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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061473
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】内燃エンジンのバルブ用ガスケット
(51)【国際特許分類】
   F01L 3/08 20060101AFI20220411BHJP
   F16J 15/3232 20160101ALI20220411BHJP
【FI】
F01L3/08 B
F01L3/08 C
F16J15/3232 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021147747
(22)【出願日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】102020000021592
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】521401391
【氏名又は名称】フロイデンベルグ シーリング テクノロジーズ エス.アー.エス. ディ エクスターナ イタリア エス.アール.エル.ウー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ ボイ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ イッソグリオ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ フェルビール
【テーマコード(参考)】
3J006
【Fターム(参考)】
3J006AB02
3J006AB13
3J006BA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シール部材のオイルリーク率の制御能力を向上する。
【解決手段】ガスケット1は中心軸線Aを有し、バルブステムと接触により協働するように適合された第1の部分21と、前記ステムのスライド式のガイド要素と接触により協働するように構成された第2の部分22とを有する半径方向内表面18を有する、弾性変形可能な環状の封止要素12と、環状の支持部材13とを備え、環状の支持部材13は、封止要素12の少なくとも一部に同軸配置され、封止要素12が支持部材13とバルブとの間で半径方向に押圧されるようになっており、第2の部分22は、周方向表面セクションと、複数の離散的なバンプ22bを有し、バンプ22bは、周方向表面セクションから片持ち梁状に突出することで、軸線Aの周りに互いに角度的に間隔を置いて配置され半径方向内表面の不連続な起伏22cを形成しているガイド要素と、使用時の接触により協働する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジン(3)のバルブ(2)用のガスケット(1)であって、前記バルブ(2)は、貫通シート(6)を規定するガイド要素(7)と、前記シート(6)内でスライド式に移動可能なステム(8)とを備え、前記ガスケット(1)は、中心軸線(A)を有し、さらに、
‐前記軸線(A)に対して環状の形状を有し、前記バルブ(2)の外部に配置されて前記ガイド要素(7)および前記ステム(8)両方と協働するように適合された、弾性変形可能な封止要素(12)と、
‐前記軸線(A)に対して環状の形状を有し、前記封止要素(12)の少なくとも一部に同軸配置された支持部材(13)を備え、その結果、前記封止要素(12)は、前記支持部材(13)と前記バルブ(2)との間で半径方向に押圧されるようになっており、
前記封止要素(12)は、前記支持部材(13)と少なくとも部分的に接触により協働する半径方向外表面(19)と、半径方向内表面(18)とによって区切られており、前記半径方向内表面(18)は、使用時に前記ステム(8)と接触により協働して前記ステム(8)自体と動的タイプシール(14)を形成するように構成された第1の部分(21)と、使用時に前記支持部材(13)によって前記ガイド要素(7)に対して半径方向に押し付けられ、前記ガイド要素(7)自体と静的タイプのシール(15)を形成するように構成された第2の部分(22)を有し、
前記第2の部分(22)が、周方向表面セクション(22a)と、前記周方向表面セクション(22a)から片持ち梁状に突出し、使用時に前記ガイド要素(7)と接触により協働する複数のバンプ(22b)とを有しており、
前記バンプ(22b)は、前記軸線(A)の周りに互いに角度的に間隔を置いて配置された離散的なバンプであり、前記軸線(A)自体に沿った所定の軸方向位置で互いに環状に整列し、前記径方向内側表面(18)の不連続な起伏(22c)を形成することを特徴とする、ガスケット。
【請求項2】
前記周方向表面セクション(22a)は、略円筒形状を有している請求項1に記載のガスケット。
【請求項3】
前記バンプ(22b)は、互いに角度的に等間隔で配置されている、請求項1または2に記載のガスケット。
【請求項4】
各バンプ(22b)は、前記軸線(A)を通る平面での断面において、前記バンプ(22b)自体のそれぞれのクレスト(22d)を規定する丸みを帯びた頂点を有するV字型の構成を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載のガスケット。
【請求項5】
各前記バンプ(22b)の前記クレスト(22d)は、前記軸線(A)を基準にして、前記周方向表面セクション(22a)の直径よりも小さい直径を有する、請求項4に記載のガスケット。
【請求項6】
各前記バンプ(22b)は、前記クレスト(22d)に対して軸方向に対向する側に配置され、前記クレスト(22d)自体に向かって収束している2つの側面(22e、22f)を有する、請求項4または5に記載のガスケット。
【請求項7】
各前記バンプ(22b)は、隣接する前記バンプ(22b)から空隙(22g)によって角度的に分離されている請求項1から6のいずれか1項に記載のガスケット。
【請求項8】
各前記バンプ(22b)が、隣接する前記空隙(22g)の角度拡張範囲よりも大きい、前記軸線(A)に対する角度拡張範囲を有する、請求項7に記載のガスケット。
【請求項9】
前記第2の部分(22)が、前記バンプ(22b)の軸方向に対向する側に配置され、バンプ(22b)自体によって軸方向に間隔を空けられた第1および第2の環状突起(24、25)を備えている、請求項1から8のいずれか1項に記載のガスケット。
【請求項10】
前記バンプ(22b)が、使用時に前記ガイド要素(7)の環状溝(23)に係合するように構成されている、請求項1から9のいずれか1項に記載のガスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2020年9月11日に出願されたイタリア特許出願第102020000021592号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、内燃エンジンのバルブ用のガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0003】
1つ以上のシリンダを有するシリンダヘッドを含み、シリンダ内部で作業サイクルが実行され、シリンダが、エンジン自体のそれぞれの燃焼室と連通するように配置されている、車両用の内燃エンジンが知られている。さらに、前述のシリンダヘッドには、未燃焼燃料と空気の混合物を前記燃焼室に導入するように適合されたダクト(「吸気ダクト」)や、燃焼したガスを前記燃焼室から排出するように適合されたダクト(「排気ダクト」)と燃焼室を連通させるための適切なシートが形成されている。
【0004】
各燃焼室からの流れと各燃焼室への流れは、前述のシートに作用する適切なバルブによって制御される。特に、各バルブは、エンジンのシリンダヘッドの空洞内に固定され、貫通シートを規定するガイド要素と、前記シート内で反対方向にスライド式に移動可能であり、一端に、相対する吸気または排気ダクトと対応する燃焼室との間の接続を閉じるためのカットオフ部を有するステムとを本質的に含む。
【0005】
バルブのステムの反対側の端部は、相対的なガイド要素から軸方向に突出しており、相対的な制御装置、例えばカムシャフトからの作動力を受けるようになっている。
【0006】
バルブのステムは、吸気ダクトまたは排気ダクトと、対応する燃焼室との間の接続部の閉鎖方向に、円筒形のらせん状のスプリングによって軸方向に負荷がかかっている。
【0007】
特に、スプリングはバルブの周りに同軸に取り付けられており、エンジンのシリンダヘッドに形成された固定面と、制御装置と協働するステム自体の近傍または端部でバルブのステムに固定されたプレートとの間に軸方向に間置されている。
【0008】
上述したタイプのバルブには、通常、エンジン内を循環する潤滑油用のシールガスケットが取り付けられている。このようなガスケットは、例えば特許文献1に開示されている最も一般的に知られている実施形態の1つでは、実質的に管状の形状を有し、金属材料で一体的に作られた支持部材または補強部材と、例えばゴムなどのエラストマー材料で作られ、支持部材とバルブとの間に間置された環状の封止要素とを備えている。
【0009】
特に、封止要素は、バルブのステムと直接協働するように適合された第1の部分と、環状の半径方向内表面によって、前述の制御装置の使用時に面するガイド要素の部分の環状の半径方向外表面と協働するように適合された第2の部分とを含む。
【0010】
上述のタイプのガスケットは、分配ゾーンから燃焼室に流れる潤滑油の量を制御するために、すべての内燃エンジンで広く使用されている。潤滑油が過剰に流れると、潤滑油自体の消費量が多くなるだけでなく、エンジン効率の低下や車両の触媒コンバータの性能低下を引き起こす。一方、潤滑油の流量が不足すると、バルブの摩耗や騒音が増加し、それに付随して局所的な温度ピークが存在することになる。これらの現象は、バルブの早期損傷の原因となり得、その結果、バルブのステムがガイド要素内で固定されてしまう。
【0011】
既知のガスケットは、封止要素の第1部分が相対するバルブのステムと協働することで動的シールを可能にし、封止要素の第2の部分が相対するバルブのガイド要素に作用することで静的シールを可能にする。特に、静的シールは、燃焼室への潤滑油の漏れを防ぎ、同時にガスケットを所定の位置に保つために、ガイド要素にある程度の半径方向の圧縮を保証しなければならず、一方、動的シールは、ステムとガイド要素の間の結合部を潤滑するために必要な最小限のオイルフローを許容するように設計されている。
【0012】
動的タイプシールは、バルブのステムと直接協働する封止要素の最小径部に、円周方向の接触線に沿って形成されている。
【0013】
その代わりに、特許文献1から知られている解決策では、静的タイプのシールは、封止要素の半径方向内表面に形成され、ガスケットの軸に沿って互いに連続して配置された、半径方向の高さが減少した複数の環状の起伏によって形成されている。
【0014】
本出願人は、上述した公知のタイプのガスケットを、相対するバルブのガイド要素上にガスケットの上方から外嵌し、その後、ガスケットとガイド要素を介してステムを挿入するようにして取り付けている間に、操作者による軸方向の推力の解放時に、ゴムの固有の特性により、封止要素が軸方向にわずかに上方に、すなわち、使用時に制御装置と協働するシステムの端部に向かって移動することが起こり得る(スプリングバックとして知られる現象)ことを確認したが、基本的には、ゴムは取り付け操作中に圧縮されて負荷がかかり、蓄積された弾性力をそれ自体の操作の終わりに解放する。
【0015】
このわずかな軸方向の動きにより、ガスケットが最適な位置で動作せず、その結果、シール性が損なわれ、機能が不安定になる(ガスケットが規定位置でバルブにしっかりと固定されていない)ことがある。
【0016】
特許文献2は、バルブのステムと直接協働するように適合された第1の部分と、それ自身の環状の半径方向内表面によって、ガイド要素の環状の半径方向外表面と協働するように適合された第2の部分とを含む、上述のタイプのバルブステムシール部材を開示している。
【0017】
第2の部分に向かって進むことで、シール部材の第1の部分は、
‐第1の軸方向の高さに、使用時にバルブステムと干渉する環状のシール突起部と、
‐第2の軸方向の高さに、第1の軸方向の高さから間隔を空け、角度的に等間隔に配置された複数のバンプと、
‐第2の軸方向の高さから離れた第3の軸方向の高さに、バルブステムとの使用時の干渉を引き起こす方向に向かって傾斜した環状のエッジ部分と、
を含む。
【0018】
バンプによって規定される最小直径は、環状シール突起および環状エッジ部分の最小直径よりも大きいため、バンプは、バルブステム上へのシール部材の動的なシールに寄与しないようになっている。
【0019】
バンプの主な機能は、
‐封止部材の剛性を向上させることと、
‐バルブガイドの同心円誤差、バルブガイドのクリアランス、およびポート圧の変動に対するシール部材のオイルリーク率の制御能力を向上させることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1890058号明細書
【特許文献2】韓国登録特許第101314688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、簡単かつ費用対効果の高い方法で、上記特定の欠点を克服できる、内燃エンジンのバルブ用ガスケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前述の目的は、請求項1およびそれに従属する請求項で定義される、内燃エンジンのバルブ用ガスケットに関する本発明によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明をより良く理解するために、非限定的な例として、添付の図面を参照して、好ましい実施形態を以下に説明する。
図1】本発明に従って製造され、内燃エンジンのバルブに取り付けられたガスケットの軸方向断面図である。
図2図1のガスケットの軸方向断面拡大図である。
図3図2のIII‐III線に沿った断面図である。
図4図2のIV‐IV線に沿った断面図である。
図5図1のガスケットと、それが取り付けられているバルブの一部の軸方向断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1から5において、符号1は、それ自体既知である内燃エンジン3のバルブ2のための本発明におけるガスケットを指し、図1には、本発明の理解に必要なもののみ図示されている。
【0025】
より具体的には、図1において、エンジン3は、シリンダヘッド5の部分4に限定して図示されており、このシリンダヘッド5の部分4は、既知の方法で燃焼室(図1には図示されていないが、図示のシリンダヘッド5の部分4の下に配置されている)を規定しており、この燃焼室内では、燃料に含まれる化学的エネルギーを圧力エネルギーに変換するために、燃料が、燃焼を持続させる空気の存在下で酸化されるようになっている。
【0026】
燃焼室は、既知の方法で、それ自体の開口部から燃料と空気の混合物を受け入れ、別の開口部から燃焼プロセスの終わりに燃焼したガスと空気を排出する。
【0027】
燃焼室からの流れと燃焼室への流れは、燃焼室の前述の開口部に作用する前述のタイプのそれぞれのバルブ2によって制御される。
【0028】
以下の説明では、簡単にするため、1つの単一のバルブ2について言及するが、エンジン3で使用されるこのタイプの各バルブには、説明された同じ特性が存在することが理解される。
【0029】
図1を参照すると、バルブ2は、シリンダヘッド5の部分4に形成された軸線Aの貫通シート6に収容されており、通常は潤滑油を含んでいる。
【0030】
バルブ2は、シート6の内側に締まりばめされた管状のガイド要素7と、ガイド要素7の内側で軸線Aに沿って反対方向に沿ってスライド式に移動可能なステム8とを備えている。
【0031】
より具体的には(図1および図5)、ステム8は、ガイド要素7の反対側から軸方向に突出しており、それ自体の軸方向の反対側端部には、燃焼室の相対的な開口部に流体密封的に係合するように設計されたカットオフ要素9と、それ自体既知であり、図1には破線で部分的にのみ図示されている、制御機構M(例えば、カウシャフト)からの作動力を受けるように適合された作動要素またはプレート10とがそれぞれ設けられている。
【0032】
プレート10を備えたステム8の端部が突出しているガイド要素7の軸方向端部には、本発明による相対的なガスケット1が外嵌されており、ガイド要素7とステム8の両方を同軸的に取り囲んでいる。
【0033】
バルブ2はさらに、図1に示すように、この図示の例ではヘリカルタイプであるスプリング11(図1)を備えており、このスプリング11は、互いに対向する軸方向端部において、プレート10およびシリンダヘッド5の部分4の軸線Aの環状の固定面4aと協働する。
【0034】
スプリング11は、ステム8に弾性復元力を発生させるようになっており、プレート10において制御機構との接触を常に維持するようになっている。
【0035】
図1および図2を参照すると、ガスケット1は、取り付け状態で軸線Aと一致する軸線に対して環状の形状を有している。
【0036】
より具体的には、ガスケット1は、本質的に、環状の形状を有し、例えばゴムなどのエラストマー材料製の封止要素12と、軸線Aに対して半径方向に封止要素12をガイド要素7およびバルブ2のステム8に押し付けるように、封止要素12上に同軸上に配置された支持部材13とを備えている。基本的に、封止要素12は、支持部材13とバルブ2との間に同軸上に配置されている。
【0037】
封止要素12は、軸線Aに沿ってステム8のカットオフ要素9に向かって進み、ステム8とガイド要素7との間の結合部を潤滑するのに必要な最小限のオイルフローの通過を可能にするように適合された動的タイプシール14を最初に規定し、その後、燃焼室に向かうオイルフローを防止するための静的タイプシール15を規定する。
【0038】
より具体的には(図2)、封止要素12は、互いに対向する軸方向端部の2つの環状円盤状セクション16、17によって区切られ、また、部分的にステム8と協働し部分的にガイド要素7と協働してシール14、15を形成するよう適合された半径方向内表面18によって区切られ、また、支持部材13に結合し環状弾性カラー20にも結合して半径方向内表面18をステム8に押し付けるように適合された半径方向外表面19によって区切られている。
【0039】
セクション16は、取り付けられた状態では、プレート10に面し、ステム8によって横断され、セクション17は、取り付けられた状態では、燃焼室に面し、内部でステム8がスライドするガイド要素7と接触する。
【0040】
封止要素12の半径方向内表面18は、セクション16に隣接する位置に、最小直径のセクション21を有し、使用時に弾性カラー20によってステム8に対して半径方向に押し付けられて、動的タイプシール(シール14)の円周ラインを規定するように構成されており、このシールは、ステム8へのスライド式の結合により、最小のオイルフローの流出を可能にする。
【0041】
封止要素12の半径方向内表面18はさらに、セクション17に隣接する位置に、略円筒形の部分22を備えており、静的タイプのシール(シール15)の円筒形の領域を規定するように、ガイド要素7と接触により協働し、使用時に支持部材13によってガイド要素7に対して半径方向に押し付けられるように構成されている。
【0042】
有利には(図1図2図4および図5)、部分22は、この図示のケースでは略円筒形の周方向表面セクション22aと、使用時にガイド要素7と接触により協働するように周方向表面セクション22aから片持ち梁状に突出する、この図のケースでは4つである、2つ以上の離散的なバンプ22bを有し、バンプ22bは、軸線Aの周りに互いに等角度に間隔を置いて配置され、軸線Aに沿った所定の軸方向位置で互いに環状に整列し、半径方向内表面18の不連続な起伏22cを形成する。
【0043】
特に、バンプ22bは、ガイド要素7の環状溝23と使用時に係合するように構成されている(図1および図4)。
【0044】
図2および図4に詳細に示されているように、各バンプ22bは、隣接するバンプ22bから空隙22gによって角度的に分離されている。好ましくは、各バンプ22bは、それぞれの空隙22gの角度拡張範囲よりも大きい、軸線Aに対する角度拡張範囲を有する。
【0045】
図1図2図4および図5に詳細に示されているように、各バンプ22bは、軸線Aを通る平面での断面において、バンプ22bのそれぞれのクレスト22dを規定する丸みを帯びた頂点を有するV字型の構成を有している。
【0046】
より具体的には、各バンプ22bのクレスト22dは、軸線Aを基準にして、周面部22aの直径よりも小さい直径を有している。
【0047】
さらに、各バンプ22bは、クレスト22dに対して軸方向に対向して配置され、クレスト22dに向かって互いに収束する2つの側面22e、22fを有する(図2図4図5)。
【0048】
図2図4および図5に示されるように、部分22はさらに、バンプ22bの軸方向に対向して配置され、それ自体がバンプ22bによって軸方向に間隔を空けられた第1および第2の環状突起24、25を備えている。
【0049】
封止要素12の半径方向内表面18はさらに、セクション21と部分22との間に配置されて、使用時にバルブ2のステム8と協働してガスシールリップ27を片持ち梁状に担持するさらなる部分26を備えている。
【0050】
リップ27は、使用時にセクション21に向けられるガスによって発生する圧力とは反対の方向に減少する断面を有する、軸線Aの実質的に円錐台状の形状を有し、この図示のケースでは、リップ27は部分22に向かって減少する断面を有している。
【0051】
図1図2および図5に示されるように、リップ27は、より大きな断面を有する自身の側で、封止要素12の半径方向内表面18の部分26に接続されている。このような接続は、リップ27と封止要素12の半径方向内表面18との間に一種の仮想ヒンジを規定する。
【0052】
封止要素12の半径方向外表面19は、セクション21と半径方向内面18の部分26との間の軸方向に間置された位置に、以下でその機能を明らかにする凹部28を規定しており、凹部28は、半径方向外表面19を、セクション16に向かって延在する弾性カラー20を収容する部分29と、セクション17に向かって延在し凹部28とともに支持部材13に結合するように適合された長尺部分30とに分割する。
【0053】
常に図1図2および図5を参照すると、支持部材13は、好ましくは金属材料製であり、軸線Aに対して長尺の略円筒形のブシュで構成されている。特に、支持部材13は、封止要素12の半径方向外側表面19の長尺部分30と協働し、本質的に以下を含む。
‐軸線Aに対して半径方向に延在し、使用時に封止要素12の凹部28に部分的に埋め込まれる、第1の環状円盤状端部33と、
‐軸線Aに向かってわずかに湾曲し、封止要素12をそのセクション17で軸方向に保持する第2の反対側端部34と、
‐端部33の半径方向外端から端部34に向かって片持ち梁状に延在する第1の円筒部35と、
‐端部34から延在し、円筒部35の外径および内径よりも小さい外径と内径を有し、円錐台状の形状を有する接続セクション37によって円筒部35に接続されている第2の円筒部36。
【0054】
基本的に、支持部材13は、自身の端部34から進み、その後、反対側の端部33で封止要素12の凹部28の内側で半径方向に湾曲するように、軸線Aに対して増加する半径方向バルクを有する。
【0055】
本発明に従って製造されたガスケット1の特性を検討すると、それによって得られる利点が明らかになる。
【0056】
特に、ガスケット1をバルブ2のガイド要素7に上から順に取り付けるステップでは、バンプ22bがガイド要素7の溝23に係合し、バンプ22bの間に空隙22gが存在するため、封止要素12を構成するエラストマー材料は、取り付け中に弛緩することができ、ガスケット1の軸方向のスラストステップが完了すると、スプリングバック現象が緩和または制限されて、バルブ2のガイド要素7にガスケット1が固定される。
【0057】
このようにして、ガスケット1をバルブ2のガイド要素7上の意図した位置に配置することが可能となり、保持力の向上と機能の安定性の向上がもたらされる。
【0058】
最後に、特許請求の範囲によって定義された保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載および図示されたガスケット1に修正および変形が可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0059】
1 ガスケット
2 バルブ
3 内燃エンジン
6 シート
7 ガイド要素
8 ステム
9 カットオフ要素
10 プレート
11 スプリング
12 封止要素
13 支持部材
14、15 シール
16、17 円盤状セクション
18 半径方向内表面
19 半径方向外表面
20 環状弾性カラー
21 第1の部分
22 第2の部分
22a 周方向表面セクション
22b バンプ
22c 起伏
22d クレスト
22g 空隙
22e、22f 側面
23 環状溝
24、25 第2の環状突起
26、29 部分
27 ガスシールリップ
28 凹部
30 長尺部分
33 第1の環状円盤状端部
34 第2の反対側端部
35 第1の円筒部
36 第2の円筒部
37 接続セクション
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】