(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022061605
(43)【公開日】2022-04-19
(54)【発明の名称】内視鏡システム、内視鏡用アダプタ、および内視鏡の作動方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20220412BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A61B1/00 550
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020169640
(22)【出願日】2020-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】松下 朗
(72)【発明者】
【氏名】宮下 尚之
(72)【発明者】
【氏名】出澤 拓磨
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040CA06
2H040DA51
2H040GA02
4C161CC06
4C161HH51
4C161HH55
4C161LL02
4C161QQ07
4C161RR03
4C161RR26
(57)【要約】
【課題】動きセンサーによって生成された測定値と、撮像素子によって生成された画像とを互いに同期させることができる内視鏡システム、内視鏡用アダプタ、および内視鏡の作動方法を提供する。
【解決手段】内視鏡システムは、挿入部およびセンサー部を含む内視鏡を有する。前記挿入部は、前記挿入部の先端に配置された先端部を有する。前記センサー部は、前記先端部に配置される。前記センサー部は、動きセンサーおよび光源を有する。前記動きセンサーは、測定動作を実行し、測定結果を示す測定値を生成する。前記光源は、前記測定動作を示す光を前記測定動作と同期したタイミングで発生する。前記先端部は、前記光源が発生した光を受け取り、かつ画像を生成する撮像素子を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部およびセンサー部を含む内視鏡を有し、
前記挿入部は、前記挿入部の先端に配置された先端部を有し、
前記センサー部は、前記先端部に配置され、
前記センサー部は、
測定動作を実行し、測定結果を示す測定値を生成する動きセンサーと、
前記測定動作を示す光を前記測定動作と同期したタイミングで発生する光源と、
を有し、
前記先端部は、前記光源が発生した光を受け取り、かつ画像を生成する撮像素子を有する
内視鏡システム。
【請求項2】
前記画像を処理することにより、前記光源が発生した前記光を検出し、前記測定動作が実行された時刻と、前記画像が生成された時刻とを互いに関連付けることにより前記測定値と前記画像とを互いに関連付ける信号処理部をさらに有する
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記光源は、前記動きセンサーが測定動作を開始した第1のタイミングで光を発生し、
前記信号処理部は、前記光源が前記第1のタイミングで発生した前記光を検出する
請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記光源は、前記動きセンサーが測定動作を停止した第2のタイミングで光を発生し、
前記信号処理部は、前記光源が前記第2のタイミングで発生した前記光を検出する
請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記動きセンサーは、前記測定動作を実行する加速度センサーと、前記測定動作を実行する角速度センサーとを有する
請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記動きセンサーが前記測定動作を実行している間、前記光源は、前記測定動作が継続していることを示す光を発生し、
前記信号処理部は、前記画像を処理することにより、前記測定動作が継続していることを示す前記光を検出する
請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
互いに関連付けられた前記測定値および前記画像を記憶するメモリーをさらに有する
請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記光源は、前記光源が光を発生する第1の状態と、前記光源が発光を停止する第2の状態とを切り替えることができ、
前記第1の状態が出現するパターンは、前記測定動作の状態と対応する
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記第1の状態が発生する期間の数は、前記測定動作の状態と対応する
請求項8に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記第1の状態が継続する期間の長さは、前記測定動作の状態と対応する
請求項8に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記センサー部は、前記先端部に着脱可能である
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記センサー部は、前記内視鏡を使用する観察のための光学アダプタに配置されている
請求項11に記載の内視鏡システム。
【請求項13】
前記光源は、可視光を発生する
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項14】
前記光源は、赤外光と紫外光との一方を発生する
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項15】
前記光源は、前記測定動作の状態と対応する波長を持つ光を発生する
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項16】
内視鏡が有する挿入部の先端に接続される内視鏡用アダプタであって、
測定動作を実行し、測定結果を示す測定値を生成する動きセンサーと、
前記測定動作のタイミングを示す制御信号を前記動きセンサーに出力する信号出力回路と、
前記測定動作を示す光を前記制御信号が示す前記タイミングで発生する光源と、
を有する内視鏡用アダプタ。
【請求項17】
内視鏡の先端に配置された動きセンサーに測定動作を実行させ、かつ測定結果を示す測定値を生成させる測定ステップと、
前記先端に配置された光源に、前記測定動作を示す光を前記測定動作と同期したタイミングで発生させる発光ステップと、
前記先端に配置された撮像素子に、前記光源が発生した光を受け取らせ、かつ画像を生成させる撮像ステップと、
を有する内視鏡の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡システム、内視鏡用アダプタ、および内視鏡の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用の内視鏡装置は、ボイラー、ガスタービン、自動車エンジン、およびパイプ等の内部の異常(傷および腐食等)の検査に使用されている。内視鏡を使用する検査において、検査対象物が検査されたという証拠を記録することが要求されている。検査対象物の大きさと比較して内視鏡の視野は狭い。また、検査対象物において周期的な構造が多い。そのため、ユーザーが、内視鏡によって取得された画像に基づいて、検査された部位を判断することが難しい。
【0003】
structure from motion(SfM)のように2次元画像に基づいて3次元画像を再構成する技術が提案されている。この技術を使用することにより、検査された部位を含む検査対象物の3次元画像が得られる。
【0004】
しかしながら、2次元画像の品質が悪い場合、または2次元画像の枚数が不十分である場合、3次元画像の再構成に失敗する可能性がある。そのため、内視鏡の先端に動きセンサー(慣性センサ)のようなセンサーを配置する技術が望まれている。3次元画像が得られない場合であっても、センサーを使用することにより検査位置の情報を得ることができる。2次元画像と位置情報とを互いに関連付けることにより、2次元画像および位置情報が検査の証拠として機能する。
【0005】
撮像素子によって生成された画像と、センサーによって取得されたセンサーデータとが互いに時間的に同期している必要がある。1つの発振器によって生成されたクロックを撮像素子とセンサーとに供給することにより、撮像素子およびセンサーはクロックを共有することができる。この場合、2次元画像と検査位置の情報とが互いに時間的に同期する。
【0006】
特許文献1に開示された技術は、同期信号を含む画像を生成するカプセル内視鏡を提供する。カプセル内視鏡はその画像を無線で送信し、体外に配置された受信装置がその画像を受信する。受信された画像から同期信号が検出される。画像とセンサーデータとを互いに時間的に同期させるために、この同期信号を使用できる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
センサーが搭載されていない内視鏡では、撮像素子とセンサーとでクロックを共有するための電気的な接点(端子)がない。新たなセンサーが内視鏡に搭載される場合、画像とセンサーデータとを互いに時間的に同期させることができない。画像とセンサーデータとの同期を実現するためには、クロックをセンサーに出力するための新たな信号線等を内視鏡に設置する必要がある。
【0009】
上記の同期信号を含む画像を送信する技術では、受信処理および同期信号を検出する処理の各々において遅延が発生する。画像とセンサーデータとを同期させるために上記の同期信号が使用される場合、その遅延が無視できない。
【0010】
本発明は、動きセンサーによって生成された測定値と、撮像素子によって生成された画像とを互いに同期させることができる内視鏡システム、内視鏡用アダプタ、および内視鏡の作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、挿入部およびセンサー部を含む内視鏡を有し、前記挿入部は、前記挿入部の先端に配置された先端部を有し、前記センサー部は、前記先端部に配置され、前記センサー部は、測定動作を実行し、測定結果を示す測定値を生成する動きセンサーと、前記測定動作を示す光を前記測定動作と同期したタイミングで発生する光源と、を有し、前記先端部は、前記光源が発生した光を受け取り、かつ画像を生成する撮像素子を有する内視鏡システムである。
【0012】
本発明の内視鏡システムは、前記画像を処理することにより、前記光源が発生した前記光を検出し、前記測定動作が実行された時刻と、前記画像が生成された時刻とを互いに関連付けることにより前記測定値と前記画像とを互いに関連付ける信号処理部をさらに有する。
【0013】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記光源は、前記動きセンサーが測定動作を開始した第1のタイミングで光を発生し、前記信号処理部は、前記光源が前記第1のタイミングで発生した前記光を検出する。
【0014】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記光源は、前記動きセンサーが測定動作を停止した第2のタイミングで光を発生し、前記信号処理部は、前記光源が前記第2のタイミングで発生した前記光を検出する。
【0015】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記動きセンサーは、前記測定動作を実行する加速度センサーと、前記測定動作を実行する角速度センサーとを有する。
【0016】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記動きセンサーが前記測定動作を実行している間、前記光源は、前記測定動作が継続していることを示す光を発生し、前記信号処理部は、前記画像を処理することにより、前記測定動作が継続していることを示す前記光を検出する。
【0017】
本発明の内視鏡システムは、互いに関連付けられた前記測定値および前記画像を記憶するメモリーをさらに有する。
【0018】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記光源は、前記光源が光を発生する第1の状態と、前記光源が発光を停止する第2の状態とを切り替えることができ、前記第1の状態が出現するパターンは、前記測定動作の状態と対応する。
【0019】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記第1の状態が発生する期間の数は、前記測定動作の状態と対応する。
【0020】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記第1の状態が継続する期間の長さは、前記測定動作の状態と対応する。
【0021】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記センサー部は、前記先端部に着脱可能である。
【0022】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記センサー部は、前記内視鏡を使用する観察のための光学アダプタに配置されている。
【0023】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記光源は、可視光を発生する。
【0024】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記光源は、赤外光と紫外光との一方を発生する。
【0025】
本発明の内視鏡システムにおいて、前記光源は、前記測定動作の状態と対応する波長を持つ光を発生する。
【0026】
本発明は、内視鏡が有する挿入部の先端に接続される内視鏡用アダプタであって、測定動作を実行し、測定結果を示す測定値を生成する動きセンサーと、前記測定動作のタイミングを示す制御信号を前記動きセンサーに出力する信号出力回路と、前記測定動作を示す光を前記制御信号が示す前記タイミングで発生する光源と、を有する内視鏡用アダプタである。
【0027】
本発明は、内視鏡の先端に配置された動きセンサーに測定動作を実行させ、かつ測定結果を示す測定値を生成させる測定ステップと、前記先端に配置された光源に、前記測定動作を示す光を前記測定動作と同期したタイミングで発生させる発光ステップと、前記先端に配置された撮像素子に、前記光源が発生した光を受け取らせ、かつ画像を生成させる撮像ステップと、を有する内視鏡の作動方法である。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、内視鏡システム、内視鏡用アダプタ、および内視鏡の作動方法は、動きセンサーによって生成された測定値と、撮像素子によって生成された画像とを互いに同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態による内視鏡システムが有する動きセンサーの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態による内視鏡システムの動作の手順を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第1の実施形態による内視鏡システムの動作を示すタイミングチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施形態による内視鏡システムが有する光源の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態による内視鏡システムの動作の手順を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第3の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態による内視鏡システムの動作の手順を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第4の実施形態による内視鏡システムが有する挿入部の先端の構成を示す図である。
【
図11】本発明の第4の実施形態による内視鏡システムが有する光学アダプタの構成を示すブロック図である。
【
図12】本発明と関連する第1の発明の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図13】本発明と関連する第2の発明の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図14】本発明と関連する第3の発明の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明と関連する第3の発明の実施形態による内視鏡システムが有するセンサー部の構成を示すブロック図である。
【
図16】本発明と関連する第4の発明の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明と関連する第5の発明の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【
図18】本発明と関連する第6の発明の実施形態による内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による内視鏡システム1の構成を示す。内視鏡システム1は、被写体SUを撮影し、被写体SUの画像を生成する。例えば、被写体SUは工業製品である。
【0032】
図1に示す内視鏡システム1は、内視鏡2および本体部3を有する。内視鏡2は、挿入部4およびセンサー部5を有する。挿入部4は、撮像素子41および照明光源42を有する。センサー部5は、動きセンサー51および光源52を有する。本体部3は、制御部31および信号処理部32を有する。
図1に示す各部の大きさは、実際の大きさと異なる。
【0033】
内視鏡システム1の概略構成を説明する。挿入部4は、挿入部4の先端に配置された先端部40を有する。センサー部5は、先端部40に配置されている。動きセンサー51は、測定動作を実行し、測定結果を示す測定値を生成する。光源52は、測定動作を示す光を測定動作と同期したタイミングで発生する。先端部40は、光源52が発生した光を受け取り、かつ画像を生成する撮像素子41を有する。
【0034】
内視鏡システム1の詳細な構成を説明する。挿入部4は、細長い形状を有し、かつ湾曲することができる。挿入部4は、観察対象の物体に挿入される。
【0035】
先端部40は、挿入部4の先端面43を含む。例えば、先端部40は、硬質な材料で形成されている。撮像素子41および照明光源42は、先端部40内に配置されている。
【0036】
撮像素子41は、具体的にはイメージセンサであり、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサである。撮像素子41は、行列状に配置された複数の画素を有し、被写体SUの画像を生成する。具体的には、撮像素子41は、2枚以上の画像(フレーム)を含む動画を所定のフレームレート(撮像レート)で生成する。撮像素子41は、各フレーム期間において1枚の画像を生成する。撮像素子41は、生成された画像を本体部3の制御部31に出力する。
【0037】
例えば、照明光源42は、LED(Light Emitting Diode)である。照明光源42は、照明光を発生する。照明光源42が発生した光は、被写体SUに照射される。照明光源42が挿入部4に配置されている必要はない。照明光源42は本体部3に配置されてもよい。本体部3に配置された照明光源42が光を発生し、その光は挿入部4に配置された光ファイバーのようなライトガイドによって先端部40に導かれてもよい。
【0038】
センサー部5は、挿入部4から分離している。センサー部5は、挿入部4の表面上に配置されている。センサー部5は、先端部40と接触している。センサー部5は、挿入部4と一緒に観察対象の物体に挿入される。
【0039】
動きセンサー51は、撮像素子41と近い位置に配置されている。例えば、動きセンサー51は、IMU(Inertial Measurement Unit)のように角速度および加速度を測定可能な慣性センサーである。
図2は、動きセンサー51の構成を示す。
図2に示す動きセンサー51は、加速度センサー511および角速度センサー512を有する。
【0040】
加速度センサー511および角速度センサー512は、測定動作を実行し、測定値を生成する。例えば、加速度センサー511は、先端部40に発生する3次元の加速度を測定する。加速度センサー511によって生成された測定値は加速度を示す。加速度を積分することにより速度を得ることができ、その速度を積分することにより位置を得ることができる。例えば、角速度センサー512は、ジャイロセンサーであり、先端部40に発生する3次元の角速度を測定する。角速度センサー512によって生成された測定値は角速度を示す。角速度を積分することにより回転量を得ることができる。
【0041】
加速度センサー511および角速度センサー512の各々の状態は、測定状態および停止状態のいずれか一方である。加速度センサー511および角速度センサー512は、測定状態と停止状態とを切り替えることができる。加速度センサー511または角速度センサー512の状態が測定状態であるとき、加速度センサー511または角速度センサー512は測定動作を実行する。加速度センサー511または角速度センサー512の状態が停止状態であるとき、加速度センサー511または角速度センサー512は測定動作を停止している。
【0042】
加速度センサー511および角速度センサー512は、互いに独立して状態を切り替えることができる。加速度センサー511および角速度センサー512が同時に測定動作を開始する必要はなく、かつ加速度センサー511および角速度センサー512が同時に測定動作を停止する必要はない。
【0043】
例えば、光源52はLEDである。光源52は、測定動作が実行されたタイミングを示す光を発生する。光源52が発生した光は、挿入部4の先端面43の前方に向かって照射される。その光は被写体SUで反射し、撮像素子41に入射する。
【0044】
光源52の状態は、発光状態および停止状態のいずれか一方である。光源52は、発光状態と停止状態とを切り替えることができる。光源52の状態が発光状態であるとき、光源52は光を発生する。光源52の状態が停止状態であるとき、光源52は発光を停止している。
【0045】
光源52は動きセンサー51と同期している。例えば、センサー部5は、
図1に示されていないクロック発生器を有し、そのクロック発生器はクロックを動きセンサー51および光源52に出力する。
【0046】
動きセンサー51および光源52は、本体部3から制御信号を受けずに単独で動作することができる。そのため、センサー部5と本体部3とを互いに電気的に接続する必要はなく、クロックはセンサー部5と本体部3との間で共有されない。
【0047】
動きセンサー51および光源52の少なくとも一方は先端部40に配置されてもよい。例えば、先端部40が、直径が互いに異なる2つの円筒面を持つ場合、動きセンサー51または光源52は内側の円筒面の内部に配置されてもよい。この場合でも動きセンサー51および光源52は、本体部3から制御信号を受けずに単独で動作することが出来るため、本体部3と電気的に接続するための構成をセンサー部5に設ける必要はない。
【0048】
制御部31は、本体部3および挿入部4の各々に配置された回路を制御する。制御部31は、撮像素子41から出力された画像を受信し、かつその画像を信号処理部32に出力する。信号処理部32は、制御部31から出力された画像を処理し、かつ処理結果を制御部31に通知する。
【0049】
制御部31および信号処理部32は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。例えば、論理回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)の少なくとも1つである。制御部31および信号処理部32は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御部31および信号処理部32は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0050】
電源は
図1に示されていない。例えば、本体部3は、制御部31、信号処理部32、撮像素子41、および照明光源42に電力を供給する電源を有する。センサー部5は、動きセンサー51および光源52に電力を供給する電源を有してもよい。センサー部5は本体部3とケーブルで接続されてもよく、かつ電力がそのケーブルを経由して本体部3の電源からセンサー部5に供給されてもよい。センサー部5は、本体部3から独立している電源装置とケーブルで接続されてもよく、かつ電力がそのケーブルを経由してその電源装置からセンサー部5に供給されてもよい。ケーブルは、USB接続等を使用することにより本体部3と接続され、データ転送および電力供給を実施する。ソフトウェアが介在する通信方式(USBまたはLAN等)を使用し、かつクロック同期用の信号をケーブルで転送することによりクロックの同期を実施することが想定される。しかしながら、ソフトウェアが実行される環境(CPUの状態またはそのソフトウェアと並列的に実行される他のソフトウェアの状態)に応じて、予想できない遅延が発生する場合がある。そのため、ハードウェアのみを使用することによりクロックの同期が実施される場合と比較して、同期の品質が劣化する可能性がある。
【0051】
図3は、内視鏡システム1の動作の手順を示す。センサー部5が実行する処理と、撮像素子41が実行する処理とが
図3に示されている。
【0052】
動きセンサー51は、測定動作を実行し、かつ測定結果を示す測定値を生成する(ステップS101)。光源52は、測定動作を示す光を測定動作と同期したタイミングで発生する(ステップS102)。ステップS102は、ステップS101が実行されるタイミングで実行される。動きセンサー51は、測定動作(ステップS101)を繰り返す。動きセンサー51が測定動作を実行している間、光源52は常に光を発生する必要はない。
【0053】
一方、撮像素子41は、光源52が発生した光を受け取り、かつ画像を生成する(ステップS201)。撮像素子41は画像の生成(ステップS201)を繰り返す。光源52が常に光を発生するとは限らないため、その光が常に画像に写っているとは限らない。
【0054】
図4は、内視鏡システム1の動作のタイミングを示す。動きセンサー51の状態、動きセンサー51の測定値、光源52の状態、および内視鏡2の画像が
図4に示されている。加速度センサー511の測定値が動きセンサー51の測定値の例として示されている。
図4における水平方向は時間を示す。
【0055】
例えば、動きセンサー51の状態は、動きセンサー51に供給される制御信号の状態と対応する。制御信号の状態が第1の状態であるとき、動きセンサー51の状態は測定状態である。例えば、制御信号の電圧がハイレベルであるとき、動きセンサー51の状態は測定状態である。制御信号の状態が第2の状態であるとき、動きセンサー51の状態は停止状態である。例えば、制御信号の電圧がローレベルであるとき、動きセンサー51の状態は停止状態である。
【0056】
例えば、光源52の状態は、光源52に供給される制御信号の状態と対応する。制御信号の状態が第1の状態であるとき、光源52の状態は発光状態である。例えば、制御信号の電流値が0よりも大きい所定値であるとき、光源52の状態は発光状態である。制御信号の状態が第2の状態であるとき、光源52の状態は停止状態である。例えば、制御信号の電流値が0であるとき、光源52の状態は停止状態である。
【0057】
図4に示す時刻t1の前および
図4に示す時刻t2の後、動きセンサー51の状態は停止状態である。動きセンサー51の状態は、時刻t1から時刻t2までの期間A1において測定状態である。動きセンサー51は、時刻t1において測定動作を開始し、かつ時刻t2において測定動作を停止する。動きセンサー51は、時刻t1において測定値の生成を開始し、かつ時刻t2において測定値の生成を停止する。動きセンサー51は、期間A1において測定動作を実行し、測定値を生成する。
【0058】
動きセンサー51の電源がオンになったタイミングから所定時間が経過したとき、動きセンサー51は測定動作を開始する。例えば、所定時間は30秒である。
【0059】
時刻t1の前、光源52の状態は停止状態である。動きセンサー51が時刻t1において測定動作を開始したとき、光源52は、測定動作が開始されたことを示す光を発生する。つまり、光源52は、測定動作の開始と対応するパターンで光を発生する。
図4に示す例では、光源52は、画像のフレームレートに従うタイミングで光を3回発生する。つまり、光源52は、連続する3つのフレーム期間の各々と対応するタイミングにおいてパルス光を発生する。光源52が発光を継続する期間は1つのフレーム期間よりも短い。光源52は、1つのフレーム期間において発光を開始し、かつそのフレーム期間において発光を停止する。
【0060】
動きセンサー51が測定動作を実行している間、光源52は、測定動作が継続していることを示す光を発生する。つまり、光源52は、測定動作の継続と対応するパターンで光を発生する。
図4に示す例では、光源52は、連続する2つのフレーム期間のうち最初のフレーム期間と対応するタイミングにおいてパルス光を発生し、次のフレーム期間と対応するタイミングにおいて発光を停止する。光源52は、動きセンサー51が測定動作を停止するまで、この動作を繰り返す。
【0061】
動きセンサー51が時刻t2において測定動作を停止したとき、光源52は、測定動作が停止されたことを示す光を発生する。つまり、光源52は、測定動作の停止と対応するパターンで光を発生する。
図4に示す例では、光源52は、画像のフレームレートに従うタイミングで光を2回発生する。つまり、光源52は、連続する2つのフレーム期間の各々と対応するタイミングにおいてパルス光を発生する。その後、光源52の状態は停止状態である。
【0062】
撮像素子41は、光源52から照射された光の反射光が到達する位置に配置されている。撮像素子41は、その光が写っている画像を生成する。これにより、動きセンサー51の測定動作のタイミングが画像に記録される。例えば、その光は、画像における所定の領域に写っている。
【0063】
動きセンサー51が測定動作を開始したとき、光源52は光を3回発生する。光源52が発生した光は、連続する3つのフレーム期間の画像に写っている。動きセンサー51が測定動作を開始した時刻t1は、その3つのフレーム期間のうち最初のフレーム期間において画像IMG1が生成された時刻t11と対応する。
【0064】
動きセンサー51が測定動作を停止したとき、光源52は光を2回発生する。光源52が発生した光は、連続する2つのフレーム期間の画像に写っている。動きセンサー51が測定動作を停止した時刻t2は、その2つのフレーム期間のうち最初のフレーム期間において画像IMG2が生成された時刻t12と対応する。
【0065】
したがって、動きセンサー51が測定動作を継続する期間A1と、光が写っている画像に基づいて検出された期間A2とを関連付けることができる。つまり、期間A1において生成された測定値と、期間A2において生成された画像とを同期させることができる。期間A1および期間A2のいずれか一方の長さが正しい値からずれている可能性がある場合には、内視鏡システム1は、期間A1および期間A2のうち正しい方を基準にして時刻を補正し、その後、期間A1と期間A2とを関連付けてもよい。
【0066】
図4に示す例では、動きセンサー51が測定動作を開始し、または動きセンサー51が測定動作を停止した後、光源52は、第1のフレーム期間および第2のフレーム期間を含む連続する2つ以上のフレーム期間において光を発生する。光源52は、第1のフレーム期間において光を発生する。光源52が第1のフレーム期間において発光を停止した後、光源52は、第1のフレーム期間に続く第2のフレーム期間において光を発生する。光源52は、第2のフレーム期間において発光を停止する。
【0067】
撮像素子41の露光期間の開始タイミングは、光源52が発光を開始するタイミングと一致するとは限らない。光源52が短い期間において光を発生する場合、その期間は撮像素子41の露光期間に含まれない可能性がある。そのため、光源52は、1つのフレーム期間よりも短く、かつできるだけ長い期間において光を発生してもよい。例えば、光源52は、撮像素子41の露光期間の半分よりも長い期間において光を発生してもよい。
【0068】
図4に示す例では、光源52は、1つのフレーム期間よりも短い期間において光を発生する。光源52が断続的に光を発生するため、光源52の消費電力が節約される効果が得られる。また、照明光源42の光量と比較して光源52の相対的な光量を小さくできるため、撮像素子41によって生成された画像に光源52が与える影響を小さくすることができ、かつ観察が容易になる効果が得られる。
【0069】
光源52は、光源52が光を発生する発光状態(第1の状態)と、光源52が発光を停止する停止状態(第2の状態)とを切り替えることができる。発光状態が出現するパターンは、測定動作の状態と対応する。例えば、そのパターンは、発光状態の数および発光状態の長さの少なくとも一方によって示される。
【0070】
光源52は、動きセンサー51が測定動作を開始したタイミング(第1のタイミング)で光を発生する。
図4に示す例では、光源52は、動きセンサー51が測定動作を開始した時刻t1において発光を開始し、画像のフレームレートと同じレートで光を3回発生する。この場合、発光状態が3回発生する。
【0071】
光源52は、動きセンサー51が測定動作を停止したタイミング(第2のタイミング)で光を発生する。
図4に示す例では、光源52は、動きセンサー51が測定動作を停止した時刻t2において発光を開始し、画像のフレームレートと同じレートで光を2回発生する。この場合、発光状態が2回発生する。
【0072】
発光状態が発生する期間の数は、測定動作の状態と対応する。その期間の長さは、フレーム期間の長さと同じである。
図4に示す例では、測定動作の開始を示す発光状態が、連続する3つの期間において発生する。
図4に示す例では、測定動作の停止を示す発光状態が、連続する2つの期間において発生する。
【0073】
発光状態が継続する期間の長さが測定動作の状態と対応してもよい。その場合、光源52は、1つのフレーム期間よりも長い期間において光を継続的に発生する。例えば、測定動作の開始を示す発光状態が、連続する3つの期間において継続してもよい。測定動作の停止を示す発光状態が、連続する2つの期間において継続してもよい。これにより、光源52が3つまたは2つのフレーム期間の各々において光を断続的に発生する場合と同様の効果を得ることができる。
【0074】
動きセンサー51が測定動作を実行している間、光源52は、測定動作が継続していることを示す光を発生する。
図4に示す例では、光源52は、画像のフレームレートの半分のレートで光を発生する。そのため、光源52が光を発生するフレーム期間と、光源52が発光を停止するフレーム期間とが交互に発生する。この場合、発光状態が周期的に発生する。
【0075】
光源52は、動きセンサー51が測定動作を開始したときのみ光を発生してもよい。光源52は、測定動作が停止されたときに光を発生する必要はない。光源52が測定動作の開始を示す光を発生するため、動きセンサー51が測定動作を開始した時刻t1と、その光が写っている画像IMG1が生成された時刻t11とを関連付けることができる。つまり、測定値の生成が開始された時刻t1と、画像IMG1が生成された時刻t11とを関連付けることができる。
【0076】
動きセンサー51は、時刻t1において測定値の生成を開始し、かつ時刻t2において測定値の生成を停止する。測定値が生成された時刻を示す第1の時刻情報が測定値に付加される。第1の時刻情報が示す時刻t1と、第1の時刻情報が示す時刻t2とに基づいて、時刻t1から時刻t2までの期間A1の長さを算出することができる。画像が生成された時刻を示す第2の時刻情報が画像に付加される。画像IMG1に付加された第2の時刻情報が示す時刻t11と、期間A1の長さとに基づいて、画像IMG2が生成された時刻t12を算出することができる。これにより、測定値の生成が停止された時刻t2と、画像IMG2が生成された時刻t12とを関連付けることができる。したがって、光源52が測定動作の停止を示す光を発生する必要はない。
【0077】
光源52は、測定動作が継続していることを示す光を発生する必要はない。その光が画像に写っている場合、測定の欠落が発生していないことを確認することができる。光源52が測定動作の継続を示す光の発生を停止した後、光源52は測定動作の停止を示す光を発生する必要はない。
【0078】
光源52は、加速度センサー511が測定動作を開始したときに光を発生し、かつ角速度センサー512が測定動作を開始したときに光を発生してもよい。光源52は、加速度センサー511が測定動作を停止したときに光を発生し、かつ角速度センサー512が測定動作を停止したときに光を発生してもよい。光源52は、加速度センサー511の測定動作が継続していることを示す光を発生し、かつ角速度センサー512の測定動作が継続していることを示す光を発生してもよい。加速度センサー511の測定動作の状態を示す光のパターンと、角速度センサー512の測定動作の状態を示す光のパターンとは、互いに異なる。
【0079】
図4に示す例では、光源52は、測定動作の状態と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。センサー部5が2つ以上の光源を有する必要はない。そのため、センサー部5が軽くなる。
【0080】
例えば、光源52は、可視光を発生する。観察のために照明光源42が発生する可視光と同様の可視光を光源52が発生するため、撮像素子41等において特別な設計変更または特別な処理は必要ない。ユーザーは、画像に写っている光を確認することができる。光源52は、所定の色を持つ可視光を発生してもよい。例えば、光源52は、赤色光を発生してもよい。この場合、ユーザーは、画像に写っている光を容易に確認することができる。
【0081】
光源52は、赤外光と紫外光との一方を発生してもよい。光源52が赤外光を発生する場合、撮像素子41は、赤外光に感度を持つ画素を有してもよい。光源52が紫外光を発生する場合、撮像素子41は、紫外光に感度を持つ画素を有してもよい。光源52が赤外光と紫外光との一方を発生する場合、その光は人間には見えない。そのため、その光は、ユーザーが実施する観察を邪魔しない。
【0082】
光源52は、測定動作の状態と対応する波長を持つ光を発生してもよい。例えば、光源52は、
図5に示す光源52aに変更されてもよい。光源52aは、第1の光源521および第2の光源522を有する。第1の光源521は、動きセンサー51が測定動作を開始したタイミングで、第1の波長を持つ光を発生する。第2の光源522は、動きセンサー51が測定動作を停止したタイミングで、第1の波長と異なる第2の波長を持つ光を発生する。撮像素子41は、第1の波長を持つ光に感度を持つ画素と、第2の波長を持つ光に感度を持つ画素とを有する。
【0083】
光源52aは、測定動作が継続していることを示し、かつ第3の波長を持つ光を発生する光源を有してもよい。第3の波長は、第1の波長および第2の波長と異なる。撮像素子41は、第3の波長を持つ光に感度を持つ画素を有してもよい。
【0084】
第1の実施形態において、内視鏡システム1は、動きセンサー51によって生成された測定値と、撮像素子41によって生成された画像とを互いに同期させることができる。
【0085】
センサー部5と本体部3とが互いに電気的に接続されていないため、センサー部5と本体部3との間でクロックを共有するための信号線等は必要ない。光源52が発生した光が画像に記録されるため、光が発生するタイミングと画像が生成されるタイミングとの間に、無線通信等を原因とする遅延が発生しない。
【0086】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態による内視鏡システム1aの構成を示す。
図1に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0087】
図1に示す内視鏡2は内視鏡2aに変更される。
図1に示す本体部3は本体部3aに変更される。本体部3aは、
図1に示す制御部31および信号処理部32に加えて通信部33およびメモリー34を有する。
図1に示すセンサー部5はセンサー部5aに変更される。センサー部5aは、
図1に示す動きセンサー51および光源52に加えて通信部53を有する。
【0088】
動きセンサー51は、測定値を生成し、かつ測定値を通信部53に出力する。通信部53は、通信回路を有し、ケーブルあるいは無線で本体部3aの通信部33と接続される。通信部53は、動きセンサー51から出力された測定値を通信部33に送信する。通信部53と通信部33とがケーブルで互いに接続される場合、USBケーブルなどが使用される。前述したように、ソフトウェアが介在する通信方式を使用し、かつクロック同期用の信号をケーブルで転送することによりクロックの同期が実施される場合、ハードウェアのみを使用することによりクロックの同期が実施される場合と比較して、同期の品質が劣化する可能性がある。
【0089】
動きセンサー51が測定動作を実行している間、通信部53は測定値を通信部33に送信してもよい。センサー部5aは、動きセンサー51から出力された測定値を記憶するメモリーを有してもよい。動きセンサー51が測定動作を停止した後、通信部53は、メモリーに記憶されている測定値を通信部33に送信してもよい。
【0090】
通信部33は、通信回路を有し、ケーブルあるいは無線でセンサー部5aの通信部53と接続される。通信部33は、通信部53によって送信された測定値を受信し、かつ測定値を制御部31に出力する。
【0091】
制御部31は、撮像素子41から出力された画像と、通信部33によって受信された測定値とを信号処理部32に出力する。信号処理部32は、画像を処理することにより、光源52が発生した光を検出する。信号処理部32は、測定動作が実行された時刻と、画像が生成された時刻とを互いに関連付けることにより測定値と画像とを互いに関連付ける。
【0092】
信号処理部32は、互いに関連付けられた測定値および画像を制御部31に出力する。制御部31は、測定値および画像をメモリー34に出力する。メモリー34は、揮発性または不揮発性のメモリーである。例えば、メモリー34は、RAM(Random Access Memory)、DRAM(DynamicRandom Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、およびフラッシュメモリーの少なくとも1つである。メモリー34は、互いに関連付けられた測定値および画像を記憶する。
【0093】
図7は、内視鏡システム1aの動作の手順を示す。センサー部5aが実行する処理と、撮像素子41および本体部3aが実行する処理とが
図7に示されている。
図3に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0094】
動きセンサー51は、ステップS101において測定値を生成する。光源52は、ステップS102において測定動作を示す光を発生する。ステップS101およびステップS102の後、通信部53は、動きセンサー51によって生成された測定値を本体部3aの通信部33に送信する(ステップS103)。測定動作と測定値の送信とが並行して実行される場合、ステップS101からステップS103は繰り返し実行される。
【0095】
撮像素子41がステップS201において画像を生成した後、通信部33は、センサー部5aの通信部53によって送信された測定値を受信する(ステップS202)。測定動作と測定値の送信とが並行して実行される場合、画像の生成と測定値の受信とが並行して実行される。そのため、ステップS201およびステップS202は繰り返し実行される。
【0096】
ステップS201およびステップS202の後、信号処理部32は、撮像素子41によって生成された画像を処理することにより、光源52が発生した光を検出する(ステップS203)。光源52は、測定動作の状態と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。信号処理部32は、ステップS203においてそのパターンを解析する。
【0097】
例えば、光源52は、動きセンサー51が測定動作を開始した第1のタイミングで光を発生する。その光は、測定動作の開始を示す。第1のタイミングは、
図4に示す時刻t1と対応する。信号処理部32は、光源52が第1のタイミングで発生した光を検出する。
図4に示す例では、動きセンサー51が測定動作を開始したとき、光源52は光を3回発生する。光源52が発生した光は、連続する3つのフレーム期間の画像に写っている。連続する3枚の画像において光が検出された場合、信号処理部32は、第1のタイミングで発生した光を検出する。
【0098】
光源52は、動きセンサー51が測定動作を停止した第2のタイミングで光を発生する。その光は、測定動作の停止を示す。第2のタイミングは、
図4に示す時刻t2と対応する。信号処理部32は、光源52が第2のタイミングで発生した光を検出する。
図4に示す例では、動きセンサー51が測定動作を停止したとき、光源52は光を2回発生する。光源52が発生した光は、連続する2つのフレーム期間の画像に写っている。連続する2枚の画像において光が検出された場合、信号処理部32は、第2のタイミングで発生した光を検出する。
【0099】
動きセンサー51が測定動作を実行している間、光源52は、測定動作が継続していることを示す光を発生する。信号処理部32は、撮像素子41から出力された画像を処理することにより、測定動作が継続していることを示す光を検出する。
図4に示す例では、光源52が光を発生するフレーム期間と、光源52が発光を停止するフレーム期間とが交互に発生する。連続する2枚の画像の一方において光が検出され、その2枚の画像の他方において光が検出されず、そのような状態が4つ以上のフレーム期間において継続する場合、信号処理部32は、測定動作が継続していることを示す光を検出する。
【0100】
光源52が発生した光を信号処理部32が検出した後、信号処理部32は、測定動作が実行された時刻(測定時刻)と、その光が写っている画像が生成された時刻(撮像時刻)とを互いに関連付ける。これにより、信号処理部32は、測定値と画像とを互いに関連付ける(ステップS204)。
【0101】
例えば、信号処理部32は、光源52が第1のタイミングで発生した光が写っている画像が生成された時刻を抽出する。
図4に示す例では、信号処理部32は時刻t11を画像IMG1から抽出する。信号処理部32は、動きセンサー51が測定動作を開始したタイミングで最初に生成された測定値の時刻を抽出する。
図4に示す例では、信号処理部32は時刻t1を測定値から抽出する。信号処理部32は、各測定値の時刻と最初に生成された測定値の時刻との差分を算出する。信号処理部32は、最初に生成された測定値の時刻を画像から抽出された時刻で置き換える。信号処理部32は、各測定値の時刻を上記の差分に基づいて修正する。信号処理部32は、上記の処理を実行することにより、測定値と画像とを互いに関連付ける。
【0102】
信号処理部32は、測定値の時刻に基づいて画像の時刻を修正してもよい。例えば、信号処理部32は、最初に生成された測定値と対応する画像の時刻をその測定値の時刻で置き換えてもよい。
【0103】
測定値と画像とが互いに関連付けられた後、制御部31は、測定値および画像をメモリー34に保存する(ステップS205)。
【0104】
動きセンサー51が測定動作を停止した後、通信部53が測定値を通信部33に送信してもよい。信号処理部32は、通信部33が測定値を受信する前にステップS203およびステップS204を実行してもよい。
【0105】
測定動作の開始を示す光を信号処理部32が検出した場合、制御部31は、測定動作の開始を示す情報を、
図1に示されていない表示部に表示してもよい。あるいは、制御部31は、測定動作の開始を示す音声を、
図1に示されていないスピーカーに発生させてもよい。これにより、制御部31は、測定動作の開始をユーザーに通知してもよい。
【0106】
動きセンサー51の電源がオンになったタイミングから所定時間が経過したとき、動きセンサー51は測定動作を開始する。所定時間が経過し、かつ測定動作の開始がユーザーに通知されない場合、ユーザーは、動きセンサー51の電源をオフにし、かつ動きセンサー51の電源を再度オンにしてもよい。
【0107】
第2の実施形態において、内視鏡システム1aは、互いに同期した時刻を持つ測定値と画像とを互いに関連付けることができる。センサー部5aは本体部3aと電気的に接続される。しかしながら、センサー部5aと本体部3aとの間でクロックを共有するための信号線等は必要ない。
【0108】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態による内視鏡システム1bの構成を示す。
図6に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0109】
内視鏡システム1bは、
図6に示す本体部3a、挿入部4、およびセンサー部5aに加えて外部端末6を有する。外部端末6は、通信部61、制御部62、信号処理部63、およびメモリー64を有する。
【0110】
センサー部5aの通信部53は、動きセンサー51から出力された測定値を外部端末6の通信部61に送信する。本体部3aの制御部31は、信号処理部32によって処理された画像を通信部33に出力する。通信部33は、制御部31から出力された画像を外部端末6の通信部61に送信する。
【0111】
外部端末6の通信部61は、通信回路を有し、ケーブルあるいは無線でセンサー部5aの通信部53および本体部3aの通信部33と接続される。通信部61は、通信部53によって送信された測定値を受信し、かつ通信部33によって送信された画像を受信する。通信部61は、受信された測定値および画像を制御部62に出力する。通信部61は、測定値を受信する第1の通信部と、画像を受信する第2の通信部とを有してもよい。
【0112】
制御部62は、通信部61によって受信された測定値および画像を信号処理部63に出力する。信号処理部63は、第2の実施形態における信号処理部32と同様の機能を有する。信号処理部63は、画像を処理することにより、光源52が発生した光を検出する。信号処理部63は、測定動作が実行された時刻と、画像が生成された時刻とを互いに関連付けることにより測定値と画像とを互いに関連付ける。
【0113】
信号処理部63は、互いに関連付けられた測定値および画像を制御部62に出力する。制御部62は、測定値および画像をメモリー64に出力する。メモリー64は、揮発性または不揮発性のメモリーである。例えば、メモリー64は、RAM、DRAM、SRAM、ROM、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリーの少なくとも1つである。メモリー64は、互いに関連付けられた測定値および画像を記憶する。
【0114】
制御部62および信号処理部63は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。制御部62および信号処理部63は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御部62および信号処理部63は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0115】
図9は、内視鏡システム1bの動作の手順を示す。センサー部5aが実行する処理と、撮像素子41および本体部3aが実行する処理と、外部端末6が実行する処理とが
図9に示されている。
図3に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0116】
動きセンサー51は、ステップS101において測定値を生成する。光源52は、ステップS102において測定動作を示す光を発生する。ステップS101およびステップS102の後、通信部53は、動きセンサー51によって生成された測定値を外部端末6の通信部61に送信する(ステップS103a)。測定動作と測定値の送信とが並行して実行される場合、ステップS101からステップS103aは繰り返し実行される。
【0117】
撮像素子41がステップS201において画像を生成した後、通信部33は、その画像を外部端末6の通信部61に送信する(ステップS211)。撮像素子41が画像を連続的に生成している間、画像はメモリー34に蓄積されてもよい。通信部33は、所定のタイミングでその画像を通信部61に送信してもよい。画像の生成と画像の送信とが並行して実行される場合、ステップS201およびステップS211は繰り返し実行される。
【0118】
外部端末6の通信部61は、センサー部5aの通信部53によって送信された測定値を受信し(ステップS301)、かつ本体部3aの通信部33によって送信された画像を受信する(ステップS302)。通信部61は、測定値を受信した後に画像を受信してもよい。あるいは、通信部61は、画像を受信した後に測定値を受信してもよい。測定動作と測定値の送信とが並行して実行され、かつ画像の生成と画像の送信とが並行して実行される場合、測定値の受信と画像の受信とは並行して実行されてもよい。
【0119】
ステップS301およびステップS302の後、信号処理部63は、通信部61によって受信された画像を処理することにより、光源52が発生した光を検出する(ステップS303)。ステップS303は、
図7に示すステップS203と同様である。
【0120】
ステップS303の後、信号処理部63は、測定動作が実行された時刻(測定時刻)と、光が写っている画像が生成された時刻(撮像時刻)とを互いに関連付ける。これにより、信号処理部63は、測定値と画像とを互いに関連付ける(ステップS304)。ステップS304は、
図7に示すステップS204と同様である。
【0121】
ステップS304の後、制御部62は、測定値および画像をメモリー64に保存する(ステップS305)。ステップS305は、
図7に示すステップS205と同様である。
【0122】
動きセンサー51が測定動作を停止した後、通信部53が測定値を通信部61に送信してもよい。信号処理部63は、通信部61が測定値を受信する前にステップS303およびステップS304を実行してもよい。
【0123】
第3の実施形態において、内視鏡システム1bは、互いに同期した時刻を持つ測定値と画像とを互いに関連付けることができる。センサー部5aと本体部3aとが互いに電気的に接続されていないため、センサー部5aと本体部3aとの間でクロックを共有するための信号線等は必要ない。
【0124】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態による内視鏡システムは、
図1に示す本体部3および挿入部4と、
図10に示す光学アダプタ7とを有する。
図10は、挿入部4の先端の構成を示す。各種の内視鏡用アダプタが挿入部4の先端に接続できる。
図10に示す例では、内視鏡を使用する観察のための光学アダプタ7が挿入部4の先端に接続されている。
【0125】
光学アダプタ7はセンサー部5bを有する。
図1に示す先端部40が挿入部4の先端に配置されている。光学アダプタ7は、先端部40に着脱可能である。そのため、センサー部5bは、先端部40に着脱可能である。
【0126】
光学アダプタ7は、照明光源71およびLED516を有する。光を光学アダプタ7に取り込むための開口部72が光学アダプタ7の先端に形成されている。照明光源71およびLED516は、開口部72の周辺に配置されている。照明光源71は、被写体に照射される照明光を発生する。LED516は、測定動作が実行されたタイミングを示す光を発生する。LED516が光を照射する方向は、撮像方向と一致する必要はない。
【0127】
図11は、光学アダプタ7の構成を示す。
図11に示す光学アダプタ7は、センサー部5b、照明光源71、およびコネクタ73を有する。光学アダプタ7に取り込まれた光を挿入部4に伝えるための光学系は
図11に示されていない。
【0128】
センサー部5bは、加速度センサー511、角速度センサー512、A/Dコンバータ513、A/Dコンバータ514、メモリー515、LED516、LEDドライバー517、パターン発生器518、クロック発生器519、およびCPU520(信号出力回路)を有する。
【0129】
加速度センサー511は、
図2に示す加速度センサー511と同じである。角速度センサー512は、
図2に示す角速度センサー512と同じである。
【0130】
A/Dコンバータ513は、加速度センサー511から出力されたアナログの測定値にAD変換を実施し、かつその測定値をデジタルの測定値に変換する。A/Dコンバータ514は、角速度センサー512から出力されたアナログの測定値にAD変換を実施し、かつその測定値をデジタルの測定値に変換する。A/Dコンバータ513およびA/Dコンバータ514は、クロック発生器519によって生成されたクロックに同期して処理を実行する。
【0131】
メモリー515は、揮発性または不揮発性のメモリーである。例えば、メモリー515は、RAM、DRAM、SRAM、ROM、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリーの少なくとも1つである。メモリー515は、A/Dコンバータ513から出力された測定値と、A/Dコンバータ514から出力された測定値とを記憶する。
【0132】
LED516は、
図10に示すLED516と同じである。LEDドライバー517は、LED516に出力される電流を制御することにより、LED516の動作を制御する。
【0133】
クロック発生器519は発振器を有し、クロックを生成する。CPU520は、測定動作の開始または測定動作の停止を示す制御信号を生成し、その制御信号を加速度センサー511および角速度センサー512の各々に出力する。A/Dコンバータ513およびA/Dコンバータ514は、その制御信号に基づいてAD変換を実施する。
【0134】
CPU520は、上記の制御信号をパターン発生器518に出力する。パターン発生器518は、制御信号が入力されたタイミングで、測定動作の開始または測定動作の停止を示す発光状態のパターンを発生する。パターン発生器518は、クロック発生器519によって生成されたクロックに同期して、そのパターンと対応する制御信号をLEDドライバー517に出力する。LEDドライバー517は、その制御信号に基づいてLED516の動作を制御する。LED516は、測定動作の開始または測定動作の停止を示す光を発生する。これにより、LED516は、CPU520から加速度センサー511および角速度センサー512の各々に出力された制御信号が示すタイミングで光を発生する。
【0135】
照明光源71は、
図10に示す照明光源71と同じである。コネクタ73は、光学アダプタ7と挿入部4とを電気的に接続する。例えば、本体部3に配置された電源から出力された電力は、挿入部4に配置されたケーブルおよびコネクタ73を経由して光学アダプタ7に供給される。あるいは、CPU520は、挿入部4に配置されたケーブルおよびコネクタ73を経由して本体部3の制御部31と通信を実施する。あるいは、照明光源71を駆動するための駆動信号が制御部31から出力され、挿入部4に配置されたケーブルおよびコネクタ73を経由して照明光源71に出力される。CPU520は通信を実施する前に、加速度および角速度の各々の測定値に対して、雑音を低減するためにローパスフィルター処理および特定の周波数を強調するためのハイパスフィルター処理などのフィルター処理を実施してもよい。
【0136】
光学アダプタ7は、通信部を有してもよい。その通信部は、測定値を
図6に示す本体部3aの通信部33または
図8に示す外部端末6の通信部61に送信してもよい。
【0137】
センサー部5bは、光学アダプタと異なる種類の内視鏡用アダプタに配置されてもよい。
【0138】
第4の実施形態において、内視鏡システムは、互いに同期した時刻を持つ測定値と画像とを互いに関連付けることができる。センサー部5bが内視鏡用アダプタに配置されているため、センサー部5bを挿入部4の先端部40に容易に配置することができる。
【0139】
(第1の発明の実施形態)
図12は、本発明と関連する第1の発明の実施形態による内視鏡システム1cの構成を示す。
図1に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0140】
図1に示す内視鏡2は内視鏡2cに変更される。
図1に示す本体部3は本体部3cに変更される。本体部3cは、
図1に示す制御部31および信号処理部32に加えてメモリー34を有する。
図1に示すセンサー部5はセンサー部5cに変更される。センサー部5cは、動きセンサー51、受光素子54、および制御部55を有する。
【0141】
メモリー34は、不揮発性のメモリーである。制御部31は、撮像素子41から出力された画像をメモリー34に記録する。制御部31は、画像の記録を開始するタイミングで、測定動作の開始を示す光の発生を照明光源42に指示する。制御部31は、画像の記録を停止するタイミングで、測定動作の停止を示す光の発生を照明光源42に指示する。
【0142】
挿入部4の照明光源42は、測定動作の開始または測定動作の停止をセンサー部5cに要求するための光を発生する。制御部31が測定動作の開始を示す光の発生を照明光源42に指示したとき、照明光源42は、測定動作の開始と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。つまり、照明光源42は、画像の記録が開始されたタイミングで、測定動作の開始を示す光を発生する。その後、制御部31が測定動作の停止を示す光の発生を照明光源42に指示したとき、照明光源42は、測定動作の停止と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。つまり、照明光源42は、画像の記録が停止したタイミングで、測定動作の停止を示す光を発生する。
【0143】
照明光源42が発生した光は、被写体SUで反射し、センサー部5cの受光素子54に入射する。受光素子54はフォトダイオードである。受光素子54は、照明光源42が発生した光を受け取り、かつその光の量に応じた信号を生成する。その信号は、
図12に示されていないA/Dコンバータによってデジタル信号に変換され、制御部55に出力される。
【0144】
制御部55は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。制御部55は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御部55は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0145】
制御部55は、受光素子54に入射した光の量に応じたデジタル信号に基づいて、照明光源42が発生した光を検出する。制御部55は、デジタル信号の値が示す光の強度に基づいて発光状態のパターンを解析する。これにより、制御部55は、測定動作の開始または測定動作の停止を示す光を検出する。測定動作の開始を示す光が検出されたとき、制御部55は、測定動作の開始を示す制御信号を動きセンサー51に出力し、かつ動きセンサー51に測定動作を開始させる。測定動作の停止を示す光が検出されたとき、制御部55は、測定動作の停止を示す制御信号を動きセンサー51に出力し、かつ動きセンサー51に測定動作を停止させる。
【0146】
測定動作の開始を示す制御信号が制御部55から出力された場合、動きセンサー51は測定動作を開始する。測定動作の停止を示す制御信号が制御部55から出力された場合、動きセンサー51は測定動作を停止する。
【0147】
センサー部5cは、
図6に示す通信部53を有してもよく、かつ本体部3cは、
図6に示す通信部33を有してもよい。その場合、通信部53は、動きセンサー51から出力された測定値を通信部33に送信してもよい。制御部31は、測定値を、メモリー34に記録された画像と関連付け、かつメモリー34に記録してもよい。
【0148】
センサー部5cが通信部53を有し、かつ本体部3cが通信部33を有する場合、内視鏡システム1cは、
図8に示す外部端末6を有してもよい。通信部53は、動きセンサー51から出力された測定値を外部端末6の通信部61に送信してもよい。通信部33は、メモリー34に記録された画像を外部端末6の通信部61に送信してもよい。制御部62は、通信部61によって受信された測定値および画像を互いに関連付け、かつメモリー64に記録してもよい。
【0149】
センサー部5cは、内視鏡用アダプタに配置されてもよい。
【0150】
第1の発明の実施形態において、照明光源42は、測定動作を示す光を発生し、制御部55は、受光素子54が受け取った光に基づいて動きセンサー51の測定動作を制御する。動きセンサー51は、画像がメモリー34に記録される期間において測定動作を実行し、かつ測定値を生成する。そのため、内視鏡システム1cは、動きセンサー51によって生成された測定値と、撮像素子41によって生成された画像とを互いに同期させることができる。この場合、挿入部4が有する照明光源42が発する光を測定動作を示す光としてそのまま使用することができるため、内視鏡本体に設計変更を行う必要がない。ユーザーはセンサー部5cを挿入部4に装着するだけで良く、ユーザーの負担を軽減することが出来る。
【0151】
(第2の発明の実施形態)
図13は、本発明と関連する第2の発明の実施形態による内視鏡システム1dの構成を示す。
図1または
図12に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0152】
図13に示す内視鏡システム1dは、内視鏡2c、本体部3、および測定指示装置8を有する。
図1に示す内視鏡2は内視鏡2cに変更される。内視鏡2cは、
図12に示す内視鏡2cと同じである。測定指示装置8は、制御部81および光源82を有する。
【0153】
制御部81は、測定動作の開始を示す光の発生を光源82に指示する。その後、制御部81は、測定動作の停止を示す光の発生を光源82に指示する。制御部81は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成されてもよい。制御部81は、1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。制御部81は、1つまたは複数の論理回路を含むことができる。
【0154】
例えば、光源82はLEDである。光源82は、測定動作の開始または測定動作の停止をセンサー部5cに通知するための光を発生する。制御部81が測定動作の開始を示す光の発生を光源82に指示したとき、光源82は、測定動作の開始と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。つまり、光源82は、測定動作の開始を示す光を発生する。その後、制御部81が測定動作の停止を示す光の発生を光源82に指示したとき、光源82は、測定動作の停止と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。つまり、光源82は、測定動作の停止を示す光を発生する。
【0155】
光源82が発生した光は、センサー部5cの受光素子54および挿入部4の撮像素子41に入射する。受光素子54は、光源82が発生した光を受け取り、かつその光の量に応じた信号を生成する。その信号は、
図13に示されていないA/Dコンバータによってデジタル信号に変換され、制御部55に出力される。
【0156】
制御部55は、第1の発明の実施形態と同様に、測定動作の開始または測定動作の停止を示す光を検出する。制御部55は、第1の発明の実施形態と同様に、測定動作の開始を示す制御信号または測定動作の停止を示す制御信号を動きセンサー51に出力し、かつ動きセンサー51の測定動作を制御する。動きセンサー51は、第1の発明の実施形態と同様に、制御部55から出力された制御信号に基づいて、測定動作を開始または停止する。
【0157】
撮像素子41は、光源82が発生した光を受け取り、かつ画像を生成する。撮像素子41は、生成された画像を本体部3の制御部31に出力する。制御部31は、撮像素子41から出力された画像を信号処理部32に出力する。信号処理部32は、画像を処理することにより、光源82が発生した光を検出する。
【0158】
測定動作の開始を示す光が検出された場合、信号処理部32は、測定動作の開始を制御部31に通知する。制御部31は、測定動作の開始が通知された時刻を、動きセンサー51が測定動作を開始した時刻として扱う。これにより、制御部31は、動きセンサー51が測定動作を開始したタイミングで生成された画像を特定することができる。測定動作の停止を示す光が検出された場合、信号処理部32は、測定動作の停止を制御部31に通知する。制御部31は、測定動作の停止が通知された時刻を、動きセンサー51が測定動作を停止した時刻として扱う。これにより、制御部31は、動きセンサー51が測定動作を停止したタイミングで生成された画像を特定することができる。
【0159】
例えば、測定指示装置8は、観察対象の物体の外部に配置されている。内視鏡2cが物体に挿入される前に、ユーザーは、内視鏡2cを測定指示装置8に近づけ、測定を開始するための指示を測定指示装置8に入力する。このとき、制御部81は、測定動作の開始を示す光の発生を光源82に指示する。その後、内視鏡2cは物体に挿入される。
【0160】
ユーザーは、測定を停止するために内視鏡2cを物体から引き抜く。内視鏡2cが物体から引き抜かれた後、ユーザーは、内視鏡2cを測定指示装置8に近づけ、測定を停止するための指示を測定指示装置8に入力する。このとき、制御部81は、測定動作の停止を示す光の発生を光源82に指示する。
【0161】
センサー部5cは、
図6に示す通信部53を有してもよく、かつ本体部3は、
図6に示す通信部33を有してもよい。その場合、通信部53は、動きセンサー51から出力された測定値を通信部33に送信してもよい。信号処理部32は、画像を処理することにより、光源82が発生した光を検出してもよい。信号処理部32は、測定動作が実行された時刻と、画像が生成された時刻とを互いに関連付けることにより測定値と画像とを互いに関連付けてもよい。制御部31は、測定値および画像をメモリー34に記録してもよい。
【0162】
センサー部5cが通信部53を有し、かつ本体部3が通信部33を有する場合、内視鏡システム1dは、
図8に示す外部端末6を有してもよい。通信部53は、動きセンサー51から出力された測定値を外部端末6の通信部61に送信してもよい。通信部33は、メモリー34に記録された画像を外部端末6の通信部61に送信してもよい。外部端末6の信号処理部63は、画像を処理することにより、光源82が発生した光を検出してもよい。信号処理部63は、測定動作が実行された時刻と、画像が生成された時刻とを互いに関連付けることにより測定値と画像とを互いに関連付けてもよい。制御部62は、測定値および画像をメモリー64に記録してもよい。
【0163】
センサー部5cは、内視鏡用アダプタに配置されてもよい。
【0164】
第2の発明の実施形態において、光源82は、測定動作を示す光を発生し、制御部55は、受光素子54が受け取った光に基づいて動きセンサー51の測定動作を制御する。動きセンサー51は、測定指示装置8によって指示された期間において測定動作を実行し、かつ測定値を生成する。信号処理部32は、画像を処理することにより、測定動作を示す光を検出する。そのため、内視鏡システム1dは、動きセンサー51によって生成された測定値と、撮像素子41によって生成された画像とを互いに同期させることができる。
【0165】
(第3の発明の実施形態)
図14は、本発明と関連する第3の発明の実施形態による内視鏡システム1eの構成を示す。
図1または
図12に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0166】
図1に示す内視鏡2は内視鏡2eに変更される。
図1に示す本体部3は本体部3cに変更される。本体部3cは、
図12に示す本体部3cと同じである。
図1に示すセンサー部5はセンサー部5eに変更される。センサー部5eは、動きセンサー51、光源52、受光素子54、および制御部55を有する。
【0167】
本体部3cの制御部31は、第1の発明の実施形態と同様に、画像の記録を開始するタイミングで、測定動作の開始を示す光の発生を照明光源42に指示する。制御部31は、第1の発明の実施形態と同様に、画像の記録を停止するタイミングで、測定動作の停止を示す光の発生を照明光源42に指示する。画像の記録が停止された後、制御部31は、測定値を取得するために、測定値の送信を示す光の発生を照明光源42に指示する。
【0168】
挿入部4の照明光源42は、測定動作の開始、測定動作の停止、または測定値の送信をセンサー部5eに要求するための光を発生する。照明光源42は、第1の発明の実施形態と同様に、画像の記録が開始されたタイミングで、測定動作の開始を示す光を発生する。照明光源42は、第1の発明の実施形態と同様に、画像の記録が停止したタイミングで、測定動作の停止を示す光を発生する。その後、制御部31が測定値の送信を示す光の発生を照明光源42に指示したとき、照明光源42は、測定値の送信と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。つまり、照明光源42は、測定値の送信を示す光を発生する。
【0169】
受光素子54は、第1の発明の実施形態と同様に、照明光源42が発生した光を受け取り、かつその光の量に応じた信号を生成する。その信号は、
図14に示されていないA/Dコンバータによってデジタル信号に変換され、制御部55に出力される。
【0170】
制御部55は、第1の発明の実施形態と同様に、デジタル信号の値が示す光の強度に基づいて発光状態のパターンを解析する。これにより、制御部55は、測定動作の開始、測定動作の停止、および測定値の送信のいずれか1つを示す光を検出する。測定動作の開始を示す光が検出されたとき、制御部55は、測定動作の開始を示す制御信号を動きセンサー51に出力し、かつ動きセンサー51に測定動作を開始させる。測定動作の停止を示す光が検出されたとき、制御部55は、測定動作の停止を示す制御信号を動きセンサー51に出力し、かつ動きセンサー51に測定動作を停止させる。測定値の送信を示す光が検出されたとき、制御部55は、測定値を示す光の発生を光源52に指示する。光源52は、測定値と対応する発光状態のパターンを持つ光を発生する。つまり、光源52は、測定値を示す光を発生する。
【0171】
撮像素子41は、光源52が発生した光を受け取り、かつ画像を生成する。撮像素子41は、生成された画像を本体部3cの制御部31に出力する。制御部31は、撮像素子41から出力された画像を信号処理部32に出力する。信号処理部32は、画像を処理することにより、測定値を検出する。信号処理部32は、検出された測定値を制御部31に通知する。制御部31は、測定値をメモリー34に記憶されている画像と関連付け、かつメモリー34に保存する。
【0172】
図15は、センサー部5eの構成を示す。センサー部5eは、加速度センサー511、角速度センサー512、A/Dコンバータ513、A/Dコンバータ514、メモリー515、LED516、LEDドライバー517、パターン発生器518、クロック発生器519、CPU520、PD523、アンプ524、およびA/Dコンバータ525を有する。
図11に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0173】
LED516は、
図14に示す光源52と対応する。CPU520は、
図14に示す制御部55と対応する。PD523は、フォトダイオードであり、
図14に示す受光素子54と対応する。PD523は、照明光源42が発生した光を受け取り、かつその光の量に応じたアナログ信号を生成する。アンプ524は、PD523から出力されたアナログ信号を増幅する。A/Dコンバータ525は、アンプ524から出力されたアナログ信号にAD変換を実施し、かつそのアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/Dコンバータ525は、デジタル信号をCPU520に出力する。
【0174】
CPU520は、メモリー515に記憶されている測定値をパターン発生器518に出力する。パターン発生器518は、測定値と対応する発光状態のパターンを発生する。パターン発生器518は、そのパターンと対応する制御信号をLEDドライバー517に出力する。LEDドライバー517は、その制御信号に基づいてLED516の動作を制御する。LED516は、測定値を示す光を発生する。
【0175】
センサー部5eは、内視鏡用アダプタに配置されてもよい。
【0176】
第3の発明の実施形態において、照明光源42は、測定動作を示す光を発生し、制御部55は、受光素子54が受け取った光に基づいて動きセンサー51の測定動作を制御する。動きセンサー51は、画像がメモリー34に記録される期間において測定動作を実行し、かつ測定値を生成する。そのため、内視鏡システム1eは、動きセンサー51によって生成された測定値と、撮像素子41によって生成された画像とを互いに同期させることができる。
【0177】
光源52は、測定値を示す光を発生し、撮像素子41は、その光が写っている画像を生成する。信号処理部32は、画像を処理することにより、測定値を検出する。そのため、センサー部5eは、
図6に示す通信部53を有する必要はなく、かつ本体部3cは、
図6に示す通信部33を有する必要はない。この場合、照明光源42が測定動作を示す光を発し、光源52が測定値を示す光を発しているので、センサー部5eは、解析処理を実行することなく動きセンサー51の測定値を直接本体部3cに送信することができる。
【0178】
(第4の発明の実施形態)
図16は、本発明と関連する第4の発明の実施形態による内視鏡システム1fの構成を示す。
図1または
図12に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0179】
図1に示す内視鏡2は内視鏡2fに変更される。
図1に示す本体部3は本体部3cに変更される。本体部3cは、
図12に示す本体部3cと同じである。
図1に示す挿入部4は挿入部4fに変更される。挿入部4fは、
図1に示す撮像素子41および照明光源42に加えてマイク44を有する。
図1に示すセンサー部5はセンサー部5fに変更される。センサー部5fは、動きセンサー51およびスピーカー56を有する。
【0180】
スピーカー56は、測定動作が実行されたタイミングを示す音を発生する。スピーカー56は、測定動作の開始または測定動作の停止と対応するパターンを持つ音を発生する。スピーカー56は、動きセンサー51が測定動作を開始したタイミングで、測定動作の開始を示す音を発生する。スピーカー56は、動きセンサー51が測定動作を停止したタイミングで、測定動作の停止を示す音を発生する。
【0181】
スピーカー56が発生した音は、マイク44に到達する。マイク44は、挿入部4fの先端部40fに配置されている。マイク44は、スピーカー56が発生した音を受け取り、かつその音の量に応じた信号を生成する。その信号は、
図16に示されていないA/Dコンバータによってデジタル信号に変換され、制御部31に出力される。マイク44は、本体部3cに配置されてもよい。
【0182】
制御部31は、デジタル信号を信号処理部32に出力する。信号処理部32は、デジタル信号の値が示す音の強度に基づいて音のパターンを解析する。これにより、信号処理部32は、測定動作の開始または測定動作の停止を示す音を検出する。
【0183】
測定動作の開始を示す音が検出された場合、信号処理部32は、測定動作の開始を制御部31に通知する。制御部31は、測定動作の開始が通知された時刻を、動きセンサー51が測定動作を開始した時刻として扱う。これにより、制御部31は、動きセンサー51が測定動作を開始したタイミングで生成された画像を特定することができる。測定動作の停止を示す音が検出された場合、信号処理部32は、測定動作の停止を制御部31に通知する。制御部31は、測定動作の停止が通知された時刻を、動きセンサー51が測定動作を停止した時刻として扱う。これにより、制御部31は、動きセンサー51が測定動作を停止したタイミングで生成された画像を特定することができる。
【0184】
センサー部5fは、
図6に示す通信部53を有してもよく、かつ本体部3cは、
図6に示す通信部33を有してもよい。その場合、通信部53は、動きセンサー51から出力された測定値を通信部33に送信してもよい。制御部31は、測定値を、メモリー34に記録された画像と関連付け、かつメモリー34に記録してもよい。
【0185】
センサー部5fは、内視鏡用アダプタに配置されてもよい。
【0186】
第4の発明の実施形態において、スピーカー56は、測定動作を示す音を発生し、信号処理部32は、マイク44によって検出された音に基づいて測定動作を検出する。そのため、内視鏡システム1fは、動きセンサー51によって生成された測定値と、撮像素子41によって生成された画像とを互いに同期させることができる。
【0187】
(第5の発明の実施形態)
図17は、本発明と関連する第5の発明の実施形態による内視鏡システム1gの構成を示す。
図1または
図12に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0188】
図1に示す内視鏡2は内視鏡2gに変更される。
図1に示す本体部3は本体部3cに変更される。本体部3cは、
図12に示す本体部3cと同じである。
図1に示す挿入部4は挿入部4gに変更される。挿入部4gは、
図1に示す撮像素子41および照明光源42に加えて通信部45およびアンテナ46を有する。
図1に示すセンサー部5はセンサー部5gに変更される。センサー部5gは、動きセンサー51、通信部53g、制御部55、およびアンテナ57を有する。
【0189】
通信部53gは、無線通信回路を有し、アンテナ57と接続されている。通信部53gは、アンテナ57を経由して挿入部4gの通信部45と無線通信を実施する。アンテナ57は、電波の送信および受信を実施する。制御部55は、
図12に示す制御部55と同じである。
【0190】
通信部45およびアンテナ46は、挿入部4gの先端部40gに配置されている。通信部45は、無線通信回路を有し、アンテナ46と接続されている。通信部45は、アンテナ46を経由してセンサー部5gの通信部53gと無線通信を実施する。アンテナ46は、電波の送信および受信を実施する。通信部45およびアンテナ46は、本体部3cに配置されてもよい。
【0191】
本体部3cの制御部31は、画像の記録を開始するタイミングで、測定動作の開始を示す開始情報の送信を通信部45に指示する。通信部45は、アンテナ46を使用することにより開始情報をセンサー部5gの通信部53gに送信する。アンテナ46は、開始情報と対応する電波を送信する。
【0192】
センサー部5gのアンテナ57は、挿入部4gの通信部45によって送信された開始情報と対応する電波を受信する。通信部53gは、アンテナ57を経由して開始情報を通信部45から受信する。通信部53gは、受信された開始情報を制御部55に出力する。開始情報が受信されたとき、制御部55は、測定動作の開始を示す制御信号を動きセンサー51に出力し、かつ動きセンサー51に測定動作を開始させる。
【0193】
本体部3cの制御部31は、画像の記録を停止するタイミングで、測定動作の停止を示す停止情報の送信を通信部45に指示する。通信部45は、アンテナ46を経由して停止情報をセンサー部5gの通信部53gに送信する。アンテナ46は、停止情報と対応する電波を送信する。
【0194】
センサー部5gのアンテナ57は、挿入部4gの通信部45によって送信された停止情報と対応する電波を受信する。通信部53gは、アンテナ57を経由して停止情報を通信部45から受信する。通信部53gは、受信された停止情報を制御部55に出力する。停止情報が受信されたとき、制御部55は、測定動作の停止を示す制御信号を動きセンサー51に出力し、かつ動きセンサー51に測定動作を停止させる。
【0195】
動きセンサー51は、測定値を制御部55に出力する。制御部55は、測定値の送信を通信部53gに指示する。通信部53gは、アンテナ57を経由して測定値を挿入部4gの通信部45に送信する。アンテナ57は、測定値と対応する電波を送信する。
【0196】
挿入部4gのアンテナ46は、センサー部5gの通信部53gによって送信された測定値と対応する電波を受信する。通信部45は、アンテナ46を経由して測定値を通信部53gから受信する。通信部45は、受信された測定値を制御部31に出力する。制御部31は、測定値をメモリー34に記憶されている画像と関連付け、かつメモリー34に保存する。
【0197】
センサー部5gは、内視鏡用アダプタに配置されてもよい。
【0198】
第5の発明の実施形態において、通信部45は、測定動作を示す情報を通信部53gに送信し、制御部55は、通信部53gが受信した情報に基づいて動きセンサー51の測定動作を制御する。動きセンサー51は、画像がメモリー34に記録される期間において測定動作を実行し、かつ測定値を生成する。そのため、内視鏡システム1gは、動きセンサー51によって生成された測定値と、撮像素子41によって生成された画像とを互いに同期させることができる。
【0199】
(第6の発明の実施形態)
図18は、本発明と関連する第6の発明の実施形態による内視鏡システム1hの構成を示す。
図1または
図12に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0200】
図1に示す内視鏡2は内視鏡2hに変更される。
図1に示す本体部3は本体部3cに変更される。本体部3cは、
図12に示す本体部3cと同じである。
図1に示す挿入部4は挿入部4hに変更される。挿入部4hは、
図1に示す撮像素子41および照明光源42に加えて第2の通信ユニット47を有する。
図1に示すセンサー部5はセンサー部5hに変更される。センサー部5hは、動きセンサー51、制御部55、および第1の通信ユニット58を有する。
【0201】
第1の通信ユニット58は、センサー部5hに着脱可能である。センサー部5hに設けられたコネクタに第1の通信ユニット58を接続することにより、第1の通信ユニット58はセンサー部5hに接続される。
【0202】
第2の通信ユニット47は、挿入部4hに着脱可能である。挿入部4hの先端部40hに設けられたコネクタに第2の通信ユニット47を接続することにより、第2の通信ユニット47は挿入部4hに接続される。
【0203】
2種類以上の第1の通信ユニット58および2種類以上の第2の通信ユニット47が用意されている。第2の通信ユニット47を使用せずに第1の通信ユニット58を使用することにより、本発明の第1から第3の実施形態のいずれか1つが実現される。また、第2の通信ユニット47を使用せずに第1の通信ユニット58を使用する、または第1の通信ユニット58および第2の通信ユニット47を組み合わせることにより、本発明と関連する第1から第5の発明の実施形態のいずれか1つが実現される。
【0204】
例えば、第1の通信ユニット58は光源52を有し、かつ第2の通信ユニット47は使用されない。この場合、本発明の第1から第3の実施形態(
図1、
図6、および
図8)のいずれか1つが実現される。
【0205】
例えば、第1の通信ユニット58は受光素子54を有し、かつ第2の通信ユニット47は使用されない。この場合、本発明と関連する第1および第2の発明の実施形態(
図12および
図13)のいずれか1つが実現される。本発明と関連する第2の発明の実施形態では、測定指示装置8が必要である。
【0206】
例えば、第1の通信ユニット58は光源52および受光素子54を有し、かつ第2の通信ユニット47は使用されない。この場合、本発明と関連する第3の発明の実施形態(
図14)が実現される。
【0207】
例えば、第1の通信ユニット58はスピーカー56を有し、かつ第2の通信ユニット47はマイク44を有する。この場合、本発明と関連する第4の発明の実施形態(
図16)が実現される。
【0208】
例えば、第1の通信ユニット58は通信部53gおよびアンテナ57を有し、かつ第2の通信ユニット47は通信部45およびアンテナ46を有する。この場合、本発明と関連する第5の発明の実施形態(
図17)が実現される。
【0209】
マイク44が挿入部4hまたは本体部3cに内蔵されてもよい。あるいは、通信部45およびアンテナ46が挿入部4hまたは本体部3cに内蔵されてもよい。マイク44が挿入部4hまたは本体部3cに内蔵されている場合、第2の通信ユニット47はマイク44を有する必要はない。通信部45およびアンテナ46が挿入部4hまたは本体部3cに内蔵されている場合、第2の通信ユニット47は通信部45およびアンテナ46を有する必要はない。マイク44、通信部45、およびアンテナ46が挿入部4hまたは本体部3cに内蔵されている場合、第2の通信ユニット47は不要である。
【0210】
センサー部5hは、内視鏡用アダプタに配置されてもよい。これにより、本発明の第4の実施形態(
図10および
図11)が実現される。
【0211】
第6の発明の実施形態において、内視鏡システム1hは、本発明の第1から第3の実施形態のいずれか1つまたは本発明と関連する第1から第5の発明の実施形態のいずれか1つを実現することができる。
【0212】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0213】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h 内視鏡システム
2,2a,2c,2e,2f,2g,2h 内視鏡
3,3a,3c 本体部
4,4f,4g,4h 挿入部
5,5a,5b,5c,5e,5f,5g,5h センサー部
6 外部端末
7 光学アダプタ
8 測定指示装置
31,62,55,81 制御部
32,63 信号処理部
33,45,53,53g,61 通信部
34,64,515 メモリー
40,40f,40g,40h 先端部
41 撮像素子
42,71 照明光源
44 マイク
46,57 アンテナ
47 第2の通信ユニット
51 動きセンサー
52,52a,82 光源
54 受光素子
58 第1の通信ユニット
56 スピーカー
72 開口部
73 コネクタ
511 加速度センサー
512 角速度センサー
513,514,525 A/Dコンバータ
516 LED
517 LEDドライバー
518 パターン発生器
519 クロック発生器
520 CPU
521 第1の光源
522 第2の光源
523 PD
524 アンプ