(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060846
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】パーテーション
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20220408BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
E04B2/74 501B
E04B2/74 561G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168566
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】守田 洋一
(57)【要約】
【課題】組み立てが容易であり且つ、交互に折り畳むようになっているパーテーションの厚さをより薄くすることの可能なパーテーションを提供する。
【解決手段】隣り合うパネル2同士の側縁部を側縁部に沿って延びる連結部材3により連結してなるパーテーション1において、連結部材3は、隣り合うパネル2の側縁部を挟持する挟持部111を有する一対のクリップ部11と、一対のクリップ部11の挟持部111とは逆側同士を接合し、平面視で山折り及び谷折りのいずれの方向にも折り曲げ可能な接合部122とを備える。パネル2を連結部材3に取り付けるだけで、山折り谷折りのいずれの方向にも折り曲げが可能なパーテーション1を組み立てることができると共に、折り畳み時のパーテーション1の厚さをより小さくすることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合うパネル同士の側縁部を当該側縁部に沿って延びる連結部材により連結してなるパーテーションであって、
前記連結部材は、
前記隣り合うパネルの前記側縁部を挟持する挟持部を有する一対のクリップ部と、
前記一対のクリップ部の前記挟持部とは逆側同士を接合し、平面視で山折り及び谷折りのいずれの方向にも折り曲げ可能な接合部と、
を備えることを特徴とするパーテーション。
【請求項2】
前記接合部は、横断面形状がダンベル形状であって、
前記クリップ部は、前記挟持部とは逆側に、前記接合部の、前記ダンベル形状の拡径部に相当する端部が内側に嵌合する嵌合部を備えることを特徴とする請求項1に記載のパーテーション。
【請求項3】
前記一対のクリップ部は同一形状を有し、
前記クリップ部は、前記挟持部が挟持する前記パネルの厚さ方向の中心を通り前記パネルの幅方向に延びる中心線と、前記ダンベル形状の長手方向の中心線に相当する前記接合部の中心線とが一致することを特徴とする請求項2に記載のパーテーション。
【請求項4】
前記連結部材は、前記隣り合うパネルの前記側縁部全体を連結することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパーテーション。
【請求項5】
前記接合部は、軟質樹脂で形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパーテーション。
【請求項6】
前記クリップ部は前記軟質樹脂よりも硬度が高い硬質樹脂で形成されることを特徴とする請求項5に記載のパーテーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーテーションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、働き方改革による、テレワークやリモートワーク等の多様な働き方の推進、また、コロナウィルスの影響等により、自宅やサテライトオフィスでのテレワークが加速している。
また、コロナウィルスの影響を受けて、企業によっては、事務所を縮小する傾向にあり、テレワークの比率が増大すると予想される。
ところで、日本の住宅環境においては、テレワークが可能な書斎等のスペースを持っている世帯は少なく、共働き比率も増加するなか、自宅にテレワークブースを作ることは困難である。
【0003】
自宅やサテライトオフィス等において、テレワーク用のスペースを確保する方法として、例えばパーテーションを用いて空間を仕切る方法がある。このパーテーションとしては、隣接するパネルの側縁部同士を連結手段を介して回動可能に連結しておき、使用時には複数枚を面方向に連続させて使用し、収納時にパネルの側縁部同士を連結手段を介して回動し折り畳むことができるように構成されているのが一般的である。
このようなパーテーションに用いられる連結手段として、建具の開け閉めに使われる平丁番や、また、隣接するパネル同士を、山折り及び谷折りのいずれの折り方でも可能とする丁番等も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、パーテーション等、3枚以上のパネルが連結された構造物は、未使用時には、パネルを折り畳む方向を交互にすることで、より薄く折り畳むことができる。隣接するパネル同士を連結する連結手段として平丁番を用いた場合、連結された複数のパネルを交互に折り畳むためには、平丁番をパネルの表裏に交互に取り付ける必要がある。そのため、パーテーションを組み立てるのに手間がかかるという問題がある。また、連結手段として、山折り及び谷折りのいずれの折り方でも可能な丁番を用いた場合には、丁番を交互に取り付ける必要はないが、丁番の構造が複雑となり、パネルへの取り付けが困難となる。また、このような山及び谷のいずれの方向への折り方でも可能な丁番である場合、平丁番に比較して連結手段の構造が複雑で平丁番に比較して大きいため、パーテーションをより薄く折り畳むことが困難であるという問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、容易に組み立てることができ、且つ、交互に折り畳んだパーテーションの厚さをより薄くすることの可能なパーテーションを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく、本発明の一態様によれば、隣り合うパネル同士の側縁部をこの側縁部に沿って延びる連結部材により連結してなるパーテーションであって、連結部材は、隣り合うパネルの側縁部を挟持する挟持部を有する一対のクリップ部と、一対のクリップ部の挟持部とは逆側同士を接合し、平面視で山折り及び谷折りのいずれの方向にも折り曲げ可能な接合部と、を備えるパーテーションが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容易に組み立てることができ、未使用時の小型化を図ることの可能なパーテーションを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るパーテーションの一例を示す折り畳み時の外観図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るパーテーションの一例を示す、全体が平らとなるように配置した場合の外観図である。
【
図4】連結部材を折り曲げた場合の横断面形状の一例である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るパーテーションの一例を示す、全体が平らとなるように配置した場合の平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るパーテーションの一例を示す、折り畳み時の平面図である。
【
図7】パーテーションの利用方法の一例を示す平面図である。
【
図8】パーテーションの利用方法の一例を示す斜視図である。
【
図9】従来のパーテーションの一例を示す、全体が平らとなるように配置した場合の外観図である。
【
図10】従来のパーテーションの一例を示す、全体が平らとなるように配置した場合の平面図である。
【
図11】従来のパーテーションの一例を示す、折り畳み時の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
[構成]
図1及び
図2は、本発明に係るパーテーション1の一例を示す外観図であって、
図1は折り畳み時の外観を示し、
図2は、全体が平らとなるように配置した場合の外観を示す。
パーテーション1は、複数のパネル2と、パネル2同士を連結する連結部材3とを備える。パネル2は、例えば、細長い矩形の薄板状であって、隣接するパネル2それぞれの側縁部を連結部材3と連結することにより、連結部材3を介して隣接するパネル2同士を連結するようになっている。パネル2は、軽量な材質で形成され、クリップ部11で保持できる材料及び厚みであればよく、例えば、樹脂パネル、発泡ポリスチレン等の各種発泡体、各種発泡体の両面に金属をラミネートしたもの、プラスチックダンボール、段ボール木質パネル、また、これら各種部材の両面に化粧シートをラミネートしたもの、骨格材に不織布を巻き付けたもの、骨格材に発泡体を嵌め込んだもの、骨格材に不織布或いは発泡体を取り付けたもの等が適用できる。また、パネル2を吸音パネルとして用いる場合には、骨格材に、不織布や発泡体を取り付けたものに対し、さらにその両面又は一方の面に、吸音材を取り付けたもの、等が適用できる。吸音材としては、フェルトタイプのものや再生ポリエステル成形タイプのもの等を用いることができる。フェルトタイプのものとしては、例えば、素材はポリエステル製フェルトであって、印刷可能な不織布により、袋貼り(4方巻き込み)されているもの等を適用することができる。また、再生ポリエステル成形タイプのものとしては、素材はPETボトル再生ポリエステル材であって、印刷可能な不織布により、平貼り(4方巻き込みなし)されており、現場でのカットが可能なものであって、音響性能として、周波数1600Hz以上4000Hz以下で吸音率が0.6以上となる特性を有するもの等を用いることができる。
【0012】
図3に、連結部材3の横断面形状の一例を示す。連結部材3は、
図3に示す横断面形状を有する長尺部材からなり、連結部材3のいずれの箇所における横断面も、
図3に示す横断面形状を有する。連結部材3は、パネル2の側縁部全体を連結する長さを有する。パネル2の側縁部全体を連結する長さとは、パネル2の上下方向の長さ及びパネル2の上端から多少下の位置とパネル2の下端から多少上の位置との間を連結する長さを含む。
【0013】
図3に示すように、連結部材3は、同一形状を有する一対のクリップ部11と、クリップ部11同士を連結する連結部12と、を備える。クリップ部11は、例えば硬質塩化ビニール等の硬質樹脂で形成される。連結部12は、クリップ部11の硬質樹脂よりも硬度が低い軟質樹脂で形成され、具体的には、例えば、軟質塩化ビニール等で形成される。
なお、連結部12を形成する樹脂の硬度は、例えば、パネル2の重量や、パーテーション1を配置する形状等に応じて設定する。例えば、パネル2が比較的軽い場合には、連結部12の樹脂の硬度が高く変形しにくいと、隣接するパネル2同士のなす角度が変化する可能性がある。このような場合には、連結部12の樹脂の硬度を低くすることで、隣接するパネル2同士のなす角度が変化することを抑制することができる。
【0014】
また、クリップ部11と連結部12のそれぞれは、例えば押し出し成形によって形成される。
クリップ部11は、パネル2を挟持する挟持部111と、連結部12と嵌合する嵌合部112とを備える。挟持部111は、互いに対向する一対の保持腕111aを備え、一対の保持腕111aの少なくとも一方には、先端部に対向面側に突出した凸状部111bが形成されている。保持腕111aの間隔は、パネル2の厚さと等しいかそれよりも僅かに狭い。これにより、挟持部111は、一対の保持腕111a間に挿入されたパネル2を挟持して保持する。
嵌合部112は、円環の一部が除去され開口部が形成された略円環形状を有し、嵌合部112の、開口部とは逆側に、挟持部111が連続して一体に形成される。
【0015】
連結部12は、横断面形状がダンベル形状であり、ダンベル形状の拡径部に相当する円形の一対の端部121が、接合部122により接合されて一体に形成される。円形の端部121の直径は、略円環状の嵌合部112の直径及び嵌合部112に形成された開口部の大きさに応じて決定され、端部121を、嵌合部112の開口部から挿入することで、嵌合部112が内側に端部121を挟持状に保持できる値に設定される。そして、連結部12の両方の端部121それぞれを、各クリップ部11の嵌合部112の内側に嵌合することによって、クリップ部11の挟持部11とは逆側である嵌合部112同士が接合部122により接合されるようになっている。
【0016】
接合部122は、2枚のパネル2を連結部材3で連結した状態を維持することができ、且つ、平面視で山折り及び谷折りをすることの可能な厚さに形成される。また、端部121間の接合部122の長さは、
図4に示すように、山折り又は谷折りして連結部材3で連結された2枚のパネル2を重ねることが可能であり、重ねられた2枚のパネル2がずれたりしない程度の長さに設定される。
そして、クリップ部11は、平面視で挟持部111が挟持するパネル2の厚さ方向の中心を通りパネル2の幅方向に延びる中心線と、前記ダンベル形状の長手方向に延びる中心線に相当する接合部122の中心線とが一致するように形成される。
【0017】
[使用方法]
このような、構成を有する連結部材3を用いて、パネル2を連結してパーテーション1を組み立てる場合には、まず、連結部材3の一方のクリップ部11に一方のパネル2を取り付ける。具体的には、例えば
図3において、左側のクリップ部11の挟持部111の一対の保持腕111aの間に1枚目のパネル2の右側の側縁部を挿入する。これにより、パネル2の側縁部が、連結部材3の左側のクリップ部11に挟持される。同様にして、右側のクリップ部11の保持腕111aの間に2枚目のパネル2の左側の側縁部を挿入する。これにより、パネル2の左側の側縁部が、連結部材3の右側のクリップ部11に挟持される。同様の手順で、パネル2と連結部材3とを交互に連結することにより、
図1、
図5及び
図6に示すように、パネル2と連結部材3とが交互に連結されたパーテーション1が形成される。なお、
図5は、パーテーション1を、全体が平らとなるように配置した場合の平面図である。
図6は、パーテーション1を折り曲げたときの平面図である。
【0018】
[効果]
連結部材3は、軟質樹脂で形成されている。そのため、連結部材3で連結された2枚のパネル2は山折り、谷折りのいずれの方向にも折り曲げることができる。そのため、山折り、谷折りを交互に繰り返して折り曲げた屏風状のパーテーション1を組み立てる場合等であっても、例えば2枚のパネルを連結する連結部材として平丁番を用いて屏風状のパーテーションを組み立てる場合等のように表裏を考慮する必要はなく、パネル2の例えば表面を上にした状態で連結部材3を順に取り付けることでパーテーション1を組み立てることができ、組み立て作業を容易に行うことができる。
【0019】
また、例えば平丁番により隣接するパネル2どうしを連結した場合、パネル2の側縁部は覆われていないため、パネル2同士の間に指等を挟む可能性がある。しかしながら、パーテーション1は、パネル2同士を連結部材3で連結した場合、
図2~
図4に示すように、パネル2の側縁部は、樹脂製のクリップ部11により覆われており、折り畳んだ2枚のパネル2の側縁部の境界部分は、接合部122で覆われた状態である。つまり2枚のパネル2の間に指を挟もうとしても、接合部122があるため指を挟むことはできない。
また、接合部122は、連結部材3で連結された2枚のパネル2が重なる程度の長さであり且つ重ねられた2枚のパネル2がずれたりしない程度の長さに設定されている。そのため折り畳んだ状態で、パネル2どうしがずれることを抑制することができる。
【0020】
ここで、従来の平丁番を用いて複数のパネル2を連結して、パーテーションを組み立てた場合、パーテーションを屏風のように折り畳むためには、
図9~
図11に示すように、平丁番101をパネル2の表側と裏側とに交互に設ける必要がある。また、2枚のパネル2どうしを連結するためには、例えば
図9に示すように2枚のパネル2を連結させるための平丁番を3箇所に設ける必要があり、複数のパネル2を連結するためには、さらに多くの平丁番を取り付ける必要がある。つまり、手間がかかると共に、組立時間も長くなる。なお、
図9~
図11において、符号101aは、パネル2の表側に取り付けられた平丁番を意味し、符号101bは、パネル2の裏側に取り付けられた平丁番を意味する。
【0021】
これに対し、パーテーション1は、連結部材3を用いて連結するため、裏表関係なく、クリップ部11にパネル2を差し込むだけで連結することができる。また、クリップ部11にパネル2を差し込むだけで、パネル2の側縁部全体を、連結部材3に取り付けることができる。このように、特別な道具等を用いることなく組み立てることができるため、平丁番を利用する場合に比較して組み立てに要する手間を削減することができる。
また、パーテーション1を分解する場合には、クリップ部11からパネル2を引き抜くだけで分解することができ、より短時間で組み立て及び分解することができる。
また、連結部材3を山折り及び谷折りのいずれにも折り畳むことができるため、例えば、パーテーション1の設置場所の広さに応じて配置や折り畳む方向等を調整することによって、パーテーション1の形状や広さを容易に調整することができる。
【0022】
また、連結部材3は、平面視で、挟持部111が挟持するパネル2の厚さ方向の中心を通りパネル2の幅方向に延びる中心線と、前記ダンベル形状の長手方向に延びる中心線に相当する接合部122の中心線とが一致するように形成されると共に、軟質樹脂で形成されている。そのため、連結部材3に取り付けた隣接するパネル2を山折り又は谷折りした場合、連結部材3を、長手方向の中央部で二つ折りさせることができる。そのため、パネル2を、平丁番等、一般的な金属丁番では実現不可能な360度に自在に屈曲させることができる。その結果、連結部材3をパネル2に取り付ける際に、パネル2の表裏を考慮する必要はない。
また、パネル2の側縁部全体に連結部材3を取り付けるようにしている。そのため、パネル2の折り畳み工程で、パネル2間に隙間が生じない。すなわち、指を隙間に挟まれる危険が生じない。
【0023】
また、指をパネル2の隙間に挟まれないようにするために、連結部材3を、パネル2の側縁部全体に取り付けているが、連結部材3は、樹脂で形成している。仮に、平丁番等金属丁番を用いて、指をパネル2の隙間に挟まれないようにする目的で、パネル2の側縁部全体に金属丁番を設けるとなると、金属丁番が長くなった分、パーテーション全体の質量が重くなる。しかしながら、パーテーション1では、連結部材3を樹脂で形成しているため、金属丁番を用いる場合に比較して重量の増加を抑制することができ、結果的に大幅な重量の増加を伴うことなく、パネル2の隙間に指等が挟まれることを回避することができる。
また、クリップ部11と連結部12とは、連結部12の端部121をクリップ部11の嵌合部112の内側に嵌め込むことにより一体に取り付けることができる。そのため、例えば、連結部12に不具合が生じた場合には、端部121を嵌合部112から取り外すことにより、容易に切り離すことができ、連結部12のみを交換すればよい。
【0024】
[変形例]
上記実施形態においては、パネル2どうしを交互に山折り及び谷折りして、屏風状のパーテーション1を組み立てる場合について説明したが、これに限るものではない。
連結部材3は、山折り及び谷折りのいずれにも折り畳むことができるため、例えば
図7及び
図8に示すように、連結部材3を、山折り又は谷折りのいずれか一方向にのみ折り曲げて、平面視で閉じた図形となるようにしてもよい。また、例えば平面視で、アルファベットの「S」状に折り曲げ、パネルで仕切られた隣接する2つの閉じた空間を形成するようにしてもよい。
【0025】
また、上記実施形態においては、パネル2の側縁部全体を連結部材3により挟持する場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、クリップ部11の上下方向の長さを短くしてパネル2の側縁部の複数の箇所に取り付けるようにし、連結部12は、パネル2の側縁部の上下方向の長さと同等程度に形成し、パネル2の側縁部を複数のクリップ部11で挟持すると共に、連結部12によりパネル2の側縁部全体を覆うようにしてパネル2間に指が挟まることを抑制するように構成してもよい。
【0026】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【実施例0027】
[実施例]
パネル2として、福田金属箔粉体工業株式会社製の厚さ2mmの発泡樹脂積層アルミ板(商品名:カラーエース(CR401FF))を使用し、縦1500mm×横400mmサイズにカットし、5枚のパネル2を用意した。
また、
図3に示すクリップ部11とダンベル形状の連結部12とのそれぞれを押し出し成形により形成するための金型を作製した。
【0028】
作製した金型を用いて押し出し成形を行い、硬質塩化ビニールを用いてクリップ部11を成形し、軟質塩化ビニールを用いて連結部12を成形し、成形したクリップ部11及び連結部12をそれぞれ1500mmの長さに切断し、一対のクリップ部11と連結部12とを得た。
続いて、クリップ部11それぞれの嵌合部112の内側に、連結部12の端部121を嵌め込み、横断面形状が
図3に示すように、連結部12の両端にクリップ部11が設けられた形状であり、長さが1500mmの連結部材3を得た。
【0029】
次に、作製した連結部材3と、発泡樹脂積層アルミ板からなる5枚のパネル2を用いてパーテーション1を作製した。具体的には、
図5に示すように、5枚のパネル2を並べ、、パネル2同士の間に連結部材3を仮置きした。そして、左端の1枚目のパネル2の右側縁部を連結部材3の左側の保持腕111a間に差し込み、その隣りの2枚目のパネル2bの左側縁部を連結部材3の右側の保持腕111a間に差し込んだ。同様にして、隣接するパネル2同士の側縁部を連結部材3の保持腕111a間に差し込んだ。その結果、
図1に示すように、パネル2同士の間に連結部材3が連結されたパーテーション1を得ることができた。
【0030】
組み立てられたパーテーション1は、
図5及び
図6に示すように、山折り谷折り交互に下り畳むことができた。
組み立て時、また、収納時等に折り畳む際等、パーテーション1を取り扱う場合に、パネル2の折山を触る可能性があるが、
図4に示すように、折山部分には、連結部材3が設けられ、パネル2どうしの隙間は、接合部122によって覆われている。そのため、パネル2どうしの隙間に指が挟まれることを抑制することができる。
【0031】
[比較例]
パネル2の板材として、福田金属箔粉体工業株式会社製の厚さ2mmの発泡樹脂積層アルミ板(商品名:カラーエース(CR401FF))を使用し、縦1500mm×横400mmサイズにカットし、5枚のパネル2を用意した。
丁番として、スガツネ工業株式会社製の抜き差し丁番(右開き:KN-64CR及び左開き:KN-64CL 取り付けビス穴6箇所)を用意した。
【0032】
5枚のパネル2を、
図9に示すように並べ、隣接するパネル2同士に3箇所ずつ丁番を取り付けることとし、左端の1枚目のパネル2とその隣りの2枚目のパネル2とを連結するため、両者の間に丁番を仮置きし、丁番を取り付けるためのビス穴の位置に印をつけた。次に、2枚目と3枚目のパネル2を連結する丁番を取り付けるためのビス穴の位置に印をつけた。2枚目と3枚目のパネル2を連結する丁番は、取り付け位置が裏面となるため、パネル2を反転させる必要があった。次に、3枚目と4枚目のパネル2を連結する丁番は、取り付け位置が表面になるため、パネル2を反転させる必要があった。同様に、4枚目と5枚目のパネル2を連結する丁番は、取り付け位置が裏面になるため、パネル2を反転させる必要があった。5枚のパネル2を連結するための丁番は、パネル2の側縁部に3箇所ずつ設けるため、丁番を取り付けるための取り付け穴は72箇所となった。
【0033】
次に、印をつけた取り付け穴にハンドドリルで穴を開け、各丁番をビスナットで取り付けた。ビスナットで取り付ける際もパネル2の反転が必要であった。
丁番を取り付けることにより、
図10及び
図11に示すように、パネル2が丁番により連結されたパーテーションが形成された。丁番は、パネル2の表面及び裏面に交互に取り付けられているため、山折りと谷折りとを交互に繰り返し折り畳むことができた。
比較例におけるパーテーションは、裏面と表面とに交互に、丁番を取り付ける必要があるため、組み立て作業が煩雑になり、実施例におけるパーテーション1と比較して、より多くの作業時間がかかることが確認された。