(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061213
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】花筒
(51)【国際特許分類】
E04H 13/00 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
E04H13/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169073
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】593085439
【氏名又は名称】ハジメ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】平 民三
(57)【要約】
【課題】 樹脂製の花筒の一例を開示する。
【解決手段】 花筒10は、下端側が閉塞され、上端側に開放された樹脂製の筒部11であって、少なくとも一部が挿入穴2に着脱自在に挿入される筒部11と、筒部11の上端側に設けられたフレア部12であって、当該筒部11と異なる種類の樹脂にて構成されたフレア部12とを備える。これにより、出願人は、例えば、筒部11がフレア部12に比べて加水分解がし難い樹脂にて構成され、フレア部12が筒部11に比べて紫外線劣化がし難い樹脂にて構成された花筒を提供することができる。そして、当該花筒によれば、筒部11の加水分解が抑制されるとともに、直射日光に晒される可能性が高いフレア部12の耐候性を確保することが可能となり得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
墓の花立て部分に設けられた挿入穴に着脱自在に挿入される花筒において、
下端側が閉塞され、上端側に開放された樹脂製の筒部であって、少なくとも一部が前記挿入穴に着脱自在に挿入される筒部と、
前記筒部の上端側に設けられたフレア部であって、当該筒部と異なる種類の樹脂にて構成されたフレア部と
を備える花筒。
【請求項2】
前記筒部は、前記フレア部に比べて加水分解がし難い樹脂にて構成され、
前記フレア部は、前記筒部に比べて紫外線劣化がし難い樹脂にて構成されている請求項1に記載の花筒。
【請求項3】
前記筒部と前記フレア部とは、分離可能に接続されている請求項1又は2に記載の花筒。
【請求項4】
前記フレア部は、耐衝撃性ポリスチレン、又はABS樹脂製であり、
前記筒部は、PPS樹脂製であり、
さらに、ABS樹脂製の前記フレア部は、表面にメッキ膜が設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の花筒。
【請求項5】
前記筒部の上端側又は前記フレア部の下端側には、鍔状のフランジ部が設けられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の花筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、墓の花立て部分に着脱自在に挿入される花筒に関する。
【背景技術】
【0002】
花筒は、例えば、特許文献1に記載されているように、筒部と鍔状のフランジ部と有して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、樹脂製の花筒の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
墓の花立て部分に設けられた挿入穴(2)に着脱自在に挿入される花筒は、下端側が閉塞され、上端側に開放された樹脂製の筒部(11)であって、少なくとも一部が挿入穴(2)に着脱自在に挿入される筒部(11)と、筒部(11)の上端側に設けられたフレア部(12)であって、当該筒部(11)と異なる種類の樹脂にて構成されたフレア部(12)とを備えることが望ましい。
【0006】
これにより、出願人は、例えば、筒部(11)がフレア部(12)に比べて加水分解がし難い樹脂にて構成され、フレア部(12)が筒部(11)に比べて紫外線劣化がし難い樹脂にて構成された花筒を提供することができる。そして、当該花筒によれば、筒部(11)の加水分解が抑制されるとともに、直射日光に晒される可能性が高いフレア部(12)の耐候性を確保することが可能となり得る。
【0007】
筒部(11)とフレア部(12)とは、分離可能に接続されていることが望ましい。これにより、利用者は、必要に応じて、フレア部(12)を交換することができる。なお、フレア部(12)は、耐衝撃性ポリスチレン、又はABS樹脂製であり、筒部(11)は、PPS樹脂製であり、さらに、ABS樹脂製のフレア部(12)は、表面にメッキ膜が設けられていることが望ましい。
【0008】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る花筒の使用状態を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るフレア部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0011】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。
【0012】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された花筒は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0013】
(第1実施形態)
<1.花筒の概要>
本実施形態に係る花筒10は、
図1に示されるように、墓の花立て部分1に設けられた挿入穴2に着脱自在に挿入される筒状の容器であって、生花等を立てるための花瓶の一種である。
【0014】
花筒10は、
図2に示されるように、筒部11及びフレア部12等を有して構成されている。筒部11は、下端側が閉塞され、上端側に開放された樹脂製の筒体である。当該筒部11は、
図1に示されるように、少なくとも一部が挿入穴2に着脱自在に挿入される部分である。
【0015】
フレア部12は、筒部11の上端側に設けられた管状の部材であって、筒部11と異なる種類の樹脂にて構成されている。なお、本実施形態に係るフレア部12は、上端側に向かうほど内径寸法が拡大する朝顔型の広がり部12Aを有する。
【0016】
<2.花筒の詳細>
<2.1 詳細構成>
筒部11の上端側外周面には、
図3に示されるように、大径部11Aが設けられている。大径部11Aは、下端側に比べて外径寸法が大きい鍔状の部位である。当該大径部11Aの外周面には、雄ネジが設けられている。
【0017】
因みに、筒部11の内容積は、200cc~400ccであり、筒部11の内直径は約50mmである。筒部11の底から大径部11Aの下端までの寸法は約100~200mmである。
【0018】
フレア部12のうち広がり部12Aの小径側には、
図4に示されるように、円筒状の嵌合部12Bが設けられている。嵌合部12Bは、筒部11のうち大径部11A及び当該大径部11Aより上端側の部位が嵌り込む部位である。
【0019】
そして、大径部11Aの内周面には、大径部11Aに設けられた雄ネジと結合可能な雌ネジが設けられている。つまり、本実施形態では、筒部11とフレア部12とは、ネジ結合にて分離可能に接続されている。
【0020】
<2.2 材質の詳細>
筒部11は、フレア部12に比べて加水分解がし難い樹脂にて構成されている。フレア部12は、筒部11に比べて紫外線劣化がし難い樹脂にて構成されている。
【0021】
具体的には、フレア部12は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、又はABS樹脂製である。筒部11は、PPS樹脂製である。なお、本実施形態では、ABS樹脂製のフレア部12には、表面にメッキ膜が設けられている。
【0022】
<3.花筒の使用方法及び特徴>
図1に示されるように、花筒10の利用者は、墓の花立て部分1に設けられた挿入穴2に筒部11を挿入する。利用者は、筒部11を挿入穴2に挿入する前に、水及び生花を花筒10に入れてもよいし、筒部11を挿入穴2に挿入後に、水及び生花を花筒10に入れてもよい。
【0023】
挿入穴2に挿入された花筒10は、大径部11Aの下面が挿入穴2の上端外縁に引っ掛かるように係止される。このため、フレア部12が挿入穴2内に埋没してしまうことが規制される。
【0024】
そして、本実施形態に係る花筒10では、筒部11がフレア部12に比べて加水分解がし難い樹脂にて構成され、フレア部12が筒部11に比べて紫外線劣化がし難い樹脂にて構成されているので、筒部11の加水分解が抑制されるとともに、直射日光に晒される可能性が高いフレア部12の耐候性を確保することが可能となり得る。
【0025】
筒部11とフレア部12とは、分離可能に接続されているので、利用者は、例えば、耐衝撃性ポリスチレン製のフレア部12とABS樹脂製のフレア部12とを、季節(気温)やフレア部12の劣化状態等その他の状況に応じて使い分けることもできる。
【0026】
(第2実施形態)
本実施形態に係る花筒10は、
図5に示されるように、筒部11の上端側又はフレア部12の下端側には、鍔状のフランジ部11Bが設けられている。本実施形態では、筒部11のうち大径部11Aの下端にフランジ部11Bが設けられている。
【0027】
このため、花筒10が、墓の花立て部分1に設けられた挿入穴2に挿入されると、フランジ部11Bの下面が挿入穴2の上端外縁に係止されので、フレア部12が挿入穴2内に埋没してしまうことが規制される。
【0028】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、筒部11は、フレア部12に比べて加水分解がし難い樹脂にて構成され、フレア部12は、筒部11に比べて紫外線劣化がし難い樹脂にて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、全て同一の樹脂にて構成されていてもよい。
【0029】
上述の実施形態では、フレア部12は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、又はABS樹脂製である。筒部11は、PPS樹脂製であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、その他の樹脂であってもよい。
【0030】
上述の実施形態では、筒部11とフレア部12とは、ネジ結合にて分離可能に接続されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、筒部11とフレア部12とが接着剤や溶着にて一体化された構成、同一の樹脂にて一体成形された構成、若しくは筒部11とフレア部12とが異なる樹脂による二色成形にて一体成形された構成、又はネジ以外の他の構成(例えば、圧入)に一体化された構成等であってもよい。
【0031】
上述の実施形態に係るフレア部12は、上端側に向かうほど内径寸法が拡大する朝顔型の広がり部12Aを有する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、単純な筒状であってもよい。
【0032】
第2実施形態では、フランジ部11Bが筒部11に設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、フランジ部11Bがフレア部12に設けられた構成であってもよい。
【0033】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
10… 花筒 11… 筒部 12… フレア部