が、本実施例に係る家賃等計算システムによる処理手順(オーナーチェンジの場合)である。
【0082】
以下、
図5のフローチャートを用いて、本実施例に係る家賃等計算システムの処理手順(入居者チェンジの場合)の一例を説明する。
【0083】
ステップS21では、家賃等計算システム11(第1入居者退去時再計算手段34A)が、顧客3が住宅からの退去を希望する場合の違約金を算出する。
【0084】
ステップS22では、家賃等計算システム11(第3入居者退去時再計算手段34C)が、新たに入居する顧客の賃料及び賃貸期間を調整する。
以上が、本実施例に係る家賃等計算システムによる処理手順(入居者チェンジの場合)である。
投資家が住宅を購入し、当該住宅に入居する顧客が当該投資家に対し毎月所定金額を支払い、所定期間の当該支払いを完了すると当該住宅の所有権を得ることができるシステムに用いられる家賃等計算システムであって、
土地の価格が記憶される土地データベースと、
建物の価格が記憶される建物データベースと、
表面利回りが記憶される利回りデータベースと、
前記顧客が居住を希望する地域であり、前記土地データベースに記憶される土地の中から選択された希望居住地域、前記顧客が希望する前記住宅のレイアウトであり、前記建物データベースに記憶される建物の中から選択された希望レイアウト、前記顧客が希望する毎月の支払額である希望支払額、前記顧客が希望する前記住宅を取得するまでの支払期間である希望支払期間が記憶される顧客データベースと、
前記表面利回り、前記希望居住地域、前記希望レイアウト、前記希望支払額、前記土地の価格、及び、前記建物の価格に基づき、前記所定期間を算出する第1計算手段と、
前記表面利回り、前記希望居住地域、前記希望レイアウト、前記希望支払期間、前記土地の価格、及び、前記建物の価格に基づき、前記所定金額を算出する第2計算手段とを備える
ことを特徴とする家賃等計算システム。
前記顧客が、前記所定期間を満了せずに住宅から退去する場合、前記顧客が前記所定金額を支払った期間に基づき、前記顧客に請求する違約金を算出する第1入居者退去時再計算手段を備える
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の家賃等計算システム。
予め、前記顧客が前記所定期間を満了せずに住宅から退去する場合の、前記所定金額、前記顧客が前記所定金額を支払った期間、前記顧客に請求する違約金、売却する前記住宅である中古住宅の販売価格、及び、売却益の組み合わせを算出する第2入居者退去時再計算手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の家賃等計算システム。