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特開2022-60978遠隔制御解錠函、遠隔制御解錠システム及び当該遠隔制御解錠システムを利用した災害対策支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060978
(43)【公開日】2022-04-15
(54)【発明の名称】遠隔制御解錠函、遠隔制御解錠システム及び当該遠隔制御解錠システムを利用した災害対策支援システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20220408BHJP
   E05B 41/00 20060101ALI20220408BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220408BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
E05B19/00 E
E05B41/00 F
G08B25/10 A
H04Q9/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020176337
(22)【出願日】2020-10-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504147210
【氏名又は名称】ビット・パーク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野口 修
【テーマコード(参考)】
5C087
5K048
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD49
5C087EE06
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
5K048BA52
5K048DA02
5K048EB02
5K048EB13
5K048FB03
5K048FB05
5K048FB06
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】避難所や倉庫の鍵を収納する遠隔制御解錠函及び遠隔制御解錠システムを提供する。
【解決手段】遠隔制御解錠函7は、倉庫の鍵を収納する函で、函の施錠及び解錠をPC4A又は携帯端末10Aからの遠隔制御により解錠可能に構成されている。遠隔制御施解錠システム1Aは、遠隔制御解錠函と、管理センターに設置されて、遠隔制御解錠函の位置、施錠状況を記憶する遠隔制御施解錠システム用データベース3Aと、管理センターに設置されて、遠隔制御解錠函の施解錠を遠隔制御するプログラムを有し、PC又は携帯端末からネットワーク5を介して遠隔監視制御されて、遠隔制御解錠函の施解錠を実行する遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aと、遠隔制御解錠函の位置情報、電源及び通信経路正常性、函解錠状態、鍵収容状況、函開閉状態を監視し、遠隔制御施解錠システム用サーバに遠隔制御解錠函の位置情報を提供するGPS信号受信器13Aを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難所や倉庫の鍵を収納するための函であって、前記函の施錠及び解錠をPC又は携帯端末からの遠隔制御により解錠実行可能に構成され、かつ、その解錠、開扉、鍵取り出し、閉扉、施錠の各状況を管理センターに情報通知し、遠隔制御解錠函の状況をリアルタイムで確認できることを特徴とする;
遠隔制御解錠函。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔制御解錠函と管理センターに設置されて、前記遠隔制御解錠函のGPS位置情報、電源及び通信経路正常性、函解錠状態、鍵収容状況、函開閉状態を監視し、状況を記憶する遠隔制御施解錠システム用データベース。前記管理センターに設置されて、前記遠隔制御解錠函の施解錠を遠隔監視制御するためのプログラム、パーソナルコンピュータ又は携帯端末による遠隔制御解錠函の制御、監視の実現手段;
遠隔制御施解錠システム。
【請求項3】
複数設置された遠隔制御解錠函のGPS位置情報、電源及び通信経路正常性、函解錠状態、鍵収容状況、函開閉状態の集中監視手段。また、多くの遠隔制御解錠函の一括解錠手段とその確認方法。
【請求項4】
解錠実施にあたり、その起因履歴(誰が、いつ、どこから)の実現手段と蓄積した情報の閲覧手段。
【請求項5】
解錠動作等が発生した場合の市役所等への状態フィードバックと、特定関係者への避難所開設支援依頼などを実施するための即時情報伝達、展開方法。
【請求項5】
遠隔制御解錠函に近距離通信方式によるインターネットへの通信中継機能を設ける事による、遠隔制御解錠函設置場所での携帯端末等からの解錠動作、及びその動作記録を遠隔制御施解錠システム用データベースに蓄積するシステム。
【請求項6】
遠隔制御解錠函を近距離通信機能付きセンサー類の通信中継ポイントとして提供するシステム利用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠隔制御解錠函、遠隔制御解錠システム及び当該遠隔制御解錠システムを利用した災害対策支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワーク及び携帯端末の利用・普及が進んでおり、防災・防犯に係る緊急通報システムへの取り組みにも、これらの技術が導入されてきた。
そして、緊急時において、異常感知センサーで検出された異常感知信号を、通信ネットワークを介して即時に管理システム用サーバに送信されるようにするための簡易通報器及び簡易通報システムが発明者により提供された(特許文献1参照)。
また、救援活動等に必要な機器、資材を収納させる倉庫の鍵を遠隔制御にて施解錠する方法は従来から使用されてきた(特許文献2参照)。
さらに、地震の揺れを感知して自動的に解錠する、鍵収容箱も実用化されている。(特許文献3、4参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-021434
【特許文献2】特開2007-247346
【特許文献3】特開2018-044407
【特許文献4】特開2017-066841
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害発生時には救援活動に携わる者(自治体職員、施設管理者等)が、必要な救援器材を揃えて、災害で発生した危険が想定される状況下、現場に急行、救援活動を行う必要がある。或いは避難所を開設して避難者を受け入れる必要がある。これに対する利便を図るシステムとして、避難所の鍵や救援活動等に必要な機器、資材を収納する倉庫の鍵を地震検知にて解錠する既存製品が販売されている。
しかし、いざ緊急事態になった時に、建物の揺れのばらつき、機器故障などにより、地震感知機器が正常動作しないおそれがあった。
その場合、解錠動作したかどうかも市役所等から確認不可能のため、結局、人を介在した確認作業が発生、解錠しない場合は、最悪、収容箱を壊して、鍵を取り出す事も必要とされており、緊急事態時でのさらなる混乱発生が懸念されていた。また、地震以外の災害では、地震感知型の解錠手段では役に立たない。近年増加傾向が著しい風水害による対応も求められていた。
また、これら災害時初動にあっては、避難所が開設されたかどうかを市役所等で一括管理し、その状況に応じた措置を遅滞無く実施する必要があるが、この情報伝達方法は主に電話等の職員介在によるものであり、災害発生時の混乱下、防災担当部局での大きな負担となっていた。
さらに、平常時においても、避難所鍵を管理する市役所等の職員の負担により、地震等発生予測不可能な災害対応を担っている。鍵を預かっているが故の責任は、旅行、飲食等の制限、精神的な重圧は24時間、昼夜を問わない。
一方、避難所近隣の避難住民にあっても、災害発生時においては、速やかな避難所開設を要望する反面、避難所の鍵を預かる事については、前述の“負担”の大きさを忌避することにより、鍵を預かる住民は僅かである。
避難住民にとっては、鍵管理は行政サイドに任せながらも、素早い避難所開設の対応を求めるという状況が以前から存在していたものの、これといった対応策も無いままに、避難所開設マニュアルなどでは、人的な対応を求める内容だけが記載されている。
【0005】
本発明は、かかる事態を回避するだけでなく、避難所の解錠行動を契機として、住民との連携と、市役所等での災害初動統制機能を実現するためのものである。
例えば、避難所の鍵や救援に必要な機器、資材を蓄積・収納した災害備蓄倉庫の鍵を収納した遠隔制御解錠函を、ネットワークを介して遠隔施解錠するための遠隔制御システムを提供するものである。さらに、解錠動作、開扉動作、閉扉動作、施解錠動作を管理センタに通知、これら市内に複数設置された遠隔制御解錠函の動作状況をPC画面上で集約し全体状況を俯瞰することが可能となる。
すなわち、管理センターに遠隔制御施解錠を行うためのサーバを備え、PCや携帯端末からネットワークを介してサーバにアクセスし、同じくネットワークに接続された遠隔制御解錠函の解錠を遠隔制御で行い、遠隔制御解錠函に収納された避難所の鍵又は倉庫の鍵を取り出し、避難所や倉庫を施解錠するものであり、それらの状態情報を市役所職員、施設管理者、および近隣住民にメール、SNSなどの伝達手段により共有することにより、従来の電話等による情報伝達の遅延、錯誤等の改善を計事が可能となる。
本発明は、遠隔制御解錠函、遠隔制御施解錠システム及び当該遠隔制御施解錠システムを利用した災害救助システムを提供すること、及び、複数の遠隔制御解錠函を一括管理する事により、災害直後の避難所開設作業における混乱回避、早期の避難所開設及び、関係者への情報共有を目的とする。また、避難所以外の、遠隔地施設においても適用可能で、同様の利便性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る遠隔制御解錠函7は、例えば図1に示すように、倉庫の鍵を収納するための函であって、函の施解錠及び解錠をパーソナルコンピュータ(以下、PCという)又は携帯端末からの遠隔制御により実行可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る遠隔制御施解錠システム1Aは、例えば図2に示すように、
第1の態様に係る遠隔制御解錠函7と、管理センターに設置されて、遠隔制御解錠函7の位置、施解錠状況を記憶する遠隔制御施解錠システム用データベース3Aと、管理センターに設置されて、遠隔制御解錠函7の施解錠を遠隔制御するためのプログラムを有し、パーソナルコンピュータ又は携帯端末4Aからネットワーク5を介して遠隔監視制御されている遠隔制御解錠函7の施解錠を実行する遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aと、遠隔制御解錠函7のGPS位置情報を検知し、遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aに遠隔制御解錠函7のGPS位置情報を提供するGPS信号受信器13Aを備えることを特徴とする。
【0008】
遠隔制御解錠函は遠隔操作による解錠のみならず、近距離無線通信方式等の無線方式で解錠信号を受信することを特徴とする。ここにおいて、近距離通信方式には、Wifi、Bluetooth Lowpower Energy等が含まれる。このように構成すると、各種無線方式により、幅広い方法で遠隔制御解錠函を現場で開閉可能なシステムを構築できる。
【0009】
図3に示すように、遠隔制御解錠函7を設置した地図上の場所と、その状態がPC又は携帯端末4Aにて監視されている。この画面上から、遠隔制御解錠函7を解錠する事が可能なようにシステム化されている。さらに、操作者の指示により解錠動作に移行した場合は、その状況を画面上に反映させるとともに、誰が解錠動作を実施したか、時間、操作者IDなどを記憶して動作履歴を記憶する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、災害発生時に必要とされる自治体での避難所開設に伴う各種稼働を削減することが可能となり、また、電話等による人的な連絡ミスなども除去される。特に、避難所の鍵を預かる市役所担当者、自治会役員等にあっては、いざ災害となれば、真っ先に避難所に駆けつけて解錠する義務を負う。平常時であっても常に意識しておかねばならず、その精神的負担は多大なものである。災害発生時には、安全不明の避難所まで危険を冒して鍵を届ける必要がある。この様な危険行動や各種負担を解消するとともに、何かあれば直ぐに避難所が使えるとの地域住民への安心材料として活用できる。
さらに、避難所開設の初期段階の情報を記録、蓄積することは、災害初頭の混乱時においては、甚だ困難であったが、本発明による解錠指示、または、地震感知による自動解錠であってもそれぞれの解錠要因、解錠を誰がいつ実施したかなどについての記録がLog情報として遠隔制御施解錠システム用データベース3Aに蓄積される事により、災害事後、災害対応情報として活用、検証可能となる。自治体等においては、より効果的な人員配置や対応行動の改善を促す情報として利用が考えられる。
【0011】
遠隔制御解錠函の正常性確認は通信ネットワーク5を介して、管理システム用サーバ2から常時監視を行なっている。災害発生時に遅滞なく遠隔制御解錠函利用可能とするためのものであるが、商用電源の通電監視も行えるため、避難所における停電も検知し、市役所で一括にて確認することが可能となる。災害初動の混乱時においては、貴重な情報源として活用が期待できる。
【0012】
本発明により、これまで避難所開設をトリガーとした災害訓練に利用可能であり、地域自治会等との連携手段としても活用が期待できる。
【0013】
遠隔制御解錠函の解錠動作が発動した場合には、予め設定したメールアドレスやSNS経由で、解錠された旨の情報を送信することが可能である。この為、避難所の開設作業は複数の自治会等近隣住民の手によりスムーズな開設が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1に係る遠隔制御解錠函7の例を示す図である。
図2】実施例1に係る遠隔制御施解錠システム1Aの例を示す図である。
図3】実施例1に係る遠隔制御解錠函7の位置分布画像の例を示す図である。
図4】アラーム発生時等の表示例を示す図である。
図5】遠隔解錠時における動作フローを示す
図6】地震感知時における動作フローを示す
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例0016】
実施例1では、遠隔制御施解錠システム1Aの例について説明する。
図A1に、遠隔制御解錠函7の外観の例を示す。遠隔制御解錠函7は、遠隔操作により施錠・解錠を行う函をいう。例えば、災害発生時に避難所として指定されている公共施設、防災倉庫、学校の体育館など重要避難施設の鍵を収容する。災害発生時には遠隔操作で施錠・解錠できるので、各避難所の鍵を安全かつ即時に開けることが可能である。
また、解錠指示情報を受信した遠隔制御解錠函は、その旨をブザー鳴動と赤色ランプの点灯で周囲に知らせ、緊急事態であることを告げる事で避難所開設を促す。
図A1において、7は遠隔制御解錠函で、例えば約18cm×10cm×22cmの直方体である。中には避難所の扉の鍵7Aが収納されている。7Bは蓋部で右に蝶番があり、左側の留め金を外すと、蝶番の周りに回転して開けられる。遠隔操作により解錠されると、ランプ7Cが点灯し、ハンドル7Dの手前部分を上部付け根の周りに回転させながら持ち上げて手前に引くと蓋部7Bを開けられる。遠隔制御解錠函7から避難所の扉の鍵7Aを取り出すと、避難所の扉を解錠できる。
遠隔制御解錠函7は小型・軽量なので、簡単に設置できる。例えば、ボルト等で建物門柱に固定でき、あるいは避難所壁面に固定できる。各種避難所の入り口付近に設置し設置場所を関係者に予め知らせておき、部外者には目につきにくい場所とするのも良い。また、遠隔制御解錠函7には、電池が内蔵され、停電時には電池駆動により、例えば6時間以上の動作が可能である。
【0017】
図2に、遠隔制御施解錠システム1Aの例を示す。
遠隔制御解錠函7はUSBコネクタ等でGPS受信器13Aに接続され、GPS衛星6からの遠隔制御解錠函7の位置座標データ信号を受信できる。また、遠隔制御解錠函7は通信ネットワーク5を介して遠隔制御施解錠センターの遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aに接続され、インターネット通信サービス、例えばLTE網データ通信サービスを受けられる。遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aには遠隔制御施解錠システム用データベース3Aが接続され、遠隔制御施解錠システム用データベース3Aには、遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aにより管理される遠隔制御解錠函7のデータ(位置情報、施解錠解錠情報など)が蓄積されている。また、遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aには、通信ネットワーク5を介して地方自治体のパーソナルコンピュータ(PC)4Aや避難所に係る救助支援者・関係者の携帯端末(スマートフォン、タブレット等)10Aからアクセス可能であり、遠隔制御解錠函7の施錠解錠の情報閲覧・遠隔制御が可能になっている。また、実施例2に示すように、通信ネットワークを介して簡易通報システム1とも接続可能であり、この場合、災害救助システム1Bを構成できる。
【0018】
遠隔制御施解錠システム1Aは、次の特徴を有する。
(a)遠隔操作が可能:PC4A、携帯端末10Aから遠隔制御により遠隔制御解錠函7の施錠・解錠が可能である。また、複数の遠隔制御解錠函の設置場所、解錠状態、開扉状態、電源や通信機能の正常性確認などを一括に俯瞰することができる。
(b)専用回線不要:通信ネットワーク5を使用可能なので、専用回線を敷設する必要がなく、遠隔制御解錠函7の設置後すぐに利用可能である。
(c)簡単に設置可能:重量約4kgで運搬容易であり、どこでも簡単に設置可能である。
(d)定期管理機能:PC4A、携帯端末10Aから遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aに確認信号を送信することにより、遠隔制御解錠函7の正常状態を確認、又は異常状態を知見できる。
(e)一括解錠機能:管理センターのPC4Aから、避難に関連する全ての遠隔制御解錠函7の一括解錠が可能である。
(f)解錠確認機能:解錠信号を受信した遠隔制御解錠函7が解錠されたことを、遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aから解錠要求信号を発信したPC4A又は携帯端末10Aに送信することにより、解錠要求信号を発信した者(解錠要求者)が確認できる。解錠要求信号を発信する者は、例えば大規模災害では、地方自治体で選ばれた者、個別災害では管理センターで選ばれた者等である。
(g)雨雲レーダ連動:気象庁の雨雲レーダ情報を取得して、遠隔制御解錠函位置情報に重ねて表示可能である。
(h)所定の震度で自動解錠:遠隔制御解錠函7を所定の震度で遠隔制御解錠函7を自動的に解錠する。所定の震度は変更可能であり、例えば震度6とする。
(i)地震による自動解錠を実施した場合でも、遠隔操作による解錠動作と同様に、遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aに確認信号を送信することにより、PC4A、携帯端末10Aから遠隔制御解錠函7が解錠されたことを確認できる。
【0019】
図3に、PCや携帯端末のモニタに表示される位置分布画像の例を示す。富士山を含む領域の地図が表示され、符号1~3は遠隔制御解錠函7の位置を示す。施錠・解錠情報を表示することが可能である。
【0020】
図4にPCや携帯端末のモニタに表示される解錠動作通知や、異常アラーム通知の情報が表示される。表示項目は解錠通知、施錠通知、開扉通知、閉扉通知、地震感知通知、通信異常警報、商用電源異常警報、バッテリー容量警報である。
【0021】
図5に、遠隔制御施解錠システム1Aを利用した遠隔制御で、避難所の解錠方法の例を示す。避難所の使用中は避難所の扉の解錠者が扉の鍵を保管所持している。
まず、自治体等において、避難勧告又は避難指示が出された場合、管理センターの解錠請求者によりPC4A又は携帯端末10Aから遠隔制御施解錠システム用サーバ2Aを介して遠隔制御解錠函7に避難所の解錠要求信号が発信される(S101)。信号を受信した遠隔制御解錠函7は、解錠を実施する(S102)この時、遠隔制御解錠函7はブザーを鳴動、ランプを点灯させて緊急事態である旨を周囲に併せて通知する。次に、解錠を実施した旨を遠隔制御施解錠システム1Aに通知する(S103)。遠隔制御施解錠システム1Aは、遠隔制御解錠函7が解錠された事を、予めエントリしていた通知者(遠隔制御解錠函7毎に指定)に対し、電子メール、もしくはSNSを用いて通知する他、PC4A又は携帯端末10Aにおいて、地図上で当該遠隔制御解錠函7の設置位置を表示し、解錠動作が実施された旨を表示する(S104)。
通知を受けた、解錠担当者が遠隔制御解錠函7に到着(S106)。遠隔制御解錠函7を開扉する(S107)。遠隔制御解錠函7は、開扉操作が実施された旨を遠隔制御施解錠システム1Aに通知(S108)。遠隔制御施解錠システム1Aは、遠隔制御解錠函7が開扉された事を、予めエントリしていた通知者(遠隔制御解錠函7毎に指定)に対し、電子メール、もしくはSNSを用いて通知する他、PC4A又は携帯端末10Aにおいて、地図上で当該遠隔制御解錠函7の設置位置を表示し、解錠動作が実施された旨を表示する(S109)。解錠担当者は函の中から避難所の扉の鍵を取り出す(S110)。避難所の扉の鍵を解錠する(S111)。使用後、鍵を遠隔制御解錠函7に戻して、扉を閉めて、施錠(S112)。遠隔制御解錠函7は、閉扉操作が実施された旨を遠隔制御施解錠システム1Aに通知(S113)。遠隔制御施解錠システム1Aは、遠隔制御解錠函7が閉扉、施錠された事を、予めエントリしていた通知者(遠隔制御解錠函7毎に指定)に対し、電子メール、もしくはSNSを用いて通知する他、PC4A又は携帯端末10Aにおいて、地図上で当該遠隔制御解錠函7の設置位置を表示し、解錠動作が実施された旨を表示する(S114)。
もし、遠隔制御解錠函7が、解錠を実施(S102)された場合は、開扉されるまで、一定時間、解錠状態を保持する(S115)。指定時間経過後は、自動的に再び施錠を行う(S116)。次に、施錠を実施した旨を遠隔制御施解錠システム1Aに通知する(S117)。遠隔制御施解錠システム1Aは、遠隔制御解錠函7が解錠された事を、予めエントリしていた通知者(遠隔制御解錠函7毎に指定)に対し、電子メール、もしくはSNSを用いて通知する他、PC4A又は携帯端末10Aにおいて、地図上で当該遠隔制御解錠函7の設置位置を表示し、解錠動作が実施された旨を表示する(S104)。
【0022】
図6に、遠隔制御施解錠システム1Aを利用した地震振動検知による遠隔制御解錠函7自動解錠および、連動する遠隔制御方法の例を示す。地震発生時(S201)において、予め指定した地震震度が解錠水準以上である場合に(S202)、遠隔制御解錠函7は自動的に解錠を実施(S102)する。その後の、遠隔制御解錠函7解錠実施後の動作(S102)以降については、図A4のの解錠方法の例と同様の動作を行う。
【0023】
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、避難所開設を速やかに実施するにあたり、行政担当者の危険行動に依存していた、鍵持参のための駆けつけ、電話等に頼っていた避難所開設確認作業をネットワーク介したシステムで実現する事で、多くの便宜を提供することが可能となる。
【0025】
本発明は、避難所周辺の自治会関係者への鍵保管委託の煩瑣を省き、また、自治体関係者の鍵保管の負担を解消すると共に、解錠動作を避難所関係者に即時伝達することにより、行政と地域住民の防災意識の向上に寄与するものである。
【0026】
市内に多数の避難所が設置される場合、避難所全体の開設状況の確認や停電の有無について情報として集約するために、多大な手間と時間が必要となる。本発明では、遠隔制御解錠函の状態を監視する事により、市内全体の避難所開設状況が俯瞰、確認可能となる。
【0027】
避難所だけでなく、遠隔地にあって、鍵の授受に多大な労力や不便のある設備、例えば山上無線中継局、倉庫などの施設管理、離島などの施設管理にも多大な省力化可能性が見込まれる。
【0028】
災害発生時の混乱状態において、後日、対応状態を振り返ることは極めて困難である。本発明により、災害初動から避難所開設に至る避難所開設のシステム記録を蓄積することができるために、災害対応の改善や新たな工夫を実施しやすくなる情報として活用できる。
【0029】
本発明は、多数の避難所に設置された、遠隔制御解錠函を一括で解錠指示可能なため、緊急時における、速やかなシステム展開が可能となる。なお、個別指示での解錠も可能である。
【0030】
本発明は、避難所の施設管理者毎に管理する避難所を任意にカテゴライズすることで、管理下にある避難所の遠隔制御解錠函を管理可能となる。操作者にとっては、管理下の施設情報のみを扱うことができるため、誤操作や、権限外のミスを防止する事が可能となる。
【0031】
本発明は、遠隔制御解錠函の操作者を予め権限付与して管理するために、誰が、いつ操作したかについて記録を残す事が可能となる。このため、権限を有する者が誰であるか、不要な者が操作する事が無いかなどの管理、運用時のセキュリティ強化に寄与する事が可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1 簡易通報システム
1A 遠隔制御施解錠システム
1B 災害救助システム
2 管理システム用サーバ
2A 遠隔制御施解錠システム用サーバ
3 管理システム用データベース
3A 遠隔制御施解錠システム用データベース
4 管理システム用モニタ
4A 遠隔制御施解錠システム用端末
5 通信ネットワーク
6 GPS衛星
7 遠隔制御解錠函
7A 鍵
7B 蓋部
7C ランプ
7D ハンドル
10 簡易通報器
10A 携帯端末
10C 簡易通報器用パッケージ
11 外部ネットワーク通信部
12 インターフェイス部
13A GPS信号受信器
図1
図2
図3
図4
図5
図6