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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060805
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】ワーク搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20220408BHJP
【FI】
B65B57/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168500
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】小島 智幸
(57)【要約】
【課題】移載テーブルのワーク収納部内にワークを確実に移載する。
【解決手段】回転テーブル1の外周縁に複数の吸着ノズル装置20が設けられ、吸着ノズル装置20の吸着ノズル25に吸着されたワークWは一対のカメラ32a,32bにより撮影される。一方のカメラ32aはワークWの1辺Wa1および2角部Wb1と、ワーク収納部41の1辺41a1および2角部41b1を撮影し、他方のカメラ32bはワークWの対向する1辺Wa2および対向する2角部Wb2と、ワーク収納部41の対向する1辺41a2および対向する2角部41b2を撮影する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が平面矩形状の複数のワーク収納部を有する移載テーブルと、
前記移載テーブルの上方に回転自在に設けられた回転テーブルと、
前記回転テーブル外周縁に配置され、ワークを吸着して保持するとともに、移載位置において前記移載テーブルのワーク収納部へ前記ワークを移載する吸着ノズルを含む複数の吸着ノズル装置と、
前記移載位置にある前記吸着ノズル装置の上方に配置され、前記移載テーブルのワーク収納部と、前記吸着ノズルに吸着された前記ワークとを撮影する撮影装置と、
制御部と、を備え、
前記撮影装置は、撮影対象となる前記ワークの両側に対向して配置された一対のカメラを有し、各カメラは前記ワークの互いに対向する1辺および2角部を撮影し、
前記制御部は、前記撮影装置からの信号に基づいて、前記移載テーブルをX-Y方向に移動させる、ワーク搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は前記撮影装置からの信号に基づいて、前記移載テーブルをX-Y方向に移動させ、かつ前記移載位置にある前記吸着ノズルを回転させる、請求項1記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記一対のカメラは鉛直線の両側に位置し、かつ鉛直線に対して同一の傾斜角をもって配置される、請求項1または2記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記吸着ノズルは前記移載テーブルに対して上下方向に移動可能となっており、
前記撮影装置は、前記ワークが前記移載テーブルの前記ワーク収納部から上方へ離間した上方位置で前記ワークと前記ワーク収納部を撮影し、
前記制御部は、前記撮影装置からの信号に基づいて、前記吸着ノズルを下方させながら、前記移載テーブルをX-Y方向に移動させ、かつ前記吸着ノズルを回転させる、請求項1乃至3のいずれか記載のワーク搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は装置部品を搬送するワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より装置部品(以下、ワークともいう)を搬送し、次工程において装置部品に対して検査を行うためのワーク搬送方法が知られている。
【0003】
この場合、まずワークは、ワークフィーダにより搬送され、ワークフィーダにより搬送されたワークは吸着ノズル等により移載テーブルのワーク収納部内に順次移載される。その後、移載テーブルのワーク収納部内のワークに対して、次工程において性能検査又は外観検査が施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-260594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年ワークの小形化に伴って、移載テーブルのワーク収納部もワークに合わせて小形化し、かつワーク収納部の内形形状とワーク外形形状との間のクリアランスも小さくなる傾向がある。
【0006】
このような場合、ワークフィーダによって搬送されるワークを、移載テーブルのワーク収納部内に精度良く位置決めしながら、迅速に移載することはむずかしくなっている。
【0007】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、移載テーブルのワーク収納部に対してワークを精度良く位置決めしながら、ワーク収納部内へワークを迅速に移載するワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、各々が平面矩形状の複数のワーク収納部を有する移載テーブルと、前記移載テーブルの上方に回転自在に設けられた回転テーブルと、前記回転テーブル外周縁に配置され、ワークを吸着して保持するとともに、移載位置において前記移載テーブルのワーク収納部へ前記ワークを移載する吸着ノズルを含む複数の吸着ノズル装置と、前記移載位置にある前記吸着ノズル装置の上方に配置され、前記移載テーブルの前記ワーク収納部と、前記吸着ノズルに吸着された前記ワークとを撮影する撮影装置と、制御部と、を備え、前記撮影装置は、撮影対象となる前記ワークの両側に対向して配置された一対のカメラを有し、各カメラは前記ワークの互いに対向する1辺および2角部を撮影し、前記制御部は、前記撮影装置からの信号に基づいて、前記移載テーブルをX-Y方向に移動させる、ワーク搬送装置である。
【0009】
本開示は、前記制御部は前記撮影装置からの信号に基づいて、前記移載テーブルをX-Y方向に移動させ、かつ前記移載位置にある吸着ノズルを回転させる、ワーク搬送装置である。
【0010】
本開示は、前記一対のカメラは鉛直線の両側に位置し、かつ鉛直線に対して同一の傾斜角をもって配置される、ワーク搬送装置である。
【0011】
本開示は、前記吸着ノズルは前記移載テーブルに対して上下方向に移動可能となっており、前記撮影装置は、前記ワークが前記移載テーブルの前記ワーク収納部から上方へ離間した上方位置で前記ワークと前記ワーク収納部を撮影し、前記制御部は、前記撮影装置からの信号に基づいて、前記吸着ノズルを下方させながら、前記移載テーブルをX-Y方向に移動させ、かつ前記吸着ノズルを回転させる、ワーク搬送装置である。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本開示によれば、移載テーブルのワーク収納部に対してワークを精度良く位置決めしながら、迅速にワーク収納部内へワークを移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本開示によるワーク搬送装置を示す概略斜視図。
図2図2は別の方向からワーク搬送装置をみた図。
図3図3は吸着ノズル装置を示す側面図。
図4図4は吸着ノズルとワークとワーク収納部の配置関係を示す図。
図5図5は吸着ノズルとワークとワーク収納部の配置関係を示す斜視図。
図6図6はカメラの撮影方向を示す側面図。
図7図7はカメラの撮影方向を示す斜視図。
図8図8は本実施の形態の作用を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<本実施の形態>
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1乃至図8は本開示の実施の形態を示す図である。
【0015】
ここで図1は本開示によるワーク搬送装置を示す概略斜視図、図2は別の方向からワーク搬送装置をみた概略斜視図、図3は吸着ノズル装置を示す側面図、図4は吸着ノズルとワークとワーク収納部の配置関係を示す図、図5は吸着ノズルとワークとワーク収納部の配置関係を示す斜視図、図6はカメラの撮影方向を示す側面図、図7はカメラの撮影方向を示す斜視図、図8は本実施の形態の作用を示す図である。
【0016】
図1乃至図8に示すように、ワーク搬送装置10は装置部品等のワークWを搬送するとともに精度良く位置決めして移載するものである。
【0017】
このようなワーク搬送装置10は回転自在に設けられた回転テーブル1と、回転テーブル1の外周縁に配置された複数の吸着ノズル装置20と、回転テーブル1の下方に位置して各々が平面矩形状のワーク収納部41を有する移載テーブル40とを備えている。
【0018】
このうち回転テーブル1の外周縁に設けられた吸着ノズル装置20は、ノズル装置本体21と、ノズル装置本体21内に回転テーブル1および移載テーブル40に対して上下方向に移動可能に設けられ、下端においてワークWを吸着保持する吸着ノズル25とを有している。
【0019】
また各ノズル装置本体21の上部には、回転テーブル1まで延びる保持アーム22が設けられ、この保持アーム22は止め具22aにより回転テーブル1に保持されている。
【0020】
またノズル装置本体21内の吸着ノズル25は、上述のように上下方向移動自在となっており、吸着ノズル25の上部に押圧部23が設けられ、この押圧部23が後述するノズル昇降機30により下方へ押圧されて吸着ノズル25が降下する。
【0021】
また押圧部23に対するノズル昇降機30の押圧が解除されると、ノズル装置本体21内に内蔵されたスプリング(図示せず)により吸着ノズル25が上昇する。
【0022】
ところで、本実施の形態において搬送されるワークWは平面矩形状をなしている(図5参照)。そして平面矩形状のワークWは4辺Waと4つの角部Wbとを有する。このような構成からなるワークWは回転テーブル1外周に設けられた吸着ノズル装置20の吸着ノズル25により吸着される。そして、吸着ノズル装置20が移載位置1Aに来たところで、吸着ノズル装置20の吸着ノズル25に吸着されたワークWは移載テーブル40のワーク収納部41内に移載される。
【0023】
この場合、移載テーブル40のワーク収納部41は、ワークWより若干大きな形状をもち、ワークWと同様、4辺41aと4つの角部41bとを有する平面矩形状をもつ(図4参照)。
【0024】
図4に示すように、移載テーブル40のワーク収納部41は、ワークWと同様に平面矩形状をなすが、この場合、ワークWの外形形状は例えば1.0mm×0.5mmの形状をもち、移載テーブル40のワーク収納部41の内形形状は1.01mm×0.51mmの形状をもち、ワーク収納部41とワークWとの間の隙間はきわめて小さい。
【0025】
このため本実施の形態において、移載テーブル40のワーク収納部41内にワークWを移載する際の移載精度が厳しく求められている。
【0026】
ところで図1に示すように、回転テーブル1は架台フレーム31に設けられた回転保持機構27により回転自在に保持されており、回転テーブル1は回転保持機構27により回欠的に回転する。そして回転テーブル1の外周縁に設けられた吸着ノズル装置20が移載位置1Aに来たとき、ノズル昇降機30により押圧部23が下方へ押圧され、ノズル昇降機30により吸着ノズル装置20の吸着ノズル25が降下し、吸着ノズル25に吸着されたワークWが移載テーブル40のワーク収納部41内に移載される。
【0027】
この場合、ノズル昇降機30は架台フレーム31に設けられ、回転テーブル1の外周縁に設けられた吸着ノズル装置20が移載位置1Aに来たとき、回転テーブル1が停止する。そしてノズル昇降機30の下端に設けられた駆動部が、ノズル昇降機30に内蔵されたサーボモータ(図示せず)により降下して、吸着ノズル装置20の押圧部23が下方へ押圧される。
【0028】
また、ノズル昇降機30の両側には、一対のカメラ32a,32bを有する撮影装置32が設けられ、各カメラ32a,32bは架台フレーム31に支持されている。
【0029】
各カメラ32a,32bは移載位置1Aに達した吸着ノズル装置20の上方に配置されており、移載テーブル40のワーク収納部41と、吸着ノズル装置20の吸着ノズル25に吸着されたワークWとを撮影するものである。具体的には吸着ノズル装置20が移載位置に来たとき、吸着ノズル25に吸着された撮影対象となるワークWの両側に、各カメラ32a,32bが、対向して配置される、そして、一方のカメラ32aは撮影対象となるワークWの1辺Wa1および2つの角部Wb1を撮影するとともに、他方のカメラ32bはカメラ32aにより撮影されたワークWの1辺Wa1および2つの角部Wb1に対向する1辺Wa2および2つの角部Wb2を撮影する(図5参照)。
【0030】
また同様に一方のカメラ32aは撮影対象となるワーク収納部41の1辺41a1および2つの角部41b1を撮影するとともに、他方のカメラ32bはカメラ32aにより撮影されたワーク収納部41の1辺41a1および2つの角部41b1に対向する1辺41a2および2つの角部41b2を撮影する。
【0031】
なお、上述した移載テーブル40はX-Y駆動機構42により支持され、このX-Y駆動機構42により移載テーブル40は、水平面上においてX-Y方向に駆動される。また吸着ノズル装置20の吸着ノズル25はノズル装置本体21内において図示しない回転駆動機構により回転可能となっている。また、吸着ノズル装置20の吸着ノズル25は、吸着機能を有し、その吸着機能をON-OFFすることができる。
【0032】
また図1に示すように、一対のカメラ32a,32bを有する撮影装置32からの信号は制御部35に送られ、この制御部35により上記構成部材、例えば回転保持機構27、各々の吸着ノズル装置20、ノズル昇降機30、およびX-Y駆動機構42が駆動制御される。
【0033】
また回転テーブル1の一側には、ワークWを搬送するとともに、このワークWを回転テーブル1の外周縁に設けられた吸着ノズル装置20の吸着ノズル25に受け渡す直線状のリニアフィーダからなるワークフィーダ11が接続されている。
【0034】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0035】
まず、図1および図6Aに示すように、装置部品等のワークWがワークフィーダ11から回転テーブル1側へ送られ、ワークWはワークフィーダ11の下流端から回転テーブル1の外周縁に設けられた吸着ノズル装置20の吸着ノズル25に受け渡される。この場合、回転テーブル1は回転することなく停止している。また、吸着ノズル25は、内蔵されたスプリングにより上方位置まで上昇しており、その吸着機能がONとなっている。そして、ワークフィーダ11から送られてくるワークWは、上方位置にあり、吸着機能がONとなっている吸着ノズル25に受け渡される。
【0036】
次に回転テーブル1が回転保持機構27により回転して、回転テーブル1の外周縁に設けられた吸着ノズル装置20が移載位置1Aまで達する。
【0037】
この際、回転テーブル1が停止する前から、制御部35はノズル昇降機30の駆動部を駆動制御して降下させ、吸着ノズル装置20の押圧部23を押圧して吸着ノズル25をスプリングの力に抗して降下させる。そして、回転テーブル1が停止した時点で、ワークWの撮影エッジ2a,2bと、ワーク収納部41の撮影エッジ3a,3bの双方を有効に撮影できる中間位置の高さまで吸着ノズル25をもってくる。この場合、吸着ノズル25がとる中間位置とは、吸着ノズル25の上方位置と下方位置との間の中間位置となる。
【0038】
次に吸着ノズル装置20が移載位置1Aまで達したところで、撮影装置32の一方のカメラ32aにより、ワークWの一辺Wa1および2つ角部Wb1が撮影され、同時にワーク収納部41の一辺41a1および2つの角部41b1が撮影される。この時、一方のカメラ32aに内蔵された照明装置によりワークWとワーク収納部41が照らされる。
【0039】
同時に他方のカメラ32bによりワークWの対向する一辺Wa2および対向する2つの角部Wb2が撮影され、同時にワーク収納部41の対向する一辺41a2および対向する2つの角部41b2が撮影される。この時、他方のカメラ32bに内蔵された照明装置によりワークWとワーク収納部41が照らされる。
【0040】
この場合、図2および図3に示すように、一対のカメラ32a,32bは各々鉛直線L0の両側に位置しており、鉛直線L0に対して同一の傾斜角θをもって配置される。
【0041】
このため、カメラ32aは鉛直線L0に対して傾斜角θを有する撮影ラインL1をもち、カメラ32bは鉛直線L0に対して傾斜角θを有する撮影ラインL2をもつ。
【0042】
一対のカメラ32a,32bによりワークWおよびワーク収納部41を撮影する状態を図6乃至図8により説明する。
【0043】
一方のカメラ32aによりワークWの一辺Wa1および2つの角部Wb1を撮影し、同時にワーク収納部41の一辺41a1および2つの角部41b1を撮影した場合、一方のカメラ32aによりワークWの撮影エッジ2aが検出され、同時にワーク収納部41の撮影エッジ3aが検出される。
【0044】
また他方のカメラ32bによりワークWの対向する一辺Wa2および対向する2つの角部Wb2を撮影し、同時にワーク収納部41の対向する一辺41a2および対向する2つの角部41b2を撮影した場合、他方のカメラ32bによりワークWの撮影エッジ2bが検出され、同時にワーク収納部の撮影エッジ3bが検出される。
【0045】
例えば一方のカメラ32aにより撮影された画像を図8に示す。
【0046】
この段階では、吸着ノズル装置20の吸着ノズル25は、上述のように、ノズル昇降機30の駆動部が吸着ノズル装置20の押圧部23を押圧することによって、上方位置と下方位置との間の中間位置をとっている。また一方のカメラ32aによりワークWの1辺Wa1および2つの角部Wb1を撮影した画像データ、および他方のカメラ32bによりワークWの対向する1辺Wa2および対向する2つの角部Wb2を撮影した画像データは、各々制御部35へ送られる。なお、吸着ノズル25は必ずしも中間位置をとる必要はなく、吸着ノズル25を上方位置に配置した状態で、一対のカメラ32a,32bによりワークWとワーク収納部41を撮影してもよい。
【0047】
制御部35では、一方のカメラ32aからの画像データおよび他方のカメラ32bからの画像データに基づいて、ワーク収納部41に対するワークWの位置ずれを検出することができる。
【0048】
次に制御部35はノズル昇降機30の駆動部を駆動制御して降下させ、吸着ノズル装置20の押圧部23を押圧して降下させる。このことにより吸着ノズル装置20の吸着ノズル25が降下し吸着ノズル25は下方位置をとる。この場合、吸着ノズル25の下端に吸着されたワークWが移載テーブル40のワーク収納部41内に載置される。同時に吸着ノズル25の吸着機能がOFFとなり、吸着ノズル25の下端に吸着されていたワークWが吸着ノズル25から開放され、ワーク収納部41内に移載される。
【0049】
制御部35はノズル昇降機30を降下させる間、一対のカメラ32a,32bから入手した画像から検出されたワーク収納部41に対するワークWの位置ずれに基づいて、移載テーブル40のワーク収納部41の位置調整を行う。具体的には制御部35はワーク収納部41に対するワークWの位置ずれに基づいて、移載テーブル40のX-Y駆動機構42を駆動させ、移載テーブル40のX-Y方向の位置を補正する。
【0050】
同時に制御部35は吸着ノズル装置20の吸着ノズル25を回転させ、ワークWの回転方向位置を補正する。
【0051】
このようにして制御部35は、ノズル昇降機30を降下させる間、ワーク収納部41とワークWとの間の位置ずれを、X-Y駆動機構42のX-Y方向移動および吸着ノズル25の回転移動により、X-Y方向および吸着ノズル25の回転方向について補正することができる。
【0052】
このようにしてワーク収納部41とワークWとの間の位置ずれを補正しながら、吸着ノズル25の下端に吸着されていたワークWをワーク収納部41内に精度良く移載することができる。
【0053】
その後、制御部35はノズル昇降機30の駆動部を上昇させ、ノズル昇降機30の駆動部が押圧部23から上方へ離れる。このとき、ノズル装置本体21内に内蔵されたスプリングにより吸着ノズル25が上昇して上方位置をとる。
【0054】
その後、制御部35が回転保持機構27を駆動制御して、回転テーブル1を1ピッチ回動させ、次の吸着ノズル装置20が移載位置1Aまで来て、上述した作用が繰り返される。
【0055】
このような作用を順次繰り返すことにより、ワークフィーダ11から送られてくるワークWを、移載テーブル40の所望のワーク収納部41内に順次移載することができる。その後、移載テーブル40は次工程に送られ、次工程において、移載テーブル40内からワークWが取り出され、このワークWに対して性能検査あるいは外観検査が施される。その後良品と判定されたワークWは装置部品として使用される。
【0056】
以上のように本実施の形態によれば、一方のカメラ32aによりワークWの一辺Wa1および2つの角部Wb1と、ワーク収納部41の一辺41a1および2つの角部41b1を撮影するとともに、他方のカメラ32bによりワークWの対向する一辺Wa2および対向する2つの角部Wb2と、ワーク収納部41の対向する一辺41a2および対向する2つの角部41b2を撮影する。このことにより、矩形状のワークWと矩形状のワーク収納部41のうちすべてのワークWの角部Wb1,Wb2およびワーク収納部41の角部41b1,41b2と、互いに対向するワークWの辺Wa1,Wa2および互いに対向するワーク収納部41の辺41a1,41a2を測定することができる。このためワークWとワーク収納部41の位置ずれを全周に渡って直接検出することができ、検出されたワークWとワーク収納部41の位置ずれに基づいて移載テーブル40をX-Y方向に移動させ、吸着ノズル25を回転させる。このことにより、ワーク収納部41とワークWとの間の位置ずれをX-Y方向および吸着ノズル25の回転方向について迅速かつ確実に補正することができる。このことによりワーク収納部41の内形形状とワークWの外形形状との間にほとんど隙間がなくても、ワークWを確実にワーク収納部41内に移載することができる。
【0057】
またワーク収納部41とワークWとの間の位置ずれを、ノズル昇降機30により吸着ノズル25を降下させる間に補正することができる。このことにより、ワーク収納部41とワークWとの間の位置ずれを補正した後に、ノズル昇降機30により吸着ノズル25を降下させる場合に比べて処理速度を向上させることができる。
【0058】
さらにまた本実施の形態によれば、ワーク収納部41の位置と、ワークWの位置を別個独立して検出する場合に比べて、ワーク収納部41とワークWとの間の位置ずれを直接的かつ正確に検出することができる。
【0059】
さらにまた、本実施の形態によれば、ワーク収納部41の位置と、ワークWの位置を別個独立して検出し、かつワーク収納部41の位置とワークの位置を検出した後に、移載テーブルを移動する場合に比べて、ワーク収納部41とワークWとの間の位置ずれを精度良くかつ迅速に補正することができる。
【0060】
また本実施の形態によれば、一対のカメラ32a,32bは鉛直線L0に対して傾斜角θだけ傾斜する撮影ラインL1,L2をもって配置されているため、ワークWの撮影エッジ2a,2bとワーク収納部41の撮影エッジ3a,3bを各カメラ32a,32bの被写界深度内に収めることができ、ワークWとワーク収納部41を精度良く検出することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 回転テーブル
1A 移載位置
2a,2b 撮影エッジ
3a,3b 撮影エッジ
10 ワーク搬送装置
11 ワークフィーダ
20 吸着ノズル装置
21 ノズル装置本体
22 保持アーム
23 押圧部
25 吸着ノズル
30 ノズル昇降機
31 架台フレーム
32 撮影装置
32a,32b カメラ
35 制御部
40 移載テーブル
41 ワーク収納部
41a1,41a2 辺
41b1,41b2 角部
42 X-Y駆動機構
W ワーク
Wa1,Wa2 辺
Wb1,Wb2 角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8