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特開2022-61479ターボ機械燃焼器用の燃料噴射アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061479
(43)【公開日】2022-04-18
(54)【発明の名称】ターボ機械燃焼器用の燃料噴射アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20220411BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20220411BHJP
   F23R 3/34 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
F23R3/28 B
F02C7/232 B
F23R3/28 D
F23R3/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021152880
(22)【出願日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】17/032,405
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア・マリッサ・シングレー
(72)【発明者】
【氏名】クリフォード・ロバート・ウェイド
(72)【発明者】
【氏名】ペンテコステ・ロニー・レイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガスタービンの燃焼器に関連する軸方向燃料ステージング(AFS)システムにおいて使用するための噴射器を提供する。
【解決手段】燃料噴射アセンブリ100は、互いに離間した端壁202と、端壁の間に延在する側壁204と、を有する燃料噴射器200を含む。端壁および側壁は、空気が通過するための第1の開口部210を集合的に画定する。少なくとも1つの燃料噴射部材212が第1の開口部内に配置され、端壁間で軸方向に延在する。燃料噴射器は、半径方向内面で終端する。ボス300は、燃焼ライナに固定して接続され、冷却流環状部を通って外側スリーブに配置されたフランジ部分306まで半径方向に延在する。ボスは、燃料噴射器と第2の燃焼ゾーンとの間の流体連通を提供する第2の開口部を画定する。燃料噴射器の半径方向内面は、第1の開口部が第2の開口部と整列するように、ボスのフランジ部分に密封接続される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器(17)であって、
エンドカバー(126)と、
前記エンドカバー(126)と燃焼ライナ(42)との間に延在する少なくとも1つの燃料ノズル(122)であって、前記燃焼ライナ(42)は、前記少なくとも1つの燃料ノズル(122)と後部フレーム(118)との間に延在する、少なくとも1つの燃料ノズル(122)と、
前記燃焼ライナ(42)から離れて前記燃焼ライナ(42)の周囲にあって、冷却流環状部(132)がそれら間に画定されるように配置された外側スリーブ(44)であって、前記燃焼ライナ(42)が、前記少なくとも1つの燃料ノズル(122)の下流にある第1の燃焼ゾーン(50)と、前記第1の燃焼ゾーン(50)の下流にある第2の燃焼ゾーン(60)と、を有する燃焼室を画定する、外側スリーブ(44)と、
前記少なくとも1つの燃料ノズル(122)の下流に配置された燃料噴射アセンブリ(100)と、を含み、前記燃料噴射アセンブリ(100)は、
互いに離間した端壁(202)と、前記端壁(202)の間に延在する側壁(204)と、を有する燃料噴射器(200)であって、前記端壁(202)および前記側壁(204)が空気の通過のための第1の開口部(210)を集合的に画定し、少なくとも1つの燃料噴射部材(212)が、前記第1の開口部(210)内に配置され、かつ前記端壁(202)の間で軸方向に延在し、前記燃料噴射器(200)は半径方向内面(232)で終端する、燃料噴射器(200)と、
前記燃焼ライナ(42)に固定的に接続され、前記冷却流環状部(132)を通って、前記外側スリーブ(44)に配置されたフランジ部分(306)まで半径方向に延在するボス(300)であって、前記燃料噴射器(200)と前記第2の燃焼ゾーン(60)との間の流体連通を提供する第2の開口部(310)を画定し、前記燃料噴射器(200)の前記半径方向内面(232)は、前記第1の開口部(210)が前記第2の開口部(310)と整列するように、前記ボス(300)の前記フランジ部分(306)に密封接続される、ボス(300)と、を含む燃焼器(17)。
【請求項2】
前記燃料噴射器(200)は第1の材料を含み、前記ボス(300)は第2の材料を含み、前記第2の材料は前記第1の材料とは異なる、請求項1に記載の燃焼器(17)。
【請求項3】
前記側壁(204)は、第1の側壁燃料噴射部材(222)および第2の側壁燃料噴射部材(224)を含み、前記少なくとも1つの燃料噴射部材(212)は、第1の燃料噴射部材(226)および第2の燃料噴射部材(228)を含む、請求項1に記載の燃焼器(17)。
【請求項4】
前記端壁(202)および前記側壁(204)は、幾何学的スタジアムのような形状の断面積を集合的に画定し、前記断面積は半径方向内側の方向に収束する、請求項1に記載の燃焼器(17)。
【請求項5】
前記第2の開口部(310)は、幾何学的スタジアムのような形状の断面積を有する、請求項1に記載の燃焼器(17)。
【請求項6】
前記第2の開口部(310)は、前記フランジ部分(306)の半径方向外面(230)から第2の部分まで断面積が収束する第1の部分を含み、前記第2の部分は、前記第1の部分から前記第2の燃焼ゾーン(60)まで延在し、均一な断面積を有する、請求項5に記載の燃焼器(17)。
【請求項7】
前記ボス(300)の前記フランジ部分(306)は、平坦な半径方向外面(230)を含み、前記燃料噴射器(200)の前記半径方向内面(232)は、前記フランジ部分(306)の前記半径方向外面(230)と全体的に接触している、請求項1に記載の燃焼器(17)。
【請求項8】
前記燃料噴射器(200)の前記第1の開口部(210)を前記ボス(300)の前記第2の開口部(310)と位置合わせするために、位置合わせピン(150)が前記端壁(202)の各々と前記ボス(300)の前記フランジ部分(306)との間に延在する、請求項1に記載の燃焼器(17)。
【請求項9】
前記ボス(300)の前記フランジ部分(306)を前記外側スリーブ(44)に結合する支持プレート(400)をさらに含む、請求項1に記載の燃焼器(17)。
【請求項10】
前記支持プレート(400)または前記フランジ部分(306)の一方に結合された入口流れ調整器(500)をさらに含み、前記入口流れ調整器(500)は前記燃料噴射器(200)を取り囲む、請求項9に記載の燃焼器(17)。
【請求項11】
燃料噴射アセンブリ(100)であって、
互いに離間した端壁(202)と、前記端壁(202)の間に延在する側壁(204)と、を有する燃料噴射器(200)であって、前記端壁(202)および前記側壁(204)が空気の通過のための第1の開口部(210)を集合的に画定し、少なくとも1つの燃料噴射部材(212)が、前記第1の開口部(210)内に配置され、かつ前記端壁(202)の間で軸方向に延在し、前記燃料噴射器(200)は半径方向内面(232)で終端する、燃料噴射器(200)と、
燃料噴射器(200)と燃焼ゾーンとの間の流体連通を提供する第2の開口部(310)を画定するボス(300)であって、前記燃料噴射器(200)の前記半径方向内面(232)は、前記第1の開口部(210)が前記第2の開口部(310)と整列するように、前記ボス(300)のフランジ部分(306)に密封接続される、ボス(300)と、を含む、燃料噴射アセンブリ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、ガスタービンの燃焼器用の燃料噴射器に関し、より詳細には、このような燃焼器に関連する軸方向燃料ステージング(AFS)システムにおいて使用するための噴射器に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達の目的で様々な産業および用途で利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクションと、燃焼セクションと、タービンセクションと、排気セクションと、を含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る作動流体の圧力を徐々に上昇させ、この圧縮された作動流体を燃焼セクションに供給する。圧縮された作動流体および燃料(例えば、天然ガス)は、燃焼セクション内で混合され、燃焼チャンバ内で燃焼して高圧および高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼セクションからタービンセクションに流れ、そこで膨張して仕事を発生する。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、例えば、発電機に接続されたロータシャフトを回転させ、電気を発生することができる。次いで、燃焼ガスは、排気セクションを介してガスタービンから出る。
【0003】
いくつかの燃焼器では、燃焼ガスの発生は、軸方向に離れて位置する2つの段において生じる。そのような燃焼器は、本明細書では「軸方向燃料ステージング」(AFS)システムを含むものと呼ばれ、これは燃料および酸化剤を燃焼器のヘッドエンドの下流の1つまたは複数の燃料噴射器に送達する。AFSシステムを有する燃焼器では、燃焼器の上流端の一次燃料ノズルが、燃料および空気(または燃料/空気混合物)を軸方向に一次燃焼ゾーンへ噴射し、一次燃料ノズルの下流の場所に位置するAFS燃料噴射器が、燃料および空気(または第2の燃料/空気混合物)を交差流として一次燃焼ゾーンの下流の二次燃焼ゾーンへ噴射する。交差流は、一次燃焼ゾーンからの燃焼生成物の流れをおおむね横切る方向である。
【0004】
場合によっては、AFSシステム内の燃料噴射器は、燃料および空気の流れを二次燃焼ゾーンに送達するために、冷却流環状部を通って燃焼器の二次燃焼ゾーン内に延在する一体化された先端部を含む。しかしながら、一体化された先端部を有する燃料噴射器の使用には問題が存在する。例えば、噴射器の先端部は、燃焼器の動作中に、先端部内の高温ガスの取り込みおよび再循環から生じる酸化によって損傷することが多い。一体化された先端噴射器は、多くの場合、単一部品の構造として製造されるため、先端部の酸化損傷は、燃料噴射器全体を廃棄して交換しなければならない結果となる可能性があり、これは、燃料噴射器を製造するために使用される材料が比較的高価であるために費用がかかる可能性がある。
【0005】
したがって、経時的な酸化によって損傷を受けることなく、燃料および空気を二次燃焼ゾーンに送達することができる燃料噴射アセンブリが、当技術分野において望まれている。
【発明の概要】
【0006】
本開示による燃焼器およびターボ機械の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されている、または説明から明らかとなり得る、または本技術の実施を通して学ぶことができる。
【0007】
一実施形態によれば、燃焼器が提供される。燃焼器は、エンドカバーを含む。燃焼器は、エンドカバーと燃焼ライナとの間に延在する少なくとも1つの燃料ノズルをさらに含む。燃焼ライナは、少なくとも1つの燃料ノズルと後部フレームとの間に延在する。外側スリーブは、冷却流環状部が燃焼ライナの間に画定されるように、燃焼ライナから離間し、燃焼ライナを取り囲む。燃焼ライナは、少なくとも1つの燃料ノズルの下流の第1の燃焼ゾーンと、第1の燃焼ゾーンの下流の第2の燃焼ゾーンと、を有する燃焼室を画定する。燃焼器は、少なくとも1つの燃料ノズルの下流に配置された燃料噴射アセンブリをさらに含む。燃料噴射アセンブリは、互いに離間した端壁と、端壁の間に延在する側壁と、を有する燃料噴射器を含む。端壁および側壁は、空気の通過のための第1の開口部を集合的に画定する。少なくとも1つの燃料噴射部材が、第1の開口部内に配置され、端壁の間に軸方向に延在する。燃料噴射器は、半径方向内面で終端する。燃料噴射アセンブリは、燃焼ライナに固定的に接続され、冷却流環状部を通って外側スリーブに配置されたフランジ部分まで半径方向に延在するボスをさらに含む。ボスは、燃料噴射器と第2の燃焼ゾーンとの間の流体連通を提供する第2の開口部を画定する。燃料噴射器の半径方向内面は、第1の開口部が第2の開口部と整列するように、ボスのフランジ部分に密封接続される。
【0008】
別の実施形態によれば、ターボ機械が提供される。ターボ機械は、圧縮機セクションと、タービンセクションと、圧縮機セクションの下流かつタービンセクションの上流に配置された燃焼器と、を含む。燃焼器は、エンドカバーを含む。燃焼器は、エンドカバーと燃焼ライナとの間に延在する少なくとも1つの燃料ノズルをさらに含む。燃焼ライナは、少なくとも1つの燃料ノズルと後部フレームとの間に延在する。外側スリーブは、冷却流環状部が燃焼ライナの間に画定されるように、燃焼ライナから離間し、燃焼ライナを取り囲む。燃焼ライナは、少なくとも1つの燃料ノズルの下流の第1の燃焼ゾーンと、第1の燃焼ゾーンの下流の第2の燃焼ゾーンと、を有する燃焼室を画定する。燃焼器は、少なくとも1つの燃料ノズルの下流に配置された燃料噴射アセンブリをさらに含む。燃料噴射アセンブリは、互いに離間した端壁と、端壁の間に延在する側壁と、を有する燃料噴射器を含む。端壁および側壁は、空気の通過のための第1の開口部を集合的に画定する。少なくとも1つの燃料噴射部材が、第1の開口部内に配置され、端壁の間に軸方向に延在する。燃料噴射器は、半径方向内面で終端する。燃料噴射アセンブリは、燃焼ライナに固定的に接続され、冷却流環状部を通って外側スリーブに配置されたフランジ部分まで半径方向に延在するボスをさらに含む。ボスは、燃料噴射器と第2の燃焼ゾーンとの間の流体連通を提供する第2の開口部を画定する。燃料噴射器の半径方向内面は、第1の開口部が第2の開口部と整列するように、ボスのフランジ部分に密封接続される。
【0009】
さらに別の実施形態によれば、燃料噴射アセンブリが提供される。燃料噴射アセンブリは、互いに離間した端壁と、端壁の間に延在する側壁と、を有する燃料噴射器を含む。端壁および側壁は、空気の通過のための第1の開口部を集合的に画定する。少なくとも1つの燃料噴射部材が、第1の開口部内に配置され、端壁の間に軸方向に延在する。燃料噴射器は、半径方向内面で終端する。燃料噴射アセンブリは、燃料噴射器と燃焼ゾーンとの間の流体連通を提供する第2の開口部を画定するボスをさらに含む。燃料噴射器の半径方向内面は、第1の開口部が第2の開口部と整列するように、ボスのフランジ部分に密封接続される。
【0010】
本燃焼器およびターボ機械のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照すれば、よりよく理解されるはずである。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本技術の実施形態を例示し、明細書における説明と併せて本技術の原理を説明するのに役立つ。
【0011】
当業者に向けられた本システムおよび方法の作製および使用の最良の態様を含む、本燃焼器およびターボ機械の十分かつ実施可能な開示が、添付の図を参照する本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態によるターボ機械の概略図である。
図2】本開示の実施形態による燃焼器の断面側面図の概略図である。
図3】本開示の実施形態による、構成要素が互いに分解された燃料噴射アセンブリの斜視図である。
図4】本開示の実施形態による燃料噴射アセンブリの断面側面図である。
図5】本開示の実施形態による燃料噴射アセンブリの断面側面図である。
図6】本開示の実施形態による燃料噴射アセンブリの拡大断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本燃焼器およびターボ機械の実施形態を詳細に参照するが、その1つまたは複数の例が図面に示されている。各々の例は、本技術を説明するために提示され、本技術を限定するものではない。実際、特許請求される技術の範囲または趣旨を逸脱せずに、修正および変更が本技術において可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示または記載された特徴は、またさらなる実施形態をもたらすために、別の実施形態で使用することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にあるそのような修正および変更を包含することを意図している。
【0014】
詳細な説明は、図面の特徴を参照するために、数字および文字の符号を使用する。図面および説明における類似または同様の符号は、本発明の類似または同様の部分を指して使用されている。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の場所または重要性を示すことを意図するものではない。
【0015】
本明細書で使用する場合、「上流」(または「前方」)、および「下流」(または「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は、流体が流れてくる方向を指し、「下流」は、流体が流れていく方向を指す。「半径方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向の中心線に実質的に垂直な相対的な方向を指し、「軸方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向の中心線に実質的に平行および/または同軸に整列する相対的な方向を指し、「円周方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向の中心線の周囲に延在する相対的な方向を指す。「概して」、または「約」などの近似の用語は、記載された値のプラスマイナス10パーセントの範囲内の値を含む。角度または方向の文脈で使用されるとき、そのような用語は、記載された角度または方向のプラスマイナス10度の範囲を含む。例えば、「概して垂直」は、任意の方向、例えば、時計回りまたは反時計回りの垂直から10度の範囲内の方向を含む。
【0016】
ここで図面を参照すると、図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示しており、これは、図示の実施形態ではガスタービン10である。産業用または陸上用のガスタービンが本明細書に示されて説明されているが、本開示は、特許請求の範囲に特に明記されない限り、陸上用および/または産業用ガスタービンに限定されない。例えば、本明細書に記載の本発明は、限定はしないが、蒸気タービン、航空機用ガスタービン、または船舶用ガスタービンを含む任意のタイプのターボ機械に使用することが可能である。
【0017】
図示するように、ガスタービン10は、一般に、入口セクション12と、入口セクション12の下流に配置された圧縮機セクション14と、圧縮機セクション14の下流に配置された燃焼器セクション16内の複数の燃焼器17(図2)と、燃焼器セクション16の下流に配置されたタービンセクション18と、タービンセクション18の下流に配置された排気セクション20と、を含む。加えて、ガスタービン10は、圧縮機セクション14とタービンセクション18との間に結合した1つまたは複数のシャフト22を含むことができる。
【0018】
圧縮機セクション14は、一般に、複数のロータディスク24(そのうちの1つが図示されている)と、各々のロータディスク24に接続され、各々のロータディスク24から半径方向外側に延在する複数のロータブレード26と、を含むことができる。次いで、各々のロータディスク24を、圧縮機セクション14を通って延在するシャフト22の一部分に結合させることができ、あるいは各々のロータディスク24が、そのような一部分を形成することができる。
【0019】
タービンセクション18は、一般に、複数のロータディスク28(そのうちの1つが図示されている)と、各々のロータディスク28から半径方向外側に延在し、各々のロータディスク28に相互接続されている複数のロータブレード30と、を含むことができる。次いで、各々のロータディスク28は、タービンセクション18を通って延在するシャフト22の一部分に接続されてよく、あるいはそのような一部分を形成することができる。タービンセクション18は、シャフト22の一部およびロータブレード30を円周方向に囲む外側ケーシング31をさらに含み、それによってタービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に画定する。
【0020】
動作時に、空気15などの作動流体が入口セクション12を通って圧縮機セクション14に流入し、圧縮機セクション14において空気15が徐々に圧縮され、したがって加圧空気または圧縮空気19が燃焼器セクション16の燃焼器に供給される。加圧空気は、燃料と混合され、各々の燃焼器において燃やされて、燃焼ガス34を発生させる。燃焼ガス34は、高温ガス経路32を通って燃焼器セクション16からタービンセクション18に流入し、タービンセクション18においてエネルギー(運動エネルギーおよび/または熱エネルギー)が燃焼ガス34からロータブレード30に伝達されることにより、シャフト22の回転が生じる。次いで、この機械的回転エネルギーを、圧縮機セクション14の動作および/または発電に使用することができる。タービンセクション18から排出された燃焼ガス34は次に、排気セクション20を介してガスタービン10から排気され得る。
【0021】
図2は、ヘビーデューティ用ガスタービンの缶環状燃焼システムに含まれ得る燃焼器17の概略図である。缶環状燃焼システムにおいては、複数の燃焼器17(例えば、8個、10個、12個、14個、16個、またはそれ以上)が、圧縮機をタービンに接続するロータの周囲の環状のアレイにて配置される。タービンを、電力を生成するための発電機へ(例えば、ロータによって)動作可能に接続することができる。
【0022】
図2に示すように、燃焼器17は、軸方向Aおよび軸方向Aの周りに延在する円周方向Cを規定することができる。燃焼器17はまた、軸方向Aに垂直な半径方向Rを規定することができる。
【0023】
図2において、燃焼器17は、燃焼ガス34を封じ込めてタービンに運ぶ燃焼ライナ42を含む。燃焼ライナ42は、多くの従来からの燃焼システムと同様に、円筒状のライナ部分と、円筒状のライナ部分とは別のテーパ状のつなぎ部分と、を有することができる。あるいは、燃焼ライナ42は、円筒状の部分とテーパ状の部分とが互いに一体化された一体型本体(または、「ユニボディ」)の構成を有してもよい。したがって、本明細書における燃焼ライナ42の説明は、別個のライナおよびつなぎピースを有する従来からの燃焼システム、ならびにユニボディのライナを有する燃焼システムの両方を包含するように意図される。さらに、本開示は、つなぎピースおよびタービンの第1段ノズルが、「移行ノズル」または「一体化出口ピース」と呼ばれることもある、単一のユニットに一体化された燃焼システムにも同様に適用可能である。
【0024】
燃焼ライナ42は、外側スリーブ44によって囲まれており、外側スリーブ44は、燃焼ライナ42と外側スリーブ44との間に冷却流環状部132を画定するように、燃焼ライナ42から半径方向外側に離れて位置している。外側スリーブ44は、多くの従来からの燃焼システムと同様に、前端部に位置するフロースリーブ部分と、後端部に位置するインピンジメントスリーブ部分と、を含むことができる。あるいは、外側スリーブ44は、フロースリーブ部分とインピンジメントスリーブ部分とが軸方向において互いに一体化された一体型本体(または、「ユニスリーブ」)の構成を有してもよい。前述のように、本明細書における外側スリーブ44の説明は、別個のフロースリーブおよびインピンジメントスリーブを有する従来からの燃焼システム、ならびにユニスリーブの外側スリーブを有する燃焼システムの両方を包含するように意図される。
【0025】
燃焼器17のヘッドエンド部分120は、1つまたは複数の燃料ノズル122を含む。燃料ノズル122は、上流端(または、入口端)に燃料入口124を有する。燃料入口124は、燃焼器17の前端部にエンドカバー126を通して形成されてもよい。燃料ノズル122の下流端(または、出口端)は、燃焼器キャップ128を貫いて延在する。
【0026】
燃焼器17のヘッドエンド部分120は、前部ケーシング130によって少なくとも部分的に囲まれており、前部ケーシング130は、圧縮機吐出ケース140に物理的に結合し、流体に関して接続されている。圧縮機吐出ケース140は、圧縮機14(図1に示されている)の出口に流体的に連通し、燃焼器17の少なくとも一部分を囲む加圧空気プレナム142を画定する。圧縮空気19が、圧縮機吐出ケース140から、燃焼器17の後端部118の付近の外側スリーブ44の孔を通って、冷却流環状部132に流入する。冷却流環状部132はヘッドエンド部分120に流体結合しているため、圧縮空気19は、燃焼器17の後端部118の付近からヘッドエンド部分120へ上流に移動し、ヘッドエンド部分120において、圧縮空気19は、方向を反転させ、燃料ノズル122に進入する。
【0027】
燃料ノズル122は、一次燃料/空気混合物46としての燃料および空気を、燃料および空気を燃焼させる燃焼ライナ42の前端部の一次燃焼ゾーン50に導入する。一実施形態では、燃料および空気は、燃料ノズル122内で(例えば、予混合燃料ノズルにおいて)混合される。他の実施形態では、燃料および空気を一次燃焼ゾーン50に別々に導入し、一次燃焼ゾーン50において混合することができる(例えば、拡散ノズルで発生することができる)。本明細書における「第1の燃料/空気混合物」への言及は、いずれも燃料ノズル122によって生成することができる予混合の燃料/空気混合物および拡散式の燃料/空気混合物の両方を説明するものと解釈されるべきである。
【0028】
一次燃焼ゾーン50からの燃焼ガスは、燃焼器17の後端部118に向かって下流に移動する。1つまたは複数の燃料噴射器100が、二次燃料/空気混合物56としての燃料および空気を二次燃焼ゾーン60へ導入し、二次燃焼ゾーン60において、この燃料および空気が一次ゾーンの燃焼ガスによって点火され、複合の燃焼ガス生成物の流れ34を形成する。軸方向に分離された燃焼ゾーンを有するこのような燃焼システムは、「軸方向燃料ステージング」(AFS)システムと表現され、噴射器アセンブリ100は、本明細書において「AFS噴射器」と呼ぶことができる。
【0029】
図示する実施形態では、各々の噴射器アセンブリ100のための燃料は、燃料入口154を介して燃焼器17のヘッドエンドから供給される。各々の燃料入口154は、それぞれの噴射器アセンブリ100に結合した燃料供給ライン104に結合している。燃料をリングマニホールドから供給し、あるいは圧縮機吐出ケース140を通って延在する半径方向に向けられた燃料供給ラインから供給するなど、噴射器アセンブリ100に燃料をもたらす他の方法も使用できることを、理解すべきである。
【0030】
図2は、噴射器アセンブリ100を燃焼器17の長手方向中心線70に対して角度θ(シータ)に向けることができることをさらに示している。図示する実施形態では、噴射器100の前縁部分(すなわち、噴射器100のうちのヘッドエンドの最も近くに位置する部分)が、燃焼器17の中心線70から離れるように向けられている一方で、噴射器100の後縁部分が、燃焼器17の中心線70の方に向けられている。噴射器100の長手方向軸75と中心線70との間に規定される角度θは、0度~±45度の間、0度~±30度の間、0度~±20度の間、または0度~±10度の間、あるいはこれらの間の任意の中間値であってよい。
【0031】
図2は、燃焼器の中心線70に対して正の角度にある噴射器アセンブリ100の向きを示している。他の実施形態(別途の図示は省略)においては、前縁部分が中心線70に最も近く、後縁部分が中心線70から遠くなるように、噴射器100を中心線70に対して負の角度に向けることが望ましいかもしれない。一実施形態では、燃焼器17のすべての噴射器アセンブリ100が、非ゼロの角度に配置される場合に、同じ角度に向けられる(すなわち、すべてが同じ正の角度に向けられ、あるいはすべてが同じ負の角度に向けられる)。
【0032】
噴射器アセンブリ100は、第2の燃料/空気混合物56を燃焼ライナ42に中心線70および/または一次燃焼ゾーンからの燃焼生成物の流れを横切る方向に注入することによって、二次燃焼ゾーン60を形成する。一次および二次燃焼ゾーンからの複合燃焼ガス34は、燃焼器缶24の後端部118を通ってタービンセクション18(図1)へ下流に移動し、タービンセクション18において燃焼ガス34が膨張し、タービン28を駆動する。
【0033】
とりわけ、ガスタービン10の動作効率を高め、排出物を低減するために、噴射器100が燃料および圧縮されたガスを徹底的に混合して第2の燃料/空気混合物56を形成することが望ましい。したがって、以下で説明される噴射器の実施形態は、混合の改善を促進する。加えて、燃料噴射器100は、さらに後述されるように多数の燃料噴射ポートを含むがゆえに、広い範囲の熱放出値を有する燃料を導入する能力が高められ、ガスタービンの運転者にとってさらに高い燃料柔軟性がもたらされる。
【0034】
図3は、本開示の実施形態による例示的な燃料噴射アセンブリ100を示し、燃料噴射アセンブリ100の構成要素が互いに分解されている。図示するように、噴射器アセンブリ100は、燃料噴射器200を含むことができる。
【0035】
燃料噴射器200は、互いに間隔を空けて位置した端壁202と、端壁202間に延在する側壁204と、を含む。例示的な実施形態では、側壁は、軸方向Aに沿って端壁202の間で軸方向に延在する。燃料噴射器200の端壁202は、互いに対向して配置された前端壁206および後端壁208を含む。側壁204は、互いに間隔を空けて位置することができ、前端壁206と後端壁208との間に軸方向に延在することができる。多くの実施形態では、前端壁206および後端壁208の両方は、ほぼ弓形であり、半円形の断面形状を有し、端壁202および側壁204は、集合的に第1の開口部210を画定する。いくつかの実施形態では、図示するように、端壁202および側壁204が、第1の開口部210の周囲を輪郭付けて画定する幾何学的スタジアムの形状の領域、すなわち丸みを帯びた端部を有する長方形を、協働して画定することができる。他の実施形態(図示せず)では、端壁202は、端壁202および側壁204が集合的に長方形の形状の領域を規定するように真っ直ぐであり得る。
【0036】
多くの実施形態では、第1の開口部210は、加圧空気プレナム142からの圧縮空気19が通過し、燃料噴射器200によって導入された燃料と混合されるための経路を提供するように機能することができる。図3に示すように、燃料噴射器200は、第1の開口部210内に配置され、端壁202間に軸方向に延在することができる少なくとも1つの燃料噴射部材212をさらに含むことができる。燃料噴射部材212は、燃料噴射部材212を貫いて画定された複数の燃料ポート214を介して第1の開口部210へ燃料を供給するように機能する実質的な中空体であってよい。燃料噴射部材の各々は、前端壁206に配置された第1の端部216から後端壁208に配置された第2の端部218まで延在することができる。多くの実施形態では、燃料噴射部材212は、開口部210内で互いに離間していてもよく、前端壁206から後端壁208まで軸方向Aに真っ直ぐに、すなわち方向を突然変えることなく延在してもよい。図3に示す実施形態では、燃料噴射器は、2つの燃料噴射部材212を有するものとして示されている。しかしながら、燃料噴射器200は、第1の開口部210内に配置された任意の数(例えば、1つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上)の燃料噴射部材212を有することができ、本発明は、特許請求の範囲に具体的に記載されない限り、燃料噴射部材212のいかなる特定の数にも限定されない。
【0037】
図3に示すように、燃料噴射器200は、前端壁と一体に形成された導管継手220をさらに含む。導管継手220を、燃料供給ライン104から燃料の流れを受け取るべく機能するように、燃料供給ラインに流体結合することができる。これにより、導管継手220は、燃料を第1の開口部210内に噴出させて、圧縮空気19と混合させるために、燃料噴射部材212および/または側壁燃料噴射部材222、224(図4)の各々に分配することができる。導管継手332は、任意の適切なサイズおよび形状を有することができ、導管継手332が本明細書に記載のとおりに機能することを可能にする燃料噴射器200の任意の適切な部分と一体に形成されてよく、あるいはそのような部分に結合することができる。
【0038】
多くの実施形態では、燃料噴射器200の全体が単一の構成要素として一体的に形成されてよい。すなわち、燃料噴射器の下位構成要素、例えば端壁202、側壁204、燃料噴射部材、および任意の他の下位構成要素の各々を、単一体として一緒に製造することができる。例示的な実施形態では、これは、3D印刷などの積層造形法を利用することによって行うことができる。しかし、他の実施形態では、鋳造または他の適切な技法などの他の製造技法が使用されてもよい。この点に関して、積層造形法を利用して、燃料噴射器200を連続的な金属の単一片として形成することができ、したがって含まれる下位構成要素および/または接合部の数を、これまでの設計と比べて少なくすることができる。積層造形法による燃料噴射器200の一体的形成は、全体としての組み立てプロセスを好都合に改善することができる。例えば、一体的形成は、組み立てなければならない別個の部品の数を減らすことにより、関連の時間および全体としての組み立てコストを低減する。加えて、例えば、漏れ、別個の部品間の接合品質、および全体性能に関する既存の問題を有利に低減することができる。
【0039】
図3に示すように、燃料、噴射器アセンブリ100は、ボス300、支持プレート400、および入口流れ調整器500をさらに含むことができる。図4および図5に示すように、ボス300は、第1の端部302において燃焼ライナ42に固定に結合することができ、冷却流環状部132を半径方向に貫いて第2の端部304に配置されたフランジ部分306まで延在することができる。フランジ部分306は、実質的に平坦および/または平面である半径方向外面312を含むことができる。多くの実施形態では、ボス300は、第1の端部302とフランジ部分306との間に延在するジャケット部分308を含むことができる。
【0040】
ボス300は、第1の開口部と整列し、二次燃焼ゾーン60に導入される燃料および空気のための経路を作成する第2の開口部310を画定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2の開口部310および第1の開口部は、共通の中心軸350を共有することができる(図4および図5)。このように、ボス300は、二次燃焼ゾーン60と燃料噴射器200との間の流体連通を提供する。より具体的には、第2の開口部310は、ボス300のフランジ部分306およびジャケット部分308によって画定することができ、幾何学的なスタジアム、すなわち丸い端部を有する長方形として形作ることができる。多くの実施形態では、第2の開口部310のサイズは、燃焼器17上の燃料噴射アセンブリ100間で異なってもよい。例えば、第2の開口部310は、少なくとも部分的に、二次燃焼ゾーン60に導入される空気および燃料の流れを計量するように機能するため、いくつかの実施形態では、燃焼器17上の燃料噴射アセンブリ100のうちの各1つを通って導入される空気および燃料を他よりも多く/少なくすることが有利であり得る。これは、空気および燃料を二次燃焼ゾーン60に導入したい量に応じて、第2の開口部310のサイズを増減させることによって達成することができる。
【0041】
図4および図5に示すように、ジャケット部分308は、フランジ部分306から冷却流環状部132を通って燃焼ライナ42まで延在する。多くの実施形態では、ジャケット部分308は、冷却流環状部132(図4)を通る圧縮空気19の流れに対して妨げを生じる。しかしながら、図3に示すように、ジャケット部分308は、その長軸が圧縮空気19の流れの方向に平行である幾何学的スタジアムとして形作られている。これは、有利には、冷却流環状部132において、例えば、丸い形状を有するジャケット部分よりも小さい圧縮空気19の閉塞を生成する一方で、第2の開口部310を通って二次燃焼ゾーン60に導入されるのに十分な燃料および空気のための適切な領域を提供する。
【0042】
多くの実施形態では、図3図5にまとめて示すように、入口流れ調整器500は、燃料噴射器200を取り囲んでもよい。入口流れ調整器は、加圧空気プレナム142と燃料ノズル122との間の流体連通を可能にする、入口流れ調整器を貫通して画定された複数の孔502を含むことができる。例えば、入口流れ調整器500は、圧縮空気19が燃料噴射部材212によって導入された燃料と適切に混合されることを確実にするために、圧縮空気が燃料噴射器200の第1の開口部210に入る前に加圧空気プレナム142からの圧縮空気19の不均一性を低減するように機能することができる。
【0043】
例示的な実施形態では、少なくとも図3図5に示すように、燃料噴射器200は、支持プレート400または入口流れ調整器500に直接結合しない。むしろ、図示するように、支持プレート400は、燃料噴射器200および支持プレート400がそれぞれボス300に別々に結合され得るように、燃料噴射器200の周囲を囲む切欠き部分402を含む。さらに、入口流れ調整器500は、燃料噴射器200を取り囲むが燃料噴射器200に直接結合しないように、支持プレート400に直接結合することができる。
【0044】
図示するように、燃料噴射器200、ボス300、支持プレート400、および入口流れ調整器500はそれぞれ、様々な他の燃料噴射アセンブリ100の構成要素に固定して接続されるために、ピン、ボルトなどであるがこれらに限定されない機械的締結具250(図4および図5)を受け入れるようにそれぞれ寸法決めされた締結具孔201,301,401、501を含むことができる。多くの実施形態では、締結具孔201,301,401、501は、それぞれの機械的締結具250を受け入れるようにねじ切りされるか、または他の方法で形成されてもよい。例えば、整列した燃料噴射器200の締結具孔201は、機械的締結具250を介して結合されるボス300の締結具孔301と整列することができる。同様に、支持プレート400をボス300および入口流れ調整器500の両方に結合するために、支持プレート400の締結具孔401は、入口流れ調整器の締結具孔501およびボス300の締結具孔301の両方と整列してもよい。
【0045】
多くの実施形態では、ボス300および/または支持プレートの両方は、燃料噴射器200から完全に別個の構成要素であってもよく、燃料噴射器200から別個に製造されてもよい。上述したように、多くの実施形態では、燃料噴射器200は、比較的高価な印刷された金属材料を使用して積層造形される。したがって、支持プレート400およびボス300を燃料噴射器とは別個の構成要素とすることにより、材料コストの節約が可能になる。さらに、例えば一体的に形成される代わりに、支持プレート400およびボス300を燃料噴射器200から別々に製造することにより、燃料噴射器200をはるかに迅速に製造することができ、それにより製造コストを節約することができる。
【0046】
様々な実施形態では、図示するように、燃料噴射器200およびボス300は、完全に別個の構成要素であってもよく、これにより、有利には、別個のプロセスを使用して構成要素を製造することが可能になる。例えば、(燃料噴射器200と比較した場合に)比較的単純な形状のボス300により、鋳造または他の適切なプロセスなどのより費用効果の高いプロセスを使用して製造することができる。多くの実施形態では、燃料噴射器200は、第1の材料から形成されてもよく、ボス300は、第2の材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ボス300の第2の材料は、燃料噴射器200の第1の材料とは異なっていてもよい。例えば、第1の材料および第2の材料は、純金属、セラミック、ニッケル合金、クロム合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、およびニッケルまたはコバルト基超合金(例えば、Special Metals CorporationからInconel(商標)の名称で入手可能なもの)を含むがこれらに限定されない材料のリストから選択することができる。燃料噴射器200およびボス300のための別個の構成要素を利用することにより、有利には、単一の構成要素が損傷した場合に燃料噴射アセンブリ100全体を廃棄しなければならないリスクを低減することができ、その結果、コストが節約される。例えば、ボス300内の燃焼ガスの再循環によって引き起こされる損傷には、上述したように比較的安価な部品であるボス300のみを交換すればよい。
【0047】
例示的な実施形態では、燃料噴射器200とボス300とは別個の構成要素であり、圧縮機の冷却空気の節約を有利に可能にすることができる。例えば、多くの実施形態では、ボス300は、空気または他の流体が通過できないように、中実(または不透過性)構成要素である。例えば、ボス300は、内部に冷却孔、チャネル、および/またはキャビティが画定されないように中実にすることができる。これは、冷却空気を圧縮機から一体型燃料噴射器の一体化された先端部に導くために内部に画定された冷却チャネルを有する一体型燃料噴射器を含む従来の設計よりも有利であり得る。ボス300は中実であり、圧縮機セクションからの冷却空気の利用を低減する。これにより、タービンセクションで使用することができる作動流体の量を有利に増加させることができるため、ターボ機械の全体的な動作効率が改善される。
【0048】
図4および図5は、燃焼器17に結合された燃料噴射アセンブリ100の2つの異なる断面図を示す。図4に示すように、側壁204は、第1の側壁燃料噴射部材222および第2の側壁燃料噴射部材224を含むことができる。様々な実施形態では、図示するように、燃料噴射部材212は、第3の燃料噴射部材226および第4の燃料噴射部材228であってもよい。多くの実施形態では、第1の側壁燃料噴射部材222および第2の側壁燃料噴射部材224は、それらが半径方向内側に延びるにつれて、互いに向かって収束することができる。同様に、図5に示すように、前端壁206および後端壁208は、半径方向内側に延びるにつれて互いに向かって収束してもよい。このようにして、端壁202および側壁204によって画定される全体としての幾何学的スタジアムの面積は、燃料噴射器200の半径方向外面230から半径方向内面232まで徐々に減少する。
【0049】
図4に示すように、側壁燃料噴射部材222,224および燃料噴射部材226,228はそれぞれ、涙滴形状を画定する断面プロファイルを有することができる。図示するように、涙滴は、前縁234と、前縁234に対向する後縁236と、対向して配置された外面238と、を有することを特徴とする。両方の外面238は、前縁234と後縁236との間に延在してもよい。様々な実施形態では、燃料噴射部材226、228の外側断面プロファイルは、前端壁206から後端壁208までの軸方向Aの延在において形状または向きの突然の変化が存在しないように、軸方向Aに均一であってよい。多くの実施形態では、各燃料噴射部材222、224、226、228の外面は、複数の燃料噴射ポート214を画定する。少なくとも1つの実施形態では、燃料噴射ポートを一列に配置することができる。多くの実施形態では、燃料噴射器200内に6つの噴射面があってもよい。例えば、燃料ポート214の単一の列は、燃料噴射面のうちの2つを提供する側壁燃料噴射部材222、224の両方に画定され得る。さらに4つの燃料噴射面が、燃料噴射部材226、228上に配置され得る。例えば、燃料噴射部材226、228の各々が、燃料噴射部材226、228の両側に配置された単一列の燃料ポート214を有することができ、これにより、4つの燃料噴射面がもたらされる。
【0050】
燃料噴射部材222,224,226,228の各々は、燃料噴射部材222,224,226,228が燃料プレナム242内で流れ燃料を受け取り、燃料噴射ポート214を介して第1の開口部210内で燃料を噴射するように、流体導管104と流体連通して内部に画定された燃料プレナム242を含むことができる。側壁燃料噴射部材222,224および燃料噴射部材226,228は、図4では涙滴形状の断面を有するものとして示されているが、側壁燃料噴射部材222,224および燃料噴射部材226,228はそれぞれ、円形、三角形、菱形、長方形、または任意の他の適切な断面形状のいずれかを画定する断面プロファイルを有することができる。
【0051】
図4に示すように、燃料噴射器200は、端壁202および側壁204によって集合的に画定された半径方向外面230および半径方向内面232を含むことができる。半径方向内面232は、燃料噴射部材226,228から半径方向内側に配置された実質的に平坦および/または平面であってもよい。多くの実施形態では、燃料噴射器200は、半径方向内面232で終端することができる。様々な実施形態では、燃料噴射器200の半径方向内面232は、フランジ部分306の半径方向外面312と完全に接触し、それに密封結合されてもよく、その結果、空気および/または燃料は、ガスタービン10の動作中に燃料噴射器200とボス300との接合部から逃げることができない。例えば、本明細書で説明するように、燃料噴射器200の半径方向内面232およびボスの半径方向外面312の両方は、いずれも、1つまたは複数の機械的締結具250を形成する圧力によって互いに密封結合された実質的に平坦および/または平面であってもよい。
【0052】
多くの実施形態では、ボス300の第2の開口部310は、フランジ部分の半径方向外面312から開口部310の第2の部分316まで断面積で収束する第1の部分314を含んでもよい。第2の部分316は、第1の部分314から二次燃焼ゾーン60まで延在し、開口部310の第2の部分316が半径方向Rに収束または発散しないように、均一な断面積を画定することができる。
【0053】
図5に示すように、燃料噴射アセンブリ100は、ボスに画定されたそれぞれの締結具孔301と燃料噴射器200に画定された締結具孔201の両方にそれぞれ延在する1つまたは複数の位置合わせピン150を含むことができる。多くの実施形態では、各位置合わせピン150は、それぞれの端壁202およびボス300のフランジ部分306内、およびそれらの間に延在することができる。位置合わせピン150は、燃料噴射アセンブリ100の組み立て中に燃料噴射器200の第1の開口部210がボスの第2の開口部310と適切に位置合わせされることを確実にするように機能することができる。さらに、位置合わせピンは、ガスタービン10の動作中に第1および第2の開口部210,310の位置合わせを維持するように機能することができる。
【0054】
図6は、本開示の実施形態による燃料噴射アセンブリ100の拡大断面図を示す。図示するように、支持プレート400は、燃料噴射アセンブリ全体を、1つまたは複数の機械的締結具450を介して燃焼器17の外側スリーブ44に結合することができる。例えば、いくつかの実施形態では、機械的締結具450は、外側スリーブ44を保持するためのフランジ付き端部452を含む。
【0055】
例えば、単一の構成要素として完全に一体的に形成されている燃料噴射アセンブリの代わりに、別個に形成された構成要素を有する燃料噴射アセンブリ100を利用することにより、有利には、製造の柔軟性を高めることができ、損傷した場合に燃料噴射アセンブリ全体を廃棄しなければならないリスクを低減することができ、その結果、コストが節約される。例えば、本明細書で説明するように、ボス300は、燃料噴射器200よりも安価な材料から別個に形成および作製することができ、その結果、第2の開口部内の燃焼ガスの再循環から生じるボス300への損傷には、アセンブリ100全体ではなくボス300のみを交換すればよい。このようにして、燃料噴射器200の全体的な寿命を有利に延ばすことができる。
【0056】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者も、任意の装置またはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む本発明の実践を可能にするために、例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0057】
10 ガスタービン
12 入口セクション
14 圧縮機セクション/圧縮機
15 空気
16 燃焼器セクション
17 燃焼器
18 タービンセクション
19 圧縮空気
20 排気セクション
22 シャフト
24 ロータディスク/燃焼器缶
26 ロータブレード
28 ロータディスク/タービン
30 ロータブレード
31 外側ケーシング
32 高温ガス経路
34 燃焼ガス
42 燃焼ライナ
44 外側スリーブ
46 一次燃料/空気混合物
50 一次燃焼ゾーン
56 二次燃料/空気混合物
60 二次燃焼ゾーン
70 長手方向中心線
75 長手方向軸
100 燃料噴射アセンブリ/燃料噴射器/噴射器アセンブリ
104 燃料供給ライン/流体導管
118 後端部
120 ヘッドエンド部分
122 燃料ノズル
124 燃料入口
126 エンドカバー
128 燃焼器キャップ
130 前部ケーシング
132 冷却流環状部
140 圧縮機吐出ケース
142 加圧空気プレナム
150 位置合わせピン
154 燃料入口
200 燃料噴射器
201 締結具孔
202 端壁
204 側壁
206 前端壁
208 後端壁
210 第1の開口部
212 燃料噴射部材
214 燃料噴射ポート
216 第1の端部
218 第2の端部
220 導管継手
222 第1の側壁燃料噴射部材
224 第2の側壁燃料噴射部材
226 第3の燃料噴射部材
228 第4の燃料噴射部材
230 半径方向外面
232 半径方向内面
234 前縁
236 後縁
238 外面
242 燃料プレナム
250 機械的締結具
300 ボス
301 締結具孔
302 第1の端部
304 第2の端部
306 フランジ部分
308 ジャケット部分
310 第2の開口部
312 半径方向外面
314 第1の部分
316 第2の部分
332 導管継手
350 中心軸
400 支持プレート
401 締結具孔
402 切欠き部分
450 機械的締結具
452 フランジ付き端部
500 入口流れ調整器
501 締結具孔
502 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】