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  • 特開-ラップラウンドケーサ 図1
  • 特開-ラップラウンドケーサ 図2
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  • 特開-ラップラウンドケーサ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060784
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】ラップラウンドケーサ
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20220408BHJP
【FI】
B65B5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168464
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】山道 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】林 暁生
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB01
3E003BC02
3E003BD02
3E003BD05
3E003BE02
3E003DA07
(57)【要約】
【課題】箱型成形されるラップラウンドシートの隅に面取部を形成するラップラウンドケーサにおいて、より確実に面取部の折り目を設定角度で折り曲げ可能とする。
【解決手段】シート搬送コンベヤ12の両側方に前方サイドフラップF2、後方サイドフラップF4に係合するサイドガイドを設ける。回転駆動されるアーム22Cの先端に設けられるサイドタッカ22Aにより、後方サイドフラップF4をサイドガイド20に係合する前に内方に向けて折り曲げる。ラップラウンドシートSは、後方側面P4と後方サイドフラップF4とを接続する面取部Cを有する。面取部Cは、ラップラウンドシートSが箱形状に成形された状態で、後方サイドフラップF4と所定角度で交差する。サイドタッカ22Aは、後方サイドフラップF4に当接する当接部50Aと、面取部Cに当接する当接面52Aを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品群が供給される底面と、当該底面に連設された前方側面および後方側面を、前記物品群を挟んで対向するように立設させた状態でラップラウンドシートを搬送するシート搬送コンベヤと、
前記シート搬送コンベヤの搬送経路の両側方に設けられ、前記前方側面に連設され、内方に向けて折り曲げられる前方サイドフラップおよび前記後方側面に連設され、内方に向けて折り曲げられる後方サイドフラップに係合するサイドガイドと、
回転駆動されるアームと、当該アームに取り付けられたタッカとを有し、前記後方サイドフラップを、前記サイドガイドに係合する前に内方に向けて折り曲げる後方サイドフラップ折り曲げ手段と、を備え、
平面状に展開された前記ラップラウンドシートを箱形状に成形して、前記底面上に載置された物品群を包み込むラップラウンドケーサにおいて、
前記ラップラウンドシートは、前記後方側面と前記後方サイドフラップとを接続する面取部を有しており、
前記面取部は、前記ラップラウンドシートが箱形状に成形された状態で、前記後方サイドフラップと所定角度で交差するように構成されており、
前記タッカは、前記後方サイドフラップに当接する当接部と、前記面取部に当接する当接面を有しており、
前記シート搬送コンベヤと前記アームとを同期させて運転することにより、前記当接面が前記所定角度に対応した角度で前記面取部を前記シート搬送コンベヤの搬送方向後方側から押圧される
ことを特徴とするラップラウンドケーサ。
【請求項2】
前記シート搬送コンベヤは、前記前方側面を支持する前方フィンガを有しており、
前記当接面によって前記面取部に押圧する際に、前記前方フィンガによって前記ラップラウンドシートの前記シート搬送コンベヤの搬送方向前方への移動を規制する
ことを特徴とする請求項1に記載のラップラウンドケーサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をシートで包装するラップラウンドケーサに関する。
【背景技術】
【0002】
ラップラウンドケーサによる物品の包装では、物品をカートンなどの折り目の付いたラップラウンドシートの上に載せ、物品を包み込むようにラップラウンドシートが箱型に折り畳まれる。近年では資材コストの削減や環境対策を目的として、ラップラウンドシートの薄化が進められている。このため積載時に十分な強度が得られるように、箱型のラップラウンドシートの四隅を面取りし、箱の上下の面を8角形にする構成が知られている。同構成のラップラウンドシートを使用するラップラウンドケーサでは、面取りをした四隅に対応するフラップを折り目に沿って2段階で折り曲げる必要がある。そのため面取部に対応するフラップを折り曲げるタッカに、前方の端部に位置する丸みを帯びた第1接触部と、後方に位置し、第1接触部よりも小さい曲率で丸みを帯び、第1接触部に滑らかに繋がる第2接触部とを設ける構成が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5501139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、折り目線に沿って折り込むことは可能であるものの、面取部を設定された角度に確実に折り曲げることは担保できない。強度確保には、折り目線に沿って面取部が曲げられているだけではなく、折り目線前後でシートが湾曲することなく所定角度で折り曲げられ、適正な角度で交差する3つの平面により面取部が構成される必要がある。
【0005】
本発明は、箱型成形されるラップラウンドシートの隅に面取部を形成するラップラウンドケーサにおいて、より確実に面取部の折り目を設定角度で折り曲げ可能とすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明であるラップラウンドケーサは、物品群が供給される底面と、当該底面に連設された前方側面および後方側面を、前記物品群を挟んで対向するように立設させた状態で前記ラップラウンドシートを搬送するシート搬送コンベヤと、前記シート搬送コンベヤの搬送経路の両側方に設けられ、前記前方側面に連設され、内方に向けて折り曲げられる前方サイドフラップおよび前記後方側面に連設され、内方に向けて折り曲げられる後方サイドフラップに係合するサイドガイドと、回転駆動されるアームと、当該アームに取り付けられたタッカとを有し、前記後方サイドフラップを、前記サイドガイドに係合する前に内方に向けて折り曲げる後方サイドフラップ折り曲げ手段と、を備え、平面状に展開された前記ラップラウンドシートを箱形状に成形して、前記底面上に載置された物品群を包み込むラップラウンドケーサにおいて、前記ラップラウンドシートは、前記後方側面と前記後方サイドフラップとを接続する面取部を有しており、前記面取部は、前記ラップラウンドシートが箱形状に成形された状態で、前記後方サイドフラップと所定角度で交差するように構成されており、前記タッカは、前記後方サイドフラップに当接する当接部と、前記面取部に当接する当接面を有しており、前記シート搬送コンベヤと前記アームとを同期させて運転することにより、前記当接面が前記所定角度に対応した角度で前記面取部を前記シート搬送コンベヤの搬送方向後方側から押圧させることを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明であるラップラウンドケーサは、第1の発明において、前記シート搬送コンベヤは、前記前方側面を支持する前方フィンガを有しており、前記当接面によって前記面取部に押圧する際に、前記前方フィンガによって前記ラップラウンドシートの前記シート搬送コンベヤの搬送方向前方への移動を規制することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、箱型成形されるラップラウンドシートの隅に面取部を形成するラップラウンドケーサにおいて、より確実に面取部の折り目を設定角度で折り曲げ可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態であるラップラウンドケーサで使用されるラップラウンドシートの展開図である。
図2】本実施形態のラップラウンドケーサの模式的な側面図である。
図3図2のラップラウンドケーサにおける包装工程を示す模式的な斜視図である。
図4】一方のサイドタッカの異なる位置におけるラップラウンドシートとの関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるラップラウンドケーサで使用されるラップラウンドシートの展開図である。
【0011】
ラップラウンドシートSには、例えばカートンや段ボールなどの包装材が用いられる。ラップラウンドシートSは、例えば所定の数毎に集積された物品Mを箱型に包装する。図1に示されるように、平面に展開された状態のラップラウンドシートSは、箱の天面P1、前方側面P2、底面P3、後方側面P4を構成する各面がこの順で一列に連接されている。
【0012】
一連の天面P1、前方側面P2、底面P3、後方側面P4の各々の両側辺には、一対の天面サイドフラップF1、前方サイドフラップF2、底面サイドフラップF3、後方サイドフラップF4がそれぞれ連接されている。後方側面P4において底面P3とは反対側の辺にはシームフラップF5が連接されている。また、各面P1~P4同士の間の境界、および各面P1~P4と各フラップF1~F5との間の境界には、折り目線が入れられ、前方サイドフラップF2および後方サイドフラップF4には、前方側面P2、後方側面P4と境界に設けられる折り目線L1に加え、後述する面取部Cを形成するための折り目線L2が形成されている。
【0013】
本実施形態において物品Mは、例えば、ペットボトルであり、図1では、ラップラウンドシートSの底面P3の上に、3行2列に密集された状態(物品群G)で載置される。物品群Gが載せられたラップラウンドシートSは、後述するようにラップラウンドケーサ10により、物品群Gを包み込むように折り目に沿って折り曲げられ箱型に成形される。なお、物品Mは、瓶や缶、箱型など、ラップラウンドケーサで取り扱い可能な任意の物品である。また、物品群GのラップラウンドシートSへの供給方法は、従来周知の任意の方法で行われる。例えば、物品群Gは、搬送方向上流側から供給されてもよいし、搬送方向の側方から供給されてもよい。
【0014】
図2は、本実施形態のラップラウンドケーサ10の模式的な側面図である。また、図3は、図2のラップラウンドケーサ10における包装工程を示す模式的な斜視図である。
【0015】
ラップラウンドケーサ10は、シート搬送コンベヤ12を備える。シート搬送コンベヤ12には、底面P3を底にしてU字状に折り曲げられ、底面P3の上に物品群Gが載せられたラップラウンドシートSが上流側から供給される。U字状に折り曲げられたラップラウンドシートSは、水平な底面P3に対して前方側面P2と後方側面P4が折り目線に沿って直角に折り曲げられ、前方側面P2とこれに連接される天面P1、および後方側面P4とこれに連接されるシームフラップF5が垂直に起立された状態とされる。そして、U字状のラップラウンドシートSは、前方側面P2が搬送方向前方、後方側面P4が搬送方向後方に位置する向きでシート搬送コンベヤ12へと供給される。
【0016】
シート搬送コンベヤ12は、並列に配置される複数(例えば一対)の無端チェーン14から構成される。無端チェーン14の外周には、上流側から供給されるラップラウンドシートSの前方側面P2に係合して、その起立状態を支持する前方フィンガ16Aと、後方側面P4に係合して、その起立状態を支持する後方フィンガ16Bとを多数備える。なお、無端チェーン14は、搬送コンベヤ用モータ14Mにより回転駆動される。
【0017】
シート搬送コンベヤ12の上流端上方には、前方側面P2の上方に延出する天面P1に係合して前方側面P2との間の折り目線に沿って天面P1を後方に向けて折り曲げる天面折り曲げガイド18が配置される。これにより、上流側のコンベヤからシート搬送コンベヤ12上にU字状に折り曲げられたラップラウンドシートSが供給されると略同時に、天面P1が底面P3に載せられた物品群Gの上に覆い被さるように折り曲げられる。なお、天面折り曲げガイド18の下流部の下方には、天面P1の先端が直立するシームフラップF5の先端よりも下方に位置するように、天面P1を上から押し下げる天面押込みプッシャ18Pが配置される。
【0018】
また、シート搬送コンベヤ12の両側辺には、各側辺に沿って上流端近傍から一対のサイドガイド20が配置される。両サイドガイド20の間の間隔は、ラップラウンドシートSで形成される箱の横幅(対となるサイドフラップ間の距離)よりも僅かに広い間隔である。すなわち、上流側のコンベヤからシート搬送コンベヤ12上にU字状に折り曲げられたラップラウンドシートSが供給され下流に搬送されると、前方側面P2の両側から外側に延出する前方サイドフラップF2が、サイドガイド20に係合して、前方側面P2との間の折り目線に沿って後方に向けて折り曲げられる。なお、サイドガイド20は、後述する側面圧着ローラ42手前までのシート搬送コンベヤ12の側辺に沿って延在する。
【0019】
また、シート搬送コンベヤ12の上流端において、無端チェーン14やサイドガイド20よりも上流側には、ラップラウンドシートSの搬送路を両側から挟むように一対の後方サイドフラップ折り曲げ装置(後方サイドフラップ折り曲げ手段)22が配置される。図3に示されるように後方サイドフラップ折り曲げ装置22は、回転モータ22Mにより垂直軸周りに回転されるサイドタッカ22Aを備える。サイドタッカ22Aは、後方サイドフラップF4を後方側面P4との間の折り目線L1、および折り目線L2に沿って前方に折り曲げて、後述するように面取部Cを確りと成形するためのタッカである。なお、サイドタッカ22Aによる後方サイドフラップF4の折り曲げは、後方サイドフラップF4の先端がサイドガイド20の内側に挿入可能なタイミングで行われる。
【0020】
以上のように、シート搬送コンベヤ12に移載されたラップラウンドシートSは、前方側面P2が前方フィンガ16Aにより、後方側面P4が後方フィンガ16Bにより直立され(物品群Gを挟んで対向するように立設され)、天面P1が天面折り曲げガイド18により物品群Gの上に覆い被せられるとともに、前方サイドフラップF2がサイドガイド20により後方に折り曲げられ、後方サイドフラップF4がサイドタッカ22Aにより前方に折り曲げられてサイドガイド20の間へと搬送される。この状態において、天面P1が天面押込みプッシャ18Pにより押し下げられ、後方側面P4から上向きに延出するシームフラップF5の後方面にシームフラップ糊噴射ノズル26から接着剤が吹き付けられる。
【0021】
また、シームフラップ糊噴射ノズル26の下流側にあって、シート搬送コンベヤ12の上方には、前後方向(搬送方向)に往復回動可能なシームフラップ折り込み部材28が設けられる。シームフラップ折り込み部材28は、揺動モータ28Mにより、その先端が前後方向に揺動される。すなわち、揺動されるシームフラップ折り込み部材28の先端が、シームフラップF5に後方から押し当てられ、接着剤が塗布されたシームフラップF5が天面P1の下に折り込まれる。なお、シームフラップF5をシームフラップ折り込み部材28で天面P1下に折り込む前に、不図示のガイドにより、天面P1はシームフラップF5よりも上方位置に移動され、天面P1とシームフラップF5との干渉が防止される。
【0022】
シームフラップ折り込み部材28の下流側であって、シート搬送コンベヤ12の上方には、後側トップガイド30Aを所定間隔で複数備える無端チェーン30が搬送面に沿って配置される。無端チェーン30は、回転モータ30Mによりシート搬送コンベヤ12と同期して駆動される。これにより、後側トップガイド30Aは、各ラップラウンドシートのシームフラップF5が折り込まれた天面P1の後縁を支持しながら移動する。無端チェーン30の下方には、搬送されるラップラウンドシートSの天面P1にローラを押し当て、天面P1をシームフラップF5に圧着するための天面圧着ローラ32が配置される。
【0023】
無端チェーン30が配置される区画において、シート搬送コンベヤ12の両側方には、天面サイドフラップF1と係合して、これらを下向きに折り曲げる天面サイドフラップ折り込みガイド34Aが、ラップラウンドシートSの天面P1に沿って配置される。また、天面サイドフラップ折り込みガイド34Aの下方には、底面サイドフラップF3に係合して、これらを上向きに折り曲げる底面サイドフラップ折り込みガイド34Bが、ラップラウンドシートSの底面P3に沿って配置される。ラップラウンドシートSは、この区画を搬送される間に、天面/底面サイドフラップF1、F3が折り曲げられて略箱形のラップラウンドケースに成形される。
【0024】
ラップラウンドシート搬送コンベヤ12の搬送経路の両側方において、天面/底面サイドフラップ折り込みガイド34A、34Bが設けられた区間には、サイドフラップ糊噴射ノズル36が設けられる。サイドフラップ糊噴射ノズル36は、ラップラウンドシート搬送コンベヤ12上を搬送されるラップラウンドシートSに向けて接着剤を噴射し、折り込まれた前方/後方サイドフラップF2、F4に接着剤を塗布する。
【0025】
天面/底面サイドフラップ折り込みガイド34A、34Bが設けられた区間の下流側にあって、ラップラウンドシート搬送コンベヤ12の搬送経路の両側方には、折り曲げられた天面サイドフラップF1および底面サイドフラップF3を、接着剤が塗布された前方サイドフラップF2および後方サイドフラップF4に押し当てる側面圧着ローラ42が配置される。側面圧着ローラ42により、サイドフラップF1~F4が糊付けされることでラップラウンドシートSによる物品群Gの箱形包装(ラップラウンド処理)は完了する。
【0026】
なお、本実施形態において、側面圧着ローラ42が配置された区間には、上方に天面圧着ローラ32が設置され、側面圧着ローラ42の下流側において、ラップラウンドシート搬送コンベヤ12の搬送経路の両側方には、箱形に成形されたラップラウンドシートSのサイドフラップF1~F4を、接着剤が乾くまで両側から支える圧着プレート44が設けられる。また、本実施形態の搬送コンベヤ用モータ14M、回転モータ22M、シームフラップ糊噴射ノズル26、揺動モータ28M、回転モータ30M、サイドフラップ糊噴射ノズル36等の駆動は、例えば、制御部46により同期して制御される。
【0027】
次に図4を参照して、本実施形態の後方サイドフラップ折り曲げ装置22に設けられるサイドタッカ22Aの構成および動作について説明する。図4は、一方のサイドタッカ22Aの異なる位置におけるラップラウンドシートSとの関係を示す平面図である。なお、両側のサイドタッカ22Aは、対称な構成を備え同期して回転される。
【0028】
図4に示されるように、サイドタッカ22Aは、基端部が回転モータ22Mに接続される回転軸22Bに取り付けられたアーム22Cの先端に設けられる。アーム22Cは、サイドタッカ22Aによりシート搬送コンベヤ12に移載されたラップラウンドシートSの直立された後方サイドフラップF4を前方へと折り曲げる方向へと回転される。アーム22Cは、回転軸22Bから径方向に延出する。サイドタッカ22Aには、略周方向に突出するフラップ当接部50と、径方向に突出する面取部形成部52とが設けられる。
【0029】
フラップ当接部50の先端面(当接部)50Aは、平面視において滑らかな曲線で形成され、図示例では円弧面状に形成される。一方、面取部形成部52において、回転方向前側の面は、当接面52Aとして平面視において斜めの直線状の平面として形成される。また、当接面52Aとフラップ当接部50の円弧状の先端面50Aを連絡する区間は、略周方向に沿った平面50Bとして形成される。
【0030】
図4には、搬送されるラップラウンドシートSの異なる位置A~Eでの状態が示されるとともに、ラップラウンドシートSとは反対側にあるサイドタッカ22A、およびラップラウンドシートSが位置B~Eにあるときのサイドタッカ22Aの位置が示される。
【0031】
位置AのラップラウンドシートSは、サイドタッカ22Aが後方サイドフラップF4に接触する前の状態であり、後方側面P4と後方サイドフラップF4は、1つの垂直平面を構成する。位置Bには、サイドタッカ22Aの先端面50Aが後方サイドフラップF4に当接し、後方サイドフラップF4が折り目線L1に沿って僅かに折り曲げられ始めた状態が示される。位置Cには、後方サイドフラップF4が折り目線L1に沿って更に折り曲げられ、折り目線L2に沿った折り曲げ始まる直前の状態が示される。位置Dには、後方サイドフラップF4が折り目線L2に沿って大まかに折り曲げられ、搬送方向に向けられた状態が示される。位置Eには、後方サイドフラップF4の先端面50Aがサイドガイド20に係合し、面取部Cが適正な角度で形成される状態が示される。
【0032】
位置B、Cに示されるように、同状態においてフラップ当接部50の先端面50Aは、後方サイドフラップF4の折り目線L2よりも僅かに外側に当接する。サイドタッカ22Aの回転にともなって、フラップ当接部50の先端面50Aの後方サイドフラップF4との当接位置は、先端面50Aの先端側から外側(平面50B側)へと移動し、後方サイドフラップF4は徐々に前方へと押し曲げられる。
【0033】
位置Dに示されるように、フラップ当接部50の後方サイドフラップF4との当接位置が先端面50Aから平面50Bへと移ると、後方サイドフラップF4は折り目線L2に沿っても曲げられ、面取部Cが大まかに形成される。平面50Bの略全てが後方サイドフラップF4に当接すると、平面50Bと当接面52Aで形成される凹状の角部が、折り目線L2と係合する。
【0034】
更にサイドタッカ22Aが回転されると、位置Eに示されるように、面取部形成部52の当接面52Aが、後方サイドフラップF4の面取部Cの全体にぴったりと当接される。これにより、当接面52Aが面取部Cを所定角度で後方から押圧し、ラップラウンドシートSが箱形状に成形されたときに、面取部Cが後方サイドフラップF4と所定角度で交差するよう形成する。なお、当接面52Aにより面取部Cを押圧する際、前方フィンガ16AによってラップラウンドシートSのシート搬送コンベヤ12の搬送方向への移動が規制される。また、サイドタッカ22Aは、位置B~位置Eに対応する区間においては、ラップラウンドシートSの搬送速度に合わせてゆっくりと回転され、位置Eから位置Bへと移動する間は高速で回転される。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、箱型成形されるラップラウンドシートの隅に面取部を形成するラップラウンドケーサにおいて、より確実に面取部の折り目を設定角度で折り曲げることができる。
【0036】
なお、本実施形態の当接面は面取部の面の一部に当接すればよく、面全体に当接する必要はない。また、当接面の形状も本実施形態に限定されるものではなく円形であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 ラップラウンドケーサ
12 シート搬送コンベヤ
16A 前方フィンガ
20 サイドガイド
22 後方サイドフラップ折り曲げ装置(後方サイドフラップ折り曲げ手段)
22A サイドタッカ
22C アーム
50 フラップ当接部
50A 先端面(当接部)
52 面取部形成部
52A 当接面
C 面取部
F4 後方サイドフラップ
G 物品群
L1、L2 折り目線
M 物品
P1 天面
P2 前方側面
P3 底面
P4 後方側面
S ラップラウンドシート
図1
図2
図3
図4