(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060870
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】建物開口部へのスクリーン装置の設置機構
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20220408BHJP
【FI】
E06B9/52 E
E06B9/52 B
E06B9/52 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168610
(22)【出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】390020101
【氏名又は名称】セイキ住工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
(72)【発明者】
【氏名】澤口 直人
(57)【要約】
【課題】建物開口部1等にスクリーン装置を固定的に挿脱する操作を、該開口部側枠2に設けたレール部材8の一端の挿脱口10を通して、スクリーン3の両側端に取り付けた可撓の樹脂帯材4を挿脱可能にし、簡易な操作を可能にする。
【解決手段】建物開口部の両側端の側枠2に取り付けたレール部材8に、スクリーン3の両側端に取り付けた可撓の樹脂帯材4を挿通するための通溝9に対向させて開設し、該両レール部材8の一端に、上記スクリーンの両側端の樹脂帯材を建物開口部の室内側から斜めに曲げて該通溝に挿脱可能にした挿脱口10を設ける。一方、スクリーンの側端に取り付けた可撓の樹脂帯材は、レール部材内に位置する部位に上記通溝から抜け出すのを阻止する抜け止め部4aが突設され、上記スクリーンの上下端と、建物開口部の上下端との間に、該スクリーンを展張状態に保持する保持機構を備えたものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部の両側端又は該建物開口部に設置するサッシの両側端にスクリーン側端保持用のレール部材を備え、
該一対のレール部材には、スクリーンの側端に沿って取り付けた樹脂帯材を摺動自在に挿通するための通溝を、互いに対向させて内向きに開設すると共に、該レール部材の上下端の双方又はそのいずれかに、上記スクリーンの両側端の樹脂帯材を、上記建物開口部の室内側から斜めに曲げて該通溝に挿脱可能にする挿脱口を開設し、
一方、上記スクリーンの側端に沿って取り付けた樹脂帯材は、上記挿脱口を通して上記通溝への挿脱を可能にするのに必要な弾性的変形が可能な樹脂素材によって形成すると共に、上記レール部材内に位置する部位に、該樹脂帯材の長手方向に沿って、該樹脂帯材が上記通溝から抜け出すのを阻止する抜け止め部が突設されたものとし、
上記スクリーンの上下端と、建物開口部の上下端又は該建物開口部に設置するサッシの上下端との間に、該スクリーンを展張状態に保持させるための保持機構を備えている、
ことを特徴とする建物開口部へのスクリーン装置の設置機構。
【請求項2】
上記スクリーンの両側端に取り付けた一対の樹脂帯材の上下端において、該樹脂帯材の上記レール部材における通溝外に位置する部位間を、それぞれ樹脂横板材で相互に連結してスクリーン枠を形成させると共に、該樹脂横板材をそれに沿うスクリーンの上下端と連結して、スクリーンの周囲を上記スクリーン枠で囲むスクリーンセットを構成させ、
上記挿脱口を通しての上記レール部材の通溝に沿う該スクリーンセットの挿通により、該スクリーンセットが上記建物開口部又は該建物開口部に設置するサッシのスクリーン張設位置に達したときに、上記スクリーン枠の上下端と、建物開口部又は該建物開口部に設置するサッシの上下端との間に、該スクリーン枠を保持させるための保持機構を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の建物開口部へのスクリーン装置の設置機構。
【請求項3】
上記保持機構が、上記建物開口部又は該建物開口部に設置するサッシの上下枠におけるスクリーン張設位置に設けられていて、上記スクリーン枠の上下端が挿通保持される挿通溝によって構成され、
スクリーン枠の下端が保持される下部の挿通溝は、上記スクリーン張設位置における該スクリーン枠の下端を保持すべき位置に該挿通溝の溝底が設置され、
スクリーン枠の上端が保持される上部の挿通溝は、その深さに、上記スクリーン張設位置における該スクリーン枠の下端を保持すべき位置に挿通するに必要な余裕を持つものとして形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の建物開口部へのスクリーン装置の設置機構。
【請求項4】
上記レール部材に、その長手方向の端部に開設した前記挿脱口を開閉する挿脱口カバーを、該レール部材の外面で、そこに設けた通溝に対し平行に配設したカバーガイドに対して摺動自在ではあるが、少なくとも、上記挿脱口カバーを挿脱口の全開位置及び全閉位置に保持可能な状態において付設している、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の建物開口部へのスクリーン装置の設置機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に対して網戸等のスクリーン装置を設置するための設置機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物開口部に、防虫や、遮光、断熱等の目的でスクリーン装置を固定的ではあるが浄化や交換等のために取り外し自在に設置する場合に、ネット等のスクリーンの四周に、被服等に多用されているファスナー状の抜け止め部片を接着、溶着、縫着などにより取り付けて、それを、サッシにおける上記抜け止め部片の嵌挿溝に挿脱自在に係合させたり、接合面に多数の鈎片とそれが係止するループとを植設した一対の面ファスナーの一方をスクリーンの周辺に、その他方を建物開口部におけるスクリーンの装着位置に取り付け、それらによって、建物開口部にスクリーンの周辺を容易に着脱可能にすることが一般的に行われている。
【0003】
しかしながら、この種のスクリーンの取り付け構造では、スクリーンの四周におけるファスナー状の抜け止め部片や面ファスナー等の取付位置を、常にそれらを接合する建物開口部の接合位置に対して正確に接合できるような寸法関係にして製造することには困難性がある。しかも、スクリーンの取り付けのために用いる各種部材は、その製造が比較的容易であるだけでなく、上記ファスナー状の抜け止め部片や面ファスナーに比して低コストであることが望まれ、また、スクリーンの浄化や交換等のためにそれを建物開口部に着脱する際の操作性について配慮されていて、安全に操作可能であることも必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、上述した建物開口部にスクリーン装置を固定的ではあるがその浄化や交換等のために取り外し自在に設置する場合に適し、少なくとも、スクリーンの両サイドに抜け止め部片や面ファスナー等を取り付けるに当たり、それらの取付位置を常に正確な寸法関係にする配慮を軽減できるだけでなく、従来から多用されているファスナー状の抜け止め部片や面ファスナー等に比して、非常に低コストで容易に提供できる樹脂帯材を用いることを可能にし、また、スクリーンの浄化や交換等のためにそれを建物開口部に着脱する際の操作性や安全性をも著しく改善されたところの、建物開口部へのスクリーン装置の設置機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明によれば、建物開口部の両側端又は該建物開口部に設置するサッシの両側端にスクリーン側端保持用のレール部材を備え、該一対のレール部材には、スクリーンの側端に沿って取り付けた樹脂帯材を摺動自在に挿通するための通溝を、互いに対向させて内向きに開設すると共に、該レール部材の上下端の双方又はそのいずれかに、上記スクリーンの両側端の樹脂帯材を、上記建物開口部の室内側から斜めに曲げて該通溝に挿脱可能にする挿脱口を開設し、一方、上記スクリーンの側端に沿って取り付けた樹脂帯材は、上記挿脱口を通して上記通溝への挿脱を可能にするのに必要な弾性的変形が可能な樹脂素材によって形成すると共に、上記レール部材内に位置する部位に、該樹脂帯材の長手方向に沿って、該樹脂帯材が上記通溝から抜け出すのを阻止する抜け止め部が突設されたものとし、上記スクリーンの上下端と、建物開口部の上下端又は該建物開口部に設置するサッシの上下端との間に、該スクリーンを展張状態に保持させるための保持機構を備えていることを特徴とする建物開口部へのスクリーン装置の設置機構が提供される。
【0006】
本発明に係る上記設置機構の好ましい実施形態においては、上記スクリーンの両側端に取り付けた一対の樹脂帯材の上下端において、該樹脂帯材の上記レール部材における通溝外に位置する部位間を、それぞれ樹脂横板材で相互に連結してスクリーン枠を形成させると共に、該樹脂横板材をそれに沿うスクリーンの上下端と連結して、スクリーンの周囲を上記スクリーン枠で囲むスクリーンセットを構成させ、上記挿脱口を通しての上記レール部材の通溝に沿う該スクリーンセットの挿通により、該スクリーンセットが上記建物開口部又は該建物開口部に設置するサッシのスクリーン張設位置に達したときに、上記スクリーン枠の上下端と、建物開口部又は該建物開口部に設置するサッシの上下端との間に、該スクリーン枠を保持させるための保持機構を備えているものとして構成される。
【0007】
また、本発明に係る上記設置機構の他の好ましい実施形態においては、上記保持機構が、上記建物開口部又は該建物開口部に設置するサッシの上下枠におけるスクリーン張設位置に設けられていて、上記スクリーン枠の上下端が挿通保持される挿通溝によって構成され、スクリーン枠の下端が保持される下部の挿通溝は、上記スクリーン張設位置における該スクリーン枠の下端を保持すべき位置に該挿通溝の溝底が設置され、スクリーン枠の上端が保持される上部の挿通溝は、その深さに、上記スクリーン張設位置における該スクリーン枠の下端を保持すべき位置に挿通するに必要な余裕を持つものとして形成される。
【0008】
更に、本発明に係る上記設置機構の他の好ましい実施形態においては、上記レール部材に、その長手方向の端部に開設した前記挿脱口を開閉する挿脱口カバーを、該レール部材の外面で、そこに設けた通溝に対し平行に配設したカバーガイドに対して摺動自在ではあるが、少なくとも、上記挿脱口カバーを挿脱口の全開位置及び全閉位置に保持可能な状態において付設することが望まれる。
【発明の効果】
【0009】
上記構成を備えた本発明に係るスクリーン装置の設置機構によれば、建物開口部にスクリーン装置を固定的ではあるが、その浄化や交換等のために取り外し自在に設置するにあたり、従来から多用されているファスナー状の抜け止め部片や面ファスナー等に比して非常に低コストな素材を用い得るだけでなく、それらの取付位置を常に正確な寸法関係にする配慮を軽減でき、また、スクリーンの浄化や交換等のためにそれを建物開口部に着脱する際の操作性や安全性も著しく改善されたところの、スクリーン装置の設置機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に基づいて建物開口部に設置しようとするスクリーン装置の設置機構の実施例を示し、(a)は、上記設置機構の要部正面図、(b)は同平面図である。
【
図2】(a)は、レール部材に形成した通溝9の下端へのスクリーンの挿脱を容易にする挿脱口10の部分拡大斜視図、(b)及び(c)は、同挿脱口10に対してスクリーンの側端の樹脂帯材4の挿通を開始した状態及び更に深く挿通した状態を示す部分拡大斜視図、(d)は、レール部材8に対する樹脂帯材4の挿通を完了した状態の斜視図である。
【
図3】(a)はスクリーン枠6の樹脂横板材5として平板状の板材を用いた場合、(b)は該樹脂横板材5として上記樹脂帯材4と同形の板材を用いた場合のスクリーン装置の側断面図である。
【
図4】レール部材の下端に設けている挿脱口10をその不使用時に挿脱口カバーで覆い隠すようにした構成を示し、(a)は、該挿脱口を備えたレール部材及び挿脱口カバーの構成を分解状態で示す斜視図、(b)は、スクリーンの挿脱のために挿脱口カバーを該スクリーンの挿脱に支障のない位置まで移動させた状態の要部斜視図、(c)はスクリーンに取り付けた樹脂帯材をレール部材に装着した後に上記挿脱口カバーにより挿脱口を覆い隠した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1の(a)及び(b)は、本発明に係るスクリーン装置の設置機構を、建物開口部1の両側端の側枠2間に設置する概要を示すもので、該一対の側枠2には、それに沿ってスクリーン3の側端を保持させるためのレール部材8を固定している。該レール部材8は、
図2の(a)~(d)に示すように、スクリーン3の側端に沿って接着、溶着、縫着などの手段で取り付けた樹脂帯材4を摺動自在に挿通するための通溝9を、互いに対向させた面に内向きに開設したもので、対向する一対の該レール部材8の通溝9に、上記スクリーン3の両側端に沿って取り付けた樹脂帯材4を、以下に説明するような手順で挿通することにより、一対のレール部材8間に上記スクリーン3を張設できるようにしている。
【0012】
上記スクリーン3の両側端に沿って取り付けた樹脂帯材4をレール部材8の通溝9に挿通するに際しては、通常、施工現場の建物開口部1やそこに設置するサッシは鉛直に立設された状態にあり、それに対して、両側端に沿って樹脂帯材4等を取り付けたスクリーン3は、水平或いはある程度鉛直に対して傾斜した状態に保持されるのが通例であり、そのような姿勢を取っているスクリーン3を鉛直に立設された上記レール部材8に挿通するには、上記
図2の(a)~(c)に示しているように、スクリーン3の両側端の樹脂帯材4を、上記建物開口部1の室内側から斜め上方に向けて挿脱可能にする挿脱口10を、レール部材8の下端に開設しておき、しかも、
図2の(b)(c)から分かるように、上記樹脂帯材4は、挿脱口10を通して上記通溝9に湾曲させて挿脱する弾性的変形が可能な樹脂素材によって形成しておくことが必要である。
【0013】
このような場合における上記挿脱口10としては、
図2の(a)から明らかなように、レール部材8の室内側面8aの下端を樹脂帯材4の挿脱に適した位置10aで切除すると共に、該レール部材8の通溝9を開設した対向面8bの下端において、上記側面8aの下端の切除した位置10aから通溝9に向けて、樹脂帯材4を円滑に挿通できる傾斜角度或いは湾曲した面10b等での切除により、該樹脂帯材4の移動路を形成しておくことが望ましい。
【0014】
なお、上記挿脱口10は、上記レール部材8に対する樹脂帯材4の挿脱を行うのが該レール部材8の下端側からに限ることなく、その上端側、或いは上下両端側から行うことになる場合もあり、それらの場合には、挿脱方向に応じて挿脱口10を必要な向きに設定することができる。
【0015】
両側端に一対の樹脂帯材4を取り付けた上記スクリーン3は、それを建物開口部1やそこに設置するサッシに適用するためには、
図1の(a)及び(b)に示すように、樹脂帯材4の上下端において、該樹脂帯材4の上記レール部材8における通溝9外に位置する部位間を、それぞれ樹脂横板材5で相互に連結してスクリーン枠6を形成させると共に、該樹脂横板材5をそれに沿うスクリーン3の上下端と連結して、スクリーン3の周囲を上記スクリーン枠6で囲むスクリーンセット7を構成させておくことが望まれる。
【0016】
スクリーン3を、上述したスクリーンセット7として、それを建物開口部や該開口部に設置するサッシの側枠間に挿脱自在にすると、その挿脱操作自体が容易になるだけではなく、樹脂横板材5により樹脂帯材4の上下各両端間を連結したうえで、樹脂帯材4をレール部材8の通溝9に挿通したスクリーン枠6は、その樹脂帯材4自体が弾性的変形が可能な樹脂素材によって形成されているにしても、ほぼ平板状の姿勢を維持し、そのため、
図3の(a)に示すように、スクリーンセット7における樹脂横板材5として、平板状の板材を用いた場合、或いは、同図の(b)に示すように、該樹脂横板材5として上記樹脂帯材4と同形の板材を用いた場合のいずれにおいても、建物開口部の上下枠1a,1bに設けた挿通溝11a,11bをスクリーンセット7の保持機構として、スクリーンを安定的に展張状態に保持させることができる。
【0017】
また、上記保持機構が、上記建物開口部又は該建物開口部に設置するサッシの上下枠におけるスクリーン張設位置に設けられていて、
図3の(a)或いは同図の(b)に示すように、上記スクリーン枠6の上下端が挿通保持される挿通溝11a,11bによって構成され、それに対し、スクリーン枠6の下端が保持される下部の挿通溝11bは、上記スクリーン張設位置における該スクリーン枠6の下端を保持すべき位置に該挿通溝11bの溝底11cが設置されるが、このような場合には、スクリーン枠6の上端が保持される上部の挿通溝11aは、前記挿脱口10を通して湾曲させて挿入されるスクリーン枠6の下端を、所定のスクリーン張設位置まで挿通するに必要な余裕を持つ深さに設定する必要がある。
【0018】
また、該スクリーン枠6は、それを構成する上記一対の樹脂帯材4が、一対の対向するレール部材8の通溝9に安定的に挿通できるものである必要があり、かかる操作を可能にするためには、上記一対の樹脂帯材4の上下端をそれぞれ樹脂横板材5で相互に連結するに当たり、レール部材8と樹脂横板材5との干渉を避けるため、
図1の(a)(b)に示しているように、上記レール部材8における通溝9の外側に位置する部位間を、それぞれ単なる板状の樹脂横板材5で相互に連結してスクリーン枠6を形成すると共に、該樹脂横板材5をそれに沿うスクリーン3の上下端と連結して、スクリーン3の周囲を上記スクリーン枠6で囲むことにより形成したところのスクリーンセット7を構成させておくことが望まれる。
【0019】
なお、上記一対の樹脂帯材4の上下端は、それぞれ樹脂横板材5で相互に連結してスクリーン枠6を形成する必要はなく、該樹脂帯材4と樹脂横板材5とが同一平面上にあるように並置して、それらの衝合端面を連接できるように構成し、或いは、該樹脂帯材4と樹脂横板材とを一体化した平面状のものとして成形することもできる。
【0020】
また、
図1の(a)(b)から分かるように、上記スクリーン3の側端に取り付けた樹脂帯材4には、それを上記挿脱口10を通してレール部材8内に挿通したときに、該レール部材8内に位置する部位に、該樹脂帯材4が上記通溝9から抜け出すのを阻止する凸状の抜け止め部4aが、該樹脂帯材4の長手方向に沿って突設されている。この抜け止め部4aは、
図1の(b)や
図2の(b)(c)から分かるように、それがレール部材8内から通溝9を通して脱出することはないが、レール部材8内において通溝9に対し出没する方向に或る程度移動可能に形成できるものであり、このことは、スクリーン3の側端に対する樹脂帯材4の取付位置を常に正確な寸法関係にする配慮を不必要にするだけでなく、従来から多用されているファスナー状の抜け止め部片や面ファスナー等に比して、スクリーンセットを非常に低コストで容易に提供することを可能にするものである。
【0021】
なお、上述した建物開口部へのスクリーン装置の設置機構は、建物開口部に対して直接的にスクリーン装置を設置するものとして説明しているが、上記スクリーン装置は、該建物開口部に設置するサッシ等に対して、同様な設置機構を介して設置することもできるものである。
【0022】
更に、上記スクリーン装置の設置機構においては、レール部材8の室内側面8aの下端を樹脂帯材4の挿脱に適した位置10aで切除して、前記挿脱口10を開設しているが、この挿脱口10は、それを通してレール部材8にスクリーンセット7の樹脂帯材4を挿脱する際のみにおいて利用するもので、それ以外では開放状態にしておく必要がなく、むしろ、該挿脱口10を通して塵埃がレール部材8内に溜まるなどの可能性があることから、該挿脱口10の外側にそれを覆い隠す挿脱口カバー20を開閉自在に付設しておくことが望まれる。
【0023】
図4の(a)は、上述したレール部材8に、その挿脱口10を覆い隠すための挿脱口カバー20のカバーガイド19を付設した複合レール部材18と、それに摺動自在に保持させる上記挿脱口カバー20の構成を示すもので、上記複合レール部材18は、
図1を参照して先に説明したレール部材8と同様に、それを建物開口部の両側枠2等に固定して、スクリーン3に取り付けた樹脂帯材4を通溝9に保持させるものである。
【0024】
また、上記挿脱口カバー20は、それを挿脱口10上に移動させたときに該挿脱口10を覆い隠すのに適した形態を有するもので、その係合部20aを複合レール部材18に付設したカバーガイド19に沿って摺動自在に係合させている。スクリーン3に取り付けた樹脂帯材4を複合レール部材18における通溝9aに挿脱するに際しては、
図4の(b)に示すように、上記挿脱口カバー20を挿脱口10から離間した位置に移動させ、また、
図4の(c)に示すように、挿脱口を通しての複合レール部材18への樹脂帯材4の挿脱を完了したときには、上記挿脱口カバー20を、挿脱口10を覆い隠す位置に移動させて、上記挿脱口10を隠蔽することができる。
【0025】
なお、上記挿脱口カバー20は、上記複合レール部材18の外面で、そこに設けた通溝9aに対し平行に配設したカバーガイド19に対して摺動自在ではあるが、少なくとも、上記挿脱口カバー20を挿脱口10の全開位置及び全閉位置に保持可能な状態において付設することが望まれる。挿脱口カバー20を一時的に保持するための機構としては、例えば、カバーガイド19と挿脱口カバー20との接触部に、両者の摺動摩擦を調整するような部材を介在させるなど、既知の手段を適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 建物開口部
3 スクリーン
4 樹脂帯材
4a 抜け止め部
8 レール部材
9 通溝
10 挿脱口