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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060776
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】梯子体及び昇降道具
(51)【国際特許分類】
   E06C 7/42 20060101AFI20220408BHJP
   E06C 1/18 20060101ALI20220408BHJP
   E06C 7/10 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
E06C7/42
E06C1/18
E06C7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168450
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】393018130
【氏名又は名称】長谷川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】泉 幸治
(72)【発明者】
【氏名】戸山 雄司
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ・フレンクラー
(72)【発明者】
【氏名】河邊 旬司
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA01
2E044BA05
2E044BC03
2E044CA01
2E044CB03
2E044CC01
2E044DA02
2E044DB01
2E044DC04
2E044EA04
2E044EB02
(57)【要約】
【課題】部品点数を増やすことなく、また、ネジやリベット等の固定具を用いずに、端具の支柱に対する固定強度を大きくすることの可能な、梯子体及び昇降道具を提供する。
【解決手段】脚立1は、二本の支柱3・3と、二本の支柱3・3の間に架け渡される一又は複数の踏桟4と、それぞれの支柱3の下端部に設けられる端具8と、を備え、支柱3は、背板31と、背板31に隣接して互いに対向する二枚の側板32・32と、を備え、支柱3の最下部に架け渡される踏桟4Dは、それぞれの支柱3における背板31に固定された補強部材9により下方から支持され、補強部材9の下固定部93は、支柱3の下端部に近接して配置され、端具8は、支柱3の下端部が内部に挿入された状態で補強部材9の下部に固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される一又は複数の踏桟と、それぞれの前記支柱の下端部に設けられる端具と、を備える梯子体であって、
前記支柱は、背板と、該背板に隣接して互いに対向する二枚の側板と、を備え、
前記支柱の最下部に架け渡される前記踏桟は、それぞれの前記支柱における前記背板に固定された補強部材により下方から支持され、
前記補強部材の下部は、前記支柱の下端部に近接して配置され、
前記端具は、前記支柱の下端部が内部に挿入された状態で前記補強部材の下部に固定される、梯子体。
【請求項2】
前記端具は、前記補強部材の下部が内部に挿入された状態で前記補強部材の下部に固定される、請求項1に記載の梯子体。
【請求項3】
前記補強部材の下部には係合部が形成され、
前記端具には前記係合部と係合する被係合部が形成され、
前記係合部と前記被係合部とが係合することにより、前記端具が前記補強部材の下部に固定される、請求項1又は請求項2に記載の梯子体。
【請求項4】
前記係合部は、前記背板と直交する方向に突出する係合突起であり、
前記被係合部は、前記端具において前記背板の内側面を被覆する内側壁に開口された被係合孔である、請求項3に記載の梯子体。
【請求項5】
前記被係合孔は前記端具における前記内側壁を貫通して形成され、
前記係合突起の先端面は、前記内側壁の表面に対して同一面上に、又は、前記内側壁の表面から突出して位置する、請求項4に記載の梯子体。
【請求項6】
前記補強部材の下端部における前記背板から遠い側には、前記端具への挿入方向に対して傾斜する挿入面が形成される、請求項4又は請求項5に記載の梯子体。
【請求項7】
前記補強部材の下部は固定具により前記背板に固定され、
前記端具は、前記補強部材に固定された際に前記固定具を被覆する、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の梯子体。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の梯子体を少なくとも一個備える、昇降道具。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端具を備える梯子体、及び、この梯子体を備える昇降道具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脚立や足場台等の昇降道具に用いられる梯子体において、梯子体の支柱の下端部に接地具である端具を設ける技術が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1には、脚立の支柱に対して、ネジやリベット等の固定具を用いずに端具を固定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-70264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の脚立においては、端具を支柱に対して直接的に取付けているため、端具の固定強度を大きくすることができなかった。一方、端具を固定するための部材を別途設ける構成は、部品点数及び工数の増加によってコストが大きくために採用することが難しかった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、部品点数を増やすことなく、また、ネジやリベット等の固定具を用いずに、端具の支柱に対する固定強度を大きくすることが可能となる、梯子体及び昇降道具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
本発明に係る梯子体は、二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される一又は複数の踏桟と、それぞれの前記支柱の下端部に設けられる端具と、を備える梯子体であって、前記支柱は、背板と、該背板に隣接して互いに対向する二枚の側板と、を備え、前記支柱の最下部に架け渡される前記踏桟は、それぞれの前記支柱における前記背板に固定された補強部材により下方から支持され、前記補強部材の下部は、前記支柱の下端部に近接して配置され、前記端具は、前記支柱の下端部が内部に挿入された状態で前記補強部材の下部に固定される。
【0008】
また、本発明に係る梯子体において、前記端具は、前記補強部材の下部が内部に挿入された状態で前記補強部材の下部に固定されることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る梯子体において、前記補強部材の下部には係合部が形成され、前記端具には前記係合部と係合する被係合部が形成され、前記係合部と前記被係合部とが係合することにより、前記端具が前記補強部材の下部に固定されることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る梯子体において、前記係合部は、前記背板と直交する方向に突出する係合突起であり、前記被係合部は、前記端具において前記背板の内側面を被覆する内側壁に開口された被係合孔であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る梯子体において、前記被係合孔は前記端具における前記内側壁を貫通して形成され、前記係合突起の先端面は、前記内側壁の表面に対して同一面上に、又は、前記内側壁の表面から突出して位置することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る梯子体において、前記補強部材の下端部における前記背板から遠い側には、前記端具への挿入方向に対して傾斜する挿入面が形成されることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る梯子体において、前記補強部材の下部は固定具により前記背板に固定され、前記端具は、前記補強部材に固定された際に前記固定具を被覆することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る昇降道具は、上記の何れか一に記載の梯子体を少なくとも一個備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る梯子体及び昇降道具によれば、部品点数を増やすことなく、また、ネジやリベット等の固定具を用いずに、端具の支柱に対する固定強度を大きくすることが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】昇降道具の一実施形態に係る脚立を示す斜視図。
図2】端具と補強部材の連結構成を示す内側面図。
図3図2中のA-A線断面図。
図4】(a)及び(b)は補強部材を示す上側斜視図。
図5】補強部材の組付手順を示す下側斜視図。
図6】端具の組付手順を示す上側斜視図。
図7】端具の組付手順を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では図1から図7を用いて、本発明に係る昇降道具の一実施形態である梯子兼用脚立(以下、単に「脚立」と記載する)1について説明する。本実施形態において、脚立1は梯子体2を備える昇降道具の一例として記載するものである。即ち、梯子体2は梯子兼用脚立の他に、専用梯子、専用脚立、踏台、三脚、足場台等、使用者が昇降するために一対の支柱3・3の間に踏桟4が架け渡された梯子体2を少なくとも一個備える他の昇降道具について、全般的に用いることが可能である。
【0018】
本実施形態においては、図1中に示す矢印の方向で、使用状態における脚立1の方向を規定する。即ち、図1に示す脚立1において踏桟4が架設される方向を脚立1の左右方向とする。また、水平方向において左右方向と直交する方向(梯子体2・2の開閉方向)を脚立1の前後方向とし、左右方向及び前後方向と直交する方向を脚立1の上下方向と規定する。
【0019】
図1に示す如く本実施形態に係る脚立1は、互いに共通の構成を有する一対の梯子体2・2を備える。梯子体2・2は側面視で略ハ字状に下端部が互いに離間して広がるように配置され、それぞれの上端部がヒンジ6・6により回動可能に連結される。
【0020】
ヒンジ6は梯子体2・2において対向する支柱3・3を相対的に回動可能に連結する。即ち、梯子体2・2が互いに近接離間する方向(図1における脚立1の前後方向)に回動可能とされる。本実施形態に係る脚立1において、各支柱3、踏桟4及び天板5はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる軽金属製の部材である。
【0021】
それぞれの梯子体2は長尺体である一対の支柱3・3を備える。支柱3・3は互いの距離が上側より下側で大きくなるように(正面視で略ハ字状に)配置されている。本実施形態に係る脚立1は4本の支柱3を備えている。各支柱3は、強度の確保等を目的として、長手方向に沿った二箇所で折り曲げられる。そして、支柱3は長手方向と直交する断面の形状が略コ字状になるように、左右方向の外側に配置される背板31と、背板31に隣接して互いに前後方向に対向する二枚の側板32・32と、を備えて形成される(図2及び図3を参照)。なお、本実施形態において支柱3は断面視で略コ字状に形成されているが、支柱3を角筒形状に形成することも可能である。
【0022】
梯子体2における一対の支柱3・3の間には、所定の間隔を隔てて中空の筒状部材である複数の踏桟4・4・・・が架け渡される。踏桟4は所定の横断面形状をなす直線状の押出し成形品が所定の長さに切断されて形成される。それぞれの踏桟4には、図2及び図3に示す如く、使用状態において上側に位置する上面部41、同じく下側に位置する下面部42、前後方向の外側に位置する外面部43、及び、前後方向の内側に位置する内面部44が形成される。
【0023】
それぞれの踏桟4はリベットにより支柱3において対向する側板32・32の間に固定されている。具体的には図5に示す如く、踏桟4(図5においては最下段踏桟4D)の外面部43と内面部44とが第一リベットR1及び第二リベットR2により側板32・32に固定される。本実施形態におけるリベットとしては図5に示す如く、心棒を電動工具等により引き離すことにより円筒状のリベット内側を変形させてかしめる、いわゆるブラインドリベットが用いられる。なお、踏桟4を、ボルト・ナットやねじ等の他の締結部品を用いて支柱3に固定することも可能である。
【0024】
各踏桟4には、上面と下面とのそれぞれに凹凸が形成されている(図2図3等を参照)。このように、脚立1は使用状態と梯子状態の何れで使用した場合でも、踏桟4において上側に位置する面の摩擦抵抗を大きくすることにより、使用者の足が滑りにくいように構成されている。
【0025】
それぞれの梯子体2は、上端部に中空の筒状部材である天板5・5が設けられる。天板5は所定の横断面形状をなす直線状の押出し成形品が所定の長さに切断されて形成される。天板5はリベットにより支柱3・3の上端部において対向する内側面の間に固定されている。換言すれば、天板5はそれぞれの梯子体2において、二本の支柱3・3の上端部を連結するように設けられる。なお、天板5をボルト・ナット等の他の締結部品を用いて支柱3に固定することも可能である。
【0026】
脚立1は、一対の梯子体2・2のなす角度(詳細には、梯子体2・2の相対的な回動によって近接離間する支柱3・3が側面視においてなす角度、以下同じ)に応じて、主に使用状態又は閉状態とすることができる。
【0027】
脚立1の使用状態は、図1に示す如く梯子体2・2のなす角度を約30度として、4本の支柱3で脚立1を支える形態である。使用状態における脚立1は、地面や床に自立させた状態で用いられる。閉状態は、梯子体2・2のなす角度を約0度に近接させる形態である。脚立1の閉状態は、主に収納時や搬送時に採用される。なお、脚立1の梯子体2・2を約180度に開くことにより、梯子状態として使用することも可能である。
【0028】
脚立1は、使用状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構7を備える。開き止め機構7は、梯子体2・2の上端部における左右両側に、合計二組設けられている。開き止め機構7は、互いに連結される一対の梯子体2・2において、左右方向について同じ側に配置されて互いに近接離間する支柱3同士を連結する。
【0029】
本実施形態に係る脚立1において、それぞれの支柱3の下端部には端具8が固定される。端具8は、ポリ塩化ビニルやエラストマー等の合成樹脂により弾性変形可能に形成された軟質の部材である。本実施形態においては、図2から図7に示す如く、脚立1における後部右側に設けられた端具8について説明する。他の三個の端具8については、前後方向及び左右方向に対称形状となる点以外は同様に構成されているため、詳細な説明を省略する。
【0030】
図6に示す如く、端具8の上面には平面視で略コ字状に被挿入孔81が形成されており、この被挿入孔81に支柱3の下端部が挿入される。被挿入孔81の内周面において、支柱3の背板31の外側面を被覆する部分には、支柱3が挿入される方向に沿って被挿入溝部81aが形成されている。また、端具8においては、支柱3の背板31の内側面を被覆する部分に内側壁82が形成されている。内側壁82には、内側壁82を貫通する被係合孔83が開口されている。
【0031】
また、本実施形態に係る脚立1においては図1から図3に示す如く、最下段に配設された最下段踏桟4Dの左右両端における下面には補強部材9が固定され、補強部材9の下端部は支柱3に固定される。このように、支柱3・3の最下段に架け渡される最下段踏桟4Dは、それぞれの支柱3における背板31に固定された補強部材9で下方から支持されることにより強度が高められている。
【0032】
補強部材9は、ナイロン、ポリアセタール、ABS等の合成樹脂により一体的に形成された硬質の部材である。図4(a)及び(b)に示す如く、補強部材9は三角形の中空形状に形成される。補強部材9は、支持部91、上固定部92、下固定部93、係合部94、支持壁95、及び、被覆部96等により構成されている。
【0033】
支持部91は、支柱3と最下段踏桟4Dとの間で荷重を斜めの軸方向に受ける斜材である。上固定部92は支持部91の上端に形成され、図5に示す如く第三リベットR3を介して最下段踏桟4Dの下面部42に固定される。下固定部93は支持部91の下端に形成され、図5に示す如く、固定具である第四リベットR4を介して支柱3の背板31に固定される。この際、補強部材9における下固定部93は、図3に示す如く支柱3の下端部に近接して配置される。
【0034】
なお、上固定部92を最下段踏桟4Dに固定する際に、リベットを用いない構成とすることもできる。具体的には、最下段踏桟4Dに挿入孔を開口し、この挿入孔に上固定部92を挿入する構成とすることも可能である。
【0035】
補強部材9における下固定部93からは、左右方向の内側(背板31と直交する方向)に突出する係合突起である係合部94が形成される。係合部94は後述する如く端具8の被係合孔83と係合する。また、補強部材9において、支柱3の背板31と対向する部分には、背板31に沿って支持壁95が形成される。支持部91と支持壁95との間における前後方向の外側端部は被覆部96により被覆されている。
【0036】
本実施形態に係る脚立1において、端具8は支柱3の下端部が内部に挿入された状態で補強部材9の下部に固定される。具体的には図6及び図7に示す如く、端具8に形成された被挿入孔81に、支柱3の下端部が挿入される。この際、補強部材9の下固定部93及び係合部94も被挿入孔81に挿入され、端具8は支柱3の下端部及び補強部材9の下固定部93の形状に合わせて弾性変形する。そして、係合部94と被係合孔83とが係合することにより、端具8が補強部材9の下部に固定される。
【0037】
本実施形態に係る脚立1においては、端具8を補強部材9の下固定部93を介して支柱3に取付ける構成であるため、端具8の支柱3に対する固定強度を大きくすることができる。具体的には、補強部材9の下固定部93は支柱3の背板31と比較して厚みを大きくすることができるため、端具8の被係合孔83と係合する厚さを大きくすることができる。これにより、支柱3における端具8を強固に取付けることが可能となる。
【0038】
また、脚立1においては、端具8を従来から用いられている補強部材9を介して取付ける構成であるため、端具8を固定するために別途部材を設ける構成と比較して、部品点数及び工数が増加することがない。すなわち、本実施形態に係る脚立1においてはコストの増加を防ぐことが可能となる。
【0039】
また、脚立1において、端具8は補強部材9の下固定部93が内部に挿入された状態で補強部材9の下部に固定される。これにより、図2及び図3に示す如く下固定部93を端具8の内側壁82で被覆することができるため、脚立1の意匠性を向上させることができる。
【0040】
また、脚立1において、補強部材9の係合部94と端具8の被係合孔83とが係合することにより、端具8が補強部材9の下部に固定される。このように、端具8を取付ける際にネジやリベット等の固定具を不要とすることにより、端具8を支柱3に着脱する際の作業性を向上させることができる。
【0041】
また、脚立1における被係合孔83は、端具8において背板31の内側面を被覆する内側壁82に開口されている。これにより、補強部材9の下固定部93と被係合孔83との係合部分を支柱3の内部空間(側板32・32の間)に収容することができる。このため、補強部材9における係合部94を大きく形成しても脚立1の意匠性を損なうことがなく、端具8を強固に支柱3に組付けることが可能となる。
【0042】
また、脚立1においては図3に示す如く、係合部94の先端面は、内側壁82の表面から内側に突出して位置するように配置される。これにより、被係合孔83に塵埃等が溜まり難くすることができるため、脚立1を清浄に保つことが可能となる。なお、被係合孔83に塵埃等が溜まり難くするという観点によれば、係合部94の先端面が内側壁82の表面に対して同一面上に配置される(係合部94の先端面と内側壁82の表面とがいわゆる「面一」となるように配置される)構成でも差し支えない。
【0043】
また、脚立1において、補強部材9の下端部における背板31から遠い側には、端具8への挿入方向に対して傾斜する挿入面94aが形成されている。このように、補強部材9の下端部の厚みを小さくすることにより、支柱3及び補強部材9の下端部を端具8の被挿入孔81に挿入しやすくすることができる。また、本実施形態に係る脚立1の端具8においては、内側壁82の上端部に、挿入面94aと同じ方向に傾斜する被挿入面82aを形成している。このように、被挿入孔81の上端部の開口を大きくすることにより、支柱3及び補強部材9の下端部を端具8の被挿入孔81により挿入しやすくしている。
【0044】
また、脚立1において、端具8は、補強部材9の下固定部93を背板に固定する固定具である第四リベットR4を被覆する。具体的には図3及び図7に示す如く、支柱3及び補強部材9の下端部を端具8の被挿入孔81に挿入する際に、第四リベットR4の頭部が端具8の内周面に形成された被挿入溝部81aに挿入される。これにより、第四リベットR4は端具8により被覆される。このように、本実施形態に係る脚立1においては、補強部材9を固定するための固定具である第四リベットR4を端具8で被覆することにより、脚立1の意匠性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 脚立 2 梯子体
3 支柱 4 踏桟
4D 最下段踏桟 5 天板
6 ヒンジ 7 開き止め機構
8 端具 9 補強部材
31 背板 32 側板
41 上面部 42 下面部
43 外面部 44 内面部
81 被挿入孔 81a 被挿入溝部
82 内側壁 82a 被挿入面
83 被係合孔
91 支持部 92 上固定部
93 下固定部 94 係合部
94a 挿入面 95 支持壁
96 被覆部
R1 第一リベット R2 第二リベット
R3 第三リベット R4 第四リベット(固定具)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7