(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061066
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】充電装置制御システム及び充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220411BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20220411BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L53/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168826
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 禎浩
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503CA01
5G503CA08
5G503CA10
5G503CB16
5G503DB03
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD05
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE41
(57)【要約】
【課題】認証操作など充電装置への操作を可能とする「操作可能/不可」の時間帯を設定する操作スケジュールと、車両用の充電装置に電力量の調整を目的とした「充電可能/不可」の時間帯を設定する充電スケジュールとを個別に設定できるようにすること。
【解決手段】車両に充電を行う充電装置にスケジュールを設定する充電装置制御システムであって、充電装置に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置から車両への充電の可否を設定する充電スケジュールと、を個別に設定することが可能な充電装置制御システムとする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に充電を行う充電装置にスケジュールを設定する充電装置制御システムであって、
充電装置に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置から車両への充電の可否を設定する充電スケジュールと、を個別に設定することが可能な充電装置制御システム。
【請求項2】
充電装置に対する操作を可能とするが、充電装置から車両への充電を不可能とする時間を設定可能であり、
当該時間に、充電装置に対して利用認証を求める操作が行われた場合には、即座に車両への充電を開始せず、充電装置から車両への充電を可能とする時間になってから、充電を開始するように制御する請求項1に記載の充電装置制御システム。
【請求項3】
充電装置から車両への充電が可能な時間に充電を開始した後、充電が完了する前に、充電が不可能な時間になれば、一端充電を中止し、再度充電が可能な時間になったら、充電を再開するように制御する請求項1又は2に記載の充電装置制御システム。
【請求項4】
充電装置に対する操作を可能とし、充電装置から車両への充電を可能とする時間と、充電装置に対する操作を不可能とするが、充電装置から車両への充電を可能とする時間と、を設定可能であり、
前者の時間において車両へ充電する場合の充電装置に設定される充電電流値の範囲と、後者の時間において車両へ充電する場合の充電装置に設定される充電電流値の範囲と、が異なるものとなるように制御する請求項1から3の何れかに記載の充電装置制御システム。
【請求項5】
設定されたスケジュールに基づいて車両への充電を行うように制御可能な充電装置であって、
充電装置に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置から車両への充電の可否を設定する充電スケジュールと、を個別に設定することが可能な充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車両、ハイブリッド車、電動バイク、電動自転車等の充電可能な車両に対して充電を行うための充電装置及びその充電装置にスケジュールを設定する充電装置制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、車両用の充電装置が設置される設備や地域の全体の電力量を調整するために、使用する電力量がピークになる時間帯を、車両への充電を行うことができない時間帯に設定し、充電装置の利用を禁止するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、充電装置が車両への充電を行うことができない時間帯(利用禁止期間)には、充電装置自体の機能についても停止状態にするなど、充電装置に対して如何なる操作もできない状態となる場合があった。その一方で、充電装置を利用するためには、充電装置に対して利用者の情報を入力等することで、利用者が充電装置を利用することを認証する必要があった。また、利用禁止期間後に充電装置を利用するために、利用禁止期間中に充電装置に対して認証操作を行うことができず、利用禁止期間が終了した後に、充電装置に対して認証操作を行う必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、これらの点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、認証操作など充電装置への操作を可能とする「操作可能/不可」の時間帯を設定する操作スケジュールと、車両用の充電装置に電力量の調整を目的とした「充電可能/不可」の時間帯を設定する充電スケジュールとを個別に設定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、車両に充電を行う充電装置にスケジュールを設定する充電装置制御システムであって、充電装置に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置から車両への充電の可否を設定する充電スケジュールと、を個別に設定することが可能な充電装置制御システムとする。
【0007】
また、充電装置に対する操作を可能とするが、充電装置から車両への充電を不可能とする時間を設定可能であり、当該時間に、充電装置に対して利用認証を求める操作が行われた場合には、即座に車両への充電を開始せず、充電装置から車両への充電を可能とする時間になってから、充電を開始するように制御する構成とすることが好ましい。
【0008】
また、充電装置から車両への充電が可能な時間に充電を開始した後、充電が完了する前に、充電が不可能な時間になれば、一端充電を中止し、再度充電が可能な時間になったら、充電を再開するように制御する構成とすることが好ましい。
【0009】
また、充電装置に対する操作を可能とし、充電装置から車両への充電を可能とする時間と、充電装置に対する操作を不可能とするが、充電装置から車両への充電を可能とする時間と、を設定可能であり、前者の時間において車両へ充電する場合の充電装置に設定される充電電流値の範囲と、後者の時間において車両へ充電する場合の充電装置に設定される充電電流値の範囲と、が異なるものとなるように制御する構成とすることが好ましい。
【0010】
また、設定されたスケジュールに基づいて車両への充電を行うように制御可能な充電装置であって、充電装置に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置から車両への充電の可否を設定する充電スケジュールと、を個別に設定することが可能な充電装置とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、認証操作など充電装置への操作を可能とする「操作可能/不可」の時間帯を設定する操作スケジュールと、車両用の充電装置に電力量の調整を目的とした「充電可能/不可」の時間帯を設定する充電スケジュールとを個別に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における充電装置制御システムを使用しているイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1に示されていることから理解されるように、本実施形態の充電装置制御システム1は、車両7に充電を行う充電装置3にスケジュールを設定することができるものである。この充電装置制御システム1は、充電装置3に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置3から車両7への充電の可否を設定する充電スケジュールと、を個別に設定することが可能である。このため、認証操作など充電装置3への操作を可能とする「操作可能/不可」の時間帯を設定する操作スケジュールと、車両7用の充電装置3に電力量の調整を目的とした「充電可能/不可」の時間帯を設定する充電スケジュールとを個別に設定することが可能となる。
【0014】
また、充電装置3を、設定されたスケジュールに基づいて車両7への充電を行うように制御可能であって、充電装置3に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置3から車両7への充電の可否を設定する充電スケジュールと、を個別に設定することが可能なものであるようにしても良い。この場合でも、認証操作など充電装置3への操作を可能とする「操作可能/不可」の時間帯を設定する操作スケジュールと、車両7用の充電装置3に電力量の調整を目的とした「充電可能/不可」の時間帯を設定する充電スケジュールとを個別に設定することが可能となる。
【0015】
なお、充電装置3は、接続されたサーバー5(物理サーバーやクラウドサーバー)を経由して充電装置3を制御するなどして管理することが多い。つまり、充電装置制御システム1において、充電装置3を管理することが多い。この場合、例えば、充電装置3の稼働状況・充電電流値・充電電力量・メンテンナンス情報などをサーバー5へ通信する。また、サーバー5側では、充電装置3に対して、充電可能な電流値の範囲の設定や連続充電可能時間を設定することがある。更には、充電装置3を利用する際に、充電装置3に対して行われた利用認証を求める操作に対して、サーバー5上で照合を行い、利用者が充電装置3を利用することを許可することなども行われ得る。
【0016】
ところで、充電装置3に対する利用認証を求める操作には、色々な態様がありうる。例えば充電装置3にIDとパスワードを入力する操作であってもよいし、充電装置3の利用が許可された利用者に配布されるカードや、利用者の情報が登録されたスマートフォンなどの携帯機器を充電装置3にかざす操作であってもよい。充電装置3を利用する際に必要な利用者の情報を充電装置3又はサーバー5に通信する操作であるなら、如何なるものであってもよい。
【0017】
利用認証を求める操作の結果、利用が許可されることが判定されたら、次のプロセスに進む。例えば、充電装置3内の接点が閉じられて給電できる状態となるようにしてもよいし、充電装置3に固定される充電コネクタのロックを解除し、充電コネクタを取り外すことができる状態となるようにしてもよい。なお、車両7と充電コネクタとが接続されていることが確認された後、車両7への充電が開始される。
【0018】
充電開始後、車両7内のバッテリーへの充電量が一定量に達した場合に充電が完了する。また、車両7から充電コネクタが取り外された場合に充電が終了する。
【0019】
ところで、実施形態の充電装置3はスケジュールが設定される。スケジュールの設定については、充電装置3に対して直接設定するものであってもよい、サーバー5を経由して充電装置3に設定するものであってもよい。
【0020】
充電装置3に設定するスケジュールとしては、充電装置3に対する操作の可否を設定する操作スケジュールと、充電装置3から車両7への充電の可否を設定する充電スケジュールと、がある。操作スケジュールでは、設置された施設の営業時間などに応じて、充電装置3に対する操作を行うことができない時間を設定できる。また、充電スケジュールでは、設置された施設(商業施設、工場、社屋、病院、マンションなど)や地域内の電力量を調整するために、車両7に対して充電できない時間を設定できる。
【0021】
操作スケジュールと充電スケジュールを分けて設定することができると、以下の4つの時間を設定することができる。
【0022】
「第一設定時間」
充電装置3に対する操作を可能とし、充電装置3から車両7への充電を可能とする時間。施設の営業時間中で、電力量に余裕がある時間帯などに設定される。充電装置3に対して利用認証を求める操作を行い、利用が許可された場合には、即座に充電が開始される。
【0023】
「第二設定時間」
充電装置3に対する操作を可能とするが、充電装置3から車両7への充電を不可能とする時間。施設の営業時間中であるが、電力量に余裕がなく、電力の消費を抑える必要がある時間帯などに設定される。この時間に、充電装置3に対して利用認証を求める操作が行われた場合には、即座に車両7への充電を開始せず、充電装置3から車両7への充電を可能とする時間になってから、充電を開始するように制御するのが好ましい。つまりは、充電装置3に対して利用認証を求める操作を行い、利用が許可された場合であっても、即座に充電が開始されず、その後、第一設定時間若しくは第四設定時間になると充電が開始されるように制御するのが好ましい。
【0024】
「第三設定時間」
充電装置3に対する操作を不可能とし、充電装置3から車両7への充電を不可能とする時間。施設の営業時間外であり、電力量にも余裕がなく、電力の消費を抑える必要がある時間帯などに設定される。充電装置3に対して利用認証を求める操作を行うことができない。
【0025】
「第四設定時間」
充電装置3に対する操作を不可能とするが、充電装置3から車両7への充電を可能とする時間。施設の営業時間外であるが、電力量に余裕がある時間帯などに設定される。充電装置3に対して利用認証を求める操作を行うことはできないが、第一設定時間若しくは第二設定時間の後に続く場合には、充電が継続される。
【0026】
操作スケジュールと充電スケジュールを分けて設定した際に、どのように充電されることがあるのかを、より具体的に以下で示す。
【実施例0027】
例えば
図2に示すように、操作スケジュールと充電スケジュールを分けて設定する。この例ではランチタイムを含む11時30分から13時30までを充電装置3に対する操作を不可能とする時間帯として設定する。また、夏場の冷房需要などに起因する電力調整のため、13時から16時までを充電装置3から車両7への充電を不可能とする時間帯として設定する。
【0028】
この場合、11時30分以前及び16時以降が第一設定時間、13時30分から16時までが第二設定時間、13時から13時30分までが第三設定時間、11時30分から13時までが第四設定時間となる。
【0029】
例えば、11時30分までの第一設定時間に充電を開始した場合には、第四設定時間が終了する13時まで充電が継続されるように制御する。第二設定時間の13時30分から16時までに充電装置3に対して利用認証を求める操作を行った場合には、第一設定時間の16時から充電が開始されるように制御する。
【0030】
ところで、充電装置3から車両7への充電が可能な時間に充電を開始した後、充電が完了する前に、充電が不可能な時間になれば、一端充電を中止し、再度充電が可能な時間になったら、充電を再開するように制御するのが好ましい。より具体的には、9時など充電が可能な時間に充電を開始し、13時から16時までの充電が不可能な時間の間も車両7への充電コネクタの接続状態が維持された場合には、16時から始まる充電が可能な時間になると、充電が再開されるように制御することが好ましい。この場合、充電開始に先駆けて認証された利用者の情報は、充電が不可能な時間の間も記憶されており、16時からの充電開始時に利用されるようにするのが好ましい。また、先の時間に設定された充電条件(充電電流量、充電時間など)については、後の時間においても維持されることが好ましい。
例えば、15時以前に充電を開始した場合には、第二設定時間が開始する15時まで充電が継続されるように制御する。第二設定時間の15時から18時までに充電装置3に対して利用認証を求める操作を行った場合には、第四設定時間の19時から充電が開始されるように制御する。
第一設定時間の終了後、第二設定時間及び第三設定時間の間も車両7への充電コネクタの接続状態が継続された場合には、第四設定時間の19時から充電が再開されるように制御する。
ところで、営業時間中である第一設定時間は、施設内の設備などが稼働するため、施設内の電力量に余裕がないが、営業時間後の第四設定時間は、その設備などが停止するため、施設内の電力量に余裕があることが多い。そこで、第一設定時間において充電装置3に設定される充電電流の範囲と、第四設定時間において充電装置3に設定される充電電流の範囲を異なるものとすることが好ましい。さらに、第一設定時間の方が、第四設定時間よりも施設内の電力量に余裕がないため、第一設定時間の方が第四設定時間よりも充電電流の上限及び又は下限を小さくすることがさらに好ましい。