(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061144
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】端末、端末の動作方法、データ収集システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20220411BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20220411BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W4/38
H04Q9/00 311J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168946
(22)【出願日】2020-10-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.展示日 2019年10月10日VI&KAIZEN推進フォーラム2019in大阪・マイスターズカップ2019in大阪にて、森田 賢徳、本田 新九郎、石原 達也、仁木 智子、中川 知子及び黒木 洋平が発明した「端末、端末の動作方法、データ収集システム、およびプログラム」を公開した。 2.展示日 2019年11月15日 NTT R&Dフォーラム2019にて、森田 賢徳、本田 新九郎、石原 達也、仁木 智子、中川 知子及び黒木 洋平が発明した「端末、端末の動作方法、データ収集システム、およびプログラム」を公開した。 3.発行日 2020年1月1日 月刊ビジネスコミュニケーションにて、森田 賢徳、本田 新九郎、石原 達也、仁木 智子、中川 知子及び黒木 洋平が発明した「端末、端末の動作方法、データ収集システム、およびプログラム」を公開した。 4.発行日 2020年4月1日NTT技術ジャーナルにて、森田 賢徳、本田 新九郎、石原 達也、仁木 智子、中川 知子及び黒木 洋平が発明した「端末、端末の動作方法、データ収集システム、およびプログラム」を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】森田 賢徳
(72)【発明者】
【氏名】本田 新九郎
(72)【発明者】
【氏名】石原 達也
(72)【発明者】
【氏名】仁木 智子
(72)【発明者】
【氏名】中川 知子
(72)【発明者】
【氏名】黒木 洋平
【テーマコード(参考)】
5K048
5K067
【Fターム(参考)】
5K048AA16
5K048BA34
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB10
5K048FA07
5K048GC03
5K048HA04
5K048HA06
5K067AA43
5K067BB27
5K067CC22
5K067DD27
5K067EE02
(57)【要約】
【課題】デバイスの誤起動や意図しない起動を抑えてデバイスの省電力化を実現する。
【解決手段】移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置2に対してデータを送信するデバイス1であって、検針部11と、収集装置2との間で無線通信を行う通信部13と、デバイス1の動作モードを起動信号を受信する省電力モードと起動信号を受信しないスリープモードに切り替えるモード切替部12を備える。通信部13は、省電力モードにおいて起動信号を受信したときに検針部11の取得したデータを送信し、モード切替部12は、データの送信後にスリープモードに切り替える。モード切替部12は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える。モード切替部12は、収集装置2からACKを受信したときは、α日間のスリープモードに切り替え、ACKを受信していないときは、α日よりも短いβ日間のスリープモードに切り替える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置に対してデータを送信する端末であって、
センサと、
前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、
前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、
前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、データの送信後にスリープモードに切り替え、
前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える端末。
【請求項2】
請求項1に記載の端末であって、
前記切替部は、前記収集装置から前記データに対する応答を受信したときは、第1期間のスリープモードに切り替え、前記応答を受信していないときは、前記第1期間よりも短い第2期間のスリープモードに切り替える端末。
【請求項3】
移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置に対してデータを送信する端末の動作方法であって、
前記収集装置との間で無線通信を行う処理と、
前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える処理を有し、
省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときにセンサの取得したデータを送信し、データの送信後にスリープモードに切り替え、
スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える端末の動作方法。
【請求項4】
請求項3に記載の端末の動作方法であって、
前記収集装置から前記データに対する応答を受信したときは、第1期間のスリープモードに切り替え、前記応答を受信していないときは、前記第1期間よりも短い第2期間のスリープモードに切り替える端末の動作方法。
【請求項5】
移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置、前記収集装置に対してデータを送信する端末、およびサーバを備えるデータ収集システムであって、
前記端末は、
センサと、
前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、
前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、
前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、データの送信後にスリープモードに切り替え、
前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替え、
前記サーバは、
前記端末を管理する端末管理部と、
前記端末と前記収集装置の位置関係に基づいて前記収集装置の移動経路を決定し、前記収集装置に移動経路を指示する収集装置管理部を備える
データ収集システム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の端末の各部としてコンピュータを動作させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末、端末の動作方法、データ収集システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)サービスでは、デバイスがデータを直接インターネットへ送信せずに、デバイスと無線通信を行うGW(Gateway)がデバイスの取得したデータをインターネットへ中継することがある。ビルの屋上等に固定型GWを設置した場合、電波が届きにくいエリア(不感地)への対策とデバイスの電源確保が課題となっている。例えば、LPWA(Low Power Wide Area)を利用しガスや水道等の遠隔検針を実施する場合、デバイスが鉄蓋等に覆われているため電波環境が悪いことがある。また、デバイスの交換頻度は8年に1回であり、その間の電池交換は難しいためデバイスの省電力化技術が必須となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両にGWを搭載して巡回し、GWからデバイスに対して起動信号を発信して省電力待機しているデバイスを起動して、デバイスからデータを収集することにより、デバイスの省電力化を図りつつ、電波環境の悪い場所でのデータ収集が実現できる技術が検討されている。
【0005】
しかしながら、都市部等のデバイスが密集するエリアでは、すでにデータ収集を終えたデバイスが再度起動したり、外来波により意図しない起動が発生したりすることで、電力を消耗してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、デバイスの誤起動や意図しない起動を抑えてデバイスの省電力化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の端末は、移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置に対してデータを送信する端末であって、センサと、前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、データの送信後にスリープモードに切り替え、前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える。
【0008】
本発明の一態様のデータ収集システムは、移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置、前記収集装置に対してデータを送信する端末、およびサーバを備えるデータ収集システムであって、前記端末は、センサと、前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、データの送信後にスリープモードに切り替え、前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替え、前記サーバは、前記端末を管理する端末管理部と、前記端末と前記収集装置の位置関係に基づいて前記収集装置の移動経路を管理する収集装置管理部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デバイスの誤起動や意図しない起動を抑えてデバイスの省電力化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態のデバイスと収集装置の使用態様の一例を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のデバイスと収集装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、デバイスと収集装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、デバイスと収集装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、デバイスと収集装置の通信状況の分類パターンの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、サーバが収集装置に指示を出す実施例の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のデバイスと収集装置の使用態様を説明するための図である。
【0012】
デバイス1は、IoTデバイスであり、例えばガスや水道のスマートメーターである。デバイス1は、起動信号を受信するとデバイス起動し、デバイス1の取得したデータを送信する。なお、デバイス1はスマートメーターに限らず、何らかの状態をセンシングしてセンシングデータを送信する端末であればよい。
【0013】
収集装置2は、IoTゲートウェイであり、車両などの移動体に搭載される。収集装置2を人が運んでもよい。収集装置2は、移動しながら起動信号を送信してデバイス1を起動するとともに、デバイス1の送信するデータを受信する。移動しながらとは、動いている状態だけでなく、一時停止した状態も含む。収集装置2を載せた車両で巡回することで、巡回経路沿いのデバイス1からデータを収集できる。
【0014】
図2を参照し、デバイスと収集装置の構成について説明する。
【0015】
デバイス1は、検針部11、モード切替部12、および通信部13を備える。
【0016】
検針部11は、センサであり、ガスや水道のメーターを検針する。
【0017】
モード切替部12は、収集装置2との間の通信状況に応じて、デバイス1の動作モードを省電力モードとスリープモードに切り替える。デバイス1は、省電力モードでは起動信号を間欠受信する。デバイス1は、起動信号を受信したときに起動して、検針部11の取得したデータを送信し、データ送信後にスリープモードに移行する。デバイス1は、スリープモードでは起動信号の受信動作を行わない。スリープモードでは受信動作を行わないので、起動信号が届いても起動せず、消費電力を抑えることができる。デバイス1は、スリープモードに移行後、所定期間経過後に省電力モードに移行する。
【0018】
通信部13は、無線通信により、収集装置2との間で通信を行う。具体的には、通信部13は、起動信号の受信、データの送信、およびデータ送信に対する応答(ACK)の受信を行う。通信部13は、起動信号を受信すると、検針部11の取得したデータを送信し、データに対するACKを受信する。
【0019】
収集装置2は、起動制御部21、蓄積部22、通信部23、およびデバイス情報管理部24を備える。
【0020】
起動制御部21は、通信部23を介して起動信号を送信する。なお、起動信号の送信はブロードキャスト送信、マルチキャスト送信、またはユニキャスト送信等でもよい。
【0021】
蓄積部22は、デバイス1から受信したデータを蓄積する。収集装置2は、デバイス1から受信したデータをネットワーク上のサーバへ転送してもよい。データを転送する場合、収集装置2は蓄積部22を備えなくてもよい。
【0022】
通信部23は、無線通信により、デバイス1との間で通信を行う。具体的には、通信部23は、起動信号の送信、データの受信、およびACKの送信を行う。
【0023】
デバイス情報管理部24は、エリア内のデバイス1の位置を管理する。デバイス情報管理部24は、各デバイス1からのデータの受信状況に基づいて動作モードを把握してもよい。例えば、デバイス1からデータを受信した後は、そのデバイス1はスリープモードであると推定でき、データ受信後、所定期間経過後は、そのデバイス1は省電力モードであり、起動信号を間欠受信していると推定できる。サーバがデバイス情報管理部を持つ場合、収集装置2はデバイス情報管理部24を備えなくてもよい。
【0024】
デバイス1および収集装置2が備える各部は、演算処理装置、記憶装置等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムはデバイス1および収集装置2が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0025】
次に、
図3のシーケンス図を参照し、デバイスと収集装置の動作について説明する。
図3では、検針が終了してスリープモードのデバイスA、検針が終了していない省電力モードのデバイスB、およびデバイスA,Bの近くを巡回中の収集装置を示している。
【0026】
ステップS101にて、収集装置は、起動信号を無線で送信する。起動信号は、デバイスA,Bの両方に到達するが、スリープモードのデバイスAは起動信号が届いても受信せず、省電力モードのデバイスBは起動信号を受信する。
【0027】
ステップS102にて、デバイスBは、省電力モードから起動し、ステップS103にて、データを送信する。送信するデータは起動時に取得してもよいし、所定のタイミングで取得したものでもよい。
【0028】
収集装置は、デバイスBからデータを受信すると、ステップS104にて、デバイスBに対してACKを送信する。
【0029】
デバイスBは、収集装置からACKを受信すると、ステップS105にて、α日間のスリープモードに移行する。スリープモード期間αは、例えば通常の検針周期であり、ガスや水道の遠隔検針であれば翌月の検針までの1ヶ月間というように任意の期間を設定できる。スリープモードに移行後、デバイスBは起動信号が届いても受信せず、起動することはない。
【0030】
α日経過後、ステップS106にて、デバイスBは、スリープモードから省電力モードへ移行する。
【0031】
なお、デバイスAも、スリープモードからα日経過後に、スリープモードから省電力モードへ移行する。
【0032】
次に、
図4のフローチャートを参照し、デバイスが起動しない場合や収集装置がデータを受信できない場合を含めたデバイスと収集装置の動作について説明する。
【0033】
本実施形態では、デバイス1と収集装置2の通信状況を
図5(A)から
図5(D)の4つのパターンA~Dに分け、パターンA~Dごとにデバイス1の動作を変化させた。
図5(A)のパターンAは、デバイス1に起動信号が届いていない場合、またはデバイス1に起動信号が届いたがデバイス1は起動失敗した場合であり、
図5(B)のパターンBは、デバイス1はアップリンクしたが、収集装置2に届いていない場合であり、
図5(C)のパターンCは、デバイス1はアップリンクして収集装置2に届いたが、デバイス1にACKが届いていない場合であり、
図5(D)のパターンDは、デバイス1はアップリンクして収集装置2に届き、デバイス1にACKが届いた場合である。
【0034】
図4のフローチャートの処理を開始する時点でデバイス1は省電力モードであるとする。
【0035】
ステップS201にて、収集装置2は、起動信号を送信する。収集装置2は、所定のエリア内を移動しながら起動信号を送信し続ける。
【0036】
ステップS202にて、デバイス1の処理は、デバイス1が起動した場合と、デバイス1が起動していない場合とで分岐する。デバイス1に起動信号が届いた場合はデバイス1は起動し、デバイス1に起動信号が届いていない場合はデバイス1は起動しない。デバイス1が起動していない場合には、デバイス1に起動信号が届いたがデバイス1の起動が失敗した場合も含まれる。
【0037】
デバイス1が起動してない場合、ステップS203にて、デバイス1は、省電力モードでの起動信号の間欠受信を継続する。デバイス1が起動していない場合は、パターンAに相当する。
【0038】
ステップS204にて、デバイス1による検針処理は、指定期間内か否かで分岐する。指定期間とは、収集装置2によってデータ収集する期間であり、任意の期間を設定できる。例えば、収集装置2によって10日間のデータ収集を行う場合、開始日から10日以内は指定期間内である。
【0039】
指定期間内の場合、ステップS201に戻り、ステップS202にて、デバイス1の起動を再度判定する。
【0040】
指定期間を過ぎた場合、デバイス1は電波が届かない不感地エリアに存在するか、デバイス1は起動できない状態であるので、ステップS210に進み、専属検針を実施する。専属検針では、例えば検査員が現地に出向いて検針する。デバイス1は、ステップS210の専属検針に進むときに、α日間のスリープモードに移行してもよい。
【0041】
デバイス1が起動した場合、ステップS205にて、デバイス1はデータを送信する。収集装置2はデータを受信するとACKを返信する。
【0042】
ステップS206にて、デバイス1は、収集装置2からACKを受信したか否か判定する。
【0043】
デバイス1がACKを受信していない場合、ステップS207にて、デバイス1は、β日間のスリープモードに移行する。βは、通常検針周期のαよりも短い1日などの短期間であり、指定期間内で収集装置2が巡回する周期に基づいて任意の期間を設定できる。例えば、収集装置2が毎日巡回する場合は、βを1日に設定する。βは時間単位で設定してもよい。
【0044】
デバイス1がACKを受信していない場合は、パターンBまたはパターンCに相当する。パターンCでは、収集装置2はデータを受信したが、デバイス1はACKを受信できてないので、デバイス1は収集装置2がデータを受信したことを検知できない。
【0045】
β日間のスリープモードが満了すると、デバイス1は省電力モードに移行し、ステップS208にて、データの通算送信回数mが任意の指定回数nに達したか否か判定する。β日間のスリープモードに移行するまえに送信回数を判定してもよい。
【0046】
送信回数mが指定回数nに達していない場合、ステップS204に進み、指定期間内であるか否か判定し、指定期間内の場合はステップS201に戻る。
【0047】
送信回数mが指定回数nに達した場合、デバイス1は起動信号が届いて起動できるが、収集装置2との間でデータ送受信ができないギリギリの範囲に存在するので、ステップS210に進み、専属検針を実施する。なお、収集装置2がデータを受信したパターンCのときは、デバイス1からデータを収集できているので専属検針をしなくてもよい。デバイス1は、ステップS210の専属検針に進むときに、α日間のスリープモードに移行してもよい。
【0048】
デバイス1がACKを受信した場合、デバイス1の送信したデータは収集されたので、ステップS209にて、デバイス1は、通常検針を完了し、α日間のスリープモードに移行する。デバイス1がデータの送信に対するACKを受信した場合は、パターンDに相当する。
【0049】
α日間のスリープモードが満了すると、デバイス1は省電力モードに移行し、ステップS201からの処理を繰り返す。
【0050】
なお、α,βの日数については、サービス開始時はサービスに応じて固定するが、各パターンのデータ収集の成功率のデータを分析し、収集装置2を搭載する車両の動きに対して、より効率的にデータ収集できるようにα,βを変化させてもよい。
【0051】
次に、
図6を参照し、エリア内に複数の収集装置2が存在し、サーバ3がエリア内のデバイス1と収集装置2の位置関係を把握している実施例について説明する。
【0052】
図6の実施例では、エリア内に複数の収集装置2が存在し、ネットワークを介してサーバ3に接続されている。サーバ3は、収集装置2とデバイス1の位置関係を把握し、収集装置2に移動経路を指示する。収集装置2のそれぞれがデバイス1から収集したデータは、ネットワークを介してサーバ3へ送信される。
【0053】
図6に示すサーバ3は、デバイス情報管理部31、収集装置管理部32、表示部33、蓄積部34、および通信部35を備える。
【0054】
デバイス情報管理部31は、エリア内のデバイス1の位置を管理する。デバイス情報管理部31は、各デバイス1からのデータの受信状況に基づいて動作モードを把握してもよい。例えば、デバイス1からデータを受信した後は、そのデバイス1はスリープモードであると推定でき、データ受信後、所定期間経過後は、そのデバイス1は省電力モードであり、起動信号を間欠受信していると推定できる。
【0055】
収集装置管理部32は、エリア内の収集装置2のそれぞれの位置を管理し、デバイス1と収集装置2の位置関係に基づいて収集装置2の移動経路を決定し、収集装置2へ指示する。収集装置管理部32は、省電力モードのデバイス1が存在する経路を収集装置2が通るように移動経路を決定してもよい。収集装置管理部32は、収集装置2が複数台存在する場合は、移動経路が重複しないように調整する。収集装置管理部32は、収集装置2がデバイス1の近くを通過するときに、起動信号を送信するように指示してもよい。
【0056】
表示部33は、収集装置2が収集したデータを可視化して表示する。
【0057】
蓄積部34は、収集装置2が収集したデータを蓄積する。
【0058】
通信部35は、収集装置2に対して指示を送信するとともに、収集装置2からデータを受信する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のデバイス1は、移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置2に対してデータを送信するデバイス1であって、検針部11と、収集装置2との間で無線通信を行う通信部13と、デバイス1の動作モードを起動信号を受信する省電力モードと起動信号を受信しないスリープモードに切り替えるモード切替部12を備える。通信部13は、省電力モードにおいて起動信号を受信したときに検針部11の取得したデータを送信し、モード切替部12は、データの送信後にスリープモードに切り替える。モード切替部12は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える。これにより、デバイス1は、データ送信後にスリープモードに移行するので、誤起動や意図しない起動を抑え、省電力化を実現できる。
【0060】
本実施形態によれば、モード切替部12は、収集装置2からACKを受信したときは、α日間のスリープモードに切り替え、ACKを受信していないときは、α日よりも短いβ日間のスリープモードに切り替える。これにより、デバイス1の送信したデータが受信されていない場合に、収集装置2の巡回タイミングに合わせてデバイス1をスリープモードに移行させて、省電力化を実現できる。
【0061】
本実施形態によれば、エリア内に複数の収集装置2が存在する場合、サーバ3がデバイス1と収集装置2の位置関係を把握し、収集装置2に移動経路を指示することにより、無駄な起動を抑え、効率的なデータ収集を実現できる。
【符号の説明】
【0062】
1…デバイス
11…検針部
12…モード切替部
13…通信部
2…収集装置
21…起動制御部
22…蓄積部
23…通信部
24…デバイス情報管理部
3…サーバ
31…デバイス情報管理部
32…収集装置管理部
33…表示部
34…蓄積部
35…通信部
【手続補正書】
【提出日】2022-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置に対してデータを送信する端末であって、
センサと、
前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、
前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、
前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、前記収集装置から前記データに対する応答を受信したときは、第1期間のスリープモードに切り替え、前記応答を受信していないときは、前記第1期間よりも短い第2期間のスリープモードに切り替え、
前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える端末。
【請求項2】
移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置に対してデータを送信する端末の動作方法であって、
前記収集装置との間で無線通信を行う処理と、
前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える処理を有し、
省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときにセンサの取得したデータを送信し、前記収集装置から前記データに対する応答を受信したときは、第1期間のスリープモードに切り替え、前記応答を受信していないときは、前記第1期間よりも短い第2期間のスリープモードに切り替え、
スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える端末の動作方法。
【請求項3】
移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置、前記収集装置に対してデータを送信する端末、およびサーバを備えるデータ収集システムであって、
前記端末は、
センサと、
前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、
前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、
前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、前記収集装置から前記データに対する応答を受信したときは、第1期間のスリープモードに切り替え、前記応答を受信していないときは、前記第1期間よりも短い第2期間のスリープモードに切り替え、
前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替え、
前記サーバは、
前記端末を管理する端末管理部と、
前記端末と前記収集装置の位置関係に基づいて前記収集装置の移動経路を決定し、前記収集装置に移動経路を指示する収集装置管理部を備える
データ収集システム。
【請求項4】
請求項1に記載の端末の各部としてコンピュータを動作させるプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の一態様の端末は、移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置に対してデータを送信する端末であって、センサと、前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、前記収集装置から前記データに対する応答を受信したときは、第1期間のスリープモードに切り替え、前記応答を受信していないときは、前記第1期間よりも短い第2期間のスリープモードに切り替え、前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一態様のデータ収集システムは、移動しながら起動信号を無線で送信する収集装置、前記収集装置に対してデータを送信する端末、およびサーバを備えるデータ収集システムであって、前記端末は、センサと、前記収集装置との間で無線通信を行う通信部と、前記端末の動作モードを前記起動信号を受信する省電力モードと前記起動信号を受信しないスリープモードに切り替える切替部を備え、前記通信部は、省電力モードにおいて前記起動信号を受信したときに前記センサの取得したデータを送信し、前記切替部は、前記収集装置から前記データに対する応答を受信したときは、第1期間のスリープモードに切り替え、前記応答を受信していないときは、前記第1期間よりも短い第2期間のスリープモードに切り替え、前記切替部は、スリープモードにおいて所定の期間経過後に省電力モードに切り替え、前記サーバは、前記端末を管理する端末管理部と、前記端末と前記収集装置の位置関係に基づいて前記収集装置の移動経路を決定し、前記収集装置に移動経路を指示する収集装置管理部を備える。