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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061176
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】電力量計
(51)【国際特許分類】
   G01R 11/04 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
G01R11/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169008
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】309042071
【氏名又は名称】東光東芝メーターシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】浅田 智清
(72)【発明者】
【氏名】良知 慎一
(57)【要約】
【課題】計量装置内部に浸水した場合において、計量装置外部に速やかに排水することで、異極端子間の短絡を防止することができる電力量計。
【解決手段】ベースおよびケースを有する計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、計量装置と通信装置を覆うカバーとを有する電力量計において、ベースの正面から背面に向けて設けられた傾斜部と、傾斜部の背面側に設けられた排水用凹部と、排水用凹部の下端とケースの下端との間に形成された排水口とを備え、計量装置内に浸水した水を傾斜部により背面側に流し、排水用凹部を通して排水口から排水する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースおよびケースを有する計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置と前記通信装置を覆うカバーとを有する電力量計において、
前記ベースの正面から背面に向けて設けられた傾斜部と、
前記傾斜部の背面側に設けられた排水用凹部と、
前記排水用凹部の下端と前記ケースの下端との間に形成された排水口とを備え、
前記計量装置内に浸水した水を前記傾斜部により前記背面側に流し、前記排水用凹部を通して前記排水口から排水することを特徴とする電力量計。
【請求項2】
前記排水用凹部は、前記ベースの下端まで延伸し、
前記ケースの背面を前記ベースの下端まで伸ばす延伸部を設け、
前記計量装置内に浸水した水を、前記傾斜部により背面側に流し、前記排水用凹部を通して、前記排水用凹部の下端と前記延伸部の下端の間の前記排水口から排水することを特徴とする請求項1記載の電力量計。
【請求項3】
前記ベースの前記排水口に網目状の防虫用網目部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力量計。
【請求項4】
前記計量装置の回路部の下端に設けられ、浸水の有無を検出する浸水検出部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電力量計。



























【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、カバーを有している。
【0003】
図7(a)~図7(c)は、従来の電力量計において、計量装置、通信装置、カバーを組立てる手順を示した工程図である。図7(a)は、ケース5にベース4を取付けた状態を示し、図7(b)は、計量装置に通信装置を取り付けた状態を示し、図7(c)は、ベース4にカバー7を取り付けて完成した電力量計を示す。図8(a)、(b)は、従来の電力量計の分解図を示す。図9(a)は、従来の電力量計用通信装置の外観を示し、図9(b)は、通信装置に設けられた計量装置取付部12aを示す。
【0004】
計量装置は、図8(a)、図8(b)に示すように、電力量を表示する表示部1aと通信装置接続部1bと開閉検出部1cと導体接続部1dとセンサ接続部1eとベース取付部1fを有する回路部1、回路部1に接続するセンサ側回路接続部2aを有し電流を測定するセンサ部2、回路部1に電源供給する導体側回路接続部3a、電線収納部3b、電線取付ねじ6を備える導体3、通信装置接続部通し穴4aと通信装置取付部4bと開閉検出部通し穴4cと導体通し穴4dと回路取付部4eとカバー取付用雌ねじ部4fと電線通し穴4gとベース側固定ねじ取付部4hを備えるベース4、それらを収納し、表示窓5aとケース側固定ねじ取付部5bを備えるケース5で構成されている。
【0005】
通信装置は、図9(a)、図9(b)に示すように、計量装置接続部9aを備えたケーブル9、LED導光部10、上ケース11、計量装置取付部12aを備えた下ケース12で構成されている。カバーは、図8(a)、図8(b)に示すように、検出用凸部7aを備えるカバー7とカバー取付ねじ8で構成されている。
【0006】
通信装置の計量装置取付部12aを、計量装置のベース4の通信装置取付部4bに嵌合させ、通信装置の計量装置接続部9aを、計量装置のベース4の通信装置接続部通し穴4aを通して、回路部1の通信装置接続部1bに接続し、カバー7に備えるカバー取付ねじ8をベース4のカバー取付用雌ねじ部4fに取り付けることで、電力量計が組み立てられることになる(図7a~図7c)。
【0007】
電力量計は、大気環境下に暴露状態で設置されることがあるため、降雨に対する防水構造を備えている。
【0008】
参考として、雨や放水などによってケースとカバーとが嵌合する部分に水が流れてきたとしても電力量計の内部に入り込むことはない電力量計が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009-36662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、計量装置のケースが外力によって破損した場合、降雨により計量装置内部に浸水して水が溜まり、異極端子間を短絡させる可能性がある。
【0011】
本発明の課題は、計量装置内部に浸水した場合において、計量装置外部に速やかに排水することで、異極端子間の短絡を防止することができる電力量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、ベースおよびケースを有する計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置と前記通信装置を覆うカバーとを有する電力量計において、前記ベースの正面から背面に向けて設けられた傾斜部と、前記傾斜部の背面側に設けられた排水用凹部と、前記排水用凹部の下端と前記ケースの下端との間に形成された排水口とを備え、前記計量装置内に浸水した水を前記傾斜部により前記背面側に流し、前記排水用凹部を通して前記排水口から排水することを特徴とする。
【0013】
請求項2では、前記排水用凹部は、前記ベースの下端まで延伸し、前記ケースの背面を前記ベースの下端まで伸ばす延伸部を設け、前記計量装置内に浸水した水を、前記傾斜部により背面側に流し、前記排水用凹部を通して、前記排水用凹部の下端と前記延伸部の下端の間の前記排水口から排水することを特徴とする。
【0014】
請求項3は、前記ベースの前記排水口に網目状の防虫用網目部を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項4は、前記計量装置の回路部の下端に設けられ、浸水の有無を検出する浸水検出部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、現行品に比べ、計量装置内に浸水した水をベースの正面から背面側に排水することできるため、異極端子間の短絡を防止することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1に比べ、導体部や通信装置に水が付着することなく、より確実に計量装置外部に排水することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1、2に比べ、排水する隙間が小さいため、計量装置内部への虫の浸入を防ぐことができる。
【0019】
請求項4によれば、現行品に比べ、計量装置内への浸水の有無を検出することができる。さらに、計量装置内部の浸水の異常を表示したり、別に取り付けられた通信装置などにより、外部に通報することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図と拡大図である。
図4】本発明の第4の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図と拡大図である。
図5】本発明の第5の実施形態に係る電力量計の斜視図と断面図である。
図6】本発明の第6の実施形態を示した電力量計のブロック図である。
図7】従来の電力量計の斜視図である。
図8】従来の電力量計の分解図である。
図9】従来の電力量計用通信装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る電力量計について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態に係る電力量計の斜視図である。図1(b)は、ケースを透視して背面側から見た電力量計の斜視図である。図1(c)は、第1の実施形態に係る電力量計の右側面から見た垂直方向の断面図である。
【0023】
図1に示す第1の実施形態に係る電力量計は、図7に示す従来の電力量計に対して、図1(c)に示すように、計量装置のベース4Aの正面から背面に向けて下がるように傾斜した傾斜部4A1が設けられている。
【0024】
傾斜部4A1の背面側には排水用凹部4A2が設けられている。排水用凹部4A2は、ケース5により覆われているが、排水用凹部4A2の下端と計量装置のケース5の下端との間には排水口4A3が形成されている。
【0025】
このように構成された第1の実施形態に係る電力量計によれば、計量装置内に浸水した水を、傾斜部4A1により正面から背面側に流し、排水用凹部4A2を通して、排水用凹部4A2の下端と計量装置のケース5の下端との間の排水口4A3から排水することができる。このため、異極端子間の短絡を防止することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
図2(a)は、第2の実施形態に係る電力量計の斜視図である。図2(b)は、ケースを透視して背面側から見た電力量計の斜視図である。図2(c)は、第2の実施形態に係る電力量計の右側面から見た垂直方向の断面図である。
【0027】
図2に示す第2の実施形態に係る電力量計は、図1に示す第1の実施形態に係る電力量計に対して、図2(c)に示すように、計量装置のベース4Bの排水用凹部4B2をベース4Bの下端まで延伸し、ケース5Bの背面をベース4Bの下端まで伸ばす延伸部5B1を設けている。
【0028】
このように第2の実施形態に係る電力量計によれば、計量装置内に侵入した水を、傾斜部4B1により背面側に流し、排水用凹部4B2を通して、排水用凹部4B2の下端と延伸部5B1の下端の間の排水口4B3から排水することができる。
【0029】
このため、第1の実施形態に係る電力量計に比べて、導体3や通信装置に水が付着することなく、より確実に計量装置外部に排水することができる。
【0030】
(第3の実施形態)
図3(a)は、本発明の第3の実施形態に係るケースを透視して背面側から見た電力量計の拡大斜視図である。図3(b)は、第3の実施形態に係る電力量計の排水口と防虫用網目部の斜視図である。図3(c)は、第3の実施形態に係る電力量計の右側面から見た垂直方向の断面図である。図3(d)は、図3(c)に示す断面図の内の排水口と防虫用網目部の拡大断面図である。
【0031】
第3の実施形態に係る電力量計は、第1の実施形態に係る電力量計に対して、さらに、計量装置のベース4Cの排水口4C3に網目状の防虫用網目部4C4を設けている。
【0032】
このように第3の実施形態の電力量計によれば、第1の実施形態の電力量計に比べ、網目状の防虫用網目部4C4を設けているので、排水する隙間が小さいため、計量装置内部への虫の浸入を防ぐことができる。
【0033】
(第4の実施形態)
図4(a)は、本発明の第4の実施形態に係るケースを透視して背面側から見た電力量計の斜視図である。図4(b)は、第4の実施形態に係る電力量計の排水口と防虫用網目部の拡大斜視図である。図4(c)は、第4の実施形態に係る電力量計の右側面から見た垂直方向の断面図である。図4(d)は、図4(c)に示す断面図の内の排水口と防虫用網目部の拡大断面図である。
【0034】
第4の実施形態に係る電力量計は、第2の実施形態に係る電力量計に対して、さらに、計量装置のベース4Dの排水口4D3に網目状の防虫用網目部4D4を設けている。
【0035】
このように第4の実施形態の電力量計によれば、第2の実施形態の電力量計に比べ、網目状の防虫用網目部4D4を設けているので、排水する隙間が小さいため、計量装置内部への虫の浸入を防ぐことができる。
【0036】
(第5の実施形態)
図5(a)は、本発明の第5の実施形態に係るケースを透視して背面側から見た電力量計の斜視図である。図5(b)は、本発明の第5の実施形態に係る電力量計の右側面から見た垂直方向の断面図である。第5の実施形態に係る電力量計は、図1に示す第1の実施形態の電力量計に対して、計量装置の回路部1Eの下端に浸水検出部1E1を設け(例えば、銅パターンからなる。)、浸水の有無を検出することができる。
【0037】
また、浸水検出部1E1は、第2の実施形態の電力量計又は第3の実施形態の電力量計又は第4の実施形態の電力量計に設けることもできる。
【0038】
(第6の実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態を示した電力量計のブロック図である。この電力量計は、図6に示すように、浸水検出部41、記録部42、表示部43、通信装置44を備えている。
【0039】
浸水検出部41は、水に接触した状態において浸水を検出し、電気信号に変換し出力する。記録部42は、記録保持装置などにより構成され、浸水検出部41からの電気信号を計量装置内部の浸水として記録する。表示部43は、液晶表示器等により構成され、計量装置内部が浸水していることを表示する。通信装置44は、記録部42に記録された計量装置内部の浸水情報をセンター装置45に通報することができる。
【符号の説明】
【0040】
1,1E 回路部
1a 表示部
1b 通信装置接続部
1c 開閉検出部
1d 導体接続部
1e センサ接続部
1f ベース取付部
1E1 浸水検出部
2 センサ部
2a センサ側回路接続部
3 導体
3a 導体側回路接続部
3b 電線収納部
4,4A,4B,4C,4D,4E ベース
4A1,4B1,4C1,4D1 傾斜部
4A2,4B2,4C2,4D2 排水用凹部
4A3,4B3,4C3,4D3 排水口
4C4,4D4 防虫用網目部
4a 通信装置接続部穴
4b 通信装置取付部
4c 開閉検出部通し穴
4d 導体通し穴
4e 回路取付部
4f カバー取付用雌ねじ部
4g 電線通し穴
4h ベース側固定ねじ取付部
5,5B,5D ケース
5B1,5D1 延伸部
5a 表示窓
5b ケース側固定ねじ取付部
6 電線取付ねじ
7 カバー
7a 検出用凸部
8 カバー取付ねじ
9 ケーブル
9a 計量装置接続部
10 LED導光部
11 上ケース
12 下ケース
12a 計量装置取付部
41 浸水検出部
42 記録部
43 表示部
44 通信装置
45 センター装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9