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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061425
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】洗濯ネット
(51)【国際特許分類】
   D06F 35/00 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
D06F35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169422
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】500331714
【氏名又は名称】株式会社創和
(74)【代理人】
【識別番号】100178951
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 和家
(72)【発明者】
【氏名】宗 正雄
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AD01
3B168BA08
3B168BA50
3B168BA89
3B168WA03
3B168WA12
(57)【要約】
【課題】本発明は、マスクの洗濯に好適であって、マスクを収容して携帯することもできる洗濯ネットを提供する。
【解決手段】一対の側面部21を有し、マスクMSを出し入れする開口部OPが上端部分に設けられた扁平袋状の本体2と、本体2内を厚さ方向で仕切るとともに、収容するマスクMSを2つに折り畳んだ状態で被せることが可能な仕切片3と、仕切片3よりも上方において開口部OPを閉塞するスライドファスナ4と、を有し、本体2内にマスクMSを収容して携帯可能なものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側面部を有し、マスクを出し入れする開口部が上端部分に設けられた扁平袋状の本体と、
幅方向に延在し前記本体内を厚さ方向で仕切るとともに、収容するマスクを2つに折り畳んだ状態で被せることが可能な仕切片と、
前記仕切片よりも上方において前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記本体内にマスクを収容して携帯可能なものであることを特徴とする洗濯ネット。
【請求項2】
前記仕切片の上端は、前記幅方向の中央部分が高くなるように円弧状に形成されているものであることを特徴とする請求項1記載の洗濯ネット。
【請求項3】
前記仕切片が複数設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯ネット。
【請求項4】
前記閉塞部材は、スライドファスナであり、
前記スライドファスナは、前記一対の側面部の上端よりも所定寸法落ち込んだ位置に設けられたものであることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項の洗濯ネット。
【請求項5】
前記閉塞部材は、スライドファスナであり、
前記スライドファスナは、前記一対の側面部の上端に設けられたものであり、
前記本体を裏返して使用可能なものであることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項の洗濯ネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクの洗濯に好適であって、マスクを収容して携帯することもできる洗濯ネットに関する。
【背景技術】
【0002】
網目状の素材からなり、洗濯物を収容した状態で洗濯機内に投入される洗濯ネットには、種々のものが採用されている。また、靴下やストッキングなど、洗濯する物に適する工夫を施した洗濯ネットも提案されている(特許文献1や特許文献2等参照)。
【0003】
ここで、新型コロナウイルス感染症の流行によって、マスク需要が急増し、使い捨て不織布マスクが品薄となる状態がしばらく続き、マスクの品薄状態が解消した後は、マスクの着用が常態化した。これに伴い、高機能マスクや手作りの布マスクなど、使い捨てではなく、洗濯をして繰り返し使用するマスクも増えてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3030729号公報
【特許文献2】実開平7-12085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マスクは、型崩れしやすく紐が絡みやすいため、このようなマスクに適する洗濯ネットは未だ開発されていない状況である。また、マスクを持ち歩いたり、食事などで外したマスクを清潔に保ちたい、といったニーズも高まってきている。
【0006】
本発明は前記事情に鑑み、マスクの洗濯に好適であって、マスクを収容して携帯することもできる洗濯ネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を解決する本発明の洗濯ネットは、一対の側面部を有し、マスクを出し入れする開口部が上端部分に設けられた扁平袋状の本体と、
幅方向に延在し前記本体内を厚み方向で仕切るとともに、収容するマスクを2つに折り畳んだ状態で被せることが可能な仕切片と、
前記仕切片よりも上方において前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記本体内にマスクを収容して携帯可能なものであることを特徴とする。
【0008】
ここで、収容するマスクは、立体型マスクであっても平形マスクであってもよいし、プリーツ型マスクであってもよい。また、前記一対の側面部は、上端が略水平状であってもよいし、全体形状が略矩形状であってもよい。さらに、前記一対の側面部は、角部がR形状となっていてもよい。また、前記閉塞部材は、スライドファスナの他、両面ファスナやボタン、フック等を採用することができる。なお、前記本体の表面にデザインを施してもよい。
【0009】
本発明の洗濯ネットによれば、収容するマスクを2つに折り畳んだ状態で被せることが可能な前記仕切片を有するため、前記本体内にマスクを安定した状態で収容することができ、洗濯機で洗濯しても、型崩れや紐の絡みを効率的に抑えることができる。また、マスクを収容して携帯可能な大きさのものであるため、マスクを持ち歩いたり、食事などで外したマスクを収容する、ポーチ等として好適に用いることができる。さらに、マスクを収容して携帯した前記洗濯ネットを、そのまま洗濯機に投入して洗濯すれば、手間を省くこともできる。
【0010】
また、本発明の洗濯ネットにおいて、前記仕切片の上端は、前記幅方向の中央部分が高くなるように円弧状に形成されているものであってもよい。
【0011】
この態様を採用すれば、特に立体型マスクを前記仕切片に被せた際に、収容状態がより安定し、洗濯機で洗濯しても、型崩れや紐の絡みを一層効率的に抑えることができる。
【0012】
さらに、本発明の洗濯ネットにおいて、前記仕切片が複数設けられたものである態様としてもよい。
【0013】
前記仕切片を例えば3枚設ける態様とし、真ん中の該仕切片を挟んで両側の該仕切片にそれぞれマスクを被せることで、2枚のマスクを安定した状態で収容することができる。
【0014】
またさらに、本発明の洗濯ネットにおいて、前記閉塞部材は、スライドファスナであり、
前記スライドファスナは、前記一対の側面部の上端よりも所定寸法落ち込んだ位置に設けられたものであってもよい。
【0015】
この態様を採用すれば、前記スライドファスナが、前記一対の側面部の上端よりも所定寸法落ち込んだ位置に設けられているため、洗濯機で洗濯する際に、該スライドファスナが他の洗濯物と干渉しにくくなる。また、前記閉塞部材に前記スライドファスナを採用しているため、該スライドファスナが押さえになる。すなわち、マスクの中央部分が前記スライドファスナによって押さえられるため、マスクの位置ずれ等による型崩れを効果的に抑えることが可能となる。
【0016】
さらにまた、本発明の洗濯ネットにおいて、前記閉塞部材は、スライドファスナであり、
前記スライドファスナは、前記一対の側面部の上端に設けられたものであり、
前記本体を裏返して使用可能なものであってもよい。
【0017】
この態様を採用すれば、マスクを収容する形態と、裏返して前記仕切片をポケットとして使用可能な形態の2通りの使い方が可能な、いわゆるリバーシブルタイプとなる。なお、例えば、前記本体の表面に加えて、該本体の裏面と前記仕切片にもデザインを施してもよい。
【0018】
なお、本発明の洗濯ネットにおいて、前記本体は、吊り下げることができる、フック等の吊下部を有するものである態様としてもよい。
【0019】
こうすることで、洗濯機で洗濯した後に、前記吊下部を洗濯ばさみやハンガー等に係止させ、吊り下げて乾かすことができる。
【0020】
またさらに、本発明の洗濯ネットにおいて、前記本体と前記仕切片は、網目状の2枚の生地を相互に密着させてなる二重構造のものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の洗濯ネットによれば、マスクの洗濯に好適であって、マスクを収容して携帯することもできる洗濯ネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態を示す洗濯ネットの斜視図である。
図2図1に示す洗濯ネットの開口を拡げ、マスクを取り出した様子を示す斜視図である。
図3図1に示す洗濯ネットを左斜め下方から見た図である。
図4図2に示す洗濯ネットを右側方から見た図であり
図5図2に示す洗濯ネットを上方から見た図である。
図6図3に示す洗濯ネットのA-A線断面図である。
図7図4に示す洗濯ネットのB-B線断面図である。
図8】第2実施形態の洗濯ネットにおける、図7に対応した断面図である。
図9】第3実施形態の洗濯ネットを、開口部を拡げた状態で上方から見た図である。
図10】第4実施形態の洗濯ネットを裏返した状態の斜視図である。
図11】第5実施形態の洗濯ネットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態では、立体型マスクを収容する例を用いて説明するが、収容するマスクは、立体型マスクに限られず、平形マスクであってもよいし、プリーツ型マスクであってもよい。また、洗濯ネットとして用いる場合には、高機能マスクや手作りの布マスクなど、洗濯をして繰り返し使用するマスクが対象となるが、不織布等の使い捨てマスクを携帯する、いわゆるポーチとして用いることもできる。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態を示す洗濯ネット10の斜視図である。この図1において太線の両矢印で示すように、左斜め上方と右斜め下方を結ぶ方向が幅方向となり、右斜め上方と左斜め下方を結ぶ方向が厚さ方向となる。本特許出願では、図1を基準として、幅方向と厚さ方向とを用いている。なお、図1の洗濯ネット10は、マスクMSを収容し、詳しくは後述するスライドファスナ4を開けた状態を示している。図2は、図1に示す洗濯ネット10の開口OPを拡げ、マスクMSを取り出した様子を示す斜視図である。図3は、図1に示す洗濯ネット10を左斜め下方から見た図(正面図)である。図4は、図2に示す洗濯ネット10を右側方から見た図(右側面図)であり、図5は、図2に示す洗濯ネット10を上方から見た図(平面図)である。なお、図5では、洗濯ネット10の内部構成を示すため、マスクMSは省略している。
【0025】
図1図5に示すように、本実施形態の洗濯ネット10は、略矩形状の一対の側面部21,21を有する扁平袋状の本体2を有している。本実施形態の本体2は、図3における、右側の端部と底部が縫製されて、マスクMSを出し入れする開口部OPが上端部分に設けられている。縫製上の関係から、本実施形態の本体2は、図3における、右側の下端部分がR形状に形成されているが、本体2の形状は特に限定されるものではなく、マスクMSを収容でき、かつ形態に便利なように持ちやすい形状であればよい。例えば、図3において一点鎖線で示すように、本体2は、底側が半円状に形成されたものであってもよい。
【0026】
また、本実施形態の本体2は、内側に位置する網目状の内側生地と外側に位置する網目状の外側生地とを相互に密着させてなる二重構造のものである。内側生地は、外側生地よりも目が細かいものであり、外側生地が、主としてクッション機能を発揮し、内側生地が、主として屑よけ機能を発揮する。なお、本体2の外側生地に、適宜のデザインやキャラクター等を印刷して意匠を施せば、ポーチとして携帯する際の商品価値を向上させることができる。
【0027】
図6は、図3に示す洗濯ネット10のA-A線断面図であり、図7は、図4に示す洗濯ネット10のB-B線断面図である。なお、図6では、本体2の内部構成を示すため、収容されたマスクMSを二点鎖線で簡略化して示している。
【0028】
図5図6及び図7に示すように、洗濯ネット10は、幅方向に延在し、本体2内を厚さ方向に仕切る仕切片3を有している。この仕切片3によって、本体2内には、仕切片3を挟んだ厚さ方向の両側それぞれに、収容空間が形成されている。仕切片3は、本体2と同様に、網目状の2枚の生地を密着させてなる二重構造のものであってもよいし、芯材等を用いて、本体2よりも強度が高い構成としてもよい。
【0029】
図6及び図7に示すように、本実施形態の仕切片3は、上端31が水平に形成されたものであり、2つに折り畳んだマスクMSを仕切片3に被せた状態で、マスクMSを本体2内に収容することができる。こうすることで、収容したマスクMSが安定し、洗濯機で洗濯しても、型崩れや紐の絡みを効率的に抑えることができる。また、食事等の際に取り外したマスクMSは、仕切片3によって仕切られた一方の収容空間に収容してもよい。さらに、一日に複数回、マスクMSを取り替える方がよい、といった見解もあり、例えば、仕切片3によって仕切られた一方の収容空間に未使用のマスクを収容し、使用中あるいは使用済みのマスクMSを他方の収容空間に収容する、といった使い方も可能である。
【0030】
図2図3図6及び図7に示すように、開口部を閉塞する閉塞部材としてのスライドファスナ4が、仕切片3よりも上方に設けられている。スライドファスナ4を閉めることで、マスクMSの押さえになり、マスクMSの位置ずれ等による型崩れをさらに効果的に抑えることが可能となる。
【0031】
また、本実施形態では、スライドファスナ4は、一対の側面部21の上端211よりも所定寸法落ち込んだ位置に設けられている。このため、洗濯機で洗濯する際に、スライドファスナ4が他の洗濯物と干渉しにくくなる。
【0032】
次に、図1図7に示す第1実施形態の洗濯ネット10の他の実施形態について説明する。以下に説明する他の実施形態においては、図1図7に示す第1実施形態との相違点を中心に説明し、図1図7に示す第1実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0033】
図8は、第2実施形態の洗濯ネット11における、図7に対応した断面図である。
【0034】
図8に示すように、第2実施形態の洗濯ネット11は、仕切片3の上端31が、幅方向の中央部分が高くなるように円弧状(アーチ状)に形成されている点が、第1実施形態の洗濯ネット10と相違する。本実施形態の洗濯ネット11によれば、特に立体型マスクMSを仕切片3に被せた際に、収容状態がより安定し、洗濯機で洗濯しても、型崩れや紐の絡みを一層効率的に抑えることができる。
【0035】
図9は、第3実施形態の洗濯ネット12を、開口部POを拡げた状態で上方から見た図である。
【0036】
図9に示すように、第3実施形態の洗濯ネット12は、仕切片3を3つ設けた点が、第1実施形態の洗濯ネット10と相違する。本実施形態の洗濯ネット12によれば、例えば二点鎖線で示すように、真ん中の仕切片3を挟んで両側の仕切片3にそれぞれマスクMSを被せることで、2枚のマスクMSを真ん中の仕切片3で仕切りつつ、安定した状態で収容することができる。
【0037】
図10は、第4実施形態の洗濯ネット13を裏返した状態の斜視図である。
【0038】
図10に示すように、第4実施形態の洗濯ネット13は、スライドファスナ4が、側面部21の上端211(図1等参照)に設けられている点が、第1実施形態の洗濯ネット10と相違する。本実施形態の洗濯ネット13は、裏返して使用することができる、いわゆるリバーシブルタイプであり、図10に示す裏返した状態では、仕切片3をポケットとして使うことができる。
【0039】
図11は、第5実施形態の洗濯ネット14の斜視図である。
【0040】
図11に示すように、第5実施形態の洗濯ネット14は、本体2の上端部分の端部に、吊下部としてのフック5が設けられている点が、第1実施形態の洗濯ネット10と相違する。本実施形態の洗濯ネット14によれば、洗濯機で洗濯した後に、フック5を、例えば、洗濯ばさみやハンバー等、適宜の部材に吊り下げれば、洗濯したマスクMSをそのまま乾かすことができる。また、洗濯ネット14を携帯する際にも、利便性が向上する。
【0041】
以上説明した洗濯ネット10,11,12,13,14によれば、マスクMSの洗濯に好適であって、マスクMSを収容して携帯することもできる。
【0042】
本発明は前述した実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、前述した実施形態では、閉塞部材としてスライドファスナ4を採用したが、両面ファスナやボタン、フック等を採用することができる。また、本体2は、内側生地と外側生地とを密着させてなる二重構造に限らず、一重構造のものであってもよい。さらに、洗濯ネット10を幅方向に連結し、折り畳んで携帯する態様としてもよい。
【0043】
また、前述した実施形態では、仕切片3は、上端31から本体2の内側における底にかけて設けられる態様を採用したが、マスクMSを被せて安定させることができれば、仕切片3は、上端31から、本体2の内側における底から所定寸法高い位置まで設け、底側部分には設けない態様としてもよい。
【0044】
さらに、前述した実施形態では、略矩形状の一対の側面部21,21を有する本体2を例に挙げているが、本体2は、扁平袋状のものであれば、形状は限定されるものではない。例えば、一対の側面部21,21を、キャラクター、キャラクターの服や持ち物、あるいは動物等の形状としてもよい。また、側面部21に対して、動物の耳や魚の尻尾等を模した突起を取り付けてもよい。これらの態様を採用すれば、ポーチ等として携帯する際の商品価値をより一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0045】
10,11,12,13,14 洗濯ネット
2 本体
21 側面部
211 上端
3 仕切片
31 上端
4 スライドファスナ(閉塞部材)
5 フック
OP 開口部
MS マスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11