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  • 特開-飾り鋲、それを取り付けたランドセル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061228
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】飾り鋲、それを取り付けたランドセル
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
A45F3/04 400E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169105
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】503088828
【氏名又は名称】株式会社加藤忠
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B045CE00
3B045LA06
3B045LB04
(57)【要約】
【課題】柔らかで優しい印象を与えることができる飾り鋲を提供する。
【解決手段】被着体10から突出する頭部22cを有する鋲本体2と、被着体10と頭部22cとの間に介在して被着体10と直接対向しつつ、頭部22cを覆う軟質部材3とを備えた、飾り鋲1。軟質部材3が、刺繍シート4を複数積層してなる刺繍体3からなる。頭部22cに、頭部22cの上面と当接する刺繍シート4が縫い付けられており、縫い付けられた刺繍シート4の上面と下面とにそれぞれ刺繍シート4が接着剤で接着されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体から突出する頭部を有する鋲本体と、
被着体と頭部との間に介在して被着体と直接対向しつつ、頭部を覆う軟質部材とを備えた、飾り鋲。
【請求項2】
軟質部材が刺繍体である、請求項1記載の飾り鋲。
【請求項3】
刺繍体が刺繍シートを複数積層してなり、頭部が刺繍シート間に位置している、請求項2記載の飾り鋲。
【請求項4】
頭部に刺繍シートが縫い付けられている、請求項3記載の飾り鋲。
【請求項5】
頭部に縫い付けられた刺繍シートに他の刺繍シートが接着されている、請求項4記載の飾り鋲。
【請求項6】
頭部に、頭部の上面と当接する刺繍シートが縫い付けられており、縫い付けられた刺繍シートの上面と下面とにそれぞれ刺繍シートが接着剤で接着されている、請求項3記載の飾り鋲。
【請求項7】
下層の複数枚の刺繍シートが同一形状とされ、上層の刺繍シートが、下層の刺繍シートの範囲に収まりつつ、下層の刺繍シートとは異なる形状とされている、請求項3~6のいずれかに記載の飾り鋲。
【請求項8】
ランドセルの垂れ蓋と連結ベルトとの連結部に取り付けられる、請求項1~7のいずれかに記載の飾り鋲。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の飾り鋲を取り付けたランドセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばランドセルに取り付けられる飾り鋲と、それを取り付けたランドセルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ランドセルの垂れ蓋(カブセ)と連結ベルト(ベロ)との連結部に取り付けられる鋲において、垂れ蓋から突出する頭部に装飾性を持たせることが開示されている。また、特許文献2には、鋲の頭部に皮革からなるリボンを取り付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-043603号公報
【特許文献2】特開2018-108305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鋲は、本来、部材同士を連結するために使用するものである。従って金属製とすることが一般的であって、その結果、鋲が使われたランドセル等に堅牢で耐久性に優れた印象を与える一因となっている。そのため、部材同士を連結する用途には使われない飾り鋲、例えば特許文献1の第2鋲についても金属製であることを念頭においており、また鋲の頭部に施される装飾もラインストーンやガラス、陶磁器、セラミック等の硬質なものとされ、その鋲が使われたランドセルに堅牢さや高級感を付与している。
【0005】
ただ、このようなイメージがミスマッチを引き起こすことがある。すなわち、柔らかで優しい印象を与えるデザインの装飾を垂れ蓋に施した場合、硬いイメージを持つ鋲との間で統一感が取れず、ちぐはぐな印象を受けることがあった。なお、特許文献2では、皮革で構成されたリボンによって鋲の一部が隠れてはいるが、リボンを鋲に取り付けるにあたって、取付ネジのネジ頭と本体ネジのフランジ部とで皮革を挟み込んでいるため、皮革の外側に位置するフランジ部が完全に露出した状態となっている。
【0006】
そこで本発明は、柔らかで優しい印象を与えることができる飾り鋲と、この飾り鋲を用いたランドセルの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の飾り鋲は、被着体10から突出する頭部22cを有する鋲本体2と、被着体10と頭部22cとの間に介在して被着体10と直接対向しつつ、頭部22cを覆う軟質部材3とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記構成の飾り鋲は、軟質部材3が刺繍体であることが好ましい。
【0009】
また、刺繍体3が刺繍シート4を複数積層してなり、頭部22cが刺繍シート4間に位置していることが好ましい。さらに、頭部22cに刺繍シート4が縫い付けられていることが好ましい。さらに、頭部22cに縫い付けられた刺繍シート4に他の刺繍シート4が接着されていることが好ましい。
【0010】
頭部22cに、頭部22cの上面と当接する刺繍シート4が縫い付けられており、縫い付けられた刺繍シート4の上面と下面とにそれぞれ刺繍シート4が接着剤で接着されていてもよい。
【0011】
下層の複数枚の刺繍シート4が同一形状とされ、上層の刺繍シート4が、下層の刺繍シート4の範囲に収まりつつ、下層の刺繍シート4とは異なる形状とされていることが好ましい。
【0012】
また、ランドセルの垂れ蓋11と連結ベルト12との連結部に取り付けられることが好ましい。
【0013】
本発明のランドセルは、上記いずれかの飾り鋲1を取り付けていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の飾り鋲では、軟質部材によって鋲本体の頭部を覆っているため、被着体に鋲を取り付けた際に、柔らかで優しい印象を与えることができる。また、軟質部材が、被着体と頭部との間に介在して被着体と直接対向しているため、外部から頭部を認識することは困難であり、あたかも鋲全体が軟質部材から構成されているかのように感じ取ることができる、もしくは鋲を使っていないかのような印象を与えることができる。また、同様の大きさの鋲を金属で形成した場合、重さや安全性に問題を生じる可能性があるが、そのような心配も生じない。
【0015】
また、軟質部材が刺繍体である場合、刺繍独特の風合いにより、従来の鋲とは全く異なる印象を与えることができる。
【0016】
刺繍体が刺繍シートを複数積層してなり、頭部が刺繍シート間に位置している場合、頭部を隠しやすく、また頭部と刺繍体との取り付け強度を確保し易い。
【0017】
頭部に刺繍シートが縫い付けられている場合、頭部に刺繍体を強固に取り付けることができる。
【0018】
頭部に縫い付けられた刺繍シートに他の刺繍シートが接着されている場合、縫い糸を隠すことができる。
【0019】
頭部に、頭部の上面と当接する刺繍シートが縫い付けられており、縫い付けられた刺繍シートの上面と下面とにそれぞれ刺繍シートが接着剤で接着されている場合、縫い糸と接着剤とによって刺繍体を頭部に取り付けることができ、且つ縫い糸を隠すことができる。
【0020】
下層の複数枚の刺繍シートが同一形状とされ、上層の刺繍シートが、下層の刺繍シートの範囲に収まりつつ、下層の刺繍シートとは異なる形状とされている場合、複雑な立体形状を表現することができる。
【0021】
ランドセルの垂れ蓋と連結ベルトとの連結部に取り付けられる場合、従来の鋲とは全く異なる、柔らかで優しい印象を与えることができる。そのため、垂れ蓋に柔らかで優しい印象を与えるデザインの装飾が施されている場合、調和のとれた一体感を演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の飾り鋲を示す斜視図である。
図2】飾り鋲の断面図である。
図3図3Aが下層の刺繍シートの平面図であり、図3Bが上層の刺繍シートの平面図であり、図3Cが最上層の刺繍シートの平面図である。
図4】刺繍体の平面図である。
図5】刺繍シートの概略断面図である。
図6】飾り鋲の製造工程を示す概略断面図である。
図7】飾り鋲の製造工程を示す概略断面図である。
図8】飾り鋲のランドセルへの取り付け状態を示す概略断面図である。
図9】飾り鋲を取り付けたランドセルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図面を参照しながら本発明の飾り鋲について説明する。本発明の飾り鋲1は、図1及び図2に示すように、金属製の鋲本体2と、鋲本体2に取り付けられる軟質部材3とから構成されている。
【0024】
鋲本体2は、いわゆる組ネジや片ネジ式ビスと呼ばれるものであって、オス部材21とメス部材22とからなる。
【0025】
オス部材21は、雄ネジ部21aと、この雄ネジ部21aの下端に一体形成された座部21bとからなる。座部21bは円板状であって、その外径は雄ネジ部21aの外径よりも大とされている。また、座部21bの下面には、ドライバーなどで回転させる際に使用する溝21cが設けられている。
【0026】
メス部材22は、内部に雌ネジ22bを刻設した軸部22aと、軸部22aの上端に一体形成された頭部22cからなる。頭部22cは円板状であって、その外径は軸部22aの外径よりも大とされている。また、頭部22cには上下方向(板厚方向)に貫通する縫い孔22dが設けられている。この縫い孔22dは頭部22cの外縁近傍に等間隔に複数(4個)設けられている。上面及び下面は縫い孔22dを除いて平坦である。なお、鋲本体2を被着体(ランドセル等)10に取り付けた場合(図8参照)、頭部22cは被着体10から突出する。座部21bも同様である。
【0027】
軟質部材3は、刺繍体からなる。刺繍体3は、鋲本体2の頭部22cより幅広とされた複数の刺繍シート4を積層することで構成されている。刺繍シート4の平面形状は、図3A~Cに示すように、複数枚の下層の刺繍シート4Aと、下層の刺繍シート4Aの上に積層される上層の刺繍シート4Bと、上層の刺繍シート4Bの上に積層される最上層の刺繍シート4Cとで異なっている。具体的には、下層の刺繍シート4Aの平面形状は、互いに僅かにずれた2種類のリボンの中央に結び目をつけた状態の輪郭であり、上層の刺繍シート4Bの平面形状は、2種類のうちの一方のリボンのみの輪郭であり、最上層の刺繍シート4Cの平面形状は、中央の結び目のみの輪郭とされている。すなわち、複数の下層の刺繍シート4Aは互いに同一形状とされ、上層や最上層の刺繍シート4B、4Cは、自身より下層4A、4Bの刺繍シート4の範囲に収まりつつ、下層4A、4Bの刺繍シート4とは異なる形状とされている(図4参照)。
【0028】
ところで、刺繍シート4は、図5に示すように、柔軟な素地41と、その素地41に設けられた刺繍42と、裏面側(後述する刺繍42の下糸42b側)に設けられた熱接着剤層43とからなる。ただ後述するように、熱接着剤層43はなくてもよい。
【0029】
素地41は、ヒートカットが可能で、しかも熱接着の温度では溶融しない熱可塑性樹脂製の織布あるいは熱可塑性の合成繊維からなる織布、合成樹脂製フィルムが好ましい。素地41には大きな強度、耐裂け性や糸の張りに対する強度は不要である。また、熱接着する場合に素地41が溶融するものであってもよい。ただし製造途中では、刺繍シート4単独で取り扱われるため、所定の強度が求められる。そのため、綿や麻などの植物繊維、ウールなどの動物繊維、合成繊維からなる糸を織ったメッシュ生地、織物地、織布などを用いてもよい。
【0030】
素地41がヒートカット性を有する場合は、大きい素地41に多数形成した刺繍42を、輪郭に沿って容易に個別に切り離す(カッティング)ことができる。ただし型抜きなど、他の切断方法を採用する場合はヒートカット性がなくてもよい。カッティングする場合は、上面に耐熱性のフィルムを貼り付けて、切り離し後にバラバラにならないようにするのが好ましい。
【0031】
素地41に設けられる刺繍42には、素地41の上側に位置する上糸42aと、素地41の下側に位置する下糸42bとが使用される。この上糸42a、下糸42bには所定の引っ張り強度、耐摩耗性、耐候性が必要である。なお、1本の刺繍糸で刺繍をすることもある。
【0032】
熱接着剤層43は、加熱により溶融して素地41や刺繍42の隙間に流れ込み、冷却後に両者を一体に接合する接着剤であり、ホットメルト系接着剤などが好適である。このような熱接着剤層43の材料としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなどを採用しうる。
【0033】
上記の刺繍シート4を製造するには、素地41に刺繍糸(上糸42a、下糸42b)を所定の形状となるように縫い付けて刺繍42を設け、刺繍42の下面に熱接着剤層43を設けることで完成する。必要に応じて熱接着剤層43に剥離紙を貼り付けてもよい。なお、熱接着剤層43は、あらかじめ塗布して乾燥させて形成してもよく、貼り付ける直前に液状の接着剤を塗布してもよい。接着時に接着剤を塗布する場合は、刺繍シート4に熱接着剤層43を設ける必要はないが、設けてもよいことは勿論である。所定の耐久性や接着強度を満たす限り、熱接着剤層43に代えて、加圧により接着する接着剤や粘着糊などを採用することもできる。
【0034】
飾り鋲1を製造するにあたっては、図6に示すように、まず、鋲本体2の頭部22cの上面に1枚の下層の刺繍シート4Aを当接させ、頭部22cの縫い孔22dを利用して頭部22cに刺繍シート4Aを縫い付ける。この際、他の刺繍シート4Aとで頭部22cを挟み込んだ際に頭部22cが隠れるよう、頭部22cよりも幅広で且つ頭部22cの外縁から刺繍シート4Aの外縁までに十分な距離を確保できる場所に縫い付けることが好ましい。十分な距離としては例えば頭部22cの厚み(板厚方向)と同じ、またはそれ以上の長さである。
【0035】
続いて、図7に示すように、頭部22cに縫い付けられた刺繍シート4Aに他の刺繍シート4Aを重ねていく。具体的には、頭部22cに縫い付けられた刺繍シート4Aの上面と下面とに同一形状の刺繍シート4Aをそれぞれ重ねる。なお、頭部22cに縫い付けられた刺繍シート4Aの下面と重なる刺繍シート4Aには、軸部22aを通すための挿通孔4A1を設けておく。挿通孔4A1の径は、軸部22aの外径と同じもしくは小とする。これにより、頭部22cに縫い付けられた刺繍シート4Aの下面に加えて頭部22cの下面も刺繍シート4Aで覆われることになり、縫い糸5が隠れ、頭部22cを外部から認識することも困難になる。
【0036】
刺繍シート4同士は接着剤で接着することが好ましい。例えば縫い付けによって固定した場合、縫い糸5が外部に露出するためである。なお、接着剤とは、熱接着剤層43である。接着に際しては、重ね合わせ方向から熱と圧力を加えて(熱プレスし)、熱接着剤層43を溶解させ、上下の刺繍シート4と接着させる。
【0037】
以下、同じようにして刺繍シート4Aの上に刺繍シート4Aを重ねていき、熱プレスをする。熱プレスは刺繍シート4Aを重ねる度に行ってもよいし、複数枚の刺繍シート4Aを重ねた後で行ってもよい。最終的に、下層の刺繍シート4Aを5枚、上層の刺繍シート4Bを1枚、最上層の刺繍シート4Cを1枚重ねることで刺繍体3が完成し、同時に飾り鋲1の製造が完了する(図2参照)。
【0038】
上記構成の飾り鋲1は、図8に示すように、予めランドセルに設けられている孔に取り付けられる。具体的には、垂れ蓋11と連結ベルト12(図9参照)との連結部にハトメ鋲13が打たれており、このハトメ鋲13によって形成されたハトメ孔13aに取り付けられる。取り付けにあたっては、まず、メス部材22の軸部22aを上側からハトメ孔13aに通し、下側からオス部材21を螺合する。刺繍体3がメス部材22に取り付けられているため、刺繍体3がオス部材21に取り付けられていると生じる問題(軸部22aの先端と座部21bとで刺繍体3を挟み込んでしまう)も起こり得ない。軸部22aの先端と座部21bとが当接するまで、もしくは頭部22cの下方に位置する刺繍シート4と座部21bとがハトメ鋲13やランドセルに当接するまで螺合し、取り付けを完了する。この取り付け状態において、図8に示すように、頭部22cの下方に位置する刺繍シート4は、ランドセルと鋲本体22の頭部22cとの間に介在して、ランドセルと直接対向している。
【0039】
上記構成の飾り鋲1は、鋲本体2の頭部22c全体が刺繍体3によって覆われているため、外部から頭部22cを認識することはできず、刺繍体3のみがそこに存在しているかのように錯覚させ、従来の鋲とは異なる柔らかで優しい印象を与えることができる。そのため、図9に示すように、例えば垂れ蓋11に刺繍Eを施したり、刺繍シート4を貼り付けている場合、全体として調和のとれた一体感を与えることができる。また、被着体10と頭部22cとの間に軟質部材3である刺繍体3が介在しているため、頭部22cと被着体10とが接触することはなく、飾り鋲1を取り付けたことによる被着体10への傷つきや跡残りを防止することができる。
【0040】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、飾り鋲1を取り付ける位置は、垂れ蓋11と連結ベルト12との連結部に限らず、垂れ蓋11の他の部分やランドセルの側面14、背負いベルト15に取り付けてもよい(図9参照)。また、取り付けにあたってハトメ鋲13を用いていたが、必ずしも用いる必要は無い。また、鋲本体2がオス部材21とメス部材22とからなり、オス部材21とメス部材22とが螺合されていることにより、飾り鋲1が着脱可能とされていたが、着脱不可であってもよい。例えばカシメ固定される鋲を用いてもよい。
【0041】
また、軟質部材3としては、刺繍体に限らず、軟質樹脂やゴム、織布、不織布、紙等、柔らかな印象を与えるものであれば種々採用し得る。また、刺繍体3は、刺繍シート4を複数積層したものに限らず、1枚の刺繍シート4から構成されていてもよい。鋲本体2は金属の他、硬質樹脂で構成されていてもよい。すなわち、硬質部材であればよい。
【符号の説明】
【0042】
1 飾り鋲
2 鋲本体
21 オス部材
21a 雄ネジ部
21b 座部
21c 溝
22 メス部材
22a 軸部
22b 雌ネジ
22c 頭部
22d 縫い孔
3 軟質部材(刺繍体)
4 刺繍シート
4A 下層の刺繍シート
4A1 挿通孔
4B 上層の刺繍シート
4C 最上層の刺繍シート
41 素地
42 刺繍
42a 上糸
42b 下糸
43 熱接着剤層
5 縫い糸
10 被着体(ランドセル)
11 垂れ蓋
12 連結ベルト
13 ハトメ鋲
13a ハトメ孔
14 ランドセルの側面
15 背負いベルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9