IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イノベックスの特許一覧

特開2022-60970菌床栽培システム及びキノコの栽培方法
<>
  • 特開-菌床栽培システム及びキノコの栽培方法 図1A
  • 特開-菌床栽培システム及びキノコの栽培方法 図1B
  • 特開-菌床栽培システム及びキノコの栽培方法 図2
  • 特開-菌床栽培システム及びキノコの栽培方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060970
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】菌床栽培システム及びキノコの栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 18/69 20180101AFI20220408BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
A01G18/69
A01G7/00 601Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168778
(22)【出願日】2020-10-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】514215457
【氏名又は名称】株式会社イノベックス
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】福宮 健司
【テーマコード(参考)】
2B011
2B022
【Fターム(参考)】
2B011CA10
2B011CA12
2B011CA13
2B011GA08
2B011GA09
2B022DA15
2B022DA20
(57)【要約】
【課題】栽培空間の中の環境の制御を安定して行う菌床栽培システム、及びそれを用いたキノコの栽培方法を提供する。
【解決手段】菌床栽培システム1は、輻射熱を発生させて栽培空間2aの中の温度を調整する冷暖房ユニット3と、ミストを発生させて栽培空間2aの中の湿度を調整するミスト発生ユニット6と、栽培空間2aの中から外への空気の流れを発生させて排気することで栽培空間2aの中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニット81と、を備えている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輻射熱を発生させて栽培空間の中の温度を調整する冷暖房ユニットと、
ミストを発生させて前記栽培空間の中の湿度を調整するミスト発生ユニットと、
前記栽培空間の中から外への空気の流れを発生させて排気することで前記栽培空間の中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニットと、を備えていることを特徴とする
菌床栽培システム。
【請求項2】
前記冷暖房ユニットは、輻射熱を発生させる熱媒体の流路を床下に有している床冷暖房ユニットであることを特徴とする
請求項1に記載の菌床栽培システム。
【請求項3】
前記栽培空間の中の湿度を測定する湿度計と、
前記ミスト発生ユニット及び前記排気ユニットの動作を制御する制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、前記冷暖房ユニットによる冷房運転とは異なる急速冷房運転時に、前記排気ユニットの動作を停止させると共に前記ミスト発生ユニットを動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る第1制御と、前記第1制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させると共に前記排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御と、前記第2制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させている状態を維持すると共に前記排気ユニットの動作を停止させて待機する第3制御と、を繰り返し行うことを特徴とする
請求項1又は2に記載の菌床栽培システム。
【請求項4】
圧力差によって前記栽培空間の外から中へ空気を導入する導気ユニットと、
前記排気ユニットによって前記栽培空間の中から外へ排出される空気、及び前記導気ユニットによって前記栽培空間の外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う熱交換器と、を備えていることを特徴とする
請求項1~3のいずれかに記載の菌床栽培システム。
【請求項5】
前記排気ユニットは、前記栽培空間の天面側から排気し、
前記導気ユニットは、前記栽培空間の床面側から面的に空気を導入することを特徴とする
請求項4に記載の菌床栽培システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の菌床栽培システムを用いて、キノコを栽培することを特徴とする
キノコの栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キクラゲ等のキノコの栽培に好適な菌床栽培システム、及びそれを用いたキノコの栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キクラゲ等のキノコを量産する菌床栽培システムは、栽培空間の中の温度、湿度及び二酸化炭素濃度の制御を行う(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06-007031号公報
【特許文献2】特公平07-114606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような菌床栽培システムでは、菌床及び栽培しているキノコへの風の直撃を避けつつ栽培空間の中全体の温度、湿度及び二酸化炭素濃度を均一に保つ必要がある等、栽培空間の中の温度、湿度及び二酸化炭素濃度の制御を安定して行うことが求められる。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、栽培空間の中の環境の制御を安定して行う菌床栽培システム、及びそれを用いたキノコの栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、輻射熱を発生させて栽培空間の中の温度を調整する冷暖房ユニットと、ミストを発生させて前記栽培空間の中の湿度を調整するミスト発生ユニットと、前記栽培空間の中から外への空気の流れを発生させて排気することで前記栽培空間の中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニットと、を備えていることを特徴とする菌床栽培システムである。
【0007】
本発明によれば、輻射熱を発生させて栽培空間の中の温度を調整する冷暖房ユニットを備えているので、温風又は冷風を発生させて栽培空間の中の温度を調整する場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0008】
また、本発明によれば、栽培空間の中から外への空気の流れを発生させて排気することで栽培空間の中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニットを備えているので、吸気ファン等を用い、栽培空間の外から中への空気の流れを強制的に発生させて二酸化炭素濃度を調整する場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記冷暖房ユニットは、輻射熱を発生させる熱媒体の流路を床下に有している床冷暖房ユニットであることを特徴とする上記(1)に記載の菌床栽培システムである。
【0010】
本発明によれば、冷暖房ユニットが、輻射熱を発生させる熱媒体の流路を床下に有している床冷暖房ユニットであり、下方から栽培空間の中全体に輻射熱が行き渡るので、冷暖房ユニットが栽培空間の中の他の場所に設置されている場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0011】
(3)本発明はまた、前記栽培空間の中の湿度を測定する湿度計と、前記ミスト発生ユニット及び前記排気ユニットの動作を制御する制御ユニットと、を備え、前記制御ユニットは、前記冷暖房ユニットによる冷房運転とは異なる急速冷房運転時に、前記排気ユニットの動作を停止させると共に前記ミスト発生ユニットを動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る第1制御と、前記第1制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させると共に前記排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御と、前記第2制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させている状態を維持すると共に前記排気ユニットの動作を停止させて待機する第3制御と、を繰り返し行うことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の菌床栽培システム。
【0012】
本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、排気ユニットの動作を停止させると共にミスト発生ユニットを動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る第1制御を行うので、冷暖房ユニットの能力とは無関係に栽培空間の中の温度を急速に低下させることができる。ひいては、高温になり易い昼間の時間帯や夏場等であっても、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0013】
また、本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、第1制御の後にミスト発生ユニットの動作を停止させると共に排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御を行うので、第1制御を行う時に、冷房効果を高めるために大量のミストを発生させて栽培空間の中を過加湿の状態にした場合であっても、栽培空間の中の湿度を適切な状態に戻すことができる。ひいては、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0014】
すなわち、本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、第1制御の後にミスト発生ユニットの動作を停止させると共に排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御を行うので、第1制御を行う時に、冷房効果を高めるために大量のミストを発生させて栽培空間の中を過加湿の状態にすることができる。ひいては、高温になり易い昼間の時間帯や夏場等であっても、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、第2制御の後にミスト発生ユニットの動作を停止させている状態を維持すると共に排気ユニットの動作を停止させて待機する第3制御を行い、除湿された状態で待機することになるので、一旦過加湿の状態に曝された湿度計を正常に動作させることができる。ひいては、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0016】
(4)本発明はまた、圧力差によって前記栽培空間の外から中へ空気を導入する導気ユニットと、前記排気ユニットによって前記栽培空間の中から外へ排出される空気、及び前記導気ユニットによって前記栽培空間の外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う熱交換器と、を備えていることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の菌床栽培システムである。
【0017】
本発明によれば、圧力差によって栽培空間の外から中へ空気を導入する導気ユニットを備えているので、吸気ファン等を用い、栽培空間の外から中への空気の流れを強制的に発生させて二酸化炭素濃度を調整する場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0018】
本発明によれば、排気ユニットによって栽培空間の中から外へ排出される空気、及び導気ユニットによって栽培空間の外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う熱交換器を備えているので、排気によって栽培空間の中から外へ逃げる熱の量を低減することができる。ひいては、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0019】
(5)本発明はまた、前記排気ユニットは、前記栽培空間の天面側から排気し、前記導気ユニットは、前記栽培空間の床面側から面的に空気を導入することを特徴とする上記(4)に記載の菌床栽培システムである。
【0020】
本発明によれば、排気ユニットが栽培空間の天面側から排気すると共に、導気ユニットが栽培空間の床面側から面的に空気を導入することで、栽培空間の中全体に下方から上方への緩やかな気流を発生させ、下方に滞留している二酸化炭素を拡散させながら栽培空間の外へ排出するので、排気ユニットが他の場所から排気したり、導気ユニットが栽培空間の他の場所へ空気を導入したりする場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0021】
(6)本発明はまた、上記(1)~(5)のいずれかに記載の菌床栽培システムを用いて、キノコを栽培することを特徴とするキノコの栽培方法である。
【0022】
本発明によれば、上記(1)~(5)のいずれかに記載の菌床栽培システムを用いて、キノコを栽培するので、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。ひいては、品質の高いキノコを安定して量産することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の上記(1)~(5)に記載の菌床栽培システム、及び上記(6)に記載のキノコの栽培方法によれば、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。ひいては、品質の高いキノコを安定して量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本発明の実施形態に係る菌床栽培システムを上方から視た概略図である。
図1B図1Aに示す菌床栽培システムの一部を上方から視た概略図である。
図2】制御盤の構成を示すブロック図である。
図3】急速冷房運転時の制御の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る菌床栽培システム1について詳細に説明する。
【0026】
まず、図1A図1B及び図2を用いて、菌床栽培システム1の構成について説明する。図1Aは、菌床栽培システム1を上方から視た概略図である。図1Bは、菌床栽培システム1の一部を上方から視た概略図である。図2は、制御盤11の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1A及び図1Bに示す菌床栽培システム1は、キクラゲ等のキノコを栽培するためのシステムである。この菌床栽培システム1は、地下水を熱源として、高気密高断熱施設空間(栽培空間2a)の温度、湿度及び二酸化炭素濃度を常時理想的なコンディションに保つ。これにより、デリケートな生育環境が要求されるキノコ類の生産効率の最大化が可能になる。また、通信機能を活用して生育速度の最適化を図ることで、エネルギーとIoT技術の高度な融合で高収益型生産システムを実現することができる。
【0028】
この菌床栽培システム1は、手動又は自動(AI)で設定された値となるように、制御盤11(図2参照)によって統括的に制御される。すなわち、菌床栽培システム1は、制御盤11(図2参照)の制御下において動作して、その動作状況が制御盤11(図2参照)によって管理される。具体的に、菌床栽培システム1は、各所に配置された温度計15(図2参照)、湿度計16(図2参照)及び二酸化炭素濃度測定器17(図2参照)等の測定結果等に基づいて、設定された値となるように各部の動作がフィードバック制御される。
【0029】
このような菌床栽培システム1は、栽培室2と、冷暖房ユニット3と、ヒートポンプ4と、井戸5と、ミスト発生ユニット6と、熱交換器7と、換気・熱交換ユニット8と、換気扇9と、吸気ポート10と、制御盤(制御ユニット)11(図2参照)と、温度計15(図2参照)と、湿度計16(図2参照)と、二酸化炭素濃度測定器17(図2参照)と、等を備えている。
【0030】
栽培室2は、栽培空間2a及び風除空間2bに区切られた二重構造の出入口を採用しており、また、高気密性及び高断熱性を有している。この栽培室2は、栽培空間2a及び風除空間2bの間に、シートシャッター12と、ガラス板からなる透明なのぞき窓13と、を有している。シートシャッター12は、栽培空間2a及び風除空間2bを繋ぐ出入口を開閉する。また、栽培室2は、風除空間2b及び外の間に、開き戸14を有している。開き戸14は、風除空間2bと外を繋ぐ出入口を開閉する。このような栽培室2は、直射日光を避ける場所に設置されていることが好ましく、例えば、倉庫や工場等の建物の中に設置されている。
【0031】
冷暖房ユニット3は、栽培空間2aの床下に、輻射熱を発生させる熱媒体の流路3aを有している床冷暖房ユニットである。この冷暖房ユニット3は、輻射熱を発生させて栽培空間2aの中の温度を調整する。すなわち、暖房運転時に冷暖房ユニット3は、輻射温熱を発生させて栽培空間2aの中の温度を上昇させる。あるいは、冷房運転時に冷暖房ユニット3は、輻射冷熱を発生させて栽培空間2aの中の温度を降下させる。
【0032】
ヒートポンプ4は、井戸水の熱をかき集め、かき集めた熱を、冷暖房ユニット3の流路3aを流れる熱媒体に移動させる。すなわち、冷暖房ユニット3の暖房運転時に、ヒートポンプ4は、井戸水の温熱をかき集め、かき集めた温熱を、冷暖房ユニット3の流路3aを流れる熱媒体に移動させる。冷暖房ユニット3の冷房運転時に、ヒートポンプ4は、井戸水の冷熱をかき集め、かき集めた冷熱を、冷暖房ユニット3の流路3aを流れる熱媒体に移動させる。
【0033】
井戸5は、地中熱を有する地下水を井戸水として蓄えている。この井戸5は、井戸水をくみ上げるためのポンプ5aを有している。ポンプ5aは、井戸5に蓄えられた井戸水をヒートポンプ4に供給する。ヒートポンプ4で利用された井戸水は、ヒートポンプ4からの排水となる。
【0034】
ミスト発生ユニット6は、ミストを発生させて栽培空間2aの中の湿度を調整する。このミスト発生ユニット6は、栽培空間2aにおける上方に、高圧ミストホース6aを有している。高圧ミストホース6aは、多数のノズル(図示省略)を有しており、これら多数のノズル(図示省略)から栽培空間2aの中に、水道水をミストとして放出する。このようなミスト発生ユニット6は、冷暖房ユニット3とは独立して動作してもよいし、冷暖房ユニット3と連動して動作してもよい。
【0035】
熱交換器7は、冷暖房ユニット3の流路3aを流れる熱媒体と、ミスト発生ユニット6で利用される水道水と、の間で熱交換を行う。冷暖房ユニット3の暖房運転時に、熱交換器7は、冷暖房ユニット3の流路3aを流れる熱媒体の温熱を、ミスト発生ユニット6で利用される水道水に移動させる。冷暖房ユニット3の冷房運転時に、熱交換器7は、冷暖房ユニット3の流路3aを流れる熱媒体の冷熱を、ミスト発生ユニット6で利用される水道水に移動させる。
【0036】
このような熱交換器7は、冷暖房ユニット3の流路3aの経路上に設けられている。図示するように、熱交換器7は、栽培空間2aの床下からヒートポンプ4に熱媒体が回収される経路上に設けられ、栽培空間2aの床下で利用された熱の残りを再利用する。ただし、必要に応じて、熱交換器7は、ヒートポンプ4から栽培空間2aの床下に供給される経路上に設けられ、栽培空間2aの床下で利用される熱を先に利用するようにしておいてもよい。
【0037】
換気・熱交換ユニット8は、換気を行って栽培空間2aの中の二酸化炭素濃度を調整すると共に、換気で出入りする空気の間で熱交換を行う。この換気・熱交換ユニット8は、冷暖房ユニット3と同時に動作することもあるが、冷暖房ユニット3とは独立して動作する。具体的に、換気・熱交換ユニット8は、排気ユニット81と、導気ユニット82と、熱交換器83と、を備えている。
【0038】
排気ユニット81は、ファン又はポンプ等の動力源(図示省略)を有しており、栽培空間2aの中から外への空気の流れを強制的に発生させて排気することで栽培空間2aの中の二酸化炭素濃度を調整する。この排気ユニット81は、栽培空間2aにおける上方に排気口81aを有しており、栽培空間2aの天面側から排気する。
【0039】
導気ユニット82は、ファン又はポンプ等の動力源を有しておらず、排気ユニット81の動作に起因する栽培空間2aの外と中の圧力差によって、栽培空間2aの外から中へ空気を導入する。この導気ユニット82は、栽培空間2aにおける下方に多数の導気口82aを有しており、栽培空間2aの床面側から面的に空気を導入する。
【0040】
なお、「面的に空気を導入する」とは、多数の点から空気を導入することで面全体から空気を導入することと同等の状態のことをいう。すなわち、「面的に空気を導入する」とは、点からではなく面全体から空気を導入しているような状態のことをいう。
【0041】
熱交換器83は、排気ユニット81によって栽培空間2aの中から外へ排出される空気、及び導気ユニット82によって栽培空間2aの外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う。
【0042】
換気扇9は、栽培空間2aを構成する栽培室2の壁に設けられており、換気・熱交換ユニット8とは独立して動作する。この換気扇9は、キノコの栽培を開始する前等に栽培空間2aの強制的な換気を行う。具体的に、換気扇9は、栽培空間2aの中から外への空気の流れを強制的に発生させて排気する。
【0043】
吸気ポート10は、栽培空間2aを構成する栽培室2の壁に複数個設けられており、換気扇9の動作に起因する栽培空間2aの外と中の圧力差によって、栽培空間2aの外から中へ空気を導入する。この吸気ポート10は、バルブ付きのポートであり、不使用時は閉じられ、使用時に開かれる。
【0044】
図2に示す制御盤11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理手段(図示省略)と、処理プログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶手段(図示省略)と、演算処理手段が処理プログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)といった主記憶手段(図示省略)と、を備えている。
【0045】
この制御盤11は、ミスト発生ユニット6(図1A参照)及び排気ユニット81(図1A及び図1B参照)等、菌床栽培システム1の各部の動作を制御する。冷暖房ユニット3(図1A参照)による冷房運転とは異なる急速冷房運転時に制御盤11は、第1制御S10(図3参照)と、第2制御S20(図3参照)と、第3制御S30(図3参照)と、を繰り返し行う。
【0046】
第1制御S10(図3参照)では、排気ユニット81(図1A及び図1B参照)の動作を停止させると共に、ミスト発生ユニット6(図1A参照)を動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る。第1制御S10(図3参照)の運転時間は、例えば1440分間(1日間)以下の任意の時間に、適宜設定される。例えば、第1制御S10(図3参照)の運転時間は、10分間と設定される。
【0047】
第1制御S10(図3参照)の後の第2制御S20(図3参照)では、ミスト発生ユニット6(図1A参照)の動作を停止させると共に、排気ユニット81(図1A及び図1B参照)を動作させて排気による除湿効果を得る。第2制御S20(図3参照)の運転時間は、例えば1440分間(1日間)以下の任意の時間に、適宜設定される。例えば、第2制御S20(図3参照)の運転時間は、10分間と設定される。
【0048】
第2制御S20(図3参照)の後の第3制御S30(図3参照)では、ミスト発生ユニット6(図1A参照)の動作を停止させている状態を維持すると共に、排気ユニット81(図1A及び図1B参照)の動作を停止させて待機する。第3制御S30(図3参照)の運転時間は、例えば1440分間(1日間)以下の任意の時間に、適宜設定される。例えば、第3制御S30(図3参照)の運転時間は、10分間と設定される。
【0049】
第1制御S10(図3参照)と、第2制御S20(図3参照)と、第3制御S30(図3参照)と、を繰り返す回数は、設定された急速冷房運転の時間を、第1制御S10(図3参照)、第2制御S20(図3参照)及び第3制御S30(図3参照)のそれぞれの運転時間の合計時間で除すことで算出された回数でもよいし、回数として直接設定されてもよい。
【0050】
温度計15は、必要な個数が、栽培空間2a(図1A及び図1B参照)の中の適所に設けられている。この温度計15は、栽培空間2a(図1A及び図1B参照)の中の温度を測定し、その測定結果を信号にして制御盤11に送信する。
【0051】
湿度計16は、必要な個数が、栽培空間2a(図1A及び図1B参照)の中の適所に設けられている。この湿度計16は、栽培空間2a(図1A及び図1B参照)の中の湿度を測定し、その測定結果を信号にして制御盤11に送信する。
【0052】
二酸化炭素濃度測定器17は、必要な個数が、栽培空間2a(図1A及び図1B参照)の中の適所に設けられている。この二酸化炭素濃度測定器17は、栽培空間2a(図1A及び図1B参照)の中の二酸化炭素濃度を測定し、その測定結果を信号にして制御盤11に送信する。
【0053】
次に、図3を用いて、菌床栽培システム1(図1A図1B及び図2参照)における急速冷房運転時の制御の流れを説明する。図3は、急速冷房運転時の制御の流れを説明するフローチャートである。
【0054】
図3に示すように、冷暖房ユニット3(図1A参照)による冷房運転とは異なる急速冷房運転時に、制御盤11(図2参照)は、第1制御S10と、第2制御S20と、第3制御S30と、を繰り返し行う。
【0055】
第1制御S10では、制御盤11(図2参照)が、排気ユニット81(図1A及び図1B参照)の動作を停止させると共に、ミスト発生ユニット6(図1A参照)を動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る。
【0056】
第1制御S10の後の第2制御S20では、制御盤11(図2参照)が、ミスト発生ユニット6(図1A参照)の動作を停止させると共に、排気ユニット81(図1A及び図1B参照)を動作させて排気による除湿効果を得る。
【0057】
第2制御S20の後の第3制御S30では、制御盤11(図2参照)が、ミスト発生ユニット6(図1A参照)の動作を停止させている状態を維持すると共に、排気ユニット81(図1A及び図1B参照)の動作を停止させて待機する。
【0058】
このように、菌床栽培システム1によれば、輻射熱を発生させて栽培空間2aの中の温度を調整する冷暖房ユニット3を備えているので、温風又は冷風を発生させて栽培空間の中の温度を調整する場合と比較して、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0059】
また、菌床栽培システム1によれば、栽培空間2aの中から外への空気の流れを発生させて排気することで栽培空間2aの中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニット81を備えているので、吸気ファン等を用い、栽培空間の外から中への空気の流れを強制的に発生させて二酸化炭素濃度を調整する場合と比較して、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0060】
また、菌床栽培システム1によれば、冷暖房ユニット3が、輻射熱を発生させる熱媒体の流路3aを床下に有している床冷暖房ユニットであり、下方から栽培空間2aの中全体に輻射熱が行き渡るので、冷暖房ユニットが栽培空間の中の他の場所に設置されている場合と比較して、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0061】
また、菌床栽培システム1によれば、制御盤11が急速冷房運転時に、排気ユニット81の動作を停止させると共にミスト発生ユニット6を動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る第1制御S10を行うので、冷暖房ユニット3の能力とは無関係に栽培空間2aの中の温度を急速に低下させることができる。ひいては、高温になり易い昼間の時間帯や夏場等であっても、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0062】
また、菌床栽培システム1によれば、制御盤11が急速冷房運転時に、第1制御S10の後にミスト発生ユニット6の動作を停止させると共に排気ユニット81を動作させて排気による除湿効果を得る第2制御S20を行うので、第1制御S10を行う時に、冷房効果を高めるために大量のミストを発生させて栽培空間2aの中を過加湿の状態にした場合であっても、栽培空間2aの中の湿度を適切な状態に戻すことができる。ひいては、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0063】
すなわち、菌床栽培システム1によれば、制御盤11が急速冷房運転時に、第1制御S10の後にミスト発生ユニット6の動作を停止させると共に排気ユニット81を動作させて排気による除湿効果を得る第2制御S20を行うので、第1制御S10を行う時に、冷房効果を高めるために大量のミストを発生させて栽培空間2aの中を過加湿の状態にすることができる。ひいては、高温になり易い昼間の時間帯や夏場等であっても、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0064】
また、菌床栽培システム1によれば、制御盤11が急速冷房運転時に、第2制御S20の後にミスト発生ユニット6の動作を停止させている状態を維持すると共に排気ユニット81の動作を停止させて待機する第3制御S30を行い、除湿された状態で待機することになるので、一旦過加湿の状態に曝された湿度計を正常に動作させることができる。ひいては、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0065】
また、菌床栽培システム1によれば、圧力差によって栽培空間2aの外から中へ空気を導入する導気ユニット82を備えているので、吸気ファン等を用い、栽培空間の外から中への空気の流れを強制的に発生させて二酸化炭素濃度を調整する場合と比較して、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0066】
また、菌床栽培システム1によれば、排気ユニット81によって栽培空間2aの中から外へ排出される空気、及び導気ユニット82によって栽培空間2aの外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う熱交換器83を備えているので、排気によって栽培空間2aの中から外へ逃げる熱の量を低減することができる。ひいては、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0067】
また、菌床栽培システム1によれば、排気ユニット81が栽培空間2aの天面側から排気すると共に、導気ユニット82が栽培空間2aの床面側から面的に空気を導入することで、栽培空間2aの中全体に下方から上方への緩やかな気流を発生させ、下方に滞留している二酸化炭素を拡散させながら栽培空間2aの外へ排出するので、排気ユニットが他の場所から排気したり、導気ユニットが栽培空間の他の場所へ空気を導入したりする場合と比較して、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。
【0068】
また、キノコの栽培方法によれば、菌床栽培システム1を用いて、キノコを栽培するので、栽培空間2aの中の環境の制御を安定して行うことができる。ひいては、品質の高いキノコを安定して量産することができる。
【0069】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0070】
例えば、上記実施形態では、排気ユニット81が栽培空間2aの天面側から排気すると共に、導気ユニット82が栽培空間2aの床面側から面的に空気を導入する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、排気ユニットが栽培空間の床面側から排気すると共に、導気ユニットが栽培空間の天面側から面的に空気を導入するようにしてもよい。
【0071】
この場合、栽培空間の中全体に上方から下方への緩やかな気流を発生させ、下方に滞留している二酸化炭素をそのまま栽培空間の外へ排出するので、排気ユニットが他の場所から排気したり、導気ユニットが栽培空間の他の場所へ空気を導入したりする場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 菌床栽培システム
2 栽培室
2a 栽培空間
2b 風除空間
3 冷暖房ユニット(床冷暖房ユニット)
3a 流路
4 ヒートポンプ
5 井戸
5a ポンプ
6 ミスト発生ユニット
6a 高圧ミストホース
7 熱交換器
8 換気・熱交換ユニット
81 排気ユニット
81a 排気口
82 導気ユニット
82a 導気口
83 熱交換器
9 換気扇
10 吸気ポート
11 制御盤(制御ユニット)
12 シートシャッター
13 のぞき窓
14 開き戸
15 温度計
16 湿度計
17 二酸化炭素濃度測定器
S10 第1制御
S20 第2制御
S30 第3制御
図1A
図1B
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2020-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輻射熱を発生させて栽培空間の中の温度を調整する冷暖房ユニットと、
ミストを発生させて前記栽培空間の中の湿度を調整するミスト発生ユニットと、
前記栽培空間の中から外への空気の流れを発生させて排気することで前記栽培空間の中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニットと、
前記栽培空間の中の湿度を測定する湿度計と、
前記ミスト発生ユニット及び前記排気ユニットの動作を制御する制御ユニットと、を備え
前記制御ユニットは、前記冷暖房ユニットによる冷房運転とは異なる急速冷房運転時に、前記排気ユニットの動作を停止させると共に前記ミスト発生ユニットを動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る第1制御と、前記第1制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させると共に前記排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御と、前記第2制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させている状態を維持すると共に前記排気ユニットの動作を停止させて待機することで、一旦過加湿の状態に曝された前記湿度計を正常に動作させる第3制御と、を繰り返し行うことを特徴とする
菌床栽培システム。
【請求項2】
前記排気ユニットの動作に起因する前記栽培空間の外と中の圧力差によって、前記栽培空間の外から中へ空気を導入する導気ユニットを備えていることを特徴とする
請求項1に記載の菌床栽培システム。
【請求項3】
前記排気ユニットによって前記栽培空間の中から外へ排出される空気、及び前記導気ユニットによって前記栽培空間の外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う熱交換器備えていることを特徴とする
請求項に記載の菌床栽培システム。
【請求項4】
前記冷暖房ユニットは、輻射熱を発生させる熱媒体の流路を床下に有している床冷暖房ユニットであることを特徴とする
請求項1~3のいずれかに記載の菌床栽培システム。
【請求項5】
前記排気ユニットは、前記栽培空間の天面側から排気し、
前記導気ユニットは、前記栽培空間の床面側から面的に空気を導入することを特徴とする
請求項4に記載の菌床栽培システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の菌床栽培システムを用いて、キノコを栽培することを特徴とする
キノコの栽培方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
(1)本発明は、輻射熱を発生させて栽培空間の中の温度を調整する冷暖房ユニットと、ミストを発生させて前記栽培空間の中の湿度を調整するミスト発生ユニットと、前記栽培空間の中から外への空気の流れを発生させて排気することで前記栽培空間の中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニットと、前記栽培空間の中の湿度を測定する湿度計と、前記ミスト発生ユニット及び前記排気ユニットの動作を制御する制御ユニットと、を備え、前記制御ユニットは、前記冷暖房ユニットによる冷房運転とは異なる急速冷房運転時に、前記排気ユニットの動作を停止させると共に前記ミスト発生ユニットを動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る第1制御と、前記第1制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させると共に前記排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御と、前記第2制御の後に前記ミスト発生ユニットの動作を停止させている状態を維持すると共に前記排気ユニットの動作を停止させて待機することで、一旦過加湿の状態に曝された前記湿度計を正常に動作させる第3制御と、を繰り返し行うことを特徴とする菌床栽培システムである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本発明によれば、栽培空間の中から外への空気の流れを発生させて排気することで栽培空間の中の二酸化炭素濃度を調整する排気ユニットを備えているので、吸気ファン等を用い、栽培空間の外から中への空気の流れを強制的に発生させて二酸化炭素濃度を調整する場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
また、本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、排気ユニットの動作を停止させると共にミスト発生ユニットを動作させてミストの気化熱による冷房効果を得る第1制御を行うので、冷暖房ユニットの能力とは無関係に栽培空間の中の温度を急速に低下させることができる。ひいては、高温になり易い昼間の時間帯や夏場等であっても、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
また、本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、第1制御の後にミスト発生ユニットの動作を停止させると共に排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御を行うので、第1制御を行う時に、冷房効果を高めるために大量のミストを発生させて栽培空間の中を過加湿の状態にした場合であっても、栽培空間の中の湿度を適切な状態に戻すことができる。ひいては、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
すなわち、本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、第1制御の後にミスト発生ユニットの動作を停止させると共に排気ユニットを動作させて排気による除湿効果を得る第2制御を行うので、第1制御を行う時に、冷房効果を高めるために大量のミストを発生させて栽培空間の中を過加湿の状態にすることができる。ひいては、高温になり易い昼間の時間帯や夏場等であっても、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
また、本発明によれば、制御ユニットが急速冷房運転時に、第2制御の後にミスト発生ユニットの動作を停止させている状態を維持すると共に排気ユニットの動作を停止させて待機することで、一旦過加湿の状態に曝された前記湿度計を正常に動作させる第3制御を行うので、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
(2)本発明はまた、前記排気ユニットの動作に起因する前記栽培空間の外と中の圧力差によって、前記栽培空間の外から中へ空気を導入する導気ユニットを備えていることを特徴とする上記(1)に記載の菌床栽培システムである。
本発明によれば、圧力差によって栽培空間の外から中へ空気を導入する導気ユニットを備えているので、吸気ファン等を用い、栽培空間の外から中への空気の流れを強制的に発生させて二酸化炭素濃度を調整する場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
)本発明はまた前記排気ユニットによって前記栽培空間の中から外へ排出される空気、及び前記導気ユニットによって前記栽培空間の外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う熱交換器備えていることを特徴とする上記(記載の菌床栽培システムである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明によれば、排気ユニットによって栽培空間の中から外へ排出される空気、及び導気ユニットによって栽培空間の外から中へ導入される空気の間で熱交換を行う熱交換器を備えているので、排気によって栽培空間の中から外へ逃げる熱の量を低減することができる。ひいては、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。
(4)本発明はまた、前記冷暖房ユニットは、輻射熱を発生させる熱媒体の流路を床下に有している床冷暖房ユニットであることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の菌床栽培システムである。
本発明によれば、冷暖房ユニットが、輻射熱を発生させる熱媒体の流路を床下に有している床冷暖房ユニットであり、下方から栽培空間の中全体に輻射熱が行き渡るので、冷暖房ユニットが栽培空間の中の他の場所に設置されている場合と比較して、栽培空間の中の環境の制御を安定して行うことができる。