(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061160
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】駐車場利用情報検出システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20220411BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020168973
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】大橋 大
(72)【発明者】
【氏名】石川 健
(72)【発明者】
【氏名】前山田 信
(72)【発明者】
【氏名】堀 敬滋
(72)【発明者】
【氏名】若林 賢
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA01
2F129BB03
2F129DD20
2F129DD38
2F129DD39
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2F129HH02
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2F129HH33
2F129HH35
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF33
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対するユーザの利用の苦手度合いを検出することを可能にした駐車場利用情報検出システムを提供する。
【解決手段】駐車場の入場口又は退場口でのドアの開閉、シフト位置の変位、停車時間の少なくとも一つを駐車場における車両の挙動として取得し、取得した各情報に基づいて駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対する車両に乗車するユーザの利用の苦手度合いを検出し、検出したユーザの利用の苦手度合いを用いた各種支援を行うように構成する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場における車両の挙動を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対する前記車両に乗車するユーザの利用の苦手度合いを検出するユーザ情報検出手段と、を有する駐車場利用情報検出システム。
【請求項2】
前記駐車場の入場口又は退場口に係る種別は、入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機の設置状況によって区分される種別である請求項1に記載の駐車場利用情報検出システム。
【請求項3】
前記情報取得手段は、駐車場の入場口又は退場口でのドアの開閉、シフト位置の変位、停車時間の少なくとも一つを前記駐車場における車両の挙動として取得する請求項1又は請求項2に記載の駐車場利用情報検出システム。
【請求項4】
所定の検索条件に該当する駐車場を検索するとともに検索された駐車場に関する情報をユーザに提供する駐車場情報提供手段を有し、
前記駐車場情報提供手段は、前記ユーザ情報検出手段によって検出された前記ユーザの利用の苦手度合いを用いて駐車場の検索又は情報提供を行う請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の駐車場利用情報検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両から取得した情報に基づいて駐車場の種別に対するユーザの利用の苦手度合いを検出する駐車場利用情報検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車でユーザが移動する場合において、車を駐車する場所となる駐車場に関する情報は、ユーザにとって重要な情報となる。一方で、駐車場には様々な種別(形式、構造、タイプ)が存在し、種別によっては特定のユーザから利用を避けられる場合もある。従って、駐車場に関する情報提供を適切な内容により行う為には、ユーザ毎に利用し易い駐車場の種別や利用し難い駐車場の種別について情報提供を行う装置側が把握する必要がある。例えば特開2019-152992号公報には、ユーザが過去に駐車場内で行った前向きの駐車回数、後ろ向きの駐車回数、右側に切り返した回数、左側に切り返した回数等を収集してユーザの運転傾向を把握し、ユーザにとって利用をし易い駐車場や利用し難い駐車場を識別して提供する技術について提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-152992号公報(第5-6頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では情報提供を行う装置側において、駐車場内に設けられた駐車スペースに対してユーザが駐車操作を行い易い駐車場をユーザが利用し易い駐車場であると判定し、駐車スペースに対してユーザが駐車操作を行い難い駐車場をユーザが利用し難い駐車場であると判定している。例えば、左旋回での駐車時に切り返しが多いユーザは、左旋回での駐車が苦手と判定し、右旋回での駐車が可能な駐車スペースを備える駐車場をユーザが利用し易い駐車場とする。
【0005】
しかしながら、駐車場に対するユーザの利用のし易さは、駐車スペースへの駐車操作のし易さのみによって決まるものではなく、駐車場の入場口や退場口に係る要因も大きい。例えば、入場口や退場口において発券や精算を行う必要のある駐車場では、入場口や退場口において一方向に寄せる必要があるが、そのような車を一方向に寄せる操作が苦手なユーザもある。上記特許文献1ではそのような駐車場の入場口や退場口の種別に対するユーザの苦手度合いを把握する為の手段を有しておらず、ユーザに対する適切な情報提供を行うことはできなかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、車両から取得した駐車場における車両の挙動に関する情報に基づいて、駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対するユーザの利用の苦手度合いを検出することを可能にした駐車場利用情報検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本発明に係る駐車場利用情報検出システムは、駐車場における車両の挙動を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得した情報に基づいて、駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対する前記車両に乗車するユーザの利用の苦手度合いを検出するユーザ情報検出手段と、を有する。
また、「ユーザの利用の苦手度合い」とは、ユーザが駐車場で駐車を行う場合の駐車のし易さ(ユーザの主観による利用難易度)にも相当する。即ち、ユーザの苦手度合いが低い種別の駐車場はユーザにとって駐車がし易い駐車場であり、ユーザの苦手度合いの高い種別の駐車場はユーザにとって駐車がし難い駐車場である。
【発明の効果】
【0008】
前記構成を有する本発明に係る駐車場利用情報検出システムによれば、車両から取得した駐車場における車両の挙動に関する情報に基づいて、駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対するユーザの利用の苦手度合いを検出することが可能となる。その結果、例えば車で移動するユーザに対して、ユーザにとって適切な駐車場に関する情報提供を行う等の各種の支援が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る駐車場利用情報検出システムを示した概略構成図である。
【
図2】本実施形態に係る駐車場利用情報検出システムの構成を示したブロック図である。
【
図3】プローブ情報DBに記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。
【
図4】駐車場挙動履歴DBに記憶される駐車場挙動情報の一例を示した図である。
【
図5】ユーザ情報DBに記憶されるユーザ情報の一例を示した図である。
【
図6】駐車場種別DBに記憶される駐車場種別情報の一例を示した図である。
【
図7】本実施形態に係るナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係るユーザ情報検出処理プログラムのフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る第1の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る第2の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る第3の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係る駐車場種別検出処理プログラムのフローチャートである。
【
図14】本実施形態に係る情報提供処理プログラムのフローチャートである。
【
図15】駐車場の検索結果の案内例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る駐車場利用情報検出システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る駐車場利用情報検出システム1の概略構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る駐車場利用情報検出システム1を示した概略構成図である。
図2は本実施形態に係る駐車場利用情報検出システム1の構成を示したブロック図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る駐車場利用情報検出システム1は、プローブセンタ2が備えるサーバ装置(駐車場利用情報検出装置)3と、車両4に搭載された通信(案内)端末であるナビゲーション装置5と、を基本的に有する。また、サーバ装置3とナビゲーション装置5は通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、ナビゲーション装置5の代わりに、例えば車両4が備える他の車載器や車両4を制御する車両制御ECUを用いても良い。また、後述のようにサーバ装置3において生成された情報を提供する対象として、ナビゲーション装置以外の通信端末(例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等)を駐車場利用情報検出システム1に更に含めても良い。
【0012】
ここで、本実施形態に係る駐車場利用情報検出システム1は所謂プローブカーシステムを構成する。ここで、プローブカーシステムとは、車両4をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両4が速度データをはじめ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPSの位置情報とともに予め車両4に搭載された通信装置を介してプローブセンタ2に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として再利用するシステムをいう。
【0013】
そして、プローブセンタ2が備えるサーバ装置3は、全国を走行する各車両4から現在時刻や走行情報等を含むプローブ情報(材料情報)を適宜収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報から各種支援情報(例えば駐車場の種別に対するユーザの利用の苦手度合い、駐車場の種別情報、事故情報、渋滞情報、旅行時間等)を生成し、生成された支援情報をナビゲーション装置5に対して配信したり、支援情報を用いた各種処理を行う情報管理サーバである。特に本実施形態では、サーバ装置3は、車両4の駐車場での挙動に関する情報等を各車両4から収集し、収集した情報を分析することによって情報を収集した各車両の乗員であるユーザの駐車場の種別に対する利用の苦手度合いを特定したユーザ情報を生成する。更に、同じく車両4の駐車場での挙動に関する情報等を各車両4から収集し、収集した情報と地図情報とを組み合わせることによって、全国の各駐車場の入場口又は退場口に係る種別を特定した駐車場種別情報を生成する。更に、サーバ装置3はナビゲーション装置5からの要求に基づいてサーバ装置3が備える地図情報を用いて施設検索や経路探索に係る処理を行うが、その場合に特に駐車場の情報を提供する場合において、上記ユーザ情報と駐車場種別情報とを用いた処理を行う。例えば、ユーザが利用を苦手とする種別の駐車場以外を優先的に検索結果として提供する。
【0014】
一方、ナビゲーション装置5は、車両4に搭載され、格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、地図画像上において車両の現在位置を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置5は特にユーザ情報について考慮した駐車場に関する情報提供についても行う。尚、ナビゲーション装置5の詳細については後述する。
【0015】
また、通信ネットワーク網6は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局はナビゲーション装置5との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網6の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にあるナビゲーション装置5の通信をサーバ装置3との間で中継する役割を持つ。
【0016】
続いて、駐車場利用情報検出システム1が有するサーバ装置3の構成について
図2を用いてより詳細に説明する。
【0017】
サーバ装置3は、
図2に示すようにサーバ制御部11と、サーバ制御部11に接続された情報記録手段としてのプローブ情報DB12と、駐車場挙動履歴DB13と、ユーザ情報DB14と、駐車場種別DB15と、サーバ側地
図DB16と、センタ通信装置17と、を基本的に有する。
【0018】
サーバ制御部11は、サーバ装置3の全体の制御を行う制御ユニット(MCU、MPU等)であり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述のユーザ情報検出処理プログラム(
図8参照)、駐車場種別検出処理プログラム(
図13参照)、情報提供処理プログラム(
図14参照)等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御部11は、後述のナビゲーション装置5のECUとともに処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、情報取得手段は、駐車場における車両の挙動を取得する。ユーザ情報検出手段は、情報取得手段により取得した情報に基づいて、駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対する車両に乗車するユーザの利用の苦手度合いを検出する。
【0019】
また、プローブ情報DB12は、全国を走行する各車両4から収集したプローブ情報を累積的に記憶する記憶手段である。尚、本実施形態においては、車両4から収集されるプローブ情報として、特に(a)日時とその日時における(b)車両4が走行する地域の地域コード、(c)車両4が走行するリンク、(d)車両4の進行方向(正方向又は逆方向)、(e)リンク始点(終点)からの走行距離、(f)車両4の車速、(g)車両4のシフト位置、(h)車両4のドアの開閉状態、(i)車両4の窓の開閉状態、が含まれる。
【0020】
尚、『リンク始点』と『リンク終点』は車両の進行方向に依存せずリンクの両端(ノード)に対して夫々設定された属性である。そして、車両の進行方向はリンク始点からリンクに進入してリンク終点から退出する方向を“正方向”、リンク終点からリンクに進入してリンク始点から退出する方向を“逆方向”と定義する。
【0021】
但し、プローブ情報としては上記(a)~(i)に関する情報を必ずしも全て含む必要はなく、また、(a)~(i)以外の情報(例えばブレーキ操作量、ヨーレート、加速度、ドライブレコーダ画像、ステアリング角度等)を含む構成としても良い。
【0022】
図3はプローブ情報DB12に記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。
図3に示すように、プローブ情報は、送信元の車両を識別する車両IDと、上記(a)~(i)に関する情報等が含まれる。例えば、
図3に示すプローブ情報は、ID“A”の車両4が地域コード“11”内にあるID“100001”のリンクの正方向の走行中において、3月2日の9:00:00.80にリンク始点から40m離れた地点で停車し、その後にシフト位置を『D』から『P』へと変更した上で運転席の窓を開放したことが記憶されている。更に、その後の9:00:14.50に窓を閉鎖し、シフト位置を『P』から『D』へと変更した上で再び走行を開始したことが記憶されている。同様にして、他のプローブ情報についても記憶されている。尚、
図3に示す例では200msec間隔で車両からプローブ情報を収集しているが、プローブ情報の収集の間隔は200msec間隔より短く或いは長くしても良い。
【0023】
また、駐車場挙動履歴DB13は、上記プローブ情報DB12に格納されるプローブ情報の内、特に駐車場の入場口及び退出口付近に位置する車両のプローブ情報に基づいて生成され、駐車場の入場口及び退出口付近での車両の挙動が記憶される記憶手段である。尚、記憶される車両の挙動としては、車両が入場又は退出する駐車場の識別情報(例えばID、名称、位置座標等)と、車両の停車に係る挙動と、シフト位置の変化に係る挙動と、車両のドアの開閉に係る挙動と、車両の窓の開閉に係る挙動とを含む。
【0024】
図4は駐車場挙動履歴DB13に記憶される情報(以下、駐車場挙動履歴情報という)の一例を示した図である。
図4に示すように、駐車場挙動履歴情報は、駐車場の入場口及び退出口付近での車両の挙動として、車両が駐車場に入場又は退場した日時と、車両が入場又は退出する駐車場の識別IDと、車両の停車の有無及び停車していた場合には停車時間と、シフト位置がRに変位したか否か及びRに変位した場合には後退した距離と、車両のドアの開閉の有無及び開閉していた場合には開閉したドアの種類、開放時間、開放角度と、車両の窓の開閉の有無及び開閉していた場合には開放した窓の種類とが記憶される。
【0025】
例えば、
図4に示す例ではID“A”の車両は、3月2日の9:00:00.80にID“10101”の駐車場の入場口又は退場口において、14秒間停車し、且つその停車中において運転席の窓が開放されたことが記憶されている。同様にして他の停車履歴情報についても記憶されている。そして、サーバ制御部11は、後述のように
図4に示す駐車場挙動履歴情報を用いてユーザの駐車場の種別に対する利用の苦手度合いを検出する。更に全国の各駐車場の入場口又は退場口に係る種別についても検出する。尚、サーバ装置3が有する地図情報には予め駐車場の位置や駐車場の入場口及び退場口の位置を特定する情報が格納されており、プローブ情報に含まれる車両の位置情報と地図情報とを用いることによって駐車場の入場口及び退出口付近に位置する車両のプローブ情報を抽出したり、車両が入場又は退出する駐車場をサーバ装置3が特定することが可能となる。但し、駐車場の位置や駐車場の入場口及び退場口の位置を特定する情報は、地図情報に予め格納しておくのではなく、各車両から収集したプローブ情報に基づいて生成しても良い。
【0026】
一方で、ユーザ情報DB14は、上記駐車場挙動履歴DB13に格納される駐車場挙動履歴情報を分析することによって生成されたプローブ統計情報を累積的に記憶する記憶手段である。特に本実施形態では、駐車場挙動履歴情報を分析することによってブローブ情報の送信元となる各車両に乗車するユーザの駐車場の種別に対する利用の苦手度合いを検出し、検出されたユーザの駐車場の種別に対する利用の苦手度合いに関する情報(以下、ユーザ情報という)をプローブ統計情報として生成する。尚、「ユーザの利用の苦手度合い」とは、ユーザが駐車場で駐車を行う場合の駐車のし易さ(ユーザの主観による利用難易度)にも相当する。即ち、ユーザの苦手度合いが低い種別の駐車場はユーザにとって駐車がし易い駐車場であり、ユーザの苦手度合いの高い種別の駐車場はユーザにとって駐車がし難い駐車場である。尚、ユーザの駐車場の種別に対する利用の苦手度合いの検出方法の詳細については後述する。
【0027】
図5はユーザ情報DB14に記憶されるユーザ情報の一例を示した図である。
図5に示すようにユーザ情報は、駐車場挙動履歴情報の分析(統計)を行った日時を特定する情報と、車両毎に乗車するユーザの駐車場の種別に対する苦手度合いを特定した情報とを含む。ここで、本実施形態では特に“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された駐車場(以下、発券型駐車場という)”に対する利用の苦手度合いを特定する。また、苦手度合いの高い順に『高(非常に苦手)』、『中(やや苦手)』、『低(苦手としない)』の3段階で特定する。例えば
図5に示す例ではID“A”の車両のユーザは発券型駐車場をやや苦手としており、ID“B”の車両のユーザは発券型駐車場を非常に苦手としており、ID“C”の車両のユーザは発券型駐車場を苦手としていないことを示している。
【0028】
一方で、駐車場種別DB15は、上記駐車場挙動履歴DB13に格納される駐車場挙動履歴情報を分析することによって生成されたプローブ統計情報を累積的に記憶する記憶手段である。特に本実施形態では、駐車場挙動履歴情報を分析することによってブローブ情報の送信元となる各車両が利用した各駐車場の種別に関する情報(以下、駐車場種別情報という)をプローブ統計情報として生成する。ここで、本実施形態では駐車場の種別を、特に入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機の設置状況によって区分される種別とし、より具体的には“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された駐車場である発券型駐車場”か“入場口及び退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置されていない駐車場(以下、非発券型駐車場という)”かの2種類に区分する。
【0029】
図6は駐車場種別DB15に記憶される駐車場種別情報の一例を示した図である。
図6に示すように駐車場種別情報は、統計を行った日時を特定する情報と、全国の各駐車場について駐車場の種別を特定した情報とを含む。尚、駐車場の種別については、上述したように基本的に“発券型駐車場”か“非発券型駐車場”かの2種類に区分するが、より詳細に区分しても良い。但しデータ不足などによって駐車場の種別が判断できない駐車場も含まれる。
【0030】
そして、サーバ装置3は、駐車場種別DB15に記憶された駐車場種別情報によって全国の各駐車場の種別を把握可能となる。その結果、例えばユーザからの要求に基づいてサーバ装置3が駐車場の検索を行う場合において、駐車場の種別を考慮した情報提供が可能となる。例えば発券型駐車場の利用を苦手とするユーザに対して非発券型駐車場を優先的に検索結果として提供することが可能となる。
【0031】
一方、サーバ側地
図DB16は、外部からの入力データや入力操作に基づいて登録された最新のバージョンの地図情報であるサーバ側地図情報が記憶される記憶手段である。ここで、サーバ側地図情報は、道路網を始めとして経路探索、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されている。例えば、道路網を示すノード及びリンクを含むネットワークデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等からなる。また、地点データとして特に駐車場については、駐車場の入場口と退場口の位置を特定する情報についても含まれる。
【0032】
また、センタ通信装置17は、車両4やVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の外部の交通情報センタと通信ネットワーク網6を介して通信を行う為の通信装置である。本実施形態では、センタ通信装置17を介してプローブ情報や駐車場の検索結果に関する情報を各車両4との間で送受信する。
【0033】
次に、車両4に搭載されたナビゲーション装置5の概略構成について
図7を用いて説明する。
図7は本実施形態に係るナビゲーション装置5を示したブロック図である。
【0034】
図7に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置5は、ナビゲーション装置5が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU33と、ユーザからの操作を受け付ける操作部34と、ユーザに対して車両周辺の地図や交通情報等を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、プローブセンタ2やVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、を有する。また、ナビゲーション装置5はCAN等の車載ネットワークを介して、車両4に搭載された各種センサやカメラとも接続されている。尚、車両4に搭載されたセンサやカメラとしては、車速センサ39、シフトレバーセンサ40、ドア開閉センサ41、窓開閉センサ42を含む。
【0035】
以下に、ナビゲーション装置5が有する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS43、ヨーレートセンサ44等を含み、現在の車両の位置、方位等を検出することが可能となっている。また、車速センサ39やその他の車両に設置された各種センサの検出結果についても取得することによって、より精度の高い現在の車両の位置、方位等の検出も可能である。
【0036】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB45、走行履歴DB46、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部32をハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。また、地図情報DB45、走行履歴DB46は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置5が通信により取得する構成としても良い。
【0037】
ここで、地図情報DB45は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、経路の探索や変更に係る処理に用いられる探索データ、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0038】
また、走行履歴DB46は、車両4の走行情報(車両挙動)を累積して記憶した記憶手段である。尚、本実施形態では走行履歴DB46に記憶される走行情報として、特に車速センサ39、シフトレバーセンサ40、ドア開閉センサ41、窓開閉センサ42、GPS43、ヨーレートセンサ44等の各種センサの検出結果を含む。走行履歴DB46に記憶された走行情報はプローブ情報としてサーバ装置3へと随時送信される。
【0039】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、ナビゲーション装置5の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の情報提供処理プログラム(
図14参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU33は、処理アルゴリズムとしての各種手段を有する。例えば、駐車場情報提供手段は、所定の検索条件に該当する駐車場を検索するとともに検索された駐車場に関する情報をユーザに提供する。
【0040】
操作部34は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34は液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0041】
また、液晶ディスプレイ35には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、案内経路(走行予定経路)に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、本実施形態では、特にユーザが駐車場等の施設の検索を行う場合にはサーバ装置3から配信された施設の検索結果についても表示する。尚、液晶ディスプレイ35の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
【0042】
また、スピーカ36は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて案内経路(走行予定経路)に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
【0043】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB45の更新等が行われる。尚、DVDドライブ37に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
【0044】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやその他の外部センタ等から送信された交通情報等を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、車車間で通信を行う車車間通信装置や路側機との間で通信を行う路車間通信装置も含む。また、プローブ情報や配信情報をサーバ装置3との間で送受信するのにも用いられる。
【0045】
また、車速センサ39は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより車両の車速や移動距離を算出する。
【0046】
また、シフトレバーセンサ40は、シフトレバー(図示せず)に内蔵され、シフト位置が「P(パーキング)」、「N(ニュートラル)」、「R(リバース)」、「D(ドライブ)」、「2(セカンド)」、「L(ロー)」のいずれの位置となっているかを検出可能とする。
【0047】
また、ドア開閉センサ41は、例えば車両に設けられたドア毎に配置されており、各ドアが開放された状態にあるか閉鎖された状態にあるかを検出する為のセンサである。特に本実施形態では、車両が備える複数のドア開閉センサ41と該センサによって開閉を検出するドアの種類(運転席、助手席、後部座席左、後部座席右)が予め紐づけられており、開放又は閉鎖されたドアの種類についても検出可能となっている。更に開閉角度についても検出可能とする。
【0048】
また、窓開閉センサ42は、例えば車両に設けられた窓毎に配置されており、各窓が開放された状態にあるか閉鎖された状態にあるかを検出する為のセンサである。特に本実施形態では、車両が備える複数の窓開閉センサ42と該センサによって開閉を検出する窓の種類(運転席、助手席、後部座席左、後部座席右)が予め紐づけられており、開放又は閉鎖された窓の種類についても検出可能となっている。
【0049】
続いて、前記構成を有する駐車場利用情報検出システム1が有するサーバ装置3において実行するユーザ情報検出処理プログラムについて
図8に基づき説明する。
図8は本実施形態に係るユーザ情報検出処理プログラムのフローチャートである。ここで、ユーザ情報検出処理プログラムは、前回プログラムを実行した時から所定時間(例えば24時間)経過後に実行され、各車両4から送信されたプローブ情報に基づいて、ユーザの駐車場の種別に対する利用の苦手度合いを検出するプログラムである。尚、以下の
図8~
図11にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
【0050】
尚、以下のステップ(以下、Sと略記する)1以降の処理については、全国においてプローブ情報の送信元となる車両単位でループして実行し、全ての車両に対する処理が終了するまで繰り返し行う。
【0051】
先ず、S1においてCPU21は、現時点でプローブ情報DB12に格納されているプローブ情報(
図3)の内、処理対象の車両のプローブ情報を抽出する(前回プログラムを実行した時から新たにプローブ情報DB12に格納されたプローブ情報のみを対象にしても良い)。尚、プローブ情報は
図3に示すように(a)日時とその日時における(b)車両4が走行する地域の地域コード、(c)車両4が走行するリンク、(d)車両4の進行方向(正方向又は逆方向)、(e)リンク始点(終点)からの走行距離、(f)車両4の車速、(g)車両4のシフト位置、(h)車両4のドアの開閉状態、(i)車両4の窓の開閉状態、が含まれる。プローブ情報は、全国を走行する各車両4から定期的に収集される。例えば
図3に示す例では200msec間隔で繰り返し車両からプローブ情報を収集している。但し、プローブ情報の収集は必ずしも200msec間隔で行う必要はない。例えば、ナビゲーション装置5において送信対象となるプローブ情報をフラッシュメモリ54等に蓄積しておき、所定期間内のプローブ情報をまとめてサーバ装置3に送信しても良い。
【0052】
次に、S2においてCPU21は、前記S1で抽出されたプローブ情報の内、更に駐車場の入場口及び退出口付近に位置する車両のプローブ情報を抽出する。尚、サーバ装置3が有する地図情報には予め駐車場の入場口及び退場口の位置を特定する情報が格納されており、プローブ情報に含まれる車両の位置情報と地図情報とを用いることによって駐車場の入場口及び退出口付近に位置する車両のプローブ情報を抽出することが可能となる。また、駐車場の位置や駐車場の入場口及び退場口の位置を特定する情報は、地図情報に予め格納しておくのではなく、各車両から収集したプローブ情報に基づいて生成しても良い。
【0053】
続いて、S3においてCPU21は、前記S2で抽出されたプローブ情報に基づいて、駐車場の入場口及び退出口付近での車両の挙動を示す駐車場挙動履歴情報を生成する。尚、駐車場挙動履歴情報は、
図4に示すように駐車場の入場口及び退出口付近での車両の挙動として、車両が駐車場に入場又は退場した日時と、車両が入場又は退出する駐車場の識別IDと、車両の停車の有無及び停車していた場合には停車時間と、シフト位置がRに変位したか否か及びRに変位した場合には後退した距離と、車両のドアの開閉の有無及び開閉していた場合には開閉したドアの種類、開放時間、開放角度と、車両の窓の開閉の有無及び開閉していた場合には開放した窓の種類とを含む。
【0054】
その後、S4においてCPU21は、処理対象の車両が左ハンドル車であるか否かを判定する。尚、車両が右ハンドル車か左ハンドル車かを識別する情報はプローブ情報とともにサーバ装置3へと送信される。
【0055】
そして、処理対象の車両が左ハンドル車であると判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、処理対象の車両が右ハンドル車であると判定された場合(S4:NO)には、S6へと移行する。
【0056】
S5においてCPU21は、後述の苦手度合い検出処理(S6)においてユーザの苦手度合いを判断する対象となる要素から、ドアの開閉と停車時間を除く設定を行う。詳細については後述する。
【0057】
次に、S6においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて後述の苦手度合い検出処理(
図9~
図11)を実行する。ここで、苦手度合い検出処理は、処理対象の車両に乗車するユーザの“駐車場の種別に対する利用の苦手度合い”を検出する処理である。特に本実施形態では“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”に対する利用の苦手度合いを特定する。
【0058】
その後、S7においてCPU21は、前記S6で検出された処理対象の車両に乗車するユーザの“駐車場の種別に対する利用の苦手度合い”を特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0059】
そして、上記S1~S7の処理を全国においてプローブ情報の送信元となる全ての車両を対象として実行することにより、ユーザ情報DB14には
図5に示すようにユーザ毎に“駐車場の種別に対する利用の苦手度合い”を特定したユーザ情報が格納されることとなる。
【0060】
次に、前記S6において実行される苦手度合い検出処理のサブ処理について
図9~
図11に基づき説明する。尚、
図9~
図11は苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。ここで、苦手度合い検出処理のサブ処理としては、
図9に示す第1の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラム、
図10に示す第2の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラム、
図11に示す第3の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムのいずれのプログラムを実行しても良い。また、複数のプログラムを実行して統合的に処理対象の車両に乗車するユーザの“駐車場の種別に対する利用の苦手度合い”を検出しても良い。
【0061】
先ず
図9に示す第1の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムについて説明する。
S11においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場(どの駐車場であるかは問わない、以下のステップも同じ)の入場口又は退場口においてドアを開閉した頻度を算出する。具体的には、車両が駐車場の入場口又は退場口において停車した回数に対してドアを開閉した回数の割合を算出する。尚、ドアは基本的に運転席のドアを対象とするが、運転席以外のドアについても対象に含めても良い。ここで、車両が駐車場の入場口又は退場口において停車する場合としては、
図12に示すように入場口61又は退場口62においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機63又は精算機64が設置されている駐車場を利用する状況を示している。従って、前記S11では
図12に示すような発券機63又は精算機64が設置されている駐車場に入場または退場する際に、ユーザが停車した車両からドアを開けて降車した頻度(割合)を示している。ここで、ユーザが入場口61や退場口62で車両から降車する要因としては、車両が発券機63や精算機64に十分に接近できなかったことが考えられる。
【0062】
次に、S12においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口においてシフト位置を『R』に変位した頻度を算出する。具体的には、車両が駐車場の入場口又は退場口において停車した回数に対してシフト位置を『R』に変位した回数の割合を算出する。ここで、車両が駐車場の入場口又は退場口において停車する場合としては、
図12に示すように入場口61又は退場口62においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機63又は精算機64が設置されている駐車場を利用する状況を示している。従って、前記S12では
図12に示すような発券機63又は精算機64が設置されている駐車場に入場または退場する際に、ユーザが一旦停車した車両を後退させた頻度(割合)を示している。ここで、ユーザが入場口61や退場口62で車両が後退する要因としては、ユーザが窓から発券機63や精算機64を操作できる位置に正しく車両を停車できなかったことが考えられる。
【0063】
更に、S13においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口において車両の停車時間が閾値以上となった頻度を算出する。具体的には、車両が駐車場の入場口又は退場口において停車した回数に対して停車時間が閾値以上となった回数の割合を算出する。閾値は適宜設定可能であるが例えば10秒とする。ここで、車両が駐車場の入場口又は退場口において停車する場合としては、
図12に示すように入場口61又は退場口62においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機63又は精算機64が設置されている駐車場を利用する状況を示している。従って、前記S13では
図12に示すような発券機63又は精算機64が設置されている駐車場に入場または退場する際に、ユーザが車両を長時間停車させた頻度(割合)を示している。ここで、ユーザが入場口61や退場口62で車両を長時間停車する要因としては、ユーザが車両の運転席の窓の近くに発券機63や精算機64が位置するように車両を停車できなかったことが考えられる。
【0064】
尚、前記S11~S13では車両が駐車場の入場口又は退場口において停車した回数に対してドアを開閉した回数の割合、シフト位置を『R』に変位した回数の割合、停車時間が閾値以上となった回数の割合を夫々算出しているが、車両が駐車場の入場口又は退場口において窓を開放した回数に対してドアを開閉した回数の割合、シフト位置を『R』に変位した回数の割合、停車時間が閾値以上となった回数の割合を夫々算出しても良い。車両が駐車場の入場口又は退場口において窓を開放する場合についても、
図12に示すように入場口61又は退場口62においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機63又は精算機64が設置されている駐車場を利用する状況を示すこととなる。
【0065】
その後、S14においてCPU21は、前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計が第1閾値以上であるか否かを判定する。第1閾値は適宜設定可能であるが例えば20%とする。尚、前記S14で判定対象とする値は前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計ではなく、各頻度(割合)の平均値としても良いし、最小値或いは最大値としても良い。
【0066】
そして、前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計が第1閾値以上であると判定された場合(S14:YES)には、S15へと移行する。それに対して、前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計が第1閾値未満であると判定された場合(S14:NO)には、S16へと移行する。
【0067】
S15においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”を非常に苦手としていると判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『高(非常に苦手)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0068】
一方、S16においてCPU21は、前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計が第1閾値より低い第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は適宜設定可能であるが例えば10%とする。尚、前記S16で判定対象とする値は前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計ではなく、各頻度(割合)の平均値としても良いし、最小値或いは最大値としても良い。
【0069】
そして、前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計が第2閾値以上であると判定された場合(S16:YES)には、S17へと移行する。それに対して、前記S11~S13で算出した各頻度(割合)の合計が第2閾値未満であると判定された場合(S16:NO)には、S18へと移行する。
【0070】
S17においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”をやや苦手としていると判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『中(やや苦手)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0071】
S18においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”を苦手としていないと判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『低(苦手としない)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0072】
また、処理対象の車両が左ハンドル車である場合については、ユーザの苦手度合いを判断する対象となる要素からドアの開閉と停車時間を除く設定が行われる(S5)ので、前記S14及びS16では、S12で算出した頻度(割合)のみを対象として第1閾値又は第2閾値以上であるか否かを判定する。その際に、右ハンドル車の場合と閾値の値は適宜変更するのが望ましい。
【0073】
次に
図10に示す第2の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムについて説明する。
S21においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口においてドアを開閉した行動を特定する。具体的には、駐車場の入場口又は退場口においてドアを開閉したタイミング(時刻)を特定する。尚、ドアは基本的に運転席のドアを対象とするが、運転席以外のドアについても対象に含めても良い。前記S21で特定されるタイミングは、
図12に示すような発券機63又は精算機64が設置されている駐車場に入場または退場する際に、ユーザが停車した車両からドアを開けて降車したタイミングを示している。ここで、ユーザが入場口61や退場口62で車両から降車する要因としては、車両が発券機63や精算機64に十分に接近できなかったことが考えられる。
【0074】
次に、S22においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口においてシフト位置を『R』に変位した行動を特定する。具体的には、駐車場の入場口又は退場口においてシフト位置を『R』に変位したタイミング(時刻)を特定する。前記S22で特定されるタイミングは、
図12に示すような発券機63又は精算機64が設置されている駐車場に入場または退場する際に、ユーザが一旦停車した車両を後退させたタイミングを示している。ここで、ユーザが入場口61や退場口62で車両が後退する要因としては、ユーザが窓から発券機63や精算機64を操作できる位置に正しく車両を停車できなかったことが考えられる。
【0075】
更に、S23においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口において車両の停車時間が閾値以上となった行動を特定する。具体的には、車両が駐車場の入場口又は退場口において閾値以上停車させたタイミング(時刻)を特定する。閾値は適宜設定可能であるが例えば10秒とする。前記S23で特定されるタイミングは、
図12に示すような発券機63又は精算機64が設置されている駐車場に入場または退場する際に、ユーザが車両を長時間停車させたタイミングを示している。ここで、ユーザが入場口61や退場口62で車両を長時間停車する要因としては、ユーザが車両の運転席の窓の近くに発券機63や精算機64が位置するように車両を停車できなかったことが考えられる。
【0076】
その後、S24においてCPU21は、前記S21~S23で特定した各行動が2以上重複して発生したか否かを判定する。尚、重複して発生するとは、各行動が完全に一致したタイミング発生していなくでもよく、重複するタイミングが少なくとも一部あれば良い。また、同じ車両の停止中に発生した行動であれば、仮に発生したタイミングがずれていたとしても重複して発生したとみなすのが望ましい。
【0077】
そして、前記S21~S23で特定した各行動が2以上重複して発生したと判定された場合(S24:YES)には、S25へと移行する。それに対して、前記S21~S23で特定した各行動が2以上重複して発生していないと判定された場合(S24:NO)には、S26へと移行する。
【0078】
S25においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”を非常に苦手としていると判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『高(非常に苦手)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0079】
一方、S26においてCPU21は、前記S21~S23でいずれかの行動が発生したことを特定できたか否かを判定する。
【0080】
そして、前記S21~S23でいずれかの行動が発生したことを特定できたと判定された場合(S26:YES)には、S27へと移行する。それに対して、前記S21~S23においていずれかの行動の発生も特定できなかったと判定された場合(S26:NO)には、S28へと移行する。
【0081】
S27においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”をやや苦手としていると判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『中(やや苦手)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0082】
S28においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”を苦手としていないと判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『低(苦手としない)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0083】
また、処理対象の車両が左ハンドル車である場合については、ユーザの苦手度合いを判断する対象となる要素からドアの開閉と停車時間を除く設定が行われる(S5)ので、前記S24の判定は行わず、S26において前記S22の行動が発生したことを特定できたか否かの判定を行うようにする。
【0084】
次に
図11に示す第3の苦手度合い検出処理のサブ処理プログラムについて説明する。
S31においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口においてドアを開閉した行動を対象とし、ドアの開放時間の平均時間(平均開放時間)と開放角度の平均角度(平均開放角度)を夫々算出する。尚、ドアは基本的に運転席のドアを対象とするが、運転席以外のドアについても対象に含めても良い。ここで、ユーザが入場口や退場口でドアを開放するのは、車両が発券機や精算機に十分に接近できず、ユーザが停車した車両からドアを開けて降車することが要因であると推定できる。そして、ドアの開放時間が長い程、車両から発券機や精算機までの距離が長いと推定できる。同じくドアの開放角度が大きい程、車両から発券機や精算機までの距離が長いと推定できる。
【0085】
次に、S32においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口においてシフト位置を『R』に変位した行動を対象とし、その後の車両の後退距離の平均距離(平均後退距離)を算出する。ここで、ユーザが入場口や退場口でシフト位置を『R』に変位するのは、ユーザが窓から発券機や精算機を操作できる位置に正しく車両を停車できなかったことが要因であると推定できる。そして、その後の車両の後退距離が長い程、停車位置のズレが大きいと推定できる。
【0086】
続いて、S33においてCPU21は、前記S3で生成された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の車両が駐車場の入場口又は退場口において車両を停車した行動を対象とし、その停車時間の平均時間(平均停車時間)を算出する。ここで、ユーザが入場口や退場口で車両を長時間停車する要因としては、ユーザが車両の運転席の窓の近くに発券機や精算機が位置するように車両を停車できなかったことが要因であると推定できる。そして、停車時間が長い程、停車位置のズレが大きいと推定できる。
【0087】
尚、前記S31~S33ではドアの開放時間、開放角度、後退距離、停車時間の平均値を算出しているが、中央値或いは最頻値としても良い。また、最大値を算出しても良い。
【0088】
その後、S34においてCPU21は、前記S31~S33で算出した各値のいずれかが第1閾値以上であるか否かを判定する。第1閾値は適宜設定可能であるが例えばドアの平均開放時間であれば10秒、ドアの平均開放角度であれば60度、平均後退距離であれば1m、平均停車時間であれば30秒とする。
【0089】
そして、前記S31~S33で算出した各値のいずれかが第1閾値以上であると判定された場合(S34:YES)には、S35へと移行する。それに対して、前記S31~S33で算出した各値のいずれも第1閾値未満であると判定された場合(S34:NO)には、S36へと移行する。
【0090】
S35においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”を非常に苦手としていると判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『高(非常に苦手)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0091】
一方、S36においてCPU21は、前記S31~S33で算出した各値のいずれかが第1閾値より低い第2閾値以上であるか否かを判定する。第2閾値は適宜設定可能であるが例えばドアの平均開放時間であれば5秒、ドアの平均開放角度であれば30度、平均後退距離であれば0.5m、平均停車時間であれば20秒とする。
【0092】
そして、前記S31~S33で算出した各値のいずれかが第2閾値以上であると判定された場合(S36:YES)には、S37へと移行する。それに対して、前記S31~S33で算出した各値のいずれも第2閾値未満であると判定された場合(S36:NO)には、S38へと移行する。
【0093】
S37においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”をやや苦手としていると判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『中(やや苦手)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0094】
S38においてCPU21は、処理対象の車両の乗員であるユーザが、“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”を苦手としていないと判定し、発券型駐車場に対する苦手度合いとして『低(苦手としない)』を検出する。その後、S7へと移行し、検出された発券型駐車場に対する苦手度合いを特定したユーザ情報を、車両ID(或いはユーザID)に紐づけてユーザ情報DB14に格納する。
【0095】
また、処理対象の車両が左ハンドル車である場合については、ユーザの苦手度合いを判断する対象となる要素からドアの開閉と停車時間を除く設定が行われる(S5)ので、前記S34及びS36では、S32で算出した平均後退距離のみを対象として第1閾値又は第2閾値以上であるか否かを判定する。
【0096】
続いて、前記構成を有する駐車場利用情報検出システム1が有するサーバ装置3において実行する駐車場種別検出処理プログラムについて
図13に基づき説明する。
図13は本実施形態に係る駐車場種別検出処理プログラムのフローチャートである。ここで、駐車場種別検出処理プログラムは、前回プログラムを実行した時から所定時間(例えば24時間)経過後に実行され、各車両4から送信されたプローブ情報に基づいて、全国にある駐車場の種別を検出するプログラムである。尚、以下の
図13にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
【0097】
尚、以下のS41以降の処理については、全国にある駐車場単位でループして実行し、全ての駐車場に対する処理が終了するまで繰り返し行う。
【0098】
先ず、S41においてCPU21は、前述したユーザ情報検出処理プログラム(
図8~
図11)において生成された最新の駐車場挙動履歴情報(
図4)の内、処理対象の駐車場での各車両の挙動を示す駐車場挙動履歴情報を抽出する。尚、駐車場挙動履歴情報は、
図4に示すように駐車場の入場口及び退出口付近での車両の挙動として、車両が駐車場に入場又は退場した日時と、車両が入場又は退出する駐車場の識別IDと、車両の停車の有無及び停車していた場合には停車時間と、シフト位置がRに変位したか否か及びRに変位した場合には後退した距離と、車両のドアの開閉の有無及び開閉していた場合には開閉したドアの種類、開放時間、開放角度と、車両の窓の開閉の有無及び開閉していた場合には開放した窓の種類とを含む。
【0099】
その後、S42においてCPU21は、前記S41で抽出された駐車場挙動履歴情報に基づいて、処理対象の駐車場の入場口及び退出口の少なくとも一方で車両が窓を開放する挙動を示しているか否かを判定する。尚、処理対象の駐車場について複数の車両の挙動の履歴が記憶されている場合には、所定割合以上(例えば9割以上)の車両が入場口及び退出口の少なくとも一方で窓を開放する挙動を示しているか否かを判定するのが望ましい。
【0100】
そして、処理対象の駐車場の入場口及び退出口の少なくとも一方で車両が窓を開放する挙動を示していると判定された場合(S42:YES)には、S43へと移行する。それに対して、処理対象の駐車場の入場口及び退出口で車両が窓を開放する挙動を示していないと判定された場合(S42:NO)には、S44へと移行する。
【0101】
S43においてCPU21は、処理対象の駐車場を
図12に示すように“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された駐車場である発券型駐車場”であると検出する。尚、発券型駐車場としては、
図12に示すように入場口61に発券機63があり退場口62に精算機64のある駐車場もあれば、入場口に精算機のみ存在する駐車場もあれば、退場口に精算機のみ存在する駐車場もある。窓を開放した位置によってそれらの種別を区分することも可能であるが、本実施形態ではまとめて発券型駐車場とする。
【0102】
一方、S44においてCPU21は、処理対象の駐車場を“入場口及び退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置されていない駐車場である非発券型駐車場”であると検出する。尚、非発券型駐車場は、基本的に発券型駐車場以外の駐車場となる。その後、S45へと移行する。
【0103】
S45においてCPU21は、前記S43で検出された処理対象の駐車場の種別を特定した駐車場種別情報を、駐車場IDに紐づけて駐車場種別DB15に格納する。尚、既に処理対象の駐車場に紐づけられた駐車場種別情報が駐車場種別DB15に存在する場合には、駐車場種別情報の内容を今回の検出結果に基づく新たな内容へと必要に応じて更新する。
【0104】
そして、上記S41~S47の処理を全国の駐車場を対象として実行することにより、駐車場種別DB15には
図6に示すように全国の各駐車場について駐車場の種別を特定した駐車場種別情報が格納されることとなる。
【0105】
続いて、前記構成を有する駐車場利用情報検出システム1が有するサーバ装置3及びナビゲーション装置5において実行する情報提供処理プログラムについて
図14に基づき説明する。
図14は本実施形態に係る情報提供処理プログラムのフローチャートである。ここで、情報提供処理プログラムは、ナビゲーション装置5において駐車場を検索する為の所定の操作を受け付けた場合に実行され、前述したユーザ情報検出処理プログラム(
図8)及び駐車場種別検出処理プログラム(
図13)の検出結果を用いて条件に該当する駐車場の検索を行い、検索結果を提供するプログラムである。尚、以下の
図14にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置5が備えているRAM52やROM53又はサーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21又はCPU51により実行される。また、以下の情報提供処理プログラムは、ナビゲーション装置5の代わりにナビゲーション装置5以外の通信端末(例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等)により実行しても良い。
【0106】
先ず、ナビゲーション装置5において実行される情報提供処理プログラムについて説明する。
S51においてCPU51は、サーバ装置3に対して駐車場検索要求を送信する。尚、駐車場検索要求には、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5を特定する端末IDと、駐車場の検索条件が含まれている。ここで、駐車場の検索条件は、例えばユーザの現在位置周辺の駐車場を検索する場合にはユーザの現在位置の座標とし、目的地等の特定地点周辺の駐車場を検索する場合には特定地点の座標とする。
【0107】
次にS52においてCPU51は、駐車場検索要求に応じてサーバ装置3において検索された駐車場の検索結果に関する情報を受信する。駐車場の検索結果には、例えば検索条件に該当する駐車場のID、名称、位置座標、利用料金、空き情報等が含まれる。サーバ装置3による駐車場の検索では、後述のようにユーザが利用を苦手とする種別の駐車場以外を優先的に検索することを行う(S62~S67)。本実施形態では前述したユーザ情報検出処理プログラム(
図8)によって発券型駐車場に対するユーザの利用の苦手度合いが特定されているので、例えば発券型駐車場の利用を苦手とするユーザに対しては非発券型駐車場を優先的に検索する。従って、後述のS53ではユーザが利用を苦手とする種別の駐車場以外が優先的に検索結果として提供されることとなる。
【0108】
その後、S53においてCPU51は、前記S52で受信した駐車場の検索結果を液晶ディスプレイ35に表示する。
図15は液晶ディスプレイ35に表示される駐車場案内画面71の一例を示した図である。
【0109】
図15に示すように、駐車場案内画面71は、車両周辺の地図を表示する左画面72と、駐車場に関する案内情報を表示する右画面73の2つの表示領域から構成される。
そして、左画面72は、車両周辺の地図画像74と、車両の現在位置を示す自車位置マーク75と、駐車場の位置を示す施設マーク76~79とから構成される。
また、右画面73には、左画面72にマークの表示された駐車場に関する詳細情報を表示する情報表示スペース81~84が設けられている。各情報表示スペース81~84には、例えば駐車場の名称、駐車場の位置(車両現在位置からの距離)、利用料金、空き状況、駐車場の種別をそれぞれ表示する。また、情報表示スペース81~84は、例えば空き状態にある駐車場を優先して表示し、更に空き状態にある駐車場の内では距離が近い駐車場から順に案内情報を並べて表示する。更に、検索された駐車場をナビゲーション装置5の目的地に設定する処理を行っても良い。
【0110】
次に、サーバ装置3において実行される情報提供処理プログラムについて説明する。
先ず、S61においてCPU21は、ナビゲーション装置5から送信される駐車場検索要求を受信する。尚、駐車場検索要求には、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5を特定する端末IDと、駐車場の検索条件が含まれている。
【0111】
その後、S62においてCPU21は、ユーザ情報DB14に格納されたユーザ情報(
図5)を参照し、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5のユーザについて発券型駐車場に対する利用の苦手度合いを取得する。
【0112】
次に、S63においてCPU21は、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5のユーザについて、発券型駐車場に対する利用の苦手度合いが『高(非常に苦手)』であるか否かを判定する。
【0113】
そして、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5のユーザについて、発券型駐車場に対する利用の苦手度合いが『高(非常に苦手)』であると判定された場合(S63:YES)には、S64へと移行する。それに対して、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5のユーザについて、発券型駐車場に対する利用の苦手度合いが『高(非常に苦手)』以外であると判定された場合(S63:NO)には、S65へと移行する。
【0114】
S64においてCPU21は、駐車場種別DB15に格納された駐車場種別情報(
図6)を参照し、発券型駐車場を検索対象から除外する設定を行う。その後、CPU21は前記S61で受信した駐車場検索要求に含まれる駐車場の検索条件と地図情報とを用いて、検索条件に該当する駐車場を検索する。例えば、駐車場の検索条件としてユーザの現在位置周辺が指定されている場合には、ユーザの現在位置から所定距離以内(例えば5km以内)にある駐車場を抽出する。但し、検索対象から除外された駐車場については、仮に検索条件に該当しても抽出対象とはならない。尚、該当する駐車場が多い場合には、ユーザの現在位置から近い順に所定数の駐車場のみを抽出しても良い。その後、S68へと移行する。
【0115】
一方、S65においてCPU21は、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5のユーザについて、発券型駐車場に対する利用の苦手度合いが『中(やや苦手)』であるか否かを判定する。
【0116】
そして、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5のユーザについて、発券型駐車場に対する利用の苦手度合いが『中(やや苦手)』であると判定された場合(S65:YES)には、S66へと移行する。それに対して、駐車場検索要求の送信元のナビゲーション装置5のユーザについて、発券型駐車場に対する利用の苦手度合いが『低(苦手としない)』或いは不明と判定された場合(S65:NO)には、S67へと移行する。
【0117】
S66においてCPU21は、駐車場種別DB15に格納された駐車場種別情報(
図6)を参照し、発券型駐車場を検索対象から除外する設定を行う。その後、CPU21は前記S61で受信した駐車場検索要求に含まれる駐車場の検索条件と地図情報とを用いて、検索条件に該当する駐車場を検索する。例えば、駐車場の検索条件としてユーザの現在位置周辺が指定されている場合には、ユーザの現在位置から所定距離以内(例えば5km以内)にある駐車場を抽出する。但し、検索対象から除外された駐車場については、仮に検索条件に該当しても抽出対象とはならない。尚、該当する駐車場が多い場合には、ユーザの現在位置から近い順に所定数の駐車場のみを抽出しても良い。
【0118】
その結果、検索条件に該当する駐車場の数が十分にあれば(例えば3箇所以上あれば)検索を終了してS68へと移行する。一方で、検索条件に該当する駐車場の数が十分にない場合には、発券型駐車場を検索対象から除外する設定を解除し、発券型駐車場を含めて再度駐車場の検索を行う。その後、S68へと移行する。
【0119】
一方、S67においてCPU21は、前記S61で受信した駐車場検索要求に含まれる駐車場の検索条件と地図情報とを用いて、駐車場の種別に関わらず全ての駐車場を対象とし、検索条件に該当する駐車場を検索する。例えば、駐車場の検索条件としてユーザの現在位置周辺が指定されている場合には、ユーザの現在位置から所定距離以内(例えば5km以内)にある駐車場を抽出する。尚、該当する駐車場が多い場合には、ユーザの現在位置から近い順に所定数の駐車場のみを抽出しても良い。その後、S68へと移行する。
【0120】
続いて、S68においてCPU21は、前記S64、S66、S67で検索された駐車場に関する情報を、駐車場検索要求のあったナビゲーション装置5へと配信する。例えば駐車場のID、名称、位置座標、利用料金、空き情報等が含まれる。そして、情報の配信されたナビゲーション装置5では、前述したように配信された駐車場に関する情報を液晶ディスプレイ35に表示する(S53)。尚、S66で検索が行われ、且つ検索された駐車場に非発券型駐車場と発券型駐車場を両方含む場合には、非発券型駐車場を発券型駐車場より優先して案内するような優先情報を設定するのが望ましい。その結果、ユーザの希望条件に該当する駐車場に関する情報をユーザに提供可能となるとともに、特に発券型駐車場の利用を苦手とするユーザに対しては発券型駐車場を提供対象からできる限り除外することにより、ユーザの駐車に係る負担を軽減することが可能となる。
【0121】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る駐車場利用情報検出システム1、サーバ装置3及びサーバ装置3で実行されるコンピュータプログラムでは、駐車場における車両の挙動を取得し(S1、S2)、取得した情報に基づいて駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対する車両に乗車するユーザの利用の苦手度合いを検出する(S6)ので、車両から取得した駐車場における車両の挙動に関する情報に基づいて、駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対するユーザの利用の苦手度合いを検出することが可能となる。その結果、例えば車で移動するユーザに対して、ユーザにとって適切な駐車場に関する情報提供を行う等の各種の支援が可能となる。
また、駐車場の入場口又は退場口に係る種別は、入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機の設置状況によって区分される種別であるので、入場口又は退場口において車両を一方向に寄せる操作を必要とする駐車場について、ユーザが苦手としているか否について検出することが可能となる。
また、駐車場の入場口又は退場口でのドアの開閉、シフト位置の変位、停車時間の少なくとも一つを駐車場における車両の挙動として取得する(S1、S2)ので、駐車場での特定の車両の挙動に基づいて、駐車場の入場口又は退場口に係る種別に対するユーザの利用の苦手度合いを正確に検出することが可能となる。
また、所定の検索条件に該当する駐車場を検索するとともに検索された駐車場に関する情報をユーザに提供する場合において、ユーザの利用の苦手度合いを用いて駐車場の検索又は情報提供を行う(S62~S67)ので、車両で移動するユーザに対して、ユーザにとって適切な駐車場に関する情報提供を行うことが可能となる。
【0122】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではプローブ情報を用いるプローブカーシステムを用いて全国を走行する複数の車両から収集した停車位置やドアの開閉に関する情報に基づいて“駐車場の種別に対するユーザの利用の苦手度合い”を検出しているが、プローブカーシステムは必須ではない。例えば自車の過去の走行履歴に基づいてナビゲーション装置5が自車のユーザの駐車場の種別に対する利用の苦手度合いを検出することも可能となる。
【0123】
また、本実施形態ではプローブ情報を用いるプローブカーシステムを用いて全国を走行する複数の車両から収集した停車位置やドアの開閉に関する情報に基づいて“全国にある各駐車場の種別(発券型駐車場か非発券型駐車場か)”を検出しているが、駐車場の種別については駐車場を管理するサーバなどから通信により取得するようにしても良い。また、地図情報に駐車場の種別に関する情報を予め含めるようにしても良い。
【0124】
また、本実施形態では“入場口又は退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された発券型駐車場”に対する利用の苦手度合いを特定しているが、駐車場の入場口又は退場口に係る種別であれば他の種別に対する利用の苦手度合いを特定しても良い。例えば、“入場口又は退場口にゲートが設置された駐車場”に対する利用の苦手度合いを特定しても良い。また、“入場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する発券機又は精算機が設置された駐車場”に対する利用の苦手度合いを特定しても良い。また、“退場口においてユーザが車両に乗車した状態で利用する精算機が設置された駐車場”に対する利用の苦手度合いを特定しても良い。
【0125】
また、本実施形態では、“駐車場の種別に対するユーザの利用の苦手度合い”を検出する為の車両の挙動として、駐車場の入場口又は退場口でのドアの開閉、シフト位置の変位、停車時間を挙げているが他の車両の挙動を用いても良い。例えば、窓の開放時間を用いても良い。
【0126】
また、本実施形態では、“駐車場の種別に対するユーザの利用の苦手度合い”として、発券型駐車場に対する利用の苦手度合いを『高(非常に苦手)』、『中(やや苦手)』、『低(苦手としない)』の3段階で特定しているが、苦手度合いの特定は他の方法を用いても良い。例えば連続量(0~100)を用いて苦手度合いを特定しても良い。
【0127】
また、本実施形態では、“駐車場の種別に対するユーザの利用の苦手度合い”の検出結果を用いた制御(ユーザへのサービス提供)として、駐車場の検索を行っているが、他の制御を行っても良い。例えば、ユーザの苦手度の高い種別の駐車場を備える施設が目的地に設定された場合に、目的地周辺の他の駐車場を利用候補として案内するようにしても良い。また、ユーザの苦手度の高い種別の駐車場を利用する場合には事前に駐車場の利用難易度が高いことを通知することも可能である。
【0128】
また、本実施形態では
図8に示すユーザ情報検出処理プログラムの実行主体は、サーバ装置3であったが、ナビゲーション装置5が実行する構成としても良い。その場合に、他車両の走行履歴を用いずに自車の走行履歴のみを用いて“駐車場の種別に対するユーザの利用の苦手度合い”を検出するのであれば、駐車場利用情報検出システム1においてサーバ装置3は必須の要素ではなく、駐車場利用情報検出システム1をナビゲーション装置5のみで構成することも可能である。同じく、本実施形態では
図13に示す駐車場種別検出処理プログラムの実行主体は、サーバ装置3であったが、ナビゲーション装置5が実行する構成としても良い。
【0129】
また、
図14に示す情報提供処理プログラムにおいてサーバ装置3から提供された情報を案内する手段としてはナビゲーション装置5の代わりに、走行案内機能を有する他の装置を用いても良い。例えば、ナビゲーション装置5以外の車載器、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1…駐車場利用情報検出システム、2…プローブセンタ、3…サーバ装置、4…車両、5…ナビゲーション装置、11…サーバ制御部、12…プローブ情報DB、13…駐車場挙動履歴DB、14…駐車場難易度DB、15…駐車場種別DB、21…CPU、33…ナビゲーションECU、51…CPU、61…入場口、62…退場口、63…発券機、64…精算機