IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

特開2022-61120経路探索装置及びコンピュータプログラム
<>
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図1
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図2
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図3
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図4
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図5
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図6
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図7
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図8
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図9
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図10
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図11
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図12
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図13
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図14
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図15
  • 特開-経路探索装置及びコンピュータプログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061120
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】経路探索装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20220411BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220411BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
G01C21/36
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168900
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】岡部 英文
(72)【発明者】
【氏名】岩月 晃一
(72)【発明者】
【氏名】中村 元裕
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129DD16
2F129DD19
2F129DD20
2F129DD35
2F129DD37
2F129DD51
2F129DD58
2F129DD69
2F129EE23
2F129EE52
2F129EE81
2F129EE84
2F129EE89
2F129FF02
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF47
2F129FF65
2F129FF68
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181EE05
5H181EE10
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】複数種類の移動手段から移動に用いる移動手段を選択して経路の探索を行う場合において、ユーザの希望に沿った経路を容易に探索することを可能にした経路探索装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】目的地へと到る経路を探索した後に、探索された経路を特定する経路情報をユーザに案内し(S13)、その後のユーザの操作に基づいて、探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択するとともに変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択し(S31)、選択された新たな移動手段で変更対象区間を移動することを条件として、目的地へと到る経路を再度探索するように構成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地へと到る経路として、前記経路を一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を複数種類の移動手段の内から指定した経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路である探索経路を特定する経路情報をユーザに案内する経路案内手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択する区間選択手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択する移動手段選択手段と、
前記移動手段選択手段によって選択された新たな移動手段で前記変更対象区間を移動することを条件として、前記目的地へと到る経路を再度探索する経路再探索手段と、を有する経路探索装置。
【請求項2】
前記区間選択手段は、隣接する複数の区間を併せて前記変更対象区間として選択し、
前記移動手段選択手段は、前記変更対象区間として選択された隣接する複数の区間を移動する為の新たな移動手段を選択する請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記移動手段選択手段は、前記変更対象区間として選択された隣接する複数の区間に対して一の移動手段を選択し、
前記経路再探索手段は、前記変更対象区間として選択された隣接する複数の区間の始点から終点までを前記移動手段選択手段によって選択された移動手段で移動することを条件として、前記目的地へと到る経路を再度探索する請求項2に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記探索経路は、移動手段を切り替える結節点で複数の区間に区分される請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記経路案内手段は、前記経路情報として前記探索経路に含まれる結節点、前記探索経路の始点、前記探索経路の終点を夫々案内し、
前記経路案内手段により案内された前記結節点、前記探索経路の始点、前記探索経路の終点の内、ユーザが指定した第1の地点からユーザが指定した第2の地点までの間の区間を前記変更対象区間として選択する請求項4に記載の経路探索装置。
【請求項6】
前記結節点は、駅、バス停、駐車場、レンタカーショップ、フェリー乗り場、空港のいずれかである請求項4又は請求項5に記載の経路探索装置。
【請求項7】
コンピュータを、
目的地へと到る経路として、前記経路を一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を複数種類の移動手段の内から指定した経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路である探索経路を特定する経路情報をユーザに案内する経路案内手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択する区間選択手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択する移動手段選択手段と、
前記移動手段選択手段によって選択された新たな移動手段で前記変更対象区間を移動することを条件として、前記目的地へと到る経路を再度探索する経路再探索手段と、
して機能させる為のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を探索する経路探索装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが目的地を指定することによって、指定された目的地までの推奨される移動経路を地図情報等を用いて探索する経路探索機能を備えた各種装置が知られている。このような装置としては、例えば車載器であるナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等がある。更に、上記移動経路の探索では、複数の移動手段(例えば徒歩、自家用車、バス、鉄道等)から最適な移動手段を適宜選択し、選択された移動手段を組み合わせて目的地まで移動する経路を探索することも行われていた。
【0003】
例えば特開2002-296071号公報には、携帯電話機において目的地とともに出発時刻や到着時刻等の探索条件を入力すると、徒歩、タクシー、電車等の複数の移動手段を組み合わせて目的地まで移動する為の経路を探索し、ユーザに案内する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-296071号公報(図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載されている複数の移動手段を用いる経路の探索では、どの区間においてどの移動手段を用いるかは、基本的に探索を行う装置側が決定していた。ユーザ側では出発時刻や到着時刻などの探索条件について設定できるが、その探索条件に基づいて探索された移動経路が必ずしもユーザの希望に沿った移動経路になるとは限らない問題がある。また、目的地までの移動経路として複数の候補を探索し、ユーザに提示することも行われているが、仮に複数の候補を探索したとしても、それらの複数の候補の内に、必ずしもユーザの希望に沿った移動経路が含まれるとは限らなかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、複数種類の移動手段から移動に用いる移動手段を選択して経路の探索を行う場合において、ユーザの希望に沿った経路を容易に探索することを可能にした経路探索装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明に係る経路探索装置は、目的地へと到る経路として、前記経路を一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を複数種類の移動手段の内から指定した経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段により探索された経路である探索経路を特定する経路情報をユーザに案内する経路案内手段と、ユーザの操作に基づいて、前記探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択する区間選択手段と、ユーザの操作に基づいて、前記変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択する移動手段選択手段と、前記移動手段選択手段によって選択された新たな移動手段で前記変更対象区間を移動することを条件として、前記目的地へと到る経路を再度探索する経路再探索手段と、を有する。
尚、「移動手段選択手段によって選択された新たな移動手段で変更対象区間を移動することを条件とする」とは、変更対象区間の全体を新たな移動手段で移動することを条件としても良いし、変更対象区間の少なくとも一部を新たな移動手段で移動することを条件としても良い。
【0008】
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、目的地までの経路を探索するコンピュータプログラムである。具体的には、コンピュータを、目的地へと到る経路として、前記経路を一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を複数種類の移動手段の内から指定した経路を探索する経路探索手段と、前記経路探索手段により探索された経路である探索経路を特定する経路情報をユーザに案内する経路案内手段と、ユーザの操作に基づいて、前記探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択する区間選択手段と、ユーザの操作に基づいて、前記変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択する移動手段選択手段と、前記移動手段選択手段によって選択された新たな移動手段で前記変更対象区間を移動することを条件として、前記目的地へと到る経路を再度探索する経路再探索手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0009】
前記構成を有する本発明に係る経路探索装置及びコンピュータプログラムによれば、複数種類の移動手段から移動に用いる移動手段を選択して経路の探索を行う場合において、一旦探索された経路について、ユーザ指定した任意の区間の移動手段をユーザが指定した移動手段で移動する経路へと編集することが可能となるので、ユーザの希望に沿った経路を容易に探索することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る経路探索システムを示した概略構成図である。
図2】本実施形態に係る経路探索システムの構成を示したブロック図である。
図3】本実施形態に係る情報端末の構成を示したブロック図である。
図4】本実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。
図5】経路情報の表示例を示した図である。
図6】経路の編集画面の表示例を示した図である。
図7】経路の編集画面の表示例を示した図である。
図8】編集後の新たな経路情報の表示例を示した図である。
図9】経路探索処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
図10】ステーション型移動手段で移動する場合の目的地までの経路の探索方法について説明した図である。
図11】複数のステーション型移動手段を乗り継いで移動する場合の目的地までの経路の探索方法について説明した図である。
図12】再経路探索処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
図13】変更対象区間を移動する移動手段をステーション型以外の移動手段へと変更する場合の経路の編集例を示した図である。
図14】変更対象区間を移動する移動手段をステーション型以外の移動手段へと変更する場合の経路の編集例を示した図である。
図15】変更対象区間を移動する移動手段をステーション型移動手段へと変更する場合の経路の編集例を示した図である。
図16】変更対象区間を移動する移動手段をステーション型移動手段へと変更する場合の経路の編集例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る経路探索装置をサーバ装置1に具体化した一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るサーバ装置1を含む経路探索システム2の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る経路探索システム2を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係る経路探索システム2の構成を示したブロック図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る経路探索システム2は、情報配信センタ3が備えるサーバ装置1と、ユーザ4が所持する情報端末5と、を基本的に有する。また、サーバ装置1と情報端末5は通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、情報端末5としては例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、車載器であるナビゲーション装置等がある。また、ユーザ4は車両に乗車している状態であっても良いし、車両に乗車していない状態であっても良い。
【0013】
ここで、サーバ装置1は、情報端末5の要求に応じて経路探索の実行を行う。具体的には、情報端末5において目的地が設定された場合や経路の再探索(リルート)を行う場合に、情報端末5からサーバ装置1へと出発地や目的地等の経路探索に必要な情報が経路探索要求とともに送信される(但し、再探索の場合には目的地に関する情報は必ずしも送信する必要は無い)。そして経路探索要求を受信したサーバ装置1は、サーバ装置1の有する地図情報を用いて経路探索を行い、出発地から目的地までの推奨経路を特定する。その後、特定された推奨経路を要求元の情報端末5へと送信する。そして、情報端末5は受信した推奨経路に関する情報をユーザに提供したり、推奨経路を案内経路に設定し、案内経路に従って移動案内を行う。それによって、経路探索時点において情報端末5が有する地図情報が古いバージョンの地図情報であったり、情報端末5が地図情報自体を有さない場合であっても、サーバ装置1が有する最新バージョンの地図情報に基づいて適切な目的地までの推奨経路を提供することが可能となる。また、特に本実施形態では、出発地から目的地までの経路の探索を行う場合に、徒歩、自家用車、レンタカー、シェアカー、シェア自転車、鉄道、バス、フェリー、飛行機等の複数の移動手段を切り換えて移動を行うこと(マルチモーダル)を考慮した推奨経路の探索を行う。
【0014】
更に、サーバ装置1は、全国各地においてタクシー、レンタカー、シェアカー、シェア自転車等を管理する配車管理サーバ7と通信可能に接続されている。尚、配車管理サーバ7はタクシーを管理するサーバと、レンタカーを管理するサーバと、シェアカーを管理するサーバと、シェア自転車を管理するサーバとで異なるサーバとしても良い。
【0015】
ここで、配車管理サーバ7は管理対象となるタクシー、レンタカー、シェアカー、シェア自転車の空き状況の変化について監視する。また、タクシー、レンタカー、シェアカー、シェア自転車の予約管理についても行う。そして、配車管理サーバ7は、サーバ装置1において上記経路探索を行う場合において、タクシー、レンタカー、シェアカー、シェア自転車の空き状況に関する情報をサーバ装置1に対して提供する。更に、サーバ装置1からの要求に応じて、タクシーの配車予約、レンタカー、シェアカー、シェア自転車の利用予約についても行う。
【0016】
但し、経路探索処理については必ずしもサーバ装置1で行う必要は無く、地図情報を有する情報端末5であれば情報端末5で行っても良い。更に、タクシー、レンタカー、シェアカー、シェア自転車の空き状況の取得や利用予約についてもサーバ装置1を介さずに情報端末5が配車管理サーバ7を直接介して行うことも可能である。
【0017】
一方、情報端末5は、ユーザ4が所持し、ナビ機能を備えた情報端末が用いられ、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、車載器であるナビゲーション装置等が該当する。
【0018】
ここで、ナビ機能は、上記サーバ装置1によって探索された経路を特定する経路情報を表示したり、サーバから取得したりメモリに格納された地図データに基づいてユーザ4の現在位置周辺の地図画像を表示したり、表示された地図画像中においてユーザ4の現在位置を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内を行う機能が該当する。尚、上記ナビ機能の全てを情報端末5が備えている必要はなく、少なくとも経路情報を表示する機能を有していれば本願発明を構成することが可能である。
【0019】
また、通信ネットワーク網6は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局は情報端末5との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網6の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にある情報端末5の通信をサーバ装置1との間で中継する役割を持つ。
【0020】
続いて、経路探索システム2におけるサーバ装置1の構成について図2を用いてより詳細に説明する。サーバ装置1は、図2に示すようにサーバ制御部11と、サーバ制御部11に接続された情報記録手段としてのユーザ情報DB12と、サーバ側地図DB13と、サーバ側通信装置14とを備える。
【0021】
サーバ制御部11は、サーバ装置1の全体の制御を行う制御ユニット(MCU、MPU等)であり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の経路探索処理プログラム(図4)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御部11は、後述の情報端末5の制御部とともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、経路探索手段は、目的地へと到る経路として、経路を一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を複数種類の移動手段の内から指定した経路を探索する。経路案内手段は、経路探索手段により探索された経路である探索経路を特定する経路情報をユーザに案内する。区間選択手段は、ユーザの操作に基づいて、探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択する。移動手段選択手段は、ユーザの操作に基づいて、変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択する。経路再探索手段は、移動手段選択手段によって選択された新たな移動手段で変更対象区間を移動することを条件として、目的地へと到る経路を再度探索する。
【0022】
また、ユーザ情報DB12は、利用登録を行ったユーザに関する登録情報を記憶した記憶手段である。尚、ユーザ情報DB12に記憶される登録情報としては、ユーザのID、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、レンタカーやシェアカーの料金清算に用いるカード情報等がある。尚、ユーザを識別するIDについては、配車管理サーバ7との間で共有するID(例えばOpenID(登録商標))とするのが望ましい。配車管理サーバ7との間で共有するIDとすることによって、サーバ装置1が配車管理サーバ7を介してタクシーの配車予約、レンタカー、シェアカー、シェア自転車の利用予約等を行うことが可能となる。
【0023】
一方、サーバ側地図DB13は、外部からの入力データや入力操作に基づいて登録された最新のバージョンの地図情報であるサーバ側地図情報が記憶される記憶手段である。ここで、サーバ側地図情報は、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されている。例えば、道路網を示すノード及びリンクを含むネットワークデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。
【0024】
更に、サーバ側地図DB13には、レンタカー、シェアカー、シェア自転車、鉄道、バス、フェリー、飛行機等の特定の地点(以下、ステーションという)のみで移動の開始と終了が可能な移動手段(以下、ステーション型移動手段という)を用いた経路を探索する為の各種情報についても格納されている。具体的には、各ステーション型移動手段のステーション(駅、バス停、フェリー乗り場、空港、レンタカーショップ、シェアカー或いはシェア自転車の貸出及び返却を行う場所)の位置に関する情報、ステーション型移動手段の路線(鉄道路線、バス路線、飛行機やフェリーの航路)に関する情報が含まれる。更に、時刻表の存在する移動手段についてはステーション毎の時刻表に関する情報についても含まれる。但し、上記ステーション型移動手段に関する情報については、サーバ側地図DB13に格納せずに外部のサーバから取得するようにしても良い。
【0025】
一方、サーバ側通信装置14は情報端末5や配車管理サーバ7と通信ネットワーク網6を介して通信を行う為の通信装置である。また、情報端末5や配車管理サーバ7以外にインターネット網や、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報の受信についても可能である。
【0026】
次に、情報端末5の概略構成について図3を用いて説明する。図3は本実施形態に係る情報端末5の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、以下では特に情報端末5がスマートフォンである場合を例に挙げて説明する。
【0027】
図4に示すように情報端末5はデータバスBUSに、CPU31と、情報端末5を所持するユーザ4に関するユーザ情報(ユーザID、氏名等)等が記憶されたメモリ32と、通信ネットワーク網6の基地局との間で信号の送受信を行う送受信回路部(RF)33と、送受信回路部33において受信したRF(Radio Frequency)信号をベースバンド信号に変換するとともにベースバンド信号をRF信号に変換するベースバンド処理部34と、マイクロホン35及びスピーカ36等とのインターフェイスである入出力部37と、液晶表示パネル等で構成されたディスプレイ38と、タッチパネルやハードボタン等から構成される入力操作部39と、GPS40と、カメラ41とが接続されることにより構成されている。
【0028】
ここで、情報端末5に内蔵されるCPU31は、メモリ32に格納されている動作プログラムに従って種々の動作を実行する情報端末5の制御手段であり、メモリ32とともに情報端末制御部42を構成する。また、情報端末制御部42の各種処理内容は必要に応じてディスプレイ38に表示される。
【0029】
また、メモリ32は情報端末5を所持するユーザ4に関するユーザ情報(ユーザID、氏名等)等が記憶された記憶媒体である。また、後述の経路探索処理プログラム(図4)を含む各種アプリケーションプログラムについても記憶される。また、メモリ32には地図情報を記憶しても良い。メモリ32に地図情報が記憶されていれば経路探索に係る処理をサーバ装置1ではなく情報端末5で行うことも可能である。また、メモリ32は、ハードディスク、メモリーカード等により構成しても良い。
【0030】
また、ディスプレイ38は、筐体の一面に配設されており、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が用いられる。そして、情報端末5にインストールされている各種アプリケーションを実行する為のトップ画面や、実行されたアプリケーションに係る画面(インターネット画面、メール画面等)や、画像、動画等の各種情報が表示される。また、経路探索を行った場合に、探索された経路を特定する経路情報についても表示される。
【0031】
また、入力操作部39は、ディスプレイ38の前面に設けられたタッチパネルや筐体に配置されたハードボタン等によって構成されている。そして、情報端末制御部42は、タッチパネルやハードボタンの押下等により出力される電気信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。特に本実施形態では、ディスプレイ38に表示された経路情報について経路の編集を希望する場合にユーザによって操作される。尚、入力操作部39は、番号/文字入力キー、表示された内容を選択するためのカーソルを動かすカーソルキー、選択を確定する決定キー等の各種キー等により構成することもできる。
【0032】
また、GPS40は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、情報端末5(即ちユーザ4)の現在位置及び現在日時を検出可能とする。また、GPS40以外にも情報端末5の現在位置や方位を検出する為の他の装置(例えばジャイロセンサ等)を備える構成としても良い。
【0033】
また、カメラ41は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成される小型の撮像装置であり、情報端末5の背面側に内蔵される。そして、専用のアプリケーションプログラムが起動された状態で、ユーザが入力操作部39を操作することによって周辺を撮像することが可能となる。尚、カメラ41で撮像された撮像画像は、メモリ32に格納される。
【0034】
続いて、前記構成を有するサーバ装置1及び情報端末5において実行する経路探索処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。ここで、経路探索処理プログラムは情報端末5においてナビゲーションアプリが起動された後に実行され、ユーザの操作に応じて目的地までの経路を探索するとともに探索された経路を特定する経路情報を提供するプログラムである。尚、以下の図4図9及び図12にフローチャートで示されるプログラムは、情報端末5が備えているメモリ32又はサーバ装置1が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU31又はCPU21により実行される。
【0035】
先ず、情報端末5において実行される経路探索処理プログラムについて説明する。
ステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU31は、サーバ装置1に対して経路探索要求を送信する。尚、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の情報端末5を特定する端末IDと、ユーザを特定するユーザIDと、出発地(例えばユーザの現在位置)と目的地とを特定する情報と、送信元の情報端末5においてユーザにより設定された経路の探索条件とが含まれている。尚、“経路の探索条件”は例えば出発希望時刻、到着希望時刻等がある。“出発地”、“目的地”、“経路の探索条件”については、情報端末5に表示された探索条件の入力画面(図示せず)においてユーザの操作により入力可能である。
【0036】
次にS2においてCPU31は、経路探索要求に応じてサーバ装置1において探索された出発地から目的地までの推奨経路(以下、センタールートという)に関する情報を受信する。ここで、前記S2で受信するセンタールートは、情報端末5から送信した経路探索要求に基づいてサーバ装置1が有する最新のバージョンの地図情報を用いて探索した出発地から目的地までの推奨経路である。尚、サーバ装置1におけるセンタールートの探索の詳細については後述する。
【0037】
また本実施形態では、センタールートの探索を行う場合に、徒歩、自家用車、レンタカー、シェアカー、シェア自転車、鉄道、バス、フェリー、飛行機等の複数の移動手段を切り換えて移動を行うこと(マルチモーダル)を考慮した推奨経路の探索を行う。従って、サーバ装置1から送信されるセンタールートに関する情報は、センタールートを一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を指定した情報が含まれる。
【0038】
更に、前記S2においてCPU31は、センタールートに移動手段を切り替える地点(以下、結節点という)が存在する場合には、結節点に関する情報についてもサーバ装置1から受信する。結節点としては、例えば駅、バス停、駐車場、レンタカーショップ、フェリー乗り場、空港等が該当し、結節点に関する情報としては例えば結節点の位置、結節点の名称(駅名、バス停名、駐車場名)、駐車場である場合には利用料金や空き状況等が含まれる。
【0039】
その後、S3においてCPU31は、前記S2で受信したセンタールートを特定する経路情報をディスプレイ38に表示する。ここで、図5は前記S3においてディスプレイ38に表示される経路情報の一例を示した図である。
【0040】
図5に示すように経路案内画面51は、センタールートを特定する経路情報として、出発地から順に目的地までの経路を複数の区間に区分し、区間の境界となる結節点に関する情報と区間毎の移動手段に関する情報を時系列で表示する。また、出発予定時刻、到着予定時刻、所要時間、経路の全長、移動に必要な料金等の情報についても表示する。
【0041】
例えば図5は出発地がユーザの自宅であり、目的地としてX社を設定し、出発希望時刻として10:00を設定し、経路探索を行った場合に表示される経路情報の例である。図5に示すセンタールートでは、結節点が『A駅』、『B駅』、『C駅』の3地点であり、出発地から『A駅』までの移動手段は徒歩、『A駅』から『B駅』までの移動手段は〇〇線○○行の電車、『B駅』から『C駅』までの移動手段は××線××行の電車、『C駅』から目的地までの移動手段は徒歩が夫々指定されている。
【0042】
ユーザは経路案内画面51を参照することによって、目的地までどのような移動手段でどのように移動するのが適当であるかを把握することが可能となる。また、センタールートを地図上に示した画像についても表示するようにしても良い。更に、経路案内画面51の下方にはルート編集ボタン52と終了ボタン53が夫々配置されており、ユーザは表示されたセンタールートの経路情報を視認した上で、センタールートの編集を希望する場合にはルート編集ボタン52を操作する。その結果、後述のようにユーザが任意の区間を指定して編集すること、具体的には該区間において現在指定されている移動手段を他の移動手段に変更することが可能となる。一方で、ユーザは経路情報の案内の終了を希望する場合には終了ボタン53を操作する。
【0043】
S4においてCPU31は、上記ルート編集ボタン52の操作が行われたか否か、即ちユーザが案内されたセンタールートの編集を希望したか否かを判定する。そして、ルート編集ボタン52の操作が行われたか、即ちユーザが案内されたセンタールートの編集を希望した場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、ルート編集ボタン52の操作が行われない、即ちユーザが案内されたセンタールートの編集を希望しない場合(S4:NO)には、当該経路探索処理プログラムを終了する。
【0044】
S5においてCPU31は、経路案内画面51を更新し、ルート編集画面55を表示する。ルート編集画面55では、前記S3で案内されたセンタールートに含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択する操作、及び変更対象区間においてユーザが移動に用いるのに希望する新たな移動手段を選択する操作を受け付ける。
【0045】
ここで、図6はディスプレイ38に表示されるルート編集画面55の一例を示した図である。図6に示すようにルート編集画面55には、経路案内画面51と同様にセンタールートに含まれる結節点に関する情報と区間毎の移動手段に関する情報が時系列で表示される。更に、センタールートに含まれる出発地、目的地及び結節点に夫々対して選択アイコン56が表示される。そして、ユーザは編集を希望する変更対象区間の始点に該当する出発地、目的地又は結節点に対応する選択アイコン56を先ず選択する。続いて、変更対象区間の終点に該当する出発地、目的地又は結節点に対応する選択アイコン56を選択する。そして、CPU31は選択状態にある2つの選択アイコン56の間の区間を変更対象区間として特定する。例えば図5に示す例では出発地である自宅に対応する選択アイコン56と結節点であるA駅に対応する選択アイコン56が選択されており、変更対象区間として『自宅からA駅』が特定される。
【0046】
更に、ルート編集画面55では図6に示すように2つの選択アイコン56が選択されて変更対象区間が特定されると、その変更対象区間においてユーザが移動に用いるのに希望する新たな移動手段を選択する為の操作ウィンドウ57が新たに表示される。操作ウィンドウ57では変更対象区間を移動することが可能な全ての移動手段の候補が一覧に表示され、ユーザが希望する移動手段を選択可能となっている。そして、CPU31は操作ウィンドウ57において選択された移動手段を、変更対象区間においてユーザが移動に用いるのに希望する新たな移動手段として特定する。尚、編集したい区間が複数ある場合には、ユーザは上記変更対象区間の指定と移動手段の選択に係る操作を繰り返し行う。そして、ユーザがルート編集画面55において上記変更対象区間の指定と移動手段の選択に係る操作を完了した後に、ルート編集画面55の下方に配置された再探索ボタン58を押すと、CPU31はセンタールートの編集の操作受付を終了し、S6へと移行する。
【0047】
尚、変更対象区間としては一の区間のみではなく、隣接する複数の区間を併せて(まとめて)変更対象区間として選択することも可能である。その場合には、変更対象区間として選択された隣接する複数の区間をまとめて一の移動手段で移動すること、即ち移動手段の乗り継ぎ回数を減らすことが可能となる。例えば、図7に示す例では出発地である自宅に対応する選択アイコン56と結節点であるB駅に対応する選択アイコン56が選択されており、変更対象区間として『自宅からA駅』と『A駅からB駅』の2つの区間を含む『自宅からB駅』が特定される。その場合に、ルート編集画面55では図7に示すように変更対象区間においてユーザが移動に用いるのに希望する新たな移動手段を選択する為の操作ウィンドウ57が新たに表示される。操作ウィンドウ57では変更対象区間を移動することが可能な全ての移動手段の候補が一覧に表示され、ユーザが希望する移動手段を選択可能となっている。そして、CPU31は操作ウィンドウ57において選択された移動手段を、『自宅からB駅』までの移動にユーザが希望する新たな移動手段として特定する。
【0048】
続いて、S6においてCPU31は、サーバ装置1に対して経路の再探索要求を送信する。尚、経路の再探索要求には、前記S5で特定された変更対象区間と変更対象区間においてユーザが移動に用いるのに希望する新たな移動手段が含まれる。
【0049】
次にS7においてCPU31は、上記経路の再探索要求に応じてサーバ装置1において新たに探索された出発地から目的地までの推奨経路(以下、新センタールートという)に関する情報を受信する。ここで、前記S7で受信する新センタールートは、前記S2で受信するセンタールートと同じくサーバ装置1が有する最新のバージョンの地図情報を用いて探索した出発地から目的地までの推奨経路であるが、前記S5で特定された変更対象区間を同じく特定された新たな移動手段で移動することを条件として探索される。尚、サーバ装置1における新センタールートの探索の詳細については後述する。
【0050】
その後、S8においてCPU31は、前記S7で受信した新センタールートを特定する経路情報をディスプレイ38に表示する。ここで、図8は前記S8においてディスプレイ38に表示される経路情報の一例を示した図である。
【0051】
図8に示すように経路案内画面61は、新センタールートを特定する経路情報として、出発地から順に目的地までの経路を複数の区間に区分し、区間の境界となる結節点に関する情報と区間毎の移動手段に関する情報を時系列で表示する。また、出発予定時刻、到着予定時刻、所要時間、経路の全長、移動に必要な料金等の情報についても表示する。
【0052】
ここで図8図5に示すセンタールートにおいて『自宅からA駅』までの区間をタクシーで移動するように変更した場合の新センタールートである。従って図8に示す新センタールートでは図5に示すセンタールートと比較して、出発地から『A駅』までの移動手段がタクシーに変更されており、それに伴ってA駅以降の各結節点及び目的地への到着時刻も変更されている。また、所要時間や移動に必要な料金についても変更されている。
【0053】
更に、移動手段としてタクシー、レンタカー、シェアカー、シェア自転車等の予約が必要な移動手段が指定されている場合には予約ウィンドウ62が表示される。予約ウィンドウ62には、予約可能な移動手段の詳細とともに予約ボタン63が配置される。ユーザは表示された内容で移動手段の予約を行う場合には予約ボタン63を操作する。予約ボタン63が操作されるとサーバ装置1を介して配車管理サーバ7へと予約指示が送信され、タクシーの配車予約、レンタカー、シェアカー、シェア自転車の利用予約を行うことが可能となる。尚、図5のセンタールートの経路案内画面51においても予約が必要な移動手段が指定されている場合には、同様に予約ウィンドウ62が表示される。
【0054】
ユーザは経路案内画面61を参照することによって、編集後の新センタールートについて目的地までどのような移動手段でどのように移動するのが適当であるかを把握することが可能となる。また、新センタールートを地図上に示した画像についても表示するようにしても良い。更に、経路案内画面61の下方にはルート編集ボタン64と終了ボタン65が夫々配置されており、ユーザは表示された新センタールートの経路情報を視認した上で、新センタールートの編集を更に希望する場合にはルート編集ボタン64を操作する。その場合にはS5へと戻り、新センタールートを対象として再度ルートの編集処理が行われることとなる。一方で、ユーザは経路情報の案内の終了を希望する場合には終了ボタン65を操作する。
【0055】
次に、サーバ装置1において実行される経路探索処理プログラムについて説明する。
先ず、S11においてCPU21は、情報端末5から送信される経路探索要求を受信する。尚、経路探索要求には、経路探索要求の送信元の情報端末5を特定する端末IDと、出発地(例えばユーザの現在位置)と目的地とを特定する情報と、経路の探索条件とが含まれている。
【0056】
その後、S12においてCPU21は、前記S11で受信した経路探索要求とサーバ装置1が有する地図情報とに基づいて、後述の経路探索処理(図9)を実行する。経路探索処理では、情報端末5から受信した経路探索要求に基づいてサーバ装置1が有する最新のバージョンの地図情報を用いて出発地から目的地までの推奨経路(センタールート)を探索する。特にセンタールートの探索を行う場合には、徒歩、自家用車、レンタカー、シェアカー、シェア自転車、鉄道、バス、フェリー、飛行機等の複数の移動手段を切り換えて移動を行うこと(マルチモーダル)を考慮した推奨経路の探索を行う。
【0057】
次に、S13においてCPU21は、前記S12で探索されたセンタールートに関する情報を、経路探索要求のあった情報端末5へと配信する。尚、センタールートに関する情報は、センタールートを一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を指定した情報が含まれる。更にセンタールートに移動手段を切り替える結節点が存在する場合には、結節点に関する情報についても含まれる。
【0058】
そして、センタールートに関する情報が配信された情報端末5では、前述したように配信されたセンタールートに関する情報をディスプレイ38等を介してユーザに案内する(S3)。
【0059】
その後、S14においてCPU21は、情報端末5から送信される経路の再探索要求を受信する。尚、経路の再探索要求には、前記S5で特定された変更対象区間と変更対象区間においてユーザが移動に用いるのに希望する新たな移動手段が含まれる。
【0060】
その後、S15においてCPU21は、前記S14で受信した経路の再探索要求とサーバ装置1が有する地図情報とに基づいて、後述の再経路探索処理(図12)を実行する。再経路探索処理では、情報端末5から受信した経路の再探索要求に基づいてサーバ装置1が有する最新のバージョンの地図情報を用いて出発地から目的地までの推奨経路(新センタールート)を探索する。尚、新センタールートは、前記S5で特定された変更対象区間を同じく特定された新たな移動手段で移動することを条件として探索される。
【0061】
次に、S16においてCPU21は、前記S15で探索された新センタールートに関する情報を、経路の再探索要求のあった情報端末5へと配信する。尚、新センタールートに関する情報は、新センタールートを一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を指定した情報が含まれる。更に新センタールートに移動手段を切り替える結節点が存在する場合には、結節点に関する情報についても含まれる。
【0062】
そして、新センタールートに関する情報が配信された情報端末5では、前述したように配信された新センタールートに関する情報をディスプレイ38等を介してユーザに案内する(S8)。
【0063】
次に、前記S12において実行される経路探索処理のサブ処理について図9に基づき説明する。図9は経路探索処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0064】
先ず、S21においてCPU21は、ステーション型移動手段を用いて目的地まで移動する経路を探索するか否かを判定する。尚、ステーション型移動手段とは、前述したようにレンタカー、シェアカー、シェア自転車、鉄道、バス、フェリー、飛行機等の特定の地点(ステーション)のみで移動の開始と終了が可能な移動手段である。そして、出発地から目的地までの距離が一定距離以上(徒歩で移動可能な上限距離であり、例えば3km以上)で、目的地の近くにいずれかのステーションが存在する場合には、ステーション型移動手段を用いて目的地まで移動する経路を探索すると判定する。上記以外の場合にはステーション型以外の移動手段を用いて目的地まで移動する経路を探索すると判定する。但し、ユーザが自家用車やタクシーなどのステーション型以外の移動手段で目的地まで移動する意図が予め示されている場合については、仮に上記条件に該当する場合であってもステーション型以外の移動手段で目的地まで移動する経路を探索すると判定しても良い。
【0065】
そして、ステーション型移動手段を用いて目的地まで移動する経路を探索すると判定された場合(S21:YES)には、S23へと移行する。それに対して、ステーション型以外の移動手段を用いて目的地まで移動する経路を探索すると判定された場合(S21:NO)には、S22へと移行する。
【0066】
S22においてCPU21は、目的地までの推奨経路の探索を行う。先ず、CPU21は目的地までの移動手段を選択する。移動手段の選択では、例えば自宅が出発地であって目的地までの距離が上限値(例えば3km)以上の場合には移動手段として自家用車を選択する。一方、目的地までの距離が上限値未満の場合には移動手段として徒歩を選択する。上記以外の場合には移動手段としてタクシーを選択する。尚、前記S22では基本的に選択された移動手段で出発地から目的地まで移動するとして推奨経路の探索を行う。但し、自家用車が移動手段である場合には、目的地の近くにある駐車場を結節点とし、駐車場から目的地までは徒歩で移動するとして推奨経路の探索を行う。また、推奨経路の探索には公知のダイクストラ法を用い、コスト値の合計が最小となる経路を推奨経路とする。尚、推奨経路の探索では移動手段に応じたコスト計算を行う。例えば移動手段が自家用車である場合には、国道や県道などの広い道路のコスト値を下げ、移動手段が徒歩である場合には、歩道のある道路のコスト値を下げる。また、特にタクシーを移動手段として用いる場合には配車管理サーバ7からタクシーの空き状況について取得し、空き状況についても考慮して経路の探索を行う。
【0067】
その後、探索されたセンタールートに関する情報を、経路探索要求のあった情報端末5へと配信する(S13)。
【0068】
一方、S23においてCPU21は、先ず出発地の周辺にあるステーションを検索して出発地ステーションとして選択する。同じく、目的地の周辺にあるステーションを検索して目的地ステーションとして選択する。尚、ステーションはステーション型移動手段において移動の開始と終了が可能な場所であり、例えば駅、バス停、フェリー乗り場、空港、レンタカーショップ、シェアカー或いはシェア自転車の貸出及び返却を行う場所等が該当する。また、基本的には出発地から最も近い位置にあるステーションを出発地ステーションとして選択し、目的地から最も近い位置にあるステーションを目的地ステーションとして選択するが、ステーションの種類によって優先順位を設定しても良い。例えば、駅があれば駅を優先的に出発地ステーションや目的地ステーションとして選択しても良い。
【0069】
続いて、S24においてCPU21は、前記S23で選択された出発地ステーションから目的地ステーションまで移動する移動手段を選択し、更に選択した移動手段で出発地ステーションから目的地ステーションまで移動する推奨経路を探索する。ここで、出発地ステーションと目的地ステーションとが同じ移動手段に対応するステーションである場合には、該移動手段が出発地ステーションから目的地ステーションまで移動する移動手段として選択される。例えば、図10に示すように出発地ステーションと目的地ステーションがいずれも駅であれば、出発地ステーションであるA駅から目的地ステーションであるB駅までの経路L2の移動手段はA駅とB駅を繋ぐ鉄道となる。また、出発地ステーションと目的地ステーションがいずれもバス停であれば、移動手段はバス停間を繋ぐバスとなる。出発地ステーションから目的地ステーションまでの推奨経路の探索は、サーバ側地図DB13に格納された移動手段の路線図や時刻表を用いて行われ、基本的に最も所要時間が短くなる経路が探索される。また、特にレンタカー、シェアカー、シェア自転車を移動手段として用いる場合には配車管理サーバ7からそれらの移動手段の空き状況について取得し、空き状況についても考慮して経路の探索を行う。
【0070】
一方、出発地ステーションと目的地ステーションとが異なる移動手段に対応するステーションである場合(例えば出発地ステーションが駅、目的地ステーションがバス停)には、出発地ステーションから移動を開始した第1の移動手段の移動を終了する為のステーション(第1中継ステーション)と、その後に目的地ステーションまで第2の移動手段による移動を開始する為のステーション(第2中継ステーション)を更に追加で選択する。例えば、図11に示すように出発地ステーションが駅で目的地ステーションがバス停であれば、先ず電車を降車するB駅を第1中継ステーションとして選択する。更に、B駅の近くにあってバスの乗車を開始可能なCバス停を第2中継ステーションとして選択する。その後に、出発地ステーションであるA駅から第1中継ステーションであるB駅までの経路L2について鉄道の移動による推奨経路を探索する。更に、第2中継ステーションであるCバス停から目的地ステーションであるDバス停までの経路L4についてバスの移動による推奨経路を探索する。更に、第1中継ステーションであるB駅から第2中継ステーションであるCバス停までの経路L3の推奨経路(基本的には徒歩移動)についても探索する。
【0071】
次に、S25においてCPU21は、出発地から前記S23で選択された出発地ステーションまで移動する移動手段を選択し、更に選択した移動手段で出発地から出発地ステーションまで移動する推奨経路を探索する。移動手段の選択では、例えば自宅が出発地であって出発地ステーションまでの距離が上限値(例えば3km)以上の場合には移動手段として自家用車を選択する。一方、出発地ステーションまでの距離が上限値未満の場合には移動手段として徒歩を選択する。上記以外の場合には移動手段としてタクシーを選択する。尚、前記S25では基本的に選択された移動手段で出発地から出発地ステーションまで移動するとして推奨経路の探索を行う。但し、自家用車が移動手段である場合には、出発地ステーションの近くにある駐車場を結節点とし、駐車場から出発地ステーションまでは徒歩で移動するとして推奨経路の探索を行う。また、推奨経路の探索には公知のダイクストラ法を用い、コスト値の合計が最小となる経路を推奨経路とする。尚、推奨経路の探索では移動手段に応じたコスト計算を行う。例えば移動手段が自家用車である場合には、国道や県道などの広い道路のコスト値を下げ、移動手段が徒歩である場合には、歩道のある道路のコスト値を下げる。また、特にタクシーを移動手段として用いる場合には配車管理サーバ7からタクシーの空き状況について取得し、空き状況についても考慮して経路の探索を行う。
【0072】
続いて、S26においてCPU21は、前記S23で選択された目的地ステーションから目的地まで移動する移動手段を選択し、更に選択した移動手段で目的地ステーションから目的地まで移動する推奨経路を探索する。移動手段の選択は、目的地までの距離が上限値(例えば3km)未満の場合には移動手段として徒歩を選択し、それ以外の場合には移動手段としてタクシーを選択する。尚、前記S26では基本的に選択された移動手段で目的地ステーションから目的地まで移動するとして推奨経路の探索を行う。また、推奨経路の探索には公知のダイクストラ法を用い、コスト値の合計が最小となる経路を推奨経路とする。詳細はS25と同様である。
【0073】
その後、S27においてCPU21は、前記S24~S26で探索された各推奨経路を接続し、最終的に出発地から目的地までの推奨経路(センタールート)とする。その後、探索されたセンタールートに関する情報を、経路探索要求のあった情報端末5へと配信する(S13)。
【0074】
尚、センタールートに関する情報は、センタールートを一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を指定した情報が含まれる。更にセンタールートに移動手段を切り替える結節点が存在する場合には、結節点に関する情報をサーバ側地図DB13から読み出して付加する。結節点としては、例えば駅、バス停、駐車場、レンタカーショップ、フェリー乗り場、空港等が該当し、結節点に関する情報としては例えば結節点の位置、結節点の名称(駅名、バス停名、駐車場名)、駐車場である場合には利用料金や空き状況等が含まれる。尚、前記S23やS24で選択された出発地ステーション、目的地ステーション、第1中継ステーション、第2中継ステーション以外に、ステーション間で乗換を行う為の駅やバス停も結節点となる。自家用車で移動する場合には自家用車を駐車する駐車場も結節点となる。
【0075】
次に、前記S15において実行される再経路探索処理のサブ処理について図12に基づき説明する。図12は再経路探索処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0076】
先ず、S31においてCPU21は、前記S14で情報端末5から受信した経路の再探索要求に基づいて、前記S12で探索されたセンタールートの内、ユーザが編集を希望する区間である変更対象区間を選択する。同じく前記S14で情報端末5から受信した経路の再探索要求に基づいて、変更対象区間においてユーザが移動に用いるのに希望する新たな移動手段についても選択する。
【0077】
続いて、S32においてCPU21は、前記S31で選択したユーザが希望する新たな移動手段がステーション型移動手段であるか否かを判定する。
【0078】
そして、ユーザが希望する新たな移動手段がステーション型移動手段であると判定された場合(S32:YES)には、S34へと移行する。それに対して、ユーザが希望する新たな移動手段がステーション型以外の移動手段であると判定された場合(S32:NO)には、S33へと移行する。
【0079】
S33においてCPU21は、ユーザが編集を希望する変更対象区間の始点から終点までの区間をユーザが希望する新たな移動手段で移動することを探索条件とし、S21~S27の経路探索処理を再度行う。但し、例外的に新たな移動手段が自家用車である場合には、変更対象区間の終点の近くにある駐車場を新たに結節点とし、駐車場から変更対象区間の終点までは徒歩で移動することを探索条件に追加する。そして、新たに探索された出発地から目的地までの推奨経路(新センタールート)に関する情報を経路の再探索要求のあった情報端末5へと配信する(S16)。
【0080】
ここで、前記S33で探索される新センタールートは、ユーザが編集を希望する変更対象区間の始点から終点までの区間をユーザが希望する新たな移動手段で移動する経路となる。尚、新センタールートは、前記S12で探索されたセンタールートと比較して変更対象区間の移動手段のみが単純に入れ替わる経路となる場合もあれば、変更対象区間の移動手段が変更されることに伴って変更対象区間以外の移動手段についても変更される場合や経路自体が大きく変更となる場合もある。また、各結節点及び目的地への到着時刻も変更され、所要時間や移動に必要な料金についても変更される。
【0081】
例えば、図13は変更対象区間として出発地から最初の結節点であるA駅までが選択され、その間の移動手段として新たに自家用車が選択された場合の経路の変化を示した図である。自家用車はステーション型以外の移動手段であるのでステーションを結節点として追加する必要はないが、自家用車を駐車する為の駐車場を経由する必要がある。従って、新センタールートでは変更対象区間の終点、即ちA駅の近くにあるA駅駐車場が新たに結節点として追加され、出発地からA駅駐車場までを自家用車で移動し、A駅駐車場からA駅までは徒歩で移動する経路となる。
【0082】
また、図14は変更対象区間として『出発地からA駅』と『A駅からB駅』の2つの隣接する区間を含む『出発地からB駅』までが選択され、その間の移動手段として新たにタクシーが選択された場合の経路の変化を示した図である。タクシーはステーション型以外の移動手段であるのでステーションを結節点として追加する必要はなく、自家用車と異なり駐車する為の駐車場を経由する必要も無い。従って、新センタールートでは変更対象区間の始点である出発地から変更対象区間の終点であるB駅までをタクシーで移動する経路となる。また、A駅が結節点から除外されることとなる。
【0083】
一方、S34においてCPU21は、ユーザが編集を希望する変更対象区間の始点と終点の少なくとも一方が、ユーザが希望する新たな移動手段に対応するステーションに該当しないか否かを判定する。例えばユーザが希望する新たな移動手段が電車である場合には、変更対象区間の始点と終点がいずれも駅である場合にはNOと判定される。それに対して、変更対象区間の始点と終点の少なくとも一方が駅以外(例えば自宅)である場合にはYESと判定される。
【0084】
そして、ユーザが編集を希望する変更対象区間の始点と終点の少なくとも一方が、ユーザが希望する新たな移動手段に対応するステーションに該当しないと判定された場合(S34:YES)には、S35へと移行する。それに対して、ユーザが編集を希望する変更対象区間の始点と終点のいずれもが、ユーザが希望する新たな移動手段に対応するステーションに該当すると判定された場合(S34:NO)には、S33へと移行する。S33では前述したようにユーザが編集を希望する変更対象区間の始点から終点までの区間をユーザが希望する新たな移動手段で移動することを探索条件とし、S21~S27の経路探索処理を再度行う。
【0085】
ここで、変更対象区間の移動手段をステーション型移動手段へと変更する為には、基本的に変更後の移動手段での移動を開始するステーション及び移動を終了するステーションを結節点として追加する必要がある(S35、S36)。しかしながら、例外的に変更対象区間の始点と終点のいずれもが、変更後の移動手段に対応するステーションに該当する場合にはステーションを結節点として追加することは不要となる。
【0086】
S35においてCPU21は、変更対象区間の始点の周辺においてユーザが希望する新たな移動手段に対応するステーション(例えば新たな移動手段が電車であれば駅)を検索し、変更対象区間の始点から最も近い位置にあるステーションを開始ステーションとして選択する。開始ステーションは、ユーザが希望する新たな移動手段での移動を開始する為のステーションである。尚、変更対象区間の始点がユーザの希望する新たな移動手段に対応するステーションである場合には、S35の開始ステーションの検索及び選択は不要である(変更対象区間の始点が開始ステーションを兼ねることとなる)。基本的には変更対象区間の始点から最も近い位置にあるステーションを開始ステーションとするが、距離以外の基準を用いて開始ステーションを選択しても良い(例えばシェアカーであれば最も利用料金の易い貸し出し場所を選択することも可能である)。
【0087】
更にS36においてCPU21は、変更対象区間の終点の周辺においてユーザが希望する新たな移動手段に対応するステーション(例えば新たな移動手段が電車であれば駅)を検索し、変更対象区間の終点から最も近い位置にあるステーションを終了ステーションとして選択する。終了ステーションは、ユーザが希望する新たな移動手段での移動を終了する為のステーションである。尚、変更対象区間の終点がユーザの希望する新たな移動手段に対応するステーションである場合には、S36の終了ステーションの検索及び選択は不要である(変更対象区間の終点が終了ステーションを兼ねることとなる)。基本的には変更対象区間の終点から最も近い位置にあるステーションを終了ステーションとするが、距離以外の基準を用いて終了ステーションを選択しても良い。
【0088】
その後、S37においてCPU21は、前記S35で選択された開始ステーションから前記S36で選択された終了ステーションまでの区間をユーザが希望する新たな移動手段で移動することを探索条件とし、S21~S27の経路探索処理を再度行う。但し、変更対象区間の始点がユーザの希望する新たな移動手段に対応するステーションである場合には変更対象区間の始点から前記S36で選択された終了ステーションまでの区間をユーザが希望する新たな移動手段で移動することを探索条件とし、変更対象区間の終点がユーザの希望する新たな移動手段に対応するステーションである場合には前記S35で選択された開始ステーションから変更対象区間の終点までの区間をユーザが希望する新たな移動手段で移動することを探索条件とする。また、開始ステーションからユーザが希望する新たな移動手段で移動する場合には変更対象区間の始点から開始ステーションまでは徒歩で移動することを探索条件に追加する。更に終了ステーションでユーザが希望する新たな移動手段の移動を終了する場合には終了ステーションから変更対象区間の終点までは徒歩で移動することを探索条件に追加する。そして、新たに探索された出発地から目的地までの推奨経路(新センタールート)に関する情報を経路の再探索要求のあった情報端末5へと配信する(S16)。
【0089】
ここで、前記S37で探索される新センタールートは、ユーザが編集を希望する変更対象区間の少なくとも一部をユーザが希望する新たな移動手段で移動する経路となる。尚、新センタールートは、前記S12で探索されたセンタールートと比較して変更対象区間の移動手段のみが単純に入れ替わる経路となる場合もあれば、変更対象区間の移動手段が変更されることに伴って変更対象区間以外の移動手段についても変更される場合や経路自体が大きく変更となる場合もある。また、各結節点及び目的地への到着時刻も変更され、所要時間や移動に必要な料金についても変更される。
【0090】
例えば、図15は変更対象区間として出発地から最初の結節点であるA駅までが選択され、その間の移動手段として新たにステーション型移動手段であるバスが選択された場合の経路の変化を示した図である。バスはステーション型移動手段であるのでバスの乗車を開始するステーションとバスの乗車を終了するステーションを結節点として夫々追加する必要がある。従って、新センタールートでは変更対象区間の始点、即ち出発地の近くにある自宅前バス停が新たに結節点として追加され、変更対象区間の終点、即ちA駅の近くにあるA駅前バス停が新たに結節点として追加される。そして、出発地から自宅前バス亭までを徒歩で移動し、自宅前バス停からA駅前バス停までをバスで移動し、A駅前バス停からA駅までは徒歩で移動する経路となる。
【0091】
また、図16は変更対象区間として『出発地からA駅』と『A駅からB駅』の2つの隣接する区間を含む『出発地からB駅』までが選択され、その間の移動手段として新たにステーション型移動手段であるシェアカーが選択された場合の経路の変化を示した図である。シェアカーはステーション型移動手段であるのでシェアカーの乗車を開始するステーションとシェアカーの乗車を終了するステーションを結節点として夫々追加する必要がある。従って、新センタールートでは変更対象区間の始点、即ち出発地の近くにあるシェアカーの貸し出し対応駐車場が新たに結節点として追加され、変更対象区間の終点、即ちB駅の近くにあるシェアカーの返却対応駐車場が新たに結節点として追加される。そして、出発地からシェアカーの貸し出し対応駐車場までを徒歩で移動し、シェアカーの貸し出し対応駐車場から返却対応駐車場までをシェアカーで移動し、返却対応駐車場からB駅までは徒歩で移動する経路となる。一方、A駅は結節点から除外されることとなる。
【0092】
上記S31~S37の処理の結果、ユーザは一旦探索された目的地までの経路を確認した上で、編集したい区間を指定し、更にその区間の移動手段をユーザ側で指定することが可能となる。そして、サーバ装置1ではユーザからの指定に従って経路を再探索するので、再探索された後の新たな経路はユーザの希望に沿った経路とすることが可能となる。
【0093】
但し、上記再経路探索処理では、変更対象区間をユーザが希望する新たな移動手段で移動することが実質的に不可能な状況(例えばその時間帯において交通手段がない)或いは現実的でない(到着時刻が大幅に遅れる)場合については、ユーザが希望する新たな移動手段以外の移動手段で移動する経路が探索される場合もある。
【0094】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るサーバ装置1及びサーバ装置1において実行されるコンピュータプログラムでは、目的地へと到る経路を探索した後に、探索された経路を特定する経路情報をユーザに案内し(S13)、その後のユーザの操作に基づいて、探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択するとともに変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択し(S31)、選択された新たな移動手段で変更対象区間を移動することを条件として、目的地へと到る経路を再度探索する(S33、S37)ので、一旦探索された経路について、ユーザ指定した任意の区間の移動手段をユーザが指定した移動手段で移動する経路へと編集することが可能となるので、ユーザの希望に沿った経路を容易に探索することが可能となる。
【0095】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では目的地までの経路を探索する場合において、移動に用いる移動手段や移動手段を切り替える結節点に加えて、結節点間の具体的な経路(どの道を通るか)についても探索しているが、具体的な経路については探索しないようにしても良い。即ち、移動に用いる移動手段と結節点に関する情報(例えば駅名、電車の発車時刻)のみをユーザに提供するようにしても良い。
【0096】
また、本実施形態ではユーザが編集を希望する変更対象区間を選択する際に、センタールートに含まれる結節点から変更対象区間の始点と終点を夫々選択するようにしているが、変更対象区間の選択方法は他の方法としても良い。例えばルート編集画面55において編集を希望する区間をユーザがドラッグ操作により選択しても良い。また、変更対象区間は必ずしも結節点を始点及び終点とする必要も無い。
【0097】
また、本実施形態では経路探索処理(S12)や再経路探索処理(S15)をサーバ装置1が実行する構成としているが、情報端末5において経路探索処理や再経路探索処理の一部または全部を実行する構成としても良い。その場合には、情報端末5のメモリに地図情報を記憶したり、情報端末5がサーバから地図情報を取得し、それらの地図情報を用いて情報端末5が経路探索処理や再経路探索処理を行うように構成する。即ち、本発明の経路探索装置はサーバ装置1であっても情報端末5であっても良い。
【0098】
また、本実施形態では、情報端末5をスマートフォンに適用した例について説明したが、ユーザに対して探索された経路を案内する機能を有していれば他の種類の情報端末に対して適用することも可能である。例えば携帯電話機、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、車載器であるナビゲーション装置等に適用することが可能である。
【0099】
また、本発明に係る経路探索装置を具体化した実施例について上記に説明したが、経路探索装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
【0100】
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
目的地へと到る経路として、前記経路を一又は複数の区間に区分するとともに区間毎に該区間を移動するのに推奨される移動手段を複数種類の移動手段の内から指定した経路を探索する経路探索手段(21)と、前記経路探索手段により探索された経路である探索経路を特定する経路情報をユーザに案内する経路案内手段(21)と、ユーザの操作に基づいて、前記探索経路に含まれるいずれかの区間を変更対象区間として選択する区間選択手段と(21)、ユーザの操作に基づいて、前記変更対象区間を移動する為の新たな移動手段を選択する移動手段選択手段と(21)、前記移動手段選択手段によって選択された新たな移動手段で前記変更対象区間を移動することを条件として、前記目的地へと到る経路を再度探索する経路再探索手段(21)と、を有する。
上記構成を有する経路探索装置によれば、複数種類の移動手段から移動に用いる移動手段を選択して経路の探索を行う場合において、一旦探索された経路について、ユーザ指定した任意の区間の移動手段をユーザが指定した移動手段で移動する経路へと編集することが可能となるので、ユーザの希望に沿った経路を容易に探索することが可能となる。
【0101】
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記区間選択手段(21)は、隣接する複数の区間を併せて前記変更対象区間として選択し、前記移動手段選択手段(21)は、前記変更対象区間として選択された隣接する複数の区間を移動する為の新たな移動手段を選択する。
上記構成を有する経路探索装置によれば、一旦案内された経路に対して、ユーザが移動手段を切り替える結節点を変更したい場合や結節点を減らしたい場合(例えば乗車駅を変更したい場合や降車駅を変更したい場合等)において、ユーザの希望に沿った経路を容易に探索することが可能となる。
【0102】
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記移動手段選択手段(21)は、前記変更対象区間として選択された隣接する複数の区間に対して一の移動手段を選択し、前記経路再探索手段(21)は、前記変更対象区間として選択された隣接する複数の区間の始点から終点までを前記移動手段選択手段によって選択された移動手段で移動することを条件として、前記目的地へと到る経路を再度探索する。
上記構成を有する経路探索装置によれば、一旦案内された経路に対して、ユーザが移動手段を切り替える結節点を減らしたい場合(例えば乗り換えの回数を減らしたい場合等)において、ユーザの希望に沿った経路を容易に探索することが可能となる。
【0103】
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記探索経路は、移動手段を切り替える結節点で複数の区間に区分される。
上記構成を有する経路探索装置によれば、移動手段を切り替える結節点で区切った経路をユーザに案内するので、複数の移動手段を乗り継いて移動する経路であっても、ユーザに分かり易く案内することが可能となる。
【0104】
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記経路案内手段(21)は、前記経路情報として前記探索経路に含まれる結節点、前記探索経路の始点、前記探索経路の終点を夫々案内し、前記経路案内手段(21)により案内された前記結節点、前記探索経路の始点、前記探索経路の終点の内、ユーザが指定した第1の地点からユーザが指定した第2の地点までの間の区間を前記変更対象区間として選択する。
上記構成を有する経路探索装置によれば、移動手段を切り替える結節点で区切った経路をユーザに案内するとともに、ユーザは案内された結節点を用いて経路の編集を希望する区間を容易に指定することが可能となる。
【0105】
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記結節点は、駅、バス停、駐車場、レンタカーショップ、フェリー乗り場、空港のいずれかである。
上記構成を有する経路探索装置によれば、移動手段を切り替える結節点で区切った経路をユーザに案内するので、電車、バス、自家用車、レンタカー、フェリー、航空機等の複数の移動手段を乗り継いて移動する経路であっても、ユーザに分かり易く案内することが可能となる。
【符号の説明】
【0106】
1…サーバ装置、2…経路探索システム、3…地図情報センタ、4…ユーザ、5…情報端末、6…通信ネットワーク網、7…配車管理サーバ、21…CPU、22…RAM、23…ROM、24…フラッシュメモリ、51,61…経路案内画面、55…ルート編集画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16