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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061384
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】帳票管理方法、及び、帳票システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20220411BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220411BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20220411BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q30/02
G06Q10/00 300
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169366
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】谷本 好史
(72)【発明者】
【氏名】中井 亮太
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA38
3C100AA63
3C100BB13
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC14
5L049BB08
5L049CC04
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】帳票システムと他のシステム等とを効率よく連携させる。
【解決手段】帳票管理方法は、生産管理システム3が生産管理に関して検索したいキー情報を帳票管理サーバ1に送信するステップと、帳票管理サーバ1が、受信したキー情報に関連付けられた複数の帳票データDを抽出するステップと、帳票管理サーバ1が、抽出した複数の帳票データDを生産管理システム3のユーザが使用する第1クライアント端末T1に送信するステップと、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票データを管理する帳票管理サーバと、設備の生産管理を行う生産管理システムと、を備える帳票システムにおける帳票管理方法であって、
前記生産管理システムが、生産管理に関して検索したいキー情報を前記帳票管理サーバに送信するステップと、
前記帳票管理サーバが、受信した前記キー情報に関連付けられた複数の前記帳票データを抽出するステップと、
前記帳票管理サーバが、抽出した複数の前記帳票データを前記生産管理システムのユーザが使用するクライアント端末に送信するステップと、
を備える、帳票管理方法。
【請求項2】
前記キー情報に基づいて、前記抽出した複数の前記帳票データから前記キー情報に関連する情報を抽出するステップをさらに備える、請求項1に記載の帳票管理方法。
【請求項3】
前記設備から所定の通知を受信した場合、前記帳票管理サーバが、新規帳票データを作成するステップをさらに備える、請求項1又は2に記載の帳票管理方法。
【請求項4】
前記帳票管理サーバが、前記所定の通知の内容に基づいて前記新規帳票データを作成する、請求項3に記載の帳票管理方法。
【請求項5】
前記帳票管理サーバが、前記新規帳票データを作成した場合、前記新規帳票データに関連するユーザが使用するクライアント端末に新規帳票データが作成された旨の通知をするステップをさらに備える、請求項3又は4に記載の帳票管理方法。
【請求項6】
帳票データを管理する帳票管理サーバと、設備の生産管理を行う生産管理システムと、を備える帳票システムであって、
前記生産管理システムは、生産管理に関して検索したいキー情報を前記帳票管理サーバに送信するキー情報送信部を有し、
前記帳票管理サーバは、
前記キー情報に関連付けられた複数の前記帳票データを抽出する抽出部と、
抽出した複数の前記帳票データを前記生産管理システムのユーザが使用するクライアント端末に送信する抽出結果出力部と、
を有する、帳票システム。
【請求項7】
前記キー情報に基づいて、前記抽出した複数の前記帳票データから前記キー情報に関連する情報が抽出される、請求項6に記載の帳票システム。
【請求項8】
前記帳票管理サーバは、前記設備から所定の通知を受信した場合、新規帳票データを作成する作成部をさらに有する、請求項6又は7に記載の帳票システム。
【請求項9】
前記作成部は、前記所定の通知の内容に基づいて前記新規帳票データを作成する、請求項8に記載の帳票システム。
【請求項10】
前記帳票管理サーバは、前記新規帳票データを作成した場合、前記新規帳票データに関連するユーザが使用するクライアント端末に前記新規帳票データが作成された旨の通知をする通知部をさらに有する、請求項8又は9に記載の帳票システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種作業に用いられる帳票データを管理する帳票管理方法、及び、帳票データを管理する帳票システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙ベースで行われていた業務をペーパーレスで効率よく行うためのシステム及びサービスが広く用いられるようになってきた。例えば、予め決められたフォーマットを有する帳票データを端末に表示させて、この帳票データにプラントにおける生産管理、設備管理等の各種管理を行うために必要な情報を入力することで、ペーパーレスにて各種管理等を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-089569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品の生産管理を実行する生産管理システムにより生産管理を行う場合に、帳票システムにて管理されている帳票データ、及び、当該帳票データに記録されている各種情報を必要とする場合がある。また、帳票システムにおいて帳票データを作成する際に、プラント等に設けられた外部の設備からの情報を必要とする場合がある。
【0005】
本発明の目的は、帳票システムと他のシステム等とを効率よく連携させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る帳票管理方法は、帳票データを管理する帳票管理サーバと、設備の生産管理を行う生産管理システムと、を備える帳票システムにおける帳票管理方法である。帳票管理方法は、以下のステップを備える。
◎生産管理システムが、生産管理に関して検索したいキー情報を帳票管理サーバに送信するステップ。
◎帳票管理サーバが、受信したキー情報に関連付けられた複数の帳票データを抽出するステップ。
◎帳票管理サーバが、抽出した複数の帳票データを生産管理システムのユーザが使用するクライアント端末に送信するステップ。
【0007】
上記の帳票管理方法においては、生産管理システムから生産管理に関するキー情報を受信した帳票管理サーバが、当該キー情報に関連付けられた複数の帳票データを抽出し、抽出した複数の帳票データを生産管理システムのユーザが使用するクライアント端末に送信している。
これにより、生産管理システムにおいて必要とする情報を含む帳票データを、帳票データを管理する帳票管理サーバが抽出するといった生産管理システムと帳票管理サーバとの間の連携を実現できる。
【0008】
また、帳票管理サーバにおいては、生産管理システムから送信されるキー情報と複数の帳票データとが関連付けられているので、帳票管理サーバは、生産管理システムから検索したいキー情報が送信されてきたときに、当該キー情報に関連する帳票データを効率よく抽出できる。
【0009】
上記の帳票管理方法は、キー情報に基づいて、抽出した複数の帳票データからキー情報に関連する情報を抽出するステップをさらに備えてもよい。
これにより、帳票データからキー情報を用いて抽出した情報に基づいて各種分析を実行できる。
【0010】
上記の帳票管理方法は、設備から所定の通知を受信した場合、帳票管理サーバが、新規帳票データを作成するステップをさらに備えてもよい。
これにより、設備から受信した通知に応じて新規帳票データを作成することで、設備と帳票管理サーバとの間の連携を実現できる。
【0011】
帳票管理サーバは、設備から通知された所定の通知の内容に基づいて新規帳票データを作成してもよい。
これにより、通知の内容に応じた具体的な新規帳票データを作成して、帳票管理サーバと設備とを効率よく連携できる。
【0012】
上記の帳票管理方法は、帳票管理サーバが新規帳票データを作成した場合、新規帳票データに関連するユーザが使用するクライアント端末に新規帳票データが作成された旨の通知をするステップをさらに備えてもよい。
これにより、設備の通知に基づいて新規帳票データが作成されたことをユーザに通知して、当該ユーザが新規帳票データに関連する設備に対して必要な作業を効率よく実行できる。
【0013】
本発明の他の見地に係る帳票システムは、帳票データを管理する帳票管理サーバと、設備の生産管理を行う生産管理システムと、を備える帳票システムである。
帳票システムの生産管理システムは、キー情報送信部を有する。キー情報送信部は、生産管理に関して検索したいキー情報を帳票管理サーバに送信する。 帳票管理サーバは、抽出部と、抽出結果出力部と、を有する。
抽出部は、キー情報に関連付けられた複数の帳票データを抽出する。
抽出結果出力部は、抽出した複数の帳票データを生産管理システムのユーザが使用するクライアント端末に送信する。
【0014】
上記の帳票システムにおいては、生産管理システムのキー情報送信部が、生産管理に関するキー情報を送信し、帳票管理サーバの抽出部が、当該キー情報に関連付けられた複数の帳票データを抽出している。また、帳票管理サーバの抽出結果出力部は、抽出した複数の帳票データを、キー情報に対応付けて生産管理システムのユーザが使用するクライアント端末に送信している。
これにより、生産管理システムにおいて必要とする情報を含む帳票データを、帳票データを管理する帳票管理サーバが抽出するといった生産管理システムと帳票管理サーバとの間の連携を実現できる。
【0015】
また、帳票管理サーバにおいては、生産管理システムから送信されるキー情報と複数の帳票データとが関連付けられているので、帳票管理サーバは、生産システムから検索したいキー情報が送信されてきたときに、当該キー情報に関連する帳票データを効率よく抽出できる。
【0016】
上記の帳票システムにおいて、キー情報に基づいて、抽出した複数の帳票データからキー情報に関連する情報が抽出されてもよい。
これにより、キー情報を用いて抽出した帳票データから必要な情報を抽出して、当該情報に基づいて各種分析を実行できる。
【0017】
帳票管理サーバは作成部をさらに有してもよい。作成部は、設備から所定の通知を受信した場合に新規帳票データを作成する。
これにより、帳票システムに備わる設備から受信した通知に応じて新規帳票データを作成するとの設備と帳票管理サーバとの間の連携を実現できる。
【0018】
帳票管理サーバの作成部は、所定の通知の内容に基づいて新規帳票データを作成してもよい。
これにより、通知の内容に応じた具体的な新規帳票データを作成して、帳票管理サーバと設備とを効率よく連携できる。
【0019】
帳票管理サーバは通知部をさらに備えてもよい。通知部は、新規帳票データを作成した場合、新規帳票データに関連するユーザが使用するクライアント端末に、新規帳票データが作成された旨の通知をする。
これにより、設備の通知に基づいて新規帳票データが作成されたことをユーザに通知して、当該ユーザが新規帳票データに関連する設備に対して必要な作業を効率よく実行できる。
【発明の効果】
【0020】
帳票システムと生産管理システム及び設備とを効率よく連携できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】帳票システムの全体構成を示す図。
図2】帳票管理サーバ及び生産管理システムの機能ブロック構成を示す図。
図3】帳票データの一例を示す図(その1)。
図4】帳票データの一例を示す図(その2)。
図5】空フォームを作成するための第1ユーザインタフェースの一例を示す図。
図6】帳票管理サーバにおける生産管理システムとの連携動作を示すフローチャート。
図7】連携動作における帳票管理サーバと生産管理システムとの間の情報のやりとりを示す図。
図8】帳票管理サーバにおける設備との連携動作を示すフローチャート。
図9】連携動作における帳票管理サーバ、設備、チャットサーバ、クライアント端末との間の情報のやりとりを示す図。
図10】チャット画面において新規帳票作成メッセージを表示した一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.第1実施形態
(1)帳票システムの概略
以下、第1実施形態に係る帳票システム100を説明する。第1実施形態に係る帳票システム100は、例えば、帳票システム100が設置された工場、プラント等における「4M変動管理」をペーパーレスで実現するシステムである。4M変動管理とは、(i)製品の生産に用いる原料(Material)に関する管理、(ii)工場、プラント等の作業者(Man)に関する管理、(iii)工場、プラント等の稼働(Method)に関する管理、(iv)工場、プラント等の設備(Machine)に関する管理を含む概念である。
【0023】
原料に関する管理においては、例えば、原料が枯渇したことを通知する原料切れ通知、原料情報の管理がなされる。
作業者に関する管理においては、例えば、作業者情報の管理、各種情報の多言語対応、工場、プラント等でトラブルが発生した場合の担当者の呼び出し(トラブルコール)などがなされる。
稼働に関する管理においては、例えば、製品の検査結果の管理、作業手順書などの作業に関する文書の管理、生産ロットに関する情報の管理などがなされる。
設備に関する管理においては、例えば、設備で発生したトラブルの通知、設備点検の管理がなされる。
【0024】
本実施形態の帳票システム100においては、4M変動管理が、上記した管理及び通知の種類毎に独自のフォーマットを有する電子データ(以下、帳票データと呼ぶ)を用いて実行される。
【0025】
(2)帳票システムの全体構成
図1を用いて、第1実施形態に係る帳票システム100の全体構成を説明する。図1は、帳票システムの全体構成を示す図である。帳票システム100は、帳票管理サーバ1と、生産管理システム3と、を主に備える。
帳票管理サーバ1は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票データDを管理する。また、帳票管理サーバ1は、ネットワークを介して、後述する生産管理システム3及び設備5と通信可能となっており、情報の送受信を通じて生産管理システム3及び設備5と連携できる。
【0026】
帳票管理サーバ1は、帳票データDの検索機能を有している。具体的には、帳票管理サーバ1は、生産管理システム3から受信したキー情報を用いて、当該キー情報に関連付けられている帳票データDを抽出できる。
また、帳票管理サーバ1は、設備5からの通知に応じて、当該通知の内容に基づいた新たな帳票データD(新規帳票データNDと呼ぶ)を作成する。
【0027】
生産管理システム3は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票システム100が設置された工場、プラント等において生産される製品の生産管理に関する各種情報を管理する。
生産管理システム3は、例えば、工場、プラント等において生産される製品のロット情報、製品の生産に用いられる原料情報、特定の製品を担当する作業者に関する情報、などを管理する。
【0028】
生産管理システム3は、帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDに含まれる情報を用いて、プラント等における「4M変動管理」に関する分析を実行できる。この分析を実行するために、生産管理システム3は、当該分析に必要なキー情報を帳票管理サーバ1に送信し、当該キー情報に関連付けられている帳票データDを抽出するよう帳票管理サーバ1に要求できる。
【0029】
設備5は、生産管理システム3によって管理され、帳票システム100が設置された工場、プラント等に設けられた製品の製造装置、センサ(例えば、カメラ、温度計、湿度計、振動計など)などである。設備5は、例えば、設備5において発生したトラブルに関する情報を帳票管理サーバ1に送信できる。
当該情報を受信した帳票管理サーバ1は、トラブルが発生した設備5に対するトラブルコールに使用する新規帳票データNDを作成できる。
【0030】
帳票システム100は、第1クライアント端末T1を備える。第1クライアント端末T1は、ネットワーク(例えば、WAN、LAN、インターネットなど)を介して、帳票管理サーバ1、及び、生産管理システム3と通信可能なタブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末であり、帳票システム100が設置された工場、プラント等で作業を行う作業者が使用する。作業者は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1にアクセスして、帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDの内容を参照し、必要に応じて帳票データDに対して実行すべき所定の処理を実行できる。
【0031】
帳票システム100は、第2クライアント端末T2を備える。第2クライアント端末T2は、パーソナルコンピュータなどの端末であり、帳票管理サーバ1の管理者が主に使用する。帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いて帳票管理サーバ1にアクセスして、帳票データDの空フォームを作成できる。
【0032】
なお、第1クライアント端末T1は、第2クライアント端末T2と同様の機能を有していてもよい。具体的には、帳票管理サーバ1の管理者は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1に管理者としてログインして、帳票データDのフォームを作成できる。
また、第2クライアント端末T2は、第1クライアント端末T1と同様の機能を有していてもよい。具体的には、帳票管理サーバ1の管理者は、第2クライアント端末T2を用いて帳票管理サーバ1にアクセスして、帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDの内容を参照し、必要に応じて帳票データDに対して実行すべき所定の処理を実行できる。
【0033】
帳票管理サーバ1は、例えば、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2からの指令に基づいて、帳票データDに含まれる情報を用いて、帳票システム100が設置された工場、プラント等に関する各種データを解析できる。各種データの解析結果は、第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2に送信され、作業者などがその内容を閲覧できる。
【0034】
帳票システム100は、チャットサーバ7を備える。チャットサーバ7は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、帳票システム100におけるユーザ(帳票システム100が設置された工場、プラントの作業者)間のチャット機能を提供するサーバである。
チャットサーバ7は、ネットワークを介して、帳票管理サーバ1から各種メッセージを受信し、上記のチャット機能を用いて、帳票管理サーバ1から受信したメッセージをチャットサーバ7のユーザが使用するクライアント端末(第1クライアント端末T1、第2クライアント端末T2)に配信できる。
【0035】
(3)帳票管理サーバの機能ブロック構成
図2を用いて、帳票管理サーバ1の機能ブロック構成を説明する。図2は、帳票管理サーバ及び生産管理システムの機能ブロック構成を示す図である。なお、以下の説明において、第1クライアント端末T1及び第2クライアント端末T2を総称してクライアント端末と呼ぶ。
帳票管理サーバ1の各機能ブロックの一部又は全部は、帳票管理サーバ1を構成するコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0036】
図2に示すように、帳票管理サーバ1は、記憶部11と、抽出部12と、抽出結果出力部13と、作成部14と、通知部15と、を機能ブロックとして有する。
記憶部11は、帳票管理サーバ1にて管理されている帳票データDを記憶する。帳票データDとしては、例えば、図3に示すような設備5の点検作業に使用される帳票データ、図4に示すような製品の生産に必要な部品供給に使用される帳票データがある。図3及び図4は、帳票データの一例を示す図である。
【0037】
図3に示す帳票データDには、設備5のチェック項目が配置されており、このチェック項目に対するチェック結果の記載がチェックボックスCBとともに配置されている。一方、図4に示す帳票データDには、原料の不足が生じた発生日を表すフィールドF1と、供給が必要な部品の品番を表すフィールドF2と、が配置されている。
図3及び図4に示すように、帳票データDには登録ボタンB1が設けられる。登録ボタンB1は、対応する帳票データDに対して実行すべき処理を完了(必要な情報を全て入力)した場合に押される。実行すべき処理を完了した帳票データDは、処理済みの(全ての入力項目に入力が完了した)帳票データDとして管理される。
【0038】
その他、図3に示す帳票データDには、帳票データDのフォームを変更する要求のためのボタンB2と、作業継続をするためのボタンB3と、が設けられる。また、図4に示す帳票データには、部品の画像を添付するためのボタンB4が設けられる。作業者は、ボタンB4を押すことで第1クライアント端末T1のカメラを起動し、設備の部品の写真を撮影することで、部品の画像を帳票データDに添付する。
【0039】
本実施形態において、関連情報KIに対して複数の帳票データDが関連付けられている。関連情報KIは、生産管理システム3から送信されるキー情報を用いて当該キー情報に関連する帳票データDを抽出する際に用いられる。関連情報KIは、生産管理システム3にて指定されるキー情報に対応しており、例えば、製品のオーダー番号、製造装置の号機番号、作業の開始時刻、作業の終了時刻、などの生産管理にて用いられる情報である。
【0040】
抽出部12は、生産管理システム3(のキー情報送信部31)から送信されるキー情報を用いて、当該キー情報と一致するか類似する関連情報KIに関連付けられた複数の帳票データDを抽出する。抽出部12は、キー情報を用いて抽出した複数の帳票データDと、帳票データDの抽出に用いたキー情報と、を抽出結果出力部13に送信する。
【0041】
また、抽出部12は、キー情報を用いて抽出された帳票データDに基づいて、「4M変動」等の生産管理に関する分析を実行する。抽出部12は、キー情報を用いて抽出された帳票データDから、当該キー情報に基づいてさらに情報を抽出する。
【0042】
抽出結果出力部13は、抽出部12にて抽出された複数の帳票データDを生産管理システム3のユーザが使用する第1クライアント端末T1に出力する。具体的には、抽出結果出力部13は、抽出部12から送信されてきた帳票データD、キー情報、キー情報を用いて帳票データDから抽出された情報を、第1クライアント端末T1に送信する。
【0043】
作成部14は、設備5から所定の通知を受信したときに、当該所定の通知の内容に基づいた新規帳票データNDを作成する。
作成部14は、設備5からの通知だけでなく、生産管理システム3、及び、クライアント端末からの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて新規帳票データNDを作成できる。具体的には、作成部14は、クライアント端末からの操作を受け付けて、帳票データDの空フォーム(情報が入力されていない帳票データD)を作成できる。
具体的には、作成部14は、生産管理システム3から受信した生産管理に関する情報、クライアント端末の操作により入力された情報などを帳票データDに追加して新規帳票データNDを作成できる。
【0044】
その他、作成部14は、例えば、図5に示す第1ユーザインタフェースINF1を第2クライアント端末T2に表示させ、第2クライアント端末T2を使用するユーザ(帳票管理サーバ1の管理者)による第1ユーザインタフェースINF1の操作を受け付けて、空フォームを作成できる。図5は、空フォームを作成するための第1ユーザインタフェースの一例を示す図である。
第1ユーザインタフェースINF1は、作成中の空フォームを表示するフォーム表示部DIS1と、空フォームに配置する部品PA(ユーザインタフェース)をリスト表示した部品リスト表示部PLと、を有する。
【0045】
第2クライアント端末T2を使用するユーザは、例えば、部品リスト表示部PLに配置された部品PAを、フォーム表示部DIS1に表示されている空フォームの当該部品PAを配置したい位置にドラッグ・アンド・ドロップ操作することにより、容易に空フォームを作成できる。
【0046】
なお、空フォームの作成は、第1クライアント端末T1を用いて帳票管理サーバ1に
ログインすることで、当該第1クライアント端末T1を用いて実行することもできる。
【0047】
通知部15は、作成部14にて新規帳票データNDが作成されたときに、当該新規帳票データNDに関連するユーザが使用するクライアント端末に、新規帳票データNDが作成された旨の通知をする。
本実施形態において、通知部15は、チャットサーバ7を介して、上記の通知を行う。具体的には、通知部15は、新規帳票データNDが作成されたことを通知するメッセージをチャットサーバ7に送信する。当該メッセージを受信したチャットサーバ7が、チャット機能を用いて、新規帳票データNDに関連するユーザが使用するクライアント端末に、新規帳票データNDが作成されたことを通知するメッセージを配信する。
【0048】
(4)生産管理システムの機能ブロック構成
次に、図2を用いて、生産管理システム3の機能ブロック構成を説明する。
生産管理システム3の機能ブロックの一部又は全部は、生産管理システム3を構成するコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
生産管理システム3は、キー情報送信部31を有する。キー情報送信部31は、生産管理に関する情報に関連付けられた帳票データDを抽出するために、設備5の生産管理に関して検索したいキー情報を帳票管理サーバ1の抽出部12に送信する。キー情報送信部31から送信されるキー情報は、例えば、製品のオーダー番号、製造装置の号機番号、作業の開始時刻、作業の終了時刻、などの生産管理システム3にて管理されている情報である。
【0049】
(5)帳票システムの動作
(5-1)帳票管理サーバと生産管理システムの連携動作
以下、上記の構成を有する帳票システム100の動作を説明する。まず、図6及び図7を用いて、帳票システム100における帳票管理サーバ1と生産管理システム3の連携動作を説明する。図6は、帳票管理サーバにおける生産管理システムとの連携動作を示すフローチャートである。図7は、連携動作における帳票管理サーバと生産管理システムとの間の情報のやりとりを示す図である。
生産管理に関する分析を行うために、生産管理システム3のキー情報送信部31が、実行したい分析に関連する帳票データDを抽出するためのキー情報を、帳票管理サーバ1に送信する(図7のステップS101)。
【0050】
一方、帳票管理サーバ1の抽出部12は、生産管理システム3からキー情報が送信されたか否かを判定する(図6のステップS11)。
生産管理システム3からキー情報が送信されてきていない場合(ステップS11で「No」)、抽出部12は、キー情報が送信されてくるまで待機する。
一方、生産管理システム3からキー情報が送信されてきた場合(ステップS11で「Yes」)、抽出部12は、受信したキー情報に関連付けられた帳票データDを抽出する(図6のステップS12)。具体的には、抽出部12は、受信したキー情報と一致するか類似する関連情報KIと関連付けられた複数の帳票データDを抽出結果として抽出する。抽出部12は、抽出した複数の帳票データDとキー情報とを抽出結果出力部13に送信する。
【0051】
また、抽出部12は、キー情報を用いて抽出した複数の帳票データDから当該キー情報に関連する情報を抽出する。具体的には、例えば、帳票データDを抽出するためのキー情報が作業の開始時刻、終了時刻、及び、号機番号であった場合には、抽出部12は、例えば、作業の開始時刻から終了時刻までの間に作成された帳票データDから、号機番号に関連する情報(例えば、当該号機番号を有する設備5のトラブル情報など)を抽出できる。
【0052】
抽出した複数の帳票データD、キー情報、及び、抽出した情報を受信した抽出結果出力部13は、複数の帳票データD、キー情報、及び、抽出した情報を、生産管理システム3のユーザが使用する第1クライアント端末T1に出力する(図6のステップS13、図8のステップS102)。
【0053】
なお、図6を用いて説明したステップS11~S13、図7を用いて説明したステップS101~S102は、帳票システム100において繰り返し実行される。
【0054】
上記の帳票システム100においては、生産管理システム3から生産管理に関するキー情報を受信した帳票管理サーバ1が、当該キー情報に関連付けられた複数の帳票データDを抽出し、抽出した複数の帳票データDを生産管理システム3のユーザが使用する第1クライアント端末T1に送信している。
これにより、生産管理システム3において必要とする情報を含む帳票データDを、帳票データDを管理する帳票管理サーバ1が抽出するといった生産管理システム3と帳票管理サーバ1との間の連携を実現できる。
【0055】
また、帳票管理サーバ1においては、生産管理システム3から送信されるキー情報(関連情報KI)と複数の帳票データDとが関連付けられているので、帳票管理サーバ1は、生産管理システム3から検索したいキー情報が送信されてきたときに、当該キー情報に関連する帳票データDを効率よく抽出できる。
【0056】
上記の帳票システム100においては、帳票データDを抽出するためのキー情報に基づいて、抽出した複数の帳票データDからキー情報に関連する情報が抽出されている。これにより、帳票データDからキー情報を用いて抽出した情報に基づいて各種分析を実行できる。
【0057】
(5-2)帳票管理サーバと設備の連携動作
次に、図8及び図9を用いて、帳票システム100における帳票管理サーバ1と設備5の連携動作を説明する。図8は、帳票管理サーバにおける設備との連携動作を示すフローチャートである。図9は、連携動作における帳票管理サーバ、設備、チャットサーバ、クライアント端末との間の情報のやりとりを示す図である。
設備5との連携動作を開始すると、帳票管理サーバ1の作成部14は、設備5から何らかの通知を受信するまで待機する(図8のステップS31、図9のステップS201)。
【0058】
設備5から通知があった場合(ステップS31で「Yes」)、作成部14は、設備5から受信した通知の内容に基づいて新規帳票データNDを作成する(図8のステップS32)。作成部14は、作成した新規帳票データNDを記憶部11に記憶する。
例えば、設備5からトラブルに関する通知があった場合には、作成部14は、設備5から受信した通知に含まれているトラブルに関する情報を帳票データDの所定のフィールドに入力して、トラブルコールに用いる新規帳票データNDを作成できる。
【0059】
新規帳票データNDが作成されると、帳票管理サーバ1の通知部15は、新規帳票データが作成されたことを通知するメッセージをチャットサーバ7に送信する(図8のステップS33、図9のステップS202)。このメッセージを受信したチャットサーバ7は、新たに作成された新規帳票データNDに関連するユーザが使用するクライアント端末に、新規帳票データNDが作成された旨のメッセージを配信する(図9のステップS203)。
チャットサーバ7から新規帳票データNDが作成された旨のメッセージを受信したクライアント端末は、受信したメッセージを表示装置に表示する。
【0060】
例えば、設備5のトラブルコールに使用する新規帳票データNDが作成された場合、通知部15は、トラブルコールに使用する新規帳票データNDが作成されたことを通知するメッセージをチャットサーバ7に送信する。当該メッセージを受信したチャットサーバ7は、上記トラブルに対処するユーザが用いるクライアント端末に、トラブルコールに使用する新規帳票データNDが作成されたことを通知するメッセージを配信する。
【0061】
チャットサーバ7から上記のメッセージを受信したクライアント端末は、図10に示すようなチャット画面INF3を表示装置に表示し、新規帳票データNDが作成されたことを通知する新規帳票作成メッセージM1を、チャット画面INF3のチャット欄A1に表示する。図10は、チャット画面において新規帳票作成メッセージを表示した一例を示す図である。
図10に示すように、チャット画面INF3は、チャット欄A1の他に、チャットサーバ7にて登録されているルーム(ユーザグループ)名を表示するルーム表示欄A2と、チャット欄A1にて共有されている情報を表示する情報表示部DIS2と、を有する。
【0062】
上記のステップS31~S33、ステップS201~S203を実行することにより、帳票システム100に備わる設備5から受信した通知に応じて帳票管理サーバ1が新規帳票データNDを作成するとの設備5と帳票管理サーバ1との間の連携を実現できる。
また、新規帳票データNDが作成されたときに、帳票管理サーバ1から新規帳票データNDに関連するユーザが使用するクライアント端末に、新規帳票データNDが作成された旨が通知されることにより、当該ユーザが新規帳票データNDに関連する設備5に対して必要な作業を直ちに実行できる。例えば、トラブルコールに使用する新規帳票データNDが作成された場合には、クライアント端末を用いて新規帳票データNDが作成された旨のメッセージを確認したユーザは、設備5にてトラブルが発生したことを認識し、当該トラブルに対処できる。
【0063】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)上記の第1実施形態において、図6図9に示された各ステップの処理順及び/又は処理内容は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更できる。
【0064】
(B)帳票管理サーバ1とチャットサーバ7とを1つのコンピュータシステムで実現してもよい。例えば、帳票管理サーバ1として機能するプログラムと、チャットサーバ7として機能するプログラムと、を当該1つのコンピュータシステムにインストールすることでこれを実現できる。
【0065】
(C)上記の第1実施形態において、帳票管理サーバ1は、新規帳票データNDが作成された旨のメッセージをチャットサーバ7に送信し、チャットサーバ7がクライアント端末に当該メッセージを配信していた。しかし、これに限られず、帳票管理サーバ1は、上記メッセージをクライアント端末に直接配信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
各種作業に用いられる帳票データを管理する帳票システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0067】
100 帳票システム
1 帳票管理サーバ
11 記憶部
12 抽出部
13 抽出結果出力部
14 作成部
15 通知部
3 生産管理システム
31 キー情報送信部
5 設備
7 チャットサーバ
T1 第1クライアント端末
T2 第2クライアント端末
KI 関連情報
M1 新規帳票作成メッセージ
D 帳票データ
ND 新規帳票データ
B1 登録ボタン
B2~B4 ボタン
CB チェックボックス
F1、F2 フィールド
INF1 第1ユーザインタフェース
DIS1 フォーム表示部
PA 部品
PL 部品リスト表示部
INF3 チャット画面
DIS2 情報表示部
A1 チャット欄
A2 ルーム表示欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10