(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061360
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】足踏み式消毒剤供給装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20220411BHJP
G05G 7/00 20060101ALI20220411BHJP
B05B 11/00 20060101ALI20220411BHJP
B05B 15/60 20180101ALI20220411BHJP
【FI】
A61L2/18
G05G7/00 Z
B05B11/00 101E
B05B15/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169322
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】397004836
【氏名又は名称】武田精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】吉田 奏樂
【テーマコード(参考)】
3J070
4C058
4D073
【Fターム(参考)】
3J070AA32
3J070BA71
3J070BA81
3J070CC02
3J070DA70
3J070EA01
4C058AA29
4C058BB07
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ22
4C058JJ24
4D073AA04
4D073BB03
4D073CB16
(57)【要約】
【課題】使用性に優れ、衛生面の向上にも寄与する上、コンパクトな状態にもすることができる足踏み式消毒剤供給装置を提供する。
【解決手段】容器1を保持する容器保持部4が設けられた棚板5と、棚板が固定され上下に延びる二本の昇降棒22と、昇降棒を昇降自在に支持し、その支持高さを二段階に調整可能な二つの支持脚25と、二つの支持脚の下部を連結するように左右に延びる下連結棒30と、下連結棒の軸回りに回動し、前側に足踏みペダル3が設けられたリンク3aと、容器保持部の上方において二本の昇降棒を連結するように左右に延びる上連結棒31と、上連結棒の軸回りに回動し、前部33が容器保持部に保持された容器のヘッド1aの上方に位置する操作体32と、容器保持部に保持された前記容器の後方において上下に延び、リンク機構を構成するように操作体の後部及びリンクの後部に連結され、その長さが可変であるロッド36とを具備した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に貯留された消毒剤を、容器本体の上方に突出し上下動可能なヘッドの下向き押圧に伴って供給口から外部に供給するように構成された消毒剤入りの容器が取り付けられる足踏み式消毒剤供給装置であって、
前記容器を保持する容器保持部が設けられた棚板と、
容器保持部の左右に配されるとともに棚板が直接又は間接的に固定され、上下に延びる二本の昇降棒と、
二本の昇降棒をそれぞれ昇降自在に支持し、二本の昇降棒の支持高さを少なくとも二段階に調整可能な二つの支持脚と、
二つの支持脚の下部を連結するように左右に延びる下連結棒と、
下連結棒の軸回りに回動し、前側に足踏みペダルが設けられたリンクと、
容器保持部の上方において二本の昇降棒を連結するように左右に延びる上連結棒と、
上連結棒の軸回りに回動し、前部が容器保持部に保持された容器のヘッドの上方に位置する操作体と、
容器保持部に保持された前記容器の後方において上下に延び、リンク機構を構成するように操作体の後部及びリンクの後部に連結され、その長さが可変であるロッドとを具備した足踏み式消毒剤供給装置。
【請求項2】
前記リンクの前後の下面には高さ調整ねじが設けられている請求項1に記載の足踏み式消毒剤供給装置。
【請求項3】
前記容器保持部は、前記棚板に設けられた容器用開口と、容器用開口の後縁側から容器用開口内に挿入固定される調整板と、この調整板に連結され容器がその上面に載置される載置板とで構成され、
前記調整板の固定位置は前後方向に調整可能であり、前記載置板の固定位置は上下方向に調整可能である請求項1又は2に記載の足踏み式消毒剤供給装置。
【請求項4】
前記棚板がコルク板である請求項1~3の何れか一項に記載の足踏み式消毒剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、手指の消毒に用いられる消毒剤が貯留された容器に人が直接触れることなく、その容器から消毒剤を供給(吐出・噴霧等)させることを可能とする足踏み式消毒剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手指 の消毒に用いられるアルコール等の消毒剤は、上下動可能なヘッドを有する容器に貯留(収容)された状態で広く市場に出回っている。すなわち、この容器は、ヘッドが下向きに押圧されると、ヘッドから延びるノズル先端の供給口から消毒剤が外部に供給されるように構成されている。そして、この容器は、消毒剤を使用する際、容器本体を手に持って傾けるといった操作が不要であり、使用性に優れている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記容器では、消毒前の手でヘッドに触れることになる点が衛生上懸念される。そこで、本出願人は、先に、
図13(A)及び(B)に示す足踏み式消毒剤供給装置51を開発した。この供給装置51では、足踏みペダル52を踏むと、この踏圧力がロッド53を介して操作部54を連結体55の軸回りに回動させる力に変換され、操作部54の前部が容器1のヘッド1aを下向きに押圧し、ヘッド1aに連なるノズル1bの先端から消毒剤が吐出される。すなわち、足踏みペダル52を踏めば容器1内の消毒剤を使用することができ、容器1に手で直接触れる必要がないので、上記供給装置51は、使用性に優れ、衛生面の向上にも寄与するものとなっている。
【0004】
しかし、上記供給装置51では、ロッド53の長さが可変ではないため、装置全体をコンパクトな状態にして収納や運搬を行いたいという要望に対応し難い面がある。
【0005】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、使用性に優れ、衛生面の向上にも寄与する上、コンパクトな状態にもすることができる足踏み式消毒剤供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る足踏み式消毒剤供給装置は、容器本体に貯留された消毒剤を、容器本体の上方に突出し上下動可能なヘッドの下向き押圧に伴って供給口から外部に供給するように構成された消毒剤入りの容器が取り付けられる足踏み式消毒剤供給装置であって、前記容器を保持する容器保持部が設けられた棚板と、容器保持部の左右に配されるとともに棚板が直接又は間接的に固定され、上下に延びる二本の昇降棒と、二本の昇降棒をそれぞれ昇降自在に支持し、二本の昇降棒の支持高さを少なくとも二段階に調整可能な二つの支持脚と、二つの支持脚の下部を連結するように左右に延びる下連結棒と、下連結棒の軸回りに回動し、前側に足踏みペダルが設けられたリンクと、容器保持部の上方において二本の昇降棒を連結するように左右に延びる上連結棒と、上連結棒の軸回りに回動し、前部が容器保持部に保持された容器のヘッドの上方に位置する操作体と、容器保持部に保持された前記容器の後方において上下に延び、リンク機構を構成するように操作体の後部及びリンクの後部に連結され、その長さが可変であるロッドとを具備した(請求項1)。
【0007】
上記足踏み式消毒剤供給装置において、前記リンクの前後の下面には高さ調整ねじが設けられていてもよい(請求項2)。
上記足踏み式消毒剤供給装置において、前記容器保持部は、前記棚板に設けられた容器用開口と、容器用開口の後縁側から容器用開口内に挿入固定される調整板と、この調整板に連結され容器がその上面に載置される載置板とで構成され、前記調整板の固定位置は前後方向に調整可能であり、前記載置板の固定位置は上下方向に調整可能であってもよい(請求項3)。
上記足踏み式消毒剤供給装置において、前記棚板がコルク板であってもよい(請求項4)。
【発明の効果】
【0008】
本願発明では、使用性に優れ、衛生面の向上にも寄与する上、コンパクトな状態にもすることができる足踏み式消毒剤供給装置足踏み式消毒剤供給装置が得られる。
【0009】
すなわち、本願の各請求項に係る発明の足踏み式消毒剤供給装置では、容器内の消毒剤を使用する際、足踏みペダルを踏めばよく、容器に手で直接触れる必要がないので、使用性に優れ、衛生面の向上にも寄与するものとなっている。
【0010】
また、本発明の足踏み式消毒剤供給装置では、昇降棒の支持高さが可変である上、ロッドの長さも可変としてあるので、昇降棒の支持高さを最低とし、ロッドを最短となるまで短くすれば、装置全体が非常にコンパクトな状態になり、収納性や運搬性に優れたものとなる。
【0011】
請求項2に係る発明の足踏み式消毒剤供給装置では、リンクの前後の下面の高さ調整ねじを適宜に調整することにより、足踏みペダルを踏んだときの最大ストロークを調整することができ、ひいては容器からの消毒剤の最大吐出量(一回の足踏みペダルの踏み込みによって容器から吐出される消毒剤の最大量)を調整することができる。
請求項3に係る発明の足踏み式消毒剤供給装置では、調整板及び載置板についての前後方向及び上下方向に調整可能な寸法の範囲で種々の高さ及び前後幅を有する容器に対応することができる。
請求項4に係る発明の足踏み式消毒剤供給装置では、棚板をコルク板とすることにより、装置全体の軽量化を図ることができ、この点でも運搬性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る足踏み式消毒剤供給装置の正面図(写真)である。
【
図2】前記足踏み式消毒剤供給装置の右側面図(写真)である。
【
図3】前記足踏み式消毒剤供給装置の左側面図(写真)である。
【
図4】前記足踏み式消毒剤供給装置の背面図(写真)である。
【
図5】前記足踏み式消毒剤供給装置の上部の構成を示す斜視図(写真)である。
【
図6】前記足踏み式消毒剤供給装置の前方からみた容器保持部周辺の構成を示す拡大斜視図(写真)である。
【
図7】前記足踏み式消毒剤供給装置の後方からみた容器保持部周辺の構成を示す拡大斜視図(写真)である。
【
図8】前記足踏み式消毒剤供給装置の前方からみた下部の構成を示す斜視図(写真)である。
【
図9】前記足踏み式消毒剤供給装置の後方からみた下部の構成を示す斜視図(写真)である。
【
図10】前記足踏み式消毒剤供給装置の下端付近の構成を示す斜視図(写真)である。
【
図11】前記足踏み式消毒剤供給装置の下面の構成を示す斜視図(写真)である。
【
図12】足踏みペダルを踏み下げた状態の前記足踏み式消毒剤供給装置の構成を示す側面図(写真)である。
【
図13】(A)及び(B)は、従来の足踏み式消毒剤供給装置の構成を示す正面図(写真)及び側面図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0014】
図1~
図12に示す足踏み式消毒剤供給装置(以下、供給装置と略称する)2は、消毒剤入りの容器1を保持し(
図2参照)、足踏みペダル3を踏むと、容器1に触れずにこの容器1に貯留された消毒剤を吐出させることができる、というものである。ここで、容器1は、
図2に示すように、消毒剤を貯留する容器本体1cと、容器本体1cの上方に突出し上下動可能なヘッド1aと、このヘッド1aに連なるノズル1bとを有し、ヘッド1aの下向き押圧に伴い、ノズル1b先端の供給口から外部に消毒剤が吐出(供給)されるように構成されている。
【0015】
供給装置2は、
図2に示すように、容器1を保持する容器保持部4が設けられた棚板5を具備する。詳述すると、
図5に示すように、棚板5の前部にはトレイ用開口6が、後部には容器用開口7が設けられ、トレイ用開口6にはこれを上方から塞ぐようにトレイ8(
図1、
図2等参照)が嵌め込み載置される。
【0016】
図5に示すように、容器保持部4は、容器用開口7と、この容器用開口7の後縁側から容器用開口7内に挿入固定される調整板9と、この調整板9に連結され容器1がその上面に載置される載置板10とで構成されている。
【0017】
調整板9は、
図6に示すように、棚板5の上面に沿う高さ位置で水平に延びる水平部分11と、この水平部分11の前縁から下向きに延びる垂直部分12とを有し、水平部分11には、その左右両部から後方に向かって延びる二つの爪13が連設され、各爪13には前後方向に延びる長孔14が形成されている。一方、棚板5の上面における容器用開口7の後方の適宜の二か所の位置にはそれぞれ結合部材(例えばボルト等)15を結合(例えばねじ結合)可能であり、長孔14の任意の位置を挿通する状態で棚板5に結合される二つの結合部材15の頭部で爪13の長孔14の縁を押さえ込むことにより、二つの爪13を有する調整板9を棚板5に連結固定することができる。
【0018】
載置板10は、
図7に示すように、前後方向に延び容器1がその上面に載置される台部16と、この台部16の後端に連設され上下方向に延びる基部17とを有し、基部17は二つの結合部材18により調整板9の垂直部分12に結合される。
【0019】
ここで、垂直部分12の左右両部には、それぞれ上下方向に延びる長孔19が形成され、長孔19の任意の位置を挿通する状態で基部17に結合される二つの結合部材18の頭部で垂直部分12の長孔19の縁を押さえ込むことにより、載置板10を調整板9に連結固定することができる。
【0020】
以上のように構成された容器保持部4では、載置板10の台部16の上に容器1を載置すると、この容器1は、容器用開口7の前側及び左右両側の縁と、調整板9とで前後左右から囲まれ、安定性良く保持された状態になる。
【0021】
なお、調整板9に設けた前後方向に延びる二つの長孔14の長さの範囲で、調整板9の固定位置を前後方向に調整(変更)することができ、また、調整板9に設けた上下方向に延びる二つの長孔19の長さの範囲で、載置板10の固定位置を上下方向に調整(変更)することができる。すなわち、このように前後方向及び上下方向に調整可能な寸法の範囲で種々の高さ及び前後幅を有する容器1を容器保持部4によって保持することができる。
【0022】
図6、
図7に示すように、棚板5は、左右に延びる角柱状の連結体20の上面に適宜の連結部材(例えばねじ)21を用いて連結され、連結体20の両端はそれぞれ上下に延びる二本の角柱状の昇降棒22に一体化(接合)されている。
【0023】
図4に示すように、二本の昇降棒22の上部どうしは水平(左右)に延びるブリッジ23を介して繋がり(一体化され)、このブリッジ23には例えば企業名や広告等の表示に利用可能なプレート24を取り付けてある。
【0024】
図1~
図4に示すように、二本の昇降棒22は、それぞれ支持脚25によって支持される。支持脚25は、
図8及び
図9に示すように、上下方向に延びる角筒状のガイド部26を有し、その中空空間に昇降棒22の下部が挿入され、昇降棒22はガイド部26にガイドされながら昇降する。そして、ガイド部26の上部の側面(例えば背面)には開口が設けられ、この開口からガイド部26内に適宜の連結部材(例えばボルト)27を差し込み、ガイド部22内にある昇降棒22の適宜の位置に設けられた凹部(貫通孔を含む)にその連結部材27を進入ないしねじ結合させることにより、昇降棒22は昇降しなくなる。
【0025】
本例では、支持脚25により上下二段階の支持高さで昇降棒22を支持することができるように、昇降棒22において上下方向に離れた二か所にそれぞれ上記凹部を設けてある(以下では、これら二つの凹部を、上側凹部、下側凹部と呼んで区別する場合がある)。すなわち、ガイド部26の前記開口に昇降棒22の上側凹部を合致させた状態で上側凹部に連結部材27を進入させれば、低い位置で昇降棒22を支持することができる。また、ガイド部26の前記開口に昇降棒22の下側凹部を合致させた状態で下側凹部に連結部材27を進入させれば、高い位置で昇降棒22を支持することができる。このように、ガイド部26は、昇降棒22を昇降自在に支持し、昇降棒22の支持高さを少なくとも二段階に調整可能としてある。なお、昇降棒22の支持高さを三段階以上に調整可能としたければ、昇降棒22に設ける上記凹部を相互に異なる三つ以上の高さ位置に設ければよい。
【0026】
図8及び
図9に示すように、ガイド部26の下端は、前後方向に延びる架台28の上面に接合されている。本例では、ガイド部26の下端の接合位置は、架台28の上面の前後方向における中央よりも後ろ寄りにある。
【0027】
図10、
図11に示すように、二つの架台28のそれぞれ前後の下面には、高さ調整ねじ29が設けられ、床面の傾斜や凹凸等に応じた高さ調整を行えるように構成されている。
【0028】
図8に示すように、二つの支持脚25の下部(架台28)は、左右に延びる下連結棒30によって連結され、上述の足踏みペダル3は、この下連結棒30の軸回りに回動するように構成され前後方向に延びるリンク3aの前側に設けられている。
【0029】
図5及び
図6に示すように、供給装置2はまた、容器保持部4の上方において二本の昇降棒22を連結するように左右に延びる上連結棒31と、上連結棒31の軸回りに回動し、その前部33が容器保持部4に保持された容器1のヘッド1aの上方に位置する(
図2参照)操作体32とを具備する。
【0030】
操作体32は、
図6に示すように、上連結棒31に軸支された後部34と、この後部34の前側に連結された前部33とを有し、前部33と後部34とは例えば適宜の結合部材(ねじ部材等)35によって結合される。ここで、前部33と後部34とにそれぞれ結合部材35が貫通する貫通孔を設けるに際して、その一方(本例では前部33)に設ける貫通孔を前後方向に延びる長孔とすることにより、前部33を前後方向に位置調整することが可能となる。
【0031】
図6に示すように、前部33は、容器1のヘッド1aに上方から覆い被さる形状を有し(
図2も参照)、この前部33の前面から側面にわたって、ヘッド1aから側方に突出するノズル1bを避けるための切欠き33aが複数設けられている。この切欠き33aにノズル1bを通すことにより、操作体32がヘッド1aを下向きに押圧した際などに、何かの拍子でヘッド1aがその上下方向の軸回りに回動してしまうことを確実に防止することができる。
【0032】
供給装置2はまた、
図2及び
図3に示すように、容器保持部4に保持された容器1の後方において上下に延び、リンク機構を構成するように操作体32の後部34及びリンク3aの後部に連結されるロッド36を具備している。
【0033】
ロッド36は、
図2に示すように、上下方向に延びる角柱状の昇降棒37と、上下方向に延びる角筒状のガイド体38とを有し、昇降棒37はガイド体38の中空空間にその下部が挿入され、昇降棒37はガイド体38にガイドされながら昇降する。そして、ガイド体38は、昇降棒37を昇降自在に支持し、昇降棒37の支持高さを少なくとも二段階に調整可能としてある。この支持の仕方は、上述した支持脚25のガイド部26による昇降棒22の支持の仕方と同一であり、重複を避けるためのその説明を省略する。なお、符号39は連結部材であり、上記連結部材27と同一構成のものを採用可能である。また、昇降棒37の支持高さは、操作体32によってヘッド1aの押し下げを好適に行えるように適宜決定すればよい。
【0034】
以上のように構成された供給装置2では、足踏みペダル3を踏まない自然状態においては、
図2及び
図3に示すように、ロッド36の重量によってリンク3aの後部が押し下げられ、リンク3aの前部に繋がった足踏みペダル3が上方に浮いている。そして、足踏みペダル3を踏んで下向きに押圧すると(
図12参照。なお、
図12のテープカッターTは足踏みペダル3を踏んだ状態を模擬的に示すために置いたものである。)、下連結棒30の軸回りに回動するリンク3aの前部が下がり、後部が上がって、ロッド36が上昇する。これに伴い、操作体32が上連結棒31の軸回りに回動し、前部33が容器1のヘッド1aを押し下げ、容器1に貯留された消毒剤が吐出されることになる。
【0035】
従って、本例の供給装置2は、容器1内の消毒剤を使用する際、足踏みペダル3を踏めばよく、容器1に手で直接触れる必要がないので、使用性に優れ、衛生面の向上にも寄与するものとなっている。
【0036】
また、本例の供給装置2では、容器保持部4を有する棚板5を支持する二本の昇降棒22の高さを変更することにより、容器保持部4に保持された容器1の高さを調整することができ、この点でも使用性に優れたものとなっている。
【0037】
さらに、本例の供給装置2では、容器保持部4に保持された状態の容器1は、容器用開口7の下方に下部が入り込み、ヘッド1aには操作体32の前部33が覆い被さっているので、この状態で供給装置2から抜き出せず、これにより、容器1の盗難防止を図ることができる。
【0038】
しかも、本例の供給装置2では、昇降棒22の支持高さが可変である上、ロッド36の長さも可変としてあるので、昇降棒22の支持高さを最低とし(昇降棒22を支持脚25のガイド部26内に最大限収納し)、ロッド36を最短となるまで短くすれば、装置全体が非常にコンパクトな状態になり、収納性や運搬性に優れたものとなる。
【0039】
その上、本例の供給装置2では、棚板2をコルク板とすることにより、装置全体の軽量化を図ることができ、この点でも運搬性に優れたものとなる。ただし、棚板2はコルク板に限らず、合成樹脂、金属、ガラス等で形成してもよい。
【0040】
また、上述のように、二つの架台28のそれぞれ前後の下面に、高さ調整ねじ29を設けてあるのに加え、本例では、
図11に示すように、リンク3aの前後の下面にもそれぞれ高さ調整ねじ29aを設けてあるので、これら前後の高さ調整ねじ29aを適宜に調整することにより、足踏みペダル3を踏んだときの最大ストロークを調整することができる。そして、足踏みペダル3の最大ストロークを調整することにより、操作体32の前部33が容器1のヘッド1aを押し下げる最大ストロークを調整し、容器1からの消毒剤の最大吐出量(一回の足踏みペダル3の踏み込みによって容器1から吐出される消毒剤の最大量)を調整することができる。
【0041】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論であり、本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【0042】
図7に示したように、上記実施の形態では、二本の昇降棒22に対して棚板5が連結体20を介して間接的に固定されているが、これに限らず、例えば棚板5を二本の昇降棒22に直接固定してもよい。
【0043】
上記実施の形態では、
図9に示すように、筒状のガイド部26の中空空間に昇降棒22の下部を挿入するので、いわばガイド部26が雌、昇降棒22が雄となっているが、これに限らず、この雌雄が逆になるように構成してもよい。すなわち、昇降棒22を筒状にし、この昇降棒22がガイド部26に対して外側から覆い被さるようにしてもよい。
【0044】
上記実施の形態では、
図6に示すように、操作体32の後部の左右両部の一方のみをロッド36に軸支し、また、
図10に示すように、リンク3aの後部の左右両部の一方のみをロッド36に軸支し、これにより、部材点数の低減及び軽量化を図っているが、これに限らず、上記各部材32、3aの後部の左右両部の両方をロッド36に軸支するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 容器
1a ヘッド
1b ノズル
1c 容器本体
2 足踏み式消毒剤供給装置
3 足踏みペダル
3a リンク
4 容器保持部
5 棚板
6 トレイ用開口
7 容器用開口
8 トレイ
9 調整板
10 載置板
11 水平部分
12 垂直部分
13 爪
14 長孔
15 結合部材
16 台部
17 基部
18 結合部材
19 長孔
20 連結体
21 連結部材
22 昇降棒
23 ブリッジ
24 プレート
25 支持脚
26 ガイド部
27 連結部材
28 架台
29 高さ調整ねじ
29a 高さ調整ねじ
30 下連結棒
31 上連結棒
32 操作体
33 前部
33a 切欠き
34 後部
35 結合部材
36 ロッド
37 昇降棒
38 ガイド体
39 連結部材
51 足踏み式消毒剤供給装置
52 足踏みペダル
53 ロッド
54 操作部
55 連結体