(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061385
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】圧縮空気圧回路
(51)【国際特許分類】
F17D 1/04 20060101AFI20220411BHJP
F04B 39/16 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
F17D1/04
F04B39/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169367
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000154521
【氏名又は名称】株式会社フクハラ
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】福原 廣
【テーマコード(参考)】
3H003
3J071
【Fターム(参考)】
3H003AC02
3H003BG04
3H003CD06
3J071AA04
3J071BB02
3J071CC02
3J071CC03
3J071FF16
(57)【要約】
【課題】圧縮空気の流れにムラがあるループ管路内においてその圧縮空気に含まれるドレンを効果的に排除することのできる圧縮空気圧回路を提供することである。
【解決手段】空気圧縮機20からの圧縮空気が供給され、複数の屈曲部19a、19b、19c、19dを含み、平面状に形成される環状のループ管路10と、前記ループ管路10に接続され機器14aに圧縮空気を分配する分配管路13aと、を備えた圧縮空気圧管路100であって、前記複数の屈曲部19a、19b、19c、19dの少なくとも1つに対して設けられ、当該屈曲部内のドレンを排出するドレン排出部15aを備えた構成となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧縮機からの圧縮空気が供給され、複数の屈曲部を含み、平面状に形成される環状のループ管路と、
前記ループ管路に接続され機器に圧縮空気を分配する分配管路と、を備えた圧縮空気圧管路であって、
前記複数の屈曲部の少なくとも1つに対して設けられ、当該屈曲部内のドレンを排出するドレン排出部を備えた圧縮空気圧管路。
【請求項2】
前記ドレン排出部は、前記屈曲部から垂下するドレン管路を含み、
前記ドレン管路は、前記屈曲部の、当該ループ管路の中心線に対して外方にずれた位置に接続される、請求項1記載の圧縮空気圧管路。
【請求項3】
前記ループ管路は、水平に配置され、
前記ドレン排出部は、前記複数の屈曲部のそれぞれに対して設けられた、請求項1または2記載の圧縮空気圧回路。
【請求項4】
前記ループ管路は、水平面に対して傾いて配置され、
前記ドレン排出部は、前記複数の屈曲部のうち最も高い位置にある屈曲部以外の一又は複数の屈曲部のそれぞれに設けられた、請求項1または2記載の圧縮空気圧回路。
【請求項5】
前記ドレン排出部は、前記複数の屈曲部のうち少なくとも最も低い位置にある屈曲部に対して設けられた請求項4記載の圧縮空気圧回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気が流れる環状の圧縮空気圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンプレッサ等の空気圧縮機から吐出される圧縮空気には、凝縮水たるドレンが含まれる。圧縮空気はエアガンやシリンダ等の空圧機器に用いられるが、圧縮空気にこのようなドレンが含まれているとこれら空圧機器の故障等を招くおそれがある。このようにドレンが含まれていることは、圧縮空気の利用にとって有害となる可能性がある。このため圧縮空気中のドレンは、通常、適宜ドレントラップにて圧縮空気から分離、除去される(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、回路全体の消費エネルギー量削減を目的として、圧縮空気が流れる管路を環状としたいわゆるループ管路を有する圧縮空気圧回路が知られている。このループ管路には、その環状の形状ゆえに、ある平面内において折れ曲がる複数の屈曲部が存在する。このようなループ管路においては、屈曲部は、直管で構成されるストレート部分に比べて圧縮空気の流れが滞り易く、その圧縮空気に含まれるドレンが滞留し易い。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、圧縮空気の流れにムラがあるループ管路内においてその圧縮空気に含まれるドレンを効果的に排除することのできる圧縮空気圧回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る圧縮空気圧回路は、空気圧縮機からの圧縮空気が供給され、複数の屈曲部を含み、平面状に形成される環状のループ管路と、前記ループ管路に接続され機器に圧縮空気を分配する分配管路と、を備えた圧縮空気圧管路であって、前記複数の屈曲部の少なくとも1つに対して設けられ、当該屈曲部内のドレンを排出するドレン排出部を備えた構成となる。
【0007】
このような構成により、空気圧縮機から圧縮空気がループ管路に供給され、更に、そのループ管路から分岐管路を通して圧縮空気が機器に供給され、当該機器にて圧縮空気が使用される。前記ループ管路において、圧縮空気の流れが滞り易い屈曲部に設けられたドレン排出部によってその屈曲部内に滞留するドレンが排出される。
【0008】
本発明に係る圧縮空気圧回路において、前記ドレン排出部は、前記屈曲部から垂下するドレン管路を含み、前記ドレン管路は、前記屈曲部の、当該ループ管路の中心線に対して外方にずれた位置に接続される、構成とすることができる。
【0009】
このような構成により、屈曲部では、空気の流れによる遠心力によりループ管路の中心線に対して外方の管壁側に寄り易いドレンが、その中心線に対して外方にずれた位置に接続されるドレン管路を通して流れ落ちて当該屈曲部から排出される。
【0010】
本発明に係る圧縮空気圧回路において、前記ループ管路は、水平に配置され、前記ドレン排出部は、前記複数の屈曲部のそれぞれに対して設けられた、構成とすることができる。
【0011】
このような構成によれば、水平配置されたループ管路の同じ高さ位置にある複数の屈曲部のそれぞれにおいて、圧縮空気の流れが滞ることに起因して滞留するドレンがドレン排出部によって排出される。
【0012】
本発明に係る圧縮空気圧回路において、前記ループ管路は、水平面に対して傾いて配置され、前記ドレン排出部は、前記複数の屈曲部のうち最も高い位置にある屈曲部以外の一又は複数の屈曲部のそれぞれに設けられた、構成とすることができる。
【0013】
このような構成により、最も高い位置にある屈曲部に対してドレン排出部を設けなくても、その最も高い位置にある屈曲部内のドレンは、高低差によってループ管路を通して移動し、他の屈曲部に設けられたドレン排出部によって排出され得る。
【0014】
本発明に係る圧縮空気圧回路において、前記ドレン排出部は、前記複数の屈曲部のうち少なくとも最も低い位置にある屈曲部に対して設けられた構成とすることができる。
【0015】
このような構成により、最も低い位置にある屈曲部以外の屈曲部に対してドレン排出部を設けなくても、その最も低い位置にある屈曲部以外の屈曲部内のドレンは、高低差によってループ管路を通して移動し、最も低い位置にある屈曲部に設けられたドレン排出部によって排出され得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る圧縮空気圧管路によれば、ループ管路において圧縮空気の流れが滞り易く、その圧縮空気に含まれるドレンが滞留し易い屈曲部に設けられたドレン排出部によってその屈曲部に滞留するドレンが排出されるので、圧縮空気の流れにムラがあるループ管路内においてその圧縮空気に含まれるドレンを効果的に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係る圧縮空気圧管路の構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す圧縮空気圧管路の各コーナ部に設けられる三方継手の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す三方コーナ継手の内部の構造を示す断面図である。
【
図4】
図4は、ループ管路における屈曲部を、そこに接続するドレン管路と滞留するドレンとの位置関係ともに拡大して示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る圧縮空気圧管路の平面及び側面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
本発明の第1の実施の形態に係る圧縮空気圧管路は、
図1に示すように構成される。
【0020】
図1において、圧縮空気圧回路100は、平面状に形成された環状のループ管路10を有している。ループ管路10は、4つのコーナC1、C2、C3、C4を有する概ね矩形状の管路として形成されている。このループ管路10は、吊り下げ機構(図示略)及び/又は支持機構(図示略)によって水平に維持された状態で設置される。
【0021】
ループ管路10は、複数の直管11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h、11i、4つのコーナC1、C2、C3、C4に配置される三方コーナ継手18a、18b、18c、18d及び管路分岐に使用される複数の三方継手(チーズ)を連結することにより形成される。例えば、コーナC1に配置される三方コーナ継手18aは、
図2に示すように、同一平面内で、2つの直管11a、11iを略90°の角度をもって連結するとともに、その直管11a、11iで形成される平面に直交する方向に、後述するドレン排出部15aを構成するドレン管路16aを連結する。他のコーナでも同様、コーナC2では、三方コーナ継手18bが、2つの直管11c、11dと、ドレン管路16b(ドレン排出部15b)とを連結し、コーナC3では、三方コーナ継手18cが、2つの直管11e、11fとドレン管路16c(ドレン排出部15c)とを連結し、また、コーナC4でも、三方コーナ継手18dが、2つの直管11g、11hとドレン管路16d(ドレン排出部15d)とを連結する。
【0022】
コーナC1とコーナC2との間では、三方コーナ継手18a(コーナC1)から延びる直管11aと、三方コーナ継手18b(コーナC2)から延びる直管11cと、それらの間に配置される直管11bとが直線状に連結されている。直管11aと直管11bとを連結する三方継手(チーズ)に、更に、空気圧縮機20から延びる基管路21が連結し、直管11bと直管11cとを連結する三方継手に更に分配管路13aが連結している。基管路21にはドレン排出用のドレントラップ22が接続されている。また、分配管路13aには、空圧機器としてのエアガン14aが接続されている。
【0023】
コーナC2とコーナC3との間では、三方コーナ継手18b(コーナC2)から延びる直管11dと、三方コーナ継手18c(コーナC3)から延びる直管11eとが直線状に連結される。これら2つの直管11d、11eを連結する三方継手に更に分配管路13bが連結している。分配管路13bには、空圧機器としてのエアガン14bが接続されている。コーナC3とコーナC4との間では、三方コーナ継手18c(コーナC3)から延びる直管11fと三方コーナ継手18dから延びる直管11gとが直線状に連結されている。これら2つの直管11f、11gを連結する三方継手に更に分配管路13cが連結している。分配管路13cには、空圧機器としてのエアガン14cが接続されている。また、コーナC4とコーナC1との間では、三方コーナ継手18d(コーナC4)から延びる直管11hと三方コーナ継手11aから延びる直管11iとが直線状に連結されている。これら2つの直管11h、11iを連結する三方継手に更に分配管路13dが連結している。分配管路13dには、空圧機器としてのエアガン14dが接続されている。
【0024】
各コーナ、例えば、コーナC1に配置される三方コーナ継手18aは、
図3に示すように、略90°の角度をもって2つの直管11a、11iを連結する屈曲した部分を屈曲部19aとして含む。そして、三方コーナ継手18aにおいて、ドレン管路16aは、その屈曲部19aの当該ループ管路10の中心線CLに対して外方にずれた位置に接続される。他のコーナについても、コーナC1と同様、コーナC2に配置され、屈曲部19bを含む三方コーナ継手18bにおいて、ドレン管路16bは、その屈曲部19bの当該ループ管路10の中心線CLに対して外方にずれた位置に接続され、コーナC3に配置され、屈曲部19cを含む三方コーナ継手18cにおいて、ドレン管路16cは、その屈曲部19cの当該ループ管路10の中心線CLに対して外方にずれた位置に接続され、また、コーナC4に配置され、屈曲部19dを含む三方コーナ継手18dにおいても、ドレン管路16dは、その屈曲部19dの当該ループ管路10の中心線Clに対して外方にずれた位置に接続される。
【0025】
上述したような構造のループ管路10が水平を維持するように設置された状態で、各コーナC1、C2、C3、C4に設けられるドレン管路16a、16b、16c、16dは、屈曲部19a、19b、19c、19d(三方コーナ継手18a、18b、18c、18d)から下方に垂下し、その先端にドレントラップ17a、17b、17c、17dが接続されている。各コーナ部C1(C2、C3、C4)に対して設けられるドレン管路16a(16b、16c、16d)とそれに接続されるドレントラップ17a(17b、17c、17d)は、屈曲部19a(19b、19c、19d)内のドレンを排出するドレン排出部15a(15b、15c、15d)を構成する。
【0026】
上述した圧縮空気圧管路100において、空気圧縮機20からの圧縮空気は、基管路21を通してループ管路10に供給される。そして、ループ管路10内の圧縮空気は、各分配管路13a、13b、13c、13dを通してエアガン14a、14b、14d、14dに分配される。エアガン14a(14b、14c、14d)を操作すると、ループ管路10から分配管路13a(13b、14c、14d)を通して圧縮空気が流れ、そのエアガン14a(14b、14c、14d)から圧縮空気が吐出する。エアガン14a(14b、14c、14d)から吐出する圧縮空気は、例えば、各種工作機械から発生する切り屑の除去や、製品表面に付着した塵埃の除去等に利用される。
【0027】
このような圧縮空気圧管路100では、ループ管路10において、圧縮空気の流れが滞り易い各コーナC1、C2、C3、C4の屈曲部19a、19b、19c、19d(三方コーナ継手18a、18b、18c、18d)に設けられたドレン管路16a、16b、16c、16dを通してその屈曲部19a、19b、19c、19dに滞留するドレンが流下する。そして、各ドレン管路16a、16b、16c、16dを流下するドレンがドレントラップ17a、17b、17c、17dに流れ込み、排出される。
【0028】
上述したような圧縮空気圧管路100によれば、ループ管路10において圧縮空気の流れが滞り易く、その圧縮空気に含まれるドレンが滞留し易い各コーナC1、C2、C3、C4の屈曲部19a、19b、19c、19d(三方コーナ継手18a、18b、18c、18d)に設けられたドレン排出部15a、15b、15c、15d(ドレン管路16a、16b、16c、16d、及びドレントラップ17a、17b、17c、17d)によってその屈曲部19a、19b、19c、19dに滞留するドレンが排出されるので、圧縮空気の流れにムラがあるループ管路10内においてその圧縮空気に含まれるドレンを効果的に排除することができる。
【0029】
また、ループ管路10の各屈曲部19a(19b、19c、19d)では、
図4に示すように、圧縮空気の流れによる遠心力により、圧縮空気に含まれるドレンWは、ループ管路10の中心線CLに対して外方の管壁側に寄り易い。各コーナC1(C2、C3、C4)において、ドレン管路16a(16b、16c、16d)は、
図4とともに
図3に示すように、屈曲部19a(19b、19c、19d)の当該ループ管路10の中心線CLに対して外方にずれた位置に接続されている。これにより、各屈曲部19a(19b、19c、19d)の外方の管壁側に寄り易いドレンは、より確実にドレン管路16a(16b、16c、16d)を流下し得る。従って、圧縮空気の流れにムラがあるループ管路10内においてその圧縮空気に含まれるドレンを更に効果的に排除することができる。
【0030】
なお、上述した圧縮空気圧管路100では、4つのコーナC1、C2、C3、C4(屈曲部19a、19b、19c、19d)の全てに対してドレン排出部15a、15b、15c、15d(ドレン管路16a、16b、16c、16d及びドレントラップ17a、17b、17c、17d)が設けられたが、これに限定されない。4つのコーナC1、C2、C3、C4(屈曲部19a、19b、19c、19d)の少なくとも1つにドレン排出部が設けられればよい。
【0031】
また、ループ管路10の形状は、4つのコーナC1、C2、C3、C4を有する概ね矩形状であったが、これに限定されない。ループ管路10は、3つのコーナあるいは5つ以上のコーナを有する多角形状であってもよい。
【0032】
本発明の第2の実施の形態に係る圧縮空気圧回路について
図5を参照して説明する。
【0033】
本発明の第2の実施の形態に係る圧縮空気圧回路は、平面状に形成された環状のループ管路10が水平面に対して傾いた状態で設置されたことを特徴としている。
【0034】
図5において、この圧縮空気圧回路は、第1の実施の形態と同様に、4つのコーナC1、C2、C3、C4を有する概ね矩形状となるループ管路10を有している。コーナC1では、L型継手(エルボ)によって屈曲部19aを含む管路が形成され、他のコーナC2、C3、C4では、第1の実施の形態の場合と同様、三方コーナ継手18b、18c、18dによって屈曲部19b、19c、19dを含む管路が形成される。ループ管路10は、吊り下げ機構(図示略)及び/又は支持機構(図示略)によって、屈曲部19a(コーナC1)、19c(コーナC3)を通る対角線DLの延びる方向に所定の角度をもって傾斜した状態で設置される。屈曲部19a(コーナC1)が最も高い位置(高さh1)にあり、屈曲部19c(コーナC3)が最も低い位置(高さh3)にある。屈曲部19b(コーナC2)は、屈曲部19a(コーナC1)より低い位置(高さh2)にあり、屈曲部19d(コーナC4)は、屈曲部19b(コーナC2)より低く、かつ、屈曲部19c(コーナC3)より高い位置(高さh4)にある。即ち、各屈曲部19a~19dの高さの関係は、h1>h2>h4>h3となる。
【0035】
上述したように傾斜して設置されるループ配管10において、最も高い位置(h1)にあるコーナC1の屈曲部19a(L型継手(エルボ))にはドレン管路が接続されていない。コーナC1(屈曲部19a)以外のコーナC2、C3、C4では、第1の実施の形態(
図2、
図3)と同様、屈曲部19b、19c、19dを含む三方コーナ継手18b、18c、18cにドレン管路16b、16c、16dが、対応する屈曲部から垂下するように接続されている。
【0036】
上述したようなループ管路10には、第1の実施の形態と同様に、基管路21を通して空気圧縮機20から圧縮空気が供給される。なお、
図5において、ループ管路10に接続される分配管路及びそれに続く空圧機器(例えば、エアガン)は省略されている。
【0037】
上述したように傾斜された状態で設置されるループ管路10を有する圧縮空気圧管路では、ループ管路10の最も高い位置(h1)にある屈曲部19a以外の屈曲部19b、19c、19dにおいて、第1の実施の形態と同様に、滞留するドレンがドレン管路16b、16c、16dを流下し、その各ドレン管路16b、16c、16dを流下するドレンがドレントラップ17b、17c、17dに流れ込み、排出される。また、ループ管路10の最も高い位置(h1)にある屈曲部19aのドレンは、高低差によってループ管路10を通して移動し、他の屈曲部19b、19c、19dに対して設けられたドレン管路15b、15c、15d及びドレントラップ17b、17c、17d(ドレン排出部)によって排出され得る。
【0038】
このように第2の実施の形態に係る圧縮空気管路によれば、最も高い位置(h1)にある屈曲部19a(コーナC1)に対してドレン排出部(ドレン管路、ドレントラップ)を設けなくても、その最も高い位置にある屈曲部19a(コーナC1)内のドレンは、高低差によってループ管路10を通して移動し、他の屈曲部19b、19c、19dに対して設けられたドレン管路15b、15c、15d及びドレントラップ17b、17c、17d(ドレン排出部)によって排出され得る。従って、圧縮空気の流れにムラがあるループ管路10内においてその圧縮空気に含まれるドレンを効果的に排除することができるという効果を維持しつつ、圧縮空気圧回路の構造を簡略化することができる。
【0039】
なお、上述した圧縮空気圧回路では、傾斜したループ管路10の最も高い位置(h1)にある屈曲部19a(コーナC1)に対するドレン排出部(ドレン管路、ドレントラップ)を省いたが、これに限定されない。傾斜したループ管路10の最も低い位置(h3)にある屈曲部19c(コーナC3)以外であれば、いずれの屈曲部に対するドレン排出部を省くこともできる。
【0040】
また、ループ管路10の形状は、第1の実施の形態と同様に、略矩形状に限定されることなく、また、ループ管路10の傾き方向も任意の方向に決めることができる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、各実施の形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上、説明したように本発明に係る圧縮空気圧回路は、圧縮空気の流れにムラがあるループ管路内においてその圧縮空気に含まれるドレンを効果的に排除することができるという効果を有し、圧縮空気が流れる環状の圧縮空気圧回路として有用である。
【符号の説明】
【0043】
10 ループ管路
11a~11i 直管
13a~13d 分配管路
14a~14d エアガン
15a~15d ドレン排出部
16a~16d ドレン管路
17a~17d ドレントラップ
18a~18d 三方コーナ継手
19a~19d 屈曲部
20 空気圧縮機
21 基管路
22 ドレントラップ
100 圧縮空気管路