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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061060
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/00 20060101AFI20220411BHJP
   G09F 15/00 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
G09F7/00 E
G09F15/00 N
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168817
(22)【出願日】2020-10-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】591043189
【氏名又は名称】シンエイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100129229
【弁理士】
【氏名又は名称】村澤 彰
(72)【発明者】
【氏名】諸井 大樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄一郎
(57)【要約】
【課題】方形枠体の両面から表示物を視認できるとともに、コーナ部材とフレーム部材の接続部における外形に段差が発生するのを抑制できる。
【解決手段】4本のフレーム部材11を4つのコーナ部材13で連結して方形枠体14が形成される。方形枠体の開口部14aに、表示物16を挟んだ2枚の透明板17,17を挿入して、表示物を方形枠体の両面から視認可能に構成される。同形同大に形成された各コーナ部材のコーナ本体13aと一対の突起13bを有する。横断面形状が同形同大に形成された各フレーム部材は、側面受け部11aと、端面受け部11bと、突起挿入部11cと、軸部11gと、カバー部材11iと、付勢機構11jを有する。カバー部材が、透明板及び表示物を方形枠体の開口部に挿入可能な挿入位置と、開口部に透明板及び表示物を挿入した状態で透明板及び表示物を固定する固定位置とに回動可能に構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4本のフレーム部材を4つのコーナ部材で連結することにより方形枠体が形成され、前記方形枠体の開口部に、表示物を挟んだ2枚の透明板を挿入することにより前記表示物を方形枠体の両面から視認可能に構成された表示パネルであって、
前記4つのコーナ部材がそれぞれ同形同大に形成され、
各コーナ部材が、約4分の1円の扇状に形成され約90度の角度をなす一対の平面が形成されたコーナ本体と、このコーナ本体の前記一対の平面にそれぞれ突設された一対の突起とを有し、
前記4本のフレーム部材の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成され、
各フレーム部材が、前記透明板の外周側面を受ける側面受け部と、この側面受け部と一体的に設けられ前記透明板の外周端面を受ける端面受け部と、この端面受け部を内壁とする横断面略C型チャンネル状又は横断面略方形状に形成され前記コーナ部材の突起を挿入可能な突起挿入部と、前記突起挿入部のうち前記端面受け部を形成する内壁に対向する外壁に沿いかつ外方に突出して設けられた軸部と、この軸部に回動可能に嵌入される軸受け部が形成され前記透明板及び前記表示物の周囲を被覆可能なカバー部材と、前記カバー部材の先端を前記透明板及び前記表示部に押付ける付勢機構とを有し、
前記カバー部材が、前記透明板及び前記表示物を前記方形枠体の開口部に挿入可能な挿入位置と、前記開口部に前記透明板及び前記表示物を挿入した状態で前記透明板及び前記表示物を固定する固定位置とに回動可能に構成されたことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記コーナ部材の突起にねじ孔が形成され、前記フレーム部材の突起挿入部に前記突起が挿入された状態で前記フレーム部材に前記ねじ孔に対向して通孔が形成され、前記通孔に挿通されたビスを前記ねじ孔に螺合することにより、前記突起が前記突起挿入部に挿入された状態で固定される請求項1記載の表示パネル。
【請求項3】
前記表示物が、両面に印刷表示された単一のシートであるか、或いは片面に同一又は異なる印刷表示されかつ間に不透明板が介装された2枚のシートである請求項1記載の表示パネル。
【請求項4】
前記カバー部材が固定位置に位置した状態で外方に膨出して形成され、前記フレーム部材の側面受け部の端縁と前記突起挿入部の端面受け部を形成する内壁に対向する外壁とが外方に膨出する膨出部により連結され、前記カバー部材と前記膨出部とが前記透明板に対して略面対称になるように形成された請求項1記載の表示パネル。
【請求項5】
前記付勢機構が、前記カバー部材の先端縁に形成されたフックと、前記突起挿入部の前記軸部近傍に形成された凹溝と、前記フックと前記凹溝との間に湾曲した状態で設置された平板状の板ばねとを有し、前記板ばねは、前記カバー部材が前記固定位置から前記挿入位置に回転するとき、又は前記カバー部材が前記挿入位置から前記固定位置に回転するとき、前記板ばねの曲率半径が小さくなって再び大きくなるように設置され、前記カバー部材が前記挿入位置に位置するとき、前記カバー部材が前記挿入位置に前記板ばねにより一時的に固定され、前記カバー部材が前記固定位置に位置するとき、前記カバー部材の先端が前記板ばねにより前記透明板に押付けられるように構成された請求項1記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4本のフレーム部材を4つのコーナ部材で連結することにより形成された方形枠体の開口部に、表示物を挟んだ2枚の透明板を挿入することにより表示物を両面から視認できる表示パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、方形状の背面板と、この背面板の周囲4辺にそれぞれ取付けられた周辺部材と、一辺が背面板に対向するように他辺が周辺部材にそれぞれ枢支され他辺を回転中心として回転することにより一辺が背面板からそれぞれ離間可能に構成されたカバー部材と、背面板に重ねられる表示物の周囲にカバー部材の一辺が当接して表示物の周囲を背面板に押し付けるようにカバー部材をそれぞれ付勢するバネ部材とを備えた表示パネルが開示されている(例えば、特許文献1(請求項1、段落[0008]、段落[0014]、図1図5)参照。)。この表示パネルでは、背面板の上縁に位置する上部カバー部材に当接して上部カバー部材の一辺と背面板との間を表示物の厚さ以下にすることを防止するストッパが背面板の上縁に取付けられた上部周辺部材に設けられる。また、ストッパに当接した上部カバー部材の回転を禁止する禁止部材が背面板の上縁に取付けられた上部周辺部材に設けられる。更に、コーナ部材は、直交するフレーム部材の端部を覆うような円弧状に形成され、直交するフレーム部材に突出する一対の脚部が形成される。この脚部はフレーム部材における周辺部材に挿入されてねじ手段により取付けられ、それによりコーナ部材はフレーム部材に保持される。
【0003】
このように構成された表示パネルでは、背面板の上縁に位置する上部カバー部材に当接して上部カバー部材の一辺と背面板との間を表示物の厚さ以下にすることを防止するストッパとストッパに当接した上部カバー部材の回転を禁止する禁止部材とを背面板の上縁に取付けられた上部周辺部材に設けたので、上部カバー部材の一辺と背面板との間に表示物の上部を挿入し、背面板の下縁及びその側縁に取付けられた上部以外のその他のカバー部材により表示物の下縁及びその側縁を背面板に押付けることによりその表示物を表示させることができる。従って、表示物が比較的大きいために背面板の上縁に位置する上部カバー部材が比較的高所に位置したとしても、表示物の取外し又は新たな表示物の表示行為等に際して高所に位置する上部カバー部材を開閉させることを必要とせず、表示物の交換又は表示作業を従来より比較的容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4444733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に示された表示パネルでは、方形状の背面板の周囲4辺に周辺部材がそれぞれ取付けられているため、この表示パネルに取付けられた表示物は表示パネルの正面側から視認できるけれども、表示物が背面板により遮られて表示パネルの背面側から視認できない不具合があった。また、上記特許文献1に示された表示パネルでは、コーナ部材に突設された一対の脚部が板状に形成され、この板状の脚部がフレーム部材にねじ手段で取付けられるため、コーナ部材とフレーム部材の接続部における外形に段差が生じて見栄えを損なう問題点もあった。
【0006】
本発明の第1の目的は、方形枠体の両面から表示物を視認できるとともに、コーナ部材とフレーム部材の接続部における外形に段差が発生するのを抑制できる、表示パネルを提供することにある。本発明の第2の目的は、表示パネルのカバー部材側から両面分(2面分)の表示物を交換できる、表示パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、図1図2及び図5に示すように、4本のフレーム部材11,12を4つのコーナ部材13で連結することにより方形枠体14が形成され、この方形枠体14の開口部14aに、表示物16を挟んだ2枚の透明板17,17を挿入することにより、表示物16を方形枠体14の両面から視認可能に構成された表示パネル10であって、4つのコーナ部材13がそれぞれ同形同大に形成され、各コーナ部材13が、約4分の1円の扇状に形成され約90度の角度をなす一対の平面が形成されたコーナ本体13aと、このコーナ本体13aの一対の平面にそれぞれ突設された一対の突起13b,13bとを有し、4本のフレーム部材11,12の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成され、各フレーム部材11,12が、透明板17の外周側面を受ける側面受け部11a,12aと、この側面受け部11a,12aと一体的に設けられ透明板17の外周端面を受ける端面受け部11b,12bと、この端面受け部11b,12bを内壁とする横断面略C型チャンネル状又は横断面略方形状に形成されコーナ部材13の突起13bを挿入可能な突起挿入部11c,12cと、この突起挿入部11c,12cのうち端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fに沿いかつ外方に突出して設けられた軸部11g,12gと、この軸部11g,12gに回動可能に嵌入される軸受け部11h,12hが形成され透明板17及び表示物16の周囲を被覆可能なカバー部材11i,12iと、このカバー部材11i,12iの先端を透明板17及び表示部16に押付ける付勢機構11j,12jとを有し、カバー部材11i,12iが、透明板17及び表示物16を方形枠体14の開口部14aに挿入可能な挿入位置と、開口部14aに透明板17及び表示物16を挿入した状態で透明板17及び表示物16を固定する固定位置とに回動可能に構成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図3及び図4に示すように、コーナ部材13の突起13bにねじ孔13eが形成され、フレーム部材11,12の突起挿入部11c,12cに突起13bが挿入された状態でフレーム部材11,12にねじ孔13eに対向して通孔11nが形成され、通孔11nに挿通されたビス18をねじ孔13eに螺合することにより、突起13bが突起挿入部11c,12cに挿入された状態で固定されることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、表示物16が、両面に印刷表示された単一のシートであるか、或いは片面に同一又は異なる印刷表示されかつ間に不透明板が介装された2枚のシートであることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1及び図2に示すように、カバー部材11i,12iは固定位置に位置した状態で外方に膨出して形成され、フレーム部材11,12の側面受け部11a,12aの端縁と突起挿入部11c,12cのうち内壁11e,12eを形成する端面受け部11b,12bに対向する外壁とが外方に膨出する膨出部11p,12pにより連結され、カバー部材11i,12iと膨出部11p,12pとが透明板17に対して略面対称になるように形成されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1図2及び図5(b)に示すように、付勢機構11j,12jが、カバー部材11i,12iの先端縁に形成されたフック11q,12qと、突起挿入部11c,12cの軸部11g,12g近傍に形成された凹溝11r,12rと、フック11q,12qと凹溝11r,12rとの間に湾曲した状態で設置された平板状の板ばね11s,12sとを有し、板ばね11s,12sは、カバー部材11i,12iが固定位置から挿入位置に回転するとき、又はカバー部材11i,12iが挿入位置から固定位置に回転するとき、板ばね11s,12sの曲率半径が小さくなって再び大きくなるように設置され、カバー部材11i,12iが挿入位置に位置するとき、カバー部材11i,12iが挿入位置に板ばね11s,12sにより一時的に固定され、カバー部材11i,12iが固定位置に位置するとき、カバー部材11i,12iの先端が板ばね11s,12sにより透明板17に押付けられるように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の観点の表示パネルでは、4本のフレーム部材を4つのコーナ部材で連結することにより方形枠体を形成し、この方形枠体の開口部に、表示物を挟んだ2枚の透明板を挿入したので、表示物を方形枠体の両面から視認できる。この結果、表示パネルに表示する情報量を従来の表示パネルと比較して倍増できるか、或いは同一の情報を多くの人が視認できる。また、コーナ部材の突起をフレーム部材の突起挿入部に挿入することにより、コーナ部材とフレーム部材の接続部における外形を合せ易くなる。この結果、コーナ部材とフレーム部材の接続部における外形に段差が発生するのを抑制できるので、従来の表示パネルと比較して見栄えを向上できる。更に、カバー部材を固定位置から挿入位置に回転させることにより、表示パネルのカバー部材側から両面分(2面分)の表示物を交換できる。これにより、例えば、表示パネルを店舗のショーウィンドウに起立させて、店舗の内外から表示内容を視認できるように設置したときに、ショーウィンドウのガラスと表示パネルとの間の狭い空間に入ることなく、店舗内側から表示物を容易に交換できる。
【0013】
本発明の第2の観点の表示パネルでは、フレーム部材の通孔に挿通されたビスを、コーナ部材の突起に形成されたねじ孔に螺合することにより、突起が突起挿入部に挿入された状態でビスで固定される。この結果、フレーム部材とコーナ部材が分離するのを確実に防止できる。また、通孔をフレーム部材の突起挿入部のうちカバー部材で開閉される面に形成したので、カバー部材を挿入位置に位置させると、ビスを工具でねじ孔に螺合することができ、カバー部材を固定位置に位置させると、ビスの頭部がカバー部材で覆われて見えなくなり、見栄えを向上できる。
【0014】
本発明の第3の観点の表示パネルでは、表示物が、両面に印刷表示された単一のシートである場合、1枚のシートを交換するだけで、両面に表示される情報を変更できる。また、片面に同一又は異なる印刷表示されかつ間に不透明板が介装された2枚のシートである場合、2枚のシートのうちいずれか一方のシートを交換すれば、一方の面に表示される情報のみを変更でき、双方のシートを交換すれば、双方の面に表示される情報を変更できる。
【0015】
本発明の第4の観点の表示パネルでは、カバー部材と膨出部とを透明板に対して略面対称になるように形成したので、双方の面におけるフレーム部材の形状が略同一になり、方形枠体の両面の意匠性を向上できる。
【0016】
本発明の第5の観点の表示パネルでは、カバー部材が固定位置から挿入位置に回転するとき、板ばねの曲率半径が小さくなって再び大きくなるけれども、カバー部材が挿入位置に位置した状態で、板ばねが未だ湾曲した状態に保たれているので、カバー部材が挿入位置に板ばねにより一時的に固定される。この結果、表示物の交換を容易に行うことができる。また、カバー部材が挿入位置から固定位置に回転するとき、板ばねの曲率半径が小さくなって再び大きくなるけれども、カバー部材が固定位置に位置した状態で、板ばねが未だ湾曲した状態に保たれているので、カバー部材の先端が板ばねにより透明板に押付けられる。この結果、表示パネルに多少の外力が加わっても、表示物や透明板が意図せずに方形枠体から脱落することはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明第1実施形態の表示パネルを示す図5(a)のA-A線断面図であり、(b)は図5(b)のB-B線断面図である。
図2図5(a)のC-C線断面図である。
図3図5(a)のD部拡大断面図である。
図4図5(a)のE-E線断面図である。
図5】(a)はカバー部材を挿入位置に位置させた状態を示す表示パネルの正面図であり、(b)はカバー部材を固定位置に位置させた状態を示す表示パネルの正面図である。
図6】(a)はカバー部材を挿入位置に位置させた状態を示す表示パネルの側面図であり、(b)はカバー部材を固定位置に位置させた状態を示す表示パネルの側面図である。
図7】(a)は本発明第2実施形態の表示パネルを示す図1(a)に対応する断面図であり、(b)は図1(b)に対応する断面図である。
図8】その表示パネルの図2に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1図2及び図5に示すように、表示パネル10は、4本のフレーム部材11,12を4つのコーナ部材13で連結することにより方形枠体14が形成される。この方形枠体14の開口部14aに、表示物16を挟んだ2枚の透明板17,17を挿入することにより、表示物16を方形枠体14の両面から視認可能に構成される。4つのコーナ部材13はそれぞれ同形同大に形成される(図5及び図6)。各コーナ部材13は、約4分の1円の扇状に形成され約90度の角度をなす一対の平面が形成されたコーナ本体13aと、このコーナ本体13aの一対の平面にそれぞれ突設された一対の突起13b,13bとを有する(図3)。コーナ本体13aの外形は、玩具のヨーヨーをその中心軸を含む直交2平面で4分割したものの1つの形状に近似する(図5及び図6)。また、一対の突起13b,13bは、略長方形の棒状に形成された突起本体13cと、この突起本体13cの下面にその長手方向に延びて突設され突起本体13cより幅の狭い突条部13dとからなる(図3及び図4)。更に、突起本体13cの側面にはねじ孔13eが貫通して形成される。なお、コーナ部材13は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、ベリリウム合金等の軽金属を主体とした合金の射出成形により形成されるか、或いはABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ASA(Acrylate Sthrene Acrylonitrile)樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチックの射出成形後に無電解めっきを施して形成されることが好ましい。
【0020】
一方、4本のフレーム部材11,12の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成される(図1及び図2)。また、この実施の形態では、4本のフレーム部材11,12のうち互いに平行に横に配置される2本のフレーム部材11,11は、互いに平行に縦に配置される2本のフレーム部材12,12より短く形成される(図5)。また、各フレーム部材11,12は、透明板17の外周側面を受ける側面受け部11a,12aと、この側面受け部11a,12aと一体的に設けられ透明板17の外周端面を受ける端面受け部11b,12bと、この端面受け部11b,12bを内壁11e,12eとする横断面略C型チャンネル状に形成されコーナ部材13の突起13bを挿入可能な突起挿入部11c,12cと、この突起挿入部11c,12cのうち端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fに沿いかつ外方に突出して設けられた軸部11g,12gと、この軸部11g,12gに回動可能に嵌入される軸受け部11h,12hが形成され透明板17及び表示物16の周囲を被覆可能なカバー部材11i,12iと、このカバー部材11i,12iの先端を透明板17及び表示部16に押付ける付勢機構11j,12jとを有する(図1及び図2)。
【0021】
上記側面受け部11a,12aと端面受け部11b,12bとは直交して設けられる(図1及び図2)。また、突起挿入部11c,12cの横断面形状は、コーナ部材13の突起13bの突起本体13c及び突条部13dの横断面形状に相応する形状に形成される。これにより、突起本体13c及び突条部13dが突起挿入部11c,12cにガタツキなく挿入できるようになっている(図3及び図4)。また、突起挿入部11cを形成する一対の側壁11k,11mのうちカバー部材11iに対向する一方の側壁11kには、突起挿入部11cに突起13bが挿入された状態でねじ孔13eに対向してビス18を挿通可能な通孔11nが形成される(図4)。突起挿入部11e,12eのうち端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fには、表示パネル10を吊下げるつり下げ金具又は表示パネルを支持する脚部品を挿入可能なスリット11d,12dが形成される(図1及び図2)。軸部11g,12gは、この実施の形態では、外壁11f,12fと一方の側壁11k,12kとの接続部に沿いかつ外方に突出して設けられる。更に、軸部11g,12gに回動可能に嵌入される軸受け部11h,12hはカバー部材11i,12iの基端縁に沿って設けられる。そして、軸受け部11h,12hを軸部11g,12gに嵌入した状態で、カバー部材11i,12iは、透明板17及び表示物16を方形枠体14の開口部14aに挿入可能な挿入位置と、開口部14aに透明板17及び表示物16を挿入した状態で透明板17及び表示物16を固定する固定位置とに回動可能に構成される。なお、カバー部材11i,12iは、軸受け部11h,12hの端縁が軸部11g,12gの頚部に当接することにより、その先端が挿入位置より更に透明板17及び表示物16から離れる方向に回転しないようになっている(図1(a)及び図2)。
【0022】
カバー部材11i,12iは透明板17及び表示物16の周囲を被覆した状態で外方に膨出して形成される(図1及び図2)。また、フレーム部材11,12の側面受け部11a,12aの端縁と、端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fとが外方に膨出する膨出部11p,12pにより連結される。具体的には、側面受け部11a,12aの端縁と、外壁11f,12fのうちスリット11d,12dの他方の側縁とが外方に膨出する膨出部11p,12pにより連結される。そして、カバー部材11i,12iと膨出部11p,12pとが透明板17に対して略面対称になるように形成される。これにより、双方の面における方形枠体14の形状が略同一になり、方形枠体14の両面の意匠性を向上できる。なお、フレーム部材11,12は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、ベリリウム合金等の軽金属を主体とした合金の押出し成形により形成されるか、或いは塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PET(PolyEthylene Terephthalate)樹脂等のプラスチックの押出し成形後に無電解めっきを施して形成されることが好ましい。フレーム部材11,12をアルミニウム合金の押出し成形により形成した場合、押出し成形した後に、陽極酸化処理(アルマイト処理)を施すことが望ましい。また、表示物16は、この実施の形態では、両面に印刷表示されかつ裏側の印刷表示が表側から透けて見えない単一のシートである。更に、透明板17としては、透明なアクリル板、塩化ビニル板、ポリカーボネート板を挙げることができる。
【0023】
付勢機構11j,12jは、カバー部材11i,12iの先端縁に形成されたフック11q,12qと、突起挿入部11c,12cの軸部11g,12g近傍に形成された凹溝11r,12rと、フック11q,12qと凹溝11r,12rとの間に湾曲した状態で設置された平板状の板ばね11s,12sとを有する(図1及び図2)。板ばね11s,12sは、4本のフレーム部材11,12の長手方向の略中央に配設される(図5)。また、板ばね11s,12sは、カバー部材11i,12iが固定位置から挿入位置に回転するとき、又はカバー部材11i,12iが挿入位置から固定位置に回転するとき、板ばね11s,12sの曲率半径が小さくなって再び大きくなるように設置される(図1及び図2)。但し、カバー部材11i,12iが挿入位置又は固定位置に位置するとき、板ばね11s,12sは未だ湾曲した状態に保たれる。このため、カバー部材11i,12iが挿入位置に位置するとき、カバー部材11i,12iがこの位置で板ばね11s,12sにより一時的に固定され、カバー部材11i,12iが固定位置に位置するとき、カバー部材11i,12iの先端が板ばね11s,12sにより透明板17に押付けられるように構成される。
【0024】
このように構成された表示パネル10の組立方法を説明する。先ず、フレーム部材11,12の突起挿入部11c,12cのうち端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fに沿いかつ外方に突出して設けられた軸部11g,12gにカバー部材11i,12iの軸受け部11h,12hを嵌入した後に、平板状の板ばね11s,12sの両端をカバー部材11i,12iのフック11q,12qと軸部11g,12g近傍の凹溝11r,12rにそれぞれ係止する。そして、カバー部材11i,12iを挿入位置に一時的に固定する。このとき、板ばね11s,12sが未だ湾曲した状態に保たれているので、カバー部材11i,12iが挿入位置に板ばね11s,12sにより一時的に固定される。次いで、フレーム部材11,12の突起挿入部11c,12cにコーナ部材13の突起13bを挿入して方形枠体14を組立てる(図5及び図6)。このとき、コーナ部材13とフレーム部材11,12の接続部における外形を合せ易くなるので、コーナ部材13とフレーム部材11,12の接続部における外形に段差が発生するのを抑制でき、従来の表示パネルと比較して見栄えを向上できる。次に、ビス18をフレーム部材11,12の一方の側壁11k,12kに形成された通孔11nに挿通した後に、コーナ部材13の突起13bに形成されたねじ孔13eに螺合する(図3及び図4)。このとき、カバー部材11i,12iが挿入位置に一時的に固定され、通孔11nが露出しているので、工具(ドライバ)を用いて容易にビス18を通孔11nに挿通してねじ孔13eに螺合できる(図4)。また、突起13bが突起挿入部11c,12cに挿入された状態でビス18で固定されるので、フレーム部材11,12とコーナ部材13が分離するのを確実に防止できる。
【0025】
更に、両面に印刷表示された単一の表示物16を2枚の透明板17,17で挟んだ状態で、方形枠体14の開口部14aに挿入した後に、カバー部材11i,12iを図1(a)及び図2の実線でそれぞれ示す挿入位置から図1(b)の実線及び図2の二点鎖線でそれぞれ示す固定位置に回転させる。このとき、板ばね11s,12sが未だ湾曲した状態に保たれているので、カバー部材11i,12iの先端が板ばね11s,12sにより透明板17に押付けられる。この結果、表示パネル16に多少の外力が加わっても、表示物16や透明板17が意図せずに方形枠体14から脱落することはない。また、表示物16を方形枠体14の両面から視認できるので、表示パネル10に表示する情報量を従来の表示パネルと比較して倍増できるか、或いは同一の情報を多くの人が視認できる。更に、カバー部材11i,12iを固定位置に位置させることにより、ビス18の頭部がカバー部材11i,12iで覆われて見えなくなるので、見栄えを向上できる(図5)。
【0026】
一方、表示物16を交換するときは、先ず、カバー部材11i,12iを図1(b)の実線及び図2の二点鎖線でそれぞれ示す固定位置から図1(a)及び図2の実線でそれぞれ示す挿入位置に回転させた後に、表示物16を挟んだ2枚の透明板17,17を方形枠体14の開口部14aから取出す。次に、別の表示物16を2枚の透明板17,17で挟んだ状態で、方形枠体14の開口部14aに挿入した後に、カバー部材11i,12iを図1(a)及び図2の実線でそれぞれ示す挿入位置から図1(b)の実線及び図2の二点鎖線でそれぞれ示す固定位置に回転させる。この結果、表示パネル10のカバー部材11i,12i側から両面分(2面分)の表示物16を交換できる。これにより、例えば、表示パネル10を店舗のショーウィンドウに起立させて、店舗の内外から表示内容を視認できるように設置したときに、ショーウィンドウのガラスと表示パネル10との間の狭い空間に入ることなく、店舗内側から表示物16を容易に交換できる。また、表示物16が、両面に印刷表示された単一のシートであるので、1枚のシートを交換するだけで、両面に表示される情報を変更できる。
【0027】
<第2の実施の形態>
図7及び図8は本発明の第2の実施の形態を示す。図7及び図8において図1及び図2と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、表示物35,36が、片面に同一又は異なる印刷表示されかつ間に不透明板37が介装された2枚のシートである。この不透明板37が介装された2枚のシート35,36を用いる構成は、1枚のシートの両面に印刷表示すると、裏側の印刷表示が表側から透けて見えてしまう場合に有効である。また、不透明板37としては、不透明なアルミ複合板、木質ボード(MDF(Medium Density Fiberboard)又はハードボード)、アルミ板等を挙げることができる。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0028】
このように構成された表示パネル30では、2枚のシート35,36のうちいずれか一方のシート35を交換すれば、一方の面に表示される情報のみを変更でき、双方のシート35,36を交換すれば、双方の面に表示される情報を変更できる。上記以外の表示パネルの組立方法及び使用方法は、第1の実施の形態の表示パネルの組立方法及び使用方法と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
【0029】
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、4本のフレームのうち互いに平行に横に配置される2本のフレームを、互いに平行に縦に配置される2本のフレームより短く形成したが、互いに平行に横に配置される2本のフレームを、互いに平行に縦に配置される2本のフレームより長く形成してもよく、4本のフレームを全て同一の長さに形成してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、突起挿入部を横断面略C型チャンネル状に形成したが、突起挿入部を横断面略方形状に形成してもよい。更に、上記第1及び第2の実施の形態では、板ばねを各フレーム部材の長手方向の略中央に配設したが、板ばねを各フレーム部材の長手方向に間隔をあけて2箇所又は3箇所に配置してもよい。
【符号の説明】
【0030】
10,30 表示パネル
11,12 フレーム部材
11a,12a 側面受け部
11b,12b 端面受け部
11c,12c 突起挿入部
11e,12e 内壁
11f,12f 外壁
11g,12g 軸部
11h,12h 軸受け部
11i,12i カバー部材
11j,12j 付勢機構
11n,12n 通孔
11p,12p 膨出部
11q,12q フック
11r,12r 凹溝
11s,12s 板ばね
13 コーナ部材
13a コーナ本体
13b 突起
13e ねじ孔
14 方形枠体
14a 開口部
16,35,36 表示物
17 透明板
18 ビス
37 不透明板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4本のフレーム部材を4つのコーナ部材で連結することにより方形枠体が形成され、前記方形枠体の開口部に、表示物を挟んだ2枚の透明板を挿入することにより前記表示物を方形枠体の両面から視認可能に構成された表示パネルであって、
前記4つのコーナ部材がそれぞれ同形同大に形成され、
各コーナ部材が、約4分の1円の扇状に形成され約90度の角度をなす一対の平面が形成されたコーナ本体と、このコーナ本体の前記一対の平面にそれぞれ突設された一対の突起とを有し、
前記4本のフレーム部材の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成され、
各フレーム部材が、前記透明板の外周側面を受ける側面受け部と、この側面受け部と一体的に設けられ前記透明板の外周端面を受ける端面受け部と、この端面受け部を内壁とする横断面略C型チャンネル状又は横断面略方形状に形成され前記コーナ部材の突起を挿入可能な突起挿入部と、前記突起挿入部のうち前記端面受け部を形成する内壁に対向する外壁に沿いかつ外方に突出して設けられた軸部と、この軸部に回動可能に嵌入される軸受け部が形成され前記透明板及び前記表示物の周囲を被覆可能なカバー部材と、前記カバー部材の先端を前記透明板及び前記表示部に押付ける付勢機構とを有し、
前記カバー部材が、前記透明板及び前記表示物を前記方形枠体の開口部に挿入可能な挿入位置と、前記開口部に前記透明板及び前記表示物を挿入した状態で前記透明板及び前記表示物を固定する固定位置とに回動可能に構成され、
前記カバー部材が固定位置に位置した状態で外方に膨出して形成され、前記フレーム部材の側面受け部の端縁と前記突起挿入部の端面受け部を形成する内壁に対向する外壁とが外方に膨出する膨出部により連結され、前記カバー部材と前記膨出部とが前記透明板に対して略面対称になるように形成されたことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記コーナ部材の突起にねじ孔が形成され、前記フレーム部材の突起挿入部に前記突起が挿入された状態で前記フレーム部材に前記ねじ孔に対向して通孔が形成され、前記通孔に挿通されたビスを前記ねじ孔に螺合することにより、前記突起が前記突起挿入部に挿入された状態で固定される請求項1記載の表示パネル。
【請求項3】
前記表示物が、両面に印刷表示された単一のシートであるか、或いは片面に同一又は異なる印刷表示されかつ間に不透明板が介装された2枚のシートである請求項1記載の表示パネル。
【請求項4】
前記付勢機構が、前記カバー部材の先端縁に形成されたフックと、前記突起挿入部の前記軸部近傍に形成された凹溝と、前記フックと前記凹溝との間に湾曲した状態で設置された平板状の板ばねとを有し、前記板ばねは、前記カバー部材が前記固定位置から前記挿入位置に回転するとき、又は前記カバー部材が前記挿入位置から前記固定位置に回転するとき、前記板ばねの曲率半径が小さくなって再び大きくなるように設置され、前記カバー部材が前記挿入位置に位置するとき、前記カバー部材が前記挿入位置に前記板ばねにより一時的に固定され、前記カバー部材が前記固定位置に位置するとき、前記カバー部材の先端が前記板ばねにより前記透明板に押付けられるように構成された請求項1記載の表示パネル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第1の観点は、図1図2及び図5に示すように、4本のフレーム部材11,12を4つのコーナ部材13で連結することにより方形枠体14が形成され、この方形枠体14の開口部14aに、表示物16を挟んだ2枚の透明板17,17を挿入することにより、表示物16を方形枠体14の両面から視認可能に構成された表示パネル10であって、4つのコーナ部材13がそれぞれ同形同大に形成され、各コーナ部材13が、約4分の1円の扇状に形成され約90度の角度をなす一対の平面が形成されたコーナ本体13aと、このコーナ本体13aの一対の平面にそれぞれ突設された一対の突起13b,13bとを有し、4本のフレーム部材11,12の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成され、各フレーム部材11,12が、透明板17の外周側面を受ける側面受け部11a,12aと、この側面受け部11a,12aと一体的に設けられ透明板17の外周端面を受ける端面受け部11b,12bと、この端面受け部11b,12bを内壁とする横断面略C型チャンネル状又は横断面略方形状に形成されコーナ部材13の突起13bを挿入可能な突起挿入部11c,12cと、この突起挿入部11c,12cのうち端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fに沿いかつ外方に突出して設けられた軸部11g,12gと、この軸部11g,12gに回動可能に嵌入される軸受け部11h,12hが形成され透明板17及び表示物16の周囲を被覆可能なカバー部材11i,12iと、このカバー部材11i,12iの先端を透明板17及び表示部16に押付ける付勢機構11j,12jとを有し、カバー部材11i,12iが、透明板17及び表示物16を方形枠体14の開口部14aに挿入可能な挿入位置と、開口部14aに透明板17及び表示物16を挿入した状態で透明板17及び表示物16を固定する固定位置とに回動可能に構成され、カバー部材11i,12iは固定位置に位置した状態で外方に膨出して形成され、フレーム部材11,12の側面受け部11a,12aの端縁と突起挿入部11c,12cのうち内壁11e,12eを形成する端面受け部11b,12bに対向する外壁とが外方に膨出する膨出部11p,12pにより連結され、カバー部材11i,12iと膨出部11p,12pとが透明板17に対して略面対称になるように形成されたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の第の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1図2及び図5(b)に示すように、付勢機構11j,12jが、カバー部材11i,12iの先端縁に形成されたフック11q,12qと、突起挿入部11c,12cの軸部11g,12g近傍に形成された凹溝11r,12rと、フック11q,12qと凹溝11r,12rとの間に湾曲した状態で設置された平板状の板ばね11s,12sとを有し、板ばね11s,12sは、カバー部材11i,12iが固定位置から挿入位置に回転するとき、又はカバー部材11i,12iが挿入位置から固定位置に回転するとき、板ばね11s,12sの曲率半径が小さくなって再び大きくなるように設置され、カバー部材11i,12iが挿入位置に位置するとき、カバー部材11i,12iが挿入位置に板ばね11s,12sにより一時的に固定され、カバー部材11i,12iが固定位置に位置するとき、カバー部材11i,12iの先端が板ばね11s,12sにより透明板17に押付けられるように構成されたことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の第1の観点の表示パネルでは、4本のフレーム部材を4つのコーナ部材で連結することにより方形枠体を形成し、この方形枠体の開口部に、表示物を挟んだ2枚の透明板を挿入したので、表示物を方形枠体の両面から視認できる。この結果、表示パネルに表示する情報量を従来の表示パネルと比較して倍増できるか、或いは同一の情報を多くの人が視認できる。また、コーナ部材の突起をフレーム部材の突起挿入部に挿入することにより、コーナ部材とフレーム部材の接続部における外形を合せ易くなる。この結果、コーナ部材とフレーム部材の接続部における外形に段差が発生するのを抑制できるので、従来の表示パネルと比較して見栄えを向上できる。更に、カバー部材を固定位置から挿入位置に回転させることにより、表示パネルのカバー部材側から両面分(2面分)の表示物を交換できる。これにより、例えば、表示パネルを店舗のショーウィンドウに起立させて、店舗の内外から表示内容を視認できるように設置したときに、ショーウィンドウのガラスと表示パネルとの間の狭い空間に入ることなく、店舗内側から表示物を容易に交換できる。
また、本発明の第1の観点の表示パネルでは、カバー部材と膨出部とを透明板に対して略面対称になるように形成したので、双方の面におけるフレーム部材の形状が略同一になり、方形枠体の両面の意匠性を向上できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の第の観点の表示パネルでは、カバー部材が固定位置から挿入位置に回転するとき、板ばねの曲率半径が小さくなって再び大きくなるけれども、カバー部材が挿入位置に位置した状態で、板ばねが未だ湾曲した状態に保たれているので、カバー部材が挿入位置に板ばねにより一時的に固定される。この結果、表示物の交換を容易に行うことができる。また、カバー部材が挿入位置から固定位置に回転するとき、板ばねの曲率半径が小さくなって再び大きくなるけれども、カバー部材が固定位置に位置した状態で、板ばねが未だ湾曲した状態に保たれているので、カバー部材の先端が板ばねにより透明板に押付けられる。この結果、表示パネルに多少の外力が加わっても、表示物や透明板が意図せずに方形枠体から脱落することはない。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
4本のフレーム部材を4つのコーナ部材で連結することにより方形枠体が形成され、前記方形枠体の開口部に、表示物を挟んだ2枚の透明板を挿入することにより前記表示物を方形枠体の両面から視認可能に構成された表示パネルであって、
前記4つのコーナ部材がそれぞれ同形同大に形成され、
各コーナ部材が、約4分の1円の扇状に形成され約90度の角度をなす一対の平面が形成されたコーナ本体と、このコーナ本体の前記一対の平面にそれぞれ突設された一対の突起とを有し、
前記4本のフレーム部材の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成され、
各フレーム部材が、前記透明板の外周側面を受ける側面受け部と、この側面受け部と一体的に設けられ前記透明板の外周端面を受ける端面受け部と、この端面受け部を内壁とする横断面略C型チャンネル状又は横断面略方形状に形成され前記コーナ部材の突起を挿入可能な突起挿入部と、前記突起挿入部のうち前記端面受け部を形成する内壁に対向する外壁に沿いかつ外方に突出して設けられた軸部と、この軸部に回動可能に嵌入される軸受け部が形成され前記透明板及び前記表示物の周囲を被覆可能なカバー部材と、前記カバー部材の先端を前記透明板及び前記表示物に押付ける付勢機構とを有し、
前記カバー部材が、前記透明板及び前記表示物を前記方形枠体の開口部に挿入可能な挿入位置と、前記開口部に前記透明板及び前記表示物を挿入した状態で前記透明板及び前記表示物を固定する固定位置とに回動可能に構成され、
前記カバー部材が固定位置に位置した状態で外方に膨出して形成され、前記フレーム部材の側面受け部の端縁と前記突起挿入部の端面受け部を形成する内壁に対向する外壁とが外方に膨出する膨出部により連結され、前記カバー部材と前記膨出部とが前記透明板に対して略面対称になるように形成されたことを特徴とする表示パネル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第1の観点は、図1図2及び図5に示すように、4本のフレーム部材11,12を4つのコーナ部材13で連結することにより方形枠体14が形成され、この方形枠体14の開口部14aに、表示物16を挟んだ2枚の透明板17,17を挿入することにより、表示物16を方形枠体14の両面から視認可能に構成された表示パネル10であって、4つのコーナ部材13がそれぞれ同形同大に形成され、各コーナ部材13が、約4分の1円の扇状に形成され約90度の角度をなす一対の平面が形成されたコーナ本体13aと、このコーナ本体13aの一対の平面にそれぞれ突設された一対の突起13b,13bとを有し、4本のフレーム部材11,12の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成され、各フレーム部材11,12が、透明板17の外周側面を受ける側面受け部11a,12aと、この側面受け部11a,12aと一体的に設けられ透明板17の外周端面を受ける端面受け部11b,12bと、この端面受け部11b,12bを内壁とする横断面略C型チャンネル状又は横断面略方形状に形成されコーナ部材13の突起13bを挿入可能な突起挿入部11c,12cと、この突起挿入部11c,12cのうち端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fに沿いかつ外方に突出して設けられた軸部11g,12gと、この軸部11g,12gに回動可能に嵌入される軸受け部11h,12hが形成され透明板17及び表示物16の周囲を被覆可能なカバー部材11i,12iと、このカバー部材11i,12iの先端を透明板17及び表示物16に押付ける付勢機構11j,12jとを有し、カバー部材11i,12iが、透明板17及び表示物16を方形枠体14の開口部14aに挿入可能な挿入位置と、開口部14aに透明板17及び表示物16を挿入した状態で透明板17及び表示物16を固定する固定位置とに回動可能に構成され、カバー部材11i,12iは固定位置に位置した状態で外方に膨出して形成され、フレーム部材11,12の側面受け部11a,12aの端縁と突起挿入部11c,12cのうち内壁11e,12eを形成する端面受け部11b,12bに対向する外壁とが外方に膨出する膨出部11p,12pにより連結され、カバー部材11i,12iと膨出部11p,12pとが透明板17に対して略面対称になるように形成されたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
一方、4本のフレーム部材11,12の横断面形状がそれぞれ同形同大に形成される(図1及び図2)。また、この実施の形態では、4本のフレーム部材11,12のうち互いに平行に横に配置される2本のフレーム部材11,11は、互いに平行に縦に配置される2本のフレーム部材12,12より短く形成される(図5)。また、各フレーム部材11,12は、透明板17の外周側面を受ける側面受け部11a,12aと、この側面受け部11a,12aと一体的に設けられ透明板17の外周端面を受ける端面受け部11b,12bと、この端面受け部11b,12bを内壁11e,12eとする横断面略C型チャンネル状に形成されコーナ部材13の突起13bを挿入可能な突起挿入部11c,12cと、この突起挿入部11c,12cのうち端面受け部11b,12bを形成する内壁11e,12eに対向する外壁11f,12fに沿いかつ外方に突出して設けられた軸部11g,12gと、この軸部11g,12gに回動可能に嵌入される軸受け部11h,12hが形成され透明板17及び表示物16の周囲を被覆可能なカバー部材11i,12iと、このカバー部材11i,12iの先端を透明板17及び表示物16に押付ける付勢機構11j,12jとを有する(図1及び図2)。