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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061383
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】帳票管理方法、及び、帳票システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20220411BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220411BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20220411BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q30/02
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169365
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】谷本 好史
(72)【発明者】
【氏名】中井 亮太
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC04
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】作業が完了していない帳票データの状態を的確に把握してユーザに通知する。
【解決手段】帳票管理方法は、帳票管理サーバ1が、帳票データDについてなされる所定の処理を受け付けるステップと、帳票管理サーバ1が、実行すべき所定の処理が残っている未処理帳票データUDの数を表す未処理数をクライアント端末に送信するステップと、クライアント端末が、帳票データDを表す第1アイコンICO1を表示するとともに、当該帳票データDの未処理数を当該第1アイコンICO1上に表示するステップと、帳票管理サーバ1が、帳票データDに対して所定の処理を実行して処理済み帳票データFDを完成させたときに、当該処理済み帳票データFDの元となった帳票データDの未処理数を減少させるステップと、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票データを管理する帳票管理サーバと、前記帳票管理サーバにアクセス可能なクライアント端末と、を備える帳票システムにおける帳票管理方法であって、
前記帳票管理サーバが、前記帳票データについてなされる所定の処理を受け付けるステップと、
前記帳票管理サーバが、実行すべき前記所定の処理が残っている前記帳票データの数を表す未処理数を前記クライアント端末に送信するステップと、
前記クライアント端末が、前記帳票データを表すアイコンを表示するとともに、当該帳票データの前記未処理数を前記アイコン上に表示するステップと、
前記帳票管理サーバが、前記帳票データに対して前記所定の処理を実行して処理済み帳票データを完成させたときに、当該処理済み帳票データの元となった前記帳票データの前記未処理数を減少させるステップと、
を備える、帳票管理方法。
【請求項2】
前記帳票管理サーバが、新規帳票データが作成されたことを前記クライアント端末に通知するステップをさらに備える、請求項1に記載の帳票管理方法。
【請求項3】
前記帳票管理サーバが、新規帳票データが作成されなかったことを前記クライアント端末に通知するステップをさらに備える、請求項1又は2に記載の帳票管理方法。
【請求項4】
前記帳票管理サーバが、新規帳票データに対して情報の追加がなかったことを前記クライアント端末に通知するステップをさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載の帳票管理方法。
【請求項5】
前記帳票データは、管理者を含む全てのユーザに対して前記帳票データにアクセスすることを許可する仮登録モード、又は、前記管理者を除くユーザに対して前記帳票データにアクセスすることを禁止する本登録モード、のいずれかにて管理される、請求項1~4のいずれかに記載の帳票管理方法。
【請求項6】
帳票データを管理する帳票管理サーバと、前記帳票管理サーバにアクセス可能なクライアント端末と、を備える帳票システムであって、
前記帳票管理サーバは、
前記帳票データについてなされる所定の処理を受け付ける帳票処理部と、
実行すべき前記所定の処理が残っている前記帳票データの数を表す未処理数を前記クライアント端末に送信するとともに、前記帳票データに対して前記所定の処理を実行して処理済み帳票データを完成させたときに当該処理済み帳票データの元となった前記帳票データの前記未処理数を減少させる未処理数通知部と、
を有し、
前記クライアント端末は、前記帳票データを表すアイコンを表示するとともに、当該帳票データの前記未処理数を前記アイコン上に表示する表示部を有する、
帳票システム。
【請求項7】
前記帳票管理サーバは、新規帳票データが作成されたことを前記クライアント端末に通知する新規帳票作成通知部をさらに有する、請求項6に記載の帳票システム。
【請求項8】
前記帳票管理サーバは、新規帳票データが作成されなかったことを前記クライアント端末に通知する新規帳票未作成通知部をさらに有する、請求項6又は7に記載の帳票システム。
【請求項9】
前記帳票管理サーバは、新規帳票データに対して情報の追加がなかったことを前記クライアント端末に通知する未処理通知部をさらに有する、請求項6~8のいずれかに記載の帳票システム。
【請求項10】
前記帳票データは、管理者を含む全てのユーザに対して前記帳票データにアクセスすることを許可する仮登録モード、又は、前記管理者を除くユーザに対して前記帳票データにアクセスすることを禁止する本登録モード、のいずれかにて管理される、請求項6~9のいずれかに記載の帳票システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種作業に用いられる帳票データを管理する帳票管理方法、及び、帳票データを管理する帳票システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙ベースで行われていた業務をペーパーレスで効率よく行うためのシステム及びサービスが広く用いられるようになってきた。例えば、予め決められたフォーマットを有する帳票データを端末に表示させて、この帳票データにプラントにおける生産管理、設備管理等の各種管理を行うために必要な情報を入力することで、ペーパーレスにて各種管理等を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-089569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
帳票データを用いて各種管理を適切に行うためには、新たな帳票データが作成された後、当該新たな帳票データについて実行すべき各種作業が完了したか否か、作業が完了していない帳票データがあればその帳票データの状態を把握する必要がある。従来のシステムにおいては、作業が完了していない帳票データの状態を的確に把握することは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、帳票データを管理する帳票システムにおいて、作業が完了していない帳票データの状態を的確に把握してユーザに明確に通知することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る帳票管理方法は、帳票管理サーバと、クライアント端末と、を備える帳票システムにおける帳票管理方法である。帳票管理サーバは、帳票データを管理する。クライアント端末は、帳票管理サーバにアクセス可能な端末である。帳票管理方法は、以下のステップを備える。
◎帳票管理サーバが、帳票データについてなされる所定の処理を受け付けるステップ。
◎帳票管理サーバが、実行すべき所定の処理が残っている帳票データの数を表す未処理数をクライアント端末に送信するステップ。
◎クライアント端末が、帳票データを表すアイコンを表示するとともに、当該帳票データの未処理数を当該アイコン上に表示するステップ。
◎帳票管理サーバが、帳票データに対して所定の処理を実行して処理済み帳票データを完成させたときに、当該処理済み帳票データの元となった帳票データの未処理数を減少させるステップ。
【0007】
上記の帳票管理方法では、処理済み帳票データ(実行すべき所定の処理を実行した帳票データ)を完成するまでに実行すべき所定の処理が残っている帳票データの未処理数を、帳票システムのクライアント端末に送信している。また、クライアント端末が、帳票データを表すアイコン上に、当該帳票データの未処理数を表示している。
このように、処理済み帳票データを完成させるために実行すべき処理が残っている帳票データの数をクライアント端末に通知し、当該クライアント端末が帳票データを表すアイコン上に当該帳票データの未処理数を表示することにより、クライアント端末を使用するユーザは、処理済み帳票データを完成させるためにユーザが処理を実行する必要がある帳票データとその数を的確かつ明確に把握できる。
【0008】
また、処理済み帳票データを完成させたときに、帳票管理サーバが、当該処理済み帳票データの元となった帳票データの未処理数を減少させることにより、クライアント端末を使用するユーザは、アイコン上に表示された未処理数が減少したことを把握することにより、帳票データに対して実行すべき所定の処理の実行がなされたことを的確に把握できる。
【0009】
上記の帳票管理方法は、帳票管理サーバが、新規帳票データが作成されたことをクライアント端末に通知するステップをさらに備えてもよい。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、新たな帳票データである新規帳票データが作成されたことを的確に把握できる。
【0010】
上記の帳票管理方法は、帳票管理サーバが、新規帳票データが作成されなかったことをクライアント端末に通知するステップをさらに備えてもよい。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、本来作成されるべき新規帳票データが作成されなかったことを的確に把握できる。
【0011】
上記の帳票管理方法は、帳票管理サーバが、新規帳票データに対して情報の追加がなかったことをクライアント端末に通知するステップをさらに備えてもよい。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、新規帳票データに対して実行すべき所定の処理が実行されていないことを的確に把握できる。
【0012】
帳票データは、管理者を含む全てのユーザに対して帳票データにアクセスすることを許可する仮登録モード、又は、管理者を除くユーザに対して帳票データにアクセスすることを禁止する本登録モード、のいずれかにて管理されてもよい。
これにより、管理者を含む全てのユーザに対して帳票データに情報を追加する、又は、帳票データに追加された情報の内容を変更するといった操作を許可した帳票データと、管理者を除くユーザに対して情報の追加や変更を禁止した帳票データとを明確に区別して管理できる。
【0013】
本発明の他の見地に係る帳票システムは、帳票管理サーバと、クライアント端末と、を備えるシステムである。帳票管理サーバは、帳票データを管理する。クライアント端末は、帳票管理サーバにアクセス可能である。
帳票システムの帳票管理サーバは、帳票処理部と、未処理数通知部と、を有する。
帳票処理部は、帳票データについてなされる所定の処理を受け付ける。
未処理数通知部は、実行すべき所定の処理が残っている帳票データの数を表す未処理数をクライアント端末に送信するとともに、帳票データに対して所定の処理を実行して処理済み帳票データを完成させたときに当該処理済み帳票データの元となった帳票データの未処理数を減少させる。
クライアント端末は、表示部を有する。表示部は、帳票データを表すアイコンを表示するとともに、当該帳票データの未処理数を当該帳票データのアイコン上に表示する。
【0014】
上記の帳票システムでは、処理済み帳票データ(実行すべき所定の処理を実行した帳票データ)を完成するまでに実行すべき所定の処理が残っている帳票データの未処理数を、帳票システムのクライアント端末に送信している。また、クライアント端末が、帳票データを表すアイコン上に、当該帳票データの未処理数を表示している。
このように、処理済み帳票データを完成させるために実行すべき処理が残っている帳票データの数をクライアント端末に通知し、当該クライアント端末が帳票データを表すアイコン上に当該帳票データの未処理数を表示することにより、クライアント端末を使用するユーザは、処理済み帳票データを完成させるためにユーザが処理を実行する必要がある帳票データとその数を的確かつ明確に把握できる。
【0015】
また、処理済み帳票データを完成させたときに、帳票管理サーバが、当該処理済み帳票データの元となった帳票データの未処理数を減少させることにより、クライアント端末を使用するユーザは、アイコン上に表示された未処理数が減少したことを把握することにより、帳票データに対して実行すべき所定の処理の実行がなされたことを的確に把握できる。
【0016】
また、帳票管理サーバの未処理数通知部が、処理済み帳票データが完成したときに、当該処理済み帳票データの元となった新規帳票データの未処理数を減少させることにより、クライアント端末を使用するユーザは、アイコン上に表示された未処理数が減少したことを把握することにより、未処理であった新規帳票データに対して所定の処理の実行が完了したことを的確に把握できる。
【0017】
前記帳票管理サーバは、新規帳票作成通知部をさらに有してもよい。新規帳票作成通知部は、新規帳票データが作成されたことをクライアント端末に通知する。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、新たな帳票データである新規帳票データが作成されたことを的確に把握できる。
【0018】
帳票管理サーバは、新規帳票未作成通知部をさらに有してもよい。新規帳票未作成通知部は、新規帳票データが作成されなかったことをクライアント端末に通知する。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、本来作成されるべき新規帳票データが作成されたか否かを的確に把握できる。
【0019】
帳票管理サーバは、未処理通知部をさらに有してもよい。未処理通知部は、新規帳票データに対して情報の追加がなかったことをクライアント端末に通知する。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、新規帳票データに対して実行すべき所定の処理が実行されていないことを的確に把握できる。
【0020】
帳票データは、管理者を含む全てのユーザに対して帳票データにアクセスすることを許可する仮登録モード、又は、管理者を除くユーザに対して帳票データにアクセスすることを禁止する本登録モード、のいずれかにて管理されてもよい。
これにより、管理者を含む全てのユーザに対して帳票データに情報を追加する、又は、帳票データに追加された情報の内容を変更するといった操作を許可した帳票データと、管理者以外のユーザに対して情報の追加や変更を禁止した帳票データとを明確に区別して管理できる。
【発明の効果】
【0021】
上記の帳票システムでは、実行すべき所定の処理が残っている帳票データとその状態を的確に把握してユーザに明確に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】帳票システムの全体構成を示す図。
図2】帳票管理サーバ及びクライアント端末の機能ブロック構成を示す図。
図3】帳票データの一例を示す図(その1)。
図4】帳票データの一例を示す図(その2)。
図5】空フォームを作成するための第1ユーザインタフェースの一例を示す図。
図6】開始画面の一例を示す図。
図7】帳票管理サーバにおける帳票管理動作を示すフローチャート。
図8】帳票管理における帳票管理サーバとクライアント端末との間の情報のやりとりを示す図。
図9】新規帳票データに関する各種通知動作を示すフローチャート。
図10】チャット画面において新規帳票作成メッセージを表示した一例を示す図。
図11】チャット画面において新規帳票未作成メッセージを表示した一例を示す図。
図12】チャット画面において未処理メッセージを表示した一例を示す図。
図13】第2実施形態に係る帳票データの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.第1実施形態
(1)帳票システムの概略
以下、第1実施形態に係る帳票システム100を説明する。第1実施形態に係る帳票システム100は、例えば、帳票システム100が設置された工場、プラント等における「4M変動管理」をペーパーレスで実現するシステムである。4M変動管理とは、(i)製品の生産に用いる原料(Material)に関する管理、(ii)工場、プラント等の作業者(Man)に関する管理、(iii)工場、プラント等の稼働(Method)に関する管理、(iv)工場、プラント等の設備(Machine)に関する管理を含む概念である。
【0024】
原料に関する管理においては、例えば、原料が枯渇したことを通知する原料切れ通知、原料情報の管理がなされる。
作業者に関する管理においては、例えば、作業者情報の管理、各種情報の多言語対応、工場、プラント等でトラブルが発生した場合の担当者の呼び出し(トラブルコール)などがなされる。
稼働に関する管理においては、例えば、製品の検査結果の管理、作業手順書などの作業に関する文書の管理、生産ロットに関する情報の管理などがなされる。
設備に関する管理においては、例えば、設備で発生したトラブルの通知、設備点検の管理がなされる。
【0025】
本実施形態の帳票システム100においては、4M変動管理が、上記した管理及び通知の種類毎に独自のフォーマットを有する電子データ(以下、帳票データと呼ぶ)を用いて実行される。
【0026】
(2)帳票システムの全体構成
図1を用いて、第1実施形態に係る帳票システム100の全体構成を説明する。図1は、帳票システムの全体構成を示す図である。帳票システム100は、帳票管理サーバ1と、第1クライアント端末T1と、第2クライアント端末T2と、を主に備える。
帳票管理サーバ1は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票データDを管理する。帳票管理サーバ1にて管理される帳票データDには、帳票データDに対して実行すべき所定の処理が全て完了した帳票データD(処理(完了)済み帳票データFDと呼ぶ)と、帳票データDに対して実行すべき所定の処理が残っている帳票データD(未処理(処理途中)帳票データUDと呼ぶ)と、が存在する。
【0027】
第1クライアント端末T1は、ネットワーク(例えば、WAN、LAN、インターネットなど)を介して、帳票管理サーバ1と通信可能なタブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末であり、帳票システム100が設置された工場、プラント等で作業を行う作業者が使用する。作業者は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1にアクセスして、帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDの内容を参照し、必要に応じて未処理帳票データUDに対して実行すべき所定の処理を実行できる。
【0028】
第2クライアント端末T2は、パーソナルコンピュータなどの端末であり、帳票管理サーバ1の管理者が主に使用する。帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いて帳票管理サーバ1にアクセスして、帳票データDの空フォームを作成できる。
【0029】
なお、第1クライアント端末T1は、第2クライアント端末T2と同様の機能を有していてもよい。具体的には、帳票管理サーバ1の管理者は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1に管理者としてログインして、帳票データDのフォームを作成できる。
また、第2クライアント端末T2は、第1クライアント端末T1と同様の機能を有していてもよい。具体的には、帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いて帳票管理サーバ1にアクセスして、帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDの内容を参照し、必要に応じて未処理帳票データUDに対して実行すべき所定の処理を実行できる。
【0030】
帳票管理サーバ1は、例えば、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2からの指令に基づいて、帳票データDに含まれる情報を用いて、帳票システム100が設置された工場、プラント等に関する各種データを解析できる。各種データの解析結果は、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2に送信され、作業者及び管理者がその内容を閲覧できる。
【0031】
なお、帳票管理サーバ1は、クライアント端末を用いてログインできるユーザを、所定の属性によって定められたユーザグループ単位で管理している。このユーザグループは、例えば、作業者(ユーザ)が属する組織、部課、チームなどの単位で定められる。すなわち、各ユーザグループには、例えば、同じ組織、部課、チームなどに属する作業者(ユーザ)が属している。
また、帳票管理サーバ1は、自身が管理する帳票データDの閲覧、データ操作などのアクセス権を上記ユーザグループ毎に管理する。すなわち、帳票データDの種類によって、特定のユーザグループのユーザのみが帳票データDの閲覧、データ操作等を実行可能、複数のユーザグループのユーザが閲覧、データ操作等を実行可能、全てのユーザグループのユーザが閲覧、データ操作等を実行可能、などアクセス権を設定できる。
【0032】
帳票システム100は、チャットサーバ3を備える。チャットサーバ3は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票システム100におけるユーザ(帳票システム100が設置された工場、プラントの作業者)間のチャット機能を提供するサーバである。
チャットサーバ3は、ネットワークを介して、第1クライアント端末T1と通信可能となっている。作業者は、第1クライアント端末T1を用いてチャットサーバ3にログインして、チャットサーバ3にて提供されているチャット機能を用いて、他の作業者や管理者との間でメッセージのやりとりを行うことができる。
【0033】
なお、チャットサーバ3は、ネットワークを介して、第2クライアント端末T2とも通信可能となっていてもよい。これにより、帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いてチャットサーバ3にログインして、他の作業者や他の管理者との間でメッセージのやりとりを行うことができる。
【0034】
チャットサーバ3は、ネットワークを介して、帳票管理サーバ1と通信可能となっている。これにより、帳票管理サーバ1は、チャットサーバ3に対して各種メッセージを送信できる。また、チャットサーバ3は、チャット機能を用いて、帳票管理サーバ1から受信したメッセージを、チャットサーバ3のユーザ(作業者や管理者)に配信できる。
【0035】
帳票システム100は、生産管理システム5を備える。生産管理システム5は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票システム100が設置された工場、プラント等において生産される製品の生産管理に関する各種情報を管理する。
生産管理システム5は、例えば、工場、プラント等において生産される製品のロット情報、製品の生産に用いられる原料情報、特定の製品を担当する作業者に関する情報、などを管理する。生産管理システム5は、ネットワークを介して、帳票管理サーバ1と通信可能となっている。
【0036】
帳票システム100において、帳票管理サーバ1は、ネットワークを介して、帳票システム100が設置された工場、プラント等が備える設備7と通信可能となっている。これにより、帳票管理サーバ1は、例えば、設備7において発生したトラブルに関する情報を取得したときに、トラブルが発生した設備7に対するトラブルコールに用いる新たな帳票データD(新規帳票データNDと呼ぶ)を作成できる。
帳票管理サーバ1と通信可能な設備7としては、例えば、製品の製造装置、工場、プラント等に設けられたセンサ(例えば、カメラ、温度計、湿度計、振動計など)がある。
【0037】
(3)帳票管理サーバの機能ブロック構成
図2を用いて、帳票管理サーバ1の機能ブロック構成を説明する。図2は、帳票管理サーバ及びクライアント端末の機能ブロック構成を示す図である。なお、以下の説明において、第1クライアント端末T1及び第2クライアント端末T2を総称してクライアント端末と呼ぶ。
帳票管理サーバ1の各機能ブロックの一部又は全部は、帳票管理サーバ1を構成するコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0038】
図2に示すように、帳票管理サーバ1は、記憶部11と、帳票処理部12と、未処理数通知部13と、を機能ブロックとして主に有する。
記憶部11は、帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDを記憶する。帳票データDとしては、例えば、図3に示すような設備7の点検作業に使用される帳票データ、図4に示すような製品の生産に必要な部品供給に使用される帳票データがある。図3及び図4は、帳票データの一例を示す図である。
【0039】
図3に示す帳票データDには、設備7のチェック項目が配置されており、このチェック項目に対するチェック結果の記載がチェックボックスCBとともに配置されている。一方、図4に示す帳票データDには、原料の不足が生じた発生日を表すフィールドF1と、供給が必要な部品の品番を表すフィールドF2と、が配置されている。
図3及び図4に示すように、帳票データDには登録ボタンB1が設けられる。帳票データDに対して実行すべき処理を完了(必要な情報を全て入力)して登録ボタンB1が押されることで、当該帳票データDが処理済み帳票データFDとして登録される。
【0040】
その他、図3に示す帳票データDには、帳票データDのフォームを変更要求のためのボタンB2と、作業継続をするためのボタンB3と、が設けられる。また、図4に示す帳票データには、部品の画像を添付するためのボタンB4が設けられる。作業者は、ボタンB4を押すことで第1クライアント端末T1のカメラを起動し、設備の部品の写真を撮影することで、部品の画像を帳票データDに添付する。
【0041】
帳票処理部12は、クライアント端末、生産管理システム5、設備7から帳票データDについての操作(処理)を受け付けて、当該操作に基づいて帳票データDに対する処理を実行する。
具体的には、帳票処理部12は、クライアント端末の入力装置(例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなど)の操作を受け付けて帳票データD(未処理帳票データUD)を処理する。例えば、図3に示すような設備7の点検作業に用いられる未処理帳票データUDに対する処理を実行したい場合には、帳票処理部12は、当該未処理帳票データUDをクライアント端末に表示させ、帳票データDのチェックボックスCBへのチェック操作を受け付ける。全てのチェックボックスCBに対するチェック操作が完了後に登録ボタンB1が押されると、帳票処理部12は、当該未処理帳票データUDを処理済み帳票データFDとして登録する。
【0042】
つまり、未処理帳票データUDが設備7の点検作業に使用されるものである場合、当該未処理帳票データUDに対して実行すべき所定の処理は、クライアント端末を使用するユーザが設備7の点検結果を未処理帳票データUDの所定のフィールドに入力することである。
【0043】
また、帳票処理部12は、生産管理システム5から取得した情報を帳票データDに入力できる。例えば、図4に示すような部品供給に使用される帳票データDに対して、部品の品番をフィールドF2に入力できる。
【0044】
さらに、帳票処理部12は、設備7から取得した情報を帳票データDに入力できる。例えば、設備7にてトラブルが発生した場合には、当該トラブルに関する情報を設備7から取得し、帳票データDの所定のフィールドに取得した情報を入力することでトラブルコールに用いる新たな帳票データD(新規帳票データND)を作成し、未処理帳票データUDとして管理できる。
【0045】
その後、ユーザ(作業者)がトラブルコールに用いる未処理帳票データUDを表示したクライアント端末を使用して、その未処理帳票データUDに示された設備7のトラブルに対処し、トラブルの対処時にクライアント端末を用いてユーザがした操作を帳票処理部12が受け付けて未処理帳票データUDを処理することで、トラブルコールに対する処理済み帳票データFDを作成できる。
つまり、未処理帳票データUDがトラブルコールに用いられるものである場合、当該未処理帳票データUDに対して実行すべき所定の処理は、設備7にて発生したトラブルに対処し、その記録を未処理帳票データUDに入力することである。
【0046】
帳票処理部12は、1つの未処理帳票データUDに対して異なる複数のクライアント端末からの操作を受け付けて1つの処理済み帳票データFDを作成してもよい。すなわち、本実施形態においては、1つの未処理帳票データUDに対して複数の作業者が分担して処理を実行して1つの処理済み帳票データFDを作成できる。
【0047】
また、帳票処理部12は、帳票データDの空フォーム(情報が入力されていない帳票データD)を作成できる。例えば、帳票処理部12は、図5に示す第1ユーザインタフェースINF1を第2クライアント端末T2に表示させ、第2クライアント端末T2を使用するユーザ(帳票管理サーバ1の管理者)による第1ユーザインタフェースINF1の操作を受け付けて、空フォームを作成できる。図5は、空フォームを作成するための第1ユーザインタフェースの一例を示す図である。
第1ユーザインタフェースINF1は、作成中の空フォームを表示するフォーム表示部DIS1と、空フォームに配置する部品PA(ユーザインタフェース)をリスト表示した部品リスト表示部PLと、を有する。
【0048】
第2クライアント端末T2を使用するユーザは、例えば、部品リスト表示部PLに配置された部品PAを、フォーム表示部DIS1に表示されている空フォームの当該部品PAを配置したい位置にドラッグ・アンド・ドロップ操作することにより、容易に空フォームを作成できる。
【0049】
なお、空フォームの作成は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1に管理者としてログインすることで、当該第1クライアント端末T1を用いて実行することもできる。
【0050】
未処理数通知部13は、実行すべき所定の処理が残っている帳票データD(未処理帳票データUD)の数を表す未処理数を計数しクライアント端末に送信する。
具体的には、未処理数通知部13は、帳票データDの種類(例えば、部品供給に使用する帳票データD、品質管理に使用する帳票データD、設備点検に使用する帳票データD、トラブルコールに使用する帳票データD)毎に記憶部11に記憶されている未処理帳票データUDの数を計数し、当該計数した数を未処理数としてクライアント端末に送信する。
【0051】
また、未処理数通知部13は、未処理帳票データUDに対して所定の処理が実行された処理済み帳票データFDが完成したことを検知すると、当該処理済み帳票データFDの元となった未処理帳票データUDの未処理数を減少させ、減少後の未処理数をクライアント端末に送信する。
【0052】
帳票管理サーバ1は、新規帳票作成通知部14を有する。新規帳票作成通知部14は、帳票処理部12において新規帳票データNDが作成されたことをチャットサーバ3に通知する。当該通知を受けたチャットサーバ3が、チャットサーバ3のチャット機能を使用しているクライアント端末に、新規帳票データNDが作成された旨のメッセージを配信する。
なお、帳票データDの種類によって、新規に作成された帳票データDの空フォームを新規帳票データNDとすることも、新規の空フォームを作成後に当該空フォームの一部に情報を追加した帳票データDを新規帳票データNDとすることもできる。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、新たな帳票データである新規帳票データNDが作成されたことを的確に把握できる。
【0053】
帳票管理サーバ1は、新規帳票未作成通知部15を有する。新規帳票未作成通知部15は、作成されるべき新規帳票データNDが作成されなかったことをチャットサーバ3に通知する。当該通知を受けたチャットサーバ3が、チャットサーバ3のチャット機能を使用しているクライアント端末に、新規帳票データNDが作成されなかった旨のメッセージを配信する。
【0054】
例えば、設備7の定期点検に使用するための新規帳票データND(未処理帳票データUD)が、何らかの原因により当該定期点検を行うべき時期になっても帳票処理部12にて作成されなかった場合に、当該新規帳票データNDが作成されなかった旨の通知がなされることにより、クライアント端末を使用するユーザは、本来作成されるべき新規帳票データNDが作成されなかったことを的確に把握できる。また、上記の通知がなされなかった場合には、(新規帳票データNDが作成された旨の通知と併せて)新規帳票データNDが適切に作成されたことを的確に把握できる。
【0055】
帳票管理サーバ1は、未処理通知部16を有する。未処理通知部16は、新規帳票データNDに対して情報の追加がなかったことをチャットサーバ3に通知する。当該通知を受けたチャットサーバ3が、チャットサーバ3のチャット機能を使用しているクライアント端末に、新規帳票データNDに対して情報の追加がなかった旨のメッセージを配信する。
これにより、クライアント端末を使用するユーザは、新規帳票データNDが作成されたにもかかわらず、当該新規帳票データNDに対して全く処理が実行されておらず放置されていることを的確に把握できる。
この通知を確認したユーザが放置されている新規帳票データNDに対して所定の処理を実行すべきであることを認識できるので、新規帳票データNDがいつまでも未処理のまま放置されることを回避できる。
【0056】
上記の構成を有することにより、帳票管理サーバ1は、未処理帳票データUD(新規帳票データND)、処理済み帳票データFD、帳票データDの空フォームを作成し記憶部11に記憶して、帳票データDとして管理できる。
また、処理済み帳票データFDを完成するまでに実行すべき所定の処理が残っている帳票データD(未処理帳票データUD)の未処理数を、帳票システム100のクライアント端末に送信できる。さらに、処理済み帳票データFDが完成したときに、当該処理済み帳票データFDの元となった未処理帳票データUDの未処理数を減少できる。
【0057】
(4)クライアント端末の機能ブロック構成
次に、図2を用いて、クライアント端末(第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2)の機能ブロック構成を説明する。
クライアント端末の機能ブロックの一部又は全部は、クライアント端末を構成するタブレット端末、パーソナルコンピュータなどのコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラム(例えば、専用アプリケーション、Webブラウザなど)を実行することにより実現される。
【0058】
クライアント端末は、表示部21を有する。表示部21は、クライアント端末において帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDにアクセスするための画面表示を、クライアント端末のディスプレイに表示する。
クライアント端末にて帳票管理サーバ1にアクセスしログインすると、表示部21は、図6に示すような開始画面INF2をクライアント端末の表示装置(例えば、タッチパネルを有する表示装置)に表示する。図6は、開始画面の一例を示す図である。
【0059】
図6に示すように、表示部21は、クライアント端末を使用するユーザがアクセスできる帳票データDの種類を表す第1アイコンICO1を開始画面INF2に表示する。クライアント端末にて第1アイコンICO1を操作(例えば、タッチ操作、クリック操作)することで、第1アイコンICO1に示された帳票データDにアクセスできる。
図6に示す例では、部品供給に使用する帳票データDを表すアイコンと、品質管理に使用する帳票データDを表すアイコンと、設備点検に使用する帳票データDを表すアイコンと、作業手順書である帳票データDを表すアイコンと、トラブルコールに使用する帳票データDを表すアイコンと、が第1アイコンICO1として表示されている。
【0060】
また、表示部21は、クライアント端末が帳票管理サーバ1から受信した未処理数を、受信した未処理数を有する帳票データDの種類を表す第1アイコンICO1上にバッジBA1として表示する。図6に示す例では、未処理数を表すバッジBA1は、対応する第1アイコンICO1の右上端に表示される。
図6に示す例では、トラブルコールに使用する帳票データDを表す第1アイコンICO1の右端上に「3」と表示されたバッジBA1が表示されている。これは、このクライアント端末のユーザがトラブルコールに使用する未処理帳票データUDに対して所定の処理(設備7のトラブルへの対処)を実行する必要があり、その未処理帳票データUD(未処理のトラブルコール)が3つあることを意味する。
【0061】
上記のように、クライアント端末の表示部21が、帳票データDを表す第1アイコンICO1上に当該帳票データD(未処理帳票データUD)の未処理数を表示することにより、クライアント端末を使用するユーザは、処理済み帳票データFDを完成させるためにユーザが処理を実行する必要がある未処理帳票データUDとその数を的確かつ明確に把握できる。
【0062】
(5)帳票システムの動作
(5-1)帳票管理動作
以下、上記の構成を有する帳票システム100の動作を説明する。まず、図7及び図8を用いて、帳票システム100における帳票管理動作を説明する。図7は、帳票管理サーバにおける帳票管理動作を示すフローチャートである。図8は、帳票管理における帳票管理サーバとクライアント端末との間の情報のやりとりを示す図である。
帳票データDの管理(帳票管理)を実行するために、ユーザがクライアント端末を用いて帳票管理サーバ1にアクセスしログインすると、帳票管理サーバ1は、アクセスのあったクライアント端末に図6に示す開始画面INF2を送信する。
【0063】
開始画面INF2を送信するにあたり、帳票管理サーバ1の未処理数通知部13は、ログインしたユーザが有する未処理帳票データUDの未処理数を計数する(ステップS1)。具体的には、未処理数通知部13は、例えば、ログインしたユーザが属するユーザグループに対して閲覧およびデータ操作等のアクセス権が設定された未処理帳票データUDの数を未処理数として計数する。
その他、未処理数通知部13は、例えば、ログインしたユーザが属するユーザグループに対して閲覧およびデータ操作等のアクセス権が設定された未処理帳票データUDのうち、当該ユーザが処理実行の担当をしている未処理帳票データUDの数のみを未処理数として計数してもよい。
【0064】
未処理数を計数後、帳票管理サーバ1の未処理数通知部13は、図6に示す開始画面INF2と、当該開始画面INF2に計数した未処理数を表示するバッジBA1と、バッジBA1をいずれの第1アイコンICO1上に表示すべきかの情報を、クライアント端末に送信する(ステップS2、S101)。
開始画面INF2とバッジBA1とを受信したクライアント端末の表示部21は、図6に示すように、受信した開始画面INF2に第1アイコンICO1を表示するとともに、バッジBA1を表示すべき第1アイコンICO1上(右上端)に受信したバッジBA1を未処理数として表示する。
【0065】
図6に示すような開始画面INF2において、例えば、バッジBA1が付された第1アイコンICO1を指定する操作(例えば、当該第1アイコンICO1をクリックする、タッチするなど)がクライアント端末でなされると、帳票管理サーバ1の帳票処理部12は、指定された第1アイコンICO1が示す種類の未処理帳票データUDのリストを送信する。
当該リストを受信したクライアント端末の表示部21は、受信したリストを表示装置に表示する。リスト表示された未処理帳票データUDのうちの1つを指定する操作がなされると、クライアント端末は、指定された未処理帳票データUDの送信要求を帳票管理サーバ1に送信する(ステップS102)。
【0066】
上記の送信要求を受信した帳票管理サーバ1の帳票処理部12は、送信要求のあった未処理帳票データUDを、送信要求の送信元であるクライアント端末に送信する(ステップS103)。当該未処理帳票データUDを受信したクライアント端末の表示部は、クライアント端末の表示装置に受信した未処理帳票データUDを表示する。
【0067】
一方、帳票管理サーバ1の帳票処理部12は、クライアント端末、生産管理システム5、又は設備7から、未処理帳票データUDに対して何らかの処理(例えば、情報の入力)がなされたか否かをモニターする(ステップS3、S104)。未処理帳票データUDに対する操作がない場合(ステップS3で「No」)、帳票処理部12は、引き続き、未処理帳票データUDに対する操作がなされたか否かをモニターする。
【0068】
一方、未処理帳票データUDに対する操作がなされた場合(ステップS3で「Yes」)、帳票処理部12は、当該未処理帳票データUDに対して実行すべき全ての処理が実行されて、当該未処理帳票データUDの登録ボタンB1が押されたか否かを判定する(ステップS4、S105)。
未処理帳票データUDの登録ボタンB1が押されていない場合(ステップS4で「No」)、帳票処理部12は、操作がなされた未処理帳票データUDに所定の処理を実行(例えば、クライアント端末、生産管理システム5、又は設備7から送信された情報を未処理帳票データUDに入力)して、未処理帳票データUDのまま当該未処理帳票データUDに対する処理を終了する。
【0069】
一方、未処理帳票データUDの登録ボタンB1が押された場合(ステップS4で「Yes」)、帳票処理部12は、登録ボタンB1が押された未処理帳票データUDに対して所定の処理が全て実行された(例えば、入力すべき情報が全て入力された)と判断し、以後、当該未処理帳票データUDを処理済み帳票データFDとして管理する。
登録ボタンB1が押されて未処理帳票データUDが処理済み帳票データFDとして管理されると、帳票管理サーバ1の未処理数通知部13は、現在の未処理数を減少し(ステップS5)、減少後の未処理数(を表すバッジBA1)を、処理済み帳票データFDとなった帳票データDに対してアクセス権を有するユーザが使用するクライアント端末に送信する(ステップS6、S106)。
【0070】
減少後の未処理数を受信したクライアント端末の表示部21は、処理済み帳票データFDとなった帳票データDに対応する第1アイコンICO1に表示されたバッジBA1の表示を減少後の未処理数に変更する。
なお、バッジBA1が表示されていた第1アイコンICO1に対応する帳票データDについて未処理帳票データUDが存在しなくなった場合には、クライアント端末の表示部21は、当該第1アイコンICO1に表示されたバッジBA1を消去してもよい。その他、バッジBA1の表示を「0」としてもよい。
【0071】
なお、図7を用いて説明したステップS1~S6、図8を用いて説明したステップS101~S106は、帳票システム100において、クライアント端末を使用するユーザが帳票管理サーバ1にログインしている限り繰り返し実行される。
【0072】
(5-2)各種通知動作
次に、図9を用いて、帳票システム100における新規帳票データNDに関する各種通知動作を説明する。図9は、新規帳票データに関する各種通知動作を示すフローチャートである。
帳票システム100の帳票管理サーバ1が動作中、帳票管理サーバ1の帳票処理部12は、クライアント端末(第2クライアント端末T2)を使用して新規帳票データNDが作成されたか否かを判定する(ステップS11)。
新規帳票データNDが作成されたと判定すると(ステップS11で「Yes」)、帳票管理サーバ1の新規帳票作成通知部14は、新規帳票データNDが作成されたことをチャットサーバ3に通知する(ステップS12)。
【0073】
当該通知を受けたチャットサーバ3は、チャットサーバ3のチャット機能を使用しているクライアント端末に、新規帳票データNDが作成された旨のメッセージを配信する。
チャットサーバ3は、上記メッセージを配信する際には、クライアント端末に図10に示すようなチャット画面INF3を提供し、新規帳票データNDが作成されたことを通知する新規帳票作成メッセージM1を、チャット画面INF3のチャット欄A1に表示する。図10は、チャット画面において新規帳票作成メッセージを表示した一例を示す図である。
図10に示すように、チャット画面INF3は、チャット欄A1の他に、チャットサーバ3にて登録されているルーム(ユーザグループ)名を表示するルーム表示欄A2と、チャット欄A1にて共有されている情報を表示する情報表示部DIS2と、を有する。
【0074】
チャットサーバ3は、帳票管理サーバ1と同様に、チャットサーバ3にログインしてチャット機能を使用できるユーザを「ルーム」と呼ばれるユーザグループ単位で管理している。チャットサーバ3は、上記の新規帳票作成メッセージM1を、新規帳票データNDに対して所定の処理を実行するユーザと当該ユーザと同じ属性を有する他のユーザとが属するルームの各ユーザに配信する。
【0075】
また、帳票処理部12は、本来作成されるべき新規帳票データNDが作成されていないか否かを判定する(ステップS11)。例えば、所定の日時毎に定期的に作成される新規帳票データNDが上記の所定の日時となっても作成されない場合に、帳票処理部12は、本来作成されるべき新規帳票データNDが作成されていないと判定する。
作成されるべき新規帳票データNDが作成されなかったと判定すると(ステップS13で「Yes」)、帳票管理サーバ1の新規帳票未作成通知部15は、新規帳票データNDが作成されなかったことをチャットサーバ3に通知する(ステップS14)。
【0076】
当該通知を受けたチャットサーバ3は、図11に示すように、クライアント端末に表示されているチャット画面INF3のチャット欄A1に、新規帳票データNDが作成されなかったことを通知する新規帳票未作成メッセージM2を表示する。図11は、チャット画面において新規帳票未作成メッセージを表示した一例を示す図である。
【0077】
さらに、帳票処理部12は、新規帳票データNDを作成後、当該新規帳票データNDに対して何らの処理も実行されておらず、情報が追加されないまま放置されているか否かを判定する(ステップS15)。
例えば、新規帳票データNDの作成後から所定の期間を経過した後も、当該新規帳票データNDに対する操作がクライアント端末、生産管理システム5、設備7から何らの処理もなされず情報の追加がなされていない場合に、帳票処理部12は、新規帳票データNDが放置されていると判定する。
【0078】
新規帳票データNDが放置されていると判定すると(ステップS15で「Yes」)、帳票管理サーバ1の未処理通知部16は、新規帳票データNDに対して情報の追加がなされておらず放置されていることをチャットサーバ3に通知する(ステップS16)。
当該通知を受けたチャットサーバ3は、図12に示すように、クライアント端末に表示されているチャット画面INF3のチャット欄A1に、新規帳票データNDに情報の追加がなかったことを通知する未処理メッセージM3を表示する。図12は、チャット画面において未処理メッセージを表示した一例を示す図である。
【0079】
なお、図9を用いて説明したステップS11~S16は、帳票システム100において、クライアント端末を使用するユーザが帳票管理サーバ1にログインしている限り繰り返し実行される。また、ステップS11及びステップS12、ステップS13及びステップS14、ステップS15及びステップS16は、帳票管理サーバ1において並列して実行されてもよい。
【0080】
(6)まとめ
以下、上記に説明した帳票システム100についてまとめる。
上記の帳票システム100では、処理済み帳票データFDを完成するまでに実行すべき所定の処理が残っている未処理帳票データUDの未処理数を、帳票システム100のクライアント端末(第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2)に送信している。また、クライアント端末が、未処理帳票データUDを表す第1アイコンICO1上に、当該未処理帳票データUDの未処理数をバッジBA1により表示している。
このように、処理済み帳票データFDを完成させるために実行すべき処理が残っている未処理帳票データUDの数をクライアント端末に通知し、当該クライアント端末が未処理帳票データUDを表す第1アイコンICO1上に当該未処理帳票データUDの未処理数を表示することにより、クライアント端末を使用するユーザは、処理済み帳票データFDを完成させるためにユーザが処理を実行する必要がある未処理帳票データUDとその数を的確かつ明確に把握できる。
【0081】
また、処理済み帳票データFDを完成させたときに、帳票管理サーバ1が、当該処理済み帳票データFDの元となった未処理帳票データUDの未処理数を減少させることにより、クライアント端末を使用するユーザは、第1アイコンICO1上に表示された未処理数が減少したことを把握することにより、未処理帳票データUDに対して実行すべき所定の処理の実行がなされたことを的確に把握できる。
【0082】
帳票管理サーバ1の新規帳票作成通知部14が、新規帳票データNDが作成されたことをクライアント端末に通知することにより、クライアント端末を使用するユーザは、新たな帳票データDである新規帳票データNDが作成されたことを的確に把握できる。
【0083】
帳票管理サーバ1の新規帳票未作成通知部15が、新規帳票データNDが作成されなかったことをクライアント端末に通知することにより、クライアント端末を使用するユーザは、本来作成されるべき新規帳票データが作成されたか否かを的確に把握できる。
【0084】
帳票管理サーバ1の未処理通知部16が、新規帳票データNDに対して情報の追加がなかったことをクライアント端末に通知することにより、クライアント端末を使用するユーザは、新規帳票データNDに対して実行すべき所定の処理が実行されていないことを的確に把握できる。
【0085】
2.第2実施形態
上記の第1実施形態においては、帳票管理サーバ1は、未処理帳票データUDに対して実行すべき処理が実行され必要な全ての情報が追加されたときに、当該未処理帳票データUDを「登録」して処理済み帳票データFDとしていた。
第2実施形態に係る帳票システム100では、複数の登録モードにより帳票データDを管理する。具体的には、帳票管理サーバ1は、管理者を含む全てのユーザに対して帳票データDにアクセスすることを許可する仮登録モードと、管理者を除くユーザ(一般ユーザ)に対して帳票データDにアクセスすることを禁止する本登録モードのいずれかにて帳票データDを管理する。本登録モードと仮登録モードの切り替えは、帳票管理サーバの管理者のみが行うことができる。
【0086】
本実施形態において、仮登録モード及び本登録モードの両方において帳票データDのアクセスが可能な管理者の属性を有するユーザと、仮登録モードにおいてのみ帳票データDのアクセスが可能な一般ユーザの属性を有するユーザと、は個別のユーザグループ(以下、「ルーム」と呼ぶ)にて管理される。
どのユーザがいずれのルーム(管理者のルーム、一般ユーザのルーム)に属するかは、帳票管理サーバ1にて管理されていてもよいし、チャットサーバ3にて管理されていてもよい。
【0087】
仮登録モードにて管理される帳票データDは、帳票管理サーバ1の管理者のルームに属するユーザと一般ユーザのルームに属するユーザとが共に、当該帳票データDのフィールド、チェックボックス等の情報を入力する箇所にアクセス可能となっている。
一方、本登録モードにて管理される帳票データDは、管理者のルームに属するユーザは、当該帳票データDのフィールド、チェックボックス等の情報を入力する箇所にアクセス可能である一方で、一般ユーザのルームに属するユーザはこれらの箇所にアクセス不能となっている。
【0088】
第2実施形態において、帳票データDは、図13に示すように、登録ボタンB1に加えて、仮登録ボタンB5を有している。図13は、第2実施形態に係る帳票データの一例を示す図である。
【0089】
図13に示すような帳票データD(未処理帳票データUD)において登録ボタンB1が押されると、帳票データDは、本登録モードにて管理される。具体的には、帳票管理サーバ1は、登録ボタンB1が押された帳票データDに対して、一般ユーザのルームに属するユーザに対して当該帳票データDへの情報の追加、又は、追加された情報を変更することを禁止するアクセス権を設定する。なお、管理者のルームに属するユーザは、本登録モードで管理される帳票データDの情報を変更できる。
一方、仮登録ボタンB5が押されると、帳票データDは、仮登録モードで管理される。具体的には、帳票管理サーバ1は、仮登録ボタンB5が押された帳票データDに対して、一般ユーザのルームに属するユーザ、及び、管理者のルームに属するユーザに対して当該帳票データDへの情報の追加、又は、追加された情報を変更することを許可するアクセス権を設定する。
【0090】
上記のように帳票データDを仮登録モードと本登録モードにて管理することにより、管理者を含む全てのユーザに対して帳票データDに情報を追加する、又は、帳票データに追加された情報の内容を変更するとの操作を許可した帳票データDと、管理者以外の一般ユーザに対して情報の追加や変更を禁止した帳票データDとを明確に区別して管理できる。
【0091】
3.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)上記の第1実施形態において、図7図9に示されたフローチャートに示された各ステップの処理順及び/又は処理内容は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更できる。
【0092】
(B)帳票管理サーバ1とチャットサーバ3とを1つのコンピュータシステムで実現してもよい。例えば、帳票管理サーバ1として機能するプログラムと、チャットサーバ3として機能するプログラムと、を当該1つのコンピュータシステムにインストールすることでこれを実現できる。
【0093】
(C)上記の第1実施形態において、帳票管理サーバ1は、新規帳票データに関する通知(新規帳票作成メッセージM1、新規帳票未作成メッセージM2、未処理メッセージM3)をチャットサーバ3に送信し、チャットサーバ3がクライアント端末に当該通知を配信していた。しかし、これに限られず、帳票管理サーバ1は、上記通知をクライアント端末に直接配信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、各種作業に用いられる帳票データを管理する帳票管理方法、及び、帳票システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0095】
100 帳票システム
1 帳票管理サーバ
11 記憶部
12 帳票処理部
13 未処理数通知部
14 新規帳票作成通知部
15 新規帳票未作成通知部
16 未処理通知部
3 チャットサーバ
5 生産管理システム
7 設備
T1 第1クライアント端末
T2 第2クライアント端末
21 表示部
D 帳票データ
UD 未処理帳票データ
FD 処理済み帳票データ
ND 新規帳票データ
B1 登録ボタン
B2~B4 ボタン
B5 仮登録ボタン
F1、F2 フィールド
CB チェックボックス
INF1 第1ユーザインタフェース
DIS1 フォーム表示部
PA 部品
PL 部品リスト表示部
INF2 開始画面
ICO1 第1アイコン
BA1 バッジ
INF3 チャット画面
A1 チャット欄
A2 ルーム表示欄
DIS2 情報表示部
M1 新規帳票作成メッセージ
M2 新規帳票未作成メッセージ
M3 未処理メッセージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13