(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061441
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】体重を駆動補助力とするペダリング機構
(51)【国際特許分類】
B62M 1/18 20060101AFI20220411BHJP
B62J 1/06 20060101ALI20220411BHJP
B62J 1/08 20060101ALI20220411BHJP
B62K 17/00 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
B62M1/18
B62J1/06
B62J1/08 C
B62K17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020176987
(22)【出願日】2020-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】520412062
【氏名又は名称】兒玉 敏之
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 敏之
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BB15
3D212BB24
3D212BB42
3D212BB53
3D212BB62
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ペダリングに於いて、ペダルの位置が上死点・下死点の付近の領域で、踏力の伝達効率が低下することを補正する自転車の提供。
【解決手段】走行負荷が大きい条件下に於いてはチェーン4には強い張力がかかっており、チェーンが引かれる以上にクランクスプロケット3が回転する。この余分に回転した分は、クランクスプロケット3が、吊り下げられたチェーン4を登る動作となり、クランクスプロケット3と、BBシェル部18、シートパイプ部6、シートポスト8、サドル9を上昇させる。上昇したクランクスプロケット3には乗員の体重がかかっているのでこの時点でペダル1の位置が上死点・下死点の領域に至っても、チェーン4を引き下げる力が継続し、推進力が与えられる事で、上死点・下死点の付近の領域での駆動力の低下が補正される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
BBシェル部から立管部と、連結するシートポスト、サドルを含む部分までが、主たるフレームとは分離されており、リニアベアリング、又はヒンジ等で係合されており、主たるフレームに対して一定の範囲で、上下方向に摺動、または揺動する構造。
【請求項2】
クランクスプロケットの上方に主たるフレームに固定軸を持つプーリーが備わっており、後輪側のスプロケットからのチェーンは、このプーリから吊り下げられてクランクスプロケットに至り、テンションプーリーを介して後輪側スプロケットに戻る構造。
【請求項3】
サドルからBBシェル部分は、サドル~シートポスト~シートパイプ~BBシェル部までが、固定され乗員の体重の全てがBBシェル部にかかる構造。
【請求項4】
BBシェル部分は、主たるフレーム部分とヒンジで連結され、上下に揺動する構造で、シートパイプとは双方にヒンジを持つアームで連結され、サドル~シートポスト~シートパイプを通じて加わる乗員の体重、および上下運動の距離が連結アームのヒンジ位置によって調整できる構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車のペダリングの際に、上死点・下死点と呼ばれる領域に於いて、踏力の伝達効率が落ちることを補正することに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
自転車等のペダリングで問題となる上死点、下死点で駆動力が低下する事を改善する方法として、過去に提案された方法の多くは、その効力が比較的低い。 また、操作する乗員の体重などの体格の差によっては、その効力が十分に発揮できない。
【課題を解決するための手段】
【0003】
ペダリングの効力を上げるには、ペダリングのサイクルの中で、力が多く出ている部分で、その力の一部を蓄えておき、上死点・下死点の付近では蓄えた力を放出させることにより、力が平滑化されることで実現される。
また、体格の差によるペダリング効率の差を軽減するためには、操作する乗員の体重をエネルギーとして利用することで、体格の差に影響を受けにくいエネルギーの蓄積、放出が可能となる。
その為の車体構造として、サドル部分を含むシートパイプ、BBシェル部を、主たるフレームから分離し、主たるフレームに対し上下の運動が可能となる構造とし、クランクスプロケットの上方にフレーム側に固定軸を持つプーリーを設け、このプーリーから下るチェーンをクランクスプロケットに架ける構造とする。
この構造により、チェーンが引かれるのに必要な踏力以上の踏力でペダルを踏み込んだ場合、その余力でスプロケットと、それに連結している搭乗者の体重がかかる部分が上昇し、ペダルが下死点・上死点の付近に至った際には体重がかかったスプロケットがチェーンを引き下げているので、ここで蓄えた力を放出する事となり、駆動力の低下を補正することが可能となる。
【発明の効果】
【0004】
この機構は、乗員の体重がかかった部分をペダリングの際の余剰エネルギーで引き上げ、それが下がろうとする位置エネルギーを上死点・下死点の付近で放出させる方法である。
位置エネルギーは、体重が重い人程、多くのエネルギーの蓄積が可能である。
また自転車の走行時には、荷重が重い程、走行エネルギーを必要とするが、この機構の自転車では、乗員の体重が軽ければエネルギーの蓄積も少なく、乗員の体重が重ければエネルギーの蓄積が多くなるので、乗員の体重に応じた、効率の良いエネルギーの蓄積と放出が可能となる。
また、乗員が自らの体重を自らの脚力で一定の高さに引き上げるという行為であるので、一般的に自転車に乗れる者であるならば、体格、体重が違う者が使っても、特に差異無く操作させる事が可能であり、目的の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1に示すサドルにかかる乗員の体重が直接BBシェル部に伝わる、本発明の基本的な動作方式の自転車及び、
図2に示すBBシェル部がメインフレームとヒンジ部にて連結し揺動する構造とし、サドルからの乗員の体重をシートパイプ下側にヒンジで連結された連結アームにて、BBシェルアームに複数個設けられた荷重調整連結穴にてヒンジ構造で連結し、乗員体重および、上下運動の調整・選択を可能とした構造を持つ自転車。
【符号の説明】
【0007】
1 ペダル
2 クランク
3 クランクスプロケット
4 チェーン
5 上プーリー
6 シートパイプ
7 リニアベアリング(又は同等の機能を有する機構)
8 シートポスト
9 サドル
10 メインフレーム
11 リアスプロケット
12 テンションプーリー
13 BBシェルアーム
14 BBシェルのフレーム側ヒンジ部
15 連結アーム
16 荷重調整選択のヒンジ連結穴
17 連結アーム上ヒンジ部
18 BBシェル部