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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061250
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】熱源機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20220411BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
F25B1/00 101E
F25B43/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169141
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 正広
(57)【要約】
【課題】圧縮機の吸込側に導く冷却用の冷媒を供給する配管径を小さくすることができる熱源機を提供する。
【解決手段】チラー1は、冷媒を圧縮する圧縮機3と、冷媒と水とを熱交換する水熱交換器5と、冷媒を膨張させる第1膨張弁6と、冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器9と、水熱交換器5と第1膨張弁6との間に上流端が接続されて液冷媒を圧縮機3の吸入側に導く液バイパス配管20と、を備えている。空気熱交換器9側に第2膨張弁8が設けられ、第1膨張弁6と第2膨張弁8との間にレシーバ7が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、
冷媒を膨張させる膨張弁と、
冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、
前記熱媒体熱交換器と前記膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、
を備えている熱源機。
【請求項2】
前記膨張弁は、前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁とを備え、
前記液バイパス配管の前記上流端は、前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に接続され、
前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に、冷媒を貯留するレシーバが設けられている請求項1に記載の熱源機。
【請求項3】
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、
前記加熱運転時で、かつ、前記空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値以下とされた場合に、前記液バイパス弁を閉から開へと制御する制御部と、
を備えている請求項1又は2に記載の熱源機。
【請求項4】
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
前記第1膨張弁、前記レシーバ、及び前記第2膨張弁に対して並列に設けられ、前記熱媒体熱交換器と前記空気熱交換器とを接続する並列冷媒配管と、
前記並列冷媒配管に設けられた第3膨張弁と、
前記加熱運転時に、前記第3膨張弁を閉とし、前記第1膨張弁側に冷媒を流すように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御し、前記冷却運転時に、前記第3膨張弁を開とし、前記第2膨張弁側に冷媒を流さないように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御する制御部と、
を備えている請求項2に記載の熱源機。
【請求項5】
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
前記液バイパス配管に設けられ、開閉弁とされた液バイパス弁と、
前記加熱運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定値以下となるように、前記第1膨張弁の開度を制御する制御部と、
を備えている請求項2に記載の熱源機。
【請求項6】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、
冷媒を膨張させる膨張弁と、
冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、
前記熱媒体熱交換器と前記膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、
前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
を備えた熱源機の制御方法であって、
前記加熱運転時で、かつ、前記空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値以下とされた場合に、前記液バイパス弁を閉から開へと制御する熱源機の制御方法。
【請求項7】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、
冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、
前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、
前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁と、
前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、
前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、
前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に設けられ、冷媒を貯留するレシーバと、
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
前記第1膨張弁、前記レシーバ、及び前記第2膨張弁に対して並列に設けられ、前記熱媒体熱交換器と前記空気熱交換器とを接続する並列冷媒配管と、
前記並列冷媒配管に設けられた第3膨張弁と、
を備えた熱源機の制御方法であって、
前記加熱運転時に、前記第3膨張弁を閉とし、前記第1膨張弁側に冷媒を流すように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御し、前記冷却運転時に、前記第3膨張弁を開とし、前記第2膨張弁側に冷媒を流さないように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御する熱源機の制御方法。
【請求項8】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、
冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、
前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、
前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁と、
前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、
前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、
前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に設けられ、冷媒を貯留するレシーバと、
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
を備えた熱源機の制御方法であって、
前記加熱運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定値以下となるように、前記第1膨張弁の開度を制御する熱源機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばヒートポンプチラー等に用いて好適な熱源機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用などの熱源機の一つとしてヒートポンプチラーが用いられている。ヒートポンプチラーを加熱運転で用いて温水を供給する場合、特に外気温が低いと高圧力比となり圧縮機から吐出される冷媒の温度が高くなる傾向にある。また、地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒としてR32等の低沸点冷媒を用いた場合、さらに冷媒吐出温度が高くなる。冷媒吐出温度が高くなると、低沸点冷媒でない冷媒に対して用いられていた従来部品の流用が困難となるため、冷媒吐出温度を低減させることが要請される。
【0003】
特許文献1には、室内機から導かれた冷媒の一部を絞り装置で膨張させて気液二相とし、この二相冷媒を圧縮機の冷媒吸込側に供給することで、冷媒吐出温度を低減させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6005255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、冷却用の冷媒として気液二相とされた冷媒を用いているので、冷媒の比体積が液冷媒に比べて大きくなり配管径が大きくなってしまう。これでは取り回し性が改善されないだけでなく、コストを低減することができない。
【0006】
ヒートポンプによる加熱運転に加えて冷却運転も行う場合、必要とされる冷媒量が各運転で異なるため使用する冷媒が余剰となるという問題がある。
【0007】
特許文献1では、冷却用の気液二相冷媒を導く配管に絞り装置を設け、その開度を制御するようになっている。しかし、メインの冷媒回路の膨張弁制御に加えて絞り装置の開度制御を行うのは煩雑である。
【0008】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、圧縮機の吸込側に導く冷却用の冷媒を供給する配管径を小さくすることができる熱源機及びその制御方法を提供することを目的とする。
また、加熱運転及び冷却運転を行う熱源機であっても使用冷媒量を低減することができる熱源機及びその制御方法を提供することを目的とする。
また、簡便な制御で冷却用の冷媒を圧縮機の吸込側に供給することができる熱源機及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の熱源機は、本開示の一態様に係る熱源機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、前記熱媒体熱交換器と前記膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、を備えている。
【0010】
本開示の一態様に係る熱源機の制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、前記熱媒体熱交換器と前記膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、を備えた熱源機の制御方法であって、前記加熱運転時で、かつ、前記空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値以下とされた場合に、前記液バイパス弁を閉から開へと制御する。
【発明の効果】
【0011】
圧縮機の吸込側に導く冷却用の冷媒を供給する配管径を小さくすることができる。
加熱運転及び冷却運転を行う熱源機であっても使用冷媒量を低減することができる。
簡便な制御で冷却用の冷媒を圧縮機の吸込側に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1実施形態に係る冷媒回路であり加熱運転時を示した概略構成図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る冷媒回路であり冷却運転時を示した概略構成図である。
図3】本開示の第2実施形態に係る冷媒回路であり加熱運転時を示した概略構成図である。
図4】本開示の第2実施形態に係る冷媒回路であり冷却運転時を示した概略構成図である。
図5】本開示の第3実施形態に係る冷媒回路のp-h線図を示したグラフである。
図6】本開示の第3実施形態の変形例を示した冷媒回路を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示に係る各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2には、本実施形態のチラー(熱源機)1の冷媒回路構成が示されている。チラー1は、圧縮機3の吐出側に設けた四方弁(切換弁)4を切り替えることによって、加熱運転と冷却運転とを行うことができる。加熱運転は、水熱交換器(熱媒体熱交換器)5にて水(熱媒体)を加熱する運転であり、冷却運転は水熱交換器5にて水を冷却する運転である。図1には加熱運転を行う場合の冷媒回路が示されており、図2には冷却運転を行う場合の冷媒回路が示されている。
【0015】
チラー1は、冷媒として、例えば、R32が用いられる。R32は、低沸点冷媒とされ、地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒とされている。なお、R32に代えて他の冷媒を用いることとしても良い。
【0016】
チラー1は、冷媒を圧縮する圧縮機3と、四方弁4と、水熱交換器5と、第1膨張弁6と、レシーバ7と、第2膨張弁8と、空気熱交換器9と、アキュムレータ10と、を備えている。これら圧縮機3、四方弁4、水熱交換器5、第1膨張弁6、レシーバ7、第2膨張弁8、空気熱交換器9及びアキュムレータ10を冷媒配管によって接続することで冷凍サイクルを行う冷媒回路が構成される。
【0017】
圧縮機3は、例えばスクロール圧縮機やロータリ圧縮機とされており、圧縮機3のハウジング3a内にスクロール圧縮機構やロータリ圧縮機構などの圧縮機構3bが設けられている。圧縮機構3bは、図示しない電動モータによって駆動される。電動モータは、インバータ装置を備えており、図示しない制御部からの指令によって回転数が任意に変更されるようになっている。
【0018】
圧縮機3の吐出側には、冷媒の吐出温度を計測する吐出温度センサ14が設けられている。吐出温度センサ14の出力は、制御部へ送信される。
【0019】
四方弁4は、加熱運転時には圧縮機3から吐出された冷媒が水熱交換器5へ導かれるように切り換えられ(図1)、冷却運転時には圧縮機3から吐出された冷媒が空気熱交換器9へ導かれるように切り換えられる(図2)。四方弁4の制御は、図示しない制御部によって行われる。
【0020】
水熱交換器5は、加熱運転時には凝縮器として動作し(図1)、冷却運転時には蒸発器として動作する(図2)。水熱交換器5には、外部負荷との間で水を循環させる水配管16が接続されている。水熱交換器5にて水配管16から導かれた水と冷媒とが熱交換される。
【0021】
第1膨張弁6は、図1のように凝縮器として動作する場合の水熱交換器5にて凝縮液化された冷媒を膨張させる。第1膨張弁6の開度は、制御部によって制御される。
【0022】
第2膨張弁8は、図2のように凝縮器として動作する場合の空気熱交換器9にて凝縮液化された冷媒を膨張させる。第2膨張弁8の開度は、制御部によって制御される。
【0023】
レシーバ7は、第1膨張弁6と第2膨張弁8との間に設けられ、第1膨張弁6又は第2膨張弁8で膨張された冷媒の一部を一時的に貯留する容器である。レシーバ7の容量(大きさ)は、冷媒回路を循環する冷媒量に応じて決定される。
【0024】
空気熱交換器9は、加熱運転時には蒸発器として動作し(図1)、冷却運転時には凝縮器として動作する(図2)。空気熱交換器9にて冷媒と空気とが熱交換される。空気熱交換器9に対して、ファン12から空気が送られるようになっている。
【0025】
アキュムレータ10は、圧縮機3の上流側すなわち冷媒吸入側に設けられ、空気熱交換器9又は水熱交換器5にて蒸発させられた冷媒を一時的に貯留する容器である。
【0026】
水熱交換器5と第1膨張弁6との間には、液バイパス配管20の上流端が接続されている。液バイパス配管20の下流端は、圧縮機3の圧縮機構3bの吸込側に接続されている。液バイパス弁22を介して、加熱運転時に凝縮器として動作する水熱交換器5から導かれた液冷媒の一部が圧縮機構3bへ導かれる。すなわち、液バイパス弁22は、第1膨張弁6,レシーバ7、第2膨張弁8、空気熱交換器9及びアキュムレータ10をバイパスする。
【0027】
液バイパス配管20の中途位置には、液バイパス弁22が設けられている。液バイパス弁22は、電磁弁などの開閉弁とされており、その開閉動作は制御部によって行われる。
【0028】
チラー1の筐体内またはチラー1の近傍には外気温センサ18が設けられている。外気温センサによって、外気温度が計測される。外気温センサ18によって計測される外気温度が、ファン12によって空気熱交換器9に導かれる空気温度とされる。外気温センサ18の出力は制御部に送信される。
【0029】
制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0030】
次に、上記構成とされたチラー1の動作について説明する。
<加熱運転:図1
水熱交換器5にて水を加熱する場合には、図1に示すように四方弁4を切り換えて、圧縮機3から吐出された高圧ガス冷媒が水熱交換器5に導かれる。水熱交換器5では、水配管16から導かれた水と熱交換することによって冷媒が凝縮する。冷媒が凝縮する際の潜熱によって水が加熱される。加熱された水は、水配管16を介して外部負荷へと導かれる。
【0031】
水熱交換器5にて凝縮した液冷媒は、第1膨張弁6へと導かれて膨張させられる。膨張後の冷媒は、レシーバ7へと導かれ、一部の冷媒が余剰冷媒としてレシーバ7内で貯留される。レシーバ7から取り出された冷媒は、第2膨張弁8を介して空気熱交換器9へと導かれる。
【0032】
空気熱交換器9では、ファン12によって導かれた空気と熱交換することによって冷媒が蒸発する。空気熱交換器9で蒸発した冷媒は四方弁4を通りアキュムレータ10へと導かれる。アキュムレータ10から導かれたガス冷媒は、圧縮機3の吸込側へと導かれて再び圧縮機構3bによって圧縮される。
【0033】
制御部は、外気温センサ18にて計測した外気温が所定値以下(例えば0℃以下又は-5℃以下)の低外気温となった場合に、液バイパス配管20に設けた液バイパス弁22を閉から開へと制御する。これにより、水熱交換器5から導かれた液冷媒の一部が液バイパス配管20を介して圧縮機3の圧縮機構3bの吸入側に導かれる。このように液冷媒を圧縮機構3bの吸入側に供給することによって、圧縮機3から吐出される冷媒の吐出温度が低減される。
【0034】
なお、液バイパス弁22の開閉の制御は、外気温センサ18で計測された温度と共に、又は、外気温センサ18で計測された温度に代えて、吐出温度センサ14で計測された温度や、圧縮機3の圧力比を用いても良い。例えば、水熱交換器5にて加熱される水温が50℃に対応する温度に吐出温度センサ14の計測値がなったとき、及び/又は、圧縮機3の圧力比が4.5以上となったときに、液バイパス弁22を閉から開へと制御する。
【0035】
<冷却運転:図2
水熱交換器5にて水を冷却する場合には、図2に示すように四方弁4を切り換えて、圧縮機3から吐出された高圧ガス冷媒が空気熱交換器9に導かれる。空気熱交換器9では、ファン12によって導かれた空気と熱交換することによって冷媒が凝縮する。
【0036】
空気熱交換器9にて凝縮した液冷媒は、第2膨張弁8へと導かれて膨張させられる。膨張後の冷媒は、レシーバ7へと導かれ、一部の冷媒がレシーバ7内で貯留される。レシーバ7から取り出された冷媒は、第1膨張弁6を介して水熱交換器5へと導かれる。
【0037】
水熱交換器5では、水配管16から導かれた水と熱交換することによって冷媒が蒸発する。冷媒の蒸発潜熱によって冷却された水は、水配管16を介して外部負荷へと導かれる。
【0038】
水熱交換器5で蒸発した冷媒は四方弁4を通りアキュムレータ10へと導かれる。アキュムレータ10から導かれたガス冷媒は、圧縮機3の吸込側へと導かれて再び圧縮機構3bによって圧縮される。
【0039】
制御部は、冷却運転の時は、液バイパス弁22を閉としたままとする。すなわち、冷却運転の時は液バイパス配管20を使用しない。
【0040】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
液バイパス配管20によって液冷媒が圧縮機構3bの吸入側に導かれることによって、圧縮機3から吐出される冷媒温度を低下させることができる。これにより、高圧力比での運転が可能となり、チラー1の使用範囲を拡大することができる。
液バイパス配管20には液冷媒が流れるので、口径(管内径)をガス冷媒が混合された二相冷媒よりも小さくすることができる。これにより、コストを低減できるとともに配管の取り回しが容易となる。
【0041】
液バイパス配管20の上流端は、水熱交換器5と第1膨張弁6との間に設けられている。これにより、膨張前の冷媒を液冷媒として確実に圧縮機3へと導くことができる。
液バイパス配管20によって液冷媒の一部が圧縮機3へとバイパスされるので、第1膨張弁6と第2膨張弁8との間に設けられたレシーバ7の容量(大きさ)を小さくすることができる。これにより、省スペース化を図ることができるとともにコストを低減できる。
【0042】
加熱運転でかつ外気温度が所定値以下とされた低外気温時には、高圧力比(例えば4.5以上)となって圧縮機3から吐出される冷媒温度が高温となるおそれがある。そこで、このような条件の場合には液バイパス弁22を開として液冷媒を圧縮機構3bの吸入側に導くようにした。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について、図3及び図4を用いて説明する。本実施形態は、第1実施形態と基本的構成は同様であるので、以下では、第1実施形態に対して追加した構成についてのみ説明する。
【0044】
図3及び図4に示すように、液バイパス配管20の上流端と第1膨張弁6との間から分岐し、かつ、第2膨張弁8と空気熱交換器9との間から分岐する並列冷媒配管30が設けられている。並列冷媒配管30は、第1膨張弁6、レシーバ7及び第2膨張弁8に対して並列に設けられている。これにより、並列冷媒配管30は、第1膨張弁6、レシーバ7及び第2膨張弁8をバイパスして水熱交換器5と空気熱交換器9とを接続している。
【0045】
並列冷媒配管30には、第3膨張弁32が設けられている。第3膨張弁の開度は、制御部によって制御される。
【0046】
次に、上記構成とされたチラー1の動作について説明する。
<加熱運転:図3
加熱運転時には、第3膨張弁32は制御部の指令によって全閉とされている。したがって、加熱運転時には並列冷媒配管30を用いないので、加熱運転時は第1実施形態の図1と同様の動作を行う。低外気温時には、第1実施形態と同様に液バイパス弁22を開として液冷媒による冷媒吐出温度の低減を行う。
【0047】
<冷却運転:図4
冷却運転時には、制御部の指令によって第1膨張弁6及び第2膨張弁8を全閉とし、レシーバ7に冷媒を流さないようにする。液バイパス弁22も全閉とし、液バイパス配管20を用いない。したがって、空気熱交換器9から導かれた液冷媒の全ては、並列冷媒配管30へと導かれ、制御部によって開度制御された第3膨張弁32によって膨張させられる。第3膨張弁32によって膨張させられた冷媒は水熱交換器5へ導かれる。これ以降の動作は第1実施形態の図2と同様なので省略する。
【0048】
本実施形態のチラー1は、以下の作用効果を奏する。
第1膨張弁6、レシーバ7、第2膨張弁8に対して並列に並列冷媒配管30を設けることとした。そして、加熱運転時には第3膨張弁32を閉として第1膨張弁6側に冷媒が流れるようにした。これにより、加熱運転時には余剰の冷媒をレシーバ7で貯留することができる。
【0049】
また、低外気温時には液バイパス配管20を用いて液冷媒の一部を圧縮機3へ導いてレシーバ7をバイパスさせることができる。これにより、レシーバ7の容量を低減できる。
【0050】
一方、冷却運転時には第3膨張弁32を開として並列冷媒配管30に冷媒を流し第2膨張弁8側には冷媒を流さないようにした。これにより、冷却運転時にはレシーバ7に冷媒を貯留することなく必要な冷媒を過不足なく用いることができる。
【0051】
以上により、加熱運転と冷却運転を行うチラー1であっても必要十分な冷媒量を選定することができ、使用する冷媒量を低減できる。
【0052】
また、冷却運転時に並列冷媒配管30を用いる場合は第3膨張弁32で冷媒を膨張させることとなり、1つの膨張弁で膨張させることができる。したがって、並列冷媒配管30にて第3膨張弁32のみを用いれば、第1膨張弁6及び第2膨張弁8の2つで膨張させる場合に比べて、高低差圧(水熱交換器5と空気熱交換器9の冷媒差圧)が比較的小さい場合に、膨張弁の口径不足となることを回避できる。
【0053】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
本実施形態のチラー1は、図1乃至図4に示した第1実施形態及び第2実施形態の構成を用いることができるので、その説明を省略する。
【0054】
本実施形態の制御部は、図1及び図3に示した加熱運転時に、圧縮機3から吐出される冷媒の温度が所定値以下となるように第1膨張弁6の開度を制御する。具体的には、吐出温度センサ14の計測値が所定値を超えた場合に、第1膨張弁6の開度を閉方向に絞る。ここで、所定値とは、例えば、水熱交換器5にて加熱される水温が50℃の場合に対応する吐出温度センサ14での計測温度、または該計測温度よりも数℃低い温度を意味する。
【0055】
第1膨張弁6の開度を絞ることで、冷媒循環量を低減して水熱交換器5での凝縮能力を増大させて冷媒の液相割合を多くし、液バイパス配管20を通り圧縮機3へと導く液冷媒量を増大させる。そして、圧縮機3の吸入側に導かれる液冷媒量が上昇することによって、吐出ガス温度が低下する。
【0056】
上記の過程が図5のp(圧力)-h(比エンタルピ)線図に示されている。同図に示されているように、第1膨張弁6を絞ることによって、比エンタルピがHL2のC点から比エンタルピがHL1のC点に移動し、過冷却度が増大する。過冷却度が増大して液冷媒量が増大した冷媒(L点)は、液バイパス配管20を介して圧縮機3の吸込位置であるA点(比エンタルピH)に至り、第1膨張弁6でD点まで膨張して空気熱交換器9で蒸発した冷媒と圧縮機構3bの吸入側で合流しS点(比エンタルピHS1)となる。そして、圧縮機構3bで圧縮された冷媒は、高温高圧となりB点に至る。
【0057】
一方、第1膨張弁6の開度を絞る前の冷媒はC点からD点及びL点を介してS点(比エンタルピHS2)で合流する。そして、圧縮機構3bで圧縮された冷媒は、B点に至る。
【0058】
点とB点とを比較すれば明らかなように、第1膨張弁6の開度を絞ったB点の方がB点よりも温度が低く、吐出温度が低くなることが分かる。
以上の通り、第1膨張弁6の開度を絞ることによって過冷却度を増大させることで、液バイパス弁22の開度を制御することなく吐出温度を低下させることができる。
【0059】
本実施形態の作用効果は以下の通りである。
第1膨張弁6の開度を制御することによって圧縮機3から吐出される冷媒の温度を所定値以下に制御するようにした。これにより、液バイパス弁22として弁開度が可変とされた調整弁ではなく弁の開閉のみとされた開閉弁(電磁弁)を採用することができ、コストを低減できる。また液バイパス弁22の開度調整が不要なので制御を簡素化することができる。
【0060】
なお、本実施形態は、図6のように変形することができる。
図6図1に対応し、液バイパス配管20の上流端の位置が異なる。それ以外の構成は図1と同様である。本変形例は、液バイパス配管20の上流端が第1膨張弁6とレシーバ7との間に接続されている。このような構成であっても、上述した本実施形態のように第1膨張弁6による吐出冷媒温度の制御が可能である。
【0061】
以上説明した各実施形態に記載の熱源機及びその制御方法は、例えば以下のように把握される。
【0062】
本開示の一態様に係る熱源機は、(1)は、冷媒を圧縮する圧縮機(3)と、冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器(5)と、冷媒を膨張させる膨張弁(6)と、冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器(9)と、前記熱媒体熱交換器と前記膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管(20)と、を備えている。
【0063】
液バイパス配管によって液冷媒が圧縮機の吸入側に導かれることによって、圧縮機から吐出される冷媒温度を低下させることができる。これにより、高圧力比での運転が可能となり、熱源機の使用範囲を拡大することができる。
液バイパス配管には液冷媒が流れるので、口径(管内径)をガス冷媒が混合された二相冷媒よりも小さくすることができる。これにより、コストを低減できるとともに配管の取り回しが容易となる。
【0064】
さらに、本開示の一態様に係る熱源機では、前記膨張弁は、前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁(8)とを備え、前記液バイパス配管の前記上流端は、前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に接続され、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に、冷媒を貯留するレシーバ(7)が設けられている。
【0065】
液バイパス配管の上流端は、熱媒体熱交換器と第1膨張弁との間に設けられている。これにより、膨張前の冷媒を液冷媒として確実に圧縮機へと導くことができる。
液バイパス配管によって液冷媒の一部が圧縮機へとバイパスされるので、第1膨張弁と第2膨張弁との間に設けられたレシーバの容量を小さくすることができる。これにより、省スペース化を図ることができるとともにコストを低減できる。
【0066】
さらに、本開示の一態様に係る熱源機では、前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁(22)と、前記加熱運転時で、かつ、前記空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値以下とされた場合に、前記液バイパス弁を閉から開へと制御する制御部と、を備えている。
【0067】
加熱運転でかつ空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値(例えば0℃)以下とされたときには、高圧力比(例えば4.5以上)となって圧縮機から吐出される冷媒温度が高温となるおそれがある。そこで、このような条件の場合には液バイパス弁を開として液冷媒を圧縮機の吸入側に導くようにした。
【0068】
さらに、本開示の一態様に係る熱源機では、前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、前記第1膨張弁、前記レシーバ、及び前記第2膨張弁に対して並列に設けられ、前記熱媒体熱交換器と前記空気熱交換器とを接続する並列冷媒配管(30)と、前記並列冷媒配管に設けられた第3膨張弁(32)と、前記加熱運転時に、前記第3膨張弁を閉とし、前記第1膨張弁側に冷媒を流すように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御し、前記冷却運転時に、前記第3膨張弁を開とし、前記第2膨張弁側に冷媒を流さないように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御する制御部と、を備えている。
【0069】
第1膨張弁、レシーバ、第2膨張弁に対して並列に並列冷媒配管を設けることとした。そして、加熱運転時には第3膨張弁を閉として第1膨張弁側に冷媒が流れるようにした。これにより、加熱運転時には余剰の冷媒をレシーバで貯留することができる。一方、冷却運転時には第3膨張弁を開として並列冷媒配管に冷媒を流し第2膨張弁側には冷媒を流さないようにした。これにより、冷却運転時にはレシーバに冷媒を貯留することなく必要な冷媒を過不足なく用いることができる。
以上により、加熱運転と冷却運転を行う熱源機であっても必要十分な冷媒量を選定することができ、使用する冷媒量を低減できる。
また、冷却運転時に並列冷媒配管を用いる場合は第3膨張弁で冷媒を膨張させることとなり、1つの膨張弁で膨張させることができる。したがって、並列冷媒配管にて第3膨張弁を用いれば、第1膨張弁及び第2膨張弁の2つで膨張させる場合に比べて、高低差圧(熱媒体熱交換器と空気熱交換器の冷媒差圧)が比較的小さい場合に、膨張弁の口径不足となることを回避できる。
【0070】
さらに、本開示の一態様に係る熱源機では、前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、前記液バイパス配管に設けられ、開閉弁とされた液バイパス弁と、前記加熱運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定値以下となるように、前記第1膨張弁の開度を制御する制御部と、を備えている。
【0071】
第1膨張弁の開度を制御することによって圧縮機から吐出される冷媒の温度を所定値以下に制御するようにした。これにより、液バイパス弁として弁開度が可変とされた調整弁ではなく弁の開閉のみとされた開閉弁を採用することができ、コストを低減できる。また液バイパス弁の開度調整が不要なので制御を簡素化することができる。
【0072】
本開示の一態様に係る熱源機の制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、冷媒を膨張させる膨張弁と、冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、前記熱媒体熱交換器と前記膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、を備えた熱源機の制御方法であって、前記加熱運転時で、かつ、前記空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値以下とされた場合に、前記液バイパス弁を閉から開へと制御する。
【0073】
本開示の一態様に係る熱源機の制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁と、前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に設けられ、冷媒を貯留するレシーバと、前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、前記第1膨張弁、前記レシーバ、及び前記第2膨張弁に対して並列に設けられ、前記熱媒体熱交換器と前記空気熱交換器とを接続する並列冷媒配管と、前記並列冷媒配管に設けられた第3膨張弁と、を備えた熱源機の制御方法であって、前記加熱運転時に、前記第3膨張弁を閉とし、前記第1膨張弁側に冷媒を流すように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御し、前記冷却運転時に、前記第3膨張弁を開とし、前記第2膨張弁側に冷媒を流さないように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御する。
【0074】
本開示の一態様に係る熱源機の制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁と、前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁と、前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に設けられ、冷媒を貯留するレシーバと、前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、を備えた熱源機の制御方法であって、前記加熱運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定値以下となるように、前記第1膨張弁の開度を制御する。
【符号の説明】
【0075】
1 チラー(熱源機)
3 圧縮機
3a ハウジング
3b 圧縮機構
4 四方弁(切換弁)
5 水熱交換器(熱媒体熱交換器)
6 第1膨張弁
7 レシーバ
8 第2膨張弁
9 空気熱交換器
10 アキュムレータ
12 ファン
14 吐出温度センサ
16 水配管
18 外気温センサ
20 液バイパス配管
22 液バイパス弁
30 並列冷媒配管
32 第3膨張弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と、
冷媒を膨張させる膨張弁と、
冷媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、
前記熱媒体熱交換器と前記膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と、
を備え
前記膨張弁は、前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁とを備え、
前記液バイパス配管の前記上流端は、前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に接続され、
前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に、冷媒を貯留するレシーバが設けられ、
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
前記第1膨張弁、前記レシーバ、及び前記第2膨張弁に対して並列に設けられ、前記熱媒体熱交換器と前記空気熱交換器とを接続する並列冷媒配管と、
前記並列冷媒配管に設けられた第3膨張弁と、
前記加熱運転時に、前記第3膨張弁を閉とし、前記第1膨張弁側に冷媒を流すように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御し、前記冷却運転時に、前記第3膨張弁を開とし、前記第2膨張弁側に冷媒を流さないように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御する制御部とを備えている熱源機。
【請求項2】
前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁を備え、
前記制御部は、前記加熱運転時で、かつ、前記空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値以下とされた場合に、前記液バイパス弁を閉から開へと制御する請求項1に記載の熱源機。
【請求項3】
前記液バイパス配管に設けられ、開閉弁とされた液バイパス弁を備え、
前記制御部は、前記加熱運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定値以下となるように、前記第1膨張弁の開度を制御する請求項1に記載の熱源機。
【請求項4】
冷媒を圧縮する圧縮機と、
冷媒と熱媒体とを熱交換する熱媒体熱交換器と
媒と空気とを熱交換する空気熱交換器と、
前記熱媒体熱交換器側に設けられた第1膨張弁と、
前記空気熱交換器側に設けられた第2膨張弁と、
前記熱媒体熱交換器と前記第1膨張弁との間に上流端が接続されて液冷媒を前記圧縮機の吸入側に導く液バイパス配管と
前記第1膨張弁と前記第2膨張弁との間に設けられ、冷媒を貯留するレシーバと、
前記熱媒体を加熱する加熱運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記熱媒体熱交換器へと導き、前記熱媒体を冷却する冷却運転時に前記圧縮機から吐出された冷媒を前記空気熱交換器へと導く切換弁と、
前記第1膨張弁、前記レシーバ、及び前記第2膨張弁に対して並列に設けられ、前記熱媒体熱交換器と前記空気熱交換器とを接続する並列冷媒配管と、
前記並列冷媒配管に設けられた第3膨張弁と、
を備えた熱源機の制御方法であって、
前記加熱運転時に、前記第3膨張弁を閉とし、前記第1膨張弁側に冷媒を流すように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御し、前記冷却運転時に、前記第3膨張弁を開とし、前記第2膨張弁側に冷媒を流さないように前記第1膨張弁及び/又は前記第2膨張弁の開度を制御する熱源機の制御方法。
【請求項5】
前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁を備え、
前記加熱運転時で、かつ、前記空気熱交換器の周囲の空気温度が所定値以下とされた場合に、前記液バイパス弁を閉から開へと制御する請求項4に記載の熱源機の制御方法。
【請求項6】
前記液バイパス配管に設けられた液バイパス弁を備え、
前記加熱運転時に、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度が所定値以下となるように、前記第1膨張弁の開度を制御する請求項4に記載の熱源機の制御方法。